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JP5392502B2 - 4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物、その製造方法及びそれらを重合してなる重合物 - Google Patents

4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物、その製造方法及びそれらを重合してなる重合物 Download PDF

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JP5392502B2
JP5392502B2 JP2010102838A JP2010102838A JP5392502B2 JP 5392502 B2 JP5392502 B2 JP 5392502B2 JP 2010102838 A JP2010102838 A JP 2010102838A JP 2010102838 A JP2010102838 A JP 2010102838A JP 5392502 B2 JP5392502 B2 JP 5392502B2
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Description

本発明は、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物、その製造方法及び4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を重合してなる重合物に関する。
近年、光学分野においてガラス代替材料としてプラスチックが盛んに用いられている。たとえば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等がよく知られている。これらプラスチック材料は、軽量性、安全性、意匠性を有している反面、屈折率の面では無機ガラスより低く、分厚くなりやすいという欠点がある。そこで、近年、高屈折率を有するプラスチック材料に対する要望が高くなってきている。特に、高屈折率プラスチック材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク、ホログラム、光ファイバー、光道波路等への検討が盛んに行われている。
プラスチックの屈折率とその原料となるモノマーの屈折率とは正の相関関係にあり、高屈折率のプラスチックを得るためには高分子を構成するモノマー部分が高屈折率を有するものであることが必要である。
モノマーとしての有機化合物の屈折率を高くする方法としては、分子構造中にハロゲン原子(フッ素を除く)や硫黄原子さらには芳香環を導入することが有用であることは既に良く知られている。たとえば、ハロゲン原子の有する高い固有屈折率を利用し、ビフェニル環にハロゲン原子を導入した高屈折率重合体が報告されている(特許文献1)。しかし、ハロゲン化によって、耐光性が著しく劣化し、また、高比重であるという欠点があった。又ハロゲン以外に高い固有屈折率を有する硫黄原子を有する単量体組成物も報告されている(特許文献2)。しかし、これらは高い屈折率、優れた耐衝撃性を有するものの、得られたポリマーの耐光性が著しく劣り、硫黄特有の不快臭が問題となる欠点があった。また、これらを用いたプラスチックが廃棄物として処理されるとき、有害なガスや化合物を生じることが懸念される。
一方、芳香環の導入に関してはこれまで、ベンゼン環、ビフェニル環を有する高屈折率材料が知られており、これらは、軽く透明性にすぐれ、バランスの良い高屈折率材料となる(特許文献3等)。しかし、ベンゼン環を用いた場合、モノマーの屈折率として1.54を超えるものを得ることは困難であった。また、ビフェニル環を用いた場合は、ベンゼン環のモノマーに比べ、吸収が長波長側にシフトし、光硬化の場合には開始剤とUV吸収が重なるため、光開始効率が低下するという問題点があった。また、さらに高い屈折率を得るため、アントラセン環、フルオレン環を有するモノマーの開発も検討されている(特許文献4,8,9)。また、アントラセン環やフルオレン環等をエステル交換によりポリマーに導入する試みもなされている(特許文献5)。
しかしながら、アントラセン環やフルオレン環の導入により比較的高い屈折率をもつポリマーが得られるが、フルオレン環を導入した場合は、紫外領域に吸収があり、光照射により着色しやすくなり、耐光性に問題が出てくる。またアントラセン環を導入した場合はアントラセン環が蛍光を発するため、光学材料分野での適用は困難である等の問題がある。
透明性という観点から、アクリル系の高屈折樹脂が眼鏡用レンズ、眼内レンズや液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター保護膜などとして検討されている(特許文献6,7,8,9)。しかし、屈折率が十分でなかったり、フルオレン系のアクリレートのように粘度が高すぎて扱い難いという欠点がある。
一方、ナフタレン環を導入することにより高い屈折率が期待できることから、骨格にナフタレン化合物を含むアクリレート合物についても、近年、そのモノアクリレート体、ジアクレート体について報告がなされている(特許文献10,11)。しかしながら、これらのナフタレン化合物を含むアクリレートは350nm近辺にUV吸収を持ち、光硬化させる場合にUVランプとして最も一般的な高圧水銀ランプを用いた場合、高圧水銀ランプの366nm付近の光がナフタレン化合物に吸収される、いわゆる内部フィルタリング効果のため、光硬化が遅くなると言う欠点がある。そのため、従来は、400nm付近の波長を含む紫外LEDランプなどにより、イルガキュア819やダロキュアTPO(イルガキュア、ダロキュアはチバスペシャリティケミカルズ社の登録商標)等のホスフィンオキサイド系の光ラジカル重合開始剤を用い光硬化させている(特許文献11)。
しかしながら、LEDランプなどは、まだまだ一般的ではなく、また大型の装置を作成し難いという欠点を有し、ホスフィンオキサイド系の光ラジカル重合開始剤は、環境に良くないリン化合物を含有しており高価であるという欠点を有する。
特開平05−170702号公報 特開2002−20433号公報 特開2003−064296号公報 特開2004−083855号公報 特開2006−312709号公報 特開2003−144538号公報 特開2003−049037号公報 特開平06−220131号公報 特開平06−211936号公報 特開2001−276587号公報 特開2008−81682号公報
よって、高屈折率を有する芳香族多環化合物であり、ビフェニル基、アントラセン基やフルオレン基にみられるような紫外域の吸収や蛍光の問題が無く、粘度が低く取扱やすく、透明性にすぐれ、かつ、一般的で最も広く用いられている高圧水銀ランプなどの光源で重合可能であり、光ラジカル重合開始剤も特殊な開始剤を用いなくとも重合可能である、ナフタレン骨格を有するアクリレート化合物の開発が望まれている。
本発明者は、ナフタレン化合物の構造と光硬化性に関して鋭意検討した結果、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が低粘度で取扱やすく、高圧水銀ランプにより容易に重合すること、さらに、得られた重合物が高い屈折率を有していることを見出し、本発明を完成させた。
第1発明では、一般式(1)で示される4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を提供する。
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはアルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
第2発明では、一般式(2)で示される、4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物をアルコキシカルボニル化又はアリールオキシカルボニル化することよりなる上記の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供する。
第3発明では、一般式(3)で示される4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物を(メタ)アクリル化することよりなる上記の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供する。
第4発明では、上記の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物及び重合開始剤を含有する重合性組成物を提供する。
第5発明では、上記の重合性組成物を重合してなる重合物を提供する。
第6発明では、上記の重合物を含有する高屈折材料を提供する。
本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルまたはメタクリロイルを、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリル表す。
本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は、新規な化合物であり、かつ、最も一般的な紫外光源である高圧水銀ランプにより容易に重合する。また、重合により得られた重合物は高い屈折率を示す、工業的に有用な化合物である。
図1は、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの添加による9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの溶融粘度低減効果実験の結果である。(実施例22)
本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は一般式(1)に記載の構造を有する化合物であって、一般式(1)に於いて、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zはアルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
Zがアルコキシ基である場合は、4−(アルコキシカルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレートと呼ばれ、Zがアリールオキシ基の場合は、4−(アリールオキシカルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレートと呼ばれる。
一般式(1)中、Zで表されるアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。これらの基は、置換基を有していてもよい。
一般式(1)中、X及びYで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子,臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基,n−ブトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙
げられる。
一般式(1)に示す4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物としては、例えば次のものが挙げられる。
すなわち、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、4−(n−ブトキシカルボニルオキシナフチル)メタクリレート、4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、4−(2−ナフチルオキシ)カルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−(2−ナフチルオキシ)カルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、4−(1−ナフチルオキシ)カルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、4−(1−ナフチルオキシ)カルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にアルキル基が置換した化合物としては、2−メチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチル−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチル−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エチル−4−エトキシカルボニルオキシナフチル)メタクリレート、2−エチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−エチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等、5−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−エチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−エチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、1−(5−エチル−4−n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、5−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等、6−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、6−エチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、6−エチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、6−エチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、6−エチル−4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、6−エチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、6−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、6−エチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2,3−