JP5306836B2 - 強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート - Google Patents
強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート Download PDFInfo
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心材の一方の面にAl−Si系ろう材がクラッドされ、前記心材の他方の面に犠牲陽極材がクラッドされたアルミニウム合金ブレージングシートであって、
前記心材が、Si:0.15%(質量%、以下同じ)以下に規制し、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.4〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材が、Si:0.15%以下、Fe:0.15%以下、Mn:0.1%以下に規制し、Mg:1.0〜3.0%、Zn:2.0〜6.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材のクラッド厚さをA〔μm〕とし、前記犠牲陽極材のZn添加量をB〔%〕とした時に、120≦A×B≦280を満たし、
前記犠牲陽極材は、クラッド率が15〜25%であり、均質化処理がされていない、
ことを特徴とする。
心材の一方の面にAl−Si系ろう材がクラッドされ、前記心材の他方の面に犠牲陽極材がクラッドされたアルミニウム合金ブレージングシートであって、
前記心材が、Si:0.15%(質量%、以下同じ)以下に規制し、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.4〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材が、Si:0.15%以下、Fe:0.15%以下、Mn:0.1%以下に規制し、Mg:1.0〜3.0%、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材のクラッド厚さをA〔μm〕とし、前記犠牲陽極材のZn添加量をB〔%〕とした時に、120≦A×B≦280を満たし、
前記犠牲陽極材は、クラッド率が15〜25%であり、均質化処理がされていない、
ことを特徴とする。
Siは、その含有量を少なくすることで、Al−Mn−Si、Al−Fe−Mn−Si系化合物の生成を抑制できるため、心材に添加したMnの固溶量を多くすることができる。心材のMn固溶量が多い状態でろう付けをすると、ろう材から拡散してきたSiと心材に固溶しているMnとが化合物を形成し、ろう材と心材の界面近傍においてAl−Mn−Si系化合物を微細に分散させることができる。この微細析出物が多く分散していると、ろう材側からの腐食が板厚方向に進行することを抑制できるため、耐食性が向上する。また、Si添加量を抑えることで心材の固相線温度(融点)が低下することを防げるため、ろう付け時の心材の溶融や電縫溶接によってチューブを製造する際の溶接不良などを低減できる。従って、Si含有量は少ないほどよく、本実施形態では0.15%以下に規制した。より好ましくは、0.10%以下である。
Siは、その含有量を少なくすることで、Al−Mn−Si、Al−Fe−Mn−Si系化合物の生成を抑制できる。これらの化合物が存在すると、ろう付け後の冷却過程でMgZn2安定相がそれら化合物の表面に析出し、時効硬化に寄与しないMg、Zn量が増えて強度が低下する。また、Si添加量を抑えることで犠牲陽極材の固相線温度(融点)が低下することを防げるため、ろう付け時の犠牲陽極材の溶融や電縫溶接によってチューブを製造する際の溶接不良などを低減できる。従って、Si含有量は少ないほどよく、本実施形態では0.15%以下に規制した。より好ましくは、0.10%以下である。
ろう材は、通常使用されているAl−Si系合金ろう材を使用することができ、特に制限されるものではない。例えば、JIS4343、4045又は4047の各合金(Al−7〜13%Si)を使用することが好ましい。
ブレージングシート供試材を600℃×3minのろう付け加熱後、200℃/minの冷却速度で冷却し、その後室温で1週間放置した。このサンプルを引張速度10mm/min、ゲージ長50mmの条件で、JIS Z2241に従って、常温にて引張試験を実施した。
JIS3003合金に2.5%のZnを添加した合金のフィン材をコルゲート成形し、ブレージングシート供試材のろう材面と合わせた。その後、これを5%のフッ化物フラックス懸濁液中に浸漬し、200℃で乾燥後に600℃×3分のろう付け加熱を行って試験コアを作製した。この試験コアにおいて、フィンの全山数に対する接合したフィンの山数の割合をフィン接合率とした。また、フィン接合率が95%以上のものはろう付け性が良好「○」とし、95%未満のものはろう付け性が不十分「×」とした。
上記〔b〕で作製した試験コア断面のミクロ観察を行い、心材や犠牲陽極材におけるエロージョン(ろう拡散)や材料の溶融発生の有無を確認した。エロージョン及び材料溶融がともに無い場合を「○」とし、エロージョン及び材料溶融のうちいずれか又は両方が有る場合は「×」とした。
上記〔b〕に記載と同様の条件で試験コアを作製後、ろう材側の耐食性を評価するため犠牲陽極材側をシールし、JIS H8681に従ってキャス(CASS)試験を1000時間実施した。その後、各試験コアについて最大孔食深さを測定した。
上記〔a〕に記載の引張試験試料と同様のブレージングシート供試材に対し、600℃×3分のろう付け加熱を行った後、ろう材側をシールし、Cl−500ppm、SO4 2−100ppm、Cu2+10ppmを含む88℃の高温水中で8h、室温放置で16hのサイクル浸漬試験を3か月実施した。その後、各供試材について最大孔食深さを測定した。
11 心材
12 ろう材
13 犠牲陽極材
Claims (3)
- 心材の一方の面にAl−Si系ろう材がクラッドされ、前記心材の他方の面に犠牲陽極材がクラッドされたアルミニウム合金ブレージングシートであって、
前記心材が、Si:0.15%(質量%、以下同じ)以下に規制し、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.4〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材が、Si:0.15%以下、Fe:0.15%以下、Mn:0.1%以下に規制し、Mg:1.0〜3.0%、Zn:2.0〜6.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材のクラッド厚さをA〔μm〕とし、前記犠牲陽極材のZn添加量をB〔%〕とした時に、120≦A×B≦280を満たし、
前記犠牲陽極材は、クラッド率が15〜25%であり、均質化処理がされていない、
ことを特徴とする強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート。 - 心材の一方の面にAl−Si系ろう材がクラッドされ、前記心材の他方の面に犠牲陽極材がクラッドされたアルミニウム合金ブレージングシートであって、
前記心材が、Si:0.15%(質量%、以下同じ)以下に規制し、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.4〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材が、Si:0.15%以下、Fe:0.15%以下、Mn:0.1%以下に規制し、Mg:1.0〜3.0%、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金であり、
前記犠牲陽極材のクラッド厚さをA〔μm〕とし、前記犠牲陽極材のZn添加量をB〔%〕とした時に、120≦A×B≦280を満たし、
前記犠牲陽極材は、クラッド率が15〜25%であり、均質化処理がされていない、
ことを特徴とする強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート。 - 前記心材が、さらにMg:0.05〜0.6%を含有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート。
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