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JP5343492B2 - 光学シート - Google Patents

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JP5343492B2 JP2008252568A JP2008252568A JP5343492B2 JP 5343492 B2 JP5343492 B2 JP 5343492B2 JP 2008252568 A JP2008252568 A JP 2008252568A JP 2008252568 A JP2008252568 A JP 2008252568A JP 5343492 B2 JP5343492 B2 JP 5343492B2
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Description

本発明は、液晶表示装置用バックライトに用いられるプリズムシート等として用いられる光学シートに関するものである。
近年、液晶表示装置等のディスプレイ技術の急速な発展に伴って、それに用いられるシート状又はフィルム状光学部材についても、新しい機能を有するものや、より高品質なものに対する需要が高まっている。このようなシート状又はフィルム状光学部材としては、例えば、プロジェクションテレビなどの投射スクリーンに使用されるフレネルレンズシートやレンチキュラーシート、液晶表示装置などのバックライトとして使用されるプリズムシートやマイクロレンズシート、近年薄型テレビの反射防止用フィルムとして注目されているモスアイフィルム等が挙げられる。このような、シート状又はフィルム状光学部材は、通常、基材上に、表面に微細な凹凸構造を有する光学機能層が積層されている。また、上記光学部材は、光学機能層表面の微細な凹凸構造において光を屈折させることによって、所望の機能を発現する。
上記光学部材のうち、例えば、液晶表示装置などのバックライトとして使用されるプリズムシート(光学シート)は、当該光学シートの光学機能層の微細な凹凸構造の上に、更に他の光学シートや、拡散板、或いは拡散フィルムが積層されて用いられる(例えば、特許文献1)。このような積層体を製造する際に、衝撃または振動によって、上記光学シートの光学機能層の有する微細な凹凸構造が磨耗することがある。
また、上記光学シートは、エッジライト型の面光源装置や直下型の面光源装置のいずれにおいても表示パネル側の出光面に配置されている。なお、エッジライト型の面光源装置は、通常、透明なアクリル樹脂等の板状導光体の一側端面から光源光を入射し、その導光体の一方の面である出光面から液晶パネル等の背面に光を出射するように構成された装置であり、直下型の面光源装置は、光源を挟んだ態様で液晶パネルと反射板とを配置してなるものであり、通常、光源からの光を反射板によって液晶パネル等の背面に反射させるように構成された装置である。
上記光学シートが備える光学機能層と、面光源装置が有する導光板とが接した場合、工程内等で加わる熱により微細な凹凸構造の頂部がつぶれてしまうという「山つぶれ」の問題があり、さらには、光学機能層と導光板とが接して微細な凹凸構造の頂部に欠けが生じてしまうという問題もある。
こうした微細な凹凸構造の頂部の変形や欠けの問題は、表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせて表示性能を低下させることとなり、その対応が要請されている。
特開2004−311263号公報
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、傷付き難く、且つ、復元性の高い微細凹凸構造を有する光学機能層を備えた光学シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の物性を有する光学機能層を備えることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る光学シートは、少なくとも一面側に微細凹凸構造の単位を二次元配列してなり、当該微細凹凸構造とは反対面側から入射した透過光を収束又は配向させる光学機能層を備えた光学シートであって、
前記光学機能層は、イソホロンジイソシアネート及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートからなる骨格を含むウレタンアクリレートと、下記化学式(1)で表されるEO変性ビスフェノールAジアクリレート及び下記化学式(2)で表されるEO変性フェノキシエチルアクリレートから選択される1種以上と、光重合開始剤とを含有し、任意のモノマー成分として、ビフェロキシエチルアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、並びに、前記イソホロンジイソシアネート及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートからなる骨格を含むウレタンアクリレートとは異なるウレタンアクリレートから選択される1種以上を含有してもよい、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、
前記光学機能層は、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、動摩擦係数が0.3以下、及び、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、破断点伸度が20%〜70%であることを特徴とする、光学シート。
