[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3587956B2 - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3587956B2
JP3587956B2 JP15241097A JP15241097A JP3587956B2 JP 3587956 B2 JP3587956 B2 JP 3587956B2 JP 15241097 A JP15241097 A JP 15241097A JP 15241097 A JP15241097 A JP 15241097A JP 3587956 B2 JP3587956 B2 JP 3587956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
nickel
layer
polycrystalline metal
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15241097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH113620A (ja
Inventor
要 松本
直巳 腰塚
靖三 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
International Superconductivity Technology Center
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
International Superconductivity Technology Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD., International Superconductivity Technology Center filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP15241097A priority Critical patent/JP3587956B2/ja
Priority to US09/088,915 priority patent/US6226858B1/en
Priority to EP98110409A priority patent/EP0884787B1/en
Priority to DE69841032T priority patent/DE69841032D1/de
Publication of JPH113620A publication Critical patent/JPH113620A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3587956B2 publication Critical patent/JP3587956B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
    • H10N60/0296Processes for depositing or forming copper oxide superconductor layers
    • H10N60/0576Processes for depositing or forming copper oxide superconductor layers characterised by the substrate
    • H10N60/0632Intermediate layers, e.g. for growth control
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S505/00Superconductor technology: apparatus, material, process
    • Y10S505/70High TC, above 30 k, superconducting device, article, or structured stock
    • Y10S505/701Coated or thin film device, i.e. active or passive
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S505/00Superconductor technology: apparatus, material, process
    • Y10S505/70High TC, above 30 k, superconducting device, article, or structured stock
    • Y10S505/704Wire, fiber, or cable
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49014Superconductor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物超電導体を用いた超電導線材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物超電導体を用いた超電導線材の製造方法としては、主として次の2つの方法に分類される。第1の方法は、多結晶の金属シース中に酸化物超電導粉末を充填し、これに伸線加工または圧延加工を施して、テープ状線材とするものである。この方法によれば、金属シース内部に充填された超電導粉末は、加工によって金属シースとともに引き延ばされ、連続的で一様な超電導テープの前駆体が形成される。この前駆体に、加工中または加工後に適当な熱処理を施すことによって、酸化物超電導粉末を反応させ、酸化物超電導テープ状線材が得られる。
【0003】
この手法により得られた超電導テープ状線材の典型例として、Bi系酸化物超電導体(Bi2212、Bi2223)を多結晶の銀あるいは銀合金のシースで接合被覆した超電導テープ線材が挙げられる(文献:ISTEC Journal,vol.8、N0.2、I995、pp.46−51)。この線材は、酸化物超電導体のc軸の結晶配向度が90%程度、a軸、b軸の結晶整合性が60%以下と悪い。その結果として、例えばBi2223系線材の77K、ゼロテスラにおける臨界電流密度J は、高々4〜6×10 A/cm 程度である。但し、この線材の製造方法は、製造速度が100m/hと早いため、工業的に魅力がある方法といえる。
【0004】
第2の方法は、長尺の金属テープ上に結晶配向制御した中間層を設け、その上に酸化物超電導体を成膜するものである。この方法では、特に中間層が重要な役割を果たしている。すなわち、中間層は成膜中の金属層と酸化物超電導層間の拡散反応を抑制するだけでなく、結晶配向制御されていることから、その上に成膜した酸化物超電導層の配向性も容易に制御することができるという特徴を有している。その結果、結晶粒間の結合性が向上し、従来の方法では得られなかった高い臨界電流密度が容易に得られるようになる。
