JP6089541B2 - プリズムシート、面光源装置、及び、透過型画像表示装置 - Google Patents
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Description
プリズムシートは、バックライトから放出された光をプリズム部において、反射または屈折させ、光源の像(ライトイメージ)を隠す乃至目立ち難くしながら液晶パネル側への光の放出量を多くし、液晶パネルの面に垂直な方向の輝度を高める働きを有する。
いずれの場合においても、プリズム層の凹凸形状は、他の部材と接触するため、その製造時や運搬時に生ずる衝撃や振動によって、当該プリズム層の凹凸形状の頂部に、潰れや欠け、擦り傷などが生ずることがあった。
プリズム層の硬度を上げることにより、プリズム層の潰れ、欠け、擦り傷の問題は、改善がみられた。しかしながら、限度を超える外圧を受けると、やはり摩耗、欠け、つぶれが生じてしまう。また、硬度の高いプリズム層を用いた場合には、プリズム層の凹凸形状側表面と接触する他の部材に擦り傷等が生じやすいという問題があった。
しかし、プリズム層の復元率が高い場合には、外からの力を受けた際のプリズム層の頂部の潰れが大きくなり、接触する他の部材との接触面積が増えることとなる。その結果、プリズム層と当該他の部材との間の滑りが悪くなり、プリズム層の表面に擦り傷などが入りやすいという問題があった。
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする。
本発明のプリズムシートは、表面の凹凸形状が、接触する部材を傷つけ難いため、面光源の光放出面側に配置しても、導光板などの当該面光源の光放出面を傷つけ難い。
なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又は(メタ)アクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
本発明のプリズムシートについて図を用いて説明する。図1は、本発明に係るプリズムシートの一例を示す斜視図である。図2は、本発明に係るプリズムシートの一例を示す概略断面図である。図1及び図2の例に示されるように、本発明のプリズムシート10は、透明樹脂基材1上に、単位凹凸形状3を複数有するプリズム層2が設けられている。なお本発明においては、単位凹凸形状の凸部の先端を頂部4という場合がある。また、複数ある単位凹凸形状において、頂部と、隣接する他の頂部との幅をピッチ(P[μm])とする。
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする。
プリズム層が、上記特定の物性を有することにより、傷つき難い凹凸形状を備え、且つ、当該凹凸形状と接触する部材を傷つけ難いプリズムシートとすることができる。
この問題に対して、従来、プリズム層の硬度を高くすることや、復元性の高い樹脂を用いることが検討されてきた。
プリズム層の硬度を高くして、プリズム層を硬くすることにより、プリズムシートの潰れや、欠け、擦り傷などの問題は改善され得る。しかしながら、単に硬くするだけでは、当該凹凸形状と接触する部材のほうを傷つけてしまう。
一方、プリズム層に復元性の高い樹脂を用いることにより、当該プリズム層は、力や圧力を受けて一時的に潰れた場合であっても、当該力や圧力が取り除かれると元の形状に復元するため、潰れや欠け等の問題が改善され得る。復元性を大きくすると、プリズム層の頂部がより柔軟になるため、より強い力に対しても、潰れや欠けが生じにくい。しかしながら、復元性が高い場合には、プリズムの頂部の一時的な変形により、接触する部材との接触面積が増大しやすい。その結果、プリズム層への擦り傷が生じやすくなる。
このようにプリズム層の凹凸形状自身の傷つき防止と、接触する部材の傷つけ防止とは、トレードオフの関係にあった。
本発明は、プリズム層の硬度、及び復元率を上記特定の範囲とすることにより、プリズム層の硬さと復元力を両立させる。更に、プリズム層表面の動摩擦係数を、上記特定の範囲に設定することにより、プリズム層と、他の部材との間に生じる摩擦を抑制する。
これらの結果、プリズム層の凹凸形状に、潰れや欠け、傷等が生じにくくなるとともに、プリズム層の凹凸形状と接触させて用いられる他の部材の傷をも生じにくくすることができる。
以下、このようなプリズムシートについて、順に詳細に説明する。
透明基材として、光学フィルム用途に用いられる、従来公知の樹脂基材やガラス基材の中から、適宜選択して用いることができる。
透明基材の材質の具体例としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂等が挙げられる。
中でも、透明性、耐熱性の点から、ポリエステル系樹脂、アセチルセルロース系樹脂、又は(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましく、更に、コスト面、及びフィルム強度の点から、ポリエステル系樹脂であることがより好ましい。
透明基材は、本発明の効果が損なわれない限り、更に、可塑剤等の添加物が含まれていてもよい。
図1に示す例の通り、プリズム層2は、前記透明基材1の一面側に設けられ、当該透明基材1とは反対側の面に複数の単位凹凸構造3を備える凹凸形状を有するものである。