Figure 0005343492
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本発明の光学シートは、上記特定の物性を有する光学機能層を備える。当該光学機能層は、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、動摩擦係数が0.3以下であるため、適度な柔らかさと粘性を有し、当該光学機能層の微細な凹凸構造を傷つき難くすることができる。また、当該光学機能層は、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、破断点伸度が20%〜70%であるため、適度な柔らかさと伸縮性を有し、当該光学機能層に外力が加わって、当該光学機能層の有する微細な凹凸構造が変形した場合でも、元の形状に復元可能な復元性を有することができる。
従って、本発明によれば、上記光学機能層の有する微細凹凸構造の形状が損なわれ難く、所望の形状を維持することが可能な光学シートを得ることができる。
本発明に係る光学シートにおいては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、少なくともイソシアネート系硬化性化合物と、エポキシ−フェノール系硬化性化合物及び/又はエポキシ−アクリレート系硬化性化合物と、光重合開始剤とを含有することが、硬化物の屈折率を高める点から好ましい。
本発明に係る光学シートにおいては、前記光学機能層は、微細凹凸構造の単位としてプリズムを含むことができる。また、本発明に係る光学シートは、微細凹凸構造の単位としてマイクロレンズを含むことができる。更に、本発明に係る光学シートは、微細凹凸構造の単位としてプリズムとマイクロレンズを含むことができる。
本発明の光学シートによれば、特定の物性を有する光学機能層を備えるため、当該光学機能層の微細凹凸構造を傷つき難く、且つ、復元性の高いものとすることができる。
従って、本発明によれば、上記微細凹凸構造の形状が損なわれ難く、所望の形状を維持することが可能な光学シートを得ることができる。
以下において本発明を詳しく説明する。
<光学シート>
本発明に係る光学シートは、少なくとも一面側に微細凹凸構造の単位を二次元配列してなり、当該微細凹凸構造とは反対面側から入射した透過光を収束又は配向させる光学機能層を備えた光学シートであって、
前記光学機能層は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、
前記光学機能層は、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、動摩擦係数が0.3以下、及び、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、破断点伸度が20%〜70%であることを特徴とする。
〔層構成〕
図1は本発明の光学シートについて、基本的な形態を例示する断面図である。尚、図1に示す断面図において、説明の容易化のために、厚み方向(図の上下方向)の縮尺を幅方向(図の左右方向)の縮尺よりも大幅に拡大誇張して図示してある。光学シート1は、透明基材10と、その透明基材10の一方の面S1上に多数の微細凹凸構造11を有する光学機能層12が積層されている。
以下、本発明の光学シートについて、透明基材から順に説明する。
(1)透明基材
透明基材10は、光学シート1の主要な構成部材であり、後で詳述する光学機能層12の基材として作用すると共に、光源からの光の多くを光学機能層12側に透過するように作用する。透明基材10は、樹脂材料からなる光透過性の基材であればよく、特に基材単体での透過率が85%以上のものが好ましく用いられる。なお、ここでいう透過率とは、株式会社村上色彩技術研究所製の光線透過率計(型式:HM−150)により測定した値である。透明基材10の厚さは特に限定されないが、通常、ロール巻き可能な50〜500μmの範囲内である。
透明基材10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレート系のモノマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を紫外線又は電子線等の電磁放射線で硬化させた樹脂、等で構成された透明性基材を好ましく挙げることができる。
透明基材10は、押出しにより、又は後述の光拡散層13とともに共押出しにより作製されることが好ましい。なお、透明基材10はそれ以外の方法で作製されたものであってもよい。押出しで作製された透明基材10又はその他の方法で作製された透明基材10は、通常、延伸処理される。この延伸処理は、二軸延伸処理でも一軸延伸処理でもよいが、通常、二軸延伸処理が好ましく適用される。
(2)光学機能層
光学機能層12は、透明基材10の一方の面S1に設けられ、図1に示すように、多数の微細凹凸構造11を有する。当該微細凹凸構造11の単位構造は、光学機能を発現させることができる構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、三角柱構造、半球状構造、及びモスアイ構造等が挙げられる。ここで、「モスアイ構造」とは、物質の表面に入射電磁波(例えば可視光)の波長以下の構造を持つ突起が密集した結果、その表面の反射率が低減された構造を指す。これはある種類の蛾に見られる構造であるため、「蛾の目」との意味でモスアイ(moth−eye)構造と呼ばれ、スクリーン、ディスプレイ等の反射防止膜として使用することが知られている(例えば、特表2001−517319号公報参照)。