【0005】
この手法により得られた超電導テープ状線材の典型例は、ハステロイ合金テープ上に、イオンビームアシステッドデポジシヨン(IBAD)法などにより結晶配向制御した安定化ジルコニア(YSZ)をc軸配向およびa,b軸整合(面内配向)成膜し、その上にレーザーアブレーション法によりY123(YBa Cu7−y )系酸化物超電導薄膜を成膜して得たテープ状線材が挙げられる。このテープ状線材は、a,b軸の結晶整合度が高いため、J は、77K、ゼロテスラにおいて0.5〜1.0×10 A/cm に達する。
【0006】
しかし、このプロセスの欠点は、成膜速度が0.001〜0.01m/hと極めて遅く、長尺の線材を製造するには工業的には問題が多いことである(文献:Y.Iijima et al.,Appl.Phys.Lett.vol.60(1992)769)。
【0007】
また、同様の例として、RABiTS法と呼ばれる方法がある(文献:D.P.Norton et al.,Science vol.274(1996)755)。この方法は、ニッケル金属に圧延加工と熱処理を加えていわゆる集合組織化したニッケルテープとし、この上にAgやPd等を電子ビーム蒸着したり、あるいはCeO やYSZなどをスパッ夕法などを用いて成膜して面内配向した中間層を形成し、その後さらにその上に、レーザーアブレーション法によりY123系薄膜を成膜する方法である。この方法により得たテープ状線材も、a,b軸の結晶整合度が高いため、77K、ゼロテスラにおいて0.7×1O A/cm に達するJ が得られている。
【0008】
しかし、このプロセスは、中間層の形成に複雑な繰り返し薄膜形成が必要であり、コストが高くなり、かつ線材としての製造速度が低く、実用線材の製造プロセスとしては問題が多い。また、以上の方法は、超電導膜のJ 自体は高いが、膜厚を厚くしていくと膜質が劣化したり、膜にクラックが発生するという問題が発生し、I を大きくするのに難点がある。
【0009】
ニッケルテープや銅テープを酸化処理して、金属表面上にその酸化物層を形成し、これを中間層として、この上に酸化物超電導層を成膜した例も報告されている(文献:A.Ginsbach et al.,Physica CI85−189(1991)2111)。この方法は、金属テープを酸化するだけで金属テープ表面に酸化膜を形成し、これを前述のYSZやCeO などと同等の中間層とすることをねらったもので、大量生産に適しており、実用的な方法と言うことが出来る。
【0010】
しかしながら、この方法では、酸化物結晶の配向性を向上させることは考慮されておらず、その結果、この酸化物層上にスパッター法を用いて成膜された酸化物超電導層のJ は、高々1×10 A/cm 程度であり、前述の高配向テープ線材に比べて三桁程度J が低くなっている。
【0011】
更には、Agに圧延加工と熱処理を加えることによって集合組織となし、この上に直接酸化物超電導層を成膜させるという方法も提案されている(文献:ISTECJournal vol.8、No.2、1995、pp.44−46)。この方法によると、最終的には面内配向したAgの{1OO}面が得られる。Agの格子定数は約4.09オングストロームであり、酸化物超電導結晶のc軸の格子定数に近く、このような結晶面に酸化物超電導を気相成長させると、エピタキシャル膜が得られることが報告されている。
【0012】
この方法により得たテープ線材は、タリウム系酸化物超電導体を用いた場合で、77K、ゼロテスラにおいて1〜10×10 A/cm 程度のJ を有するが、本質的にAgは集合組織化し難く、さらなる配向性の向上には限界がある。また、Ag自体の融点が大気中で960℃程度と酸化物超電導体の融点に近いため、1000℃に近い高温を必要とする液相エピタキシャル法(文献:ISTECJournal vol.8、No.2、1995、pp.18−22)などの成膜法では、Agが溶融してしまう恐れがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の中で、Bi2223系の超電導物質を用いた超電導線材は、77KでのJ が低いという問題があり、77Kで作動する超電導機器への利用が制限されていた。また、Y123系テープ状線材作製のためのIBAD法などでは、結晶の方位をそろえたYSZ中間層を作製する際に,真空を必要とするプロセスを用いなければならないことと、気相法に基づいているため成膜速度が遅く、かつ膜厚を厚くしていくと結晶性が低下し、J が低くなるという問題点があり、これらの技術を用いて実用の長尺テープ状線材を作製することは非常に困難である。
【0014】
一方、従来のニッケルや銅を酸化して金属表面に形成される酸化物層を中間層とする方法では、Y123系結晶の配向性を得ることが難しく、J を向上させることができないという難点がある。また、銀の集合組織を利用する方法も、本質的に高配向の銀の集合組織を得ることは困難であり、J を大きくすることができないと言う難点がある。更に、銀の融点が低いことから高温を必要とする成膜法の適用は不可能であり、またAgが軟化しやすいため、線材としての強度を得ることができず、その使用には制限がある。
【0015】
本発明は、上記事情の下になされ、高い臨界電流密度の超電導体膜を有する酸化物超電導線材を提供することを目的とするにある。
本発明の他の目的は、高い臨界電流密度の超電導体膜を有する酸化物超電導線材を、従来よりも簡便に、かつ速い製造速度で製造することを可能とする酸化物超電導線材の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明(請求項1)は、{100}面が圧延面に平行で<001>軸が圧延方向に平行な圧延集合組織を有する多結晶金属基板と、この多結晶金属基板の表面に形成された前記多結晶金属の酸化物からなる酸化物結晶層と、この酸化物結晶層の表面に形成された酸化物超電導体層とを具備し、前記酸化物結晶層の90%以上の{100}面が前記多結晶金属基板の表面に対して10°以下の角度で平行であることを特徴とする超電導線材を提供する。
【0017】
本発明(請求項2)は、上述の超電導線材(請求項1)において、前記多結晶金属が、ニッケルまたはニッケルを主成分とするニッケル合金であり、前記酸化物が、ニッケル酸化物を主成分とするものであることを特徴とする。
【0018】
本発明(請求項3)は、上述の超電導線材(請求項1)において、前記多結晶金属が、銅または銅を主成分とする銅合金であり、前記酸化物が、銅酸化物を主成分とするものであることを特徴とする。
【0019】
本発明(請求項4)は、上述の超電導線材(請求項1)において、前記多結晶金属が、ニッケルとニッケル合金、ニッケルと銅、またはニッケルと銅合金の複合材料であり、その最外層がニッケルであることを特徴とする。
【0020】