プリズム層2に特定の物性を付与することにより、当該プリズム層の凹凸形状が、潰れ、欠け、及び擦り傷が生じにくく且つ、当該凹凸形状と接触する他の部材を傷つけにくい。
本発明において、プリズム層の硬度は、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])をいう。本測定は、凹凸形状を有するプリズム層そのものを用いて行ってもよいが、当該プリズム層を形成する感光性樹脂組成物の硬化塗膜を試験片として用いてもよい。なお、本測定は常温常湿下、即ち、5〜35℃、相対湿度45〜85%の範囲内で行う。
プリズム層が同じ材質である場合には、ピッチが狭いほど、動摩擦係数が大きくなる傾向にある。また、ピッチが同じ場合には、復元率の大きい材料を用いるほど、動摩擦係数が大きくなる傾向にあるため、プリズム層に用いられる材料と、ピッチとの組み合わせを適宜調整することにより、プリズム層を所望の動摩擦係数とすることができる。
プリズム層の形状は、従来公知の形状の中から、用途に応じて適宜調整することができる。
プリズム層の単位凹凸構造は、図1や図2に示されるような三角柱の他、四角柱、五角柱等の角柱状の単位プリズム(単位凹凸構造)をその稜線方向と直交する方向に多数配列したもの(プリズム線状配列)が挙げられる。
上述したような角柱状の単位プリズムの場合、プリズムシートの厚さTは、その稜線方向で均一であっても良いし、均一でなくとも良い。例えば、周縁部に近いほど高く、中央部に近いほど低いというように稜線方向で異なっていても良い。
透明基材の平面の法線方向(以下、単に「厚さ方向」という。)における単位プリズムの断面の形状は図3のように二等辺三角形としても良いし、図示しないが不等辺三角形としても良い。
厚さ方向の断面における三角形の単位プリズムの頂角の値は、図1のように90°でも良いし、それ以外の角度であっても良く、40〜120°の範囲で調節することができる。
プリズム層において、上記ピッチは、面光源装置の光度のムラを低減する点から、10μm〜100μmとすることが好ましく、15μm〜60μmとすることがより好ましい。
プリズム層の形成方法は、得られるプリズム層が、上記特定の硬度、復元率、及び動摩擦係数を有するものであればよく、従来公知の方法を用いることができるが、通常、光硬化性樹脂組成物を硬化させて形成される。
光硬化性樹脂組成物としては、光硬化性成分としてエチレン性不飽和結合を有する化合物を含む組成物であることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物であることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物として好ましく用いられる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物は、塗工性の点から、通常溶剤を含むものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。以下、好ましく用いられる(メタ)アクリル酸エステルを含む組成物中の各成分について順に説明する。
(メタ)アクリル酸エステルは、プリズムシートに用いられるものの中から、適宜選択して用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリル酸エステルであっても、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステルであってもよく、単官能(メタ)アクリル酸エステルと多官能(メタ)アクリル酸エステルとを併用するものであってもよい。
中でも、硬度と復元率を両立する点から、単官能(メタ)アクリル酸エステルと多官能(メタ)アクリル酸エステルとを併用することが好ましい。
中でも、一般式(I)であらわされるカプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
一般式(I)で表わされるカプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートは、単一の構造及び質量平均分子量のものを用いても良いし、構造及び質量平均分子量が異なるものを2種以上組み合わせて用いても良い。
上記その他の樹脂の含有量は、前記組成物の全固形分質量に対して、1〜8質量%であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルの硬化反応を開始又は促進させるために、必要に応じて光開始剤(光重合開始剤)を適宜選択して用いても良い。光開始剤の具体例としては、例えば、ビスアシルフォスフィノキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、離型剤等が挙げられる。
本発明において光硬化性樹脂組成物は、賦型性の点から、溶剤を含まないことが好ましいが、塗工性などを付与する点から溶剤を用いてもよい。溶剤を用いる場合、当該溶剤は、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤の具体的としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、シクロヘキサン等のアノン系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、光硬化性樹脂組成物に用いられる溶剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶剤の混合溶剤でもよい。
エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2程度である。本発明においては前記(メタ)アクリル酸エステルが架橋するため、低いエネルギーでも有効に硬化させることが可能である。例えば、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜150mJ/cm2とすることができる。
更に加熱する場合には、通常40〜120℃の温度で処理する。
逆プリズム方式を採用する場合には、導光板と接触する構成となる。当該導光板は傷つきやすいアクリル樹脂製が多いが、本発明のプリズムシートを用いると、導光板の傷つきを防止でき、表示性能の低下を防止できる。
本発明に係る面光源装置は、面光源の光放出面側に、プリズムシートを備えた面光源装置であって、
前記プリズムシートが、透明基材と、当該透明基材の一面側に設けられ、当該透明基材とは反対側の面に複数の単位凹凸構造を備える凹凸形状を有するプリズム層を備えるプリズムシートであって、
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする。
図3は、本発明に係るプリズムシートを備える面光源装置の一例を示した模式的な斜視図である。また、図4は、本発明に係るプリズムシートを備える面光源装置の他の一例を示した概略断面図である。図3の面光源装置20は、導光板12の光放出面13側に、光放出面13側から光拡散層11、前記本発明に係るプリズムシート10が透明基材1の側から設けられている。また、図4の例は、プリズムシート10のプリズム層2側が導光板12に面した、いわゆる逆プリズム方式の面光源装置である。図4のような逆プリズム方式の面光源装置では、導光板とプリズムシートとの間の光拡散層が省略可能なため、薄型化や、低コスト化の他、光の利用効率を向上することが可能である。
なお、図3及び図4の例の面光源装置20はエッジライト型の面光源装置であり、その導光板12の少なくとも一つの側端面17に設けられた光源15から光が導光板12内に入射され、光放出面13から光が放出される。
前記本発明に係るプリズムシートは、凹凸形状と接触する部材を傷つけ難いことから、図4の例のように、導光板の表面にプリズムシートの凹凸形状を接触させて用いた場合であっても、導光板に傷が生じにくい。
導光板の厚さは通常1〜10mmであり、その厚さは全範囲で一定であっても良いし、図3に示すように、一端側に光源15を設ける場合は、光源15を設ける側端面17側が最も厚く、側端面14の反対側ほどに徐々に薄くなるテーパ形状であっても良い。導光板には、光放出面から光を放出させるために、その内部又は表面に光散乱機能が付加されていることが好ましい。
光を入射させるものであり、導光板の側端面に沿って配置される。光源としては、図3に示すような線状の光源15に限定されるものでなく、白熱電球、LED(発光ダイオード)等の点光源を側端面に沿ってライン状に配置しても良いし、小形の平面蛍光ランプを側端面に沿って複数個配置するようにしても良い。
単位凹凸構造の頂角が80度未満の場合は、図4のように、プリズムシート10のプリズム層2側が導光板12側に対峙する向きで配置される。
光反射板は、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、又は、白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。
本発明に係る透過型画像表示装置は、透過型表示パネルの一面側に、面光源装置を備えた透過型画像表示装置であって、
前記面光源装置が、面光源の光放出面側に、透明基材と、当該透明基材の一面側に設けられ、当該透明基材とは反対側の面に複数の単位凹凸構造を備える凹凸形状を有するプリズム層を備えるプリズムシートを備え、
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする。
本発明において透過型画像表示装置は、典型的には液晶セルであって、液晶セルとは、液晶化合物をガラス板等の2枚の透明板の間に封入したモジュールをいい、偏光板又はカラーフィルタ等のその他の部材が含まれたモジュールであっても良い。
