JP5325273B2 - 光ファイバ接続用補助具、及びメカニカルスプライスユニット、及び光ファイバ接続工法 - Google Patents
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Description
このメカニカルスプライスによる光ファイバ接続を行う場合、一般にメカニカルスプライス用接続工具を用いる。
従来は、図21に模式的に示した接続工具81のように、中央部にメカニカルスプライス2を固定するメカニカルスプライス固定部83を設け、その両側に光ファイバホルダ84、85をそれぞれスライド可能に案内する光ファイバホルダ案内部86、87を設けた構成であり、光ファイバ88、89同士の光ファイバ接続の際には、一方の光ファイバ88を保持した光ファイバホルダ84、及び他方の光ファイバ89を保持した光ファイバホルダ85を両側からそれぞれメカニカルスプライス2に向けて矢印のようにスライドさせることで、保持した光ファイバ88、89をメカニカルスプライス2のガイド溝内で突合せ接続する。
特許文献1に記載された接続工具も、図21の接続工具と同様に、メカニカルスプライスに対して両側の光ファイバホルダをメカニカルスプライスに向けてスライドさせる構成である。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
すなわち、光ファイバホルダ側をスライドさせる構造では、そのスライドさせる距離を考慮すると、接続工具81の長手方向寸法が例えば140mmなどと大きさサイズとなるので、この接続工具81を用いて、前述した光クロージャ内で余長が80mm程度という短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで突合せ接続することは困難である。
また、保持した光ファイバの余長が短いので、その短余長の光ファイバを保持した光ファイバホルダを動かす操作自体の作業性が悪い。このため、そのような短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで接続可能にすることが望まれている。
前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタを収容するためのケースを前記メカニカルスプライス保持部に取り付けたことを特徴とする。
前記第1の光ファイバの前記メカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタが前記ケースに収容されていることを特徴とする。
前記メカニカルスプライスを前記光ファイバ接続用補助具のメカニカルスプライス保持部で保持し、かつ、前記ケースを、当該ケースに前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタが収容される態様で前記光ファイバ接続用補助具の後方部分に取り付け、
次いで、メカニカルスプライス及びケースを取り付けた前記光ファイバ接続用補助具を、前記第1の光ファイバと接続しようとする第2の光ファイバを固定した接続工具に載せ、前記光ファイバ接続用補助具の前記被案内部を前記接続工具の案内部に沿ってスライドさせて第2の光ファイバに向けて前進させることで、第2の光ファイバをメカニカルスプライスの光ファイバガイド溝内に挿入して、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突合せ接続することを特徴とする。
また、メカニカルスプライスを直接スライドさせるのでなく光ファイバ接続用補助具をスライドさせることで、メカニカルスプライスを精度よく直線的にかつ円滑に前進させることができ、メカニカルスプライス側を移動させて光ファイバどうしの突合せ接続する接続方法が円滑に行なわれる。
このように、第2の光ファイバを動かす必要がないので、第2の光ファイバの余長が短くても、特に問題なくメカニカルスプライスによる突合せ接続を行うことができ、第2の光ファイバの余長が短いことで作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
また、短余長の光ファイバを動かす操作は作業性が悪いが、突合せ接続時に第2の光ファイバは位置固定なので、この点でも作業性が悪い問題は解消される。
また、第1の光ファイバが光コネクタ付き光ファイバであるので、光クロージャ内における、ユーザ家屋への光回線導入の際に切断した光ファイバの局側光ファイバに取り付けられた光コネクタと、切断点の局側と反対側の短余長の光ファイバとの接続に適用すると、一方の光ファイバの余長が短く済むという本発明の効果が極めて有効に活かされる。
また、メカニカルスプライスユニットという単体部品として扱うことができ、接続作業をする段階だけでなく、部品の管理、現場への持ち込みその他、種々の面での煩雑さがなく取り扱いが容易であり、種々の場面で能率が向上する。
また、請求項4のように、クサビを、光ファイバ接続用補助具の両側の壁部に係脱可能に係合する係合爪を持つクサビユニットに取り付けた構造により、クサビの操作が容易になる。
