JP6841784B2 - 作業機械 - Google Patents
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Description
本発明は,作業機によって運搬される掘削対象物の荷重値を演算する制御装置を備える作業機械に関する。
一般に露天掘りの鉱山では,油圧ショベルに代表される作業機械とダンプトラックに代表される運搬機械により,鉱物の掘削・運搬作業が連続的に行われる。運搬機械には最大積載量が設定されており,最大積載量を超して掘削対象物である鉱物を積込むと,運搬機械の移動速度が落ち,更に運搬機械に損傷を招く可能性があるため,運搬機械の積載量が最大積載量以下になるように積荷を積み直さなければならない。積み直す場合には,時間の損失が発生するため,鉱山の生産性が落ちる。また,積載量が最大積載量を大きく下回ると運搬機械の能力が十分に発揮できず,鉱山の生産性が落ちることは明らかである。このように鉱山の生産性向上においては運搬機械の積載量を最大積載量に近づけることが重要な要素であり,そのためには作業機械の1回の掘削動作によって得られる掘削荷重を目標値に近づけることが重要となる。
この種の技術に関連して特許文献1には,作業機械の1回の掘削動作による想定掘削量に基づいて,作業機械の1回の掘削動作により掘削対象から想定掘削量が得られる領域を掘削領域として決定し,その掘削領域に基づいて次回の掘削動作を行う際の作業機械の作業位置を算出する制御装置と,その次回の掘削動作を行う際の作業機械の作業位置に関する情報を表示する表示装置とを備える作業機械が開示されている。
特許文献1の技術は,次回の掘削動作を行う際の作業機械の作業位置,すなわち次回の掘削に適した作業機械の停止位置を作業機械の操縦者に提供するものである。しかし,操縦者の経験やスキルによっては,フロント作業装置を車体前方のどこまで伸ばして掘削作業を開始すれば目標とする掘削荷重が得られるのか分からない場合があり,作業機械の停止位置の情報の提供だけでは不十分な場合がある。すなわち,特許文献1が提供する情報だけでは作業機械による掘削荷重を目標値に近づけることが難しい場合がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり,その目的は操縦者の経験やスキルに関わらず掘削荷重を目標値に近づけることができる作業機械を提供することにある。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが,その一例を挙げるならば,バケットを有する作業装置と,前記作業装置を駆動するアクチュエータと,前記作業装置の姿勢情報及び前記アクチュエータの負荷情報の少なくとも一方に基づいて前記作業装置によって行われている作業を判定する作業判定部,前記作業装置によって掘削された掘削対象物の荷重値である掘削荷重を演算する掘削荷重演算部を有する制御装置と,前記掘削荷重演算部により演算された前記掘削荷重を表示する表示装置とを備える作業機械において,前記制御装置は,前記作業判定部によって掘削作業が行われていると判定されたときにおける前記作業機械に設定された基準点から前記バケットに設定された基準点までの距離,及び前記作業判定部によって掘削作業が行われていると判定されている間に前記バケットに設定された基準点が移動した距離のいずれか一方を掘削距離として前記作業装置の姿勢情報に基づいて演算する掘削距離演算部と,前記掘削荷重演算部により演算された前記掘削荷重と前記掘削距離演算部により演算された前記掘削距離とを対応づけて記憶する作業結果記憶部と,前記作業結果記憶部に記憶された前記掘削荷重と前記掘削距離との対応関係の傾向に基づいて,前記掘削荷重の目標値である目標掘削荷重と前記掘削距離の目標値である目標掘削距離との対応関係を設定する対応関係設定部と,前記バケットの定格容量情報に基づいて前記目標掘削荷重を設定する目標掘削荷重設定部と,前記対応関係設定部により設定された前記対応関係と前記目標掘削荷重設定部により設定された前記目標掘削荷重とに基づいて,前記目標掘削距離を演算する目標掘削距離演算部とを備え,前記表示装置は,前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標掘削距離を表示する。
本発明によれば操縦者の経験やスキルに関わらず掘削荷重を目標値に近づけることができる。
以下,本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下では,作業機械の荷重計測システムを構成する積込機械として油圧ショベルを,運搬機械としてダンプトラックを利用する場合について説明する。
本発明が対象とする作業機械(積込機械)は,フロント作業装置のアタッチメントとしてバケットを有する油圧ショベルに限られず,グラップルやリフティングマグネット等,運搬物の保持・解放が可能なものを有する油圧ショベルも含まれる。また,油圧ショベルのような旋回機能の無い作業腕を備えるホイールローダ等にも本発明は適用可能である。
<第1実施形態>
−全体構成−
図1は本実施形態に係る油圧ショベルの側面図である。図1の油圧ショベル1は,下部走行体10と,下部走行体10の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体11と,上部旋回体11の前方に搭載された多関節型の作業腕であるフロント作業装置12と,上部旋回体11を回動する油圧モータである旋回モータ19と,上部旋回体11に設けられ操作者が乗り込んでショベル1を操作する操作室(運転室)20と,操作室20内に設けられ,油圧ショベル1に搭載されたアクチュエータの動作を制御するための操作レバー(操作装置)22(22a,22b)と,記憶装置(例えば,ROM,RAM),演算処理装置(例えばCPU)及び入出力装置を有し油圧ショベル1の動作を制御するコントローラ21によって構成されている。
−全体構成−
図1は本実施形態に係る油圧ショベルの側面図である。図1の油圧ショベル1は,下部走行体10と,下部走行体10の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体11と,上部旋回体11の前方に搭載された多関節型の作業腕であるフロント作業装置12と,上部旋回体11を回動する油圧モータである旋回モータ19と,上部旋回体11に設けられ操作者が乗り込んでショベル1を操作する操作室(運転室)20と,操作室20内に設けられ,油圧ショベル1に搭載されたアクチュエータの動作を制御するための操作レバー(操作装置)22(22a,22b)と,記憶装置(例えば,ROM,RAM),演算処理装置(例えばCPU)及び入出力装置を有し油圧ショベル1の動作を制御するコントローラ21によって構成されている。
フロント作業装置12は,上部旋回体11に回動可能に設けられたブーム13と,ブーム13の先端に回動可能に設けられたアーム14と,アーム14の先端に回動可能に設けられたバケット(アタッチメント)15とを備えている。また,フロント作業装置12はフロント作業装置12を駆動するアクチュエータとして,ブーム13を駆動する油圧シリンダであるブームシリンダ16と,アーム14を駆動する油圧シリンダであるアームシリンダ17と,バケット15を駆動する油圧シリンダであるバケットシリンダ18を備えている。
