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JP5330197B2 - コネクタ装置、及び雌コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、電力を供給するために用いられるコネクタ装置、及び雌コネクタに関する。
一般的に電気機器は、電源より電力の供給を受け動作する。このように、電源より電力の供給を受ける際には、通常コネクタ装置を介し電源より電気機器へ電力が供給される。この際用いられるコネクタ装置は、特許文献1、2に開示されているように、凸状の雄型タイプのコネクタと、凹状の雌型タイプのコネクタを嵌合することにより、電気的に接続を行うものである。
一方近年では、地球温暖化等に対する対策の一つとして、ローカルエリアにおける送電においても、電圧変換や送電等における電力損失が少なく、ケーブルの太さも太くする必要のない、直流で高電圧の電力の供給が検討されている。特に、サーバ等の情報機器においては、大量に電力を消費するためこのような電力供給が望ましいものとされている。
このように電気機器に供給される電力に関しては、電圧が高いと人体に影響を及ぼす場合や、電子部品の動作に影響を与える場合がある。
このような高電圧の電力をサーバ等の情報機器に用いる場合においては、装置の設置やメンテナンスの際においては、人により作業が行われるため、電気的接続がされている部分であるコネクタ装置は通常の交流の商用電源に用いられるものとは異なるものとする必要がある。
特開平5−82208号公報 特開2003−31301号公報
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、特に、高電圧の電力を安全に供給することが可能なコネクタ装置、及び雌コネクタを提供することを目的とするものである。
本発明は、電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタ装置であって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子を有しており、
前記制御用ジャック端子には、金属からなる板バネ状の制御スイッチが設けられており、
前記雌コネクタにおいて、前記制御スイッチと、前記制御用プラグ端子との間には、絶縁体バネが設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記絶縁体バネが変形し、前記絶縁体バネを介し、前記制御スイッチの接点が接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給され、
前記絶縁体バネは、前記制御スイッチの接点が切断される際にアークが発生すると、前記発生したアークの熱によって、少なくとも一部が溶解し、前記制御スイッチの接点の再接続を防止するものであることを特徴とする。
また、本発明は、電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと接続される雌コネクタであって、
前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子を有しており、
前記制御用ジャック端子には、金属からなる板バネ状の制御スイッチが設けられており、
前記雌コネクタにおいて、前記制御スイッチと、前記制御用プラグ端子との間には、絶縁体バネが設けられており、
前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記絶縁体バネが変形し、前記絶縁体バネを介し、前記制御スイッチの接点が接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給され、
前記絶縁体バネは、前記制御スイッチの接点が切断される際にアークが発生すると、前記発生したアークの熱によって、少なくとも一部が溶解し、前記制御スイッチの接点の再接続を防止するものであることを特徴とする。
本発明によれば、高電圧の電力を安全に供給することが可能なコネクタ装置、及び雌コネクタを提供することができる。
第1の実施の形態におけるコネクタ装置の構成図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の外観の斜視図である。 第1の実施の形態における雄コネクタの内部構造の斜視図である。 第1の実施の形態における雌コネクタの構造図である。 第1の実施の形態における雌コネクタの内部構造図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(1)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(2)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(3)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(4)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(5)である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の接続方法の説明図(6)である。 第1の実施の形態における雌コネクタのスイッチ部分の構成概略図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の制御用プラグ端子が縮んだ状態の斜視図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置の制御用プラグ端子が伸びた状態の斜視図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電源供給システムの構成図である。 第1の実施の形態におけるコネクタ装置を用いたPDUの斜視図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの外観の斜視図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの制御用プラグ端子を伸縮する場合の説明図である。 第2の実施の形態における雄コネクタの内部構造の斜視図である。 第3の実施の形態におけるコネクタ装置の構成図である。 第3の実施の形態における雌コネクタの内部構造図である。 第4の実施の形態におけるコネクタ装置の構成図である。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタについて説明する。
(コネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成)
図1に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成の概要を示す。
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10と雌コネクタ20から構成されている。雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40に接続されており、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、アースのための接地用プラグ端子14を有している。制御用プラグ端子13は、雄コネクタ10の差込方向に伸縮させることが可能な構成となっている。