なお、この実施例では対象とする第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4はいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。各図面ではそれらの区別を明示していないが、メカニカルスプライス2の入口までは0.5mmφの光ファイバ心線、メカニカルスプライス2内のガイド溝6bの部分は0.25mmφの光ファイバ心線、ガイド溝6aの部分は0.125mm径の裸ファイバである。
図示例のメカニカルスプライス2は、蓋8が一端側(第1の光ファイバ3が挿入される側)の分割蓋体8aと他端側(第2の光ファイバが挿入される側)の分割蓋体cと中央の分割蓋体bとに3分割されている。C形板バネ9は、前記3つの蓋体8a、8b、8cにそれぞれ対応して、スリットで分けられた3つの部分9a、9b、9cを持つ。但し、蓋体8は必ずしも分割されていなくてもよい。
メカニカルスプライス2には、ベース7と蓋体8との間に形成されるクサビ差込凹所10が4箇所に設けられている。
実施例のメカニカルスプライス用接続工具(以下、場合により単に接続工具という)11は、図4〜図8、図11、図12などに示すように、単独の部材からなり、光ファイバ接続用補助具であるスライダ12を直線状にスライド可能に案内することでメカニカルスプライス2を直線状にスライド可能に案内するメカニカルスプライス案内部16と、前記メカニカルスプライス2のスライド方向に対向する位置に設けられた、前記第2の光ファイバ4を保持した光ファイバホルダ13を固定するホルダ固定部17とを備えている。
前記メカニカルスプライス案内部16は、平坦なスライド面16aの両側に背の低い壁状のガイド面16bを形成して構成している。
メカニカルスプライス案内部16とホルダ固定部17との境界部に、光ファイバホルダ13の位置決めをする突部状のストッパ18を持つ。なお、この実施例では、スライダ12の前進限の規定は、図5、図8など示すように、スライダ12の前端面12bが、ストッパ18に当たった光ファイバホルダ13の前端側の位置決め面13aに当たることによる(当たった位置が前進限)。
なお、前記ストッパ18の工具長手方向寸法を適切に設定することで、ストッパ18の光ファイバホルダ13側と反対側の面を、スライダ12の前進限の規定するストッパとすることもできる。また、スライダ12の前進限を規定するストッパを、前記ストッパ18とは別個に設けることもできる。
図8に示すように、ホルダ固定部17の長手方向寸法Lは、光ファイバホルダ13の長手方向寸法(同じくLで示す)と略同じとしている。
メカニカルスプライス案内部16の概ね長手方向中間部付近の幅方向両側に、図13(a)の断面図にも示すように、スライダ12の浮き上がりを防止するための溝部19aを形成したスライダ浮き防止部19を持つ。この溝部19aにスライダ12の後述する左右両端部の被案内部12aがスライド可能に嵌合して、スライダ12が浮き上がるのを防止する(脱落防止する)。
メカニカルスプライス案内部16の前記ストッパ18に近い部分の両側に、スライダ12を係合させるスライダ係合片20を持ち、ホルダ固定部17の前記ストッパ18に近い部分の両側に、光ファイバホルダ13を係合させるホルダ係合片21を持つ。
前記スライダ係合片20は図13(b)の断面図に示すように、接続工具11の先端側幅広部11aの両側部に繋がるU字状湾曲部20a、及びその内側立上り部上端から工具幅方向中央側に延出する延出部20bを有し、この延出部20bに形成した略三角形状の係合凹所20cが、スライダ12の両側面に形成した後述する三角形突部28を係合させて、スライダ12をその位置に固定する。U字状湾曲部20aはバネ作用を持ち、スライダ12を弾性的に挟持可能とする。
ホルダ係合部21も同じ構造であり、U字状湾曲部21a、延出部21b、係合凹所21cを持つ。
なお、ケース35を用いないことも可能であり、その場合は、メカニカルスプライス2とこれを保持する光ファイバ接続用補助具であるスライダ12とがメカニカルスプライスユニットを構成する。
スライダ12は、図11、図14、図15などに示すように、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16のスライド面16a上を両側の案内面16bに沿って案内される被案内部12aを両側に有し、両側の被案内部12a間に、メカニカルスプライス2を収容し保持するメカニカルスプライス保持部25を形成する両側の側壁部26を有し、先端近傍にメカニカルスプライス2の先端を当てる前壁面27を有する。両側の側壁部26の前記前面壁27の付近の外面に、接続工具11に形成した前記スライダ係合部20の係合凹所20cに係合する前述の三角形突部28が形成されている。
また、両側の側壁部26のそれぞれ外側に上下に貫通する長方形孔29が形成され、その長方形孔29の前後にそれぞれ幅方向外側に突出する突出部30、31が形成されている。
前記クサビユニット14は、後述する両側の取付片46が前記両側の前後の突出部30、31間において前記長方形孔29に挿入されその下端の爪部46aが側壁部26の下面に係合することで、スライダ12に取り付けられる。
また、スライダ前端面12bと前記メカニカルスプライス保持部25の前壁面27との間の部分に前壁面27に向かって、第2の光ファイバ4をスムーズに導入するための先窄まりとなる半円錐面32が形成されている。
また、後部にケース35の後述のケース本体36の前端部を載せる後方平坦部33を有している。メカニカルスプライス2の後部はケース本体36を介して前記後方平端部33に載る。
