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JP5360411B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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JP5360411B2
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Description

本発明は、モータのトルクによって制動力を発生する電動ブレーキ装置に係り、特に駐車ブレーキとしての機能を付加した電動ブレーキ装置に関するものである。
電動ブレーキ装置としては、ピストンと、電動モータと、該モータの回転を直線運動に変換して前記ピストンに伝達する回転−直動変換機構とを配設してなるキャリパを備え、前記モータのロータの回転に応じて前記ピストンを推進し、ブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生するものがある。このような電動ブレーキ装置では、通常、運転者によるブレーキペダルの踏力やストロークをセンサによって検出し、この検出値に応じて電動モータの回転(回転角)を制御することにより所望の制動力を得るようにしている。
そして、最近、この種の電動ブレーキ装置に駐車ブレーキ(PKB)の機能を発揮する駐車ブレーキ機構を内蔵し、利用価値を高めることが種々検討されている。
この一例として、駐車ブレーキ機構のアクチュエータのコイルに対する通電を遮断するとアクチュエータのプランジャが圧縮ばねの付勢力により後退し、係合つめを有する揺動アームが初期の起立状態とされ、係合つめがつめ車の歯部との係合位置に位置決めされることを利用して駐車ブレーキを作動させる一方、アクチュエータのコイルへ通電し、これにより、アクチュエータのプランジャが前進して(伸張して)揺動アームの係合つめがつめ車の歯部から係合離脱する状態になることを利用して駐車ブレーキの作動解除を行なうようにした電動ブレーキ装置がある(特許文献1の図6〜8)。
また、他の例として、駐車ブレーキ機構のアクチュエータのコイルに通電してアクチュエータのプランジャを前進し(伸張し)、引っ張りばねの付勢力に抗して係合つめをつめ車の歯部と係合状態とすることで駐車ブレーキを作動させる一方、アクチュエータのコイルに対する通電を遮断した状態で前記電動モータを制動方向に回転させると、係合つめとつめ車の歯部との係合が緩み、係合つめが引っ張りばねにより引っ張られてつめ車の歯部から係合離脱する状態になることで駐車ブレーキの作動解除を行なうようにした電動ブレーキ装置がある(特許文献1の図9〜10)。
特開2003−42199号公報
ところで、上述した従来技術では、駐車ブレーキ機構がオン状態(駐車ブレーキが作動している状態)で、アクチュエータ又は電動モータの故障や、これらに対する電流供給側に何らかの故障があり前記コイルへの電流供給を行なえなくなると、係合つめがつめ車に保持されたままであるので、何らの措置も施さないと、駐車ブレーキ機構をオフ状態(駐車ブレーキの作動が解除された状態)にしようとしても、果すことができない。このため、応急対処的に車両の移動を行うことも困難となり、この改善を図ることが望まれている。
本発明は、アクチュエータ又はモータの故障時や、これらへの電流供給停止時にも駐車ブレーキの作動解除を容易に行なうことができる電動ブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、モータ、該モータの回転を直線運動に変換する回転−直動変換機構、及び該回転−直動変換機構からの伝達力によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させるピストンを配設してなるキャリパと、前記モータと連動する連動部に係止可能な係止手段を有し、前記連動部に対する前記係止手段の係止及びその係止解除により駐車ブレーキ機能を発揮する駐車ブレーキ機構と、
を備え、前記係止手段には、該係止手段を前記連動部から係合離脱させる方向に付勢するばねが設けられ、前記モータを作動して前記連動部を制動方向に一旦回転させることで前記係止手段の係止解除が行われる電動ブレーキ装置において、前記係止手段が前記連動部に係止されているときに、前記連動部を制動方向へ回転させることで前記ばねの付勢力により前記係止手段の前記連動部に対する係止を解除させる力受け部を、前記連動部側に設け、前記力受け部に力を付与する力付与部材を挿通させる孔を、前記駐車ブレーキ機構を収納するハウジングに形成し、該孔は、該孔の延長先に前記連動部の前記力受け部が位置するように開口されて、該孔には防水用部材が設けられ該防水用部材を前記孔から外すことで前記力付与部材を前記孔に挿入して該挿入方向に沿って押す力を前記力受け部に付与し、前記連動部を前記制動方向に回転させることが可能となっていることを特徴とする。
このように構成することにより、アクチュエータ又はモータの故障時や、これらへの電流供給停止時にも駐車ブレーキの作動解除を容易に行なうことができる。
本願の発明によれば、駐車ブレーキ作動時に、モータの故障や、これへの電流供給を行なえなくなった場合には、防水用部材を孔から外し、前記孔に力付与部材を挿通させて、連動部側の力受け部に力を付与することが可能であり、これにより、係止手段の連動部に対する係止を解除できる。
第1参考技術の電動ブレーキ装置の全体構造を示す断面図である。 図1の駐車ブレーキ機構、アクチュエータおよび駆動回路を示す模式図である。 図1の駐車ブレーキ機構を模式的に示す斜視図である。 図1の駐車ブレーキ機構を模式的に示す側面図である。 図2の工具の使用状態を示す断面図である。 第2参考技術の電動ブレーキ装置の一部を模式的に示す断面図である。 図6の電動ブレーキ装置に用いる工具の使用状態を模式的に示す断面図である。 第3参考技術の電動ブレーキ装置の一部を模式的に示す断面図である。 図8の電動ブレーキ装置に用いる工具の使用状態を模式的に示す断面図である。 第4参考技術の電動ブレーキ装置の一部を模式的に示す断面図である。 第5参考技術の電動ブレーキ装置の一部を模式的に示す断面図である。 図11の電動ブレーキ装置に用いる工具の使用状態を模式的に示す断面図である。 図11のコマ付きボルトを示す断面図である。 本発明の一実施の形態の電動ブレーキ装置を模式的に示す断面図である。 図14のY−Y線に沿う断面図である。 工具を用いた状態を図15に対応して示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を説明する。なお、便宜上、実施形態の説明に先立って、参考技術を説明する。
まず、第1参考技術に係る電動ブレーキ装置を図1ないし図5に基づいて説明する。図1〜図4において、電動ブレーキ装置1は、ディスクロータ2より車両内側に位置する車両の非回転部(ナックル等)に固定されたキャリア3にキャリパ4を、ディスクロータ2の軸方向へ浮動可能に支持している。ディスクロータ2を挟んで一対のブレーキパッド5,6が対向して配置されている。ブレーキパッド5,6はディスクロータ2の軸方向に移動可能にキャリア3に支持されている。
