JP2004017116A - ろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐エロージョン性に優れるろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートを得る。
【解決手段】重量%でMn:0.5〜2.0%、Si:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を芯材とし、その片面にAl−Si系又はAl−Si−Zn系アルミニウム合金ろう材をクラッドし、芯材の他方の面に犠牲陽極皮材としてZn:1〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成の犠牲陽極皮材をクラッドしたブレージングシートにおいて、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上である。
【効果】耐エロージョン性に優れるろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】重量%でMn:0.5〜2.0%、Si:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を芯材とし、その片面にAl−Si系又はAl−Si−Zn系アルミニウム合金ろう材をクラッドし、芯材の他方の面に犠牲陽極皮材としてZn:1〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成の犠牲陽極皮材をクラッドしたブレージングシートにおいて、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上である。
【効果】耐エロージョン性に優れるろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートが得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はろう付により製造される自動車熱交換器用のチューブ用のアルミニウム合金ブレージングシートに関するものであり、特に耐エロージョン性に優れる特性を有し、ラジエーターやヒーターコアなどのアルミニウム製熱交換器の構造部材として適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のラジエーターやヒーターコアのチューブ材としては、Al−Mn系合金からなる芯材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、他の片面に犠牲陽極皮材としてAl−Zn系合金をクラッドした3層のアルミニウム合金が使用されている。Al−Si系ろう材は、ろう付時にチューブとフィンの接合、及びチューブとヘッダープレートとの接合に用いられ、犠牲陽極皮材は芯材との電気化学的性質の違いにより犠牲陽極皮材が主として腐食し、芯材への孔食の成長を抑制するものである。
【0003】
熱交換器の軽量化及び小型化による高性能化及びコストの低減を達成するため、材料の薄肉化及び軽量化が要求されており、材料を薄肉化するには耐食性や強度をさらに向上させる必要がある。また、チューブ材が薄肉化すると、現在実施している高周波溶接により造管することが困難となるため、今後はろう付により造管するチューブが主流となる。ろう付で造管を行う場合、チューブ接合部をろうで満たさなければならないため、電縫管の場合よりチューブの耐エロージョン性を向上させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ろう付により造管するチューブは図1のように外表面に必ず溝があるため、ヘッダープレート接合部からヘッダープレートの溶融ろうがそのチューブの溝を介して多量にチューブ側に流動し、チューブ接合部でエロージョンが発生する問題が生じている。これは、チューブ材のろうが少ないためチューブ接合部をろうで十分満たせず、ヘッダープレートのろうがチューブ側に流動するためである。チューブにエロージョンが発生すると局部的な板厚減少を引き起こし、耐食性や耐久性などが低下し、ひどい場合にはエロージョンによってチューブに貫通孔が発生することもある。また、ヘッダーからのろうの流動を抑制するには、チューブのろう材クラッド率を上げ、チューブ接合部を十分ろうで満たすことも有効であるが、チューブのろう材量を増加させると更なる耐エロージョン性の向上が要求される。
【0005】
ろう付時のエロージョンに関しては、芯材の結晶粒界がろうの侵食経路となりやすく、ろう付時の芯材再結晶粒が微細な場合、材料中に結晶粒界が多く存在することとなり、その後のろう溶融によりエロージョンが生じ易くなる。このことからブレージングシートの耐エロージョン性を向上させるためには、ろう付加熱時の芯材再結晶粒を粗大化させる必要がある。
本発明は芯材及び犠牲陽極皮材の成分及び製造方法を検討することで、特に耐エロージョン性を著しく向上することを可能とし、ろう付時にチューブにエロージョンが発生しにくく、薄肉化が可能なろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、重量%でMn:0.5〜2.0%、Si:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を芯材とし、その片面にAl−Si系又はAl−Si−Zn系アルミニウム合金ろう材をクラッドし、芯材の他方の面に犠牲陽極皮材としてZn:1〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成の犠牲陽極皮材をクラッドしたブレージングシートにおいて、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上であることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1記載の発明において、前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でFe:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でTi:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.15%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1〜3記載の発明において、前記芯材が更に重量%でMg:0.1〜0.3%を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1〜4記載の発明において、前記犠牲陽極皮材が更に重量%でMg:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Si:0.1〜1.0%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法の発明は、請求項1〜5記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、前記芯材のスラブに均質化処理を行わず、芯材、ろう材及び犠牲陽極皮材の熱間クラッド圧延の仕上り温度を200〜320℃とすることを特徴とする。
