JP5827257B2 - メカニカルスプライス用工具 - Google Patents
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Description
この光ファイバ接続器では、挿入部材を有する挿入ユニット(メカニカルスプライス用工具)が用いられる。挿入ユニットは、挿入部材を挟持部材の間に挿入することによって、挟持部材の間に、光ファイバが挿入可能な隙間を形成できる。
挿入ユニットでは、取り付けおよび取り外しの操作の容易性が要望されている。
前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部に前記介挿部材支持部を介して複数取り付けられていることが好ましい。
前記メカニカルスプライスは、向かい合う一対の突壁部を有するユニットベースの前記突壁部間に保持され、前記介挿片支持部は、前記一対の突壁部間に嵌合されて幅方向の移動が規制されることが好ましい。
介挿部材駆動部は、前記突壁部に形成された嵌合凹部に嵌合されて長手方向の移動が規制されることが好ましい。
介挿片支持部は、介挿部材駆動部の中心軸方向に延出して形成されているため、介挿部材駆動部を操作することで、介挿部材駆動部から延出方向に離隔した介挿片部をも確実に操作できる。
図1および図2に示すように、光ファイバ接続工具100は、光ファイバケーブル24の端末24aに取り付けられた光ファイバ接続用ユニット10と、端末24aから引き出された延出光ファイバ21に突き合わせる挿入光ファイバ1を把持したファイバホルダ90(光ファイバ固定部)を保持する接続治具110と、を備えている。
光ファイバ接続用ユニット10については、ファイバホルダ90に近づく方向を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。また、メカニカルスプライスは、単に「スプライス」とも言う。
スプライス保持部60は、基体部61と、基体部61の一側縁に立設された一側突壁部62と、基体部61の他側縁に立設された他側突壁部63と、一側突壁部62の前端に設けられた前側突壁部64と、突壁部62、63の後端にそれぞれ設けられた後側突壁部65とを有する。
スプライス保持部60は、スプライス30を、向かい合う一側突壁部62と他側突壁部63の間に確保されたスプライス収納空間67に収納して保持することができる。
スプライス保持部60は、スプライス30を脱着可能に保持できる。
レバー部材150は、把持部材保持部50の両側部の回転軸55を中心として回動することにより、ケーブル把持部材70を保持してその後退を規制する規制位置(図6の実線で示す位置)と、ケーブル把持部材70の後退を規制しない待機位置(図6の2点鎖線で示す位置)とを切り替え可能である。
レバー部材150は、規制位置において、後退規制片154をケーブル把持部材70の後側に配置することにより、ユニットベース11に対するケーブル把持部材70の後退を規制することができる。
光ファイバ案内部13は、テーパ状開口部34bの中央部に向けて傾斜する内面を有し、ケーブル把持部材70を把持部材保持部50に挿入するときに、延出光ファイバ21の先端をスプライス30のテーパ状開口部34bへと案内することができる。
ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材321、322、323(蓋側素子)とは、半割り把持部材34を構成する。
スプライス30の押さえ蓋32を構成する3つの蓋部材(蓋側素子)321、322、323のうち、最も後側に位置する符号321の蓋部材を後蓋部材とも言い、最も前側に位置する符号323の蓋部材を前蓋部材とも言う。また、後蓋部材321と前蓋部材323との間に位置する符号322の蓋部材を中蓋部材とも言う。
調心溝31bは、延出光ファイバ21先端に口出しされた裸光ファイバ21aと、挿入光ファイバ1先端に口出しされた裸光ファイバ1aとを突き合わせ接続(光接続)可能に互いに高精度に位置決め、調心する。調心溝31bは、例えばV溝(断面V字状の溝)である。調心溝31bはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝(断面U字状の溝)等も採用可能である。
調心溝31bは、ベース部材31の対向面31aの中蓋部材322に対向する部分に形成されている。