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2,6−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,6−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,6−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,6−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,6−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2,6−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2,6−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,6−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,7−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,7−ジメチル−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,7−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2,7−ジメチル−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2,7−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,7−ジメチル−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にハロゲン原子が置換した化合物としては、2−クロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−クロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−クロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−クロロ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−クロロ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−クロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2−ブロモ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−ブロモ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−ブロモ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−ブロモ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−ブロモ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−ブロモ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−ブロモ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−ブロモ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−ブロモ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−ブロモ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−ブロモ−4−フェノキシカルボニルオキシナフチル)アクリレート、2−ブロモ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2−フルオロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フルオロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フルオロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フルオロ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フルオロ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フルオロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フルオロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、5−クロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−クロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−クロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−クロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−クロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、5−クロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、5−クロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−クロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等、5−ブロモ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−ブロモ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−ブロモ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−ブロモ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−ブロモ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、5−ブロモ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、5−ブロモ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−ブロモ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等、5−フルオロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−フルオロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−フルオロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−フルオロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−フルオロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、5−フルオロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、5−フルオロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−フルオロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、2,3−ジクロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジクロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジクロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジクロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジクロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジクロロ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2,3−ジクロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2,3−ジクロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にアルコキシが置換した化合物としては、2−メトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メトキシ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メトキシ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−エトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−エトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−エトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−エトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−エトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、5−エトキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、5−エトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、5−エトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にアリールオキシが置換した化合物としては、2−フェノキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェノキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェノキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フェノキシ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フェノキシ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−フェノキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にアルキルチオ基が置換した化合物としては、2−メチルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メチルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−メチルチオ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチルチオ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチルチオ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルメタクリレート、2−メチルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にアリールチオ基が置換した化合物としては、2−フェニルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェニルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェニルチオ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−(n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェニルチオ−4−n−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェニルチオ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチ
オ−4−(t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−フェニルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
これらの化合物のうち、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレートが合成が容易でありかつ得られる生成物の屈折率が高いことから特に好ましい。
[製造方法]
次に、これら化合物の合成について詳述する。本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は、1,4−ナフタレンジオール化合物をモノ(メタ)アクリル化して下記一般式(2)に示された4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を得、次いで当該4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物をアルコキシカルボニル化又はアリールオキシカルボニル化するルートA(アルコキシカルボニル化とアリールオキシカルボニル化を合わせて置換カルボニル化とも称する。)、又は1,4−ナフタレンジオール化合物をモノ置換カルボニル化して下記一般式(3)に示された4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物を得、次いで当該4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物を(メタ)アクリル化するルートBの二つのルートにより得ることができる。
