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JP5330196B2 - コネクタ装置、及び雄コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、電力を供給するために用いられるコネクタ装置、及び雄コネクタに関する。
一般的に電気機器は、電源より電力の供給を受け動作する。このように、電源より電力の供給を受ける際には、通常コネクタ装置を介し電源より電気機器へ電力が供給される。この際用いられるコネクタ装置は、特許文献1、2に開示されているように、凸状の雄型タイプのコネクタと、凹状の雌型タイプのコネクタを嵌合することにより、電気的に接続を行うものである。
一方近年では、地球温暖化等に対する対策の一つとして、ローカルエリアにおける送電においても、電圧変換や送電等における電力損失が少なく、ケーブルの太さも太くする必要のない、直流で高電圧の電力の供給が検討されている。特に、サーバ等の情報機器においては、大量に電力を消費するためこのような電力供給が望ましいものとされている。
このように電気機器に供給される電力に関しては、電圧が高いと人体に影響を及ぼす場合や、電子部品の動作に影響を与える場合がある。
このような高電圧の電力をサーバ等の情報機器に用いる場合においては、装置の設置やメンテナンスの際においては、人により作業が行われるため、電気的接続がされている部分であるコネクタ装置は通常の交流の商用電源に用いられるものとは異なるものとする必要がある。
特開平5−82208号公報 特開2003−31301号公報
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、特に、高電圧の電力を安全に供給することが可能なコネクタ装置、及び雄コネクタを提供することを目的とするものである。
本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタ装置であって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、導体からなる制御用プラグ端子と、を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記制御用プラグ端子には、前記差込方向に対して垂直に突出する段部が設けられ、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、2つの制御用電極が設けられた制御用ジャック端子と、前記段部が係脱する係止爪とを有しており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が電気的に接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給されると共に、前記段部が前記係止爪に係止されるものであることを特徴とする。
また、本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雌コネクタと接続される雄コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、導体からなる制御用プラグ端子と、を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記制御用プラグ端子には、前記差込方向に対して垂直に突出する段部が設けられ、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、2つの制御用電極が設けられた制御用ジャック端子と、前記段部が係脱する係止爪とを有しており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が電気的に接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給されると共に、前記段部が前記係止爪に係止されるものであることを特徴とする。
本発明によれば、高電圧の電力を安全に供給することが可能なコネクタ装置、及び雄コネクタを提供することができる。
第1の実施の形態におけるコネクタ装置の構成図である。 第1の実施の形態における雄コネクタの外観の斜視図である。 第1の実施の形態における雌コネクタの斜視図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(1)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(2)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(3)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(4)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(5)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(6)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(7)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(8)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電源供給システムの構成図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置を用いたPDUの斜視図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの外観の斜視図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの制御用プラグ端子を伸縮する場合の説明図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの内部構造の斜視図である。 第3の実施の形態におけるコネクタ装置の構成図である。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタについて説明する。図1に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成の概要を示す。
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10と雌コネクタ20から構成されている。雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40に接続されており、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、アースのための接地用プラグ端子14を有している。制御用プラグ端子13は、雄コネクタ10の差込方向に伸縮させることが可能な構成となっている。
一方、雌コネクタ20は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、2つの制御用電極38、39が設けられた制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