【0012】
以下に本発明で限定する事項について説明する。
(A)犠牲陽極皮材
Znは、犠牲陽極皮材の電位を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果を効果的なものにするため、芯材に腐食が進行するのを防止する。また、犠牲材表面の酸化皮膜を脆弱にし、腐食の発生起点を増加させて腐食形態を面状にする効果もある。その含有量が1%未満では酸性領域で所望の効果が得られず、一方、10%を越えて含有すると腐食速度が増大し過ぎて好ましくない。したがって、Zn含有量は1〜10%に定めた。Znの含有量の一層好ましい範囲は2〜5%である。
【0013】
Niは、素地中に微細なAl−Ni系化合物を生成するため、そこを起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。特にアルカリ環境中ではカソード点の集中を抑制し、耐食性の向上に寄与する。また、強度の向上にも寄与する。Niは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると犠牲陽極皮材の自己腐食性が増大するので好ましくない。したがって、Ni量を0.1〜1.0%の範囲に定めた。Ni含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.7%である。
【0014】
Feは素地中にAl−Fe、Al−Fe−(Mn,Ni)系化合物を生成するため、その化合物を起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。また、Fe添加は材料強度の向上にも寄与する。Feは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると犠牲陽極皮材の自己腐食性が増大するので好ましくない。したがって、Fe量を0.1%〜1.0%の範囲に定めた。Fe含有量の一層好ましい範囲は0.5〜0.8%である。
【0015】
Tiを添加すると鋳造時にTi濃度(固溶度)が高い部分と低い部分が生成し、これが圧延時に延ばされ材料中に層状のTi濃度分布が形成される。Ti濃度が低い部分は高い部分に比べ電位が卑になり、優先的に腐食が進行するため腐食形態が層状となり耐食性が向上する。ZrはTiの層状腐食を促進させる作用があり、TiとZrを同時に添加するとさらに耐孔食性が向上する。
また、これらの成分は、ろう付後に微細な金属間化合物として素地中に分散し、強度を向上させる作用を有するので必要に応じて添加するが、Ti:0.01%未満、Zr:0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、Ti:0.25%、Zr:0.15%を越えて含有させると、加工性が低下するので好ましくない。したがって、Ti:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.15%の範囲に定めた。
【0016】
Siは、マトリックスに固溶、あるいは微細析出して強度向上に寄与する。Si:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有させると、粒界腐食によりかえって耐食性が低下するため好ましくない。したがって、Si量を0.1〜1.0%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.5%である。
【0017】
Mnは素地中に固溶あるいはAl−Mn系金属間化合物を晶出することで材料強度の向上に寄与する。Mnは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を越えて含有すると鋳造性が低下するため望ましくない。したがって、Mn量を0.1〜2.0%の範囲に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は0.5〜1.5%である。
【0018】
Mgはろう付時に固溶し、材料強度を向上させる。また、ろう付後にSiあるいはZnとMg2Si、MgZn2を時効析出し、さらなる強度の向上に寄与する。Mgは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、2.0%を越えて含有すると犠牲材の圧延性が低下し、クラッド圧延が難しくなる。したがって、Mg添加量はMg:0.1〜2.0%の範囲に定めた。
【0019】
(B)芯材
本発明の熱交換器用クラッド材の芯材に含まれるMnは、芯材素地中にAl−Mnとして分散し、耐食性を低下させることなく強度を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を越えて含有すると粗大な化合物により鋳造性や圧延などの加工性が低下するので好ましくない。したがって、Mn添加量を0.5〜2.0%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は1.0〜1.7%である。
【0020】
芯材に含まれるCuは、マトリックスに固溶して強度を向上させ、また芯材の電気化学的性質を貴にし、皮材(およびろう材)との電位差を大きくする作用を有するが、Cu:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、Cuを1.0%を越えて添加すると、融点が低下するためろう付時に材料が溶融しやすく、さらに、粒界腐食が起こりやすくなり、耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Cu添加量を0.1〜1.0%に定めた。Cu含有量の一層好ましい範囲は0.4〜0.8%である。
【0021】