また、上記微細凹凸構造11の凹部(平面部)から凸部(頂部)までの高さは、特に限定されるものではないが、当該微細凹凸構造11がプリズムシート、マイクロレンズ、或いはレンズシートの場合、当該高さは10〜50μm程度であることが好ましく、更に好ましくは10〜30μm程度である。また、当該微細凹凸構造11がモスアイの場合、当該高さは100〜400nm程度であることが好ましく、更に好ましくは100〜300nm程度である。
本発明の光学機能層12は、25℃において、動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、好ましくは0.4〜0.7であり、且つ動摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.25以下である。25℃における、動的粘弾性特性tanδ及び動摩擦係数が上記範囲内であることにより、当該光学機能層12は、適度な柔らかさと粘性を有し、当該光学機能層12が有する微細な凹凸構造11を傷つき難くすることができる。
また、本発明の光学機能層12は、25℃において、動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、好ましくは0.4〜0.7であり、且つ、破断点伸度が20%〜70%、好ましくは20%〜60%である。25℃における、動的粘弾性特性tanδ及び破断点伸度が上記範囲内であることにより、当該光学機能層12は、適度な柔らかさと伸縮性を有し、当該光学機能層12に外力が加わって、当該光学機能層12の有する微細な凹凸構造が変形した場合でも、元の形状に復元可能な復元性を有することができる。
従って、本発明によれば、上記光学機能層の有する微細凹凸構造の形状が損なわれ難く、所望の形状を維持することが可能な光学シートを得ることができる。
尚、ここで、上記動的粘弾性特性tanδは、動的粘弾性測定装置を用いて、硬化物に、1Hzの振動を与えながら0℃〜120℃まで、3℃/minで昇温した際に、検出される粘弾性率を測定することにより求めることができる。測定装置としては、レオメーター(商品名:Rheogel E4000、ユービーエム社製)を挙げることができる。
また、上記動摩擦係数は、摩擦磨耗試験機を用いて、硬化物に対して垂直方向に、試験速度5mm/sの条件で荷重200gを加えることにより求めることができる。測定装置としては、摩擦磨耗試験機(商品名:HEIDON、新東科学(株)社製)を挙げることができる。
破断点伸度は、引張り試験機を用いて、試験片を25℃、引張り速度20m/minの条件で引っ張り、破断した時の伸度を測定することにより求めることができる。尚、自然長の2倍の長さまで伸張させた時点で破断した場合の伸度を100%とする。測定装置としては、万能試験機(商品名:テンシロン、エー・アンド・デイ社製)を挙げることができる。
本発明の光学機能層12は、硬化物が上記特定の物性を奏するように従来公知の化合物を配合した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物で形成されたものである。そうした活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、各種のものを例示でき、例えば、イソシアネート系硬化性化合物、エポキシ−フェノール系硬化性化合物、エポキシ−アクリレート系硬化性化合物、フルオレンアクリレート等の硬化性化合物と、光重合開始剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。
中でも、イソシアネート系硬化性化合物と、エポキシ−フェノール系硬化性化合物及び/又はエポキシ−アクリレート系硬化性化合物と、光重合開始剤とを少なくとも含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化物の屈折率を高める点から好ましい。
イソシアネート系硬化性化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及び/又はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)からなる骨格を含むウレタンアクリレートを挙げることができる。また、エポキシ−フェノール系硬化性化合物としては、例えば、下記化学式(1)で表されるEO変性ビスフェノールAジアクリレートを挙げることができる。エポキシ−アクリレート系硬化性化合物としては、例えば、下記化学式(2)で表されるEO変性フェノキシエチルアクリレートを挙げることができる。
Figure 0005343492
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上記イソシアネート系硬化性化合物の含有量は、全固形分に対して、10〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは20〜50重量%である。
また、上記のエポキシ−フェノール系硬化性化合物及び/又はエポキシ−アクリレート系硬化性化合物の含有量は、全固形分に対して、10〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは20〜40重量%である。
なお、本発明において、固形分とは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に含まれる成分のうち溶剤以外のものを意味する。