ブーム13,アーム14,バケット15の回動軸には夫々ブーム角度センサ24,アーム角度センサ25,バケット角度センサ26が取り付けられている。これら角度センサ24,25,26からはブーム13,アーム14,バケット15夫々の回動角度を取得できる。また,上部旋回体11には旋回角速度センサ(例えば,ジャイロスコープ)27と傾斜角度センサ28が取り付けられており,それぞれ上部旋回体11の旋回角速度と上部旋回体11の前後方向の傾斜角度が取得できるように構成されている。角度センサ24,25,26,27,28の検出値からはフロント作業装置12の姿勢を特定する姿勢情報を取得できる。
ブームシリンダ16およびアームシリンダ17にはそれぞれブームボトム圧センサ29,ブームロッド圧センサ30,アームボトム圧センサ31,アームロッド圧センサ32が取り付けられており,各油圧シリンダ内部の圧力が取得できるように構成されている。圧力センサ29,30,31,32の検出値からは各シリンダ16,18の推力,すなわちフロント作業装置12に与えられる駆動力を特定する駆動力情報や,各シリンダ16,18の負荷を特定する負荷情報を取得できる。なおバケットシリンダ18のボトム側とロッド側にも同様の圧力センサを設けてバケットシリンダ18の駆動力情報や負荷情報を取得することで各種制御に利用しても良い。
なお,ブーム角度センサ24,アーム角度センサ25,バケット角度センサ26,傾斜角度センサ28,旋回角速度センサ27は,フロント作業装置12の姿勢情報を算出可能な物理量を検出できるものであれば他のセンサに代替可能である。例えば,ブーム角度センサ24,アーム角度センサ25及びバケット角度センサ26はそれぞれ傾斜角センサや慣性計測装置(IMU)に代替可能である。また,ブームボトム圧センサ29,ブームロッド圧センサ30,アームボトム圧センサ31,アームロッド圧センサ32は,ブームシリンダ16及びアームシリンダ17が発生する推力,すなわちフロント作業装置12に与えられる駆動力情報や各シリンダ16,17の負荷情報を算出可能な物理量を検出できるものであれば他のセンサに代替可能である。さらに推力,駆動力,負荷の検出に代えて又は加えて,ブームシリンダ16及びアームシリンダ17の動作速度をストロークセンサで検出したり,ブーム13及びアーム14の動作速度をIMUで検出したりすることでフロント作業装置12の動作を検出しても良い。
操作室20の内部には,コントローラ21での演算結果(例えば,掘削荷重演算部53に演算されたバケット15内の掘削対象物4の荷重値である運搬荷重やその積算値である運搬機械の積載量)などを表示するモニタ(表示装置)23と,フロント作業装置12と上部旋回体11の動作を指示するための操作レバー22(22a,22b)とが備え付けられている。上部旋回体11の上面にはコントローラ21が外部のコンピュータ等(例えば運搬機械であるダンプトラック2(図2参照)に搭載されたコントローラ)と通信するための外部通信機である通信アンテナ33が取り付けられている。
本実施形態のモニタ23は,タッチパネルを有しており,操作者がコントローラ21への情報の入力を行うための入力装置としても機能する。モニタ23としては例えばタッチパネルを有する液晶ディスプレイが利用可能である。
操作レバー22aは,ブーム13の上げ・下げ(ブームシリンダ16の伸縮)とバケット15のダンプ・クラウド(バケットシリンダ18の伸縮)をそれぞれ指示し,操作レバー22bは,アーム14のダンプ・クラウド(アームシリンダ17の伸縮)と上部旋回体11の左・右旋回(油圧モータ19の左右回転)をそれぞれ指示する。操作レバー22aと操作レバー22bは2複合のマルチ機能操作レバーで,操作レバー22aの前後操作がブーム13の上げ・下げ,左右操作がバケット15のクラウド・ダンプ,操作レバー22bの前後操作がアーム14のダンプ・クラウド,左右操作が上部旋回体11の左・右回転に対応している。レバーを斜め方向に操作すると,該当する2つのアクチュエータが同時に動作する。また,操作レバー22a,22bの操作量はアクチュエータ16−19の動作速度を規定する。
図2は油圧ショベル1の作業の一例を示す概観図である。油圧ショベル1は一般に,掘削対象物3を掘削しバケット15内部に掘削対象物4を積載する「掘削作業」と,掘削作業の後に旋回し走行面5上の運搬機械2の荷台上にバケット15を移動する「運搬作業」と,運搬作業の後に掘削対象物4を運搬機械2に放出する「積込作業」と,積込作業の後に掘削対象3の位置へバケット15を移動する「リーチング作業」を繰返し実施し,これにより運搬機械2の荷台を掘削対象物4で満杯にする。一般的に運搬機械2には最大積載量という積載上限が存在し,最大積載量を満たした場合を満杯とする。運搬機械2の荷台に掘削対象物4を過剰に積込むと過積載となり,積み直し作業や運搬機械2の損傷を招く。また積込が過少である場合は運搬量が少なくなり,現場の作業効率が下がる。したがって,運搬機械2への積込量は適正にすることが必要となる。
図3と図4を用いて,掘削距離と,掘削距離と掘削荷重との関係性とについて説明する。本稿では,フロント作業装置12による掘削作業開始時におけるバケット15の位置と同掘削作業終了時におけるバケット15の位置の少なくとも一方を規定する距離情報を「掘削距離」と総称し,フロント作業装置12によって掘削されてバケット15内に積載される掘削対象物4の荷重値を「掘削荷重」と称する。
また,掘削距離は,油圧ショベル1の本体(上部旋回体11及び下部走行体10)に設定された基準点からバケット15に設定された基準点までの掘削作業中の或る時刻(例えば掘削開始時または掘削終了時)における距離と,掘削作業中(例えば掘削開始時から掘削終了時までの間)にバケット15に設定された基準点が移動した距離の少なくとも一方であるともいえる。掘削距離は同時刻又は異なる時刻において空間的に離れた2つの基準点によって規定され得るが,本稿ではこの2つの基準点のうち一方の基準点を掘削作業の開始時と終了時の少なくとも一方におけるバケット15の爪先位置とする。ただし,バケット側の基準点は必ずしも爪先とする必要はなく,バケット15上の位置であれば他の点に設定しても良い。なお,本実施形態では掘削距離を規定する他方の基準点を上部旋回体11の旋回中心に設定するが,下部走行体も含めて油圧ショベルの本体側の点であればその他の点に設定しても構わない。
掘削距離には,(1)油圧ショベル1に設定した所定の基準点から掘削開始位置(掘削作業開始時のバケット爪先位置)までの距離を示す「掘削開始距離」(第1掘削距離)と,(2)掘削開始位置から掘削終了位置(掘削作業終了時のバケット爪先位置)までの距離である「掘削移動距離」と,(3)バケット15の制御点が掘削開始位置から掘削終了位置に移動するまでの軌跡の長さである「掘削軌跡長さ」が含まれる。これら3種の掘削距離のうち「(1)掘削開始距離」は掘削作業開始時のバケット爪先位置に関する距離情報(“第1掘削距離”と称する)であり,「(2)掘削移動距離」と「(3)掘削軌跡長さ」は掘削作業終了時のバケット爪先位置に関する距離情報(“第2掘削距離”と称する)である。図3はこれら掘削距離のうち掘削開始距離の具体例を示している。