一方、雌コネクタ20は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
また、雌コネクタ20には、2つの制御スイッチ31、32が設けられている。この制御スイッチ31、32は、板バネ状のスイッチ等により構成されており、これを押下することにより接点が接触し電流が流れる構成のスイッチである。尚、本実施の形態では、制御スイッチ31、32の直上に絶縁体の板バネ33が設けられている。
制御スイッチ31の一方の端子は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方の端子は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、制御スイッチ32の一方の端子は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方の端子は、電力用ジャック端子22に接続されている。
この2つの制御スイッチ31、32は、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを嵌合させた状態において、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、絶縁体の板バネ33を介し、2つの制御スイッチ31、32の接点が接続される構成のものである。
このように、制御スイッチ31、32の接点が接続されることにより、雌コネクタ20における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタ10における電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
本実施の形態におけるコネクタ装置では、電力用ジャック端子21、22の各々に、制御スイッチ31、32が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用ジャック端子21、22の双方に制御スイッチ31、32を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
尚、本発明では、制御用ジャック端子23とは、制御用プラグ端子13の伸縮により力学的な力によりオン、オフが制御される制御スイッチ等を内部に含む構成のものも含まれる。
(コネクタ装置の構造)
次に、図2から図5に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置の具体的な構造について説明する。図2(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10の外観の斜視図であり、図2(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の外観の斜視図である。図3(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の内部構造の斜視図であり、図3(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の内部構造の斜視図である。図4(a)は、本実施の形態における雌コネクタ20の上面図であり、図4(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の側面図であり、図4(c)は、本実施の形態における雌コネクタ20の裏面図である。図5(a)は、本実施の形態における雌コネクタ20の内部構造の斜視図であり、図5(b)は、本実施の形態における雌コネクタ20の内部構造を側面から見た一部断面図であり、図5(c)は、本実施の形態における雌コネクタ20の内部構造を正面から見た一部断面図である。
図2(a)に示されるように、本実施の形態における雄コネクタ10の本体の外観は、幅W1が30mm、長さD1が30mm、高さH1が16mmである。この雄コネクタ10には、400VDCの直流の電源ケーブル15が接続されており、反対側には、金属により形成された電力用プラグ端子11、12、制御用プラグ端子13、接地用プラグ端子14が設けられている。電力用プラグ端子11、12の長さAは17mmであり、接地用プラグ端子14の長さBは19mmである。
本実施の形態における雄コネクタ10は、雌コネクタ20に差し込まれた直後は、図3(a)に示す状態にあり、この後、押ボタン16を押すことにより、制御用プラグ端子13が伸びるとともに、ヒンジ17が回転し、差込方向と垂直方向にロック端子18が突出し、図3(b)に示す状態となる。
一方、図2(b)及び図4に示すように、本実施の形態における雌コネクタ20は、雄コネクタ10の本体の一部が嵌入する構成のものである。雌コネクタ20には、電力用プラグ端子11、12と接続される電力用ジャック端子21、22、接地用プラグ端子14に接続される接地用ジャック端子24、制御用プラグ端子13が伸びた状態で接続される制御用ジャック端子23が設けられている。
雌コネクタ20は、裏面にて後述するPDU等に接続されるための端子が設けられている。具体的には、制御スイッチ31を介し電力用ジャック端子21と接続される電力用端子21A、制御スイッチ32を介し電力用ジャック端子22と接続される電力用端子22A、接地用ジャック端子24に接続された接地端子24Aが設けられている。
また、雌コネクタ20の本体の外観は、幅W2が56mm、長さD2が40mm、高さH2が40.5mmである。
図5は、雌コネクタ20の内部構造図である。雌コネクタ20の制御用ジャック端子23は、内部において2つの制御スイッチ31、32が設けられており、この2つの制御スイッチ31、32の上部に設けられた絶縁体の板バネ33が上部より押されて撓み変形することにより、2つの制御スイッチ31、32の接点が接触し、電流が流れる構成となっている。この際流れる電流は、400VDCであることから、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13の先端が直接2つの制御スイッチ31、32を押下し、接点を接触させることは危険であるため、絶縁体の板バネ33を介し2つの制御スイッチ31、32の接点を接触させる構成としている。尚、本実施の形態では、制御スイッチ31、32の接点近傍には、アーク防止用の永久磁石25A、25Bが設けられている。
(コネクタ装置の接続方法)
次に、図6から図11に基づき、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法について説明する。図6から図8は、雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法の説明図であり、正面から見た概略構成を示す。図9から図11は、雄コネクタ10と雌コネクタ20の接続方法の説明図であり、側面から見た概略構成を示す。尚、図9から図11において、図面を見やすくするため、電力用プラグ端子11、12及び接地用プラグ端子14等を省略して図示してある。