カプロラクトン変性ウレタンアクリレート(BASFジャパン製;商品名:ε−Caprolacton Urethane Acrylates)25質量部と、トリデシルアクリレート(サートマー社製、商品名:SR489D)15質量部と、ビフェニロキシエチルアクリレート(大阪有機化学株式会社製;商品名:V#193)15質量部と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(日立化成工業株式会社製、商品名:FA−324A)20質量部と、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON社製、商品名:MIRAMER M3190)5質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセル株式会社製、商品名:HDDA)10質量部と、トリレンジイソシアネート5質量部と、トリフェニルフォスフィン(日化トレーディング株式会社製;商品名:TDI)1質量部と、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184) 3質量部と、リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製;商品名Chelex H−18D)1質量部とを混合して、光硬化性樹脂組成物Aを得た。
製造例1において、配合比率を表1の割合に変更した以外は、製造例1と同様にして、製造例2〜7の光硬化性樹脂組成物B〜Gを得た。なお、表中の各値は各成分の配合量(質量部)を表す。
ビスフェノールAジグリシジルアクリレート(日油株式会社製;商品名:ブレンマーG)40質量部と、カプロラクトン変性ウレタンアクリレート(BASFジャパン製;商品名:ε−Caprolacton Urethane Acrylates)10質量部と、ビフェニリロキシエチルアクリレート(大阪有機化学株式会社製;商品名:V#193)8質量部と、エチレンオキサイド変性7ビフェニリロキシエチルアクリレート(大阪有機化学株式会社製;商品名:V#193’)7質量部と、ビスフェノールAエポキシアクリレート新中村化学株式会社製;商品名:A−B1206PE ;分子量500)5質量部と、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学株式会社製;商品名:A−400)20質量部と、トリレンジイソシアネート(日化トレーディング株式会社製、商品名:TDI)5質量部と、N−ジオクチルメチルアミン(メルク株式会社製、商品名:820790)1質量部と、光開始剤としてビスアシルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ社製)3質量部と、リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製;商品名Chelex H−18D)1質量部とを混合して、光硬化性樹脂組成物Hを得た。
フェノキシエチルアクリレート(サートマー社製、商品名:SR339)9質量部と、オルトフェニルフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社、商品名:アクリル酸2−フェノキシエチル)36質量部と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(EO 4モル変性)(共栄社化学株式会社、商品名:ライトアクリレートBP−4EA)8質量部と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(EO 10モル変性)(MIWON社製、商品名:MIRAMER M2100)42質量部と、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学株式会社製、商品名:A−40)10質量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(ビックケミージャパン株式会社製、商品名:BYK−377)0.5質量部と、グリセリンエポキシアクリレート(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:DA−314)5質量部と、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)3質量部と、リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製;商品名Chelex H−18D)0.1質量部とを混合して、光硬化性樹脂組成物Iを得た。
フェノキシエチルアクリレート18.9質量部と、イソボルニルアクリレート8質量部と、4−アクリロイルモルホリン5質量部と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(EO 4モル変性)(共栄社化学株式会社、商品名:ライトアクリレートBP−4EA)12質量部と、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート(EO 2モル変性)(共栄社化学株式会社、商品名:ライトアクリレートBP−2EM)27質量部と、ビスフェノールAエポキシジアクリレート16.1質量部と、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸トリアクリレート13質量部と、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)3質量部と、リン酸エステル型離型剤(SC有機化学(株)製;商品名Chelex H−18D)0.05質量部とを混合して、光硬化性樹脂組成物Jを得た。