被覆部挿入溝31c、31dと調心溝31bとの間には、被覆部挿入溝31c、31dから調心溝31b側に行くにしたがって溝幅が小さくなるテーパ状のテーパ溝31e、31fが形成されている。各被覆部挿入溝31c、31dは、テーパ溝31e、31fを介して調心溝31bと連通されている。
後蓋部材321の対向面321aには、ベース部材31の被覆部挿入溝31cに対応する位置に、挿入光ファイバ1の被覆部が挿入される被覆部挿入溝321bが形成されている。
スプライス30の半割り把持部材34の後端には、後蓋部材321及びベース部材31に、それぞれ、その後端面から前側に行くにしたがって先細りのテーパ状に形成された凹所からなるテーパ状開口部34bが開口している。このテーパ状開口部34bの前端(奥端)は被覆部挿入溝321b、31cと連通している。
介挿部材挿入穴35は、中蓋部材322の後端部及び前端部に対応する2箇所と、後蓋部材321及び前蓋部材323のベース部材31長手方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
スプライス30のベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323は、その互いに対向する対向面31a、321a、322a、323aが、クランプばね33の一対の側板部33bの間隔方向に概ね垂直となる向きで一対の側板部33bの間に把持されている。
一対の側板部33bの一方はベース部材31に当接し、他方の側板部33bは押さえ蓋32に当接する。
クランプばね33は、後蓋部材321とベース部材31とを保持する第1クランプばね部331と、中蓋部材322とベース部材31とを保持する第2クランプばね部332と、前蓋部材323とベース部材31とを保持する第3クランプばね部333とを有する。
第1クランプばね部331の一対の側板部に符号331b、第2クランプばね部332の一対の側板部に符号332b、第3クランプばね部333の一対の側板部に符号333bを付記する。
延出光ファイバ21のうち、半割り把持部材34を構成するベース部材31と押さえ蓋32との間に挿入された部分を、以下、挿入端部とも言う。
スプライス30の前側からベース部材31と中蓋部材322との間に、他の光ファイバ1を挿入することで、該光ファイバ1(以下、挿入光ファイバとも言う)の先端を延出光ファイバ21先端(挿入端部先端)に突き合わせ接続できる。また、スプライス30の半割りの素子の間、すなわちベース部材31(ベース側素子)と押さえ蓋32(蓋側素子)との間に、延出光ファイバ21と該光ファイバ21に突き当てた挿入光ファイバ1とを、クランプばね33の弾性によって把持固定できる。
ケーブル把持部材70は、プラスチック製の一体成形品であることが好ましい。
押さえ蓋72を閉状態として把持ベース71に係止させることによって、ケーブル把持部材70は光ファイバケーブル24の端末24aに取り付けられる。
スライダ120は、側壁部122間の空間であるユニット収納空間126に、ユニットベース11を保持することができる。
側壁部122の外面には、接続治具110の弾性係止片136の係合用凹所136cに係合する係止用突起127が外側方に突出して形成されている。係止用突起127の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
側壁部122には、係合壁部87の突爪87aが挿入される孔部125が形成されている。
光ファイバ21は光ファイバケーブル24の断面中央部に配置され、一対の抗張力体26は光ファイバ21から光ファイバケーブル24の断面長手方向両側に離隔した位置に配置されている。光ファイバ21は、例えば光ファイバ心線、光ファイバ素線といった被覆光ファイバである。
延出光ファイバ21の挿入端部先端(前端)には、裸光ファイバ21aが口出しされている。スプライス30での延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1との突き合わせ接続は、挿入光ファイバ1先端に口出しした裸光ファイバ1aと延出光ファイバ21の挿入端部先端の裸光ファイバ21aとの突き合わせによって実現される。
スプライス用工具80は、スプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間に介挿片部81aを割り込ませてこれらを押し開いた状態に保つ介挿部材81と、介挿部材81を引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部82と、介挿部材駆動部82から突出する一対の係合壁部87とを有する。