また、雌コネクタ20には、2つのリレー31、32が設けられており、リレー31は、コイル33と、このコイル33に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点34が設けられている。このリレー接点34は、コイル33に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。また、リレー32には、コイル35と、このコイル35に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点36が設けられている。このリレー接点36は、コイル35に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。
リレー接点34の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、リレー接点36の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子22に接続されている。
雌コネクタ20はリレー31、32を駆動するためのリレー電源60に接続されている。具体的には、リレー31におけるコイル33の一方の端子と、リレー32におけるコイル35の一方の端子とが接続されており、リレー31におけるコイル33とリレー32におけるコイル35とは直列に接続された構成となっている。また、コイル33の他方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されている。さらに、コイル35の他方の端子は、制御用電極38(以下、電極38という)に接続されており、リレー電源60の他方の端子は、制御用電極39(以下、電極39という)に接続されている。
電極38と電極39は、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを嵌合させた状態において、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、電気的に接続されるものである。具体的には、導体からなる制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、制御用プラグ端子13が電極38と電極39とに、ともに接触し、制御用プラグ端子13を介し、電極38と電極39とが電気的に接続される。
このように、電極38と電極39が電気的に接続されることにより、リレー31、32におけるコイル33、35にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点34、36がそれぞれ閉じ、雌コネクタ20における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタにおける電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
本実施の形態におけるコネクタ装置では、電力用ジャック端子21、22の各々に、リレー31、32のリレー接点34、36が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が高いため、電力用ジャック端子21、22の双方にリレー接点34、36を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
尚、本実施の形態では、リレー31、32は雌コネクタ20の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
(コネクタ装置の構造)
次に、図2、図3に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置の具体的な構造について説明する。図2(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の外観の斜視図であり、図2(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の外観の斜視図であり、図2(c)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態でリターンボタン18が押下された状態の外観の斜視図である。図3(a)は、本実施の形態における雌コネクタ20の外観の斜視図であり、図3(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の一部透過斜視図である。
本実施の形態における雄コネクタ10は、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子11、12、導体からなる制御用プラグ端子13、アースのための接地用プラグ端子14、スライドスイッチ16、リターンボタン18を有している。リターンボタン18は、スライドスイッチ16の開口部から差込方向と垂直方向に突出しており、不図示の付勢手段により突出方向に付勢されている。
図14(a)に示す状態から、図14(b)に示す状態に、スライドスイッチ16を制御用プラグ端子13の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子13が伸びる構成のものである。また、図14(b)に示す状態から、図14(c)に示す状態に、リターンボタン18を押下することにより、制御用プラグ端子13が差込方向と垂直に移動する構成のものである。
一方、図3(a)に示すように、本実施の形態における雌コネクタ20の本体は、雄コネクタ10の本体の一部が嵌入する構成のものである。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12と接続される電力用ジャック端子21、22、接地用プラグ端子14に接続される接地用ジャック端子24、制御用プラグ端子13が伸びた状態で接続される制御用ジャック端子23が設けられている。
尚、図3(b)に示されるように、制御用ジャック端子23の内部には、電極38、39が設けられている。
雌コネクタ20に設けられている電極38、39は、通常の状態では接触することはなく、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ制御用プラグ端子13と電極38、39とが各々接触し、制御用プラグ端子13を介し電極38と電極39とが電気的に接続され電流が流れる構成のものである。
(コネクタ装置の接続方法)
次に、図4から図11に基づき、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法について説明する。図4から図8は、雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法の説明図であり、正面から見た概略構成を示す。図9から図11は、雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法の説明図であり、側面から見た概略構成を示す。
最初に、図4及び図9に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続される前の状態を示す。この状態では、電力用プラグ端子11と電力用ジャック端子21とは接続されていない。同様に、電力用プラグ端子12と電力用ジャック端子22も接続されておらず、接地用プラグ端子14と接地用ジャック端子24も接続されていない。また、スライドスイッチ16が差込む方向(下方向)に移動される前の状態となっており、制御用プラグ端子13は縮んだ状態となっている。
雌コネクタ20には、制御用プラグ端子13の段部19が係脱する係止爪25が設けられている。係止爪25は、制御用プラグ端子13の差込方向に対し傾斜する傾斜面26と、差込方向に対し垂直な垂直面27とを有している。
