JP5202667B2 - 油圧ショベルの位置誘導システム及びその制御方法 - Google Patents
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Description
1−1.油圧ショベルの全体構成
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る油圧ショベルの位置誘導システムについて説明する。図1は、位置誘導システムが搭載される油圧ショベル100の斜視図である。油圧ショベル100は、車両本体1と作業機2とを有する。車両本体1は、上部旋回体3と運転室4と走行装置5とを有する。上部旋回体3は、図示しないエンジンや油圧ポンプなどの装置を収容している。運転室4は上部旋回体3の前部に載置されている。運転室4内には、後述する表示入力装置38及び操作装置25が配置される(図3参照)。走行装置5は履帯5a,5bを有しており、履帯5a,5bが回転することにより油圧ショベル100が走行する。
位置誘導システム28は、油圧ショベル100を、作業エリア内の目標面まで誘導するためのシステムである。位置誘導システム28は、上述した第1〜第3ストロークセンサ16−18、3次元位置センサ23、傾斜角センサ24のほかに、表示入力装置38と、位置誘導コントローラ39とを有している。
2−1.案内画面の構成
図5に案内画面52を示す。案内画面52は、上面図52aと側面図52bとを含む。
上述したように、目標面線84はバケット8の先端の現在位置から算出される。位置誘導コントローラ39は、3次元位置センサ23、第1〜第3ストロークセンサ16−18、傾斜角センサ24などからの検出結果に基づき、グローバル座標系{X,Y,Z}でのバケット8の先端P3の現在位置を算出する。具体的には、バケット8の先端P3の現在位置は、次のようにして求められる。
Ya=(P1−P2)/|P1−P2|・・・(1)
図6(a)に示すように、YaとZの2つのベクトルで表される平面を通り、Yaと垂直なベクトルZ’を導入すると、以下の関係が成り立つ。
(Z’,Ya)=0・・・(2)
Z’=(1−c)Z+cYa・・・(3)
cは定数である。
(2)式および(3)式より、Z’は以下の(4)式のように表される。
Z’=Z+{(Z,Ya)/((Z,Ya)−1)}(Ya−Z)・・・(4)
さらに、YaおよびZ’と垂直なベクトルをX’とすると、X’は以下の(5)式のようのように表される。
X’=Ya⊥Z’・・・(5)
図6(b)に示すように、車両本体座標系は、これをYa軸周りに上述したロール角θ4だけ回転させたものであるから、以下の(6)式のように示される。
・・・(6)
xat=0・・・(7)
yat=Lb1+L1sinθ1+L2sin(θ1+θ2)+L3sin(θ1+θ2+θ3)・・・(8)
zat=−Lb2+L1cosθ1+L2cos(θ1+θ2)+L3cos(θ1+θ2+θ3)・・・(9)
なお、バケット8の先端P3は、車両本体座標系のYa−Za平面上で移動するものとする。
そして、グローバル座標系でのバケット8の先端P3の座標が以下の(10)式から求められる。
P3=xat・Xa+yat・Ya+zat・Za+P1・・・(10)
図4に示すように、位置誘導コントローラ39は、上記のように算出したバケット8の先端P3の現在位置と、記憶部43に記憶された設計地形データとに基づいて、3次元設計地形とバケット8の先端P3を通るYa−Za平面77との交線80を算出する。そして、位置誘導コントローラ39は、この交線のうち目標面70を通る部分を上述した目標面線84として案内画面52に表示する。
まず、作業可能範囲76の算出方法について説明する前に、作業機2の最大リーチ長さLmaxと最小リーチ長さLminについて説明する。最大リーチ長さLmaxは、作業機2を最大に伸ばした状態での作業機2のリーチ長さである。なお、作業機2のリーチ長さは、ブームピン13とバケット8の先端P3との間の距離である。図7に、作業機2の長さが最大リーチ長さLmaxとなるときの作業機2の姿勢(以下、「最大リーチ姿勢」と呼ぶ)を模式的に示す。図7に示す座標平面Yb−Zbは、上述した車両本体座標系{Xa,Ya,Za}においてブームピン13の位置を原点としたものである。最大リーチ姿勢では、アーム角θ2は最小値となる。また、バケット角θ3は、作業機2のリーチ長さが最大となるように、パラメータ最適化のための数値解析によって算出される。このときのバケット角θ3の値を以下、「最大リーチ角」と呼ぶ。
次に、最適作業位置の算出方法について説明する。最適作業位置演算部51は、目標面70と作業可能範囲76との重なり合う掘削可能範囲79が最大となる車両本体1の位置を最適作業位置として算出する。以下、図11に示すフローチャートに基づいて最適作業位置の算出方法を説明する。
本実施形態に係る油圧ショベル100の位置誘導システム28では、目標面線84と作業可能範囲76との重なり合う掘削可能範囲79が最大となる車両本体1の位置が最適作業位置として算出される。そして、最適作業位置を示す案内画面52が表示部42に表示される。このため、オペレータは、案内画面52上の最適作業位置を目指して油圧ショベル100を操縦することにより、油圧ショベル100を掘削作業に適した位置まで容易に移動させることができる。具体的には、オペレータは、図5に示す案内画面52の側面図52bに表示されるアイコン81によって最適作業位置を確認することができる。このため、オペレータは、油圧ショベル100の前後の位置調整を容易に行うことができる。また、オペレータは、案内画面52の上面図52aに表示される直線72によって最適作業位置を確認することができる。このため、オペレータは、油圧ショベル100の左右の位置調整を容易に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、位置誘導システム28の機能の一部、或いは、全てが、油圧ショベル100の外部に配置されたコンピュータによって実行されてもよい。上記の実施形態では作業機2は、ブーム6、アーム7、バケット8を有しているが、作業機2の構成はこれに限られない。
