JP5376500B2 - 酸素イオン伝導性セラミック膜材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ペロブスカイト型酸化物から構成される酸素分離膜は、基材(典型的には多孔質構造をもつ膜支持体)上に形成されて、酸素分離膜エレメントとして用いられ得る。このような構成の酸素分離膜エレメントは、一方の面から他方の面に供給された酸素イオンによって当該他方の面に供給された炭化水素(メタンガス等)を酸化させて合成液体燃料(メタノール等)を製造するGTL(Gas To Liquid)技術、あるいは燃料電池分野で好適に使用することができる(特許文献1〜5参照)。
また、特許文献11および12には、パルスレーザアブレーション堆積法を採用して、イオン(または電子)伝導性セラミック膜を形成する方法が記載されている。しかし、この技術により得られるセラミック膜は、結晶方位が特定されていないため、イオン伝導性を大きく向上させ得る結晶方位には配向していない可能性が高く、かかるイオン伝導性は十分には発揮されない。
A1−xAexBO3−δ (1)
(ただし、Aは、Ln(ランタノイド)から選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)およびCa(カルシウム)からなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、少なくともFeおよびTiを包含するペロブスカイト型構造を構成し得る2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなることを特徴とする。および(III)蒸着法により、上記基板の上記結晶面上に上記セラミック膜を配向度が20%以上となるように結晶配向させた状態で形成する工程を包含する。ここで、上記蒸着法は、パルスレーザアブレーション堆積法およびイオンビーム蒸着法のいずれか一方であることを特徴とする。
かかる方法により得られる酸素イオン伝導性セラミック膜材では、そのセラミック膜が結晶配向した状態で基板上に形成されるため、無配向膜と比較して酸素イオンの伝導経路が短縮されて、酸素イオン伝導の効率化が図られ得る。この結果、本発明に係る方法によって得られる酸素イオン伝導性セラミック膜材では、従来の膜形成方法(例えばディップコーティング)により得られる無配向なセラミック膜を備えるセラミック膜材に比べて、酸素イオン伝導性(性能)が向上し得る。なお、本明細書中で「膜」とは、特定の厚みに限定されず、ここで開示される酸素イオン伝導性セラミック膜材において「酸素イオン伝導体」として機能する膜状もしくは層状の部分をいう。また、本明細書中の「基板」とは、特定の厚みあるいは形状に限定されず、上記酸素イオン伝導性セラミック膜材において、上記セラミック膜を形成させるための土台となる部分をいう。
かかる態様によると、セラミック膜を構成する酸素イオン伝導体におけるペロブスカイト結晶構造の一部(Bサイトの一部)に、Feが取り込まれている。このことにより、この酸素イオン伝導体(すなわちセラミック膜)の酸素イオン伝導性がさらに向上し得る。
あるいは、ここに開示される製造方法の別の好ましい一態様では、上記基板として、チタン酸ストロンチウム製の基板であって、そのペロブスカイト型構造の(100)面に配向している基板を使用することを特徴とする。上記セラミック膜は、かかる基板の(100)面上に形成され得る。
かかる態様によると、上記基板のいずれかを使用することにより、該基板上にセラミック膜を酸素イオン伝導性が向上し得る結晶方位に配向させた状態で、形成(成長)させることができる。
以下、基板およびセラミック膜の結晶構造における結晶面(格子面)と方位(方向)を記述する際には、ミラー指数の面指数と方位指数を用いる。結晶面は(hkl)(ここで、h,k,lは整数である。)で表わす。立方晶系の構造において空間群の対称性の観点から等価である6面をまとめて{hkl}と総称する。方位指数についても面指数と同様に[uvw](ここでu,v,wは整数である。)で表わし、立方晶系において等価である6方向をまとめて<uvw>と総称する。
かかる構成の酸素イオン伝導性セラミック膜材では、上記(a00)面または(aa0)面に選択的に配向した状態のセラミック膜が形成されており、より一層高い酸素イオン伝導性を有する。したがって、かかる構成の酸素イオン伝導性セラミック膜材によると、良好な酸素イオン伝導性を発揮し得る。
かかる構成の酸素イオン伝導性セラミック膜材では、上記(a00)面に選択的に配向した状態のセラミック膜が形成されており、より一層高い酸素イオン伝導性を有する。したがって、かかる構成の酸素イオン伝導性セラミック膜材によると、良好な酸素イオン伝導性を発揮し得る。
また、上記セラミック膜は、結晶配向した一般式(1):A1−xAexBO3−δ(以下、単に「一般式(1)」という。)で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなることで特徴づけられる膜である。ここで、上記Aは、Ln(ランタノイド)から選択される少なくとも1種の元素(例えばLa(ランタン))であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素(例えば、Sr)であり、上記Bは、ペロブスカイト型構造を構成し得る1種または2種以上の金属元素(例えばTi(チタン)および/またはFe)である。また、0<x<1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。
