JP5311278B2 - 難燃性ポリウレタンフォームを用いた車両用緩衝材および車両用カバー - Google Patents
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Description
これらの防音材、防振材に用いられる発泡ゴムやウレタンフォームの材料は、エンジン近接で使用することから、耐熱性と難燃性の両方に優れている必要がある。
発泡ゴムとして用いられるEPDMの発泡体は耐熱性が良好ではあるが、難燃性が不十分であり、その他の発泡ゴムのエピクロロヒドリンゴムは、難燃性が良好であるものの、耐熱性が不十分である。
また、ウレタンフォームは、アスファルトと共に発泡成形するアスファルト含浸フォームが知られている。このフォームは安価で耐熱性に優れるという特徴があるが、難燃性が不十分である。難燃剤を添加すれば難燃性が向上するが、耐熱性が低下し、機械物性も低下する。難燃剤が増加することで、コストが高くなるデメリットも生じる。
(1)平均NCO基数が2.1〜2.5であるジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)と高分子ポリオール(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、発泡剤(E)、ヒマシ油系ポリオール(F)から得られ、
ヒマシ油系ポリオール(F)が高分子ポリオール(B)100部に対して1〜10部である車両用緩衝材。
(2)高分子ポリオール(B)が分子量1,000〜10,000、公称官能基数2以上のポリエーテルポリオールであることを特徴とする(1)に記載する車両用緩衝材。
(3)ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)がピュアMDI(a1)とポリメリックMDI(a2)を含有し、当量以下の高分子ポリオール(B)で変性したものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載する車両用緩衝材。
(4)ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)が、ピュアMDIのカルボジイミド変性体を含有することを特徴とする(1)から(3)のうちいずれか1つに記載する車両用緩衝材。
(5)平均NCO基数が2.1〜2.5であるジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)と高分子ポリオール(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、発泡剤(E)、ヒマシ油系ポリオール(F)から得られ、
ヒマシ油系ポリオールが高分子ポリオール(B)100部に対して1〜10部である車両用カバー。
(6)高分子ポリオール(B)が分子量1,000〜10,000、公称官能基数2以上のポリエーテルポリオールであることを特徴とする(5)に記載する車両用カバー。
(7)ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)がピュアMDI(a1)とポリメリックMDI(a2)を含有し、当量以下の高分子ポリオール(B)で変性したものであることを特徴とする(5)又は(6)に記載する車両用カバー。
(8)ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)が、ピュアMDIのカルボジイミド変性体を含有することを特徴とする(5)から(7)のうちいずれか1つに記載する車両用カバー。
以上
MDIには、2,2′−MDI、2,4′−MDI、4,4′−MDIの3種類の異性体が存在する。本発明に使用できる異性体構成比は、2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計の含有量が1〜60質量%が好ましく、更には2〜55質量%が好ましい。2、2′−MDIと2,4′−MDIの合計の含有量が下限未満の場合は、ポリイソシアネート(A)の低温貯蔵安定性が低下しやすい。上限を越える場合は、得られる軟質ポリウレタンフォームの硬度が低下しやすい。
ここに、「ヒマシ油」の主成分は、リシノール酸のトリグリセライドであり、「ヒマシ油」には水素添加ヒマシ油が含まれる。また、「ヒマシ油脂肪酸」の主成分はリシノール酸であり、「ヒマシ油脂肪酸」には、水素添加ヒマシ油脂肪酸が含まれる。また、「トリメチロールアルカン」としては、例えばトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタン、トリメチロールヘキサン、トリメチロールヘプタン、トリメチロールオクタン、トリメチロールノナン及びトリメチロールデカンを挙げることができる。
ヒマシ油又はヒマシ油系変性ポリオールの数平均分子量は400〜2,000であることが好ましく、更に好ましくは400〜1,000とされる。数平均分子量が400〜1,000のヒマシ油系ポリオール(a1)を使用するとポリオールプレミックスの粘度も低いため,混ざりも良く,さらに得られる組成物の機械物性も良好である。具体的には伊藤製油株式会社製のURIC H−24やURIC H−30などがあるがこれに限定されない。ヒマシ油系ポリオール(F)はポリオール成分(B)に対して、1〜10質量%使用することが好ましい。この下限未満では難燃性を十分に発現することができない。また、この上限を超えると耐ガソリン性が悪くなるといった問題が生じてしまう。
反応性化合物中の全イソシアネート反応性基の当量比(NCO/NCO反応性基)として
は0.5〜1.2(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=50〜120)であることが好ましく、0.6〜1.1(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=60〜110)であることがより好ましい。
(ポリオールプレミックス調整例1)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、ポリオール1を80gと、ポリオール2を20gと、ポリオール6(ヒマシ油系ポリオール)を3g仕込み、23℃にて0.5時間混合撹拌させることにより、ポリオールプレミックス「OH−1」を得た。