芯材に含まれるSiは、Mnと共存させることによりAl−Mn−Si化合物となって素地中に分散、あるいはマトリックスに固溶して強度を向上させる作用を有するが、Si:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有させると、粒界腐食を発生させるため好ましくない。したがって、Si量を0.1〜1.0%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は0.4〜0.8%である。
【0022】
Niは犠牲材に添加した場合と同様に、素地中に微細なAl−Ni系化合物を生成するためそこを起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。さらに鋳造時に割れの発生を抑制する効果もある。NiはFeやMnに比べ化合物の大きさが小さく非常に微細に分布するため、耐食性向上に及ぼす効果が最も大きい。また、Siの析出物を微細に分布させる効果もある。
Niは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると腐食速度が増大し、さらに結晶粒が細かくなりすぎるため好ましくない。したがって、Ni:0.1〜1.0%に定めた。Niの含有量の一層好ましい範囲はNi:0.2〜0.5%である。
【0023】
Feは、Niと同様に金属間化合物を材料中に微細分散させるため、強度を向上させる効果がある。また、鋳造時に割れの発生を抑制する効果もある。また、材料中にAl−Fe、Al−Fe−(Mn,Ni)系金属間化合物を生成し、芯材のアルカリ環境中での耐食性を向上させる。Feはその含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると腐食速度が増大し、さらに結晶粒が細かくなりすぎるため好ましくない。したがって、Fe:0.1〜1.0%に定めた。Fe含有量の一層好ましい範囲はFe:0.3〜0.7%である。
【0024】
芯材に含まれるTi、Zrは、ろう付後に微細な金属間化合物として素地中に分散し、強度を向上させる。また、特にZrについてはろう付け後の再結晶粒を板厚方向に対して偏平にする作用を有しており、芯材の耐エロージョン性を向上させるので必要に応じて添加するが、Ti:0.05%未満、Zr:0.05%未満では所望の効果が得られず、一方、Ti:0.25%、Zr:0.15%を越えて含有させると、加工性が低下するので好ましくない。したがって、Ti:0.05〜0.25%、Zr:0.05〜0.15%の範囲に定めた。
【0025】
Mgはろう付時に固溶し、材料強度を向上させる。また、ろう付後にSiあるいはZnとMg2Si、MgZn2を時効析出し、さらなる強度の向上に寄与する。芯材中のMgは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、0.3%を越えて含有するとろう付性が低下し、ろう付不良が発生する。したがって、芯材へのMg添加量はMg:0.1〜0.3%の範囲に定めた。
【0026】
(C)ろう材
本発明のろう付造管チューブ用ブレージングシートで使用するろう材は通常のAl−Si系合金ろう材であればよく、特に限定されるものでもないが、ろう材中に含まれるSiはろう材の融点を下げるとともに流動性を付与する成分であり、その含有量が5%未満では所望の効果が得られず、一方、15%を越えて含有するとかえって流動性が低下し、エロージョンも発生するため好ましくない。したがって、ろう材中のSiの含有量は5〜15%が好ましい。ろう材中のSi含有量の一層好ましい範囲は7〜11%である。また、本発明のろう付造管チューブ用ブレージングシートで使用するAl−Si系合金ろう材には、Zn:1.0〜5.0%を含有しても良い。
【0027】
次に、芯材の結晶粒径の大きさについて限定した理由について以下に示す。
ろう付時に芯材が完全に再結晶せず、圧延時の加工による亜結晶粒が残存すると、芯材の耐エロージョン性が低下するため、芯材は完全に再結晶することが必要となる。また、ろう付時、芯材の結晶粒界がろうの侵食経路となりやすいため、ろう付時の芯材再結晶粒が微細な場合、材料中に結晶粒界が多く存在することとなり、その後のろう溶融によりエロージョンが生じやすくなる。したがって、ブレージングシートの耐エロージョン性を向上させるためには、ろう付加熱時の芯材再結晶粒を粗大化させる必要があり、本発明ではろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径を300μm以上と限定した。この結晶粒径未満では特にろう付によって造管を行なうチューブでは耐エロージョン性が問題となる。また、平均結晶粒径が大きすぎると強度が低下するので上限は1500μm以下が好ましい。
【0028】
鋳造後、熱間クラッド圧延前に行う均質化処理を行わない理由を以下に示す。本発明材は、均質化処理を行うと特にMnやSiなどの固溶元素の析出が促進され、材料中の各元素の固溶量が低下する。このため固溶硬化の減少により強度が低下すると共に、材料中の微細な金属間化合物によりろう付時に再結晶が促進され、再結晶粒が微細化し、耐エロージョン性が低下する。
以上の観点から、本発明ではろう付後の結晶粒を粗大化させるため均質化処理を行わないこととした。
【0029】
次に熱間クラッド圧延時の仕上がり温度を200〜320℃とした理由を以下に示す。
熱間クラッド圧延では圧延時の熱量が負荷されることにより、圧延後の冷却過程においてMnやSiなどの固溶元素の析出を生じるため、前記の理由から耐エロージョン性が低下する。したがって、熱間クラッド圧延時の仕上がり温度を低くすることにより、析出物が生成する温度域の時間を短縮し、熱間圧延時の析出物の生成を抑制するとともに、圧延後の冷却過程における固溶元素の析出を抑制させるため、仕上がり温度を200〜320℃に限定した。なお、仕上がり温度を200〜320℃としたのは、所定温度を越えると上記の効果が小さく、所定の温度未満では熱間クラッド圧延時にクラックが発生し圧延性が著しく低下し材料作製上問題となるためである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートは、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上であれば製造方法は限定されない。好ましい製造方法としては、芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材は均質化処理を施さないでおき、ろう材および犠牲陽極皮材についてはそれぞれ所定厚さまで熱間圧延する。なお必要により芯材も所定厚さまで熱間圧延を施してもよいが、仕上り温度は200〜320℃とするのが好ましい。その後、各材料を組み合わせ、熱間クラッド圧延によりクラッド材とし、熱間クラッド圧延の仕上り温度を200〜320℃とする。その後、冷間圧延により圧延した後、必要により中間焼鈍を行いながら最終板厚とする。