本発明(請求項5)は、上述の超電導線材(請求項1〜4)において、前記酸化物結晶層上に、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化セリウム(CeO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 、および酸化マグネシウム(MgO)からなる群から選ばれた酸化物層が更に形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明(請求項6)は、多結晶金属基板に圧延加工を施す工程と、この圧延加工を施された多結晶金属基板を、非酸化雰囲気中において900℃以上の温度に加熱して、{100}面が圧延面に平行で<001>軸が圧延方向に平行に配向した(以下、{100}<001>方位という)圧延集合組織とする工程と、この圧延集合組織とされた多結晶金属基板を、酸化雰囲気中において1000℃以上の温度に加熱して、90%以上の{100}面が前記多結晶金属基板の表面に対して10°以下の角度で平行となるように配向した、前記多結晶金属の酸化物からなる酸化物結晶層を形成する工程と、この酸化物結晶層上に酸化物超電導体層を形成する工程とを具備することを特徴とする超電導線材の製造方法を提供する。
【0022】
なお、この製造方法によれば、90%以上の{100}面が前記多結晶金属基板の表面に対して10°以下の角度で平行となるように配向した多結晶金属の酸化物からなる酸化物結晶層を形成し易い。
【0023】
本発明(請求項7)は、上述の超電導線材の製造方法(請求項6)において、前記酸化物結晶層上への酸化物超電導体層の形成は、レーザアブレーション法により行われることを特徴とする。
【0024】
本発明(請求項8)は、上述の超電導線材の製造方法(請求項6)において、前記酸化物結晶層上への酸化物超電導体層の形成は、液相エピタキシャル法により行われることを特徴とする。
【0025】
以上のように構成される本発明に係る超電導線材において、多結晶金属基板を構成する金属としては、高融点を有し、加工性に優れ、かつ集合組織化し易い材料であればよい。そのような金属として、例えば、ニッケル、銅、コバルト、クロム、マグネシウムなどがあげられる。また用途によっては、ニッケルにクロム、バナジウム、シリコン、アルミニウム、亜鉛、または銅などの元素を添加してニッケルの磁性を低減し、かつ加工性を改良したニッケル合金を用いても良い。
【0026】
また、上述の金属および合金を複合材料化したものでも良い。複合材料としては、例えば、ニッケル/ニッケル合金、ニッケル/銅、ニッケル/銅合金が挙げられる。この場合、ニッケルの配合集合組織を利用するため、最外層がニッケルであることが好ましい。
【0027】
多結晶金属基板は、圧延加工と熱処理により、{100}なる結晶面、<001>なる結晶軸を有する立方体集合組織とされている。熱処理は、非酸化雰囲気中で、900℃以上、好ましくは900℃〜1100℃の温度で行われる。熱処理温度が900℃未満では、明瞭な{100}<001>方位とならないので、好ましくない。
【0028】
多結晶金属基板上に形成された酸化物結晶層は、以上の金属の酸化物からなり、多結晶金属基板の材質に対応して、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(Cu O)、酸化コバルト(CoO)、酸化クロム(Cr )、酸化マグネシウム(MgO)などが用いられる。酸化物結晶層は、酸化雰囲気中で、1000℃以上、好ましくは1000℃〜1300℃の温度で熱処理することにより形成することが出来る。熱処理温度が1000℃未満では、酸化物結晶の90%以上の{100}面が多結晶金属基板の表面に対して10°以下の角度で平行であるような酸化物結晶を得ることが出来ず、その結果、高い臨界電流密度を得ることが出来ない。
【0029】
このように、多結晶金属基板を酸化雰囲気中で熱処理すると、多結晶金属基板の表面の影響を受けて、酸化物結晶の90%以上の{100}面が多結晶金属基板表面に対して10°以下の角度で、ほぼ平行である酸化物結晶層が形成される。なお、酸化物結晶層の厚さは、1〜300μm程度であるのが好ましい。
【0030】
酸化物結晶層上に形成される酸化物超電導体としては、、ペロブスカイト型構造を有するもので超伝導状態を実現できるものであればよく、そのようなものとして、例えば希土類元素を含有するREBa2 Cu3 7-y 系(REは、La、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類から選ばれた少なくとも1種の元素を、yは酸素欠損を表し、通常は1以下の数)の酸化物超電導体が挙げられる。
【0031】
なお、必要に応じて、酸化物超電導体層の形成前に、結晶整合性などを考慮して、酸化物結晶層上に、YSZ、CeO 、SrTiO 、またはMgOなどの酸化物層を、第2の中間層として成膜しても良い。この場合、第2の中間層も、下地である多結晶金属基板表面の影響を受けて、高配向の結晶層が容易に形成され得る。第2の中間層の膜厚は、0.05〜5μm程度が好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示し、本発明をより具体的に説明する。
本発明において、多結晶金属基板に形成された酸化物結晶層酸化物表面への超電導体層の成膜は、レーザーアブレーション法や液相エピタキシャル法等により行うことが出来る。
【0033】
一般に、レーザーアブレーション法では、酸化物超電導体の高速成膜が可能であるが、高品質の膜を形成するためには、基板を700〜800℃程度の高温に保つ必要がある。また、さらに高速成膜が可能な液相エビタキシャル法などでは、基板が900〜1000℃の高温融液に浸されるため、融点の低い金属基板上に直接酸化物超電導層を成膜するのは困難である。そこで、基本的には酸化物超電導体の融点以上の融点を有する金属基板が必要になる。
【0034】
また、一般に金属は、酸化雰囲気において急速に酸化されるため、酸化物超電導体層と金属基板との間に拡散障壁層を中間層として形成しておくことが必要である。更に、中間層上に酸化物超電導体層を形成するためには、結晶学的整合性が必要なため、中間層としては、適切な格子定数を有する特定の配向結晶が必要となる。
【0035】
以上の要件を満たす金属材料としては、まずニッケルを挙げることができる。ニッケルを高温において酸化すると、単純構造の酸化ニッケル(NiO)のみが形成される。これは、MgOなどと同様に安定な酸化物であって、立方晶をなし、その格子定数も4.16オングストロームとMgOに近い。本発明では、ニッケルのような高融点金属を利用する。
【0036】
本発明者らは、例えば上述したニッケル金属基板に圧延加工と非酸素雰囲気下での熱処理とを施すと、{100}<001>方位の立方体集合組織ができ、これに、続いて1000℃以上の高温下で酸化熱処理を施すと、ニッケル金属基板の{100}面上に、この下地面の影響を受けて、ニッケル金属基板表面に対して{100}面がほぼ平行となる、緻密で平滑なNiO層が短時間で形成されることを見出した。また、本発明者らは、形成されたNiO結晶は、面内においても高度に配向していることを見出した。この事実は、酸化物超電導体のJ を向上させる点において有利に働いている。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0037】