最初に、図6及び図9に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続される前の状態を示す。この状態では、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11と電力用ジャック端子21とは接続されていない。同様に、図1に示される電力用プラグ端子12と電力用ジャック端子22も接続されておらず、接地用プラグ端子14と接地用ジャック端子24も接続されていない。また、制御用プラグ端子13は、縮んだ状態となっており、制御用プラグ端子13の伸縮させるための押ボタン16も押される前の出っ張った状態となっている。
一方、雌コネクタ20は、制御スイッチ31と電力用ジャック端子21とが接続されている。具体的には、制御スイッチ31は、板バネ部35と接点36、37により構成されており、接点36は電力用ジャック端子21と接続されており、板バネ部35は金属の板バネ状に形成されており、接点37は板バネ部35を介し電源50と接続されている。同様に、制御スイッチ32は電力用ジャック端子22と接続されており、制御スイッチ32は、電源50と接続されている。また、制御スイッチ31、32の上部に設けられている絶縁体の板バネ33は、絶縁体の板バネ33の上部より力が加わることにより撓み変形し、その力が制御スイッチ31、32に伝達される構成となっている。
板バネ33は、図5に示すように、複数のU字状の折り返し部331を有する。これにより、直線状の板バネの場合と比較して、板バネ33の長さが長くなるので、板バネ33の変位量を大きくすることができる。よって、板バネ33の設置スペースが小さくしか取れない場合でも、板バネ33の変位量を大きくすることができる。
また、雌コネクタ20には、制御用プラグ端子13の差込方向の伸縮に対応して差込方向に垂直に撓む一対のアーム26が設けられている。
次に、図7及び図10に、雄コネクタ10が雌コネクタ20に差し込まれた状態を示す。この状態では、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11と電力用ジャック端子21とは嵌合している。同様に、電力用プラグ端子12と電力用ジャック端子22も嵌合しており、接地用プラグ端子14と接地用ジャック端子24も嵌合している。
尚、この状態では、制御用プラグ端子13は、縮んだ状態のままであり、制御用プラグ端子13の伸縮させるための押ボタン16も押される前の出っ張った状態のままである。よって、雌コネクタ20の制御スイッチ31の接点36と接点37は接続されていない。同様に、制御スイッチ32の接点38と接点39も接続されていない。また、制御用プラグ端子13は、一対のアーム26の間に圧入されており、一対のアーム26を弾性的に開脚させている(撓ませている)。
次に、図8及び図11に、雄コネクタ10が雌コネクタ20に差し込まれた状態において、制御用プラグ端子13が伸びた状態を示す。
具体的には、押ボタン16を押すことにより、制御用プラグ端子13が伸び、制御用プラグ端子13の先端が絶縁体の板バネ33を押して撓ませ変形させる。この絶縁体の板バネ33の撓みによる変形により、制御スイッチ31における板バネ部35を撓ませ、制御スイッチ31の接点36と接点37とが接続される。
制御スイッチ31の接点36と接点37が接続されることにより、図1に示す電源50からの電力は、電力用ジャック端子21に供給され、同様に、図1に示される電力用ジャック端子22にも電力が供給される。これにより、電力用ジャック端子21、22と接続されている電力用プラグ端子11、12を介し、雄コネクタ10に接続されている図1に示すサーバ等の電気機器40に電源50からの電力が供給される。
また、制御用プラグ端子13が伸びると、一対のアーム26が弾性復元し、一対のアーム26の凸部27が制御用プラグ端子13の係止孔19に嵌入する。これにより、制御用プラグ端子13が抜き止められ、制御用プラグ端子13の伸びた状態が維持される。
このように、本実施の形態によれば、高圧電源50から電力が供給される際に、制御用プラグ端子13の意図しない抜き止めを行うことができ、安全性を高めることができる。
雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱させる際には、先ず、押ボタン16を引き抜く方向(右方向)に移動させる。そうすると、制御用プラグ端子13が縮み、一対のアーム26が開脚して、凸部27が係止孔19から離脱する。また、制御用プラグ端子13が縮むと、板バネ33が弾性復元する。これにより、制御スイッチ31における板バネ部35が弾性復元し、制御スイッチ31の接点36と接点37との接続が解除される。同様に、制御スイッチ32の接点38と接点39との接続も解除される。
この瞬間、接点36と接点37の間、接点38と接点39の間にアーク(アーク電流)が発生することがある。アークが発生すると雄コネクタ10に接続されている電気機器に過度な負荷がかかるため、その後、電気機器に電力を再供給するのは危険である。特に、48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合、危険である。
これに対し、本実施の形態の板バネ33は、制御スイッチ31との接触部332、333がアークの熱によって溶解するように構成されている。具体的には、板バネ33は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)等の熱可塑性樹脂で成形されており、板バネ33の接触部332、333は、溶解しやすくなるように板バネ33の本体部334(図5参照)から突出している。
板バネ33の接触部332、333が溶解すると、制御用プラグ端子13が伸びた状態でも、接点36と接点37、及び接点38と接点39が接触しなくなる。これにより、アーク発生後の電力の再供給を防止することができる。
板バネ33の融点は、接触部332、333の溶解しやすさの観点から、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは180℃以下である。尚、板バネ33の融点は、耐久性や信頼性の観点から、150℃以上であることが好ましい。
次に、図12に基づき、制御スイッチ31の接点36、37及び、制御スイッチ32の接点38、39について説明する。図5に示したように、制御スイッチ31の接点36、37の近傍には永久磁石25Aが設けられており、同様に、制御スイッチ32の接点38、39の近傍には永久磁石25Bが設けられている。
図12(a)に示すように、制御スイッチ31における直線矢印は、接点36、37が接続された場合に流れる電流の向きを示し、制御スイッチ32における直線矢印は、接点38、39が接続された場合に流れる電流の向きを示す。この状態では、電源50から供給される電流は、制御スイッチ31及び制御スイッチ32を流れて、サーバ等の情報機器40に供給される。ここで、制御用プラグ端子13を縮めると、制御スイッチ31の接点36、37及び、制御スイッチ32の接点38、39が離れて電流の流れがとまる。この瞬間に、接点36と接点37の間、及び接点38と接点39の間にアーク(アーク電流)が発生することがある。