一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
一般式(3)中、Zはアルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
先ず、ルートAについて詳述する。ルートAは下記反応式に示すように、1,4−ナフタレンジオール化合物をモノ(メタ)アクリル化して4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物となす第一反応と、得られた4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物をアルコキシカルボニル化又はアリールオキシカルボニル化する第二反応よりなる。
第一反応においては、1,4−ナフタレンジオール化合物がモノ(メタ)アクリル化され、対応する4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が得られる。
第一反応に用いられる1,4−ナフタレンジオール化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。すなわち、1,4−ナフタレンジオール、2−メチル−1,4−ナフタレンジオール、2−エチル−1,4−ナフタレンジオール、2−クロロ−1,4−ナフタレンジオール、2−フルオロ−1,4−ナフタレンジオール、2−ブロモ−1,4−ナフタレンジオール、2−メトキシ−1,4−ナフタレンジオール、2−エトキシ−1,4−ナフタレンジオール、2−フェノキシ−1,4−ナフタレンジオール、2−メチルチオ−1,4−ナフタレンジオール、2−フェニルチオ−1,4−ナフタレンジオール等である。
さらには、ナフタレン環にアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基等が置換した化合物としては、5−メチル−1,4−ナフタレンジオール、5−エチル−1,4−ナフタレンジオール、5−クロロ−1,4−ナフタレンジオール、5−フルオロ−1,4−ナフタレンジオール、5−ブロモ−1,4−ナフタレンジオール、5−メトキシ−1,4−ナフタレンジオール、5−エトキシ−1,4−ナフタレンジオール、5−フェノキシ−1,4−ナフタレンジオール、5−メチルチオ−1,4−ナフタレンジオール、5−フェニルチオ−1,4−ナフタレンジオール、6−メチル−1,4−ナフタレンジオール、6−エチル−1,4−ナフタレンジオール、6−クロロ−1,4−ナフタレンジオール、6−フルオロ−1,4−ナフタレンジオール、5−ブロモ−1,4−ナフタレンジオール、6−メトキシ−1,4−ナフタレンジオール、6−エトキシ−1,4−ナフタレンジオール、6−フェノキシ−1,4−ナフタレンジオール、5−メチルチオ−1,4−ナフタレンジオール、6−フェニルチオ−1,4−ナフタレンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ナフタレンジオール、2,3−ジクロロ−1,4−ナフタレンジオール、2,6−ジメチル−1,4−ナフタレンジオール、2,7−ジメチル−1,4−ナフタレンジオール等が挙げられる。
第一反応における4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の製造方法は、1,4−ナフタレンジオール化合物と(メタ)アクリル酸ハライドとを無機塩基の存在下で反応させることからなる。アクリル酸ハライドとしてはアクリル酸クロライドが特に好ましく、メタクリル酸ハライドとしてはメタクリル酸クロライドが特に好ましい。
原料としてアクリル酸ハライドを使用すれば、4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート化合物が得られる。一方、原料としてメタクリル酸ハライドを使用すれば、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート化合物が得られる。
1,4−ナフタレンジオール化合物と(メタ)アクリル酸ハライドとの使用比率は、1,4−ナフタレンジオール化合物に対する(メタ)アクリル酸ハライドのモル比で、通常0.5以上、中でも0.8以上、また、通常2未満、中でも1.5以下の範囲とすることが好ましい。(メタ)アクリル酸ハライドの比率が低過ぎると、未反応の1,4−ナフタレンジオール化合物量が多くなり、原料回収等の処理が必要となる場合がある。一方、(メタ)アクリル酸ハライドの比率が高過ぎると、1,4−ナフタレンジオール化合物の両方の水酸基が(メタ)アクリル化されたジエステルの副生量が増加する傾向がある。
使用する無機塩基としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
無機塩基の使用比率は、1,4−ナフタレンジオール化合物に対する無機塩基の当量比で、通常1.0当量以上、中でも1.2当量以上、また、通常3.0当量以下、中でも2.0当量以下の範囲とすることが好ましい。無機塩基の比率が低過ぎると、酸ハライドの滴下中に水層のpHが酸性になり、選択率が著しく低下する場合がある。一方、無機塩基の比率が高過ぎると、酸ハライドの分解が増える場合がある。
1,4−ナフタレンジオール化合物と(メタ)アクリル酸ハライドの反応は、通常は反応溶媒の存在下で行なう。反応溶媒の種類は特に制限されないが、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なうことが好ましい。
水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合、通常は反応溶媒として、水と、有機相を形成する一又は二以上の有機溶媒とを併用する。有機相を形成する有機溶媒の種類は特に制限されないが、比較的低い極性を示し、水に対して混和性を示さない有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して用いてもよい。中でも、トルエン、キシレン、ヘプタンが好ましく、トルエンを単独で、或いはヘプタンと混合して用いることが特に好ましい。
水相と有機相との比率は、特に制限されるものではないが、水相及び有機相の合計量に対する水相の容積比率が、通常50%以上、95%以下範囲であることが好ましい。水相の割合が少な過ぎても多過ぎても、4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の選択性が低下する傾向がある。水相及び有機相の合計量に対する1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度は、通常0.005g/ml以上、中でも0.03g/ml以上、また、通常0.5g/ml以下、中でも0.3g/ml以下の範囲とすることが好ましい。1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度が低すぎると、生産効率が低下する場合がある。
一方、1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度が高すぎると、選択率が低下する場合がある。また析出固体によるスラリー溶液の攪拌が困難になる場合がある。
また、1,4−ナフタレンジオール化合物は酸化され易いため、空気中の酸素等に曝されると、酸化されてキノン構造になり着色する場合がある。よって、通常は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で反応を行なうことが好ましい。
反応温度の制御および選択率向上の観点から、(メタ)アクリル酸ハライドを滴下する方法が好ましい。特に、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合には、1,4−ナフタレンジオール化合物を水相及び有機相の二相系溶媒に溶解させ、容器中で攪拌等の手法により混合しながら、(メタ)アクリル酸ハライドを滴下して反応させることが好ましい。
反応系の温度は反応系を冷却しながら反応を行なうことが好ましい。具体的には、反応系の温度を通常10℃以下、中でも5℃以下で、水層が凝固しない温度以上とすることが好ましい。反応時の温度が高過ぎると、選択率が低下する傾向があり、また、反応生成物である4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の加水分解が生じる場合がある。
反応時間は、通常30分以上、中でも60分以上、また、通常5時間以下、中でも2時間以下の範囲が好ましい。上述の反応時間の経過後は、できるだけ早く反応をクエンチ(停止)することが好ましい。
反応のクエンチは、例えば、反応系(水相)に希塩酸(1〜3N程度)、希硫酸(1〜3N程度)等の酸を加えて酸性にすることにより行なう。反応終了後、必要に応じて、粗精製、再結晶精製等の後処理を行なってもよい。
反応生成物の粗精製は、例えば、以下の手順により行なうことができる。例えば、反応系に酢酸エチル等の抽出溶媒を加えて混合し、二層分離を行なう。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)等の乾燥剤を加えて乾燥した上で、溶媒を留去することにより、粗精製物を得ることができる。粗精製物の再結晶精製は、例えば、粗精製物を再結晶用の溶媒に加えて加熱溶解させた後、放冷して再結晶させることにより行なう。再結晶用の溶媒としては、例えば、トルエン、トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒、トルエンとエタノールとの混合溶媒等を使用することが出来る。
次に、第二反応においては、塩基存在下、または塩基非存在下、4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物がアルコキシカルボニル化又はアリールオキシカルボニル化され、対応する4−アルコキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)クリレート化合物又は4−アリールオキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)クリレート化合物(この両者の総称として4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物と呼ぶことがある。)が得られる。使用されるアルコキシカルボニル化剤としては、ハロゲン化炭酸エスエル化合物が用いられるが、その代表的化合物としては、例えば、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸−i−プロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、クロロ炭酸−t−ブチル、ブロモ炭酸メチル、ブロモ炭酸エチル、ブロモ炭酸−n−プロピル、ブロモ炭酸−i−プロピル、ブロモ炭酸−n−ブチル、ブロモ炭酸−t−ブチル、二炭酸ジ−t−ブチルが挙げられ、同様にアリールオキシカルボニル化剤としては、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸−2−ナフチル、クロロ炭酸―1−ナフチル類、ブロモ炭酸フェニル、ブロモ炭酸−2−ナフチル、ブロモ炭酸―1−ナフチル類等が挙げられる。
第二反応の原料としては、第一反応で得られた4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が用いられる。その一部を列記すると例えば、4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、さらには、ナフタレン環にアルキル基が置換した2−メチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、6−メチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、6−メチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
さらには、ナフタレン環にハロゲン原子が置換した2−クロロ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−クロロ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−クロロ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、5−クロロ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、さらには、ナフタレン環にアルコキシ基が置換した2−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、5−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、5−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、1−(2−エトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、さらには、ナフタレン環にアリールオキシ基が置換した2−フェノキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェノキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、さらには、ナフタレン環にアルキルチオ基が置換した2−メチルチオ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−メチルチオ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、2−エチルチオ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−エチルチオ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート、さらには、ナフタレン環にアリールチオ基が置換した2−フェニルチオ−4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート、2−フェニルチオ−4−ヒドロキシナフチル)メタクリレート等が挙げられる。
4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物に対するアルコキシカルボニル化剤又はアリールオキシカルボニル化剤の添加量は、1モル倍から2モル倍が好ましく、より好ましくは1.0モル倍から1.3モル倍である。1モル倍より低いと未反応の1−(4−ヒドロキシナフチル)(メタ)アクリレート化合物が残留し、また、2モル倍以上の場合は、アルコキシカルボニル化剤、アリールオキシカルボニル化剤が多量に反応物に残るため、生成物が結晶化し難くなり、いずれも好ましくない。