図3では,(1)掘削開始距離(第1掘削距離)の例として,上部旋回体11の旋回中心から掘削開始位置までの水平距離(水平掘削開始距離)D1と,上部旋回体11の底面から掘削開始位置までの垂直距離(垂直掘削開始距離)D3を挙げている。本実施形態では,上部旋回体11の旋回中心から掘削開始位置までの水平方向の距離D1を掘削距離として演算する。例えば,水平掘削開始距離D1は,アームボトム圧センサ31とアームロッド圧センサ32の信号の値から掘削作業が開始したことを検出し,そのときのバケット15の爪先位置をセンサ24−26及び傾斜センサ28の信号の値から得られる姿勢情報に基づいて演算し,その爪先位置から上部旋回体11の旋回中心までの水平距離を演算することで演算できる。バケット15の爪先位置は,上部旋回体11に設定された座標系であって,上部旋回体11の旋回中心を垂直軸とする直交座標系上の点として定義できる。例えば,図3に示すように,上部旋回体11の旋回中心をz軸,上部旋回体11の底面における左右方向をy軸(但し左方向を正),上部旋回体11の底面における前後方向をx軸(但し前方向を正)とする直交座標系を車体座標系とした場合,水平掘削開始距離D1はバケット爪先位置のx座標の座標値として演算され,垂直掘削開始距離D3は同z座標の座標値として演算される。
その他の掘削距離(第2掘削距離)として,(2)掘削移動距離には,掘削開始位置から掘削終了位置までの水平距離(水平掘削移動距離)D2(例えば図27参照)と,掘削開始位置から掘削終了位置までの垂直距離(垂直掘削移動距離)D4(例えば図27参照)が例として挙げられる。(3)掘削軌跡長さには,バケット15の爪先が掘削開始位置から掘削終了位置に移動するまでの軌跡の長さである掘削軌跡長さD5(例えば図27参照)がある。
図4は掘削距離と掘削荷重の関係性を示す一例の概略図である。油圧ショベル1の操縦者は,油圧ショベル1のフロント作業装置12(図4では,ブームシリンダ,アームシリンダ,バケットシリンダの図示を省略)を操作し,掘削対象物3に対して掘削作業を行う。掘削荷重を調整する必要がある場合には,特にベンチの上で掘削積込作業を繰り返して行う現場では,操縦者は掘削距離を調整して掘削荷重を調整できる。例えば,上部旋回体11の旋回中心から掘削開始位置までの水平方向の距離(水平掘削開始距離)D1を掘削距離とみなした場合,図4中の上の場面では,掘削距離D1aが同図の下の場面の値D1bより長い。すなわちより遠くまでフロント作業装置12を伸ばしているため,多くの掘削対象物を掘削することが容易となる。
次に,本実施形態に係る油圧ショベル1に搭載される掘削積込作業案内システムの構成について図5と図6を用いて説明する。
図5は本実施形態に係る油圧ショベル1の油圧回路の概略図である。ブームシリンダ16,アームシリンダ17,バケットシリンダ18,及び旋回モータ19は,メインポンプ39から吐出される作動油によって駆動される。各油圧アクチュエータ16−19へ供給される作動油の流量及び流通方向は,操作レバー22a,22bの操作方向及び操作量に応じてコントローラ21から出力される駆動信号によって動作するコントロールバルブ35,36,37,38によって制御される。
操作レバー22a,22bは,その操作方向及び操作量に応じた操作信号を生成してコントローラ21に出力する。コントローラ21は,操作信号に対応した駆動信号(電気信号)を生成して,これを電磁比例弁であるコントロールバルブ35−38に出力することで,コントロールバルブ35−38を動作させる。
操作レバー22a,22bの操作方向は油圧アクチュエータ16−19の動作方向を規定する。ブームシリンダ16を制御するコントロールバルブ35のスプールは,操作レバー22aが前方向に操作されると図5中の左側に移動してブームシリンダ16のロッド側に作動油を供給し,操作レバー22aが後方向に操作されると同右側に移動してブームシリンダ16のボトム側に作動油を供給する。アームシリンダ17を制御するコントロールバルブ36のスプールは,操作レバー22bが前方向に操作されると同左側に移動してアームシリンダ17のロッド側に作動油を供給し,操作レバー22bが後方向に操作されると同右側に移動してアームシリンダ17のボトム側に作動油を供給する。バケットシリンダ18を制御するコントロールバルブ37のスプールは,操作レバー22aが左方向に操作されると同右側に移動してバケットシリンダ18のボトム側に作動油を供給し,操作レバー22aが右方向に操作されると同左側に移動してバケットシリンダ18のロッド側に作動油を供給する。旋回モータ19を制御するコントロールバルブ38のスプールは,操作レバー22bが左方向に操作されると同右側に移動して旋回モータ19に同左側から作動油を供給し,操作レバー22bが右方向に操作されると同左側に移動して旋回モータ19に同右側から作動油を供給する。
また,コントロールバルブ35−38のバルブの開度は,対応する操作レバー22a,22bの操作量に応じて変化する。すなわち,操作レバー22a,22bの操作量は油圧アクチュエータ16−19の動作速度を規定する。例えば,操作レバー22a,22bの或る方向の操作量を増加すると,その方向に対応するコントロールバルブ35−38のバルブの開度が増加して,油圧アクチュエータ16−19に供給される作動油の流量が増加し,これにより油圧アクチュエータ16−19の速度が増加する。このように,操作レバー22a,22bで生成される操作信号は,対象の油圧アクチュエータ16−19に対する速度指令の側面を有している。そこで本稿では操作レバー22a,22bが生成する操作信号を,油圧アクチュエータ16−19(コントロールバルブ35−38)に対する速度指令と称することがある。
メインポンプ39から吐出される作動油の圧力(作動油圧)は,リリーフ圧で作動油タンク41と連通するリリーフ弁40によって過大にならないように調整されている。油圧アクチュエータ16−19に供給された圧油がコントロールバルブ35−38を介して再度作動油タンク41に戻るように,コントロールバルブ35−38の戻り流路は作動油タンク41と連通している。
コントローラ21は,ブーム角度センサ24,アーム角度センサ25,バケット角度センサ26,旋回角速度センサ27,傾斜角度センサ28と,ブームシリンダ16に取付けられたブームボトム圧センサ29とブームロッド圧センサ30と,アームシリンダ17に取付けられたアームボトム圧センサ31とアームロッド圧センサ32の信号が入力されるように構成されており,これらのセンサ信号を基にコントローラ21はフロント作業装置12が運搬する運搬物の荷重値(運搬荷重)を演算し,その荷重計測結果をモニタ23に表示するように構成されている。
−システム構成−
図6は本実施形態の油圧ショベル1に搭載される掘削積込作業案内システムのシステム構成図である。本実施形態の掘削積込作業案内システムは,いくつかのソフトウェアの組み合わせとしてコントローラ21内部に実装されており,センサ24−32と通信アンテナ33の信号を入力し,コントローラ21内部で運搬物の荷重値やその積算値の演算処理等を実行し,その処理結果を必要に応じてモニタ23表示するように構成されている。
図6は本実施形態の油圧ショベル1に搭載される掘削積込作業案内システムのシステム構成図である。本実施形態の掘削積込作業案内システムは,いくつかのソフトウェアの組み合わせとしてコントローラ21内部に実装されており,センサ24−32と通信アンテナ33の信号を入力し,コントローラ21内部で運搬物の荷重値やその積算値の演算処理等を実行し,その処理結果を必要に応じてモニタ23表示するように構成されている。