本発明で用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、任意成分として前記の硬化性化合物以外の(メタ)アクリロイル基、ビニル基を含有する化合物(モノマー成分)を含有することができる。このような化合物としては、例えば、ビフェロキシエチルアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート等の単官能モノマー、ポリプロピレンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、ウレタンアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
本発明で用いられる光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
本発明で用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、前記の成分以外に必要に応じて、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線安定剤、消泡剤、溶剤、非反応性アクリル樹脂、非反応性ウレタン樹脂、非反応性ポリエステル樹脂、顔料、染料、拡散剤等も併用することができる。
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化した後の屈折率が1.53以上であることが好ましい。硬化物の屈折率が1.55以上であることにより、例えば、本発明の光学シートを液晶表示装置用バックライトのプリズムシートとして用いた場合に、液晶表示装置の視野角と輝度とを両立可能なように、上記プリズムシートの微細凹凸構造(単位プリズム)の形状を制御することが容易になるからである。
光学機能層12は、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、例えば、(1)公知の熱プレス法(特開昭56−157310号公報)、(2)紫外線硬化性の熱可塑性樹脂フィルムにロールエンボス版によって単位微細凹凸構造11の形状をエンボス加工した後に紫外線を照射してそのフィルムを硬化させる方法(特開昭61−156273号公報)、(3)単位微細凹凸構造11の形状を刻設した回転するロール凹版上に活性エネルギー線硬化性樹脂液を塗布し凹部に充填した後、当該樹脂液を介してロール凹版上にフィルム状の透明基材10を被覆したまま紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射し硬化させ、その後それらをロール凹版から離型して、ロール凹版の単位微細凹凸構造11の形状をフィルム状の透明基材10上に形成する方法(特開平3−223883号、米国特許第4576850号等)等を挙げることができる。
(3)その他の層
光学シート1には、光拡散機能を付与することができる。光拡散機能の付与としては、例えば図1にその一例を示したように、透明基材10の少なくとも一方の面に光拡散層13を設けたり、いわゆるマット処理を行ったりすることができる。こうした光拡散機能の付与は今までにも多くの提案がなされてきているので、ここでは以下の説明にとどめ詳しくは説明しない。
図1に例示した光拡散層13は、好ましく設けられる任意の層であって、光を拡散させる作用があればよく、一般的な光拡散シートに形成されているものである。例えば光拡散性微粒子が透光性樹脂中に分散した層を適用できる。この光拡散層13は、透明基材10の他方の面S2に設けられていてもよいし、透明基材10の一方の面S1と光学機能層12との間(図示しない)に設けられていてもよいし、その両方に設けられていてもよい。
光拡散層13を構成する透光性樹脂材料としては、上記の透明基材10と同様の樹脂材料、例えばアクリル、ポリスチレン、ポリエステル、ビニル重合体等の透明な材料が用いられる。さらにその光拡散層13中には、光拡散性微粒子が均一に分散されている。光拡散性微粒子としては、一般的に光学シートに用いられる光拡散性の微粒子が用いられ、例えば、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ、シリカ系ビーズ等が用いられる。
光拡散層13は種々の方法で作製できる。例えば、光拡散性微粒子を透光性バインダー樹脂に分散させた塗料を、吹付け塗装、ロールコート等で塗工して形成してもよいし、光拡散性微粒子を分散させた樹脂材料を準備し、その樹脂材料を透明基材10の押出材料とともに共押出しして形成してもよい。なお、光拡散層13の厚さは、通常、1〜20μmの範囲である。
また、図示しないが、マット処理は、例えば透明基材10の他方の面S2上に光拡散層13を設ける代わりに、その面S2に所定の表面粗さを持たせて光拡散機能を付与したものである。その手段としては、表面を機械的に荒らす方法や、粒子を含む凹凸層を形成すること等を例示できる。
(4)光学シートの用途
本発明の光学シートは、例えば、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシートやマイクロレンズ、プロジェクションテレビ等の投影スクリーンに用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーシート、薄型テレビの反射防止用フィルムに用いられるモスアイフィルム等を挙げることができる。本発明の光学シートは、これらのいずれにおいても好適に用いることができるが、なかでも液晶表示装置用バックライトのプリズムシート、及びマイクロレンズとして好適に用いることができる。
<面光源装置>