これに対し、接点36と接点37の近傍に永久磁石25Aを設けることにより、図12(b)に示すように、永久磁石25Aにより、破線矢印に示すように磁束が発生し、フレミングの左手の法則に基づきローレンツ力が作用し、図12(a)に示すようにアークは符号91に示すように偏向されて、吹き飛ばされる。また、接点38と接点39の近傍に永久磁石25Bを設けることにより、図12(c)に示すように、永久磁石25Bにより、破線矢印に示すように磁束が発生し、フレミングの左手の法則に基づきローレンツ力が作用し、図12(a)に示すようにアークは符号92に示すように偏向されて、吹き飛ばされる。これにより、速やかに電力の供給が遮断される。此により、より高い安全性を得ることができる。以上は、永久磁石25A、25Bの二つの永久磁石を用いる場合について説明したが、図12(d)に示すように、永久磁石25A、25Bの二つの永久磁石を一つにした永久磁石25を用いても良い。
次に、図13、図14に基づき、制御用プラグ端子13及びロック端子18の機能について説明する。図13(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の外観の斜視図であり、図13(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続された状態において、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の部分透過斜視図である。図14(a)は、本実施の形態における雄コネクタ10において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の外観の斜視図であり、図14(b)は、本実施の形態における雄コネクタ10と雌コネクタ20とが接続された状態において、制御用プラグ端子13が伸びている状態の部分透過斜視図である。
図13(a)に示すように、制御用プラグ端子13が縮んでいる状態の長さC1は10mmであり、図14(a)に示すように、制御用プラグ端子13が伸びている状態の長さC2は14.5mmである。
図13(b)に示すように、雌コネクタ20には、突出したロック端子18に対応した凹部29が形成されており、図14(b)に示すように、ロック端子18が突出している状態では、凹部29により、雄コネクタ10と雌コネクタ20との接合が外れることはない。
尚、本実施の形態においては、押ボタン16を用いて差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出させるものであるが、押ボタン16に代えて、差込方向に移動可能なスライドスイッチ等を用いて、差込方向に制御用プラグ端子13を伸縮させるとともにロック端子18の突出を行う構成であっても良い。
以上より、本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10の電力用プラグ端子11、12が、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に嵌合された状態において、制御用プラグ端子13を伸すことにより、制御用ジャック端子23に設けられた制御スイッチ31、32を介して電流が流れ、電力用ジャック端子21、22及び、雄コネクタ10のプラグ端子11、12を介し、情報機器40に電力が供給されるものである。
このように、制御用プラグ端子13が伸びた状態においてのみ、電力用ジャック端子21、22より電力が供給されるように構成されているのは、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接続されていない状態において、電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されることを防止するためである。即ち、雌コネクタ20に雄コネクタ10が接合されていない状態において、雌コネクタ20の電力用ジャック端子21、22に400VDCの高電圧が印加されていると、電力用ジャック端子21、22に人が不注意に接触した場合や、電力用ジャック端子21、22よりドライバ、金属片又は切れかけ導線等を介し人が接触した場合において、人体に危険が及ぶ場合があり、このような事態を防ぐためである。
(電力供給システム)
次に、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を説明する。
図15は、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いた電力供給システムの構成を示すものである。
この電力供給システムは、商用電源70より供給されるAC100V又はAC200Vの電力を高圧電源50に入力し、高圧電源50におけるAC/DC変換器51により、AC100V又はAC200VをDC400Vに変換する。直流電力は、バッテリー等により蓄電することが可能であるため、バックアップ用にバッテリー52を設けることにより、停電等の場合においても容易に対応することが可能である。高圧電源50には電源ケーブルを介し、本実施の形態における雌コネクタ20が接続されており、高圧電源50からの400VDCの電力は、雌コネクタ20より供給される。
一方、本実施の形態における雄コネクタ10は、サーバ等の情報機器40と電源ケーブル15を介し接続されており、雌コネクタ20と雄コネクタ10とを電気的に接続することにより、高圧電源50からの電力が、サーバ等の情報機器40に供給される。
また、サーバ等の情報機器40内には、400VDCをCPU42等の電子部品の動作が可能な低電圧のDC出力に変換するDC/DC変換器41が設けられている。
このような、電力供給システムでは、商用電源70からのACからDCへの変換が一回で済むため電力損失が少ないこと、高電圧な直流である400VDCでは、導線等の太さを気にする必要があまりないこと、直流であることからバッテリー52に蓄えることが可能であり、商用電源70の供給が停電等により停止した場合においても、対応しやすいこと等の利点を有している。
次に、図16に基づき、本実施の形態におけるコネクタ装置を用いたPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)について説明する。
図15に示される高圧電源50より供給される400VDCは、一旦、分電盤70に入力し、各々のPDU(パワー・ディストリビューション・ユニット)30に電力が分配される。各々のPDU30には、本実施の形態における雌コネクタ20が複数設けられており、各々の雌コネクタ20を介し400VDCの電力を供給することが可能である。一方、サーバラック45には、複数のサーバ等の情報機器40が収納されており、各々のサーバ等の情報機器40には、電源供給を受けるための雄コネクタ10が電源ケーブル15を介し接続されている。雄コネクタ10は、PDU30に設けられた雌コネクタ20と電気的に接続することにより、400VDCの電力が供給されるように構成されている。
尚、上記説明においては、400VDCの場合について詳しく説明したが、本発明の実施の形態として記載されているコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは直流(DC)であれば、用いることが可能である。特に、直流の場合はACと異なり、人体に安全な周波数というのも存在しないからである。
また、人体における影響の観点から直流電圧としては、通常は48V以下の電圧が用いられている。これは、通常48V以下であれば、感電により人体に与える影響が殆どないためであり、このことから、48Vを超える電圧の場合、人体に与える影響は大きく、特に、200V以上の電圧は危険である。