図6のコントローラ21の内部にはコントローラ21が有する機能をブロック図で示している。コントローラ21は,センサ24−28の出力から得られるフロント作業装置12の姿勢情報とセンサ31,32の出力から得られる油圧アクチュエータの負荷情報の少なくとも一方に基づいてフロント作業装置12によって行われている作業を判定する作業判定部50と,センサ24−28の出力から得られるフロント作業装置12の姿勢情報に基づいて例えば上部旋回体11に設定した車体座標系におけるバケット15の爪先位置(制御点の位置)を演算する爪先位置演算部(制御点位置演算部)51と,作業判定部50の判定結果と爪先位置演算部51のバケット爪先位置に基づいて掘削距離を演算する掘削距離演算部52と,センサ24−30の出力に基づいてフロント作業装置12によって掘削されたバケット内の掘削対象物の荷重値である掘削荷重を演算する掘削荷重演算部53と,実際の掘削作業で掘削荷重演算部53により演算された掘削荷重と掘削距離演算部52により演算された掘削距離とを対応づけて記憶する作業結果記憶部54と,作業結果記憶部54に記憶された掘削荷重と掘削距離との対応関係の傾向に基づいて,掘削荷重の目標値である目標掘削荷重と掘削距離の目標値である目標掘削距離との対応関係を設定する対応関係設定部55と,バケット15の定格容量情報に基づいて目標掘削荷重を設定する目標掘削荷重設定部56と,対応関係設定部55により設定された対応関係と目標掘削荷重設定部56により設定された目標掘削荷重とに基づいて,目標掘削距離を演算する目標掘削距離演算部57と,爪先位置演算部51と掘削荷重演算部53と目標掘削荷重設定部56と目標掘削距離演算部57の出力に基づいてモニタ23に表示する情報を生成する表示制御部58とを備えている。なお,作業結果記憶部54が記憶する情報はコントローラ21内の記憶装置に格納され,その他の部分が実行する演算処理はコントローラ21内の演算処理装置によって実行される。
掘削距離演算部52は,作業判定部50によってフロント作業装置12による掘削作業が開始されたと判定されたとき,そのときのバケット爪先位置を掘削開始位置とみなして爪先位置演算部51から入力し,その入力したバケット爪先位置を利用して上部旋回体11の旋回中心からバケット爪先位置までの水平距離である水平掘削開始距離(掘削距離)D1を掘削距離として演算する。
作業結果記憶部54が記憶するデータ形式について説明する。図8は作業結果記憶部54に保存される掘削荷重と掘削距離(D1)の対応関係を規定するデータ形式の一例を示す。図8中の(a)は油圧ショベル1が掘削作業を行う場面において本実施形態の掘削距離演算部52が演算する掘削距離D1を示している。また同図中の(b)は掘削荷重と掘削距離D1が対になって作業結果記憶部54に保存されるデータ形態を示す。本実施形態では(b)のテーブルに示すように各掘削作業は掘削IDで特定されており,その各掘削作業で演算された掘削荷重と掘削距離が1組の数値として作業結果記憶部54に保存される。
本実施形態の対応関係設定部55は,作業結果記憶部54に記憶された複数組の掘削距離D1と掘削荷重のデータを回帰分析することにより目標掘削距離と目標掘削荷重の対応関係を設定している。両者の対応関係を規定する関数(回帰式)は作業結果記憶部54のデータを良く近似する任意の関数を選択できる。本実施形態では一次の最小二乗法によって目標掘削距離と目標掘削荷重の対応関係を設定しており(図9の(a)のグラフ参照),具体的には一次式(D=mW+b(ただし,mとbは作業結果記憶部54のデータから決定される係数))を利用して目標掘削荷重Wと目標掘削距離Dの対応関係を設定している。次に,この一次の最小二乗法による対応関係の設定も含め,対応関係設定部55による目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定する具体例について図9を用いて説明する。
図9は対応関係設定部55が設定した目標掘削荷重と目標掘削距離の関係の例を示すグラフである。図9中の(a)のグラフは一次の最小二乗法より設定した両者の関係を表すグラフであり,(b)のグラフは二次の最小二乗法より設定した両者の関係を表すグラフである。対応関係設定部55は,作業結果記憶部54に保存された情報に基づいて(a)または(b)のグラフ内の近似直線(D=mW+b)または近似曲線(D=a1W2+a2W+a3)に係る各係数(m,b,a1,a2,a3)の値を定めることで目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定できる。例えば本実施形態の対応関係設定部55によって図9(a)の近似直線(D=mW+b)が設定されたとき,目標掘削距離演算部57は,その近似直線の式に目標掘削荷重Wdを入力し,そのときの掘削距離Dd(Dd=mWd+b)の値を目標掘削距離として演算できる。
図9(c)−(e)は掘削荷重と掘削距離をそれぞれ等間隔に区切って形成した格子(図9(c)参照)の各セルに作業結果記憶部54に保存されている情報を格納することによって目標掘削距離と目標掘削荷重の対応関係を設定する例の説明図である。対応関係設定部55は,(c)の格子の各セルに格納された掘削荷重と掘削距離のデータ組数を計数し,掘削荷重区間毎に最も多くのデータを含むセルA((d)参照)を定める。そして,各掘削荷重区間で最も多くのデータを含むセルAの掘削距離の代表値Drepを演算する。代表値Drepは,例えば,該当する掘削距離区間の中間値Drep=(dupper+dlower)/2とすることができる(ただし,dupperは該当する掘削距離区間の最大値で,dlowerは同最小値とする)。また,代表値Drepは,該当するセルA内に含まれるデータ組に係る掘削距離dの平均値Drep=mean(d|d∈A)とすることや,該当するセルA内に含まれるデータ組に係る掘削距離dの中央値Drep=median(d|d∈A)とすることもできる。そして(e)に示すように,各掘削荷重区間に係るセルAとそのセルAにおける掘削距離の代表値Drepで,目標掘削距離と目標掘削荷重の対応関係を設定する。目標掘削距離演算部57は,対応関係設定部55が設定したこの関係に基づいて目標掘削荷重から目標掘削距離を演算する。例えば入力された目標掘削荷重Wが(e)の2行目に示した掘削荷重区間wi≦W<wi+1に該当する場合は,その行の掘削距離代表値Drep iを目標掘削距離として出力する。
なお,対応関係設定部55では,目標掘削距離と目標掘削荷重の対応関係を設定するに足る充分な数のデータ組が作業結果記憶部54に保存されているか否かを判定しても良い。この判定の方法としては,作業結果記憶部54に記憶されたデータ組数の閾値を予め設定しておき,作業結果記憶部54のデータ組数が当該閾値未満の場合には,対応関係を設定する代わりにエラーコードを後述の目標掘削距離演算部57へ出力するものがある。
目標掘削荷重設定部56は,バケット15の定格容量情報から目標掘削荷重を設定するだけでなく,例えば通信アンテナ33を用いて運搬機械(ダンプトラック)2に追加積載可能な掘削対象物の荷重値(重量)を運搬機械2のコントローラ等から受信し,その受信した荷重値と,バケット15の定格容量から演算される掘削対象物の荷重値(以下「定格荷重」と称することがある)とに基づいて目標掘削荷重を設定することができる。運搬機械2に積載可能な荷重値がバケット15の定格荷重を超過する場合は,バケット15の定格荷重を目標荷重に設定できる。
次に本実施形態に係る作業機械の掘削積込作業案内システムが,掘削距離と掘削荷重を演算し,その掘削距離と掘削荷重を関連付けて記憶し,その記憶情報に基づいて目標掘削距離と目標掘削荷重の関係を設定し,その関係と目標掘削荷重に基づいて目標掘削距離を演算し,その目標掘削距離を操縦者に報知する方法について図7−12を用いて説明する。