単位プリズムの線状配列の凹凸形状が形成されたピッチが54.5μmのプリズム型に上記調製した光硬化性樹脂組成物Bを滴下した後、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東洋紡績(株)製の商品名A4300)を重ね、ラミネーターで当該PET基材全面を光硬化性樹脂組成物Bに圧着した。
次いで、超高圧水銀ランプ(HOYA−SCHOTT製;商品名:UV LIGHT
SOURCE EX250;光源:250W)を用い、170mJ/cm2で光硬化性樹脂組成物1に対して紫外線照射を行い、多数の単位プリズムを有するプリズム部を硬化させ、PET基材と一体化させた。その後、上記プリズム型を剥離することによって、ピッチが54.5μmプリズム層を有するプリズムシート1を得た。
実施例1において、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに、光硬化性樹脂組成物C〜Eをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが54.5μmプリズム層を有するプリズムシート2〜4を得た。
実施例1において、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに、光硬化性樹脂組成物Hを用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが54.5μmプリズム層を有するプリズムシート5を得た。
実施例1において、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに、光硬化性樹脂組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが54.5μmプリズム層を有する比較プリズムシート1を得た。
実施例1において、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに光硬化性樹脂組成物F及びGをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが54.5μmプリズム層を有する比較プリズムシート2及び3を得た。
実施例1において、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに光硬化性樹脂組成物I又はJをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが54.5μmプリズム層を有する比較プリズムシート4及び5を得た。
実施例1において、ピッチが54.5μmのプリズム型の代わりに、ピッチが18μmのプリズム型を用い、光硬化性樹脂組成物Bの代わりに製造例4で得られた光硬化性樹脂組成物Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、ピッチが18μmプリズム層を有するプリズムシート6を得た。
実施例6において、光硬化性樹脂組成物Dの代わりに、光硬化性樹脂組成物E及びFをそれぞれ用いた以外は、実施例6と同様にして、ピッチが18μmプリズム層を有するプリズムシート7、8を得た。
実施例6において、光硬化性樹脂組成物Dの代わりに、光硬化性樹脂組成物Hを用いた以外は、実施例6と同様にして、ピッチが18μmプリズム層を有するプリズムシート9を得た。
実施例6において、光硬化性樹脂組成物Dの代わりに、光硬化性樹脂組成物A〜C及びGをそれぞれ用いた以外は、実施例6と同様にして、ピッチが18μmプリズム層を有する比較プリズムシート6〜9を得た。
実施例6において、光硬化性樹脂組成物Dの代わりに、光硬化性樹脂組成物I及びJをそれぞれ用いた以外は、実施例6と同様にして、ピッチが18μmプリズム層を有する比較プリズムシート10、及び11を得た。
上記製造例1〜10で得られた感光性樹脂組成物A〜Jを、それぞれ、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東洋紡績(株)製の商品名A4300)に塗布し、超高圧水銀ランプ(HOYA−SCHOTT製;商品名:UV LIGHT SOURCE EX250;光源:250W)を用い、170mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させ、膜厚が25±5μmの硬化塗膜としたのち、当該硬化塗膜を、長さ10mm、幅10mmに切断して、感光性樹脂組成物A〜Jの硬化物の試験片を得た。
上記試験片の製造で得られた感光性樹脂組成物A〜Jの硬化物の試験片の硬度を、ISO14577−1に準拠して、(株)フィッシャー・インストルメンツ製の微小硬さ試験機(商品名PICODENTOR HM500、圧子はダイヤモンド製の四角錐型、対面角90°)を用いて、押し込み荷重を変化させて押し込み深さを測定し、最大押し込み時の荷重(N)を圧子と試料の接触面積(mm2)で除した値を硬度とした。その測定結果を表2に示す。なお、測定は押し込み深さを制御するモードでおこない、条件は深さ1μmに5秒で圧子先端が到達する設定とした。結果を表2及び表3に示す。