キャリパ4は、先端側に爪部7を有し基端側に環状基体8を有する爪部材9と、この爪部材9に結合されたキャリパ本体10とからなっており、爪部7が車両外側のブレーキパッド6に対面して配置される。キャリパ本体10は、爪部材9の環状基体8に結合された環状体11と、環状体11に連結されたモータケース12とを有している。モータケース12は、環状体11に連結された筒状のモータケース本体13と、モータケース本体13の開口部を覆うモータ端板14と、モータケース本体13の側壁に形成された孔15の部分(以下、孔形成部という。)13aに設けられたハウジング16と、を備えている。
キャリパ4内には、車両内側のブレーキパッド5をディスクロータ2に押圧する分割タイプのピストン20と、モータ21と、このモータ21の回転を直線運動に変換して前記ピストン20に伝えるボールランプ機構(回転−直動変換機構)22と、モータ21の回転を減速して前記ボールランプ機構22に伝える差動減速機構23と、ブレーキパッド5,6の摩耗に応じてピストン20の位置を変更してパッド摩耗を補償するパッド摩耗補償機構24と、駐車ブレーキを確立する駐車ブレーキ機構25とが配設されている。また、キャリパ4は、駐車ブレーキ機構25のロックおよびアンロック動作を異なる極性の電流の短時間通電により切り換えるアクチュエータ60を備えている。
ボールランプ機構22は、キャリパ本体10の環状基体8及び環状体11の結合部の内周部に軸受26を介して回動可能に支持されたリング状の第1ディスク27と、空間部を有しこの空間部に挿入したピストン20のピストン筒体部28と結合されたリング状の第2ディスク29と、両ディスク27,29との間に介装されたボール30とを備えている。第2ディスク29は、回転規制されて保持されており、ボール30を介して第1ディスク27から受けた回転力を直線動に変換してピストン20に伝達するようにしている。
ピストン20は、前記ピストン筒体部28と、ピストン筒体部28に比して大径のピストン本体31と、からなる分割タイプとされており、ピストン本体31は、ピストン筒体部28ひいてはボールランプ機構22(モータ21)からの力を受けるようになっている。ピストン筒体部28は、後述する支持用筒体35にピストン係合部材(符号省略)を介して回動不能に支持されている。ピストン筒体部28のピストン本体31側に形成された中空部の底部32とピストン本体31との間には反力センサ33が配置され、ピストン本体31からの反力を検出するようになっている。反力センサ33の信号線34は支持用筒体35に挿通されて、車体に設けたコントローラ40に接続されている。前記支持用筒体35は、モータケース12に筒体支持部材41を介して支持されている。
モータ21は、モータケース12に嵌合固定されたステータ43と、ステータ43内に配置された中空のロータ44とを備え、ロータ44は、モータケース12に回動可能に支持されている。モータ21は、コントローラ40からの指令でロータ44を所望トルクで所望角度だけ回転させるように作動し、そのロータ44の回転角は、該ロータ44の内部に配置された位置検出器42(レゾルバ等)により検出されるようになっている。本参考技術では、モータ21は、コントローラ40からの制動力発生指令でロータ44を図2反時計方向Lに回転させる。コントローラ40は、モータ21の制御のみならず、駆動回路70を介してアクチュエータ60ひいては駐車ブレーキ機構25を制御するようにしている。
駐車ブレーキ機構25は、図1及び図2に示すように、モータ21のロータ44に連結されてモータ21と連動するつめ車50と、このつめ車50の回りに配置され、キャリパ本体10にピン51を用いて基端部(符号省略)が軸着された揺動アーム52と、を備えている。つめ車50は、その外周部に複数個の歯部57を一体に備えている。なお、モータと連動する連動部は、つめ車50に限らず、例えば、スペースがあれば、モータ21のロータ44の外周部に複数個の歯部57を一体に設けて構成したものであっても良く、また、モータと連動する差動減速機構23やボールランプ機構(回転−直動変換機構)22の可動部品であっても良く、要は、係止可能な歯部等の係止部を形成することができるものであれば良い。
前記揺動アーム52の長手方向の略中間部分には、ピン53を介して係合つめ54が揺動可能に軸着され、かつ先端部(以下、係合つめ先端部という。)54aが歯部57に係合可能とされている。前記揺動アーム52の略中間部分には、長手方向と直交する方向に延びるフランジ(以下、揺動アームフランジという。)52aが形成されており、当該揺動アームフランジ52aには揺動アーム52の長手方向に沿って延びる長孔(以下、揺動アームフランジ長孔という。)52bが形成されている。
駐車ブレーキ機構25は、さらに、係合つめ54を図2左方向に常時付勢する固定ばね58と、揺動アーム52に軸着され固定ばね58と協働して係合つめ54をつめ車50に係合可能な起立姿勢に保持する突起59と、揺動アーム52の基端部とは反対側の端部(先端部。符号省略)を図2下方向に付勢する引っ張りばね61と、備えている。
つめ車50の各歯部57は、歯面57a及び歯面57bからなる略山形の歯形状をなしている。歯部57は、歯面57aが、制動解除時におけるロータ44の回転方向R(図2時計方向)の前側に向けられ、歯面57bが、制動時におけるロータ44の回転方向L(図2反時計方向)の前側に向けられるように設定されている。この場合、歯面57aは、ロータ44の径方向に略沿うように、すなわち、当該歯面57aを含む面がロータ44の軸中心(つめ車50の軸中心C)を含むように形成されている。
アクチュエータ60は、モータケース本体13の孔形成部13aに前記孔15を覆うようにして固定される略ハット形状のアクチュエータ収納体62と、アクチュエータ収納体62の内部空間63の開口部分(符号省略)に配置してアクチュエータ収納体62に装着され、かつプランジャ64を軸方向(図2上下方向)に移動可能に挿通するプランジャ支持部材65と、プランジャ支持部材65の内部空間63側に配置された永久磁石66と、前記内部空間63に収納されたコイル67と、を備えている。永久磁石66は、プランジャ64に対して吸着力を発揮しプランジャ64の図2下方向への移動を抑制し得るようになっている。
コイル67は、極性を代えて通電され、これにより、プランジャ64に対して前記極性に応じた電磁力を発生し、永久磁石66による吸着力を打ち消して、プランジャ64の図2下方向への移動(ひいては駐車ブレーキの作動)を可能とする一方、図2下方向に移動したプランジャ64に対して、前記発生する電磁力による吸着力を発揮し、プランジャ64を図2上方向に移動し(ひいては駐車ブレーキの作動解除を行ない)得るようにしている。
プランジャ64は、軸方向がつめ車50の軸中心Cに向くようにして配置され、その先端部(符号省略)が、揺動アームフランジ長孔52bに挿通されたピン68を介して揺動アーム52に連結されている。そして、プランジャ64が図2上下方向に移動することにより、このプランジャ64の移動に連動して揺動アーム52がピン51を支点として係合つめ54がつめ車50に係脱する方向に揺動するようになっている。本参考技術では、ピン68、揺動アーム52、係合つめ54、固定ばね58及び引っ張りばね61が係止手段を構成している。
筒状のモータケース本体13の図2の左上側部分には、ボルト孔120が形成されており、このボルト孔120には防水用ボルト121が螺合されている。ボルト孔120の軸中心を含む延長線上にはピン68が配置されている。本参考技術では、ボルト孔120に挿通し、ピン68に達する長さの工具122(請求項1の力付与部材)が用意されている。工具122は、棒状の工具本体123と、工具本体123の一端側に設けられた略円錐台状の工具先端部124と、工具本体123の他端側に設けられた取っ手部125と、からなっている。