調整例1と同様に、表1に示す配合割合でポリオールプレミックス「OH2〜8」を得た。
ポリオール1:EL−823(旭硝子ウレタン社製、ポリエーテルポリオール、数平均分子量:約5,000、平均官能基数:3)
ポリオール2:EL−510(旭硝子ウレタン社製、ポリエーテルポリオール、数平均分子量:約4,000、平均官能基数:2)
ポリオール3:FA−703(三洋化成工業社製、ポリエーテルポリオール、数平均分子量:約5,000、平均官能基数:3)
ポリオール4:FA−728R(三洋化成工業社製、ポリマーポリオール)
ポリオール5:サンニックスSP−750(三洋化成工業社製、ポリエーテルポリオール)
ポリオール6:ヒマシ油LAV(伊藤製油工業社製ポリオール、数平均分子量:約1,000)
ポリオール7:URIC H―24(伊藤製油工業社製ポリオール、数平均分子量約1,000)
アミン触媒1:トリエチレンジアミン33%DPG溶液(商品名 TEDA-L33東ソー社製)
アミン触媒2:70%ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、30%ジプロピレングリコール(商品名 TOYOCAT-ET、東ソー社製)
アミン触媒3:(商品名:TOYOCAT-D60、東ソー製)
整泡剤1 :シリコン系整泡剤(商品名:B8715LF)
整泡剤2 :シリコン系整泡剤(商品名:L-5309)
(調整例9〜11)
表2に示す配合割合でジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート「NCO−1〜NCO−3」を得た。
イソシアネート−1:ポリエーテルポリオール変性プレポリマー(商品名CEF-300、日本ポリウレタン工業社製)、公称平均官能基数f=2.27、NCO含有量:28.8%、粘度:100mPa・s
イソシアネート−2:(商品名CEF-302、日本ポリウレタン工業社製)、公称平均官能基数f=約2.70、NCO含有量:30.7%、粘度:240mPa・s
イソシアネート−3:(商品名 T-80、日本ポリウレタン工業社製)公称平均官能基数f=2.00、NCO含量:48.2%、粘度5mPa・s
表1、表2に記載した配合比に基づいてポリオールプレミックスやイソシアネート成分を配合するなどの準備をした。これらを25℃に調温した後、2,000mlのポリカップに秤量し、ハンドミキサーで攪拌(約3,000rpm)で3秒攪拌した。攪拌終了後、内寸300×300×50mmのモールドに直ちに注入、150秒後、脱型した。24時間静置後、所定の形状に切り出し、燃焼試験、耐油試験、機械物性ついて測定を行った。結果を表3に示す。
成形したサンプルを、135℃、600時間静置後、UL94の「20mm垂直燃焼試験」に従い試験を行なった。ヒマシ油の入っていない比較例1,5は,残炎時間t1とt2の5回の合計が50秒を超えており,サンプルもすべて燃焼した。比較例3のT−80の含まれるフォームでは、1回目の着火ですべて燃焼した。比較例4,6のヒマシ油が12部含まれるフォームは残炎時間が長く,クランプまでフォームが燃焼した。実施例1,2,3,4の場合,残炎時間が短く,クランプまでサンプルが燃焼することもなかった。
Claims (8)
- 平均NCO基数が2.1〜2.5であるジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)と高分子ポリオール(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、発泡剤(E)、ヒマシ油系ポリオール(F)から得られ、
ヒマシ油系ポリオール(F)が高分子ポリオール(B)100部に対して1〜10部である車両用緩衝材。 - 高分子ポリオール(B)が分子量1,000〜10,000、公称官能基数2以上のポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1に記載する車両用緩衝材。
- ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)がピュアMDI(a1)とポリメリックMDI(a2)を含有し、当量以下の高分子ポリオール(B)で変性したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載する車両用緩衝材。
- ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)が、ピュアMDIのカルボジイミド変性体を含有することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載する車両用緩衝材。
- 平均NCO基数が2.1〜2.5であるジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)と高分子ポリオール(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、発泡剤(E)、ヒマシ油系ポリオール(F)から得られ、
ヒマシ油系ポリオールが高分子ポリオール(B)100部に対して1〜10部である車両用カバー。 - 高分子ポリオール(B)が分子量1,000〜10,000、公称官能基数2以上のポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項5に記載する車両用カバー。
- ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)がピュアMDI(a1)とポリメリックMDI(a2)を含有し、当量以下の高分子ポリオール(B)で変性したものであることを特徴とする請求項5又は6に記載する車両用カバー。
- ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート(A)が、ピュアMDIのカルボジイミド変性体を含有することを特徴とする請求項5から7のうちいずれか1つに記載する車両用カバー。
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