図2は、本発明の光学シートを備える面光源装置の一例を示す斜視図である。図2の面光源装置20は、いわゆるエッジライト型の面光源装置であり、少なくとも1つの側端面22Aから導入された光を一方の面である光放出面22Bから出射する導光体22と、その導光体22の少なくとも前記1つの側端面22Aから内部に光を入射させる光源24と、導光体22の光放出面22Bに例えば接着層21を介して設けられ、その光放出面22Bから出射する光を透過する上記本発明に係る光学シート1とを有している。
導光体22は、透光性材料からなる板状体であって、図2において左側の側端面22Aから導入された光を、上側の光放出面22Bから出射するように構成されている。導光体22は、光学シート1の材料と同様の透光性材料で形成されるが、通常、アクリル又はポリカーボネート樹脂で形成される。導光体22の厚さは通常1〜10mm程度であり、その厚さは全範囲で一定であってもよいし、図2に示すように、光源24側の側端面22Aの位置で最も厚く、反対方向に徐々に薄くなるテーパ形状であってもよい。この導光体22は、光を広い面(光放出面22B)から出射させるために、その内部又は表面に光散乱機能が付加されていることが好ましい。
光源24は、導光体22の少なくとも1つの側端面22Aから内部に光を入射させるものであり、導光体22の側端面22Aに沿って配置されている。光源24としては、図2に示すような線状の光源に限定されるものでなく、白熱電球、LED(発光ダイオード)等の点光源を側端面22Aに沿ってライン状に配置してもよい。また、小形の平面蛍光ランプを側端面22Aに沿って複数個配置するようにしてもよい。
導光体22の光放出面22Bには、上述した本発明に係る光学シート1が、例えば接着層21を介して設けられる。光学シート1は、その光学機能層12の反対面が導光体22の光放出面22Bになるように設けられる。
光反射板26は、導光体22の光放出面22Bと反対側の面に設けられると共に、左側の側端面22A以外の側端面に設けられ、これらの面から出射する光を反射して導光体22内に戻すためのものである。光反射板26は、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、又は、白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。
<表示装置>
図3は、図2で示したエッジライト型の面光源装置を備えた液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。図3に示す液晶表示装置30は、平面状の透光性表示体である液晶パネル32と、その液晶パネル32の背面に配置され、液晶パネル32を背面から光照射するエッジライト型の面光源装置20とを備えている。この液晶表示装置30は、いわゆるバックライト型の液晶表示装置であり、液晶画面を形成する各画素を面光源装置20からの出射光によって裏側から照明するように構成されている。
この液晶表示装置30は、本発明に係る光学シートを備えた面光源装置20を構成部材として有するので、表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与えることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
(実施例1)
単位プリズムの賦形が形成されたレンズ型に、下記に示す活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を滴下した後、ポリエチレンテレフタレート基材(PET、商品名:A4300 厚み:125μm 東洋紡績株式会社製)を重ね、ラミネーターでPET全面を上記樹脂組成物に圧着した。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・ヘキサメチレンジイソシアネート骨格を有するカプロラクトン変性ウレタンアクリレート:45重量部
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(M−211B:商品名、東亜合成社製):5重量部
・EO変性フェノキシアクリレート(M−101A:商品名、東亜合成社製):25重量部
・フェノキシベンジルアクリレート:25重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
次に、780mJ/cmで、上記樹脂組成物に対して紫外線照射を行い、多数の単位プリズムを有する光学機能層を硬化させ、ポリエチレンテレフタレート基材と一体化させた。その後、上記レンズ型を剥離することによって、本発明の光学シートを得た。
ここで、上記単位プリズムの形状は三角形状とした。より詳しくは、高さ25μm、ピッチ50μm、単位プリズムの頂角が90°となる二等辺三角形状で、稜線が互いに平衡になるように複数の単位プリズムが隣接された形状とした。
(実施例2)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・飽和環状構造を有するポリエステル変性ウレタンアクリレート:80重量部
・EO変性フェノキシアクリレート(M−102:商品名、東亜合成社製):10重量部
・EO変性フェノキシエチルアクリレート:10重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(実施例3)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(M−211B:商品名、東亜合成社製):10重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート骨格を有するカプロラクトン変性ウレタンアクリレート:75重量部