そして、工具122は、工具122の取っ手部125が持たれて、図2に示すように、防水用ボルト121が外されたボルト孔120に、工具先端部124がピン68の下面部68a(請求項1の力受け部)に達するように挿入される。工具先端部124がピン68の下面部68aに達することにより、ピン68の下面部68aひいてはピン68は、図2上方の力を工具122から受ける。工具122が、図5に示すように、更に挿入されることにより、ピン68は、工具先端部124の傾斜面に沿って図2上方に移動し、これに伴ない、揺動アーム52は、ピン51を支点として図2反時計方向に揺動するようになっている。
前記コイル67は、コントローラ40及びバッテリ49に接続している駆動回路70に、ケーブル126を介して接続されている。本参考技術では、コイル67に一方向の電流を流すことにより永久磁石66の吸着力(駐車ブレーキ機構25に対するアンロック状態保持力)を打ち消す方向の電磁力を発生する。前記一方向の電流を以下、第1所定電流という。そして、第1所定電流の短時間通電により、アンロック状態が解除され、その後、引っ張りばね61の付勢力により駐車ブレーキ機構25がロック状態になるように構成されている。
また、コイル67に第1所定電流と反対方向の電流(以下、第2所定電流という。)を流すことにより、引っ張りばね61の引っ張り力に抗する方向の電磁力ひいてはプランジャ64に対する保持力(駐車ブレーキ機構25に対するロック状態保持力)を打ち消す方向の電磁力を発生し、当該電磁力が単独でまたは永久磁石66の吸着力と合わせた力が、引っ張りばね61の引っ張り力より大きい値になるようにされている。引っ張りばね61の付勢力は、コイル67への第2所定電流の短時間通電時における吸引力及び永久磁石66の吸着力を合わせた力より小さい値とされている。そして、第2所定電流を流すことにより、駐車ブレーキ機構25のロック状態の解除を行なうようにしている。
また、この電動ブレーキ装置1は、初期状態では、コイル67には通電されておらず、永久磁石66によりプランジャ64が吸着され、この状態で、係合つめ54は、つめ車50の歯部57からわずかに離れた状態に位置決めされている。
上述したように構成された電動ブレーキ装置1の作用を、(1a)通常制動作動時、(1b)通常制動解除時、(2a)駐車ブレーキ作動時、(2b)駐車ブレーキ解除時、(3)駐車ブレーキの手動解除時、に分けて、以下に説明する。
(1a)通常制動時
電動ブレーキが作動する通常制動時には、運転者のブレーキ操作によりモータ21のロータ44が図2反時計方向Lに回転し、ピストン20が推進(前進)し、モータ21のトルクに応じた制動力を発生する。
この通常制動時には、コイル67には通電されておらず、係合つめ54は、プランジャ64が永久磁石66の吸着力により吸着されていることから、つめ車50の歯部57とわずかに離脱した状態に位置決めされている。このため、ロータ44は、円滑に反時計方向Lに回転し、通常制動の機能を良好に果たすことになる。
この場合、係合つめ54がつめ車50の歯部57から離脱した状態でロータ44が回転するので、騒音の発生が防止される共に、磨耗の進行が抑制され、ひいてはモータ21の効率が向上する。
(1b)通常制動解除時
電動ブレーキの解除時すなわち通常制動解除時には、運転者の解除操作に応じてモータ21のロータ44が図2時計方向Rに回転し、ピストン20が後退し、制動が解除される。このとき、コイル67に対する非通電状態は維持され、プランジャ64が永久磁石66の吸着力により吸着されていることから、係合つめ54は、つめ車50の歯部57と離脱した状態が維持され、つめ車50は係合つめ54と接触することなくロータ44と一体に図2時計方向Rへ円滑に回転し、これにより通常制動の解除が保証される。
(2a)駐車ブレーキ作動時
駐車ブレーキを作動させる場合は、運転者の駐車ブレーキ操作により、モータ21のロータ44が図2反時計方向Lに回転し、前記通常制動時と同様にピストン20が推進して制動力が発生する。この制動力発生後、制動力が所定値になるのと略同時に、第1所定電流がコイル67に短時間通電され、その後、モータ21への通電を遮断するように制御される。
そして、コイル67への第1所定電流の短時間通電によりコイル67は、永久磁石66の吸着力を打ち消す電磁力を発生する。そして、引っ張りばね61の付勢力で揺動アーム52は、プランジャ64の図2下方向の移動と共に図2時計方向Rに揺動し、これに伴ない、係合つめ54がつめ車50側に変位して、つめ車50の歯部57に当接し、引っ張りばね61の付勢力で保持(ロック)される。本参考技術では、引っ張りばね61の付勢力により駐車ブレーキ機構25のロック状態が保持される。
また、モータ21への通電が遮断されることにより、キャリパ4の剛性の影響(例えば、制動の反力でのピストン20の後退)により、モータ21のロータ44に時計方向Rの回転力が発生し、この回転力により係合つめ54に押付け力が働き、ロータ44の時計方向Rの回転が規制され、その結果、駐車ブレーキが確立する。
本参考技術では、前記第1所定電流は、永久磁石66の磁力を打ち消すのに相当する電磁力をコイル67が発生し得る電流値とされている。また、本参考技術では、前記短時間は、通電開始から、コイル67が永久磁石66の吸着力を打ち消す電磁力を発生する時点までの時間(100msec〜1sec)とされている。
(2b)駐車ブレーキ解除時
上記駐車ブレーキを解除する場合は、運転者の駐車ブレーキ解除操作によりモータ21に通電して、そのロータ44をわずかに反時計方向L(制動方向)へ回転させると同時に、コイル67に第1所定電流とは反対の極性の第2所定電流を駆動回路70から短時間通電する。すると、係合つめ54に前記回転力により作用していた押付け力が解除されると同時に、第2所定電流の通電により励磁されたコイル67の吸引力によりプランジャ64が吸引(図2上方向に移動)され、これにより係合つめ54が歯部57から離脱し、一定時間(前記短時間)経過後に第2所定電流の通電は遮断され、電流遮断後は、係合つめ54の歯部57からの離脱状態(駐車ブレーキ機構25のアンロック状態)は、永久磁石66の吸着力により保持される。本参考技術では、永久磁石66の吸着力により駐車ブレーキ機構25のアンロック状態が保持される。
上述したように、本参考技術では、引っ張りばね61の付勢力は、コイル67への第2所定電流の短時間通電時の吸引力及び永久磁石66の吸着力を合わせた力より小さい値とされているので、上述したようにコイル67に第2所定電流が短時間通電されることにより、係合つめ54は、つめ車50の歯部57から離脱する。
したがって、その後、適宜タイミングでモータ21のロータ44を時計方向R(制動力解除方向)に回転させれば、つめ車50は係合つめ54と接触することなく、ロータ44と一体に時計方向Rへ円滑に回転し、これにより駐車ブレーキが解除される。
(3)駐車ブレーキの手動解除時
前記(2b)欄で説明したように、駐車ブレーキ解除は、通常時にはコイル67に第2所定電流を短時間通電することにより行なうようにしている。しかし、駐車ブレーキ機構25がオン状態〔駐車ブレーキが作動している(係合つめ先端部54aが歯部57に係合している)状態〕で、仮に、プランジャ64の噛み込みなどによる作動不良や、コイル67またはケーブル126の断線などによりコイル67への電流供給を行なえなくなった場合には、運転者などは、工具122を用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なえるようにしている。