2 作業機
19 位置検出部
28 位置誘導システム
42 表示部
46 地形データ記憶部
47 作業機データ記憶部
48 現況面記憶部
50 現況面検出部
51 最適作業位置演算部
52 案内画面
70 目標面
76 作業可能範囲
100 油圧ショベル
Claims (11)
- 車両本体と前記車両本体に取り付けられる作業機とを有する油圧ショベルを、作業エリア内の目標面まで誘導する位置誘導システムであって、
前記目標面の位置を示す地形データを記憶する地形データ記憶部と、
前記作業機が届くことができる前記車両本体の周囲の作業可能範囲を示す作業機データを記憶する作業機データ記憶部と、
前記車両本体の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地形データと前記作業機データと前記車両本体の現在位置とに基づいて、前記目標面と前記作業可能範囲との重なり合う掘削可能範囲が最大となる前記車両本体の位置を最適作業位置として算出する最適作業位置演算部と、
前記最適作業位置を示す案内画面を表示する表示部と、
を備える油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記掘削可能範囲は、側面視において前記目標面の断面を示す線分と前記作業可能範囲との重なりあう部分である、
請求項1に記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記案内画面は、側面視における前記目標面の断面と前記油圧ショベルと前記最適作業位置とを示す側面図を含む、
請求項1又は2に記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記案内画面は、上面視における前記目標面と前記油圧ショベルと前記最適作業位置とを示す上面図を含む、
請求項1から3のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 最新の現況面を検出する現況面検出部と、
前記現況面検出部で検出された最新の現況面を記憶し更新する現況面記憶部と、
をさらに備え、
前記最適作業位置は、前記車両本体が前記現況面上に位置しているときの前記作業可能範囲の高さ位置に基づいて算出される、
請求項1から4のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 最新の現況面を検出する現況面検出部と、
前記現況面検出部で検出された最新の現況面を記憶し更新する現況面記憶部と、
をさらに備え、
前記最適作業位置演算部は、前記現況面と前記目標面との差の大きさに基づいて前記目標面を掘削済領域と未掘削領域とに分類し、前記車両本体に最も近い前記未掘削領域を前記掘削可能範囲の対象とする、
請求項1から4のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記最適作業位置演算部は、前記現況面又は前記目標面の傾斜角が所定の閾値以上であるときには、前記案内画面に前記最適作業位置を表示させない、
請求項5又は6に記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記目標面が前記油圧ショベルから見て上り斜面又は水平面である場合、前記最適作業位置は、前記作業可能範囲の境界線と前記目標面との交点のうち前記車両本体から遠い方が前記目標面の頂上部と一致する位置である、
請求項1から7のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 前記目標面が前記油圧ショベルから見て下り斜面である場合、前記最適作業位置は、前記作業可能範囲の境界線と前記目標面との交点のうち前記車両本体に近い方が前記目標面の頂上部と一致する位置である、
請求項1から8のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システム。 - 請求項1から9のいずれかに記載の油圧ショベルの位置誘導システムを備える油圧ショベル。
- 車両本体と前記車両本体に取り付けられる作業機とを有する油圧ショベルを、作業エリア内の目標面まで誘導する位置誘導システムの制御方法であって、
前記車両本体の現在位置を検出するステップと、
前記目標面の位置を示す地形データと、前記作業機が届くことができる前記車両本体の周囲の作業可能範囲を示す作業機データと、前記車両本体の現在位置とに基づいて、前記目標面と前記作業可能範囲との重なり合う掘削可能範囲が最大となる前記車両本体の位置を最適作業位置として算出するステップと、
前記最適作業位置を示す案内画面を表示するステップと、
を備える油圧ショベルの位置誘導システムの制御方法。
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