第二反応で使用される塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン等が挙げられる。塩基の使用量は通常、原料の4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物に対して、1モル倍から3モル倍量添加する。
第二反応は、一般的に溶媒中で行われる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。
反応は溶液状態で行うのが一般的であるが、スラリー状態でもかまわない。溶媒がトルエン等の芳香族系溶媒の場合は、原料の4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が溶媒に溶解しづらいため、反応液はスラリー状態となる場合が多い。しかし、反応の進行に伴い、生成物の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が溶媒に溶解し均一溶液となる。反応物の濃度またはスラリー濃度としては、溶媒1リットル当たり0.3モル以上とすることが好ましい。
反応温度は0℃から80℃、好ましくは0℃から20℃である。反応温度が低すぎると反応に時間がかかり、また80℃を超えると不純物濃度が増え、いずれの場合も好ましくない。
反応時間は15分から3時間程度である。反応終了後、水またはメタノールを加えて未反応のアルコキシカルボニル化剤あるいはアリールオキシカルボニル化剤を加水分解した後、濾液に水を添加して析出した塩酸塩を濾過して除去するとともに生成物を晶析させ、析出した結晶を濾過して白色あるいは黄白色粉末を得る。そして得られた結晶をさらに、例えば、塩化メチレン/メタノールから再結晶し、白色あるいは白黄色の結晶を得ることが出来る。
次に、ルートBについて詳述する。ルートBは下記反応式に示すように、1,4−ナフタレンジオール化合物をモノ置換カルボニル化して4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物となす第三反応と、得られた4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物を(メタ)アクリル化して4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物となす第四反応よりなる。
先ず、第三反応について説明する。第三反応においては、1,4−ナフタレンジオール化合物がモノ置換カルボニル化され、対応する4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物が得られる。
第三反応に用いられる1,4−ナフタレンジオール化合物は、第一反応において用いられた化合物と同様の化合物が用いられる。
第三反応における4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物の製造方法は、1,4−ナフタレンジオール化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物とを無機塩基の存在下で反応させることからなる。使用される置換カルボニル化剤としては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸プロピル、クロロ炭酸−i−プロピル、クロロ炭酸フェニル、ブロモ炭酸メチル、ブロモ炭酸エチル、ブロモ炭酸プロピル、ブロモ炭酸−i−プロピル、ブロモ炭酸フェニル等のハロゲン化炭酸エステル化合物が挙げられる。
1,4−ナフタレンジオール化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物との使用比率は、1,4−ナフタレンジオール化合物に対するハロゲン化炭酸エステル化合物のモル比で、通常0.5以上、中でも0.8以上、また、通常2未満、中でも1.5以下の範囲とすることが好ましい。ハロゲン化炭酸エステル化合物との比率が低過ぎると、未反応の1,4−ナフタレンジオール化合物量が多くなり、原料回収等の処理が必要となる場合がある。一方、ハロゲン化炭酸エステル化合物との比率が高過ぎると、1,4−ナフタレンジオール化合物の両方の水酸基が炭酸エステル化されたビス炭酸エステルの副生量が増加する傾向がある。
使用する無機塩基としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
無機塩基の使用比率は、1,4−ナフタレンジオール化合物に対する無機塩基の当量比で、通常1.0当量以上、中でも1.2当量以上、また、通常3.0当量以下、中でも2.0当量以下の範囲とすることが好ましい。無機塩基の比率が低過ぎると、ハロゲン化炭酸エステル化合物の滴下中に水層のpHが酸性になり、選択率が著しく低下する場合がある。一方、無機塩基の比率が高過ぎると、ハロゲン化炭酸エステル化合物の分解が増える場合がある。
1,4−ナフタレンジオール化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物との反応は、通常は反応溶媒の存在下で行なう。反応溶媒の種類は特に制限されないが、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なうことが好ましい。
水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合、通常は反応溶媒として、水と、有機相を形成する一又は二以上の有機溶媒とを併用する。有機相を形成する有機溶媒の種類は特に制限されないが、比較的低い極性を示し、水に対して混和性を示さない有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して用いてもよい。中でも、トルエン、キシレン、ヘプタンが好ましく、トルエンを単独で、或いはヘプタンと混合して用いることが特に好ましい。
水相と有機相との比率は、特に制限されるものではないが、水相及び有機相の合計量に対する水相の容積比率が、通常50%以上、95%以下範囲であることが好ましい。水相の割合が少な過ぎても多過ぎても、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物の選択性が低下する傾向がある。水相及び有機相の合計量に対する1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度は、通常0.005g/ml以上、中でも0.03g/ml以上、また、通常0.5g/ml以下、中でも0.3g/ml以下の範囲とすることが好ましい。1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度が少な過ぎると、生産効率が低下する場合がある。一方、1,4−ナフタレンジオール化合物の濃度が多過ぎると、選択率が低下する場合がある。また析出固体によるスラリー溶液の攪拌が困難になる場合がある。
反応温度の制御および選択率向上の観点から、カルボン酸を滴下する方法が好ましい。特に、水相及び有機相からなる二相系で反応を行なう場合には、1,4−ナフタレンジオール化合物を水相及び有機相の二相系溶媒に溶解させ、容器中で攪拌等の手法により混合しながら、ハロゲン化炭酸エステル化合物を滴下して反応させることが好ましい。
反応系の温度は反応系を冷却しながら反応を行なうことが好ましい。具体的には、反応系の温度を通常10℃以下、中でも5℃以下で、水層が凝固しない温度以上とすることが好ましい。反応時の温度が高過ぎると、選択率が低下する傾向があり、また、反応生成物である4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物の加水分解が生じる場合がある。
反応時間は、通常30分以上、中でも60分以上、また、通常5時間以下、中でも2時間以下の範囲が好ましい。上述の反応時間の経過後は、できるだけ早く反応をクエンチ(停止)することが好ましい。
反応のクエンチは、例えば、反応系(水相)に希塩酸(1〜3N程度)、希硫酸(1〜3N程度)等の酸を加えて酸性にすることにより行なう。反応終了後、必要に応じて、粗精製、再結晶精製等の後処理を行なってもよい。
反応生成物の粗精製は、例えば、以下の手順により行なうことができる。例えば、反応系に酢酸エチル等の抽出溶媒を加えて混合し、二層分離を行なう。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)等の乾燥剤を加えて乾燥した上で、溶媒を留去することにより、粗精製物を得ることができる。粗精製物を得るもう一つの方法としては、例えば反応混合物から水を除いた泥状物にn−ヘキサン等の溶剤を加えて、粗精製物のスラリー状物とし、次いで該スラリーを吸引濾過・乾燥し、粗精製物を得る方法が挙げられる。いずれの方法によって得られた粗精製物についても、その再結晶精製は、例えば、粗精製物を再結晶用の溶媒に加えて加熱溶解させた後、放冷して再結晶させることにより行なうことが出来る。再結晶用の溶媒としては、例えば、トルエン、トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒、トルエンとアセトンとの混合溶媒、トルエンとエタノールの混合溶媒、トルエンとテトラヒドロフランとの混合溶媒等が用いられる。
上記に示す第三反応によって得られる4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物は一般式(3)により表される。

一般式(3)に於いて、Zはアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
一般式(1)中、Zで表されるアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。これらの基は、置換基を有していてもよい。
一般式(1)中、X又はYで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子,臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基,n−ブトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
一般式(3)に示す4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等である。
さらには、ナフタレン環にハロゲン原子が置換した2−クロロ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−クロロ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−クロロ−4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−クロロ−4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−クロロ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−クロロ−4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、2−クロロ−4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
またさらには、ナフタレン環にアルコキシ基が置換した2−メトキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メトキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メトキシ−4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メトキシ−4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メトキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メトキシ−4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、2−メトキシ−4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
またさらには、ナフタレン環にアリールオキシ基が置換した2−フェノキシ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、2−フェノキシ−4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
またさらには、ナフタレン環にアルキルチオ基が置換した2−メチルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、2−メチルチオ−4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
またさらには、ナフタレン環にアリールチオ基が置換した2−フェニルチオ−4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール、2−フェニルチオ−4−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
次に、第四反応においては、塩基存在下、または塩基非存在下、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物が(メタ)アクリル化され、対応する4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物又が得られる。使用される(メタ)アクリル化剤としてはアクリル酸ハライド、メタクリル酸ハライドが用いられる。具体的な化合物としてはアクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド等が挙げられる。
4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物化合物に対する(メタ)アクリル化剤の添加量は、1モル倍から2モル倍が好ましく、より好ましくは1.1モル倍から1.3モル倍である。1モル倍より低いと未反応の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物が残留し、また、2モル倍以上の場合は、(メタ)アクリル化剤が多量に反応物に残るため、生成物が結晶化し難くなり、いずれも好ましくない。