NiOの融点は2000℃にも達するため、800〜1000℃程度の温度領域では極めて安定であり、一度NiO層が形成されてしまうと、その後は拡散障壁として作用するため、ニッケル金属基板の酸化速度は急速に低下する。また、NiO中のニッケルの拡散も極めて遅いため、酸化物超電導体層の形成時の酸化物超電導体層へのニッケルの拡散も無視できるレベルに抑えられる。
【0038】
形成されたニッケル金属基板上のNiO層は、これまで述べてきた他の手法において用いられる中間層と同様に、拡散障壁および酸化物超電導体層形成のための優れた配向基板として用いることができる。しかし、本発明の特筆すべき点は、集合組織化した金属基板を酸化雰囲気中で酸化処埋することだけで、特定の結晶方向に強く配向した酸化物中間層を得ることができるという点である。
【0039】
これは、従来法のように、真空が必要ではなく、また数10分〜数時間程度の熱処理でよいので、長尺の金属基板をーつの電気炉で同時に処理することができ、従って、他の方法に比べて極めて短時間に大量の長尺金属基板テープを作製することが可能である。このため、本発明により得た酸化物中間層を有する金属基板は、大量生産に向いており、実用的な線材用途の金属基板として好適に用いることができる。
【0040】
また、上述したように、必要に応じて、結晶整合性を制御したり、結晶配向性を制御したい場合には、NiO層上にさらにYSZ、CeO 、SrTiO 、あるいはMgOなどの酸化物からなる第2の中間層を成膜してもよい。成膜方法としては、レーザーアブレーション法、スパッタ法、化学気相蒸着法などを挙げることができる。
【0041】
更に、上述したように、ニッケルの磁性による交流損失を低減したい場合には、ニッケルにクロム、バナジウム、シリコン、アルミニウム、亜鉛、または銅などの元素を添加してニッケルの磁性を低減し、かつ加工性を改良したニッケル合金を用い、この合金そのものから出発して集合組織化とNiO層の形成を行っても良い。
【0042】
更にまた、ニッケルと、他の金属や上述の合金(ニッケル−クロム、ニッケル−バナジウム、ニッケル−シリコン、ニッケル−アルミニウム、ニッケル−亜鉛、ニッケル−銅等々)とを複合化し、NiO層形成時の熱処理中に拡散によってニッケルを合金化し、磁性を低減する手段を講じてもよい。この場合は、ニッケル層は最外層になるように複合化する必要がある。
【0043】
以上の方法は、ニッケル以外の金属、すなわち銅、コバルト、クロム、マグネシウム等を用いても同様の効果を得ることができる。
このように、本発明によれば、簡単な手法により、所定の結晶方位に配向された多結晶金属基板上に極めて高度に配向された中間層を設けることが可能となり、このような中間層を形成することにより、レーザーアブレーシヨン法や液相エピタキシャル法などのような酸化物超電導体の融点近傍という高温を必要とする作製プロセスも採用可能であり、それによって、高い臨界電流密度の超電導体膜を有する酸化物超電導線材を、従来よりも簡便に、かつ速い製造速度で製造することが可能となる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の種々の実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
最初に、立方体集合組織を有するニッケルテープを作製した。即ち、直径10mmの市販のニッケル(99.9%純度)棒に圧延加工を施して、厚さ0.15mmまで薄くし、テープを得た。このテープをアルゴン雰囲気中において900〜1000℃で1〜2時間アニールした。X線回折によりニッケルの結晶方位を調べたところ、90%以上の結晶粒の{100}面がテープ面に平行で、かつ<001>軸が圧延方向に平行に揃っている、集合組織となっていることが確認できた。
【0045】
続いて、このテープを酸素雰囲気中において、800〜1300℃の範囲で温度を変化させ、1〜2時間の酸化処理を施し、ニッケルテープ表面上にNiO層を形成した。低温熱処理の場合、<111>、<110>、<001>軸の混在したNiO層が成長するが、1000℃以上になると、<001>軸のみが発達し、90%以上のNiO結晶の{100}面がニッケル表面に対して10°以下で平行となった配向結晶が得られた。得られた典型的なX線回折パターンを図1に示す。
【0046】
また、この方法で得られた<001>軸配向したNiO結晶の極点図を測定すると、面内においても高度に配向した結晶となっていることが確認された。典型的な極点図の例を図2に示す。
【0047】
次に、形成されたNi/NiOテープの{100}面に、KrFエキシマレーザーを用いたレーザーアブレーシヨン法により、Y123酸化物超電導層を形成した。酸化物超電導層の成膜に際しては、基板温度を600〜800℃、雰囲気ガスとしての酸素ガス圧力を1〜200mTorrの範囲で変えて、Y123酸化物を0.4μmの厚さに堆積した。この時のレーザーのエネルギー密度は、2〜3J/cm 、レーザーの繰り返し周波数は5〜15へルツとした。
【0048】
得られたY123酸化物超電導層は、テープ全体にわたってc軸をテープ面に垂直に向けた配向を示した。また、面内ではa,b軸が配向する傾向を示した。また、Y123酸化物結晶の配向性は、下地のNiO結晶の配向性に大きく依存していた。
【0049】
種々の酸化熱処理温度において形成したNiO結晶上にY123酸化物超電導層を成膜してなるテープ線材の77K、ゼロテスラでのJ を測定したところ、下記表1に示す結果を得た。
【0050】
【表1】
Figure 0003587956
【0051】
上記表1から、J は、NiO結晶の形成温度に大きく依存していることがわかった。また、1000℃以上の酸化熱処理温度でNiO結晶を形成した場合には、従来のIBAD法やRABiTS法で得られた値と同等のJ が得られることがわかる。
【0052】
実施例2
実施例1と同様にして、立方体集合組織を有するNi/NiOテープを作製した。次に、作製されたNi/NiOテープ上に、液相エビタキシャル法により酸化物超電導層を形成した。即ち、まずレーザーアブレーション法によって、配向結晶成長したNiOの{100}面上に、種結晶としてY123層を成膜した。その後、液相エビタキシャル法によってY123層を3μmの厚さに成膜した。この時の成膜温度は920〜960℃、成膜時間は2分とした。
【0053】
このようにして得られた酸化物超電導層の結晶方位をX線回折により解析したところ、いずれも酸化物超電導体のc軸がテープ面に平行に配向していた。また、酸化物超電導体の面内配向性をX線回折の極点図から解析したところ、いずれも面内配向の傾向を示していた。このテープ線材の77K、ゼロテスラにおけるJ を測定したところ、0.15×10 A/cm と高い値を示した。