【0031】
本発明のアルミニウム合金ブレージングシートをチューブ材等とし、自動車用のラジエーターやヒーターコアなどの実際のアルミニウム製熱交換器の組み立てに使用する場合には、アルミニウム合金のフィン材を組み合わせ、ろう付炉中においてフラックスを用いる不活性雰囲気ろう付あるいは真空ろう付を行う。
【0032】
【実施例】
本発明のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートは芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材および犠牲陽極皮材については均質化処理を行わずにそれぞれ所定厚さまで圧延した。その後、各材料を組み合わせ、熱間圧延によりクラッド材とし、厚さ約6mmまで熱間クラッド圧延後、冷間圧延により約1.3mmまで圧延した後、1回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を実施した。その後さらに冷間圧延を行い、板厚0.43mmで2回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を行い、最終圧延率30%の冷間加工により板厚0.3mmのブレージングシートを作製した。なお、熱間クラッド圧延の仕上がり温度は200〜320℃の範囲となるよう制御を行った。
【0033】
一方、従来例は次の製造方法で行った。
芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材は595℃×12hrの均質化処理を実施後、熱間圧延によりそれぞれ所定厚さまで圧延した。その後、各材料を組み合わせ、熱間圧延によりクラッド材としたが、そのとき熱間クラッド圧延時の仕上り温度の制御は特に行わなかったが、仕上り温度は380℃であった。厚さ約6mmまで熱間クラッド圧延後、冷間圧延により約1.3mmまで圧延した後、1回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を実施した。その後さらに冷間圧延を行い、板厚0.43mmで2回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を行い、最終圧延率30%の冷間加工により板厚0.3mmのブレージングシートを作製した。
【0034】
表1に示す成分組成のAl合金を溶解鋳造してインゴットを製造し、犠牲陽極皮材A〜Mを作製した。
【0035】
【表1】
【0036】
次に、表2に示す成分組成のAl合金を溶解鋳造してインゴットを製造し、芯材a〜mを作製した。
【0037】
【表2】
【0038】
さらに、ろう材用アルミニウム合金(JIS A4045、Si:10% 残部Alおよび不可避不純物)を溶解鋳造してインゴットを製造し、ろう材として使用した。
【0039】
表1に示す成分組成の犠牲陽極皮材A〜M、表2に示す成分組成の芯材a〜m、およびろう材を表3に示す組み合わせで重ね合わせ、熱間クラッド圧延によりクラッドし、続いて中間焼鈍をはさみながら、冷間圧延を行うことにより板厚0.30mm、皮材およびろう材のクラッド率がそれぞれ15%で、調質H14の本発明例(No.1〜9)、従来例(No.10)および、比較例(No.11〜23)の計23種のブレージングシートを作製した。比較例の芯材の均質化処理の有無、熱間クラッド圧延仕上げ温度条件は表3に示すとおりであり、熱間クラッド圧延後の工程は発明例、従来例と同じである。
【0040】
【表3】
【0041】
ろう付後の芯材の結晶粒径は次のように評価した。
作製したブレージングシートにろう付相当熱処理(600℃×5分)を施した後、板厚方向に対して垂直な芯材面の平均結晶粒径の測定を行った。
【0042】
耐エロージョン性は次のように評価した。
作製したブレージングシート(幅25mm、長さ200mm)を垂直にぶら下げ、窒素ガス雰囲気中で600℃に5分間保持し、冷却速度100℃/minで室温まで冷却するろう付け相当熱処理を実施した。その後ブレージングシートの下端から25mmの部位の断面観察を行い、溶融ろうの芯材中への侵食深さを調査し、各ブレージングシートの耐エロージョン性を評価した。
【0043】
強度は次のように評価した。
上記ろう付熱処理を行ったブレージングシートを用いて引張試験を行うことにより、耐力の測定を行った。
【0044】
耐食性は次のように評価した。
犠牲陽極皮材側について、Cl−:195ppm、SO4 2−:60ppm、Fe3+:30ppm、Cu2+:1ppmを含む水溶液(酸性:pH3.0)を腐食液とし、試験材を自動車用熱交換器の冷却水を想定して80℃に8時間保持した後、室温で16時間保持するという温度サイクルを加えながら、浸漬試験を28日間行い、28日間経過後の最大孔食深さを測定し、耐食性の評価を行なった。
【0045】
発明例1〜9に対し、従来例10は耐エロージョン性が劣る。比較例11〜14は耐エロージョン性が劣る。比較例15、16、18、20は耐食性が劣る。比較例17は熱間クラッド圧延で大きなクラックが発生した。比較例19は強度が劣る。比較例21、22は耐エロージョン性、耐食性が劣る。比較例23はチューブに造管し、フィンと熱交換器に組み立てたとき接合不良部が多くなった。以上のように、本発明例は、比較例と比べ、耐エロージョン性などの特性に優れることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
上述のように、本発明による熱交換器用ブレージングシートは特に耐エロージョン性に非常に優れることから、ろう付により製造される自動車用ラジエーター、ヒーターコアなどのチューブ材、ヘッダープレート材に適用でき、材料の薄肉化および熱交換器の性能向上に大いに貢献し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるろう付造管チューブの断面構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…チューブ、2…溝
【発明の属する技術分野】