第四反応で使用される塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン等が挙げられる。塩基の使用量は通常、原料の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物に対して、1モル倍から3モル倍量添加する。
第四反応は、一般的に溶媒中で行われる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。溶媒中の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物の濃度としては、通常0.2モル濃度以上が好ましい。
溶媒が芳香族系溶媒の場合は、第四反応の原料である4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物の溶媒に対する溶解度が低くスラリー状態となる場合があるが、反応が進行するにともない、可溶化してくるのが一般である。
反応温度は0℃から80℃、好ましくは0℃から20℃である。反応温度が低すぎると反応に時間がかかり、また80℃を超えると不純物濃度が増え、いずれの場合も好ましくない。
反応時間は15分から3時間程度である。反応終了後、水またはメタノールを加えて未反応の(メタ)アクリル化剤を加水分解した後、濾液に水を添加して析出した 塩酸塩を濾過して除去するとともに生成物を晶析させ、析出した結晶を濾過して白色あるいは黄白色粉末を得る。また、溶媒にアセトンなどの水溶性ケトンを用いた場合は、反応終了後水を加えて未反応の(メタ)アクリル化剤を加水分解した後、さらに水を添加して析出した 塩酸塩を溶かし均一溶液とする。その後当該均一溶液から、徐々に生成物が析出してくるので析出した結晶を濾別することにより白色あるいは黄白色粉末を得ることができる。そして得られた結晶をさらに、例えば、塩化メチレン/メタノールから再結晶し、白色あるいは白黄色の結晶を得ることが出来る。
得られた化合物の同定は、H−NMRスペクトル、IRスペクトルを用いて行い、相当する4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物であることを確認した。
[重合性組成物]
かくして得られた4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は、ラジカル重合により、重合物とすることができる。本発明の化合物のラジカル重合を促進するためには、ラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。そして、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物とラジカル重合開始剤を混合することによりラジカル重合性組成物とすることができる。
このようなラジカル重合開始剤には、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とがある。紫外線や可視光線等の活性エネルギー線による光ラジカル重合は、硬化が速く、効率よく透明性の高い重合物を得ることができるので、特に本発明の化合物を光学用途に用いる場合は、光ラジカル重合によることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−イソプロピルチオキサントン、2−t−ブチルアントラキノン等が挙げられる。実際の工業製品としてはチバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア651、イルガキュア184、ダロキュア1173、イルガキュア907、イルガキュア369、ダロキュアTPO、イルガキュア819が挙げられる(イルガキュア、ダロキュアはチバスペシャリティケミカルズ社の登録商標)。
本発明の光ラジカル重合性組成物において、上記のナフタレン化合物、すなわち4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を単独で用いて、重合物とすることもできるが、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物以外の一般的なラジカル重合性モノマーを加えて共重合性の光ラジカル重合性組成物として共重合させることも出来る。
共重合させるラジカル重合性モノマーとして、例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレートさらには、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、p−トリルアクリレート、p−トリルメタクリレート、m−トリルアクリレート、m−トリルメタクリレート、o−トリルアクリレート、o−トリルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ビフェニル−4−イル−アクリレート、ビフェニル−4−イル−メタクリレート、4−フェノキシフェニルアクリレート、4−フェノキシフェニルメタクリレート、2−フェノキシフェニルアクリレート、2−フェノキシフェニルメタクリレート、2−(ビフェニル−2−イルオキシ)エチルアクリレート、2−(ビフェニル−2−イルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
これらのラジカル重合性モノマーと本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物とを共重合することにより、当該4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性モノマー単独での重合に比べ、得られる重合物の屈折率を高めることができ、さらには硬度、あるいは酸素非透過性などを高めることができる。なお、ラジカル重合性モノマーに本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を添加した組成物は、比較的低粘度で扱いやすく、本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が実用上もすぐれた化合物であるといえる。
また、2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチルアクリレート、2−(ビフェニル−4−イルオキシ)エチルメタクリレート等のビフェニル系アクリレート、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス{4−[2−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]フェニル}フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等のフルオレン系アクリレート等の屈折率の高いラジカル重合性モノマーと共重合させることもできる。
これらのラジカル重合性モノマーは一般的に融液状態で高粘度の化合物であるが、本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を添加することにより、得られる重合性組成物の融液状態の粘度を下げることができることから塗膜操作が容易になる。そして、得られる重合物の屈折率を大幅に低下させることがないことから、本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は実用上有効な化合物であるといえる。
これらのラジカル重合性モノマーに対する4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の添加比率は、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の溶解度にもよるが、通常、重合性組成物合計の10重量%以上添加することが好ましい。屈折率上昇の効果を十分得るには、さらに混合比を高めて多量の本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を添加することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤の添加濃度は、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物および必要に応じて併用されるラジカル重合性モノマーの合計重量に対して0.1〜5重量%の範囲から選ばれ、好ましくは0.5〜2重量%である。0.1重量%より少ないと重合速度が遅く、5重量%より多いと重合物の物性が悪化するので好ましくない。
また、4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は熱ラジカル重合開始剤を用いて重合物となす事も出来る。
熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ系化合物等のどちらでも使用可能である。有機過酸化物としては、例えばt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,6−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート類等のパーオキシエステル類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,6−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類等を挙げることができる。またアゾ系化合物の開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス (シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾニトリル類を挙げることができる。
本発明の重合性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、希釈剤、着色剤、有機又は無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤等の各種樹脂添加剤を配合してもよい。
[重合方法]
当該光ラジカル重合性組成物の重合はフィルム状で行うことも出来るし、塊状に硬化させることも可能である。フィルム状に重合させる場合は、液状の当該重合性組成物をたとえばポリエステルフィルムなどの基材に、たとえばバーコーターなどを用いて膜厚5〜300μmになるように塗布する。本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は、薄膜だけでなく厚膜においても容易に重合させることができる。
このようにして調製した塗布膜に活性エネルギー線を照射することにより重合させることができる。用いられる光源としては、使用する光ラジカル重合開始剤によって異なるが、250〜500nmの波長の活性エネルギー線が用いられる。したがって、上記の波長の活性エネルギー線を照射できる光源として、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UV−LED、青色LED、白色LED等の光源が使用可能である。また、太陽光線を使用することもできる。特に、本発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物は、UV硬化装置として最も広く用いられている光源である高圧水銀ランプ(波長366nm)をもちいて重合させることができることから、工業的に非常に有用な化合物である。
光ラジカル重合の判定は、タック・フリーテスト(指触テスト)に基づいて行った。すなわち、光照射によりフィルム表面の光ラジカル重合性組成物のタック(べたつき)が取れるまでの時間を硬化時間とした。
このようにして得られた4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を重合させて得られるフィルム、シートもしくは塊状物は、高い屈折率を示し、またその構造から、紫外線吸収性、高い耐熱性、高硬度、高光沢性等が期待できる工業的に有用なものである。
下記の実施例により本発明を例示するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。特記しない限り、すべての部および百分率は重量基準である。
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)屈折率:アッベ屈折率計、エルマー社製、形式ER−7MW−H
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(4)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(実施例1)4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートの合成
反応容器に、水5.0ml、トルエン5.0ml、及び水酸化ナトリウム250mgを仕込んだ。反応容器内を窒素ガスで置換した後、窒素ガス雰囲気下、攪拌しながら、1,4−ナフタレンジオール1.0gを反応容器内に加え、次いで5℃以下に氷冷した。次に、窒素ガス雰囲気下、冷却及び攪拌しながら、市販品のアクリル酸クロライド550mg(6.1ミリモル)を注射器に取り、反応容器の内温を5℃以下に保ちながら反応容器内の混合物に15分間かけて滴下した。滴下終了後、内温を5℃以下に保ちながらさらに1時間反応を続けた後希塩酸を加えて反応系(水相)のpHを酸性に調整し、反応を停止させた。反応終了後、酢酸エチルを用いて抽出し溶媒を留去して暗褐色固体状の生成物1.5gを得た。この得られた暗褐色固体状生成物1.5gをトルエンを用いて再結晶することにより、4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートの乳白色の結晶を0.6g得た。
このものはIR,H−NMR,Mass測定の結果4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートであることが明らかとなった。4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートの単離収率(原料の1,4−ナフタレンジオールからの収率)は43モル%であった。
このものの物理化学的性質を以下に示す。
(1)融点:108.5−109.4℃
(2)屈折率:n=1.628
(3)IR(KBr,cm−1):1712,1624,1580,1475、1400、1380,1352,1292,1260,1175,1155,1054,963,810,793.759
(4)H−NMR(400MHz、CDCl):δ=5.98(bs,1H),6.10(bd,1H)、6.47(d,1H),6.48(dd,1H),6.73(bd,1H),6.97(d,1H),7.40(bdd,1H),7.49(bdd,1H),7.74(bd、1H),8.05(bd,1H).