次に、図5及び図10に、雄コネクタ10が雌コネクタ20に差し込まれた状態を示す。この状態では、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11と雌コネクタ20の電力用ジャック端子21とは嵌合している。同様に、電力用プラグ端子12と電力用ジャック端子22も嵌合しており、接地用プラグ端子14と接地用ジャック端子24も嵌合している。尚、この状態では、スライドスイッチ16は差込む方向(下方向)に移動される前の状態のままであり、制御用プラグ端子13は縮んだ状態のままである。よって、制御用ジャック端子23の2つの電極38、39も電気的に接続されていない。
次に、図6に、雄コネクタ10が雌コネクタ20に差し込まれた状態において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態から伸びている状態に移行する際の途中状態を示す。
具体的には、スライドスイッチ16を差込む方向(下方向)に移動させることにより、制御用プラグ端子13が伸び、制御用プラグ端子13の段部19が雌コネクタ20の係止爪25に当接する。そうすると、図面上、係止爪25の傾斜面26によって段部19が左側に押され、制御用プラグ端子13が左方向に撓む。
次に、図7及び図11に、雄コネクタ10が雌コネクタ20に差し込まれた状態において、制御用プラグ端子13が伸びた状態を示す。
この状態では、制御用プラグ端子13を介して、制御用ジャック端子23の2つの電極38、39が電気的に接続される。これにより、図1に示すリレー電源60から電力が供給され、リレー31、32のコイル33、35に電流が流れ、リレー接点34、36が接続され、電力用ジャック端子21、22を介し、高圧電源50から電力が供給される。
また、この状態では、制御用プラグ端子13が復元し、段部19が係止爪25の垂直面27によって係止される。これにより、制御用プラグ端子13の意図しない抜き止めを行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、高圧電源50から電力が供給される際に、制御用プラグ端子13の意図しない抜き止めを行うことができ、安全性を高めることができる。
次に、図8に、図7に示す状態において、リターンボタン18が押下された状態を示す。この状態では、図面上、リターンボタン18により制御用プラグ端子13が左側に押され左方向に移動して、段部19が係止爪25から外れる。これにより、雄コネクタ10と雌コネクタ20との接続の解除が可能になる。
以上より、本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11、12が、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に嵌合された状態において、制御用プラグ端子13を伸すことにより、制御用ジャック端子23に設けられた電極38、39を介して電流が流れ、リレーが動作し、電力用ジャック端子21、22に400VDCの電力が供給され、更には、雄コネクタ10のプラグ端子11、12より、情報機器40に電力が供給されるものである。
このように、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ、電力用ジャック端子21、22より電力が供給されるように構成されているのは、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接続されていない状態において、電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されることを防止するためである。即ち、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接合されていない状態において、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されていると、電力用ジャック端子21、22に人が不注意に接触した場合や、電力用ジャック端子21、22よりドライバ、金属片又は切れかけ導線等を介し人が接触した場合において、人体に危険が及ぶ場合があり、このような事態を防ぐためである。
(電力供給システム)
次に、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を説明する。
図12は、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を示すものである。
この電力供給システムは、商用電源70より供給されるAC100V又はAC200Vの電力を高圧電源50に入力し、高圧電源50におけるAC/DC変換器51により、AC100V又はAC200VをDC400Vに変換する。直流電力は、バッテリー等により蓄電することが可能であるため、バックアップ用にバッテリー52を設けることにより、停電等の場合においても容易に対応することが可能である。高圧電源50には電源ケーブルを介し、本実施の形態における雌コネクタ20が接続されており、高圧電源50からの400VDCの電力は、雌コネクタ20より供給される。
一方、本実施の形態における雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40と電源ケーブル15を介し接続されており、雌コネクタ20と雄コネクタ10とを電気的に接続することにより、高圧電源50からの電力が、サーバ等の情報機器40に供給される。
また、サーバ等の情報機器40内には、400VDCをCPU42等の電子部品の動作が可能な低電圧のDC出力に変換するDC/DC変換器41が設けられている。
このような、電力供給システムでは、商用電源70からのACからDCへの変換が一回で済むため電力損失が少ないこと、高電圧な直流である400VDCでは、導線等の太さを気にする必要があまりないこと、直流であることからバッテリー52に蓄えることが可能であり、商用電源70の供給が停電等により停止した場合においても、対応しやすいこと等の利点を有している。
次に、図13に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いたPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)について説明する。
図12に示される高圧電源50より供給される400VDCは、一旦、分電盤70に入力し、各々のPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)30に電力が分配される。各々のPDU30には、本実施の形態における雌コネクタ20が複数設けられており、各々の雌コネクタ20を介し400VDCの電力を供給することが可能である。一方、サーバラック45には、複数のサーバ等の情報機器40が収納されており、各々のサーバ等の情報機器40には、電源供給を受けるための雄コネクタ10が電源ケーブル15を介し接続されている。雄コネクタ10は、PDU30に設けられた雌コネクタ20と電気的に接続することにより、400VDCの電力が供給されるように構成されている。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、本発明に係る雄コネクタに関するものである。具体的には、制御用プラグ端子の縮みをねじりコイルバネの復元力により行う構成のものである。