図8にも示すように、ケース本体36の前端部36aがメカニカルスプライス2の後ろ半分を載せる部分である。また、カバー37の先端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37aでメカニカルスプライス2を押えるようになっている。
また、図9にも示すように、ケース本体36の後端部に、光コネクタ付き光ファイバ40における光コネクタ39の部分を収納する光コネクタ収納部36bを有している。また、カバー37の後端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37bで光コネクタ39を押えるようになっている。
クサビユニット14は、前記2つのクサビ41と、スライダ12の上面に当接する当接部42と、当接部42と対向する上部の昇降部43と、当接部42と昇降部43とを連結して撓み変形可能な左右のクサビ抜取り操作部44と、昇降部43から垂下して前記クサビ41を把持するクサビ把持部45と、当接部42の両側から下方に延出して、スライダ12の両側の壁部26に外側から係合する爪部46aを持つ取付片46とを有している。
クサビ41がメカニカルスプライス2の差込口10に挿入されて、ベース7と蓋体8と間に隙間を形成する。光ファイバどうしが突き合わされた後、クサビ抜取り操作部44を両側から手で内側に押し込むと、クサビ把持部45とともにクサビ41が上昇して差込口10から抜き取られ、C形板バネ9の弾性挟持力で光ファイバがベース7と蓋体8とで把持される。
また、両側部に、接続工具11側のホルダ係合片21の係合凹所21cに係合する三角形突部53を持つ。
図21に示した従来の接続工具81の長手方向寸法が約140mmであるのに対して、この実施例の接続工具11の長手方向寸法は例えば70mm程度で済み、十分短尺化されている。
なお、光ファイバホルダ13を光ファイバ同士の突合せ接続時にスライドさせることはしないが、この実施例では、準備段階では光ファイバホルダ13の先端側部分を接続工具11のホルダ固定部17の平坦面上をスライドさせて所定の位置にセットする。
以下の光ファイバ接続作業の説明では、第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4がいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。
また、第1の光ファイバ3は、メカニカルスプライス2への挿入側と反対端に光コネクタ39を取り付けた光コネクタ付き光ファイバ40における光ファイバ3である。
(1)予め、メカニカルスプライス2の一端側の2つのクサビ差込凹所10及び他端側の2つのクサビ差込凹所10にそれぞれクサビを差し込んで蓋を開いておき、先端部の被覆を除去して裸ファイバを露出させた第1の光ファイバ3をメカニカルスプライス2のガイド溝6に挿入し、その先端をメカニカルスプライス2の突き合わせ接続点まで送り込んだ後、一端側のクサビを抜いて、C型板バネ9でメカニカルスプライス2のベース7と蓋8とを一端側において挟持し、第1の光ファイバ3を把持する。他端側のクサビ41は各図に示された通り差し込まれたままであり、メカニカルスプライス2の他端側の蓋8bは僅かに開いた状態である。
また、この実施例ではケース35のケース本体36の前端部36aがスライダ12に予め接着剤等で固定されており、メカニカルスプライス2及び光コネクタ付き光ファイバ40を予めケース35に収容している。なお、メカニカルスプライス2の前方半分はスライダ12のメカニカルスプライス保持部25に直接収容されている。
(2)光ファイバホルダ13の先端部を、蓋体52を開けた状態で接続工具11のホルダ固定部17上に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。
(3)接続しようとする第2の光ファイバ4を、光ファイバホルダ13のV溝51a、5
1b、51cに通してホルダ本体51上に載せ、先端が接続工具11に印した所定位置(例えば、ホルダ固定部17に固定した状態の光ファイバホルダ13の前端から例えば47mmの位置にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。
(4)0.5mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.5mm被覆を除去して、0.25mm光ファイバ心線を露出させる。
(5)光ファイバホルダ13の蓋体52を開け、前記第2の光ファイバ4を後退させて、先端が接続工具11に別に印した所定位置(例えば35mm位置)にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。なお、この第2の光ファイバ4を後退させる工程は、ホルダの構造によっては、後退をさせずに済ませることも可能である。
(6)0.25mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.25mm被覆を除去して、0.125mmの裸ファイバを露出させる。
(7)光ファイバホルダ13を接続工具11から外し、光ファイバ(裸ファイバ)の清掃、スクリーニングを行い、ファイバカッターで光ファイバをカットする。その際、光ファイバカッターに専用のスペーサをセットすることで、その専用スペーサで規定される所定の長さで光ファイバを切断することができる。