(5)マススペクトル(EI):214(M
(実施例2)4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートの合成
合成例1と同様の手順により、反応容器に水30.0ml、水酸化ナトリウム800mg(20mmol)及び1,4−ナフタレンジオール2.0g(12.5mmol)を仕込んだ。次に、窒素ガス雰囲気下、冷却及び攪拌しながら、市販品を再蒸留したメタクリル酸クロライド1.4g(13.1mmol)を注射器に取り、反応容器内の混合物に20分間かけて滴下した。この間、反応容器の内温を5℃以下に保った。滴下の途中から、多量の結晶の析出が認められた。滴下終了後、反応容器の内温を5℃以下に保ちながら、更に10分間攪拌を続けた。その後、希塩酸を加えて反応系(水相)のpHを酸性にし、反応を停止させた。得られたスラリーを吸引濾過し、水洗いしたのち乾燥し、灰白色の結晶2.45gを得た。この物をトルエンから再結晶し、白い結晶2.11gを得た。
このものはIR,H−NMR,Mass測定の結果4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートであることが明らかとなった。4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートの収率(原料の1,4−ナフタレンジオールからの収率)は74.0モル%であった。
(1)融点:151.0−151.7℃
(2)IR(KBr、cm−1):3380cm−1(OH)、1705cm−1(C=O)
(3)H−NMR(400MHz,CDCl):δ=2.16(bs,3H),5.86(bs,1H),5.95(bs,1H),6.46(d,1H),6.53(bs,1H),6.95(d,1H),7.43(bdd,1H),7.49(bdd,1H),7.74(bd,1H),8.04(bd,1H).
(4)マススペクトル(EI):228(M)、159、69
(実施例3) 4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの合成
攪拌機、温度計付きの200ml三口フラスコに、脱気水40gを仕込み、その中に1,4−ナフタレンジオール3.2g(20ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、十分に攪拌し良く分散させた。次いで、水酸化ナトリウム0.88g(22ミリモル)の水4g溶液を加えた。大部分の1,4−ナフタレンジオールは溶解したが一部溶け残った。該茶色のスラリーを氷水で冷やした後、クロロ炭酸メチル2.44g(26ミリモル)のトルエン2g溶液を加え、30分間攪拌した。灰色の泥状物が沈んだので、10%硫酸水溶液2mlを加え、反応液のpHを酸性にして、さらに10分間攪拌した。底に沈んだ灰色泥状物質を水30mlで2回良く水洗いし、最後にn−ヘキサン60ml中に投入し攪拌した。生じた沈殿物を濾過乾燥し灰白色の粉末4.30gを得た。このものをトルエン40ml、アセトン5mlから再結晶し、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの無色結晶2.70gを得た。原料1,4−ナフタレンジオールに対する収率は62モル%であった。
(1)融点:134−136℃
(2)屈折率:n=1.610
(3)IR(KBr,cm−1):3420,1740,1600,1580,1440,1390,1360,1302,1257,1046,995,810,760.
(4)H−NMR(400MHz、CDCl):δ=3.97(s,3H),5.56(s,1H),6.62(d,J=8Hz,1H),7.09(d,J=8Hz,1H),7.47−7.58(m,2H),7.86(d,J=9Hz,1H),8.12(d,J=9Hz,1H).
(実施例4) 4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの合成
攪拌機、温度計付きの200ml三口フラスコに、脱気水40gを仕込み、その中に1,4−ナフタレンジオール3.2g(20ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、十分に攪拌し良く分散させた。次いで、水酸化ナトリウム0.96g(24ミリモル)の水4g溶液を加えた。大部分の1,4−ナフタレンジオールは溶解したが一部溶け残った。該薄茶色のスラリーを氷水で冷やした後、クロロ炭酸エチル3.02g(28ミリモル)のトルエン2g溶液を加え、30分間攪拌した。灰色の泥状物が沈んだので、10%硫酸水溶液2mlを加え、反応液のpHを酸性にして、さらに10分間攪拌した。底に沈んだ灰色泥状物質を水30mlで2回良く水洗いし、最後にn−ヘキサン60ml中に投入し攪拌した。生じた沈殿物を濾過乾燥し灰白色の粉末3.90gを得た。このものをトルエン40ml、アセトン5mlから再結晶し、の無色結晶2.3gを得た。原料である1,4−ナフタレンジオールに対する4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの単離収率は50モル%であった。
(1)融点:107−108℃
(2)屈折率:n=1.596
(3)IR(KBr,cm−1):3460,3060,2990,1742,1584,1480,1440,1390,1370,1360,1290,1260,1240,1042,1024,1004,896,860,780,760.
(4)H−NMR(400MHz、CDCl):δ=1.43(t,J=7Hz,3H),4.37(q,J=7Hz,2H),5.46(s,1H),6.66(d,J=8Hz,1H),7.11(d,J=8Hz,1H),7.45−7.57(m,2H),7.88(d,J=9Hz,1H),8.13(d,J=9Hz,1H).
(実施例5)4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの合成
攪拌機、温度計付きの200ml三口フラスコに、脱気水40gを仕込み、その中に1,4−ナフタレンジオール3.2g(20ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、十分に攪拌し良く分散させた。次いで、水酸化ナトリウム0.88g(22ミリモル)の水4g溶液を加えた。大部分の1,4−ナフタレンジオールは溶解したが一部溶け残った。該薄茶色のスラリーを氷水で冷やした後、クロロ炭酸フェニル4.2g(28ミリモル)のトルエン2g溶液を加え、30分間攪拌した。灰色の泥状物が沈んだところで、10%硫酸水溶液2mlを加え、pHを酸性にして、さらに10分間攪拌した。底に沈んだ灰色泥状物質を水30mlで2回良く水洗いし、最後にn−ヘキサン60ml中に投入し攪拌した。灰白色の沈殿が生じるので、吸引濾過・乾燥し、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの灰白色の粉末4.88g(8.7モル)を得た。原料である1,4−ナフタレンジオールに対する4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトールの収率は87モル%であった。
(1)融点:125−127℃
(2)屈折率:n=1.630
(3)IR(KBr,cm−1):3450,1760,1640,1602,1582,1490,1390,1360,1290,1260,1204,1142,1080,766.
(4)H−NMR(400MHz、CDCl):δ=5.41(s,1H),6.72(d,J=8Hz,1H),7.25(d,J=8Hz,1H),7.25−7.50(m,5H),7.50−7.65(m,2H),7.99(d,J=9Hz,1H),8.18(d,J=9Hz,1H).
(実施例6)4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートのメトキシカルボニル化による4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例1と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート4.28g(20ミリモル)をアセトン40mlに溶解し、氷水で冷やしながらクロロ蟻酸メチル2.36g(25ミリモル)を加え、1時間攪拌した。その後定法により後処理し、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの白い結晶を4.1g(15.1ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートに対する4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの収率は75モル%であった。
(1)融点:93−94℃
(2)屈折率 :n=1.585
(3)IR(KBr,cm−1):1763,1740,1442,1396,1280,1255,1216,1130,1060,984,841,821,770.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=3.99(s.3H),6.13(d,J=8Hz,1H),6.49(dd、J1=17Hz,J2=8Hz,1H),6.76(d,J=17Hz,1H),7.30(d,J=7Hz,1H),7.38(d,J=7Hz,1H),7.51−7.61(m,2H),7.86−7.94(m,2H),7.95−8.03(m,2H).