本発明はろう付により製造される自動車熱交換器用のチューブ用のアルミニウム合金ブレージングシートに関するものであり、特に耐エロージョン性に優れる特性を有し、ラジエーターやヒーターコアなどのアルミニウム製熱交換器の構造部材として適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のラジエーターやヒーターコアのチューブ材としては、Al−Mn系合金からなる芯材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、他の片面に犠牲陽極皮材としてAl−Zn系合金をクラッドした3層のアルミニウム合金が使用されている。Al−Si系ろう材は、ろう付時にチューブとフィンの接合、及びチューブとヘッダープレートとの接合に用いられ、犠牲陽極皮材は芯材との電気化学的性質の違いにより犠牲陽極皮材が主として腐食し、芯材への孔食の成長を抑制するものである。
【0003】
熱交換器の軽量化及び小型化による高性能化及びコストの低減を達成するため、材料の薄肉化及び軽量化が要求されており、材料を薄肉化するには耐食性や強度をさらに向上させる必要がある。また、チューブ材が薄肉化すると、現在実施している高周波溶接により造管することが困難となるため、今後はろう付により造管するチューブが主流となる。ろう付で造管を行う場合、チューブ接合部をろうで満たさなければならないため、電縫管の場合よりチューブの耐エロージョン性を向上させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ろう付により造管するチューブは図1のように外表面に必ず溝があるため、ヘッダープレート接合部からヘッダープレートの溶融ろうがそのチューブの溝を介して多量にチューブ側に流動し、チューブ接合部でエロージョンが発生する問題が生じている。これは、チューブ材のろうが少ないためチューブ接合部をろうで十分満たせず、ヘッダープレートのろうがチューブ側に流動するためである。チューブにエロージョンが発生すると局部的な板厚減少を引き起こし、耐食性や耐久性などが低下し、ひどい場合にはエロージョンによってチューブに貫通孔が発生することもある。また、ヘッダーからのろうの流動を抑制するには、チューブのろう材クラッド率を上げ、チューブ接合部を十分ろうで満たすことも有効であるが、チューブのろう材量を増加させると更なる耐エロージョン性の向上が要求される。
【0005】
ろう付時のエロージョンに関しては、芯材の結晶粒界がろうの侵食経路となりやすく、ろう付時の芯材再結晶粒が微細な場合、材料中に結晶粒界が多く存在することとなり、その後のろう溶融によりエロージョンが生じ易くなる。このことからブレージングシートの耐エロージョン性を向上させるためには、ろう付加熱時の芯材再結晶粒を粗大化させる必要がある。
本発明は芯材及び犠牲陽極皮材の成分及び製造方法を検討することで、特に耐エロージョン性を著しく向上することを可能とし、ろう付時にチューブにエロージョンが発生しにくく、薄肉化が可能なろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、重量%でMn:0.5〜2.0%、Si:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を芯材とし、その片面にAl−Si系又はAl−Si−Zn系アルミニウム合金ろう材をクラッドし、芯材の他方の面に犠牲陽極皮材としてZn:1〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成の犠牲陽極皮材をクラッドしたブレージングシートにおいて、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上であることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1記載の発明において、前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でFe:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でTi:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.15%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1〜3記載の発明において、前記芯材が更に重量%でMg:0.1〜0.3%を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの発明は、請求項1〜4記載の発明において、前記犠牲陽極皮材が更に重量%でMg:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Si:0.1〜1.0%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法の発明は、請求項1〜5記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、前記芯材のスラブに均質化処理を行わず、芯材、ろう材及び犠牲陽極皮材の熱間クラッド圧延の仕上り温度を200〜320℃とすることを特徴とする。
【0012】
以下に本発明で限定する事項について説明する。
(A)犠牲陽極皮材
Znは、犠牲陽極皮材の電位を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果を効果的なものにするため、芯材に腐食が進行するのを防止する。また、犠牲材表面の酸化皮膜を脆弱にし、腐食の発生起点を増加させて腐食形態を面状にする効果もある。その含有量が1%未満では酸性領域で所望の効果が得られず、一方、10%を越えて含有すると腐食速度が増大し過ぎて好ましくない。したがって、Zn含有量は1〜10%に定めた。Znの含有量の一層好ましい範囲は2〜5%である。
【0013】
Niは、素地中に微細なAl−Ni系化合物を生成するため、そこを起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。特にアルカリ環境中ではカソード点の集中を抑制し、耐食性の向上に寄与する。また、強度の向上にも寄与する。Niは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると犠牲陽極皮材の自己腐食性が増大するので好ましくない。したがって、Ni量を0.1〜1.0%の範囲に定めた。Ni含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.7%である。