図14に、本実施の形態の雄コネクタの構成を示す。図14(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態の雄コネクタ110の斜視図であり、図14(b)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態の雄コネクタ110の斜視図である。図14(c)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態であってリターンボタン118が押下された状態の雄コネクタ110の斜視図である。
本実施の形態における雄コネクタ110は、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子111、112、制御用プラグ端子113、アースのための接地用プラグ端子114、スライドスイッチ116、リターンボタン118を有している。リターンボタン118は、スライドスイッチ116の開口部から差込方向と垂直方向に突出しており、不図示の付勢手段により突出方向に付勢されている。
図14(a)に示す状態から、図14(b)に示す状態に、スライドスイッチ116を制御用プラグ端子113の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子113が伸びる構成のものである。また、図14(b)に示す状態から、図14(c)に示す状態に、リターンボタン118を押下することにより、制御用プラグ端子113が差込方向と垂直に移動する構成のものである。
次に、図15、図16に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ110において、制御用プラグ端子113を伸す場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113を伸すことにより、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられた2つの制御用電極が絶縁状態から導通状態となる。
図15(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部構造図であり、図15(b)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部斜視図である。図15(c)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態であってリターンボタン118が押下される前の状態における内部構造図であり、図15(d)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態であってリターンボタン118が押下される前の状態における内部斜視図である。図15(e)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態であってリターンボタン118が押下されたときの状態における内部構造図であり、図15(f)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態であってリターンボタン118が押下されたときの状態における内部斜視図である。また、図16は、図15(f)の部分的拡大図である。
図15(a)、(b)に示すように、スライドスイッチ116は、リターンボタン118を介し、制御用プラグ端子113が伸びる構成のものである。制御用プラグ端子113には、コイルバネ123が接続されており、コイルバネ123は若干縮んだ状態にある。コイルバネ123の復元力により、制御用プラグ端子113を介して、リターンボタン118が突出方向に付勢されている。尚、本実施の形態では、制御用プラグ端子113とリターンボタン118とが一体的に形成されている。
また、雄コネクタ110の内部には、ねじりコイルバネ120が設けられており、このねじりコイルバネ120は、一端120aが雄コネクタ110の筐体に回転可能な状態で支持されており、他端がカム軸121と回転可能な状態で接続されている。このカム軸121は、カム溝122内を移動可能な構成となっており、スライドスイッチ116の筒状部117内に挿通されている。
制御用プラグ端子113が縮んでいる状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に位置しており、カム軸121はカム溝122内の最も左側に位置しており、筒状部117の左側の内部壁面において接している。この際、ねじりコイルバネ120は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
この後、スライドスイッチ116を差込方向に対し差込む方向(右方向)に移動させると、リターンボタン118により制御用プラグ端子113が右側に押され右方向に移動すると共に、筒状部117によりカム軸121が右側に押されカム溝122内を右方向に移動する。これに伴い、ねじりコイルバネ120が更に閉脚した(撓んだ)状態となる。ねじりコイルバネ120の復元力は、カム軸121がカム溝122内の最も右側に移動する直前に最も強くなる。カム軸121がカム溝122内の最も右側に移動すると、ねじりコイルバネ120が復元し(開脚し)、図15(c)、(d)に示す状態となる。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に移動しており、制御用プラグ端子113も右側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も右側に移動しており、筒状部117の右側の内部壁面において接している。この際、ねじりコイルバネ120は、自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態となっている。
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に伸すことができる。これは、ねじりコイルバネ120の復元力に抗して行われるものである。
次に、図15、図16に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ110において、制御用プラグ端子113を縮ませる場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113が縮んだ状態では、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられた2つの制御用電極が導通状態から絶縁状態となる。
図15(c)、(d)に示すように、制御用プラグ端子113が伸びている状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に位置しており、制御用プラグ端子113も右側に位置している。カム軸121は、カム溝122内の最も右側に位置して、筒状部117の右側の内部壁面において接している。この際、ねじりコイルバネ120は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
この後、リターンボタン118を押下することにより、図15(e)、(f)に示す状態となる。
この状態では、図面上、制御用プラグ端子113は、伸びた状態のまま、リターンボタン118により上側に押され上方向に移動する。この際、制御用プラグ端子113の側面により、カム軸121が上側に押され、カム溝122内で上方向に移動する。この状態では、ねじりコイルバネ120は、図15(c)、(d)に示す状態よりも更に閉脚した(撓んだ)状態となっており、ねじりコイルバネ120の復元力が強くなっている。
この後、ねじりコイルバネ120が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が左方向に移動し、図15(a)、(b)に示す状態となる。