本発明の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは、安全性を高めた構成であることから、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧に特に顕著な効果を発揮するものである。即ち、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタは、従来とは異なる構成により安全性を高めているため、48Vを超える電圧、更には、200V以上の電圧についても安全性が高められているため、特に、顕著な効果を発揮するものである。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、本発明に係る雄コネクタに関するものである。具体的には、制御用プラグ端子の伸縮をスライドスイッチにより行う構成のものである。
図17に、本実施の形態の雄コネクタの構成を示す。図17(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態の雄コネクタ110の斜視図であり、図17(b)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態の雄コネクタ110の斜視図である。
本実施の形態における雄コネクタ110は、電力の供給を受けるための2本の電力用プラグ端子111、112、制御用プラグ端子113、アースのための接地用プラグ端子114、スライドスイッチ116、ロック端子108を有している。
図17(a)に示す状態から、図17(b)に示す状態に、スライドスイッチ116を制御用プラグ端子113の差込方向にスライドさせることにより、制御用プラグ端子113が伸びると共に、ロック端子108が突出する構成のものである。
次に、図18、図19に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ110において、制御用プラグ端子113を伸す場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113を伸すことにより、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられた制御スイッチの接点が開いた状態から閉じた状態となる。
図18(a)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部構造図であり、図18(b)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態における内部斜視図である。図18(c)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部構造図であり、図18(d)は、制御用プラグ端子113が縮んでいる状態から伸びた状態に移行する際の中立状態における内部斜視図である。図18(e)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態における内部構造図であり、図18(f)は、制御用プラグ端子113が伸びている状態における内部斜視図である。また、図19は、図18(f)の部分的拡大図である。
図18(a)、(b)に示すように、スライドスイッチ116は、雄コネクタ110の内部においてU字部117が設けられており、制御用プラグ端子リンク118を介し、制御用プラグ端子113が伸びる構成のものである。また、雄コネクタ110の内部には、ねじりコイルバネ(トーションスプリング)119が設けられており、このねじりコイルバネ119は、一端119aが回転可能な状態で雄コネクタ110の筐体に対して固定されており、他端が制御用プラグ端子リンク118のカム軸121と回転可能な状態で接続されている。このカム軸121は、カム溝122内を移動可能な構成となっている。
また、制御用プラグ端子リンク118には、スライド軸123が設けられており、スライド溝124内を移動可能な構成となっている。また、制御用プラグ端子リンク118の先端部125は、制御用プラグ端子113に設けられた緩衝溝126内に挿入しており、移動可能な状態となっている。
制御用プラグ端子113が縮んでいる状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に位置しており、制御用プラグ端子リンク118も左側に位置している。カム軸121は、カム溝122内の最も左側に位置しており、U字部117の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の左側に位置しており、先端部125は、緩衝溝126の左端(段差部)と接している。この際、ねじりコイルバネ119は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
この後、スライドスイッチ116を差込方向に対し差込む方向(右方向)に移動させることにより、図18(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ116の移動方向と、ねじりコイルバネ119の両端を結ぶ方向とが垂直となっている。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク118は、U字部117の左側の内部壁面により、カム軸121が右側に押され、カム溝122内を右側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、制御用プラグ端子リンク118の先端部125も右側に移動するが、緩衝溝126内での移動であるため、制御用プラグ端子113は、縮んだ状態のままである。この状態では、ねじりコイルバネ119は、図18(a)、(b)に示す状態よりも更に閉脚した(撓んだ)状態となっており、ねじりコイルバネ119の復元力が強くなっている。
この後、スライドスイッチ116を差込方向に対し差込む方向(右方向)に更に移動させることにより、ねじりコイルバネ119の復元力により図18(e)、(f)に示す状態となる。
即ち、ねじりコイルバネ119が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が右方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク118の先端部125を介し、緩衝溝126の右端が押され、制御用プラグ端子113が差込方向に伸びるのである。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に移動しており、制御用プラグ端子リンク118も右側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も右側に移動しており、U字部117の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の右側に移動し、先端部125は、緩衝溝126の右端と接している。この際、ねじりコイルバネ119は、中立状態よりも開脚した状態となっている。
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に伸すことができる。これは、中立状態からのねじりコイルバネ119の復元力、即ち、ねじりコイルバネ119の開脚する力により、制御用プラグ端子113が差込方向に伸すものであるため、短時間に行われる。