【0014】
Feは素地中にAl−Fe、Al−Fe−(Mn,Ni)系化合物を生成するため、その化合物を起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。また、Fe添加は材料強度の向上にも寄与する。Feは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると犠牲陽極皮材の自己腐食性が増大するので好ましくない。したがって、Fe量を0.1%〜1.0%の範囲に定めた。Fe含有量の一層好ましい範囲は0.5〜0.8%である。
【0015】
Tiを添加すると鋳造時にTi濃度(固溶度)が高い部分と低い部分が生成し、これが圧延時に延ばされ材料中に層状のTi濃度分布が形成される。Ti濃度が低い部分は高い部分に比べ電位が卑になり、優先的に腐食が進行するため腐食形態が層状となり耐食性が向上する。ZrはTiの層状腐食を促進させる作用があり、TiとZrを同時に添加するとさらに耐孔食性が向上する。
また、これらの成分は、ろう付後に微細な金属間化合物として素地中に分散し、強度を向上させる作用を有するので必要に応じて添加するが、Ti:0.01%未満、Zr:0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、Ti:0.25%、Zr:0.15%を越えて含有させると、加工性が低下するので好ましくない。したがって、Ti:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.15%の範囲に定めた。
【0016】
Siは、マトリックスに固溶、あるいは微細析出して強度向上に寄与する。Si:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有させると、粒界腐食によりかえって耐食性が低下するため好ましくない。したがって、Si量を0.1〜1.0%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.5%である。
【0017】
Mnは素地中に固溶あるいはAl−Mn系金属間化合物を晶出することで材料強度の向上に寄与する。Mnは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を越えて含有すると鋳造性が低下するため望ましくない。したがって、Mn量を0.1〜2.0%の範囲に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は0.5〜1.5%である。
【0018】
Mgはろう付時に固溶し、材料強度を向上させる。また、ろう付後にSiあるいはZnとMg2Si、MgZn2を時効析出し、さらなる強度の向上に寄与する。Mgは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、2.0%を越えて含有すると犠牲材の圧延性が低下し、クラッド圧延が難しくなる。したがって、Mg添加量はMg:0.1〜2.0%の範囲に定めた。
【0019】
(B)芯材
本発明の熱交換器用クラッド材の芯材に含まれるMnは、芯材素地中にAl−Mnとして分散し、耐食性を低下させることなく強度を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を越えて含有すると粗大な化合物により鋳造性や圧延などの加工性が低下するので好ましくない。したがって、Mn添加量を0.5〜2.0%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は1.0〜1.7%である。
【0020】
芯材に含まれるCuは、マトリックスに固溶して強度を向上させ、また芯材の電気化学的性質を貴にし、皮材(およびろう材)との電位差を大きくする作用を有するが、Cu:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、Cuを1.0%を越えて添加すると、融点が低下するためろう付時に材料が溶融しやすく、さらに、粒界腐食が起こりやすくなり、耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Cu添加量を0.1〜1.0%に定めた。Cu含有量の一層好ましい範囲は0.4〜0.8%である。
【0021】
芯材に含まれるSiは、Mnと共存させることによりAl−Mn−Si化合物となって素地中に分散、あるいはマトリックスに固溶して強度を向上させる作用を有するが、Si:0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有させると、粒界腐食を発生させるため好ましくない。したがって、Si量を0.1〜1.0%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は0.4〜0.8%である。
【0022】
Niは犠牲材に添加した場合と同様に、素地中に微細なAl−Ni系化合物を生成するためそこを起点として材料表面にピットが発生し、孔食の起点を増加させ深い孔食の発生を抑制する。さらに鋳造時に割れの発生を抑制する効果もある。NiはFeやMnに比べ化合物の大きさが小さく非常に微細に分布するため、耐食性向上に及ぼす効果が最も大きい。また、Siの析出物を微細に分布させる効果もある。
Niは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると腐食速度が増大し、さらに結晶粒が細かくなりすぎるため好ましくない。したがって、Ni:0.1〜1.0%に定めた。Niの含有量の一層好ましい範囲はNi:0.2〜0.5%である。
【0023】
Feは、Niと同様に金属間化合物を材料中に微細分散させるため、強度を向上させる効果がある。また、鋳造時に割れの発生を抑制する効果もある。また、材料中にAl−Fe、Al−Fe−(Mn,Ni)系金属間化合物を生成し、芯材のアルカリ環境中での耐食性を向上させる。Feはその含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて含有すると腐食速度が増大し、さらに結晶粒が細かくなりすぎるため好ましくない。したがって、Fe:0.1〜1.0%に定めた。Fe含有量の一層好ましい範囲はFe:0.3〜0.7%である。
【0024】