即ち、ねじりコイルバネ120が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が左方向に移動し、これにより、スライドスイッチ116の筒状部117の左側の内壁面が押され、リターンボタン118を介して制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮むのである。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に移動しており、制御用プラグ端子113も左側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も左側に移動しており、筒状部117の左側の内部壁面において接している。この際、ねじりコイルバネ120は、図15(c)(d)に示す状態よりも開脚した状態となっている。
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に対し縮ませることができる。これは、ねじりコイルバネ120の復元力、即ち、ねじりコイルバネ120の開脚する力により、制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮ませるものであるため、短時間に行われる。
ところで、このようなねじりコイルバネ120を有しない構成の場合、人の指の力のみで、制御用プラグ端子113を差込方向に縮めるが、人によって縮める速度が異なり、遅くなる場合がある。
このような場合、制御用プラグ端子113の縮める速度が遅いことに起因し、この制御用プラグ端子113により接続される不図示の雌コネクタの接点において、アークが発生したりチャタリングが発生したりする。このようなアークの発生やチャタリングの発生は、雌コネクタの接点を破損させたり、雄コネクタ110に接続されている機器を破損させたりするおそれがある。
本実施の形態における雄コネクタ110においては、短時間に制御用プラグ端子113を縮めることができるため、このようなアークの発生やチャタリングの発生を防ぐことができ、雌コネクタの接点の破損や、雄コネクタ110に接続されている機器の破壊を防止することが可能となる。
尚、本実施の形態では、ねじりコイルバネ120が閉脚している(撓んでいる)状態から開脚する方向に働く復元力を利用して、制御用プラグ端子113を伸縮させるものについて説明したが、カム溝122の構造等を変えることにより、ねじりコイルバネ120が開脚している(撓んでいる)状態から閉脚する復元力を利用して、同様に制御用プラグ端子113の伸縮を行うことも可能である。また、本実施の形態では、ねじりコイルバネ120を用いたが、同様の作用が得られる弾性体であれば、どのような構成のものでもよい。
尚、本実施の形態における雄コネクタは、第1の実施の形態に記載されている雄コネクタに代えて用いることができるものであり、第1の実施の形態に記載されている雄コネクタと組み合わせることにより、コネクタ装置として使用することができるものである。
また、本実施の形態における雄コネクタ110においては、リターンボタン118を押下することにより制御用プラグ端子113を縮めることができ、制御用プラグ端子113を縮めるためのスライドスイッチ116の移動操作が不要となる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタについて説明する。図17に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成の概要を示す。尚、図17において、図1から図13と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10と雌コネクタ220から構成されている。雌コネクタ220は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ220には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、2つの電極38、39が設けられた制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
また、雌コネクタ220には、一つのコイル222と2つのリレー接点223、224からなるリレー221が設けられており、コイル222に電流を流すことにより、リレー接点223、224が閉じて各々が接続される。このリレー接点223、224は、コイル222に電流が流れていない状態では、ともに開いた状態となり接続されることはない。
リレー接点223の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、リレー接点224の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子22に接続されている。
雌コネクタ220はリレー221を駆動するためのリレー電源60が接続されている。即ち、リレー221のコイル222の一方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されている。さらに、コイル222の他方の端子は、電極38に接続されており、リレー電源60の他方の端子は、電極39に接続されている。
電極38と電極39は、上述の如く、雄コネクタ10と雌コネクタ220とを嵌合させた状態において、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、電気的に接続されるものである。
このように、電極38と電極39が電気的に接続されることにより、リレー221におけるコイル222にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点223、224がそれぞれ閉じ、雌コネクタ220における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタ10における電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
本実施の形態におけるコネクタ装置においては、電力用ジャック端子21、22の各々に、リレー221のリレー接点223、224が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用ジャック端子21、22の双方にリレー接点223、224を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方への電力の供給を制御することにより、安全性をより一層高めている。
尚、本実施の形態におけるコネクタ装置は、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
尚、本実施の形態では、リレー221は雌コネクタ220の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
尚、上記説明においては、400VDCの場合について詳しく説明したが、本発明の実施の形態として記載されているコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは直流(DC)であれば、用いることが可能である。特に、直流の場合はACと異なり、人体に安全な周波数というのも存在しないからである。