また、本発明により提供される酸素イオン伝導性セラミック膜材は、そのセラミック膜が所定の結晶面に配向していることにより、ディップコーティング等の従来の膜形成技術で形成されるセラミック膜に比べてより一層向上した酸素イオン伝導性能を有していることを特徴とする膜材である。
かかる基板の厚さ寸法としては、好ましくは50μm〜10mm、より好ましくは100μm〜5mmであり、さらに好ましくは200μm〜1mmである基板を用いることができる。
また、一般式(1)のBは、上記ペロブスカイト型酸化物のBサイトを構成する元素であって、ペロブスカイト型構造を構成し得る1種または2種以上の金属元素であり得る。かかるBとして、例えば、Mg(マグネシウム),Mn(マンガン),Ga(ガリウム),Ti(チタン),Co(コバルト),Ni(ニッケル),Al(アルミニウム),Cu(銅),In(インジウム),Sn(錫),Zr(ジルコニウム),V(バナジウム),Cr(クロム),Zn(亜鉛),Ge(ゲルマニウム),Sc(スカンジウム)およびY(イットリウム)からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。上記Bとして、好ましくはFeを包含する。さらに好ましくは、FeとTiを含み得る。上記BサイトにFeを含むことにより、酸素イオン伝導性が向上する。また、上記BサイトにTiを含むことにより、結晶構造の強度が向上する。このため、ここに開示されるセラミック膜は、BサイトにFeおよびTiを包含することで、酸素イオン伝導性と膜強度とを高いレベルで両立し得る。
かかるペロブスカイト型酸化物として、例えば、式:(La1−pSrp)(Ti1−qFeq)O3−δ(但し0<p<1、0<q<1)で示されるペロブスカイト型複合酸化物(以下「LSTF酸化物」ともいう。)が好ましく挙げられる。具体例として、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δが挙げられる。
一方、スパッタ系のPVD法は、薄膜原料物質を加熱して蒸発させ、蒸発温度より低い温度の基板表面で凝結、固化させ薄膜にする蒸発系のPVD法や、高エネルギーの原子や分子をターゲットに衝突させて蒸発させて(スパッタさせて)基板表面に堆積させる方法である。かかる方法の一好適例としてはパルスレーザアブレーション堆積(PLD)法が挙げられる。PLD法は、パルスレーザアブレーション法、もしくはパルスレーザ堆積法と呼ばれることもある。PLD法ではターゲットにパルスレーザを照射することにより、順次ターゲット材料からそれぞれ蒸気(典型的にはパルスレーザ照射によりターゲットから発生した分子、原子、イオン、ナノ又はミクロンサイズの微小粒子(クラスター)等をいう。)を発生させ、この蒸気を一定の温度に保持した基板上に堆積させてターゲット材料成分を含む薄膜を形成することができる。
また、CVD法は、薄膜構成原子を含む化合物ガスを原料として、化学反応を利用して薄膜化する方法であり、熱CVD、プラズマCVDあるいは光CVD等が挙げられる。
上記セラミック膜を形成するために使用され得るターゲットとして、パルスレーザを照射して蒸発可能なセラミック膜原料であって、上記セラミック膜の構成元素を含むセラミック膜原料から構成されるものを好ましく用いることができる。また、かかるターゲットは、例えば、上記セラミック膜の構成元素を含む無機材料(典型的には該構成元素の酸化物あるいは炭酸塩)を適当な配合比で混合し、焼成することにより得られた焼結体を好ましく用いることができる。上記各無機材料の配合比については、レーザ照射により蒸気化した上記ターゲットが基板上に堆積したときに上記セラミック膜が目標とする組成比となるように決定される。例えば、上記セラミック膜としてLSTF酸化物の一つであるLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δからなる薄膜を基板上に形成する場合には、酸化ランタン(La2O3)粉末、炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、二酸化チタン(TiO2)粉末、および三酸化二鉄(Fe2O3)の各原料粉末のそれぞれを、上記LSTF酸化物全体を1モルとして、構成元素のLaが0.6モル、Srが0.4モル、Tiが0.1モルおよびFeが0.9モルそれぞれ含まれるように決定された配合比で混合し、当該混合物を適当な方法(例えばプレス成形や押出成形)により成形し、酸化性雰囲気(例えば大気中)または不活性ガス雰囲気下で焼成することにより、所望する形状のターゲット(セラミック体)を得る。また、かかる場合の焼成温度は、典型的には1000℃〜1800℃(好ましくは1200℃〜1600℃)である。
照射エネルギー(エネルギー密度)は、特に限定されないが、一般的なPLD法において用いられている範囲が好適である。例えば、100mJ/cm2〜2000mJ/cm2、好ましくは500mJ/cm2〜1500mJ/cm2、より好ましくは500mJ/cm2〜1000mJ/cm2、例えば800mJ/cm2±100mJ/cm2である。しかしながら、より高いエネルギーを使用可能な装置であれば、さらに高いエネルギーを用いることができる。