芯材に含まれるTi、Zrは、ろう付後に微細な金属間化合物として素地中に分散し、強度を向上させる。また、特にZrについてはろう付け後の再結晶粒を板厚方向に対して偏平にする作用を有しており、芯材の耐エロージョン性を向上させるので必要に応じて添加するが、Ti:0.05%未満、Zr:0.05%未満では所望の効果が得られず、一方、Ti:0.25%、Zr:0.15%を越えて含有させると、加工性が低下するので好ましくない。したがって、Ti:0.05〜0.25%、Zr:0.05〜0.15%の範囲に定めた。
【0025】
Mgはろう付時に固溶し、材料強度を向上させる。また、ろう付後にSiあるいはZnとMg2Si、MgZn2を時効析出し、さらなる強度の向上に寄与する。芯材中のMgは、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、0.3%を越えて含有するとろう付性が低下し、ろう付不良が発生する。したがって、芯材へのMg添加量はMg:0.1〜0.3%の範囲に定めた。
【0026】
(C)ろう材
本発明のろう付造管チューブ用ブレージングシートで使用するろう材は通常のAl−Si系合金ろう材であればよく、特に限定されるものでもないが、ろう材中に含まれるSiはろう材の融点を下げるとともに流動性を付与する成分であり、その含有量が5%未満では所望の効果が得られず、一方、15%を越えて含有するとかえって流動性が低下し、エロージョンも発生するため好ましくない。したがって、ろう材中のSiの含有量は5〜15%が好ましい。ろう材中のSi含有量の一層好ましい範囲は7〜11%である。また、本発明のろう付造管チューブ用ブレージングシートで使用するAl−Si系合金ろう材には、Zn:1.0〜5.0%を含有しても良い。
【0027】
次に、芯材の結晶粒径の大きさについて限定した理由について以下に示す。
ろう付時に芯材が完全に再結晶せず、圧延時の加工による亜結晶粒が残存すると、芯材の耐エロージョン性が低下するため、芯材は完全に再結晶することが必要となる。また、ろう付時、芯材の結晶粒界がろうの侵食経路となりやすいため、ろう付時の芯材再結晶粒が微細な場合、材料中に結晶粒界が多く存在することとなり、その後のろう溶融によりエロージョンが生じやすくなる。したがって、ブレージングシートの耐エロージョン性を向上させるためには、ろう付加熱時の芯材再結晶粒を粗大化させる必要があり、本発明ではろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径を300μm以上と限定した。この結晶粒径未満では特にろう付によって造管を行なうチューブでは耐エロージョン性が問題となる。また、平均結晶粒径が大きすぎると強度が低下するので上限は1500μm以下が好ましい。
【0028】
鋳造後、熱間クラッド圧延前に行う均質化処理を行わない理由を以下に示す。本発明材は、均質化処理を行うと特にMnやSiなどの固溶元素の析出が促進され、材料中の各元素の固溶量が低下する。このため固溶硬化の減少により強度が低下すると共に、材料中の微細な金属間化合物によりろう付時に再結晶が促進され、再結晶粒が微細化し、耐エロージョン性が低下する。
以上の観点から、本発明ではろう付後の結晶粒を粗大化させるため均質化処理を行わないこととした。
【0029】
次に熱間クラッド圧延時の仕上がり温度を200〜320℃とした理由を以下に示す。
熱間クラッド圧延では圧延時の熱量が負荷されることにより、圧延後の冷却過程においてMnやSiなどの固溶元素の析出を生じるため、前記の理由から耐エロージョン性が低下する。したがって、熱間クラッド圧延時の仕上がり温度を低くすることにより、析出物が生成する温度域の時間を短縮し、熱間圧延時の析出物の生成を抑制するとともに、圧延後の冷却過程における固溶元素の析出を抑制させるため、仕上がり温度を200〜320℃に限定した。なお、仕上がり温度を200〜320℃としたのは、所定温度を越えると上記の効果が小さく、所定の温度未満では熱間クラッド圧延時にクラックが発生し圧延性が著しく低下し材料作製上問題となるためである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートは、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上であれば製造方法は限定されない。好ましい製造方法としては、芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材は均質化処理を施さないでおき、ろう材および犠牲陽極皮材についてはそれぞれ所定厚さまで熱間圧延する。なお必要により芯材も所定厚さまで熱間圧延を施してもよいが、仕上り温度は200〜320℃とするのが好ましい。その後、各材料を組み合わせ、熱間クラッド圧延によりクラッド材とし、熱間クラッド圧延の仕上り温度を200〜320℃とする。その後、冷間圧延により圧延した後、必要により中間焼鈍を行いながら最終板厚とする。
【0031】
本発明のアルミニウム合金ブレージングシートをチューブ材等とし、自動車用のラジエーターやヒーターコアなどの実際のアルミニウム製熱交換器の組み立てに使用する場合には、アルミニウム合金のフィン材を組み合わせ、ろう付炉中においてフラックスを用いる不活性雰囲気ろう付あるいは真空ろう付を行う。
【0032】
【実施例】
本発明のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートは芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材および犠牲陽極皮材については均質化処理を行わずにそれぞれ所定厚さまで圧延した。その後、各材料を組み合わせ、熱間圧延によりクラッド材とし、厚さ約6mmまで熱間クラッド圧延後、冷間圧延により約1.3mmまで圧延した後、1回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を実施した。その後さらに冷間圧延を行い、板厚0.43mmで2回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を行い、最終圧延率30%の冷間加工により板厚0.3mmのブレージングシートを作製した。なお、熱間クラッド圧延の仕上がり温度は200〜320℃の範囲となるよう制御を行った。
【0033】
一方、従来例は次の製造方法で行った。