・ポリプロピレンジアクリレート(M−225:商品名、東亜合成社製):15重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例1)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・フェニルマレイミドを共重合させた飽和環状構造を有するポリエステル変性ウレタンアクリレート:80重量部
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(M−211B:商品名、東亜合成社製):10重量部
・EO変性フェノキシエチルアクリレート:10重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例2)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・フルオレンジアクリレート(オグゾールEA−5503:商品名、大阪ガスケミカル(株)製):15重量部
・フェノキシエチルアクリレート:25重量部
・EO変性フェノキシエチルアクリレート:10重量部
・オルトフェノキシエチルアクリレート:10重量部
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(M−211B:商品名、東亜合成社製):40重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例3)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・飽和環状構造を有するポリエステル変性ウレタンアクリレート:60重量部
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(M−211B:商品名、東亜合成社製):10重量部
・EO変性フェノキシエチルアクリレート:10重量部
・トリプロピレングリコールジアクリレート(M−220:商品名、東亜合成社製):20重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例4)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・MMA−スチレン−メタクリル酸ドデシル共重合体:45重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート骨格を有するウレタンエステル:44.5重量部
・有機シリコーン:0.5重量部
・EO変性フェノキシエチルアクリレート:5重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例5)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・ビスフェノールAエポキシアクリレート:25重量部
・フェノキシエチルアクリレート:20重量部
・イソボルニルアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製):5重量部
・アクリルモルホリン(興人社製):5重量部
・ビスフェノールAジアクリレート:10重量部
・ビスフェノールAジメタクリレート:25重量部
・イソヌル酸EO変性ジアクリレート(M−215:商品名、東亜合成社製):10重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):3重量部
(比較例6)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・フルオレンアクリレート:45重量部
・フェノキシエチルアクリレート:35重量部
・イソヌル酸EO変性トリアクリレート(M−315:商品名、東亜合成社製):20重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(比較例7)
前記実施例1において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして光学シートを得た。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
・ヘキサメチレンジイソシアネート骨格を有するカプロラクトン変性ウレタンアクリレート:80重量部
・ビルフェノールAエポキシジアクリレート:5重量部
・フェノキシベンジルアクリレート:15重量部
・光重合開始剤(イルガキュア184:商品名、チバ・ジャパン(株)製):5重量部
(評価結果)
上記各実施例、及び比較例に対して、以下の点を評価した。その結果を表1に記載する。
(1)動的粘弾性特性
上記で得られた光学シートを長さ20mm、幅5mmに切断したものを試験片とした。レオメーター(商品名:Rheogel E4000、ユービーエム社製)を用いて、上記試験片に、1Hzの振動を与えながら昇温速度3℃/minの条件下で、0℃〜120℃まで昇温し、検出される粘弾性率を測定した。
(2)動摩擦係数
摩擦磨耗試験機(商品名:HEIDON、新東科学(株)製)を用いて、上記で得られた光学シートのプリズム稜線と垂直方向に、試験速度5mm/sの条件で荷重200gを加え、動摩擦係数を測定した。
(3)破断点伸度
上記で得られた光学シートを長さ150mm、幅20mmに切断したものを試験片とした。万能試験機(商品名:テンシロン、エー・アンド・デイ社製)を用いて、上記試験片を25℃、引張り速度20m/minの条件で引っ張り、破断した時の伸度を測定した。尚、自然長の2倍の長さまで伸張させた時点で破断した場合の伸度を100%とした。
(4)傷付き性