【0054】
実施例3
実施例1と同様にして、図1に示すように、Ni基板1とその上に形成されたNiO層2とからなる、立方体集合組織を有するNi/NiOテープを作製した。次に、作製されたNi/NiOテープのNiO層2の{100}面上に、スパッタ法により、YSZ層3を0.2μmの厚さに成膜した。その後、KrFエキシマレーザーを用いたレーザーアブレーション法により、Y123酸化物超電導層4を形成した。
【0055】
酸化物超電導層4の成膜に際しては、基板温度を600〜800℃、雰囲気ガスとしての酸素ガス圧力を1〜200mTorrの範囲で変えて、Y123酸化物層4を0.4μm堆積した。この時のレーザーのエネルギー密度は、2〜3J/cm 、レーザーの繰り返し周波数は5〜15へルツとした。
【0056】
得られたY123酸化物超電導層4は、テープ全体にわたってc軸をテープ面に垂直に向けた配向を示した。また、面内ではa,b軸が配向していた。このテープ線材の77K、ゼロテスラでのJ を測定したところ、0.6×10 A/cm であり、従来のIBAD法やRABiTS法で得られた値と同等のJ が得られた。
【0057】
実施例4
実施例1と同様にして、立方体集合組織を有するNi/NiOテープを作製した。次に、作製されたNi/NiOテープの配向NiO層の{100}面上に、スパッタ法により、MgOを0.5μmの厚さに成膜した。続いて、レーザーアブレーション法により、NiO層の{100}面上に、種結晶としてY123層を成膜した。その後、液相エピタキシャル法により、Y123層を3μmの厚さに成膜した。この時の成膜温度は、920〜960℃とした。
【0058】
以上により得られた酸化物超電導層の結晶方位をX線回折により解析したところ、いずれも酸化物超電導体のc軸がテープ面に平行に配向していた。また、酸化物超電導体の面内配向性をX線回折の極点図から解析したところ、いずれも面内配向しており、このテープ線材の77KにおけるJ は、ゼロテスラで0.2×10 A/cm であった。
【0059】
実施例5
最初に、立方体集合組織を有する銅テープを作製した。即ち、直径10mmの市販の銅(99.9%純度)棒に圧延加工を施して、厚さ0.15mmまで薄くし、テープを得た。このテープをアルゴン雰囲気中において500〜1000℃で1時間アニールした。X線回折により銅の結晶方位を調べたところ、約95%以上の結晶粒の{100}面がテープ面に平行で、かつ<100>軸が圧延方向に平行に揃った集合組織となっていることが確認できた。
【0060】
続いて、このテープを、酸素雰囲気中において500〜800℃で1時間の酸化処理を施し、銅テープ表面上にCu O層を2μmの厚さに形成した。得られたCu/Cu 0テープの{100}面上に、KrFエキシマレーザーを用いたレーザーアブレーシヨン法により、実施例1と同様にしてY123酸化物超電導層を0.4μmの厚さに形成した。
【0061】
このテープ線材の77K、ゼロテスラにおけるJ を測定したところ、0.1×10 A/cm であった。
実施例6
直径20mmのニッケルパイプに銅を挿入し、これをスエージング加工と圧延加工によって、厚さ0.2mmのニッケル/銅複合テープを作製した。このテープをアルゴン雰囲気中において900℃で1時間アニールして、ニッケル/銅−ニッケル合金/銅複合テープとした。銅ニッケル合金層は、熱処理中に拡散によって形成された層である。
【0062】
X線回折により最外層のニッケル層の結晶方位を調べたところ、約95%以上の結晶粒の{100}面がテープ面に平行で、かつその<100>軸方位が圧延方向に平行に揃っていることが確認できた。続いて、このテープを酸素雰囲気中において1000〜1200℃で0.5〜1時間の酸化処理を施し、ニッケル表面にNiO層を形成した。得られたNiO結晶は、その{100}面が下地表面に対して平行となった配向結晶であった。また、X線極点図を測定したところ、面内においても高度に配向した結晶となっていることが確認された。
【0063】
その後、KrFェキシマレーザーを用いたレーザーアブレーション法により、Y123酸化物超電導層をNiO層上に形成した。薄膜作製においては、基板温度を600〜800℃、雰囲気ガスとしての酸素ガス圧力を1〜200mTorrの範囲で変えて、Y123酸化物超電導層を0.4μmの厚さに堆積した。この時、レーザーのエネルギー密度は2〜3J/cm 、レーザーの繰り返し周波数は5〜15へルッとした。
【0064】
得られたY123酸化物超電導薄膜は、テープ全体にわたってc軸をテープ面に垂直に向けた配向を示した。また面内ではa,b軸が配向していた。Y123層より下層の下地の構成を調べたところ、銅とニッケルの拡散によって純ニッケル層は存在せず、全て銅−ニッケル合金となっていた。
【0065】
この線材の77K、ゼロテスラにおけるJ を測定したところ、0.3×10 A/cm であり、従来のIBAD法やRABiTS法で得られた値と同等のJ が得られた。また、この線材の磁化測定により交流損失を評価したところ、純ニッケルのみを用いた超電導線材に比べて、損失が1/10以下に低減していることが確認された。これは、ニッケルが銅と合金化して強磁性が低減したためである。
【0066】
実施例7
直径20mmのニッケルパイプにニッケル−20%クロム合金を挿人し、これをスエージング加工と圧延加工によって、厚さ0.2mmのニッケル/ニッケル−クロム合金複合テープを作製した。このテープをアルゴン雰囲気中において900℃で1時間アニールした。X線回折により、最外層のニッケル層の結晶方位を調べたところ、約95%以上の結晶粒の{100}面がテープ面に平行で、かつその<100>軸方位が圧延方向に平行に揃っていることが確認できた。
【0067】
続いて、このテープを酸素雰囲気中において1000〜1200℃で0.5〜1時間の酸化処理を施し、ニッケル表面上にNiO層を形成した。得られたNiO結晶の{100}面は、下地表面に対して平行となった配向結晶であった。またX線極点図を測定したところ、面内においても高度に配向した結晶となっていることが確認された。
【0068】
その後、実施例6と同様にして、KrFエキシマレーザーを用いたレーザーアブレーション法によりY123酸化物超電導層を0.4μmの厚さで、NiO層上に形成した。得られたY123酸化物超電導薄膜は、テープ全体にわたってc軸をテープ面に垂直に向けた配向を示した。また、面内ではa,b軸が配向していた。
【0069】
更に、Y123層より下層の下地の構成を調べたところ、ニッケルとクロムの拡散によって純ニッケル層は存在せず、全てニッケルークロム合金となっており、NiO層内の一部にはクロム酸化物とニッケルークロム酸化物が生じていたことがわかった。また、このテープ線材の77K、ゼロテスラにおけるJ を測定したところ、0.4×10 A/cm であった。
【0070】
磁化測定により線材の交流損失を評価したところ、純ニッケルのみを用いた超電導線材に比べて損失が1/50〜1/100以下に低減していることが確認された。これは、ニッケルがクロムと合金化して強磁性が低減したことによる。