図7は第1実施形態に係るコントローラ21が行う処理のフローチャートである。コントローラ21は電源が入れられると図7の処理を開始する。
ステップS100で,コントローラ21は作業結果記憶部54に保存されている情報を読出し,対応関係設定部55で目標掘削荷重と目標掘削距離の関係を設定する。本実施形態の対応関係設定部55は図9(a)に示す一次式(D=mW+b)で目標掘削荷重と目標掘削距離の関係を設定しており,この一次式中の係数m,bは作業結果記憶部54に保存されている情報から決定される。
ステップS101で,コントローラ21は通信アンテナ33を用いて運搬機械2から積載可能な荷重値の情報を受信し,その受信した情報と予め設定されたバケット15の定格容量情報に基づいて目標掘削荷重設定部56にて目標掘削荷重を設定する。油圧ショベル1はバケット15の定格荷重を超過した掘削積込は困難なため,運搬機械2の積載可能な荷重値がバケット15の定格荷重を超過する場合はバケット15の定格荷重を目標荷重とする。受信した運搬機械2の積載可能な荷重値がバケット15の定格荷重を超過しない場合は,運搬機械2の積載可能な荷重値を目標掘削荷重と設定する。
ステップS102では,設定された目標掘削荷重と対応関係設定部55で設定した関係を用いて,目標掘削距離演算部57を用いて目標掘削距離を演算する。例えば,対応関係設定部55でD=mW+bと関係が設定され,目標掘削荷重設定部56で目標掘削荷重をWdと設定された場合,目標掘削距離演算部57は図9(a)で示すように目標掘削距離DdをDd=mWd+bと演算する。
また,設定関係としてエラーコードが入力された場合には,目標掘削距離演算部57は目標掘削距離の代わりに後述の表示制御部58へエラーコードを出力する。
ステップS103では,表示制御部58はステップS102で演算した目標掘削距離をモニタ23を通して操縦者に提示する。モニタ23の表示画面の一例を図10に示す。
図10の表示画面は,ステップS101で演算される目標掘削荷重の数値が表示される目標掘削荷重表示部81と,ステップS107で演算される掘削荷重の数値が表示される掘削荷重表示部82と,ステップS102で演算される目標掘削距離に関する掘削開始位置とバケット15との位置関係が表示される補助図表示部83と,ステップS102で演算される目標掘削距離の数値が表示される目標掘削距離表示部84を備えている。
補助図表示部83には,油圧ショベル1の下部走行体10と上部旋回体11の簡略図と,車体前後方向に一定間隔で配置された複数の補助線87と,上部旋回体11の旋回中心(基準点)から目標掘削距離D1だけ離れた掘削開始位置を通過する直線85と,爪先位置演算部51で演算したバケット15の爪先位置を表す点86が表示される。この補助図によって,スキル・経験の足りない操縦者でも目標掘削距離(掘削開始位置)が操縦席からどの程度離れているか,目標掘削距離(掘削開始位置)に対してバケット爪先位置は現在どこに位置しているかを容易に把握できるようになる。
また,表示制御部58はステップS102での目標掘削距離の演算結果としてエラーコードで出力された場合は,目標掘削距離表示部84に例えば「情報が不足しています。掘削積込作業を行ってしばらく情報を収集して下さい」というエラーメッセージを表示し,補助図中に掘削開始位置を示す線85は表示しない。
ステップS104では,作業判定部50を用いて油圧ショベル1が掘削作業を開始したか否かを判定する。作業判定部50は,アームボトム圧とロッド圧の圧力センサ31,32の出力に基づいてアームシリンダ17の推力Famcylを算出し,バケット角度センサ26の出力からバケット15とアーム14とのなす角であるバケット角度の値を算出する。作業判定部50は,演算したアームシリンダ17の推力Famcylとバケット角度の値に基づき,油圧ショベル1が掘削作業を行っているか否かを判定する。
アームシリンダ17の推力Famcylは,アームボトム圧センサ31とアームロッド圧センサ32の信号から演算した圧力値をP1,P2とし,各々の受圧面積をA1,A2とすると,式(1)より求められる。
Famcyl=A1・P1―A2・P2 …(1)
本実施形態の作業判定部50は図11に示すようにアームシリンダ17の推力Famcylが予め設定されている閾値f1を超えると同時にバケット角度が減少している場合に掘削作業が開始したと判定する。本実施形態では,シリンダ推力とバケット角度を用いて掘削の開始を判定する構成とするが,その限りでは無く,何れか一方を利用して判定することも可能である。掘削作業が開始した場合はステップS105に処理を進める。掘削作業が開始されなかった場合には,ステップS101に戻り,再度ステップS101からステップS104を繰り返す。
本実施形態の作業判定部50は図11に示すようにアームシリンダ17の推力Famcylが予め設定されている閾値f1を超えると同時にバケット角度が減少している場合に掘削作業が開始したと判定する。本実施形態では,シリンダ推力とバケット角度を用いて掘削の開始を判定する構成とするが,その限りでは無く,何れか一方を利用して判定することも可能である。掘削作業が開始した場合はステップS105に処理を進める。掘削作業が開始されなかった場合には,ステップS101に戻り,再度ステップS101からステップS104を繰り返す。
ステップS105では,コントローラ21は掘削距離演算部52を用いて掘削距離D1を演算する。本実施形態における掘削距離D1は上部旋回体11の旋回中心から掘削作業が開始した際のバケット爪先位置までの水平距離である。そこで,本実施形態ではステップS104で掘削作業が開始したと判定された時点でバケット爪先が掘削開始位置に存在しているとみなし,ステップS104で掘削作業が開始したと判定されたことをトリガーにして掘削距離演算部52を用いてバケット爪先位置を演算する。そしてこのとき演算したバケット爪先位置と旋回中心の水平距離を演算して掘削距離D1の値を演算する。掘削作業開始時のバケット15の爪先位置は,予め設定されている油圧ショベル1の寸法とセンサ24−29,31,32の信号を用いると容易に演算できる。この演算に利用される油圧ショベル1の寸法としては,例えば,フロント作業装置12の動作平面におけるブーム回動軸からアーム回動軸までの距離,同平面におけるアーム回動軸からバケット回動軸までの距離,同平面におけるバケット回動軸からバケット先端までの距離,車体座標系の原点から同平面におけるブーム回動軸までの距離がある。
ステップS106では,コントローラ21は作業判定部50を用いて油圧ショベル1が掘削作業を終了したか否かを判定する。本実施形態の作業判定部50は,油圧ショベル1が掘削作業を開始した後にアームシリンダ17の推力Famcylが予め設定されている閾値f2未満になった場合に掘削作業が終了したと判定する。油圧ショベル1の掘削作業が終了するまでステップS106を繰り返し,掘削作業が終了したと判定されたらステップS107に処理を進める。