(実施例7)4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートのエトキシカルボニル化による4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例1と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート8.56g(40ミリモル)をアセトン80mlに溶解し、氷水で冷やしながらクロロ蟻酸エチル4.24g(40ミリモル)を加えた。次に、トリエチルアミン4.04g(40ミリモル)のアセトン10ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。直ちに白色沈殿が生じるので、さらに15分攪拌した。その後、定法により後処理し、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの薄肌色の結晶を9.3g(32.5ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートに対する4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの収率は81モル%であった。
(1)融点:43−44℃
(2)屈折率 :n=1.570
(3)IR(KBr,cm−1):1765,1746,1640,1602,1468,1408,1390,1372,1250,1210,1140,1050,1030,900,800,770,760.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=1.35(t,J=7Hz,3H),4.39(q,J=7Hz,2H),6.12(d,J=8Hz,1H),6.49(dd,J1=17Hz,J2=8Hz,1H),6.74(d,J=17Hz,1H),7.30(d,J=7Hz,1H),7.38(d,J=7Hz,1H),7.50−7.61(m,2H),7.85−7.93(m,1H),7.95−8.03(m,1H).
(実施例8)4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートのn−プロポキシカルボニル化による4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例1と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート8.56g(40ミリモル)をアセトン100mlに溶解し、氷水で冷やしながらクロロ蟻酸−n−プロピル4.80g(40ミリモル)を加えた。次に、トリエチルアミン4.04g(40ミリモル)のアセトン10ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。直ちに白色沈殿が生じるので、さらに15分攪拌した。その後、定法により後処理し、4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−ナフチルアクリレートの薄黄色のオイルを9.8g(33ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートに対する4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−2−ナフチルアクリレートの収率は82モル%であった。
(1)融点:室温液状
(2)屈折率:n=1.561
(3)IR(neat,cm−1):1762,1750,1635,1602,1468,1408,1390,1242,1212,1140,1056,982,940,890,800,762.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=1.05(t,J=7Hz,3H),1.84(m,2H),4.30(t,J=7Hz,2H),6.12(d,J=8Hz,1H),6.49(dd,J1=17Hz,J2=8Hz,1H),6.75(d,J=17Hz,1H),7.30(d,J=7Hz,1H),7.38(d,J=7Hz,1H),7.51−7.62(m,2H),7.85−7.92(m,2H),7.98−8.03(m,2H).
(実施例9)4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートのフェノキシカルボニル化による4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例1と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレート8.56g(40ミリモル)をアセトン80mlに溶解し、氷水で冷やしながらクロロ蟻酸フェニル6.24g(40ミリモル)を加えた。次に、トリエチルアミン4.04g(40ミリモル)のアセトン10ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。直ちに白色沈殿が生じるので、さらに20分攪拌した。その後、定法により後処理し、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの薄黄色の粉末を11.4g(34.2ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルアクリレートに対する4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの収率は85モル%であった。
(1)融点:71−72℃
(2)屈折率:n=1.597
(3)IR(KBr,cm−1):1780,1748,1636,1602,1495,1470,1404,1390,1240,1200,1158,1138,1068,980,890,760,718,684.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):
δ=6.12(d,J=8Hz,1H),6.49(dd、J1=17Hz,J2=8Hz,1H),6.74(d,J=17Hz,1H),7.24−7.37(m,4H),7.36−7.42(m,3H),7.42−7.55(m,2H),7.86−7.95(m,1H),8.06−8.16(m,1H).
(実施例10) 4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートのメトキシカルボニル化による4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例2と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート9.12g(40ミリモル)をトルエン80mlに加え、氷水で冷やしながらクロロ炭酸メチル4.73g(50ミリモル)を加えた。次に、該スラリーにトリエチルアミン4.5g(45ミリモル)のトルエン8ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。トリエチルアミン溶液を半分加えた時点で一度均一溶液となるが、その後結晶が析出し、60分攪拌後はゲル状物となった。このゲル状物を水30mlを用いて3回洗浄し、次いでトルエン層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水した。その後、トルエン層を自然濾過し,濃縮して4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの薄黄色のオイルを7.9g(28.2ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートに対する4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの収率は74モル%であった。
(1)融点:室温液状
(2)屈折率:n=1.570
(3)IR(neat,cm−1):3080,2970,1772,1742,1604,1442,1392,1320,1272,1256,1221,1122,1042,1028,992,940,762.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=2.16(s,3H),3.97(s,3H),5.87(s,1H),6.52(s,1H),7.27(d,J=8Hz,1H),7.37(d,J=8Hz,1H),7.52−7.60(m,2H),7.84−7.93(m,1H),7.95−8.02(m,1H).
(実施例11) 4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートのエトキシカルボニル化による4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例2と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート9.12g(40ミリモル)をトルエン80mlに加え、氷水で冷やしながらクロロ炭酸エチル6.25g(60ミリモル)を加えた。次に、該スラリーにトリエチルアミン4.0g(40ミリモル)のトルエン12ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。トリエチルアミン溶液を半分加えた時点で一度均一溶液となるが、その後結晶が析出し、60分攪拌後はゲル状物となった。このゲル状物を水30mlを用いて3回洗浄し、次いでトルエン層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水した。その後、トルエン層を自然濾過し,濃縮して4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの薄黄色の結晶を6.9g(23ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート対する4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート収率は57モル%であった。
(1)融点:65−66℃
(2)屈折率:n=1.559
(3)IR(KBr,cm−1):3090,2995,1770,1742,1605,1470,1392,1374,1318,1253,1230,1124,1050,1024,1012,962,892,762.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=1.34(t,J=8Hz,3H),2.16(s,3H),4.39(q,J=8Hz,2H),5.87(s,1H),6.53(s,1H),7.27(d,J=8Hz,1H),7.39(d,J=8Hz,1H),7.81−7.92(m,2H),7.85−7.93(m,1H),7.96−8.05(m,1H).
(実施例12) 4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートのフェノキシカルボニル化による4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの合成(ルートA)
温度計、攪拌機付きの300mlの三口フラスコ中、実施例2と同様にして得た4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレート9.12g(40ミリモル)をトルエン90mlに加え、氷水で冷やしながらクロロ炭酸フェニル15.6g(60ミリモル)を加えた。次に、該スラリーにトリエチルアミン4.0g(40ミリモル)のトルエン12ml溶液を調製し、三口フラスコを氷水で冷却しながら、該溶液をゆっくり加えた。トリエチルアミン溶液を半分加えた時点で一度均一溶液となるが、その後結晶が析出し、60分攪拌後はゲル状物となった。このゲル状物を水30mlを用いて3回洗浄し、次いでトルエン層を無水硫酸ナトリウムを用いて脱水した。その後、トルエン層を自然濾過し,濃縮して4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートの薄黄色の結晶を8.9g(26ミリモル)得た。原料である4−ヒドロキシ−1−ナフチルメタクリレートに対する4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート収率は65モル%であった。
(1)融点:78−79℃
(2)屈折率:n=1.591
(3)IR(KBr,cm−1):1780,1740,1602,1495,1390,1318,1296,1260,1246,1206,1176,1120,1062,762.