スプライス用工具80は、その前後方向をスプライス30の前後方向に揃えて取り付けられる。
なお、スプライス用工具80については、介挿部材駆動部82の軸線方向を前後方向として説明する。
介挿部材駆動部82は、スプライス30に対面する受圧壁部86と、内側空間82Aを介して受圧壁部86に対向する対向壁部85と、受圧壁部86と対向壁部85との間を繋ぐ左右両側の駆動部側壁部88とを有する。
受圧壁部86の前後方向の寸法は、突壁部62、63の嵌合凹部62c、63cに嵌合させることができるように設定される。
挿通孔82aは、受圧壁部86に、その前後方向両端から、前後方向に沿って、互いに近づく方向に延在するスリット状に形成されている。
このため、受圧壁部86は、前後に並ぶ2つの板状主壁部86aと、これらを連結する連結部86bとを有する形状となっている。
対向壁部85は、内側空間82Aを介して挿通孔82aに対面する位置に形成されている。
図5に2点鎖線で示すように、左右の押圧用板部88cに側圧Pを作用させて、これら押圧用板部88c間の離隔距離を縮めることで、板部88aは、薄肉部88bをヒンジ部として変位し、受圧壁部86と対向壁部85との間の離隔距離が増大する。
貫通孔89aの上端部の内部には、拡張された凹部89bが形成されている。
幹部84先端部(延出端部)の側面には、外方に突出する係合爪84aが形成されている。係合爪84aは、貫通孔89a内の凹部89bの段差面89cに係合可能である。
なお、幹部84の係合爪84aは、介挿片支持部83との離隔距離を対向壁部85の貫通孔89aの長さに揃えて形成してもよい。
幹部84の係合爪84aと段差面89cとの間の離隔距離は、介挿部材81Aと介挿部材81Bとで互いに同じでもよい。
2つの介挿部材81の介挿片支持部83は互いに反対の方向に延出している。図6において、介挿部材81Aの介挿片支持部83は左方に延出し、介挿部材81Bの介挿片支持部83は右方に延出している。
腕部83aは、断面略矩形の柱状に形成されている。介挿部材81A、81Bの腕部83aは、介挿部材駆動部82の後端および前端に比べ、それぞれ後方および前方に延出している。
腕部83aの幅寸法は、ユニットベース11の突壁部62、63間に入り込むことができる程度の幅であることが望ましい。これによって、スプライス用工具80の取り付け時に腕部83aを突壁部62、63間に位置させることができるため、介挿片部81aをスプライス30に近い位置で挿入できる。
図1に示すように、本体部83cの幅寸法は、ユニットベース11のスプライス保持部60の突壁部62、63の間隔にほぼ等しいか、またはこれより若干小さく設定されていることが好ましい。
これによって、本体部83cをスプライス保持部60の突壁部62、63の間に嵌め込むことにより、介挿部材81を光ファイバ接続用ユニット10に対して幅方向に安定的に位置決めできる。
介挿片部81aは、その先端が先細りのテーパ状に形成されている。介挿片部81aは、その先端をベース部材31と押さえ蓋32との間に押し込んで割り込ませることが可能である。
図示例では、介挿片支持部83には、それぞれ2つの介挿片部81aが前後方向に間隔をおいて形成されている。具体的には、一方の介挿片部81aは腕部83aに形成され、他方の介挿片部81aはヘッド部83bに形成されている。
なお、1つの介挿片支持部83に形成される介挿片部81aの数は2に限らず、3以上としてもよい。
第2介挿部材81Bの2つの介挿片部81aのうち、一方(符号81dを付記)はスプライス30の中蓋部材322の前端部とベース部材31との間に介挿され、他方(符号81eを付記)は前蓋部材323とベース部材31との間に介挿される。
スプライス用工具80は、受圧壁部86をスプライス30の半割り把持部材34に当接させてスプライス30に取り付けられる。
すなわち、図5に2点鎖線で示すように、左右の押圧用板部88cに側圧Pを作用させて、これら押圧用板部88c間の離隔距離を縮めることで、板部88aは、薄肉部88bをヒンジ部として変位し、受圧壁部86と対向壁部85との間の離隔距離が増大する。
これによって、図6に示す段差面89cに係合した幹部84を押し上げ、介挿片部81aをスプライス30から抜き去ることができる。
係合壁部87の突端部には、内方に突出された突爪87aが形成されている。
係合壁部87は、スライダ120の凹部122a内に配置するとともに、突爪87aを側壁部122の下縁(孔部125の内縁)に係合させることができる。