上記試験片の製造で得られた感光性樹脂組成物A〜Jの硬化物の試験片の復元率を、ISO14577−1に準拠して、(株)フィッシャー・インストルメンツ製の微小硬さ試験機(商品名PICODENTOR HM500、圧子はダイヤモンド製の四角錐型、対面角90°)を用いて、押し込み荷重を変化させて押し込み深さを測定し、最大押し込み深さに達したところで除荷した後の押し込み深さを測定し、最大押し込み深さと除荷した後の押し込み深さの差(弾性変形)を、最大押し込み深さ(全体変形)で除した値を復元率とした。その測定結果を表2に示す。なお、測定は押し込み深さを制御するモードでおこない、条件は深さ1μmに5秒で圧子先端が到達し、最大押し込み深さに達した後、5秒間かけて除荷する設定とした。結果を表2及び表3に示す。
実施例1〜9、及び比較例1〜11で得られたプリズムシートのプリズム層の表面の動摩擦係数を、JIS K7125「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験法」に準拠し、プリズム層を形成する単位凹凸形状の稜線方向と直行する方向、すなわち、図2における矢印5の方向に、摩擦を引き起こす運動を生じさせて測定した。結果を表2及び表3に示す。
実施例1〜9、及び比較例1〜11で得られたプリズムシートを100mm×100mmの大きさにカットし、プリズムシートを含めたサンプルの質量が400±20gとなるように、プリズムシートの基材側表面に、薄い50ミクロン程度の同サイズのPETフィルムを貼り合わせて調整した。次にプリズム層の表面に、アクリル製の導光板を接触させ、プリズムシートが鉛直方向および水平方向に約5mmずつ自由に動くように枠を設置してJIS Z0232(2004)のランダム振動試験に準拠して、アイデックス株式会社性、型番:BF−50UCを用い、周波数67Hz、加速度10Gの条件にて試験を行った後、光学顕微鏡を用いて、導光板表面の傷の様子を観察した。結果を表2及び3に示す。
(振動試験評価基準)
○:プリズム層及び導光板表面に傷が確認されなかった。
×:プリズム層及び導光板表面の少なくとも一方に傷が確認された。
実施例1〜9、及び比較例1〜11で得られたプリズムシートのプリズム層の表面に、摺動試験片を接触させ、一定の荷重をかけながらプリズム層を形成する単位凹凸形状の稜線方向と直行する方向に10往復させた後、光学顕微鏡を用いて、プリズム層表面の傷の様子を観察した。荷重を変化させて、繰り返し上記試験を行い、プリズム層表面に傷が観察されない最大の荷重[g]を測定した。上記摺動試験片としては、大日本印刷株式会社製の表面に凹凸形状を持つUV硬化樹脂フィルム(商品名:マットヘイズ7)を用いた。結果を表2及び表3に示す。
実用上、最大荷重が800g以上であれば、プリズム層が傷つきにくいと判断される。
表2及び表3の結果から、硬度が2.10〜2.90N/mm2、復元率が55〜90%、動摩擦係数が0.12〜0.18の範囲内にある、実施例1〜9のプリズムシートは、プリズムシートの表面凹凸形状が傷つきにくく、且つ、当該凹凸形状と接触する他の部材も傷つけにくいことが明らかとなった。
比較例1や比較例6のように復元率が高くても硬度が低い場合には、摺動試験の結果が悪く、プリズム層が傷つきやすいことが明らかとなった。一方、硬度が高いが復元率が低い比較例3や比較例9の場合には、摺動試験の結果は良好であるが、振動試験の結果が悪く、プリズム層上に他の部材を接触させた場合に、プリズム層や、接触させた他の部材に傷が生じやすいことが明らかとなった。
実施例1と比較例7、実施例2と比較例8、及び実施例8と比較例2の比較から、同じ感光性樹脂組成物を用いた場合であっても、プリズムのピッチを変更することにより動摩擦係数を変化することができ、動摩擦係数を上記特定の範囲内とすることにより、表面凹凸形状が傷つきにくく、且つ、当該凹凸形状と接触する他の部材も傷つけにくいプリズムシートが得られることが明らかとなった。
実施例2で得られたプリズムシートを、図4のように、面光源の光放出側、すなわち、導光板14側に、プリズム層2の凹凸形状を有する面が配置されるようにして、実施例10の面光源装置を製造した。
得られた面光源装置の、視野角曲線を図6に示す。図6の横軸は、面光源の平面の法線方向を0度としたときの、当該法線と観察方向とのなす角を表す。縦軸は、正面から観察したときの輝度を1としたときの相対輝度を表す。また、図6の、稜線方向とは、プリズムシートの単位凹凸形状の稜線方向である。図6の結果の通り、本発明のプリズムシートを用いて製造された面光源装置は、視野角曲線が良好なものであった。
2 プリズム層
3 単位凹凸構造
4 頂部
5 動摩擦係数の測定方向
10 プリズムシート
11 光拡散層
12 導光板
13 光放出面
15 光源
16 光反射板
17 側端面
18 透過型表示パネル
20 面光源装置
30 透過型画像表示装置
Claims (10)
- 透明基材と、当該透明基材の一面側に設けられ、当該透明基材とは反対側の面に複数の単位凹凸構造を備える凹凸形状を有するプリズム層を備えるプリズムシートであって、
前記プリズム層が、少なくとも、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリル酸エステルである(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有し、且つ、エチレンオキサイド鎖を含む化合物とを含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当