(4)H−NMR(270MHz、CDCl):δ=2.17(s,3H),5.88(s,1H),6.53(s,1H),7.22−7.37(m,4H),7.37−7.50(m,3H),7.54−7.66(m,2H),7.86−7.94(m、1H),
(実施例13) 4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールのアクリル化による4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートB)
攪拌機、温度計付きの200ml三口フラスコに実施例3と同様にして合成した4−メトキシカルボニルキシ−1−ナフトール2.18g(10ミリモル)、トルエン25g、塩化アクリロイル1.27g(14ミリモル)を仕込んだ。 該スラリーを氷水で冷やしつつ、トリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。直ちに無機性の析出が生じた。次いで、氷水バスを取り外し、1時間攪拌した。その後、水5mlを加え、無機性沈殿物を溶解し、さらにトルエン層を水洗いした。さらに、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで一晩脱水乾燥し、濾過したトルエン層を濃縮乾固させ、2.04gの薄き色の粉末である4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートを得た。原料である4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフトールに対する収率は75モル%であった。
また、得られた化合物の融点、屈折率、IR,H−NMRスペクトルは実施例6で得られた化合物と同じものであった。
(実施例14) 4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフトールのアクリル化による4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの合成(ルートB)
攪拌機、温度計付きの200ml三口フラスコに実施例5と同様にして得られた4−フェノキシカルボニルキシー1−ナフトール2.80g(10ミリモル)、トルエン25g、塩化アクリロイル1.35g(15ミリモル)を仕込んだ。該スラリーを氷水で冷やしつつ、トリエチルアミン1.2g(12ミリモル)のトルエン2g溶液を加えた。直ちに無機性の析出が生じた。次いで、氷水バスを取り外し、1時間攪拌した。その後、水5mlを加え、無機性沈殿物を溶解し、さらにトルエン層を水洗いした。さらに、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで一晩脱水乾燥し、濾過したトルエン層を濃縮乾固させ、2.04gの薄き色の粉末である4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートを得た。原料の4−フェノトキシカルボニルキシー1−ナフトールに対する収率は70モル%であった。
また、得られた化合物の融点、屈折率、IR,H−NMRスペクトルは実施例9で得られた化合物と同じものであった。
(実施例15) 4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの共重合
実施例6と同様にして合成した4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート70部、トリメチロールプロパントリアクリレート30部に対し、光ラジカル重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、85℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた光ラジカル重合性組成物の融液をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、70℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た。
重合物の屈折率を測定したところn=1.587であった。一般にこの種の化合物は重合することにより、元のモノマーより屈折率が高くなることが予想されるが、もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.549であり、屈折率の値は0.038向上しており、この点においても重合したことが確認された。
(実施例16) 4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの共重合
実施例8と同様にして合成した4−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−1−ナフチルアクリレート50部、トリメチロールプロパントリアクリレート50部に対し、光ラジカル重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、得られた光ラジカル重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、80℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た。
重合物の屈折率を測定したところn=1.556であった。もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.528であり、屈折率の値は0.028向上しており、重合したことが分かる。
(実施例17) 4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの共重合
実施例9と同様にして合成した4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート70部、トリメチロールプロパントリアクリレート30部に対し、開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、得られた光ラジカル重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、60℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た。
重合物の屈折率を測定したところn=1.607であった。もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.562であり、屈折率の値は0.045向上しており、重合したことが分かる。
(比較例1) 4−メトキシ−1−ナフチルアクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートの共重合の試み
4−メトキシ−1−ナフチルアクリレート(特開昭62−192340号公報の実施例3に記載の化合物)70部、トリメチロールプロパントリアクリレート30部に対し2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、70℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた光ラジカル重合性組成物の融液をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.3mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、70℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を10分間照射した後も全く硬化しなかった。
以上の結果より、本願発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が高圧水銀ランプでも重合可能な工業的に有利な化合物であることがいえる。また、トリメチロールプロパントリアクリレートの単独重合物の屈折率(n)が1.538であることから、本願発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を共重合させることにより、重合物の屈折率を高めることができることが分かる。
(実施例18) 4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとの共重合
<9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの合成>
温度計、攪拌機付きの50mlの三口フラスコに、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン1.0g(2.3ミリモル)、トルエン10ml、アクリル酸メチル3.9g(46ミリモル)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル10mg、チタニウムテトライソプロポキシド0.1g(0.2ミリモル)を仕込み、オイルバスで105℃に加熱下アクリル酸メチルを抜き出しながら9時間攪拌した。その後,定法により後処理し、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの薄桃色オイルを0.9g(1.6ミリモル)得た。原料の9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンに対する収率は60モル%であった。
(実施例19) 1−(4−メトキシカルボニルオキシナフチル)アクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとの共重合
実施例6と同様にして合成した4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート70部、上記方法により合成した9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン30部に対し、開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、100℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、100℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た。
重合物の屈折率を測定したところn=1.615であった。もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.594であり、屈折率の値は0.021向上しており、重合したことが分かる。
(実施例20) 4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとの共重合
実施例9と同様にして合成した4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート70部、実施例18と同様にして合成した9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン30部に対し、ラジカル重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、得られた光ラジカル重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、70℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た。
重合物の屈折率を測定したところn=1.629であった。もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.602であり、屈折率の値は0.027向上しており、重合したことが分かる。
(実施例21) 4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの共重合
実施例10と同様にして合成した4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルメタクリレート46部、トリメチロールプロパントリアクリレート54部に対し、光ラジカル重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合した。得られた光ラジカル重合性組成物の融液をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)の上に膜厚が0.2mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、70℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を3分間照射し光重合物を得た
重合物の屈折率を測定したところn=1.559であった。一般にこの種の化合物は重合することにより、元のモノマーより屈折率が高くなることが予想されるが、もともとの、重合性組成物の屈折率はn=1.517であり、屈折率の値は0.042向上しており、この点においても重合したことが確認された。
(比較例2)4−メトキシ−1−ナフチルアクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの光共重合の試み
4−メトキシ−1−ナフチルアクリレート70部、実施例18と同様にして合成した9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン30部に対し2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカル社製イルガキュア369)0.5部を混合し、90℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製ルミラー)の上に膜厚が0.3mmになるように塗布し、その後、窒素雰囲気下、70℃に保温した状態で、表面に高圧水銀ランプの光線(波長366nmにおける照射強度が1mW/cm)を10分間照射した後も全く硬化しなかった。
(実施例22) 4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートの添加による9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの溶融粘度低減効果実験
実施例7と同様にして合成した4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート100部、実施例18と同様にして合成した9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−フルオレン100部を混合し、ホットプレート上で50℃に加熱して均一な融液とした。この液を10gとり、CBC社製粘度計ViscometerModelVM−10Aを用い、融液の温度を上げながら、その粘度を測定した。同様に、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレート単独での粘度及び9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン単独での粘度を測定した。その結果を図1に示す。図中では、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートはAc−HN(蟻酸エチル)と略す。また、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンはフルオレン型アクリレートと略す。
この結果から、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートは、融液状態において粘度が非常に低いことが分かる。また、高粘度の9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンに対して一対一で本発明の4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルアクリレートを添加することにより、当該混合物の融液粘度が9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの粘度に対して大幅に低下することが分かった。
以上の結果より、本願発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物が高圧水銀ランプでも重合可能な工業的に有利な化合物であることがいえる。また、高屈折率であるが高粘度の9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの様な化合物に本願発明の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物を混合することにより、融液の粘度を下げ、塗布を容易にすることができ、かつ屈折率の高い重合物得ることができる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で示される4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物。

    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zはアルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
  2. 一般式(2)で示される4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物をアルコキシカルボニル化又はアリールオキシカルボニル化することよりなる請求項1記載の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の製造方法。

    (一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
  3. 一般式(3)で示される4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフトール化合物を(メタ)アクリル化することよりなる請求項1記載の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物の製造方法。

    (一般式(3)中、Zはアルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
  4. 請求項1に記載の4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物及び重合開始剤を含有する重合性組成物。
  5. 請求項4に記載の重合性組成物を重合してなる重合物。
  6. 請求項5に記載の重合物を含有する高屈折材料。
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