JP5343653B2 - 成形品の成形装置及び成形方法 - Google Patents
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Description
プレス方式は、成形形状を施した上型、下型に溶融した樹脂を注入し、圧力をかけて成形した後冷却し、型を外すことで樹脂の成形を行っている(特許文献1、2参照)。
また、上記特許文献2に示す従来の成形方法では、加熱された金型及び成形品をペルチェ素子にて冷却させていた。この方法によると、冷却のための時間は短くて済む。しかしながら、この成形方法は単品成形の場合は良いが、複数個の微細針を有する成形品を同時に成形する場合、費用と装置規模が拡大するという問題がある。
また、第1のプレートを成形品の搬送パレットとして共用できるため、第1のプレートからの成形品の剥離やハンドリングを大幅に減らすことが可能になり、ハンドリングや剥離にて発生する成形品への損傷(不良)を低減でき、作業工数も削減することができる。
本発明の実施の形態による成形品の成形装置及び方法について図1乃至図4を参照して詳細に説明する。
本発明方法に適用される成形品の成形装置は、図2に示すように、四角状の本体部81aと、本体部81aから下方に突出され平面視した場合の輪郭が本体部81aの輪郭よりも小さい微細針部81bを有する成形品81を、加熱溶融された樹脂チップ8を型に押し付けることで複数同時に成形するものであって、樹脂チップ搬入機構(特許請求の範囲に記載した樹脂チップ搬入手段に相当)1、加圧機構(特許請求の範囲に記載した加圧手段に相当)2、第1のプレート3、第2のプレート4、支持台5、加熱・冷却機構(特許請求の範囲に記載した加熱手段及び冷却手段に相当)6等を含んで構成される。
第2のプレート4は、図1乃至図4に示すように、矩形状の金属板材からなり、支持台5上に固定状態に設けられている。また、各本体部用型部11に対応する第2のプレート4の上面箇所には、微細針部81bを成形する複数の微細針部用型部12が一定の間隔をおいて2次元方向に、例えば2行、5列に配列して形成されている。さらに、第2のプレート4の上面箇所には、各微細針部用型部12の周囲を囲むようにして第1の当接面3aに当接可能なバリ阻止用の第2の当接面4aがそれぞれ設けられている。
また、第2のプレート4には、第1の当接面3aと第2の当接面4aとを当接させた状態で第2のプレート4に対して第1のプレート3を位置決めする位置決め手段(図示せず)が設けられている。この位置決め手段は、例えば、第2のプレート4の長手方向の両端部に鉛直に突設した一対のガイドピンと、第1のプレート3の長手方向の両端部に設けられ、上記一対のガイドピンにスライド可能に係合する一対のガイドブッシュバリとから構成されている。
加圧機構2は、金属材からなる矩形状の支持部材2a、複数の加圧部材10、ばね部材9等を備える。
支持部材2aには、図1乃至図4に示すように、各本体部用型部11の配列に対応する一定の間隔で2次元方向に、例えば2行、5列に配列で、支持部材2aの厚さ方向に貫通する形状の複数の支持穴2bがそれぞれ形成されている。この各支持穴2b内には加圧部材10が抜け落ちないように上下動可能に嵌合され、その下端部は支持部材2a下面側へ突出され、第1のプレート3の各本体部用型部11に嵌入されるようになっている。また、各支持穴2b内の加圧部材10の上面側にはばね部材9が挿着され、このばね部材9によって加圧部材10を下方に付勢するように構成されている。
また、支持部材6aには、複数のエアー吹付けノズル15が各微細針部用型部12の配列に対応する一定の間隔で2次元方向に、例えば2行、5列に配列して設けられている。この各エアー吹付けノズル15は各加熱体14から互いに一定の間隔を離して配列され、かつ支持部材6aに対して上下と可能に支持されている。各エアー吹付けノズル15には図示省略の空気供給源から冷却用の空気が供給される。さらに、各微細針部用型部12に対応する支持部材6aの箇所には、加熱体14を含む各加熱ブロック13がそれぞれ挿通されて加熱ブロック13の上端面を第2のプレート4の下面に当接させるとともに、各エアー吹付けノズル15から第2のプレート4へのエアー供給を可能にする複数の開口5aが形成されている。
一方の樹脂チップ搬入機構1の先端には樹脂チップ搬入機構1が取り付けられている。また、他方の旋回アーム16aには加圧機構2が取り付けられている。したがって、旋回軸16の旋回動作と上下動作とにより、樹脂チップ搬入機構1による樹脂チップ8の本体部用型部11への搬入と、加圧機構2による樹脂チップ8の加圧が交互に行われるように構成されている。