すなわち、防水用ボルト121をボルト孔120から外し、工具122の取っ手部125を持って、工具122をボルト孔120に挿入し、工具先端部124をピン68の下面部68aに当接させ、更に挿入する。これに伴ない、ピン68は工具先端部124の傾斜面に沿って図2上方に押し上げられる。ピン68の図2上方への移動に伴ない、揺動アーム52は、ピン51を支点として図2反時計方向に揺動し、係合つめ54が図2上方に移動し、係合つめ先端部54aが歯部57から離れて歯部57に対する係合が解除され、その状態〔係合つめ54の歯部57からの離脱状態(駐車ブレーキ機構25のアンロック状態)〕が永久磁石66のプランジャ64に対する吸着力により保持される。
上述したように、本参考技術では、駐車ブレーキが作動している(係合つめ先端部54aが歯部57に係合している)状態で、仮にコイル67への電流供給を行なえなくなった場合には、工具122を用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なえる。
この工具122を用いた手動での駐車ブレーキ解除は、防水用ボルト121が螺合されるボルト孔120から工具122を挿入することにより果すことができるので、複雑な作業を強いられることがなく、迅速かつ容易に対処できる。また、ボルト孔120を形成し、ボルト孔120に螺合する防水用ボルト121及びボルト孔120に挿入される工具122を用意することにより、手動での駐車ブレーキ解除を行なうことができるので、構成の複雑化を招くことがない。
上記第1参考技術では、上述したように、アクチュエータ60のコイル67へ第2所定電流の短時間通電を行うことにより、プランジャ64ひいては係合つめ54をつめ車50から離間して駐車ブレーキを解除(アンロック)するようにしている。また、アクチュエータ60のコイル67へ第1所定電流の短時間通電を行うことにより、プランジャ64に対する永久磁石66の吸着力を打ち消し、引っ張りばね61の付勢力で揺動アーム52を図2時計方向に揺動し、係合つめ54をつめ車50の歯部57に当接させて、引っ張りばね61の付勢力で駐車ブレーキを保持(ロック)するようにしている。すなわち、上記第1参考技術では、引っ張りばね61は係合つめ54をつめ車50に当接させる方向(ロック方向)に付勢力が作用している一方、アクチュエータ60は第2所定電流の短時間通電により発生する電磁力により、プランジャ64ひいては係合つめ54をつめ車50から離間する方向(アンロック方向)に付勢力が作用している。
なお,上述したアクチュエータ60による上記アンロック方向の力(係合つめ54をつめ車50から離間する方向に付勢するように作用する力)と、引っ張りばね61による上記ロック方向の力(係合つめ54をつめ車50に当接する方向に付勢するように作用する力)との関係を、上記第1参考技術とは逆にするようにしても良い。すなわち、引っ張りばね61に代えて、揺動アーム52を図2上方に付勢する圧縮ばねを設け、この圧縮ばねにより係合つめ54をつめ車50から離間させる一方、アクチュエータ60による電磁力により係合つめ54をつめ車50に当接させるように構成してもよい。駐車ブレーキをかけるときには、アクチュエータ60のコイル67へ第2所定電流の短時間通電を行うことにより係合つめ54をつめ車50に当接させ、駐車ブレーキを解除するときには、アクチュエータ60のコイル67へ第1所定電流の短時間通電を行い、プランジャ64に対する永久磁石66の吸着力を打ち消した状態で前記モータ21を制動方向に回転させると、係合つめ54とつめ車50の歯部57との係合が緩み、係合つめ54が上記圧縮ばねにより図2の上方に押し上げられてつめ車50の歯部57から係合離脱する。
この場合においても、前記工具122を用いた手動での駐車ブレーキ解除は、防水用ボルト121が螺合されるボルト孔120から工具122を挿入することにより果すことができる。
このように、後述する参考技術及び実施の形態で示されたものにおいても、アクチュエータの付勢方向とばねの付勢方向とを前記第1参考技術で説明したものとは逆にするようにしても良く、この場合においても、同様に工具による手動での駐車ブレーキ解除を行なうことができる。
次に、第2参考技術を図6及び図7に基づいて説明する。図6及び図7において、第2参考技術の電動ブレーキ装置1Aは、第1参考技術の電動ブレーキ装置1に比べて、電動ブレーキ装置1の係止手段(係合つめ54、揺動アーム52、ピン68、固定ばね58及び引っ張りばね61)及びプランジャ64を廃止し、プランジャ64及び係合つめ54の両機能を果す係止用プランジャ体130を含む駐車ブレーキ機構25Aを用いて構成されている。係止用プランジャ体130は、磁性材料からなりコイル67の電磁力の影響を受ける軸状のプランジャ部131と、プランジャ部131の図6の下側に設け設けられた板状の手動解除用受け部132と、手動解除用受け部132のプランジャ部131と反対側の面部に垂設されて、つめ車50の歯部57に係止可能な係合つめ部133と、から構成されている。
プランジャ支持部材65と手動解除用受け部132との間にはばね部材134が介装されており、手動解除用受け部132ひいては係合つめ部133を歯部57側に押す方向の付勢力を発揮するようにしている。手動解除用受け部132は、工具122に代わる棒状の工具122Aがボルト孔120から斜め上方向に向けて挿入された際、その工具先端部124Aが当該手動解除用受け部132の下面部に当接するように配置されている。
この第2参考技術の電動ブレーキ装置1Aでは、駐車ブレーキ機構25Aがオン状態〔駐車ブレーキが作動している(係止用プランジャ体130の係合つめ部133が歯部57に係合している)状態〕で、仮にケーブル126(図2参照)の断線などによりコイル67への電流供給を行なえなくなった場合には、運転者などは、工具122Aを用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なうようにしている。
すなわち、工具122Aをボルト孔120から斜め上方に向けて挿入し、工具先端部124Aを手動解除用受け部132の下面部に当接させ、更に挿入する。これに伴ない、手動解除用受け部132(すなわち係止用プランジャ体130)は図7上方に押し上げられる。係止用プランジャ体130(ひいては係合つめ部133)の図7上方への移動に伴ない、係止用プランジャ体130の係合つめ部133が歯部57から離れて歯部57に対する係合が解除され、その状態〔係合つめ部133の歯部57からの離脱状態(駐車ブレーキ機構25Aのアンロック状態)〕が永久磁石66の係止用プランジャ体130のプランジャ部131に対する吸着力により保持される。
なお,上述したアクチュエータによる上記アンロック方向の力(係合つめ部133をつめ車50から離間する方向に付勢するように作用する力)と、ばね部材134による上記ロック方向の力(係合つめ部133をつめ車50に当接する方向に付勢するように作用する力)との関係を、上記第2参考技術とは逆にするようにしても良い。すなわち、ばね部材134に代えて、係合つめ部133を図6上方に付勢する引張りばねを設け、この引張りばねにより係合つめ部133をつめ車50から離間させる一方、アクチュエータにより係合つめ部133をつめ車50に当接させるように構成してもよい。駐車ブレーキをかけるときには、アクチュエータのコイル67へ第2所定電流の短時間通電を行うことにより係合つめ部133をつめ車50に当接させ、駐車ブレーキを解除するときには、アクチュエータのコイル67へ第1所定電流の短時間通電を行い、プランジャ体130に対する永久磁石66の吸着力を打ち消した状態で前記モータ21を制動方向に回転させると、係合つめ部133とつめ車50の歯部57との係合が緩み、係合つめ部133が上記引張りばねにより図6の上方に押し上げられてつめ車50の歯部57から係合離脱する。