次に、図18、図19に基づき本実施の形態に係る雄コネクタ110において、制御用プラグ端子113を縮ませる場合について説明する。尚、制御用プラグ端子113が縮んだ状態では、不図示の雌コネクタにおける制御用ジャック端子に設けられた制御スイッチの接点が閉じた状態から開いた状態となる。
図18(e)、(f)に示すように、制御用プラグ端子113が伸びている状態では、図面上、スライドスイッチ116は右側に位置しており、制御用プラグ端子リンク118も右側に位置している。カム軸121は、カム溝122内の最も右側に位置しており、U字部117の右側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の右側に位置しており、先端部125は、緩衝溝126の右端に接している。この際、ねじりコイルバネ119は自然状態よりも若干閉脚した(撓んだ)状態にある。
この後、スライドスイッチ116を引抜く方向(左方向)に移動させることにより、図18(c)、(d)に示す中立状態となる。この中立状態では、スライドスイッチ116の移動方向と、ねじりコイルバネ119の両端を結ぶ方向とが垂直となっている。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116はほぼ中央部に位置し、制御用プラグ端子リンク118は、U字部117の右側の内部壁面により、カム軸121が左側に押され、カム溝122内で左側に移動しほぼ中央部に移動する。この際、先端部125も左側に移動するが、緩衝溝126内での移動であるため、制御用プラグ端子113は、伸びた状態のままである。この状態では、ねじりコイルバネ119は、図18(e)、(f)に示す状態よりも更に閉脚した(撓んだ)状態となっており、ねじりコイルバネ119の復元力が強くなっている。
この後、スライドスイッチ116を引抜く方向(左方向)に更に移動させることにより、ねじりコイルバネ119の復元力により図18(a)、(b)に示す状態となる。
即ち、ねじりコイルバネ119が開脚する復元力により、図面上、カム溝122内をカム軸121が左方向に移動し、これにより、制御用プラグ端子リンク118の先端部125を介し、緩衝溝126の左端が押され、制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮むのである。
この状態では、図面上、スライドスイッチ116は左側に移動しており、制御用プラグ端子リンク118も左側に移動している。また、カム軸121は、カム溝122内の最も左側に移動しており、U字部117の左側の内部壁面において接している。また、制御用プラグ端子リンク118のスライド軸123は、スライド溝124内の左側に移動し、先端部125は、緩衝溝126の左端と接している。この際、ねじりコイルバネ119は、中立状態よりも開脚した状態となっている。
このようにして、制御用プラグ端子113を差込方向に対し縮ませることができる。これは、中立状態からのねじりコイルバネ119の復元力、即ち、ねじりコイルバネ119の開脚する力により、制御用プラグ端子113が差込方向に対し縮ませるものであるため、短時間に行われる。
ところで、このようなねじりコイルバネ119を有しない構成の場合、人の指の力のみで、制御用プラグ端子113を差込方向に伸したり縮めたりするが、人によって伸す速度や縮める速度が異なり、遅くなる場合がある。
このような場合、制御用プラグ端子113の伸びる速度や縮める速度が遅いことに起因し、この制御用プラグ端子113により接続される不図示の雌コネクタの接点において、アークが発生したりチャタリングが発生したりする。このようなアークの発生やチャタリングの発生は、雌コネクタの接点を破損させたり、雄コネクタ110に接続されている機器を破損させたりするおそれがある。
本実施の形態における雄コネクタ110においては、短時間に制御用プラグ端子113を伸したり、縮めたりすることができるため、このようなアークの発生やチャタリングの発生を防ぐことができ、雌コネクタの接点の破損や、雄コネクタ110に接続されている機器の破壊を防止することが可能となる。
尚、制御用プラグ端子113の平均移動速度は、不図示の雌コネクタにおける制御スイッチの種類や構成に応じて適宜設定されるが、3mm/秒以上が好ましい。
尚、本実施の形態では、ねじりコイルバネ119が閉脚している(撓んでいる)状態から開脚する方向に働く復元力を利用して、制御用プラグ端子113を伸縮させるものについて説明したが、カム溝122の構造等を変えることにより、ねじりコイルバネ119が開脚している(撓んでいる)状態から閉脚する復元力を利用して、同様に制御用プラグ端子113の伸縮を行うことも可能である。また、本実施の形態では、ねじりコイルバネ119を用いたが、同様の作用が得られる弾性体であれば、どのような構成のものでもよい。
尚、本実施の形態における雄コネクタは、第1の実施の形態に記載されている雄コネクタに代えて用いることができるものであり、第1の実施の形態に記載されている雌コネクタと組み合わせることにより、コネクタ装置として使用することができるものである。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタについて説明する。図20に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成の概要を示す。尚、図20において、図1から図16と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10と雌コネクタ220から構成されている。雌コネクタ220は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ220には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
また、雌コネクタ220には、一つのコイル222と2つのリレー接点223、224からなるリレー221が設けられており、コイル222に電流を流すことにより、リレー接点223、224が閉じて各々が接続される。このリレー接点223、224は、コイル222に電流が流れていない状態では、ともに開いた状態となり接続されることはない。
リレー接点223の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、リレー接点224の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子22に接続されている。
雌コネクタ220はリレー221を駆動するためのリレー電源60が接続されている。即ち、リレー221のコイル222の一方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル222の他方の端子とリレー電源60の他方の端子は、それぞれ制御スイッチ227に接続されている。
この制御スイッチ227は、雄コネクタ10と雌コネクタ220とを嵌合させた状態で、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、電気的に接続されるものである。
このように、制御スイッチ227が電気的に接続されることにより、リレー221におけるコイル222にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点223、224がそれぞれ閉じ、雌コネクタ220における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタ10における電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