図3に示す作業テーブル21上において、樹脂チップ搬入機構1の吸盤7が樹脂チップ8を吸着する場所が樹脂チップ供給ステーションS2であり、樹脂チップ搬入機構1が樹脂チップ8を成形ステーションS1の第1のプレート3へ搬入する搬入動作時に加圧機構2を退避させておく場所が退避ステーションS3である。また、図3に示す作業テーブル21上において、成形ステーションS1を挟んで左側に位置する場所が、樹脂チップ8の搬入されていない空の本体部用型部11を有する第1のプレート3をストックする第1のストックステーションS4であり、また、成形ステーションS1を挟んで右側に位置する場所が第2のストックステーションS5であり、第2のストックステーションS5には、固化した成形品81の本体部用型部11に保持されたままの第1のプレート3が貯留される。
まず、図3に示す樹脂チップ供給ステーションS2において、樹脂チップ搬入機構1の吸盤7により樹脂チップ8を吸着する。この状態で、旋回軸16を旋回動作および上下動作することにより樹脂チップ搬入機構1を樹脂チップ8ごと成形ステーションS1に搬入し位置決めした後、図2(a)に示すように、樹脂チップ搬入機構1の吸盤7を降下して各樹脂チップ8を第1のプレート3の本体部用型部11に挿入する。そして、加熱・冷却機構6の支持部材6aを水平方向に移動して加熱体14を含む各加熱ブロック13を開口5aの真下に位置させ、支持部材6aを上動させることで各加熱ブロック13を第2のプレート4の下面に当接させて、第2のプレート4及び第1のプレート3を加熱し、かく樹脂チップ8を溶融する。
次いで、旋回軸16を上記と逆に旋回動作および上下動作させることにより、樹脂チップ搬入機構1を成形ステーションS1から樹脂チップ供給ステーションS2へ移送し、これに代えて加圧機構2を成形ステーションS1に移送する。その後、図2(b)に示すように、加圧機構2を降下させ、各加圧部材10を第1のプレート3の本体部用型部11に挿入して樹脂チップ8をその上面から加圧して、溶融樹脂チップ8を第1のプレート3の本体部用型部11に押し付けるとともに、第2のプレート4の微細針部用型部12に押し付ける。
次いで、図2(d)に示すように、旋回軸16を上動させて加圧機構2を上昇させ、各加圧部材10を第1のプレート3から離間する。その後、第1のプレート3を図示省略の搬出手段により成形品81ごと上動させて第2のプレート4をから引き離し、微細針部81bを第2のプレート4の微細針部用型部12を抜く。このとき、成形品81は第1のプレート3の本体部用型部11に係合された状態におかれる。
また、第2のストックステーションS5に搬出された第1のプレート3内の成形品81は、図2(e−1)に示すように、第1のプレート3から抜き取られる。
また、第1のプレートを成形品の搬送パレットとして共用できるため、第1のプレートからの成形品の剥離やハンドリングを大幅に減らすことが可能になり、ハンドリングや剥離にて発生する成形品への損傷(不良)を低減でき、作業工数も削減することができる。
Claims (8)
- 本体部と前記本体部から下方に突出され平面視した場合の輪郭が前記本体部の輪郭よりも小さい微細針部を有する成形品を、加熱溶融された樹脂チップを型に押し付けることで複数同時に成形する成形装置であって、
第1のプレートと、
前記第1のプレートの互いに間隔をおいた箇所に前記第1のプレートの厚さ方向に貫通形成され前記微細針部が設けられる箇所を下方に向けた前記本体部の外形形状を成形する複数の本体部用型部と、
前記各本体部用型部が開口する前記第1のプレートの箇所に前記本体部用型部の開口の周囲を囲むようにそれぞれ設けられたバリ阻止用の第1の当接面と、
前記第1のプレートの下方に配置される第2のプレートと、
前記各本体部用型部に対応する前記第2のプレートの箇所にそれぞれ設けられ前記微細針部を成形する複数の微細針部用型部と、
前記各微細針部用型部の周囲を囲むようにそれぞれ設けられ前記第1の当接面に当接可能なバリ阻止用の第2の当接面と、
前記第1の当接面と前記第2の当接面とを当接させた状態で前記第2のプレートに対して前記第1のプレートを位置決めする位置決め手段と、
前記第1の当接面と前記第2の当接面とが当接され前記位置決め手段により位置決めされた前記第1のプレートの各本体部用型部に、前記樹脂チップを保持して搬入する複数の保持部を有する樹脂チップ搬入手段と、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートを加熱して前記本体部用型部に搬入された前記樹脂チップを溶融する加熱手段と、
前記溶融された樹脂チップを前記本体部用型部及び前記微細針部用型部に加圧して前記本体部及び前記微細針部を成形する加圧手段と、