芯材、犠牲陽極皮材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材は595℃×12hrの均質化処理を実施後、熱間圧延によりそれぞれ所定厚さまで圧延した。その後、各材料を組み合わせ、熱間圧延によりクラッド材としたが、そのとき熱間クラッド圧延時の仕上り温度の制御は特に行わなかったが、仕上り温度は380℃であった。厚さ約6mmまで熱間クラッド圧延後、冷間圧延により約1.3mmまで圧延した後、1回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を実施した。その後さらに冷間圧延を行い、板厚0.43mmで2回目の中間焼鈍として360℃×3hrのバッチ焼鈍を行い、最終圧延率30%の冷間加工により板厚0.3mmのブレージングシートを作製した。
【0034】
表1に示す成分組成のAl合金を溶解鋳造してインゴットを製造し、犠牲陽極皮材A〜Mを作製した。
【0035】
【表1】
【0036】
次に、表2に示す成分組成のAl合金を溶解鋳造してインゴットを製造し、芯材a〜mを作製した。
【0037】
【表2】
【0038】
さらに、ろう材用アルミニウム合金(JIS A4045、Si:10% 残部Alおよび不可避不純物)を溶解鋳造してインゴットを製造し、ろう材として使用した。
【0039】
表1に示す成分組成の犠牲陽極皮材A〜M、表2に示す成分組成の芯材a〜m、およびろう材を表3に示す組み合わせで重ね合わせ、熱間クラッド圧延によりクラッドし、続いて中間焼鈍をはさみながら、冷間圧延を行うことにより板厚0.30mm、皮材およびろう材のクラッド率がそれぞれ15%で、調質H14の本発明例(No.1〜9)、従来例(No.10)および、比較例(No.11〜23)の計23種のブレージングシートを作製した。比較例の芯材の均質化処理の有無、熱間クラッド圧延仕上げ温度条件は表3に示すとおりであり、熱間クラッド圧延後の工程は発明例、従来例と同じである。
【0040】
【表3】
【0041】
ろう付後の芯材の結晶粒径は次のように評価した。
作製したブレージングシートにろう付相当熱処理(600℃×5分)を施した後、板厚方向に対して垂直な芯材面の平均結晶粒径の測定を行った。
【0042】
耐エロージョン性は次のように評価した。
作製したブレージングシート(幅25mm、長さ200mm)を垂直にぶら下げ、窒素ガス雰囲気中で600℃に5分間保持し、冷却速度100℃/minで室温まで冷却するろう付け相当熱処理を実施した。その後ブレージングシートの下端から25mmの部位の断面観察を行い、溶融ろうの芯材中への侵食深さを調査し、各ブレージングシートの耐エロージョン性を評価した。
【0043】
強度は次のように評価した。
上記ろう付熱処理を行ったブレージングシートを用いて引張試験を行うことにより、耐力の測定を行った。
【0044】
耐食性は次のように評価した。
犠牲陽極皮材側について、Cl−:195ppm、SO4 2−:60ppm、Fe3+:30ppm、Cu2+:1ppmを含む水溶液(酸性:pH3.0)を腐食液とし、試験材を自動車用熱交換器の冷却水を想定して80℃に8時間保持した後、室温で16時間保持するという温度サイクルを加えながら、浸漬試験を28日間行い、28日間経過後の最大孔食深さを測定し、耐食性の評価を行なった。
【0045】
発明例1〜9に対し、従来例10は耐エロージョン性が劣る。比較例11〜14は耐エロージョン性が劣る。比較例15、16、18、20は耐食性が劣る。比較例17は熱間クラッド圧延で大きなクラックが発生した。比較例19は強度が劣る。比較例21、22は耐エロージョン性、耐食性が劣る。比較例23はチューブに造管し、フィンと熱交換器に組み立てたとき接合不良部が多くなった。以上のように、本発明例は、比較例と比べ、耐エロージョン性などの特性に優れることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
上述のように、本発明による熱交換器用ブレージングシートは特に耐エロージョン性に非常に優れることから、ろう付により製造される自動車用ラジエーター、ヒーターコアなどのチューブ材、ヘッダープレート材に適用でき、材料の薄肉化および熱交換器の性能向上に大いに貢献し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるろう付造管チューブの断面構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…チューブ、2…溝
Claims (6)
- 重量%でMn:0.5〜2.0%、Si:0.1〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を芯材とし、その片面にAl−Si系又はAl−Si−Zn系アルミニウム合金ろう材をクラッドし、芯材の他方の面に犠牲陽極皮材としてZn:1〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成の犠牲陽極皮材をクラッドしたブレージングシートにおいて、ろう付熱処理後の芯材完全再結晶粒の板厚方向に垂直な面の平均結晶粒径が300μm以上であることを特徴とするろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート。
- 前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でFe:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート。
- 前記芯材及び又は前記犠牲陽極皮材が更に重量%でTi:0.01〜0.25%、Zr:0.01〜0.15%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート。
- 前記芯材が更に重量%でMg:0.1〜0.3%を含有することを特徴とする請求項1〜3記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート。
- 前記犠牲陽極皮材が更に重量%でMg:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Si:0.1〜1.0%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシート。
- 請求項1〜5記載のろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、前記芯材のスラブに均質化処理を行わず、芯材、ろう材及び犠牲陽極皮材の熱間クラッド圧延の仕上り温度を200〜320℃とすることを特徴とするろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法。
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