このときの雰囲気ガスは、特に限定されない。例えば、酸素ガスや大気等の酸化性ガス、または窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスであってもよい。このうち不活性ガス、特にArガスが好ましい。
かかる酸素分離膜エレメントは、上記酸素イオン伝導膜材からなる酸素分離膜の表面の一部または全体が多孔質支持体によって支持されている。この多孔質支持体が設けられていても、その内部を気体が容易に透過できるので、酸素透過速度を下げることなく酸素分離膜エレメント全体の機械的強度を増すことができる。
多孔質支持体として、従来のこの種の膜エレメントで採用されている種々の性状のセラミック多孔質体を使用できる。また、膜エレメントの使用温度域(通常500℃以上、典型的には800℃〜1000℃)において安定な耐熱性を有する材質から成るものが好ましく用いられる。例えば、ペロブスカイト型構造の酸素分離膜と同様の組成を有するセラミック多孔体、あるいはマグネシア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等を主体とするセラミック多孔体を用いることができる。あるいは、金属材料を主体とする金属質多孔体を用いてもよい。特に限定しないが、使用する多孔質支持体の水銀圧入法に基づく平均細孔径は0.1μm〜20μm程度が適当であり、水銀圧入法に基づく気孔率は5%〜60%程度が適当である。
酸素分離膜エレメントの製造については、例えば、上記酸素イオン伝導性セラミック膜材におけるセラミック膜側の表面に多孔質支持体を従来公知の方法(例えば拡散接合)により貼り合わせるように接合した後、必要に応じて該酸素イオン伝導性セラミック膜材を構成する基板を除去することにより、上記多孔質支持体上にセラミック膜を備えた酸素分離膜エレメントを得ることができる。あるいは、上記基板を除去せずに利用することもできる。例えば、かかる基板として好適例の一つである上記ニッケル製基板を用いた場合には、この基板の表面を酸化処理すると酸化ニッケルが生じる。このような基板を有する酸素分離膜エレメントでは、上記酸化ニッケルが存在する該基板側の表層部が、(例えば炭化水素の)酸化反応を促進する酸化触媒層として機能し得る。したがって、上記基板を酸化触媒層として利用できる構成の好ましい酸素分離膜エレメントを得ることができる。
基板として、ニッケル製の基板であって、その面心立方構造における{100}面が圧延面に平行であり、<001>軸が圧延方向に平行である構造を備えた基板(以下、「Ni{100}<001>基板」という。)を用意した。
次いで、以下のようにターゲットを作製した。すなわち、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δの組成となるような配合比で酸化ランタン(La2O3)粉末、炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、二酸化チタン(TiO2)粉末、およびFe2O3粉末のそれぞれを混合した。次に、この混合物をPLD装置にセット可能な形状に成形し、酸化性雰囲気下(大気中)で、焼成した。焼成温度は1400℃〜1600℃であった。
次に、PLD装置に上記基板およびターゲットを所定位置にセットし、パルスレーザをターゲットに照射した。これにより蒸気化したターゲット成分を上記基板上に堆積させて、セラミック膜を上記基板上に形成した。上記パルスレーザは、波長248nm、パルス幅30nsのKrFレーザを用いた。また、当該レーザのパルスエネルギーは、450mJ/パルス、およびその周波数は30Hzであった。製膜条件は、0.04PaのAr雰囲気下で、エネルギー密度0.8J/cm2で上記レーザを20分間ターゲットに照射した。上記基板は750℃に維持した。上記セラミック膜の膜厚は0.9μmであった。
上記セラミック膜の組成をEDX組成分析により調べたところ、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δのペロブスカイト型酸化物からなることが確認された。
また、このXRD測定により得られたX線回折強度から、Lotgering法を用いて上記セラミック膜の(a00)面および(aa0)面の各配向度[%]を算出した。この結果、(a00)面の配向度は20%、(aa0)面の配向度は25%であった。
以上より、PLD法を用いてNi{100}<001>基板上に形成されたセラミック膜は、(a00)面および(aa0)面に配向したLSTF酸化物からなることがわかった。
基板として、チタン酸ストロンチウム製の基板であって、そのペロブスカイト型構造における(100)面に配向している基板(以下、「SrTiO3(100)基板」という。)を用いた。それ以外は、上記実施例1と同じ手順で、PLD法を用いてSrTiO3(100)基板上にセラミック膜を形成した。また、得られた膜材において、上記基板側にLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δのペロブスカイト型酸化物(LSTF酸化物)からなる板状の多孔質支持体を拡散接合により接合した。
上記セラミック膜の組成をEDX組成分析により調べたところ、実施例1と同様に、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δのペロブスカイト型酸化物からなることが確認された。
また、このXRD測定により得られたX線回折強度から、Lotgering法を用いて上記セラミック膜の(a00)面の配向度[%]を算出した結果、(a00)面の配向度は100%であった。
以上より、PLD法を用いてSrTiO3(100)基板上に形成されたセラミック膜は、(a00)面に配向したLSTF酸化物からなることがわかった。
まず、多孔質支持体を作製した。すなわち市販のLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δ粉末(平均粒径約50μm)に、一般的なバインダおよび分散剤を適量添加して、これらを混練した。次に、かかる混練物をプレス成形により外径約20mmで厚さが3mm程度の円筒形状に成形し、1400℃で焼成した。これにより、La0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δ製の多孔質支持体(以下、「LSTF支持体」という。)を作製した。
次に、市販のLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δ粉末(平均粒径約1μm)に一般的なバインダ、分散剤、可塑剤および溶媒をそれぞれ適量ずつ混合し、かかるスラリー状の混合物中に上記LSTF支持体を浸漬して、ディップコーティングした。そして、80℃で乾燥した後、大気雰囲気で1400℃まで昇温し、当該温度で3時間保持する焼成をおこなった。これにより、LSTF支持体上にLa0.6Sr0.4Ti0.1Fe0.9O3−δ膜(LSTF膜)を形成した。
Claims (7)
- 基板と、該基板上に形成された酸素イオン伝導体からなるセラミック膜とを備えた酸素イオン伝導性セラミック膜材の製造方法であって:
前記基板を用意する工程、ここで、該基板は、所定の結晶面に配向した金属材料またはセラミック材料からなることを特徴とする;
前記セラミック膜を構成するための原料を用意する工程、ここで、該セラミック膜は、一般式:
A1−xAexBO3−δ (1)
(ただし、Aは、Ln(ランタノイド)から選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、少なくともFeおよびTiを包含するペロブスカイト型構造を構成し得る2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなることを特徴とする;および、
蒸着法により、前記基板の前記結晶面上に前記セラミック膜を配向度が20%以上となるように結晶配向させた状態で形成する工程、ここで前記蒸着法は、パルスレーザアブレーション堆積法およびイオンビーム蒸着法のいずれか一方であることを特徴とする;
を包含する、製造方法。 - 前記蒸着法は、パルスレーザアブレーション堆積法であって、1×10−6Pa〜1×103Paの不活性ガス雰囲気下、周波数が1Hz〜100Hzで、エネルギー密度が100mJ/cm2〜2000mJ/cm2のパルスレーザを用いて行う、請求項1に記載の製造方法。
- 前記基板として、ニッケル製の基板であって、その{100}面が圧延面に平行であり<001>軸が圧延方向に平行である構造を備えた基板を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記基板として、チタン酸ストロンチウム製の基板であって、そのペロブスカイト型構造の(100)面に配向している基板を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする、酸素イオン伝導性セラミック膜材。
- ニッケル製の基板であって、{100}面が圧延面に平行であり<001>軸が圧延方向に平行である構造を備えたニッケル製の基板と、該基板の{100}面上に形成された酸素イオン伝導体からなるセラミック膜とを備えた酸素イオン伝導性セラミック膜材であって、
前記セラミック膜は、
一般式:
A1−xAexBO3−δ (1)
(ただし、Aは、Ln(ランタノイド)から選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、少なくともFeおよびTiを包含するペロブスカイト型構造を構成し得る2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなり、
(a00)面または(aa0)面(ここで、aは1以上の整数である。)に配向度が20%以上で配向していることを特徴とする、酸素イオン伝導性セラミック膜材。 - チタン酸ストロンチウム製の基板であってペロブスカイト型構造の(100)面に配向している基板と、該基板の(100)面上に形成された酸素イオン伝導体からなるセラミック膜とを備えた酸素イオン伝導性セラミック膜材であって、
前記セラミック膜は、
一般式:
A1−xAexBO3−δ (1)
(ただし、Aは、Ln(ランタノイド)から選択される少なくとも1種の元素であり、Aeは、Sr、BaおよびCaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、Bは、少なくともFeおよびTiを包含するペロブスカイト型構造を構成し得る2種以上の金属元素であり、0≦x≦1であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で表わされるペロブスカイト型の酸素イオン伝導体からなり、
(a00)面(ここで、aは1以上の整数である。)に配向度が20%以上で配向していることを特徴とする、酸素イオン伝導性セラミック膜材。
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