前記本体部及び前記微細針部が加圧成形された段階で前記加圧手段を加圧動作状態のまま前記加熱手段の加熱動作を停止し前記第1のプレート及び前記第2のプレートを冷却して前記成形品を固化する冷却手段と、
を備えることを特徴とする成形品の成形装置。 - 前記第1のプレートは前記成形品を収容するパレットを兼ねていることを特徴とする請求項1記載の成形品の成形装置。
- 前記第2のプレートの上下方向の位置が固定されて前記第2のプレートを通る上下方向の箇所が成形ステーションとされ、
前記樹脂チップが搬入されていない空の前記本体部用型部を有する前記第1のプレートを、当該空の第1のプレートをストックする第1のストックステーションから前記成形ステーションに搬入し前記第2のプレート上に前記位置決め手段を介して載置する搬入手段と、
前記冷却手段により固化した前記成形品の前記本体部が前記本体部用型部に保持されたままで前記第1のプレートを上方へ移動して前記成形品の前記微細針部を前記第2のプレートの前記微細針部用型部から抜き取った後前記成形ステーションから第2のストックステーションに搬出する搬出手段を備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載の成形品の成形装置。 - 前記保持部は吸盤であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の成形品の成形装置。
- 鉛直軸の回りに旋回可能かつ上下動可能に設けられた旋回軸と、前記旋回軸に設けられた一対の旋回アームとを有し、
前記一方の旋回アームに前記樹脂チップ搬入手段が設けられ、前記他方の旋回アームに前記加圧手段が設けられ、
前記旋回軸の旋回動作と上下動作とにより、前記樹脂チップ搬入手段による前記樹脂チップの前記本体部用型部への搬入と、前記加圧手段による前記樹脂チップの加圧が交互に行われる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形品の成形装置。 - 前記加圧手段は、支持部材と、各本体部用型部に挿脱可能で前記支持部材に下方への抜落が阻止された状態で設けられた複数の加圧部材と、前記各加圧部材を下方に付勢するばね部材と、前記支持部材を上下動させる上下動手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の成形品の成形装置。
- 前記加熱手段は、支持部材と、前記微細針部用型部の配列に対応して設けられ前記支持部材から上方に突出するように前記支持部材で保持された複数の加熱体とを備え、
前記冷却手段は、前記微細針部用型部の配列に対応して前記支持部材に支持され前記第2のプレートの下面にエアーを吹付けて前記成形品を冷却する複数のエアー吹付けノズルを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の成形品の成形装置。 - 本体部と前記本体部から下方に突出され平面視した場合の輪郭が前記本体部の輪郭よりも小さい微細針部を有する成形品を、加熱溶融された樹脂チップを型に押し付けることで複数同時に成形する成形方法であって、
前記本体部の外形形状を成形する複数の本体部用型部を有する第1のプレートと、前記各本体部用型部に対応して設けられ前記微細針部を成形する複数の微細針部用型部を有する第2のプレートを設け、
前記第2のプレートを通る上下方向の箇所が成形ステーションとされ、
前記樹脂チップが搬入されていない空の前記本体部用型部を有する前記第1のプレートを、当該空の第1のプレートをストックする第1のストックステーションから前記成形ステーションの前記第2のプレート上に搬入するプレート搬入工程と、
前記成形ステーションに搬送された前記第1のプレートの各本体部用型部に前記樹脂チップを搬入する樹脂チップ搬入工程と、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートを加熱して前記樹脂チップを溶融する加熱工程と、
前記加熱溶融された前記樹脂チップを前記本体部用型部及び前記微細針部用型部に加圧して前記本体部及び前記微細針部を成形する加圧工程と、
前記本体部及び前記微細針部が成形された段階で前記加圧状態を保持したまま前記加熱動作を停止し前記第1のプレート及び前記第2のプレートを冷却して前記成形品を固化する冷却工程と、
前記固化された前記成形品の前記本体部が前記本体部用型部に保持されたままで前記第1のプレートを上方へ移動して前記成形品の前記微細針部を前記第2のプレートの前記微細針部用型部から抜き取った後、前記第1のプレートを前記成形ステーションから第2のストックステーションに搬出する搬出工程と、
を備えることを特徴とする成形品の成形方法。
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