第1案内部132は、光ファイバ接続用ユニット10をスライド移動させるスライド面133が形成された台部134と、その両側縁にそれぞれ突設された案内壁部135、135とを有する。
案内壁部135の下部内面には、光ファイバ接続用ユニット10の浮き上がり(接続治具110から離れる方向の光ファイバ接続用ユニット10の移動)を規制する溝部135aが形成されている。
溝部135aは、第1案内部132の形成方向(前後方向)に沿って形成され、基板部121の両側縁部121aが入り込むことによって、スライダ120の浮き上がりを規制できる。
弾性係止片136は、第1案内部132の幅方向両側に突設された張出部138からスライド面133側に突出する湾曲板部136aの先端に、スライダ120の係止用突起127が入り込む係合用凹所136cが形成された板状の係合片部136bを突設した構成になっている。
湾曲板部136aは、第1案内部132の前後方向に沿う軸線を以て湾曲する円弧板状に形成されている。この湾曲板部136aの突端はスライド面133よりも上方に位置する。
係合片部136bは、湾曲板部136aの突端から内方に向けてスライド面133上に張り出して形成されている。
弾性係止片136は、係合用凹所136cにスライダ120の係止用突起127が入り込んで該係止用突起127と係合したときに、第1案内部132に対するスライダ120の前後方向の移動を規制できる。
この状態では、弾性係止片136が、湾曲板部136aの弾性によってスライダ120を挟み込み、スライダ120を安定に保持する。
弾性係止片136は、第1案内部132に沿って前進させた光ファイバ接続用ユニット10(スライダ120)に係合してその前進および後退を規制する係止機構として機能する。
一対の案内壁部145は、第2案内部142の形成方向(前後方向)に延在して形成され、スライド面143上に載置されたファイバホルダ90の両側縁に当接してファイバホルダ90の幅方向の移動を規制できる。
弾性係止片146は、治具基部130から突出する突出板部146aの先端に、ファイバホルダ90の係止用突起98が入り込む係合用凹所146cが形成された板状の係合片部146bを突設した構成になっている。
係合片部146bは、突出板部146aの突端から内方に向けてスライド面143上に張り出して形成されている。
弾性係止片146は、係合用凹所146cにファイバホルダ90の係止用突起98が入り込んで該係止用突起98と係合したときに、第2案内部142に対するファイバホルダ90の前後方向の移動を規制できる。
この状態では、弾性係止片146が、突出板部146aの弾性によってファイバホルダ90を挟み込み、ファイバホルダ90を安定に保持する。
弾性係止片146は、第2案内部142に沿って前進させたファイバホルダ90に係合してその前進および後退を規制する係止機構として機能する。
溝部139の底部には、スライド面133上に突出する弾性突出片137が形成されている。
弾性突出片137は、基端部において弾性的に曲げ変形可能であるため、光ファイバ接続用ユニット10をスライド面133上で前進させる際には、光ファイバ接続用ユニット10に押し下げられて溝部139に収容されることから、光ファイバ接続用ユニット10の前進に支障が生じることはない。
ファイバホルダ90については、光ファイバ接続用ユニット10に近づく方向を前方といい、その反対方向を後方と言うことがある。
一側延出部96および他側延出部97の間に確保されたユニット収容空間99には、光ファイバ接続用ユニット10の前端部を収容できる。
一側延出部96および他側延出部97の外側面には、弾性係止片146の係合用凹所146cに係合する係止用突起98が外側方に突出して形成されている。係止用突起98の平面視形状は、突端から基端側に行くにしたがって前後寸法が増すテーパ状(例えば三角形状)であることが好ましい。
後述するように、スプライス30内で光ファイバ1、21を突き合わせ接続する際には、スプライス30の前端側とファイバホルダ90との間には、所定の撓み幅(第2の撓み幅L2)が確保される。
第2の撓み幅L2は、第1の撓み幅L1より短くされていると、第1の撓み幅L1側で、第2の撓み幅L2側に比べて相対的に撓み変形21cが生じやすくできる。
図5に示すように、予め、スプライス用工具80を光ファイバ接続用ユニット10に取り付けることによって、介挿片部81aをスプライス30の把持部材34間に割り入れ、スプライス30を、挿入された光ファイバ1、21が自由に挿入および抜去方向に移動できる状態としておく。