本実施の形態におけるコネクタ装置においては、電力用ジャック端子21、22の各々に、リレー221のリレー接点223、224が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が極めて高いため、電力用ジャック端子21、22の双方にリレー接点223、224を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方への電力の供給を制御することにより、安全性をより一層高めている。
尚、本実施の形態では、リレー221は雌コネクタ220の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
図21に、本実施の形態における雌コネクタの内部構造を示す。尚、図21において、図1から図16と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態における雌コネクタ220には、電力用ジャック端子21、22、接地用ジャック端子24が設けられている。制御用プラグ端子13に対応する制御用ジャック端子23となる部分には、絶縁体の板バネ33を介して、制御スイッチ227として板バネ状のスイッチが設けられている。この制御スイッチ227は、接点36と接点37とが接続される構成のスイッチと、接点38と接点39とが接続される構成のスイッチとの2つのスイッチにより構成されている。また、アーク防止のため、接点36、37の近傍には永久磁石25Aが、接点38、39の近傍には永久磁石25Bが設けられている。接点37と接点39とは電気的に接続されており、接点36は、図20に示すリレー電源60に接続されており、接点38は、図20に示すリレー221のコイル222と接続されている。
絶縁体の板バネ33は、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13が伸びた状態では、撓むことにより板バネ状のスイッチの接点36と接点37とが接続され、同時に板バネ状のスイッチの接点38と接点39とが接続される。これにより、接点36と接点38とは電気的に接続され、リレー電源60から電力が供給され、リレー221のコイル222に電流が流れ、リレー接点223、224が接続され、電力用ジャック端子21及び22を介し、高圧電源50から電力が供給される。
尚、本実施の形態におけるコネクタ装置は、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタについて説明する。図22に、本実施の形態におけるコネクタ装置、雄コネクタ及び雌コネクタの構成の概要を示す。尚、図22において、図1から図16と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。また、雌コネクタ320の内部構造は、図21と略同一構造であるので、図示を省略する。
本実施の形態におけるコネクタ装置は、雄コネクタ10と雌コネクタ320から構成されている。雌コネクタ320は電力を供給するための高圧電源50に接続されている。雌コネクタ320には、電力用プラグ端子11、12に対応している電力用ジャック端子21、22、制御用プラグ端子13に対応している制御用ジャック端子23、接地用プラグ端子14に対応している接地用ジャック端子24を有している。
また、雌コネクタ320には、2つのリレー321、322が設けられており、リレー321は、コイル323と、このコイル323に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点324が設けられている。このリレー接点324は、コイル323に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。また、リレー322には、コイル325と、このコイル325に電流を流すことにより閉じて接続されるリレー接点326が設けられている。このリレー接点326は、コイル325に電流が流れていない状態では、開いた状態となり接続されることはない。
リレー接点324の一方は、高圧電源50の正の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子21に接続されている。また、リレー接点326の一方は、高圧電源50の負の出力に接続されており、他方は、電力用ジャック端子22に接続されている。
雌コネクタ320はリレー321、322を駆動するためのリレー電源60に接続されている。具体的には、リレー321におけるコイル323の一方の端子と、リレー322におけるコイル325の一方の端子とが接続されており、リレー321におけるコイル323とリレー322におけるコイル325とは直列に接続された構成となっている。また、コイル323の他方の端子とリレー電源60の一方の端子が接続されており、コイル325の他方の端子とリレー電源60の他方の端子とは、それぞれ制御スイッチ227に接続されている。
この制御スイッチ227は、雄コネクタ10と雌コネクタ320とを嵌合させた状態において、雄コネクタ10の制御用プラグ端子13を差込方向に伸すことにより、接点が接続されるものである。
このように、制御スイッチ227の接点が接続されることにより、リレー321、322におけるコイル323、325にリレー電源60からの電流が流れ、リレー接点324、326がそれぞれ閉じ、雌コネクタ320における電力用ジャック端子21、22に電力が供給され、更には、雄コネクタにおける電力用プラグ端子11、12を介し、サーバ等の情報機器40に電力が供給される。
本実施の形態におけるコネクタ装置では、電力用ジャック端子21、22の各々に、リレー321、322のリレー接点324、326が接続されているが、これは48V超える電圧、更には200V以上の電圧である高電圧の直流電力の場合では、接触により人体に与える危険が高いため、電力用ジャック端子21、22の双方にリレー接点324、326を接続することにより、電力用ジャック端子21、22の双方からの電力供給を制御し、安全性をより一層高めている。
尚、本実施の形態では、リレー321、322は雌コネクタ320の本体の内部に設けた構成であるが、外部に設けた構成とすることも可能である。
尚、本実施の形態におけるコネクタ装置は、第1の実施の形態に記載されている電力供給システムに使用することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び変更を加えることができる。
10 雄コネクタ
11 電力用プラグ端子(+)
12 電力用プラグ端子(−)
13 制御用プラグ端子
14 接地用プラグ端子
15 電源ケーブル
19 係止孔(凹部)
20 雌コネクタ
21 電力用ジャック端子(+)
22 電力用ジャック端子(−)
23 制御用ジャック端子
24 接地用ジャック端子
25、25A、25B 永久磁石
26 アーム
27 凸部
31 制御スイッチ
32 制御スイッチ
33 絶縁体の板バネ
40 サーバ等の情報機器
50 高圧電源

Claims (14)

  1. 電源と前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと雌コネクタからなるコネクタ装置であって、