この場合においても、前記工具122Aを用いた手動での駐車ブレーキ解除は、防水用ボルト121が螺合されるボルト孔120から工具122Aを挿入することにより果すことができる。
このように、後述する参考技術及び実施の形態で示されたものにおいても、アクチュエータの付勢方向とばねの付勢方向とを第2参考技術で説明したものとは逆にするようにしても良く、この場合においても、同様に工具による手動での駐車ブレーキ解除を行なうことができる。
次に、第3参考技術を図8及び図9に基づいて説明する。図8及び図9において、第3参考技術の電動ブレーキ装置1Bは、第1参考技術の電動ブレーキ装置1に比べて、電動ブレーキ装置1の係合つめ54、揺動アーム52及び固定ばね58を廃止し、係合つめ54及び揺動アーム52の両機能を果す係止用揺動アーム体140を含む駐車ブレーキ機構25Bを用いて構成されている。係止用揺動アーム体140は、揺動アーム52に略沿う形状の揺動アーム部141と、揺動アーム部141における長手方向の略中央部分の下側部分に突出形成されて、つめ車50の歯部57に係止可能の係合つめ部142と、からなり、ピン51を支点として揺動するようになっている。前記第1参考技術では、ピン51及び引っ張りばね61が図2左側、右側に配置されているが、この第3参考技術では、ピン51及び引っ張りばね61は図8に示すように右側、左側に配置されている。すなわち、揺動アーム部141の基端部141a、先端部141b(力受け部)が図8右側、左側に配置されるようにしている。
この第3参考技術では、ボルト孔120は、モータケース本体13の図8左下側に上下方向(図8)に延びるように形成されており、ボルト孔120の軸中心を含む延長線上に揺動アーム部141の先端部141bが位置するように配置されている。また、この第3参考技術では、工具122に代えて棒状の工具122Bが用いられるようになっている。
この第3参考技術の電動ブレーキ装置1Bでは、駐車ブレーキ機構25Bがオン状態〔駐車ブレーキが作動している(係止用揺動アーム体140の係合つめ部142が歯部57に係合している)状態〕で、仮にケーブル126(図2参照)の断線などによりコイル67への電流供給を行なえなくなった場合には、運転者などは、工具122Bを用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なうようにしている。
すなわち、図9に示すように、工具122Bをボルト孔120から上方に向けて挿入し、工具122Bの先端部(工具先端部124B)を揺動アーム部141の先端部141bに当接させ、更に挿入する。これに伴ない、揺動アーム部141の先端部141b(すなわち係止用揺動アーム体140)は図9上方に押し上げられる。係止用揺動アーム体140(ひいては係合つめ部142)の図9上方への移動に伴ない、係止用揺動アーム体140の係合つめ部142が歯部57から離れて歯部57に対する係合が解除され、その状態〔係合つめ部142の歯部57からの離脱状態(駐車ブレーキ機構25Bのアンロック状態)〕が永久磁石66のプランジャ64に対する吸着力により保持される。
第3参考技術では、工具122Bが棒状である場合を例にしたが、この工具122Bに代えて、図10に示すように、工具122B1を用いた駐車ブレーキ機構25Cを含む電動ブレーキ装置1Cを構成してもよい(第4参考技術)。工具122B1は、ボルト孔120に螺合するボルト部145と、工具122Bと略同等形状でボルト部145に連接された棒状部146と、から構成されている。
この第4参考技術では、工具122B1をボルト孔120にねじ込みことにより、当該工具122B1を揺動アーム部141の先端部141bに向けて進めてこれに当接させることができる。このため、第3参考技術に比べて、挿入時に揺動アーム部141の先端部141bに対する位置合わせが不要となる上、安定した状態で挿入できる。
次に、第5参考技術を図11ないし図13に基づいて説明する。図11ないし図13において、第5参考技術の電動ブレーキ装置1Dは、第3参考技術の電動ブレーキ装置1Bに比べて、ボルト孔120をモータケース本体13の図11左上側に上下方向に延びるように形成したこと、防水用ボルト121及び工具122Bを廃止し、防水用ボルト121及び工具122Bに代えて、コマ150を取付けた防水用ボルト(以下、コマ付きボルト151という。)を設けて駐車ブレーキ機構25Dを構成したことが異なっている。
コマ付きボルト151は、ボルト孔120に螺合されるボルト本体152と、ボルト本体152の軸部の端部(符号省略)に結合されたコマ150と、からなっている。コマ付きボルト151は、通常時、コマ150が取付けられた状態でボルト孔120に差込まれて用いられる。
コマ150は、揺動アーム部141の先端部141bを挿入する孔153を有しており、揺動アーム部141の先端部141bを孔153に通した状態となっている。そして、揺動アーム部141が自由に揺動できるように孔153の大きさは、先端部141bの移動量よりも大きくなっている。
この第5参考技術の電動ブレーキ装置1Dでは、駐車ブレーキ機構25Dがオン状態〔駐車ブレーキが作動している(係止用揺動アーム体140の係合つめ部142が歯部57に係合している)状態〕で、仮にケーブル126(図2参照)の断線などによりコイル67への電流供給を行なえなくなった場合には、運転者などは、コマ付きボルト151を用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なうようにしている。
すなわち、コマ付きボルト151を回転してボルト孔120から抜く方向に移動する。すると、コマ150の上方向の移動により、コマ150の孔153に挿入されている揺動アーム部141の先端部141bが上方向に移動する。そして、係止用揺動アーム体140(ひいては係合つめ部142)の図11上方への移動に伴ない、係止用揺動アーム体140の係合つめ部142が歯部57から離れて歯部57に対する係合が解除される。
ここで、本発明の一実施の形態に係る電動ブレーキ装置を、図14〜図16に基づいて説明する。この一実施の形態に係る電動ブレーキ装置1Fは、前記各参考技術が、力受け部を、プランジャ又は係止手段に設けるものであるのに比して、つめ車260(連動体側)に設けることが大きく異なっている。また、第1参考技術に係る電動ブレーキ装置では、係合つめ54に作用する固定ばね58がつめ車の図2反時計方向Lの前方側に配置されているのに対し、本実施の形態では、係合つめ261に作用するねじりばね272がつめ車260の図15反時計方向Lの後方側に配置され、係合つめ261はつめ車260から離脱するとねじりばね272のばね力により離脱状態に維持されることが異なっている。
以下の説明において、第1〜第5参考技術と同等の部材、部分には同一の符号を付し、その説明は、適宜省略する。