ステップS107では,コントローラ21は掘削荷重演算部53を用いてバケット15の中に入っている掘削対象物の荷重値(重量)である掘削荷重を演算する。図12はコントローラ21における掘削荷重演算部53によるバケット15内の掘削対象物の荷重値の演算方法の説明図である。この図に示すように,掘削荷重は油圧ショベル1の寸法及び重量とセンサ24−30の信号値を用いて,油圧ショベル1のブーム13の回転軸まわりのトルクの釣合いによって演算できる。本実施形態では演算荷重の正確度向上の観点から掘削作業後の運搬作業で行われる旋回ブーム上げ中(すなわち上部旋回体11の旋回動作とブームシリンダ16の伸び動作が行われている間)に掘削荷重を演算することとしているが,他の場面で掘削荷重を演算しても構わない。なお,油圧ショベル1が運搬作業に従事しているか否かは作業判定部50で判定できる。
ブーム13の回転軸まわりに作用するトルクは,ブームシリンダ16の推力によって発生するトルクτbmcylと,フロント作業装置12の重心に作用する重力によって発生するトルクτfrgと,上部旋回体11の旋回によって発生する遠心力がフロント作業装置12の重心に発生するトルクτfrcと,バケット15の中に入っている掘削対象物の重心に作用する重力よって発生するトルクτloadgと,上部旋回体11の旋回によって発生する遠心力がバケット15の中に入っている掘削対象物の重心に発生するトルクτloadcがある。
ブーム13の回転軸まわりでブームシリンダ16の推力Fbmcylにより発生するトルクτbmcylは,ブームシリンダ16の後述の推力Fbmcylと,ブーム13の回転軸とブームシリンダ16とブームの接続部の中心とを結んだ直線の長さLbmcylと,その直線とブームシリンダ16のなす角θbmcylを用いて,式(2)より求められる。
τbmcyl=Fbmcyl・Lbmcyl・sin(θbmcyl) …(2)
ブームシリンダ16の推力Fbmcylは,ブームボトム圧センサ29とブームロッド圧センサ30の信号から得られる圧力をP3,P4とし,各々の受圧面積をA3,A4とすると,式(3)より求められる。
ブームシリンダ16の推力Fbmcylは,ブームボトム圧センサ29とブームロッド圧センサ30の信号から得られる圧力をP3,P4とし,各々の受圧面積をA3,A4とすると,式(3)より求められる。
Famcyl=A3・P3―A4・P4 …(3)
ブーム13の回転軸まわりでフロント作業装置12の重心に作用する重力によって発生するトルクτfrgは,ブーム13の回転中心とフロント作業装置12の重心を結ぶ直線の長さLfrと,その直線と水平線のなす角θfrを用いて式(4)で求められる。
ブーム13の回転軸まわりでフロント作業装置12の重心に作用する重力によって発生するトルクτfrgは,ブーム13の回転中心とフロント作業装置12の重心を結ぶ直線の長さLfrと,その直線と水平線のなす角θfrを用いて式(4)で求められる。
τfrg=mfr・g・Lfr・cos(θfr) …(4)
上部旋回体11が角速度ωで旋回する際に,フロント作業装置12に作用する遠心力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτfrcは,式(5)で求められる。
上部旋回体11が角速度ωで旋回する際に,フロント作業装置12に作用する遠心力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτfrcは,式(5)で求められる。
τfrc=mfr・Lfr 2・ω2・sin(θfr)・cos(θfr) …(5)
掘削対象物の重量である掘削荷重をmload,ブーム13の回転中心とバケット15の中に入っている掘削対象物の重心を結ぶ直線の長さをLload,その直線と水平線とのなす角をθloadとすると,掘削対象物に作用する重力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτloadgは式(6)で,荷に作用する遠心力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτloadcは式(7)で求められる。
掘削対象物の重量である掘削荷重をmload,ブーム13の回転中心とバケット15の中に入っている掘削対象物の重心を結ぶ直線の長さをLload,その直線と水平線とのなす角をθloadとすると,掘削対象物に作用する重力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτloadgは式(6)で,荷に作用する遠心力によってブーム13の回転軸まわりに発生するトルクτloadcは式(7)で求められる。
τloadg=mload・g・Lload・cos(θload) …(6)
τloadc=mload・Lload 2・ω2・sin(θload)・cos(θload)…(7)
ブーム13の回転軸まわりのトルクの釣合いの式(8)を利用することで掘削対象物の重量である掘削荷重mloadは式(9)で演算できる。
τloadc=mload・Lload 2・ω2・sin(θload)・cos(θload)…(7)
ブーム13の回転軸まわりのトルクの釣合いの式(8)を利用することで掘削対象物の重量である掘削荷重mloadは式(9)で演算できる。
τbmcyl+τloadc=τfrg+τfrc+τloadg …(8)
mload={Fbmcyl・Lbmcyl・sin(θbmcyl)−mfr・g・Lfr・cos(θfr)−mfr・Lfr 2・ω2・sin(θfr)・cos(θfr)}/{g・Lload・cos(θload)−Lload 2・ω2・sin(θload)・cos(θload)} …(9)
このように演算された掘削荷重mloadは表示制御部58によりモニタ23を介して操縦者に報知される。
mload={Fbmcyl・Lbmcyl・sin(θbmcyl)−mfr・g・Lfr・cos(θfr)−mfr・Lfr 2・ω2・sin(θfr)・cos(θfr)}/{g・Lload・cos(θload)−Lload 2・ω2・sin(θload)・cos(θload)} …(9)
このように演算された掘削荷重mloadは表示制御部58によりモニタ23を介して操縦者に報知される。
ステップS108では,掘削作業の開始時にステップS105で演算した掘削距離D1と,その掘削作業の終了時にステップS107で演算した掘削荷重mloadとを1組のデータにして作業結果記憶部54に保存する。具体的には図8(b)で示したように,実際に行った掘削作業における掘削荷重mloadと掘削距離D1を対にして,作業結果記憶部54に保存する。
ステップS109では,コントローラ21は対応関係設定部55を用いて目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を更新(再設定)する。対応関係設定部55は,ステップS108で新たに追加した掘削荷重−掘削距離の情報を含めた作業結果記憶部54の情報を用いて,ステップS100で行った目標掘削荷重と掘目標削距離の対応関係の設定処理と同様の処理を行う。本実施形態では,式D=mW+bのmとbの値を再演算し,更新することで,目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を再設定する。
−第1実施形態で得られる効果−