    前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
    前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子を有しており、
    前記制御用ジャック端子には、金属からなる板バネ状の制御スイッチが設けられており、
    前記雌コネクタにおいて、前記制御スイッチと、前記制御用プラグ端子との間には、絶縁体バネが設けられており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記絶縁体バネが変形し、前記絶縁体バネを介し、前記制御スイッチの接点が接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給され、
    前記絶縁体バネは、前記制御スイッチの接点が切断される際にアークが発生すると、前記発生したアークの熱によって、少なくとも一部が溶解し、前記制御スイッチの接点の再接続を防止するものであることを特徴とするコネクタ装置。
  2. 前記制御用プラグ端子には、凹部が設けられており、
    前記雌コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して前記差込方向に垂直に撓むアームが設けられており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を伸ばすことにより、前記制御用プラグ端子の凹部に前記アームの凸部が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記制御用プラグ端子の伸びた状態が維持されるものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
  3. 前記制御プラグ端子の差込方向の伸縮は、スライドスイッチ、または、押ボタンスイッチにより行われるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
  4. 制御用プラグ端子リンクを介し前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮を行うためのスライドスイッチと、ねじりコイルバネと、を有し、
    前記スライドスイッチの移動方向と前記ねじりコイルバネの両端を結ぶ方向とが垂直となる中立状態となるものであって、
    前記スライドスイッチを移動させることにより、前記ねじりコイルバネを撓ませるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
  5. 前記中立状態において、前記ねじりコイルバネは撓んだ状態にあり、
    前記中立状態より、前記ねじりコイルバネの復元力により、前記制御用プラグ端子は前記制御用プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し伸びるものであることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ装置。
  6. 前記中立状態において、前記ねじりコイルバネは撓んだ状態にあり、
    前記中立状態より、前記ねじりコイルバネの復元力により、前記制御用プラグ端子は前記制御用プラグ端子リンクを介し、前記差込方向に対し縮むものであることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ装置。
  7. 前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、
    前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、
    前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と前記接地用ジャック端子とは嵌合した状態にあることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコネクタ装置。
  8. 前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のコネクタ装置。
  9. 前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコネクタ装置。
  10. 電源と、前記電源から電力の供給を受ける電子機器とを電気的に接続するための雄コネクタと接続される雌コネクタであって、
    前記雄コネクタは、前記電子機器に接続されており、前記電力供給を受けるための導体からなる2本の電力用プラグ端子と、1本の制御用プラグ端子を有し、前記制御用プラグ端子は、差込方向に伸縮可能であり、
    前記雌コネクタは、前記電源に接続されており、前記2本の電力用プラグ端子の各々に対応する2つの電力用ジャック端子と、前記制御用プラグ端子に対応する制御用ジャック端子を有しており、
    前記制御用ジャック端子には、金属からなる板バネ状の制御スイッチが設けられており、
    前記雌コネクタにおいて、前記制御スイッチと、前記制御用プラグ端子との間には、絶縁体バネが設けられており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用ジャック端子に前記制御用プラグ端子を差込方向に伸すことにより、前記絶縁体バネが変形し、前記絶縁体バネを介し、前記制御スイッチの接点が接続され、前記電源から前記電子機器に電力が供給され、
    前記絶縁体バネは、前記制御スイッチの接点が切断される際にアークが発生すると、前記発生したアークの熱によって、少なくとも一部が溶解し、前記制御スイッチの接点の再接続を防止するものであることを特徴とする雌コネクタ。
  11. 前記制御用プラグ端子には、凹部が設けられており、
    前記雌コネクタには、前記制御用プラグ端子の差込方向の伸縮に対応して前記差込方向に垂直に撓むアームが設けられており、
    前記2本の電力用プラグ端子と前記2つの電力用ジャック端子を嵌合した状態において、前記制御用プラグ端子を伸ばすことにより、前記制御用プラグ端子の凹部に前記アームの凸部が前記差込方向に垂直に嵌入し、前記制御用プラグ端子の伸びた状態が維持されるものであることを特徴とする請求項10に記載の雌コネクタ。
  12. 前記雄コネクタには接地用プラグ端子が設けられており、
    前記雌コネクタには、前記接地用プラグ端子に対応した接地用ジャック端子が設けられおり、
    前記雌コネクタと雄コネクタとが嵌合した状態においては、前記接地用プラグ端子と、前記接地用ジャック端子とが嵌合した状態にあることを特徴とする請求項10又は11に記載の雌コネクタ。
  13. 前記電源より供給される電力は、直流であることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の雌コネクタ。
  14. 前記電源より供給される電力の電圧は、48Vを超える電圧であることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の雌コネクタ。
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