【0071】
比較例
実施例1と同様にして、ニッケルテープを作製した。即ち、直径10mmの市販のNi(99.9%純度)棒に圧延加工を施して、厚さ0.15mmまで薄くし、テープを得た。このテープをアルゴン雰囲気中において1000℃で3時間アニールした。X線回折によりニッケルの結晶方位を調べたところ、約95%以上の結晶粒の{100}面がテープ面に平行で、かつその<100>軸方位が圧延方向に平行に揃っていることが確認できた。
【0072】
続いて、このテープ上にNiO層を作製することなく、実施例1と同様のレーザーアブレーシヨン法によってY123酸化物超電導体を0.4μmの厚さに形成した。得られたY123超電導薄膜は、テープ全体にわたってc軸配向は示すものの、面内配向は得られなかった。この膜の77K、ゼロテスラのJ を測定したところ、3×10 A/cm と低い値であった。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧延加工と熱処理とにより所定の結晶方位に配向された多結晶金属基板の表面に、酸化熱処理によって極めて高度に配向された酸化膜を形成し、この酸化膜上に酸化物超導電体層を形成することにより、レーザーアブレーシヨン法や液相エピタキシャル法などのような酸化物超電導体の融点近傍という高温を必要とする作製プロセスも採用可能であり、それによって、高い臨界電流密度の超電導体膜を有する酸化物超電導線材を、従来よりも簡便に、かつ速い製造速度で製造することが可能となる。
また、多結晶金属基板として複合材料や合金を用いることにより、金属単体からなる基板が有する磁性を低減し、交流損失を低下させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得たNi/NiOテープのX線回折パターンを示す図。
【図2】本発明の一実施例において得たNi/NiOテープのNiO結晶(111)面の極点図。
【図3】本発明の他の実施例に係る酸化物超電導テープを示す断面図。
【符号の説明】
1…Ni基板
2…NiO層
3…YSZ層
4…Y123層

Claims (8)

  1. {100}面が圧延面に平行で<001>軸が圧延方向に平行な圧延集合組織を有する多結晶金属基板と、この多結晶金属基板の表面に形成された前記多結晶金属の酸化物からなる酸化物結晶層と、この酸化物結晶層の表面に形成された酸化物超電導体層とを具備し、前記酸化物結晶層の90%以上の{100}面が前記多結晶金属基板の表面に対して10°以下の角度で平行であることを特徴とする超電導線材。
  2. 前記多結晶金属が、ニッケルまたはニッケルを主成分とするニッケル合金であり、前記酸化物が、ニッケル酸化物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
  3. 前記多結晶金属が、銅または銅を主成分とする銅合金であり、前記酸化物が、銅酸化物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
  4. 前記多結晶金属が、ニッケルとニッケル合金、ニッケルと銅、またはニッケルと銅合金の複合材料であり、その最外層がニッケルであることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
  5. 前記酸化物結晶層上に、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化セリウム(CeO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 、および酸化マグネシウム(MgO)からなる群から選ばれた酸化物層が更に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の超電導線材。
  6. 多結晶金属基板に圧延加工を施す工程と、この圧延加工を施された多結晶金属基板を、非酸化雰囲気中において900℃以上の温度に加熱して、{100}面が圧延面に平行で<001>軸が圧延方向に平行な圧延集合組織とする工程と、この圧延集合組織とされた多結晶金属基板を、酸化雰囲気中において1000℃以上の温度に加熱して、前記多結晶金属の酸化物からなる酸化物結晶層を形成する工程と、この酸化物結晶層上に酸化物超電導体層を形成する工程とを具備することを特徴とする超電導線材の製造方法。
  7. 前記酸化物結晶層上への酸化物超電導体層の形成は、レーザアブレーション法により行われることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材の製造方法。
  8. 前記酸化物結晶層上への酸化物超電導体層の形成は、液相エピタキシャル法により行われることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材の製造方法。
JP15241097A 1997-06-10 1997-06-10 酸化物超電導線材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3587956B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15241097A JP3587956B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 酸化物超電導線材およびその製造方法
US09/088,915 US6226858B1 (en) 1997-06-10 1998-06-02 Method of manufacturing an oxide superconductor wire
EP98110409A EP0884787B1 (en) 1997-06-10 1998-06-08 Oxide superconductor wire and method of manufacturing the same
DE69841032T DE69841032D1 (de) 1997-06-10 1998-06-08 Oxydsupraleitender Draht und Verfahren zu dessen Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15241097A JP3587956B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 酸化物超電導線材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH113620A JPH113620A (ja) 1999-01-06