上記のように構成された油圧ショベル1において,油圧ショベル1の操縦者がフロント作業装置12で掘削作業を行うと,そのときの掘削距離と掘削荷重が1組のデータとなって作業結果記憶部54にその都度記憶される。そして,掘削距離と掘削荷重の対応関係の導出に必要な量のデータが作業結果記憶部54に蓄積されると,コントローラ21は対応関係設定部55を利用してその蓄積データから把握される掘削距離と掘削荷重の対応関係の傾向に基づいて目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定する。対応関係が設定された後は,目標掘削距離演算部57がその対応関係を利用して目標掘削荷重設定部56で設定された目標掘削荷重に対応する目標掘削距離を演算し,その目標掘削距離に関する情報が掘削作業時にモニタ23上に表示される。すなわち本実施形態では掘削距離(第1掘削距離)と掘削荷重の実績値から両者の対応関係を推定し,その対応関係を基に,目標掘削荷重が得られる掘削作業開始時のバケット爪先位置の指標となる目標掘削距離(第1掘削距離の目標値)を演算し,その目標掘削距離を油圧ショベル1の操縦者にモニタ23を介して提供することとした。これにより油圧ショベル1の操縦者がモニタ23の目標掘削距離を参照すれば技量や経験に関わらず容易にバケット爪先を掘削開始位置に移動でき,そこからアームクラウド操作で掘削作業を開始することで目標掘削荷重に近い荷重値の掘削対象物をバケット15内に積み込むことができる。これによりダンプトラック(運搬機械)に対する掘削対象物の積み込み重量をそのダンプトラックの最大積載量に近づけることが容易になるので掘削作業及び積込作業の効率を向上できる。
上記のように構成された油圧ショベル1において,油圧ショベル1の操縦者がフロント作業装置12で掘削作業を行うと,そのときの掘削距離と掘削荷重が1組のデータとなって作業結果記憶部54にその都度記憶される。そして,掘削距離と掘削荷重の対応関係の導出に必要な量のデータが作業結果記憶部54に蓄積されると,コントローラ21は対応関係設定部55を利用してその蓄積データから把握される掘削距離と掘削荷重の対応関係の傾向に基づいて目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定する。対応関係が設定された後は,目標掘削距離演算部57がその対応関係を利用して目標掘削荷重設定部56で設定された目標掘削荷重に対応する目標掘削距離を演算し,その目標掘削距離に関する情報が掘削作業時にモニタ23上に表示される。すなわち本実施形態では掘削距離(第1掘削距離)と掘削荷重の実績値から両者の対応関係を推定し,その対応関係を基に,目標掘削荷重が得られる掘削作業開始時のバケット爪先位置の指標となる目標掘削距離(第1掘削距離の目標値)を演算し,その目標掘削距離を油圧ショベル1の操縦者にモニタ23を介して提供することとした。これにより油圧ショベル1の操縦者がモニタ23の目標掘削距離を参照すれば技量や経験に関わらず容易にバケット爪先を掘削開始位置に移動でき,そこからアームクラウド操作で掘削作業を開始することで目標掘削荷重に近い荷重値の掘削対象物をバケット15内に積み込むことができる。これによりダンプトラック(運搬機械)に対する掘削対象物の積み込み重量をそのダンプトラックの最大積載量に近づけることが容易になるので掘削作業及び積込作業の効率を向上できる。
本実施形態では対応関係設定部55が目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を掘削作業の都度設定するので,常に最新の対応関係が利用できる。これにより作業環境が変化した場合にも変化後の作業環境に即した目標掘削距離を速やかに演算できる。
本実施形態ではモニタ画面上の補助図表示部83にバケット爪先位置(点86)と掘削開始位置(直線85)が表示されており,油圧ショベル1の操縦者はこれを見ながらフロント作業装置12を操作することで容易にバケット爪先を掘削開始位置に到達させることができる。これによりダンプトラックの過積載や積載不足が発生することを防止でき適量の積み込みが容易になる。
なお,図7のフローチャートでは処理の開始時にステップS100で目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を必ず設定する例を挙げたが,過去に設定処理を実行している場合はステップS100の処理は省略可能である。また図7のフローチャートでは掘削作業の都度にステップS109で目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を必ず設定することとしているがステップS109を実行する頻度は任意に変更可能である。例えば精度の良い対応関係が設定されている場合には省略が可能である。
また,上記では目標掘削荷重を目標掘削荷重設定部によって設定したが,油圧ショベル1の操縦者が入力したり,油圧ショベル1の管理者が入力したりして,予め設定した数値を目標掘削荷重として利用しても良い。
また,上記では掘削距離として,水平掘削開始距離D1を演算する場合について説明したが,上部旋回体11の底面から掘削開始位置までの垂直距離(垂直掘削開始距離)D3を掘削距離とする場合にも,上記と同様の処理を行えば良い。
<第2実施形態>
本実施形態は,目標掘削距離に対する実際の掘削距離の達成度を演算し,その達成度をモニタ23に表示する点に特徴がある。
本実施形態は,目標掘削距離に対する実際の掘削距離の達成度を演算し,その達成度をモニタ23に表示する点に特徴がある。
図13は第2実施形態のシステム構成を示す概略図である。図13のコントローラ21bは図6に示した第1実施形態のコントローラ21に目標達成度判定部61を追加した構成となる。目標達成度判定部61は,目標掘削距離演算部57により演算された目標掘削距離と掘削距離演算部52により演算された掘削距離とに基づいて,目標掘削距離に対する掘削距離の達成度を判定する。目標達成度判定部61はその判定結果である達成度を表示制御部58に出力し,表示制御部58は入力された達成度をモニタ23に表示する。
図14は第2実施形態に係るコントローラ21bが行う処理のフローチャートであり,第1実施形態のフローチャート(図7参照)にステップS200とステップS201が追加されている。
ステップS200では,ステップS102とステップS105で演算した目標掘削距離と掘削距離を用いて,目標達成度判定部61で目標達成度を判定する。本実施形態における目標達成度は目標掘削距離に対する掘削距離の割合を百分率で示した値で判定する。
ステップS201では,表示制御部58はステップS200で判定した目標達成度をモニタ23に表示して油圧ショベル1の操縦者に提示する。図15で示すように,目標達成度を示す数値はモニタ画面上の目標掘削距離表示部84の下に設けられた目標達成度表示部88に表示される。
−第2実施形態で得られる効果−
本実施形態によれば,第1実施形態の効果に加えて,目標達成度を通して操縦者のフロント作業装置12の操作の適否が可視化されるので,操縦者のフロント操作能力の更なる上達が期待できる。その結果,より過積載と積載不足が防止できる。
本実施形態によれば,第1実施形態の効果に加えて,目標達成度を通して操縦者のフロント作業装置12の操作の適否が可視化されるので,操縦者のフロント操作能力の更なる上達が期待できる。その結果,より過積載と積載不足が防止できる。
<第3実施形態>
本実施形態は,目標掘削距離と実際の掘削距離とを対応付けて記憶し,その記憶情報を用いて目標掘削距離に対する実際の掘削距離の傾向を判定して数値化し,その判定結果に関する数値(例えば平均値や分散)をモニタ23に表示する点に特徴がある。
本実施形態は,目標掘削距離と実際の掘削距離とを対応付けて記憶し,その記憶情報を用いて目標掘削距離に対する実際の掘削距離の傾向を判定して数値化し,その判定結果に関する数値(例えば平均値や分散)をモニタ23に表示する点に特徴がある。