該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする、プリズムシート。 - 面光源の光放出面側に、前記プリズム層の前記凹凸形状を有する面が配置されて用いられる、請求項1に記載のプリズムシート。
- 前記動摩擦係数が、0.13〜0.16である、請求項1又は2に記載のプリズムシート。
- 前記光硬化性樹脂組成物が、当該光硬化性樹脂組成物の全固形分質量に対して、
下記一般式(I)であらわされるカプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートを5〜22質量%含み、
カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリル酸エステルを合計5〜40質量%含み、
多官能(メタ)アクリル酸エステルを合計10〜70質量%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリズムシート。
- 面光源の光放出面側に、プリズムシートを備えた面光源装置であって、
前記プリズムシートが、透明基材と、当該透明基材の一面側に設けられ、当該透明基材とは反対側の面に複数の単位凹凸構造を備える凹凸形状を有するプリズム層を備えるプリズムシートであって、
前記プリズム層が、少なくとも、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリル酸エステルである(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有し、且つ、エチレンオキサイド鎖を含む化合物とを含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当
該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする、面光源装置。 - 前記動摩擦係数が、0.13〜0.16である、請求項5に記載の面光源装置。
- 前記光硬化性樹脂組成物が、当該光硬化性樹脂組成物の全固形分質量に対して、
下記一般式(I)であらわされるカプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートを5〜22質量%含み、
カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリル酸エステルを合計5〜40質量%含み、
多官能(メタ)アクリル酸エステルを合計10〜70質量%含む、請求項5又は6に記載の面光源装置。
- 透過型表示パネルの一面側に、面光源装置を備えた透過型画像表示装置であって、
前記面光源装置が、面光源の光放出面側に、透明基材と、当該透明基材の一面側に設けられ、当該透明基材とは反対側の面に複数の単位凹凸構造を備える凹凸形状を有するプリズム層を備えるプリズムシートを備え、
前記プリズム層が、少なくとも、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリル酸エステルである(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有し、且つ、エチレンオキサイド鎖を含む化合物とを含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記プリズム層の硬度を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さに到達した時の加重(W[N])を、圧子と前記プリズム層との接触面積(S[mm2])で除した値で定義される硬度(W/S[N/mm2])としたときに、当該硬度が、2.10〜2.90N/mm2であり、
前記プリズム層の復元率を、ISO14577−1に準拠して、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら押込み深さを測定し、最大押込み深さ(D1[μm])に到達した後、除荷し、除荷後5秒後の押込み深さ(D2[μm])を測定し、最大押込み深さD1と除荷後の押込み深さD2の差を、最大押込み深さD1で除した値で定義される復元率({(D1−D2)/D1}×100[%])としたときに、当該復元率が、55〜90%であって、
且つ、前記プリズム層表面の動摩擦係数が、0.12〜0.18であることを特徴とする、透過型画像表示装置。 - 前記動摩擦係数が、0.13〜0.16である、請求項8に記載の透過型画像表示装置。
- 前記光硬化性樹脂組成物が、当該光硬化性樹脂組成物の全固形分質量に対して、
下記一般式(I)であらわされるカプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレートを5〜22質量%含み、
カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリル酸エステルを合計5〜40質量%含み、
多官能(メタ)アクリル酸エステルを合計10〜70質量%含む、請求項8又は9に記載の透過型画像表示装置。
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