図14〜図16において、202は、キャリア3にディスクロータ2の軸方向へ浮動可能に支持されたキャリパであり、ブレーキパッド5,6はディスクロータ2の軸方向に移動可能にキャリア3に支持されている。キャリパ202は、ケーシング部205とこのケーシング部205からディスクロータ2を跨いで車両外側へ延ばされたキャリパ爪部206とからなるキャリパ本体部207を備えており、前記キャリパ爪部206の爪片206aが車両外側のブレーキパッド6の背面に近接して配置されている。なお、ケーシング部205の内面は段付き形状となっており、その後部開口は蓋板208により被蓋されている。
キャリパ本体部207のケーシング部205内には、車両内側のブレーキパッド5の背面に当接可能なピストン210と、モータ211と、このモータ211の回転を直線運動に変換してピストン210に伝えるボールランプ機構22F(回転−直動変換機構)と、モータ211の回転を減速してボールランプ機構22Fに伝える減速機構23Fと、ブレーキパッド5,6の摩耗に応じてピストン210の位置を変更してパッド摩耗を補償するパッド摩耗補償機構24Fと、駐車ブレーキを確立する駐車ブレーキ機構25Fと、コイルスプリング215と、が配設されている。コイルスプリング215は、制動中にモータ211が故障した際、ピストン210を初期位置に自動的に戻してブレーキを解除する(すなわち、ブレーキ解除機構として機能する)ようになっている。
ピストン210は、カップ形状の本体部220と小径の軸部221とを連設してなっており、本体部220が、キャリパ本体部207に形成したシリンダ部222にシール部材(符号省略)を介して摺動可能に嵌挿されている。モータ211は、キャリパ本体部207のケーシング部205に嵌合固定されたステータ224と、ステータ224内に配置された中空のロータ225とを備えている。
ステータ224は、ケーシング部205内にその後部開口から嵌入された支持筒227により段部に押圧固定されている。ロータ225は、その一端部がキャリパ本体部207のシリンダ部222に軸受228を介して支持される一方、その他端部が、後述の回転体229に軸受230を介して支持されている。
モータ211は、図示しないコントローラからの指令でロータ225を所望トルクで所望角度だけ回転させるようにする。また、ケーシング部205内の、蓋板208に隣接する箇所には、輪状の支持板234と後述の歯車部材235とが一体的に配設されており、両者の間には、回転体229を支持する軸受236が挟持されている。
ボールランプ機構22Fは、回転体229の軸穴にスプライン結合された第1ディスク237とこの第1ディスク237に複数のボール238を介して合わされた第2ディスク239(直動部材)とを備えている。ボール238は、第1ディスク237及び第2ディスク239の対向面に、それぞれ円周方向に沿って円弧状に形成された3つのボール溝240の間に介装されている。第2ディスク239は、パッド摩耗補償機構24Fを構成する後述の円筒状アジャスタ241に遊嵌されている。このアジャスタ241とキャリパ本体部207のシリンダ部222に装着したばね受242との間には戻しばね243(コイルスプリング)が介装されており、第2ディスク239は、常時はこの戻しばね243の付勢力をアジャスタ241を介して受けて第1ディスク237側へ押圧されている。
第2ディスク239は図14右側から見て反時計方向の回転(以下、この方向を正転とする)が規制されている。これにより、第2ディスク239が原位置に位置決めされている状態から第1ディスク237が反時計方向へ回転すると、各ボール238が各ボール溝240の溝底の傾斜面上で転動し、第2ディスク239がディスクロータ2に対して進退動するようになる。
減速機構23Fは、ロータ225と一体をなす偏心軸246と、この偏心軸246に軸受247を介して回動可能に嵌装され、外周部に第1、第2歯車248,249(外歯歯車)を有する偏心車250と、回転体229を支持する歯車部材235の内周に設けられ、偏心車250の第1歯車248に噛合する固定歯車251(内歯歯車)と、回転体229に設けられ、第2歯車249に噛合する可動歯車252(内歯歯車)とからなっている。偏心車250は、固定歯車251及び可動歯車252との噛合により偏心軸246(ロータ225)の回転に応じて公転し、この時、固定歯車251の歯数と可動歯車252の歯数とが異っていることから、第1ディスク237はロータ225と一定の回転比(減速比)をもって回転する。
パッド摩耗補償機構24Fは、前記円筒状アジャスタ241と、このアジャスタ241とボールランプ機構22Fの第2ディスク239との間に介装されたワンウエイクラッチ253とを備えている。アジャスタ241は、その内面に形成されためねじと前記ピストン210の軸部221の外周に形成されたおねじとからなるねじ部254を介してピストン210に作動連結されている。ワンウエイクラッチ253は、ここでは、コイルスプリングからなっており、ボールランプ機構22Fの第2ディスク239の正転にはアジャスタ241を追従させるが、該第2ディスク239の逆転には該アジャスタ241をスリップさせる機能を有している。
パッド摩耗補償機構24Fを構成するアジャスタ241及びワンウエイクラッチ253は、通常制動時(電動ブレーキ時)には、第2ディスク239がシリンダ部222の溝245の端部(溝端)に当接する原位置を維持していることから、該第2ディスク239と一体にディスクロータ2に対して進退動し、その動きにピストン210が追従する。一方、第2ディスク239が前記原位置から逆転する場合には、アジャスタ241は回転せずにその位置を維持し、したがってその後に第2ディスク239が正転すると、その正転にアジャスタ241が追従して回転する。アジャスタ241が回転すると、これにねじ部254を介して作動連結されているピストン210が前進し、第2ディスク239に対するピストン210の位置が変位し、これによってパッド摩耗が補償される。
ここで、ピストン210とブレーキパッド5との間には、通常、所定のパッドクリアランスが確保されており、ピストン210の前進に応じて、先ずこのパッドクリアランスが解消される。そして、パッドクリアランスが解消されると、ブレーキパッド5がディスクロータ2に押付けられると共に、その押付反力でキャリパ202がキャリア3に対して移動する(図14の右側)。この結果、ディスクロータ2が一対のブレーキパッド5,6の間に挟持されて制動が開始され、これに応じてピストン210に推力が発生する。
コイルスプリング215は、ボールランプ機構22Fを構成する第1ディスク237と第2ディスク239との間に介装されている。このコイルスプリング215は、所定の予荷重を発生するように両者の間に介装されており、これにより、第2ディスク239は、常時キャリパ本体部207のシリンダ部222の溝端に当接する原位置を維持する。一方、この状態から、第1ディスク237が制動方向(ピストン推進方向)に回転すると、第2ディスク239が位置固定されていることから、コイルスプリング215にトルクが蓄えられ、万一、制動中にモータ211が故障した場合には、コイルスプリング215に蓄えられたトルクによって第1ディスク237が初期位置に復帰する。
駐車ブレーキ機構25Fは、図15、16にも示されるように、モータ211のロータ225の外周面に一体に形成されたつめ車260と、このつめ車260に係脱可能な係合つめ261を先端に有する揺動アーム262を備えた駆動ユニット263とからなっている。つめ車260の各歯部264は、制動解除時におけるロータ225の回転方向Rの前側に歯面264a(力受け部)を、制動時におけるロータ225の回転方向Lの前側に傾斜逃げ面264bをそれぞれ向けるように歯形状が設定されている。
駆動ユニット263は、コイル265を内蔵するハウジング266内にプランジャ267を摺動可能に収めたソレノイド268と、このソレノイド268の両端に固結されたブラケット269,270とを備えており、中空部を有する一方のブラケット270に突設した一対の支持片270aに揺動アーム262の中間部(屈曲部)がピン271を用いて回動可能に軸着されている。駆動ユニット263はまた、揺動アーム262の揺動支点である前記ピン271に巻装され、該揺動アーム262を図15で時計方向に付勢するねじりばね272と、前記一方のブラケット270に取付けられ、該揺動アーム262の基端部とプランジャ267の先端部とを作動連結する連結ピン273とを備えている。
揺動アーム262は、ねじりばね272により常時は係合つめ261をつめ車260から係合離脱させる方向へ付勢されている。一方、ソレノイド268は、コイル265への通電によりプランジャ267を引込む吸着型ソレノイドとして構成されており、したがって、このソレノイド268への通電に応じて揺動アーム262は、係合つめ261をつめ車260に係合させる方向へ揺動する。なお、ソレノイド268のコイル265への通電は、前記コントローラ(図示省略)に接続した駆動回路(図示省略)によって制御されるようになっている。
上記駆動ユニット263を構成する係合つめ261、揺動アーム262、ソレノイド268、ブラケット269,270等は、予めサブアセンブリによってユニット化されており、該駆動ユニット263は、ブラケット269,270に通したボルト275を用いてキャリパ本体部207に脱着可能に組付けられている。
キャリパ本体部207におけるブラケット269配置部分の近傍(図15の左上側部分)には、キャリパ側ガイド孔301がブラケット269を避けた状態で形成されている。キャリパ側ガイド孔301にはパッキン302と共に防水用のボルト303が螺合されている。
また、支持筒227におけるキャリパ側ガイド孔301の図15下側の開口部に臨む部分には支持筒側ガイド孔304が形成されている。本実施の形態では、キャリパ側ガイド孔301及び支持筒側ガイド孔304(以下、適宜、両者を合せてガイド孔305という。)が請求項2の力受け部に力を付与する力付与部材を挿通させる孔を構成している。また、キャリパ本体部207及び支持筒227が請求項2の駐車ブレーキ機構を収納するハウジングを構成している。
ガイド孔305は、その延長先につめ車260の外周部が存在するように形成されている。本実施の形態では、ガイド孔305を挿通して、つめ車260の外周部に達する長さの工具322(請求項2の力付与部材)が用意されている。工具322は、ガイド孔305から挿通されて、先端側がつめ車260の歯面264a(力受け部)に当接し、押されることにより歯面264a に力を作用してつめ車260を制動方向Lへ回転させ得るようになっている。
以下、電動ブレーキ装置1Fの作用について、(F1a)通常制動作動時、(F1b)通常制動解除時、(F2)パッド摩耗時、(F3)モータ故障時、(F4a)駐車ブレーキ作動時、(F4b)駐車ブレーキ解除時、(F5)駐車ブレーキの手動解除時、に分けて説明する。
(F1a)通常制動作動時
通常の電動ブレーキとして作動する(通常制動作動する)場合は、運転者のブレーキ操作信号の入力によりモータ211のロータ225が図15で反時計方向に回転する。すると、このロータ225と一体の偏心軸246に軸受247を介して取付けられている偏心車250が公転し、これに応じてボールランプ機構22F内の第1ディスク(回動部材)237がロータ225と前記した一定の回転比でもって反時計回りに回転する。すると、ボールランプ機構22F内のボール238がボール溝240の間で転動し、これにより第2ディスク(直動部材)239が前進し、その前進運動がパッド摩耗補償機構24Fを構成するアジャスタ241を介してピストン210に伝達される。そして、パッド摩耗がない場合は、ピストン210が原位置からパッドクリアランスを解消する位置を経て推進して、モータ211のトルクに応じた制動力が発生し、この間、ブレーキ解除機構としてのコイルスプリング215にトルクが蓄えられる。
そして、上記電動ブレーキ作動(通常制動作動)時には、駐車ブレーキ機構25Fのソレノイド268に対する通電が遮断されており、揺動アーム262は、ねじりばね272の作用で揺動支点(ピン271)を中心に図15で時計方向へ付勢されており、これによって揺動アーム262の先端の係合つめ261がモータ211のロータ225上のつめ車260からわずか係合離脱する状態に位置決めされている。この結果、ロータ225は円滑に制動方向Lへ回転し、電動ブレーキとしての機能が保証される。
(F1b)通常制動解除時
電動ブレーキの解除時には、運転者の解除操作に応じてモータ211のロータ225が図15で時計方向に回転し、これに応じてボールランプ機構22Fを構成するボール238がボール溝240の初期位置に戻る。この時、第2ディスク239には戻しばね243の付勢力が作用しているので、第2ディスク239とパッド摩耗補償機構24Fを構成するアジャスタ241とは一体的に戻り、これに応じてピストン210が後退し、制動が解除される。この時、駐車ブレーキ機構25Fのソレノイド268に対する通電が遮断されており、揺動アーム262の先端の係合つめ261は、モータ211のロータ225上のつめ車260からわずか係合離脱する状態を維持する。この結果、ロータ225は円滑に制動解除方向Rへ回転し、電動ブレーキの解除が保証される。
(F2)パッド摩耗時
パッド摩耗が存在する場合は、例えば自動車始動前のスイッチ操作でコントローラが起動し、該コントローラからの指令でモータ211が推力発生点まで回転する。この推力発生点は、推力検出センサ(符号省略)により確認することができ、したがって、この間のロータ225の回転角(第1ディスク237の回転角)からパッドクリアランス分に相当する角度を減算した値がパッド摩耗量となる。次に、コントローラは、前記パッド摩耗量に相当する角度分だけ、制動時と逆方向へモータ211のロータ225すなわち第1ディスク237を回転させる。すると、この第1ディスク237の動きに第2ディスク239が追従(逆回転)する。
上記した第2ディスク239の逆回転に対しては、パッド摩耗補償機構24Fを構成するワンウエイクラッチ253がスリップするので、アジャスタ241は回転せず、これによりピストン210は現在位置を維持する。その後、モータ211の作動により第1ディスク237をピストン推進方向へ、前記逆転時と同じ角度だけ正転させる。すると、この第1ディスク237の動きに第2ディスク239が追従(正転)し、これにより前記ワンウエイクラッチ253が締り方向となってアジャスタ241が回転する。一方、アジャスタ241が回転すると、これに螺合されているピストン210がパッドクリアランスを残した位置まで前進する。したがって、その後は、電動ブレーキ作動時と同様に、第1ディスク237の正逆回転に応じてピストン210が前進、後退し、制動及び制動解除が行われる。
(F3)モータ故障時
上記制動中、モータ211が故障すると、制動途中でブレーキ解除機構としてのコイルスプリング215に蓄えられたトルクによってボールランプ機構22Fの第1ディスク237が制動時と逆方向へ回転する。すると、電動ブレーキ解除時と同様に、ボール238がボール溝240の初期位置に戻り、第2ディスク239とパッド摩耗補償機構24Fを構成するアジャスタ241とは一体的に戻り、これに応じてピストン210も後退する。この時、前記コイルスプリング215には十分なるトルクが蓄えられているので、第1ディスク237は初期の角度位置まで戻り、これによりピストン210はブレーキパッド5との間に所定のパッドクリアランスを開ける位置まで、すなわち推力が残存しない位置まで戻り、この結果、制動は完全に解放される。
(F4a)駐車ブレーキ作動時
駐車ブレーキを作動させる場合は、運転者の駐車ブレーキ操作信号によりコントローラが起動し、モータ211のロータ225が制動方向Lに回転し、上記した駐車ブレーキ作動時と同様にピストン210が推進して制動力が発生する。そして、制動力が所定値に達するとコントローラ(図示省略)から駆動回路(図示省略)を通じて駐車ブレーキ機構25F内のソレノイド268のコイル265に短時間通電がなされ、続いてモータ211への通電が遮断される。そして、ソレノイド268のコイル265への短時間通電によりプランジャ267が、ねじりばね272の付勢力に抗してハウジング266内に引込まれ、揺動アーム262は、揺動支点(ピン271)を中心に図15で反時計方向へ揺動する。これにより、揺動アーム262の先端の係合つめ261がモータ211のロータ225上のつめ車260の歯部264に嵌合(係合)し、この結果、ロータ225は制動解除方向Rへの回転が規制され、駐車ブレーキが確立する。なお、モータ211への通電を遮断した際、キャリパ剛性の影響等によってモータ211のロータ225に時計方向Rへのトルクが発生するので、係合つめ261はつめ車260の歯面264aに強く押付けられ、これにより駐車ブレーキはより安定して確立するようになる。
(F4b)駐車ブレーキ解除時
上記駐車ブレーキを解除する場合は、運転者の駐車ブレーキ解除操作によりモータ211への通電がなされ、電動ブレーキ作動時と同様にロータ225が制動方向Lへわずか回転し、駐車ブレーキ機構25Fのつめ車260もロータ225と一体に制動方向Lへわずか回転する。すると、係合つめ261に作用していた押付力が解放される。この時、ソレノイド268のコイル265への通電が遮断されているので、前記押付力の解放に応じてねじりばね272の付勢力で揺動アーム262が図15で時計方向へ揺動し、係合つめ261が、つめ車260の歯部264から係合離脱する。その後、適宜タイミングでモータ211のロータ225を制動解除方向Rへ回転させれば、ロータ225は、そのつめ車260が係合つめ261と接触することなく制動解除方向Rへ回転し、これにより駐車ブレーキが解除される。
上記実施形態においては、ソレノイド268への通電は、駐車ブレーキ作動時のみであるので、消費電力の削減、長寿命化、小型化を図ることができる。また、駐車ブレーキ機構25Fを構成する大多数の部品は、駆動ユニット263としてサブアセンブリした後、キャリパ本体部207に組付けられるので、組付性に著しく優れたものとなる。
(F5)駐車ブレーキの手動解除時
前記(F4b)欄で説明したように、運転者の駐車ブレーキ解除操作に伴なうモータ211への短時間通電により、つめ車260が制動方向Lへわずか回転し、係合つめ261に作用していた押付力が解放され、ねじりばね272の付勢力で揺動アーム262が図15で時計方向へ揺動し、係合つめ261が歯部264から係合離脱し、これによりロータ225は係合つめ261による拘束を受けずに制動解除方向Rへ自在に回転可能となる、すなわち駐車ブレーキが解除される。
しかし、駐車ブレーキ機構25Fがオン状態〔駐車ブレーキが作動している(係合つめ先端部261が歯部264に係合している)状態〕で、仮にモータ211への電流供給用ケーブルの断線などによりモータ211への電流供給を行なえなくなった場合には、運転者などは、工具322用いて駐車ブレーキ解除を、緊急的に手動にて行なえる。
すなわち、防水用のボルト303及びパッキン302をキャリパ側ガイド孔301から外し、工具322をガイド孔305に挿入し、先端側を歯面264aに当接させ、更に挿入する。これに伴ない、つめ車260は制動方向Lへ回転することになる。つめ車260の制動方向Lへの回転により、係合つめ261に作用していた押付力が解放され、ねじりばね272の付勢力で揺動アーム262が図16で時計方向へ揺動し、以下、前記(F4b)欄で説明したのと同様にして、駐車ブレーキが解除され、車両の応急的な移動が図れることになる。
上述したように、工具322を用いた手動での駐車ブレーキ解除は、ガイド孔305から工具322を挿入することにより果すことができるので、複雑な作業を強いられることがなく、迅速かつ容易に対処できる。また、ガイド孔305を形成し、ガイド孔305に螺合する防水用のボルト303及びパッキン302及びパッキン及びガイド孔305に挿入される工具322を用意することにより、手動での駐車ブレーキ解除を行なうことができるので、構成の複雑化を招くことはない。
1F…電動ブレーキ装置、202…キャリパ、211…モータ、25F…駐車ブレーキ機構、225…ロータ、260…つめ車(連動部)、262…揺動アーム、261…係合つめ(係止手段)、58…固定ばね、61…引っ張りばね、64…プランジャ、66…永久磁石、67…コイル、68…ピン、68a…下面部、264a…歯面(力受け部)、322…工具(力付与部材)、120…ボルト孔、301…ガイド孔(力受け部に力を付与する力付与部材を挿通させる孔)、305…ガイド孔(力受け部に力を付与する力付与部材を挿通させる孔)

Claims (2)

  1. モータ、該モータの回転を直線運動に変換する回転−直動変換機構、及び該回転−直動変換機構からの伝達力によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させるピストンを配設してなるキャリパと、
    前記モータと連動する連動部に係止可能な係止手段を有し、前記連動部に対する前記係止手段の係止及びその係止解除により駐車ブレーキ機能を発揮する駐車ブレーキ機構と、
    を備え、
    前記係止手段には、該係止手段を前記連動部から係合離脱させる方向に付勢するばねが設けられ、前記モータを作動して前記連動部を制動方向に一旦回転させることで前記係止手段の係止解除が行われる電動ブレーキ装置において、
    前記係止手段が前記連動部に係止されているときに、前記連動部を制動方向へ回転させることで前記ばねの付勢力により前記係止手段の前記連動部に対する係止を解除させる力受け部を、前記連動部側に設け、
    前記力受け部に力を付与する力付与部材を挿通させる孔を、前記駐車ブレーキ機構を収納するハウジングに形成し、該孔は、該孔の延長先に前記連動部の前記力受け部が位置するように開口されて、
    該孔には防水用部材が設けられ該防水用部材を前記孔から外すことで前記力付与部材を前記孔に挿入して該挿入方向に沿って押す力を前記力受け部に付与し、前記連動部を前記制動方向に回転させることが可能となっていることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 前記ばねは、前記力付与部材による前記係止手段の係止解除後に、前記係止手段を係止解除された状態に維持する保持機構となっていることを特徴とする請求項1に記載の電動ブレーキ装置。
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