JP3587956B2 true JP3587956B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=15539913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15241097A Expired - Fee Related JP3587956B2 (ja) 1997-06-10 1997-06-10 酸化物超電導線材およびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6226858B1 (ja)
EP (1) EP0884787B1 (ja)
JP (1) JP3587956B2 (ja)
DE (1) DE69841032D1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010055613A1 (ja) 2008-11-12 2010-05-20 東洋鋼鈑株式会社 エピタキシャル成長膜形成用高分子積層基板およびその製造方法
WO2010055651A1 (ja) 2008-11-12 2010-05-20 東洋鋼鈑株式会社 酸化物超電導線材用金属積層基板の製造方法及び該基板を用いた酸化物超電導線材

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3607149A1 (de) * 1986-03-05 1987-09-10 Bosch Gmbh Robert Kugelgelenk
US6316391B1 (en) * 1994-09-20 2001-11-13 Hitachi, Ltd. Oxide superconducting wire and method of manufacturing the same
GB2336849B (en) * 1998-04-27 2003-02-26 Telcon Ltd Substrate materials
JP3521182B2 (ja) * 1999-02-26 2004-04-19 株式会社東芝 酸化物超電導線材及び超電導装置
US6743533B1 (en) 1999-04-15 2004-06-01 Fujikura Ltd. Oxide superconductor, manufacturing method thereof, and base substrate therefor
JP2001110256A (ja) * 1999-10-14 2001-04-20 Toshiba Corp 超電導複合体及び超電導複合体の製造方法
JP4619475B2 (ja) * 2000-02-21 2011-01-26 株式会社フジクラ 酸化物超電導導体
JP2002063815A (ja) * 2000-08-15 2002-02-28 Fujikura Ltd 酸化物超電導導体とその製造方法
WO2002046108A2 (de) * 2000-12-07 2002-06-13 Leibniz-Institut Für Festkörper- Und Werkstoffforschung Dresden E.V. Metallband für epitaktische beschichtungen und verfahren zu dessen herstellung
AU2002368162A1 (en) * 2001-04-19 2004-02-25 Imperial College Innovations Limited Long superconductor fabrication
GB2374557A (en) * 2001-04-19 2002-10-23 Imperial College Producing superconductors by epitaxial growth
EP1391543A1 (en) 2001-05-15 2004-02-25 International Superconductivity technology Center, The Juridical Foundation METHOD FOR PREPARING OXIDE CRYSTAL FILM/SUBSTRATE COMPOSITE AND SOLUTION FOR USE THEREIN
US6500568B1 (en) * 2001-06-06 2002-12-31 3M Innovative Properties Company Biaxially textured metal substrate with palladium layer
JP2003055095A (ja) * 2001-08-07 2003-02-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 薄膜形成方法
WO2003023094A1 (fr) * 2001-09-06 2003-03-20 Japan Science And Technology Agency Oxyde supraconducteur haute temperature et son procede de production
DE10148889A1 (de) * 2001-09-21 2003-06-26 Leibniz Inst Fuer Festkoerper Trägermaterial auf Nickelbasis und Verfahren zu dessen Herstellung
US20040132624A1 (en) * 2001-12-10 2004-07-08 Mitsunobu Wakata Metal base material for oxide superconducting thick films and manufacturing method thereof
US7618923B2 (en) * 2002-01-29 2009-11-17 Jochen Dieter Mannhart Method for making a superconductor with improved microstructure
DE10248025A1 (de) * 2002-10-15 2004-05-13 THEVA DüNNSCHICHTTECHNIK GMBH Schichtmaterial sowie Verfahren zur Verbesserung der Stromtragfähigkeit von Hochtemperatur-Supraleiter-Dünnschichten
JP4694965B2 (ja) 2003-03-31 2011-06-08 古河電気工業株式会社 酸化物超電導線材用金属基板の製造方法及び酸化物超電導線材の製造方法
JP2006098345A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd センサの固定量測定装置及び方法
JP4794886B2 (ja) * 2005-03-31 2011-10-19 古河電気工業株式会社 酸化物超電導用高強度多結晶金属基板とそれを用いた酸化物超電導線材
JP4716324B2 (ja) * 2005-12-26 2011-07-06 古河電気工業株式会社 超電導体用基材およびその製造方法