また、人体における影響の観点から直流電圧としては、通常は48V以下の電圧が用いられている。これは、通常48V以下であれば、感電により人体に与える影響が殆どないためであり、このことから、48Vを超える電圧の場合、人体に与える影響は大きく、特に、200V以上の電圧は危険である。
本発明の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは、安全性を高めた構成であることから、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧に特に顕著な効果を発揮するものである。即ち、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは、従来とは異なる構成により安全性を高めているため、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧についても安全性が高められているため、特に、顕著な効果を発揮するものである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び変更を加えることができる。
10 雄コネクタ
11 電力用プラグ端子(+)
12 電力用プラグ端子(−)
13 制御用プラグ端子
14 接地用プラグ端子
15 電源ケーブル
19 段部
20 雌コネクタ
21 電力用ジャック端子(+)
22 電力用ジャック端子(−)
23 制御用プラグ端子
24 接地用プラグ端子
25 係止爪
38 制御用電極
39 制御用電極
40 サーバ等の情報機器
50 高圧電源
120 ねじりコイルバネ
123 コイルバネ(付勢手段)

Claims (12)

  1. 電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタ装置であって、
    前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、導体からなる制御用プラグ端子と、を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
    前記制御用プラグ端子には、前記差込方向に対して垂直に突出する段部が設けられ、
    前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、2つの制御用電極が設けられた制御用ジャック端子と、前記段部が係脱する係止爪とを有しており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が電気的に接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給されると共に、前記段部が前記係止爪に係止されるものであることを特徴とするコネクタ装置。
  2. 前記雄コネクタは、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、前記スライドスイッチの開口部から前記差込方向に垂直に突出するリターンボタンと、前記リターンボタンを突出方向に付勢する付勢手段と、を更に有し、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態であって前記制御用プラグ端子が伸びた状態において、前記リターンボタンを押下することにより前記制御用プラグ端子が差込方向に垂直に移動して前記段部が前記係止爪から外れるものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
  3. 前記雄コネクタは、ねじりコイルバネを更に有し、
    前記制御用プラグ端子が伸びた状態において、前記リターンボタンを押下することによ前記制御用プラグ端子を介して前記ねじりコイルバネが撓み、前記ねじりコイルバネの復元力により前記制御用プラグ端子が前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
  4. 前記雌コネクタには接地用ジャック端子が設けられており、
    前記雄コネクタには、前記接地用ジャック端子に対応した接地用プラグ端子が設けられおり、
    前記雌コネクタと前記雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタ装置。
  5. 前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタ装置。
  6. 前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ装置。
  7. 電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雌コネクタと接続される雄コネクタであって、
    前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、導体からなる制御用プラグ端子と、を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
    前記制御用プラグ端子には、前記差込方向に対して垂直に突出する段部が設けられ、
    前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、2つの制御用電極が設けられた制御用ジャック端子と、前記段部が係脱する係止爪とを有しており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記2つの制御用電極が電気的に接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給されると共に、前記段部が前記係止爪に係止されるものであることを特徴とする雄コネクタ。
  8. 前記雄コネクタは、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、前記スライドスイッチの開口部から前記差込方向に垂直に突出するリターンボタンと、前記リターンボタンを突出方向に付勢する付勢手段と、を更に有し、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態であって前記制御用プラグ端子が伸びた状態において、前記リターンボタンを押下することにより前記制御用プラグ端子が差込方向に垂直に移動して前記段部が前記係止爪から外れることを特徴とする請求項7に記載の雄コネクタ。
  9. 前記雄コネクタは、ねじりコイルバネを更に有し、
    前記制御用プラグ端子が伸びた状態において、前記リターンボタンを押下することにより、前記制御用プラグ端子を介して前記ねじりコイルバネが撓み、前記ねじりコイルバネの復元力により前記制御用プラグ端子が前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする請求項8に記載の雄コネクタ。
  10. 前記雌コネクタには接地用ジャック端子が設けられており、
    前記雄コネクタには、前記接地用ジャック端子に対応した接地用プラグ端子が設けられおり、
    前記雌コネクタと前記雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の雄コネクタ。
  11. 前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の雄コネクタ。
  12. 前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の雄コネクタ。
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