学振磨耗試験機(商品名:AB−301、テスター(株)製)を用いて、上記で得られた光学シートを、当該光学シートのプリズム稜線と垂直方向に、引張り速度300mm/min、移動距離100mmの条件で引っ張た後の当該光学シート表面を顕微鏡観察した。
[評価]
・5:顕微鏡観察で傷が見えなかった
・4:顕微鏡観察で傷が1本見えた
・3:顕微鏡観察で傷が2〜3本見えた
・2:顕微鏡観察で傷が多数見えた
・1:顕微鏡観察で試験片の表面全面に削れた後が見えた
(5)復元性
学振磨耗試験機(商品名:AB−301、テスター(株)製)を用いて、上記で得られた光学シートを、当該光学シートのプリズム稜線と垂直方向に、引張り速度300mm/min、移動距離100mmの条件で引っ張た後の当該光学シート表面を顕微鏡観察した。
[評価]
・5:顕微鏡観察で形状の変形が確認されなかった
・4:顕微鏡で変形が見えるが目視では見えなかった
・3:25℃(室温)で10分以内に元の形状に復元された
・2:25℃(室温)で10分以内に元の形状に復元されなかったが、35℃に加熱した場合、5分以内に元の形状に復元された
・1: 35℃で加熱し5分以内に元の形状に復元されなかったが、80℃で1分加熱した場合、元の形状に復元された
Figure 0005343492
<結果のまとめ>
上記表1に示す結果から、光学機能層の、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、動摩擦係数が0.3以下、及び、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、破断点伸度が20%〜70%である実施例1〜3では、当該光学機能層の微細凹凸構造に傷はなく、変形もみられなかった。一方、動摩擦係数が0.3超過の比較例1、2、5、及び6では、光学機能層の表面が滑り難いため、当該光学機能層の微細凹凸構造に傷がみられた。特に、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4未満の比較例5及び6では、光学機能層が硬く滑り難いため、当該光学機能層の微細凹凸構造の表面全面に削れた後がみられた。また、破断点伸度が20%未満の比較例3〜6では、光学機能層の伸縮性が低いため、当該光学機能層の微細凹凸構造に変形がみられた。特に、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4未満の比較例5及び6では、光学機能層が硬く、伸縮性も低いため、当該光学機能層の微細凹凸構造の変形が顕著にみられた。また、破断点伸度が70%超過、及び25℃における動的粘弾性特性tanδが0.8超過の比較例7では、光学機能層が柔らかく伸縮性が高いため、当該光学機能層の微細凹凸構造に変形はみられなかったが、当該微細凹凸構造表面に傷がみられた。
本発明の光学シートの一例を示す概略図である。 本発明の光学シートを備える面光源装置の一例を示す斜視図である。 図2で示した面光源装置を備えた液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 光学シート
10 透明基材
11 微細凹凸構造
12 光学機能層
13 光拡散層
20 面光源装置
21 接着層
22 導光体
22A 側端面
22B 光放出面
24 光源
26 光反射板
30 液晶表示装置
32 液晶パネル
S1 透明基材の一方の面
S2 透明基材の他方の面

Claims (4)

  1. 少なくとも一面側に微細凹凸構造の単位を二次元配列してなり、当該微細凹凸構造とは反対面側から入射した透過光を収束又は配向させる光学機能層を備えた光学シートであって、
    前記光学機能層は、イソホロンジイソシアネート及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートからなる骨格を含むウレタンアクリレートと、下記化学式(1)で表されるEO変性ビスフェノールAジアクリレート及び下記化学式(2)で表されるEO変性フェノキシエチルアクリレートから選択される1種以上と、光重合開始剤とを含有し、任意のモノマー成分として、ビフェロキシエチルアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、並びに、前記イソホロンジイソシアネート及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートからなる骨格を含むウレタンアクリレートとは異なるウレタンアクリレートから選択される1種以上を含有してもよい、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、
    前記光学機能層は、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、動摩擦係数が0.3以下、及び、25℃における動的粘弾性特性tanδが0.4〜0.8、且つ、破断点伸度が20%〜70%であることを特徴とする、光学シート。
    Figure 0005343492
    Figure 0005343492
  2. 前記光学機能層は、微細凹凸構造の単位としてプリズムを含むことを特徴とする、請求項に記載の光学シート。
  3. 前記光学機能層は、微細凹凸構造の単位としてマイクロレンズを含むことを特徴とする、請求項に記載の光学シート。
  4. 前記光学機能層は、微細凹凸構造の単位としてプリズムとマイクロレンズを含むことを特徴とする、請求項に記載の光学シート。
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