(8)図17は以上の作業を済ませた状態を示すもので、次いで、光ファイバホルダ13の先端部を再び、接続工具11のホルダ固定部17に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。この時、光ファイバホルダ13の両側の三角形突部53が接続工具11のホルダ固定部17の係合凹所21cに係合して、光ファイバホルダ13がその位置から後退しないように保持される(図18の状態)。
(9)前記のように予めメカニカルスプライス2及びケース本体36を取り付けたスライダ12を、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16にセットし、その前端面12bが、既に接続工具11に固定された光ファイバホルダ13の位置決め面13aに当たるまで前方にスライドさせる(図19はスライドさせている途中状態を示す)。
スライダ12とともに前進するメカニカルスプライス2の前進により、光ファイバホルダ13に保持され第2の光ファイバ4がメカニカルスプライス2のガイド溝6内に挿入され、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とがガイド溝6の突き合わせ接続点において突き合わせられる(図20はこの段階を示す)。
(10)前記の第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突き合わせた状態で、光ファイバホルダ13から延出している第2の光ファイバ4が撓んでいることを確認した後、クサビユニット14の左右のクサビ抜き取り操作部44を左右からつまんで内側に寄せ昇降部43を上昇させてクサビ41をクサビ差込凹所10から抜くと、ベース7と蓋体8とがC形板バネ9の弾性でクランプされ光ファイバ4を把持する。これにより、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とが適切に突合せ接続される。
以上の作業により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による突合せ接続自体は完了するが、実際にはさらに次の作業をする。
(11)クサビユニット14をスライダ12から取り外す。
(12)光ファイバホルダ13の蓋52を開ける。
(13)ケース35の蓋37を開け、ケース本体36から光コネクタ39を取り出す。
(14)光コネクタ39を持ちながら、メカニカルスプライス2をケース本体36及びスライダ12から取り出す。
以上により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による光ファイバ接続が完了する。
前述した通り、例えば、新たなユーザ家屋に光回線を導入するに際して、架空の光通信線路の光クロージャからユーザ家屋にドロップケーブルを引き落とす場合、光クロージャにおいて光ファイバ幹線から適宜の光ファイバを取り出して切断し、切断点の局側の光ファイバに光コネクタを取り付け、ドロップケーブル側の光コネクタと光接続するが、後に解約などでその光回線が不使用になった場合、その不使用になった光回線を活かすには、切断点の前記局側の光ファイバとその反対側の光ファイバとを再接続することが必要となる。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、接続工具の長手方向寸法が大きいと、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
しかし、上記の接続工具11は、その長手方向寸法が短尺化されているので、余長が短くても、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を容易に行なうことができ、作業性が悪い、あるいは困難であるという問題が解消される。
また、光ファイバ同士の突合せ接続時には、中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(第1の光ファイバ3)を把持したメカニカルスプライス2をスライドさせればよく、前記切断点の局側と反対側の短余長の光ファイバ(第2の光ファイバ4)を保持した光ファイバホルダ13は動かす必要がないので、その点でも作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
上述した光ファイバ接続作業は、光ファイバ幹線の光クロージャ内でのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続の場合であるが、例えば複数階のマンション等の集合住宅において、各階毎に分岐接続箱を設置する場合にも、その分岐接続箱においてやはり短余長の光ファイバとのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続が必要となる場合がある。そのような場合にも適用できる。
また、対象とする光ファイバが、クラッドのコアに隣接する部分にコアに沿う管状の空孔を複数形成した構造を有し、低損失、波長分散特性等の点で優れた特性を持つホーリーファイバ(フォトニッククリスタル光ファイバ(Photonic Crystal Fiber))である場合にも、同様に適用できる。
この場合、メカニカルスプライス内の光ファイバどうしの突き合わせ部に、屈折率整合性を有するシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなるの固形の粘着性接続部材を単一層として介在させるとよい。
2 メカニカルスプライス
3 第1の光ファイバ
4 第2の光ファイバ
6 溝
7 ベース
8 蓋体
8a、8b、8c 分割蓋体
9 C形板バネ
10 クサビ差込凹所
11 接続工具(メカニカルスプライス用接続工具)
11a 先端側幅広部
12 スライダ(光ファイバ接続用補助具)
12a 被案内部
12b 前端面
13 光ファイバホルダ
13a 位置決め面
14 クサビユニット
16 メカニカルスプライス案内部
16a スライド面
16b ガイド面
17 ホルダ固定部
18 ストッパ
19 スライダ浮き防止部
19a 溝部
20 スライダ係合片(光ファイバ接続用補助具係合片)
21 ホルダ係合片
20a、21a U字状湾曲部
20b、21b 延出部
20c、21c 係合凹所
25 メカニカルスプライス保持部
26 側壁部
27 前壁面
28 三角形突部
29 長方形孔
30、31 突出部
32 半円錐面
33 後方平坦部
35 ケース
36 ケース本体
37 カバー
39 光コネクタ
40 光コネクタ付き光ファイバ
41 クサビ
42 当接部
43 昇降部
44 クサビ抜取り操作部
45 クサビ把持部
46 取付片
46a 爪部
51 ホルダ本体
51a、51b、51c V溝
52 蓋体
53 三角形突部
Claims (9)
- ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを保持するメカニカルスプライス保持部と、前記第1の光ファイバと接続しようとする第2の光ファイバを固定した接続工具に形成される案内部に沿ってスライド可能な被案内部とを備え、
前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタを収容するためのケースを前記メカニカルスプライス保持部に取り付けたことを特徴とする光ファイバ接続用補助具。
- 請求項1の光ファイバ接続用補助具と、前記光ファイバ接続用補助具のメカニカルスプライス保持部に保持された前記メカニカルスプライスとを備え、
前記第1の光ファイバの前記メカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタが前記ケースに収容されていることを特徴とするメカニカルスプライスユニット。 - 前記メカニカルスプライスに、当該メカニカルスプライスの蓋体の他端側を開いた状態とするクサビを取り付けたことを特徴とする請求項2記載のメカニカルスプライスユニット。
- 前記クサビを、前記光ファイバ接続用補助具の両側の壁部に係脱可能に係合する係合爪を持つクサビユニットに取り付けたことを特徴とする請求項3に記載のメカニカルスプライスユニット。
- メカニカルスプライスの一端側部分もケース内に収容されていることを特徴とする請求項2記載のメカニカルスプライスユニット。
- 第1光ファイバがホーリーファイバであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のメカニカルスプライスユニット。
- 前記メカニカルスプライス保持部の前端部に、第2の光ファイバを導入する導入口に向けて第2の光ファイバを円滑に導入するための半円錐面状の案内面を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続用補助具。
- 前記メカニカルスプライス保持部を形成する両側の側壁部の外面に突部を備え、この突部が、接続工具側に設けられた光ファイバ接続用補助具係合片に形成された係合凹所に係合することで、光ファイバ接続用補助具が接続工具側に固定されるようになっていることを特徴とする請求項1又は7に記載の光ファイバ接続用補助具。
- 請求項1の光ファイバ接続用補助具を用いて、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスの前記第1の光ファイバと第2の光ファイバを固定した接続工具の前記第2の光ファイバとを突き合わせ接続する光ファイバ接続工法であって、
前記メカニカルスプライスを前記光ファイバ接続用補助具のメカニカルスプライス保持部で保持し、かつ、前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタを収容するためのケースを、当該ケースに前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分およびその端末に取り付けた光コネクタが収容される態様で前記光ファイバ接続用補助具の後方部分に取り付け、
次いで、メカニカルスプライス及びケースを取り付けた前記光ファイバ接続用補助具を、前記接続工具に載せ、前記光ファイバ接続用補助具の、前記接続工具に形成される案内部に沿ってスライド可能な被案内部を前記接続工具の前記案内部に沿ってスライドさせて第2の光ファイバに向けて前進させることで、第2の光ファイバをメカニカルスプライスの光ファイバガイド溝内に挿入して、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突合せ接続することを特徴とする光ファイバ接続工法。
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