KR100738373B1 (ko) 2006-01-04 2007-07-12 재단법인서울대학교산학협력재단 2축 배향성을 갖는 금속 선재를 제조하기 위한 시스템 및방법
JP5323444B2 (ja) * 2007-10-18 2013-10-23 古河電気工業株式会社 酸化物超電導線材用複合基板、その製造方法、及び超電導線材
JP5448425B2 (ja) 2008-11-21 2014-03-19 公益財団法人国際超電導産業技術研究センター 超電導膜成膜用基板、超電導線材及びそれらの製造方法
JP5474339B2 (ja) 2008-11-28 2014-04-16 住友電気工業株式会社 超電導線材の前駆体の製造方法、超電導線材の製造方法
JP5376500B2 (ja) * 2008-12-04 2013-12-25 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 酸素イオン伝導性セラミック膜材およびその製造方法
JP5723773B2 (ja) 2009-07-17 2015-05-27 東洋鋼鈑株式会社 酸化物超電導線材用金属積層基板の製造方法
JP5739972B2 (ja) * 2013-12-06 2015-06-24 住友電気工業株式会社 超電導線材の前駆体および超電導線材
JP2021012828A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 株式会社フジクラ 酸化物超電導線材、酸化物超電導コイル、酸化物超電導線材の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5006507A (en) 1989-04-14 1991-04-09 General Atomics Nickel-based substrate for ceramic superconductor
JPH08259386A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 酸化物薄膜の製造方法及びそれに用いる化学蒸着装置
US5741377A (en) * 1995-04-10 1998-04-21 Martin Marietta Energy Systems, Inc. Structures having enhanced biaxial texture and method of fabricating same
US5872080A (en) * 1995-04-19 1999-02-16 The Regents Of The University Of California High temperature superconducting thick films

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010055613A1 (ja) 2008-11-12 2010-05-20 東洋鋼鈑株式会社 エピタキシャル成長膜形成用高分子積層基板およびその製造方法
WO2010055651A1 (ja) 2008-11-12 2010-05-20 東洋鋼鈑株式会社 酸化物超電導線材用金属積層基板の製造方法及び該基板を用いた酸化物超電導線材

Also Published As

Publication number Publication date
EP0884787B1 (en) 2009-08-05
DE69841032D1 (de) 2009-09-17
JPH113620A (ja) 1999-01-06
EP0884787A2 (en) 1998-12-16
US6226858B1 (en) 2001-05-08
EP0884787A3 (en) 2000-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3587956B2 (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
US7781376B2 (en) High temperature superconducting wires and coils
US6451450B1 (en) Method of depositing a protective layer over a biaxially textured alloy substrate and composition therefrom
JP4713012B2 (ja) テープ状酸化物超電導体
US6730410B1 (en) Surface control alloy substrates and methods of manufacture therefor
US6673387B1 (en) Control of oxide layer reaction rates
US20060094603A1 (en) Thick superconductor films with improved performance
JP4316070B2 (ja) 高強度配向多結晶金属基板および酸化物超電導線材
JP5513154B2 (ja) 酸化物超電導線材及び酸化物超電導線材の製造方法
JP4398582B2 (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
JP5799081B2 (ja) 単層コーティングによる酸化物厚膜
Goyal et al. Using RABiTS to fabricate high-temperature superconducting wire
JP3521182B2 (ja) 酸化物超電導線材及び超電導装置
JP4694965B2 (ja) 酸化物超電導線材用金属基板の製造方法及び酸化物超電導線材の製造方法
JP5415696B2 (ja) 機能が向上された厚膜超伝導フィルム
JP2008514545A5 (ja)
JP5415824B2 (ja) 被覆された導体のための、形状を変化させた基板の製造方法及び上記基板を使用する被覆された導体
KR100721901B1 (ko) 초전도 소자 및 그 제조방법
KR100821209B1 (ko) 니켈 기판을 이용한 고온초전도 후막테이프의 제조방법
JP2813287B2 (ja) 超電導線材
JPH04179004A (ja) 酸化物超電導テープ導体
JPH0948616A (ja) 配向性基板を用いた酸化物超伝導膜及びその製造方法
JP2004273246A (ja) 酸化物超電導線材用基板および酸化物超電導線材

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040811

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070820

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees