JP4594143B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
このスラスト力でブレーキピストンを作動させ、ブレーキピストンの押圧力でブレーキパッドをディスクロータに押し付ける。ブレーキパッドをディスクロータに押し付けることで、車輪に制動力をかける。
このため、万が一、電動モータを駆動させることができない場合でも、ブレーキ作動状態を解除することができる車両用ブレーキ装置の実用化が望まれていた。
このスラスト変換機構は、ブレーキ機構側からの押圧力で作動可能な機構である。
よって、ブレーキ作動状態において、減速機とスラスト変換機構との連結を解除すると、ブレーキ機構からの反力でスラスト変換機構が作動する。
スラスト変換機構が作動することで、スラスト変換機構から押圧力を除去し、ブレーキ作動状態を解除することができる。
また、請求項2に係る発明は、前記クラッチ部は、前記シャフト内にシリンダが形成され、このシリンダ内にロック部材が摺動自在に配置され、このロック部材が前記操作ケーブルに対して回転自在に連結されたことを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明は、前記クラッチ部は、前記ロック部材の先端部は先細状のテーパ面を有し、このテーパ面の外周に球体を配置し、前記球体で前記シャフトおよび前記スクリューシャフトを連結可能としたことを特徴とする。
図1は本発明に係る車両用ブレーキ装置を示す概略図である。
車両用ブレーキ装置10は、ディスクブレーキ11と、ディスクブレーキ11を操作するブレーキペダル12と、ブレーキペダル12のストロークを検知するペダルストロークセンサー13と、ペダルストロークセンサー13からのストローク信号に基づいてディスクブレーキ11に作動信号を送る制御部14と、ディスクブレーキ11に内蔵したクラッチ部15と、クラッチ部15を操作するクラッチ操作部16とを備える。
ディスクロータ21は、車両の車輪(図示せず)に同軸上に取り付けられ、車輪と一体に回転する部材である。
内側パッド25は、内側裏金に内側摩擦パッドを固定したものである。
外側パッド26は、外側裏金に外側摩擦パッドを固定したものである。
セルフロック機能とは、スラスト変換機構33側からシャフト37に回転力が作用した際に、作用した回転力が電動モータ31側に伝わらないようにロック状態を保つ機能である。
スクリューシャフト42が軸受44で回転自在に支持され、このスクリューシャフト42にフランジ42bが形成されている。
フランジ42bとキャリパボディ24との間にスラスト軸受43を配置することで、スクリューシャフト42がシャフト37に向けて軸方向に移動することを防止する。
これにより、ナット部材41と一体にブレーキピストン27が移動し、ブレーキピストン27で内側パッド25をディスクロータ21に向けて押圧する。
これにより、ナット部材41と一体にブレーキピストン27が移動し、ブレーキピストン27による内側パッド25への押圧力を解除する。
この機能により、ブレーキピストン27からナット部材41に反力F1が作用した際に、作用した反力F1でスクリューシャフト42が左回転可能である。
クラッチ部15は、通常の状態において、減速機32とスラスト変換機構33とを接続した状態に保ち、減速機32とスラスト変換機構33との連結を人力により解除可能な部材である。
制御部14は、ペダルストロークセンサー13からのストローク信号に基づいて電動モータ31に駆動信号を伝える。
ウォーム35の回転がウォームホイール36に伝わり、ウォームホイール36の回転がシャフト37に伝わる。シャフト37に伝わった回転はクラッチ部15を介してスラスト変換機構33のスクリューシャフト42に伝わる。
内側パッド25をディスクロータ21に押し付けることで、キャリパボディ24が矢印Cの如く移動して外側パッド26をディスクロータ21に押し付ける。
操作ケーブル45は、アウターケーブル51の基端部51aを取付ブラケット53を介して車体48に取り付け、アウターケーブル51の先端部51bを取付ブラケット54を介して車体48に取り付ける。
インナーケーブル55の基端部55aをクラッチ部15に連結し、インナーケーブル55の先端部55bをレバー46に連結する。
レバー46でインナーケーブル55を矢印Fの如く移動して、クラッチ部15を操作することにより、減速機32とスラスト変換機構33との連結を解除する。
クラッチ部15は、スクリューシャフト42の端部42aに第1収納凹部61が形成され、シャフト37の端部37aに第2収納凹部62が形成され、第2収納凹部62を第1収納凹部61に臨ませて各々の収納凹部61,62で収納空間63が形成されている。
その際、このレバー46は、電動モータ31を電気的に駆動できない故障(バッテリや制御部14の故障)時に操作するものであるから、運転席と助手席の間のコンソールボックス内やインストルメントパネルの下面(運転者の膝上の位置)などの普段の運転操作には邪魔にならず、また見え難い位置に配置することが好ましい。
これにより、車室内のレイアウト性、デザイン性が向上するとともに、誤解除の防止にも役立つ。
第1、第2の切欠き73…,77…は略コ字形に形成されている。
ロック部材66は、断面円形に形成され、先端部がテーパ面66aとされ、テーパ面66aの先端から突起66bが突出され、基端部に小径部66cが形成されている。
圧縮ばね82は、ロック部材66を収納空間63に向けて押し出すための部材である。
よって、シャフト37とスクリューシャフト42とが球体68…で連結される。
これにより、シャフト37の回転を、スクリューシャフト42に球体68…を介して伝えることができる。
嵌合部55cは、インナーケーブル55の基端部55aに形成されている。よって、インナーケーブル55の基端部55aは、連結ロッド81の拡径部81aに回転自在に連結されている。
これにより、万が一、ロック部材66が回転した場合でも、連結ロッド81の回転がインナーケーブル55に伝わることを防止する。
ロック部材66が矢印Gの如く後進移動することで、球体68…が半径方向内側に移動する。
先ず、車両用ブレーキ装置10をブレーキペダルで操作する例を図4に基づいて説明する。
図4(a),(b)は本発明に係る車両用ブレーキ装置をブレーキペダルで操作する例を説明する図である。
(a)において、ブレーキペダル12を踏むことにより、ブレーキペダル12に踏力が作用し、ブレーキペダル12が矢印Aの如く移動する。
ブレーキペダル12の移動ストロークをペダルストロークセンサー13で検知する。検知した信号を制御部14に伝え、制御部14から電動モータ31に駆動信号を伝える。
このように、内側パッド25および外側パッド26をディスクロータ21の両側に押し付けることで、車輪に制動力が作用する。
ブレーキペダル12のストロークをペダルストロークセンサー13で検知する。
検知した信号を制御部14に伝え、制御部14から電動モータ31に駆動信号を伝える。
ナット部材41と一体にブレーキピストン27が移動し、ブレーキピストン27による内側パッド25への押圧力を解除する。
このように、内側パッド25および外側パッド26がディスクロータ21の両側から離れることで、車輪に作用していた制動力が解除される。
図5(a),(b)は本発明に係る車両用ブレーキ装置のクラッチ部を解放状態にする例を説明する図である。
(a)において、操作レバー49を支持軸47を軸にして矢印Dの如く人力で操作することにより、レバー46が支持軸47を軸にE矢印の如くスイング移動する。
レバー46でインナーケーブル55を引っ張ることにより、インナーケーブル55で連結ロッド81を矢印の如く引っ張る。
ロック部材66が後進移動することで、球体68…が半径方向内側に移動する。
これにより、シャフト37とスクリューシャフト42との連結、すなわち減速機32とスラスト変換機構33との連結が解除される。
(a)において、ブレーキ作動状態のとき、ディスクロータ21から内側パッド25および外側パッド26に、ブレーキ力の反力F1、F2がそれぞれ作用している。
加えて、ピストンシリンダ85内のシール材86が外側に向けて弾性変形している。
スクリューシャフト42が左回転することにより、ナット部材41およびブレーキピストン27が矢印Kの如く移動する。
内側パッド25がディスクロータ21から離れることにより、反力F2で、キャリパボディ24が矢印Lの如く元の位置に復帰して外側パッド26がディスクロータ21から離れる。
そして、このスラスト変換機構33は、ブレーキ機構22側からの押圧力で作動可能な機構である。
スラスト変換機構33が作動することで、スラスト変換機構33から押圧力を除去し、ブレーキ作動状態を解除することができる。
(a)において、操作レバー49を支持軸47を軸にして矢印Mの如く人力で操作することにより、レバー46が支持軸47を軸に矢印Nの如くスイング移動する。
圧縮ばね82のばね力でインナーケーブル55を矢印Oの如く引っ張るとともに、ロック部材66が矢印Pの如く前進移動する。
外側に押し出された球体68…が、第1収納凹部61の傾斜面72および第2凹部62の傾斜面76に押圧される。
これにより、シャフト37の回転を、球体68…を介してスクリューシャフト42に伝えることが可能になる。
しかし、圧縮ばね82のばね力は、傾斜面72で径方向の分力と、軸方向の分力とに分けられる。そして、軸方向の分力が、スクリューシャフト42に前進移動させる力になる。
よって、クラッチ部15が接続状態になった際に、ブレーキピストン27を静止状態に保ち、ブレーキピストン27で内側パッド25を押圧することはない。
特に、本発明の電動モータ31を用いたブレーキ装置を、パーキングブレーキ専用として後輪用ブレーキに適用する場合には(この場合は、サービスブレーキは従来型の液圧式ブレーキを前後輪に用いる)、レバー46をトランクルーム(荷室)に配置するとよい。
それにより、前記のレイアウト性、デザイン性の向上、誤解除防止に加え、ケーブルの全長を短縮することができる。
Claims (3)
- モータの回転力を伝達する駆動軸の回転力を減速機に設けられたシャフトを介してスラスト変換機構のスクリューシャフトに伝え、このスラスト変換機構のスクリューシャフトの回転力を押圧力に変換し、この押圧力でブレーキ機構を作動させるように構成し、
前記減速機は、前記スラスト変換機構側から回転力が作用した際に、作用した回転力がモータ側に伝わらないようにロック状態を保つセルフロック機能を備え、
前記スラスト変換機構は、前記ブレーキ機構側から反力が作用した際に、作用した反力で作動可能な機能を備えた車両用ブレーキ装置において、
前記シャフトと前記スクリューシャフトとの軸方向の間に、減速機とスラスト変換機構との連結を操作レバーの操作により解除可能なクラッチ部を介在させ、
このクラッチ部は、前記減速機側の回転を前記スラスト変換機構に伝達可能であり、操作ケーブルを介して前記操作レバーに連結され、
前記操作ケーブルに対して、前記クラッチ部を回転自在に連結したことを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 前記クラッチ部は、
前記シャフト内にシリンダが形成され、このシリンダ内にロック部材が摺動自在に配置され、このロック部材が前記操作ケーブルに対して回転自在に連結されたことを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装置。 - 前記クラッチ部は、
前記ロック部材の先端部は先細状のテーパ面を有し、このテーパ面の外周に球体を配置し、前記球体で前記シャフトおよび前記スクリューシャフトを連結可能としたことを特徴とする請求項2記載の車両用ブレーキ装置。
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