また、介挿部材駆動部82(受圧壁部86)を突壁部62、63の嵌合凹部62c、63cに嵌合させることによって、スプライス用工具80はユニットベース11に対して、前後方向の移動が規制され、位置決めされる。
さらに、係合壁部87をスライダ120の凹部122a内に配置し、突爪87aを側壁部122の下縁(孔部125の内縁)に係合させることによって、スプライス用工具80が、ユニットベース11およびスライダ120を抱え込んだ形で、これら相互の移動が規制される。
このように、スプライス用工具80は、介挿片支持部83の本体部83cをスプライス保持部60に嵌め込むとともに、介挿部材駆動部82(受圧壁部86)を突壁部62、63の嵌合凹部62c、63cに嵌合させ、さらに、係合壁部87をスライダ120の凹部122a内に配置することによって、幅方向および前後方向に安定に位置決めできる。
挿入光ファイバ1のファイバホルダ90からの突出長は、挿入光ファイバ1に撓みが生じない場合に、スプライス30内の最適位置で裸光ファイバ1a、21a同士が突き当てられるように設定する。
前記突出長は、例えば、光ファイバ接続用ユニット10およびファイバホルダ90が弾性係止片136、146によって位置決めされたときに、裸光ファイバ1a先端がスプライス30の中央位置に達する長さとすることができる。
把持ベース71のケーブル嵌合溝71aの前端からの延出光ファイバ21の突出長は、光ファイバ接続用ユニット10が前進限界位置(後述)にあるときに、スプライス30内の延出光ファイバ21の裸光ファイバ21aまでの距離よりも若干長くする。
レバー部材150を回動させてケーブル把持部材70の後退を規制する。
光ファイバ接続用ユニット10の移動過程では、基板部121の両側縁部121aが側壁部135の内面の溝部135aに入り込むことによってスライダ120の浮き上がりが規制されるため、挿入光ファイバ1に対する正確な位置決めが可能となる。
図12(c)に示すように、光ファイバ接続用ユニット10をさらに前進させると、挿入光ファイバ1の裸光ファイバ1aは調心溝31bに挿入されて、延出光ファイバ21の裸光ファイバ21a先端に突き当てられる。
符号C1は突き合わせ接続位置である。
これによって、光ファイバ接続用ユニット10は、弾性係止片136によって挟み込まれて安定に保持された状態でスライド面133上に位置決めされる。この光ファイバ接続用ユニット10の位置を前進限界位置と言う。
光ファイバ接続用ユニット10の前端部は、ファイバホルダ90の一側延出部96と他側延出部97との間に確保されたユニット収容空間99に収容される。
相対的に長い第1の撓み幅L1を有する延出光ファイバ21の座屈応力が相対的に低いため(ただし、光ファイバ1、21が同一種類のファイバである場合)、スプライス30とケーブル把持部材70との間の延出光ファイバ21が先に撓み変形を生じる(座屈する)。延出光ファイバ21に一旦撓みが生じると、スプライス30とファイバホルダ90との間の挿入光ファイバ1には撓みは生じない。
図6に示すように、対向壁部85の上昇に伴って介挿部材支持部89も上昇するため、段差面89cに係合した幹部84を押し上げ、介挿片支持部83が上昇する。このため介挿片部81aをスプライス30から抜き去ることができる。
2つの介挿部材81A、81Bが同時に上昇すれば、4つの介挿片部81aをほぼ同時にスプライス30から抜き去ることができる。
このため、介挿部材81Aの抜き去りと介挿部材81Bの抜き去りを、同時ではなく時間をおいて行う、時差抜き去りを行うこともできる。例えば、第1介挿部材81Aの抜き去りを、第2介挿部材81Bの抜き去りに先行して行うことができる。
一方、図7に示すように、腕部83aが、わずかに曲げ変形できる程度の剛性を有する場合には、介挿部材駆動部82に両側から側圧Pを与えて幹部84を上昇させ、介挿片支持部83の基端部に上方への力を加えると、腕部83aの曲げ変形に伴って、第1介挿部材81Aでは基端側の介挿片部81a(介挿片部81b。第1の介挿片部)が延出端側の介挿片部81a(介挿片部81c。第2の介挿片部)に先行して上昇する。また、第2介挿部材81Bでは基端側の介挿片部81a(介挿片部81d。第1の介挿片部)が延出端側の介挿片部81a(介挿片部81e。第2の介挿片部)に先行して上昇する。
このため、光ファイバ1、21(裸光ファイバ1a、21a)の突き合わせ接続位置を含む部分(スプライス30の中央部分)を先行して把持し、次いでスプライス30の端部側の光ファイバ1、21を把持することができることから、光ファイバ1、21の撓みを除去することができる。
接続作業が完了した延出光ファイバ21と挿入光ファイバ1とは、スプライス30の半割り把持部材34に把持固定される結果、裸光ファイバ1a、21a同士の突き合わせ状態を安定に維持できる。
延出光ファイバ21の撓み変形21cの大部分は、ユニットベース11の把持部材保持部50とレバー部材150に囲まれ、外力から保護される。
介挿片支持部83は、介挿部材駆動部82の中心軸方向に延出して形成されているため、介挿部材駆動部82を操作することで、介挿部材駆動部82から延出方向に離隔した介挿片部81aをも確実に操作できる。
この場合には、図1に示すように、介挿片支持部83の本体部83cをスプライス保持部60の突壁部62、63の間に嵌め込むとともに、介挿部材駆動部82(受圧壁部86)を突壁部62、63の嵌合凹部62c、63cに嵌合させることによって、スプライス用工具80が、ユニットベース11に対して前後方向および幅方向の移動が規制され、位置決めされる。
さらに、係合壁部87をスライダ120の凹部122a内に配置し、突爪87aを側壁部122の下縁(孔部125の内縁)に係合させることによって、スプライス用工具80が、ユニットベース11およびスライダ120を抱え込んだ形で、これら相互の移動が規制される。
このように、スプライス用工具80は、容易な操作で、ユニットベース11に対して再取り付けすることが可能である。
挿入光ファイバは特に限定されず、例えば複数フロアを有する建築物において各フロアにわたる縦穴(例えばエレベータ用昇降路)に布設される光ファイバ、屋内配線された光ファイバ、光複合電子機器に配線された光ファイバ等を例示できる。
Claims (4)
- 突き合わせ接続した光ファイバの対を素子の間にクランプして前記光ファイバ同士の接続状態を維持するメカニカルスプライス用の工具であって、
メカニカルスプライスの素子間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いた状態に保つ介挿部材と、
前記メカニカルスプライスの前記素子間に割り込ませた前記介挿部材を前記素子間から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部とを有し、
前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部に設けられた介挿部材支持部に支持された幹部と、
この幹部から前記介挿部材駆動部の中心軸線方向に延出する介挿片支持部と、
この介挿片支持部の延在方向複数箇所に突設され、それぞれ前記メカニカルスプライスの前記素子間に介挿される介挿片部とを有し、介挿部材支持部は、前記介挿部材を外側に突出させる介挿部材挿通孔に、前記介挿部材駆動部の内側空間を介して対面する対面壁部に形成され、
前記介挿部材駆動部は、その周方向において前記対面壁部と前記介挿部材挿通孔との間に位置する両側の側壁部に互いに接近させる方向の側圧が与えられることで、前記介挿部材支持部と前記介挿部材挿通孔との間の距離が増大するように変形されて、前記介挿部材の前記介挿部材駆動部外側への突出量を縮小するように構成され、介挿部材の複数の介挿片部を前記素子間から抜き去り可能であり、
前記介挿片部は、前記メカニカルスプライスの中央部分に介挿される第1の介挿片部と、前記メカニカルスプライスの端部分に介挿される第2の介挿片部とを備え、
前記介挿片支持部は、弾性変形可能であり、
介挿部材駆動部を用いて前記幹部を介して前記介挿片支持部に上方への力を加えると、前記介挿片支持部の曲げ変形に伴って、第1の介挿片部が第2の介挿片部に先行して上昇するメカニカルスプライス用工具。 - 前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部に前記介挿部材支持部を介して複数取り付けられている請求項1に記載のメカニカルスプライス用工具。
- 前記メカニカルスプライスは、向かい合う一対の突壁部を有するユニットベースの前記突壁部間に保持され、
前記介挿片支持部は、前記一対の突壁部間に嵌合されて幅方向の移動が規制される請求項1又は2に記載のメカニカルスプライス用工具。 - 介挿部材駆動部は、前記突壁部に形成された嵌合凹部に嵌合されて長手方向の移動が規制される請求項3に記載のメカニカルスプライス用工具。
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