図16は第3実施形態のシステム構成を示す概略図である。図16のコントローラ21cは,図6に示した第1実施形態のコントローラ21に対して,目標掘削距離演算部57により演算された目標掘削距離と掘削距離演算部52により演算された掘削距離とを対応付けて記憶する掘削距離記憶部62と,掘削距離記憶部62の記憶情報を用いて目標掘削距離に対する掘削距離の傾向を判定する掘削距離傾向判定部63とが追加されている。掘削距離傾向判定部63の判定値は表示制御部58へ出力され,表示制御部58は掘削距離傾向判定部63の判定結果をモニタ23に表示する。
図17は第3実施形態に係るコントローラ21cが行う処理のフローチャートであり,第1実施形態のフローチャート(図7参照)にステップS300,S301,S302が追加されている。
ステップS300では,コントローラ21cはステップS102で演算した目標掘削距離とステップS105で演算した掘削距離を1組のデータにして掘削距離記憶部62に保存する。保存される形態は作業結果記憶部54における掘削荷重と掘削距離の保存形態と同様で,目標掘削距離と掘削距離が対になって保存される。
ステップS301では,掘削距離傾向判定部63は,掘削距離記憶部62に保存されている情報を用い,掘削距離の傾向判定を行う。掘削距離傾向判定部63で判定する傾向は,例えば目標掘削距離に対する実際の掘削距離の割合を百分率で示しその平均値と分散を用いて判定される。平均値が100%を超過する場合は操縦者によるフロント作業装置12の操作が目標掘削距離に対して長い掘削距離となる傾向があり,平均が100%未満の場合は操縦者によるフロント作業装置12の操作が目標掘削距離に対して短い掘削距離となる傾向があることになる。また,標準偏差が大きいほど,操縦者によるフロント作業装置12の操作の掘削距離が目標掘削距離に対してばらつきがあることになる。
ステップS302では,表示制御部58はステップS301で演算した平均値と標準偏差の値をモニタ23に表示し操縦者に提示する。図18で示すように平均値と標準偏差の値はモニタ画面上の目標掘削距離表示部84の下に設けられた掘削距離傾向判定結果表示部89に表示される。
−第3実施形態で得られる効果−
本実施形態によれば,第1実施形態の効果に加え,操縦者が目標掘削距離に対するフロント作業装置12の操作傾向が把握できる。これによりその傾向を操作方法の改善に活用することで操縦者の操作の上達が期待できる。
本実施形態によれば,第1実施形態の効果に加え,操縦者が目標掘削距離に対するフロント作業装置12の操作傾向が把握できる。これによりその傾向を操作方法の改善に活用することで操縦者の操作の上達が期待できる。
<第4実施形態>
本実施形態は,目標掘削荷重がバケットの定格荷重未満か否かを判定し,目標掘削荷重がバケットの定格荷重未満であると判定された場合には目標掘削距離をモニタ画面上に表示するが,目標掘削荷重がバケットの定格荷重以上であると判定された場合には目標掘削距離をモニタ画面上に表示しない点に特徴がある。
本実施形態は,目標掘削荷重がバケットの定格荷重未満か否かを判定し,目標掘削荷重がバケットの定格荷重未満であると判定された場合には目標掘削距離をモニタ画面上に表示するが,目標掘削荷重がバケットの定格荷重以上であると判定された場合には目標掘削距離をモニタ画面上に表示しない点に特徴がある。
図19は第4実施形態のシステム構成を示す概略図である。図19のコントローラ21dは,図6に示した第1実施形態のコントローラ21に対して,目標掘削荷重設定部56により演算された目標掘削荷重とバケット15の定格容量情報とに基づいて目標掘削荷重がバケット15の定格荷重未満か否かを判定する目標掘削距離報知判定部64が追加されている。目標掘削距離報知判定部64の判定結果は表示制御部58に入力され,モニタ23には,目標掘削距離報知判定部64によって目標掘削荷重がバケット15の定格荷重未満であると判定された場合に目標掘削距離が表示される。
図20は第4実施形態に係るコントローラ21dが行う処理のフローチャートであり,第1実施形態のフローチャート(図7参照)にステップS400とS401が追加されている。
ステップS400では,コントローラ21dは目標掘削距離報知判定部64を用いて,目標掘削荷重を表示するか否かの判定を行う。目標掘削距離報知判定部64は,ステップS101で演算した目標掘削荷重と,予めコントローラ21dの記憶装置に記憶されているバケット15の定格容量から演算される掘削対象物の荷重値(定格荷重)とを比較し,目標掘削荷重がバケット15の定格荷重未満である場合はステップS102に移る。それ以外の場合,即ちダンプトラック2に積載可能な荷重がバケット15の定格荷重以上の場合にはステップS401に移る。
ステップS401では,表示制御部58は図10のモニタ画面における目標掘削距離表示部84の目標掘削距離と,補助図表示部83内の掘削開始位置を示す線85とを非表示にする。このとき補助線87や爪先位置86も非表示にしても良い。
−第4実施形態で得られる効果−
本実施形態では,ダンプトラックが過積載になり得ない場合には油圧ショベル1の操縦者に対して目標掘削距離の提示がされないので,フロント作業装置12の操作で目標掘削距離を狙う必要がなくなり,操縦者の心理的負担を低減できる。
本実施形態では,ダンプトラックが過積載になり得ない場合には油圧ショベル1の操縦者に対して目標掘削距離の提示がされないので,フロント作業装置12の操作で目標掘削距離を狙う必要がなくなり,操縦者の心理的負担を低減できる。
<第5実施形態>
本実施形態は,入力装置等からの外部入力に基づいて油圧ショベル1の掘削環境を設定可能とし,その設定された掘削環境ごとに掘削荷重と掘削距離を対応付けて記憶し,その記憶した情報を利用して目標掘削荷重と目標掘削距離との対応関係を掘削環境ごとに設定し,その設定された対応関係と掘削環境と目標掘削荷重とに基づいて目標掘削距離を演算する点に特徴がある。
本実施形態は,入力装置等からの外部入力に基づいて油圧ショベル1の掘削環境を設定可能とし,その設定された掘削環境ごとに掘削荷重と掘削距離を対応付けて記憶し,その記憶した情報を利用して目標掘削荷重と目標掘削距離との対応関係を掘削環境ごとに設定し,その設定された対応関係と掘削環境と目標掘削荷重とに基づいて目標掘削距離を演算する点に特徴がある。
図21は第5実施形態に係る油圧ショベル1の掘削積込作業案内システムの概略図である。本実施形態は,第1実施形態のシステム構成において,油圧ショベル1の掘削環境を設定するための入力装置であるスイッチ34を有するモニタ23eにモニタ23を変更したものに相当する。本実施形態のスイッチ34は,ロータリースイッチであり,つまみが存在して回転ができる構造である。スイッチ34の信号はコントローラ21eに入力されるように構成されている。
図22は第5実施形態のシステム構成を示す概略図である。図22のコントローラ21eは,図6に示した第1実施形態のコントローラ21に対して,スイッチ34から出力される信号に基づいて油圧ショベル1の掘削環境を設定する掘削環境設定部59が追加されており,作業結果記憶部54が掘削環境設定部59で設定された掘削環境ごとに掘削荷重演算部53の演算結果と掘削距離演算部52の演算結果とを対応付けて記憶する掘削環境別作業結果記憶部60に変更されている。対応関係設定部55は,掘削環境別作業結果記憶部60に記憶された情報を用いて,掘削環境設定部59で設定された掘削環境ごとに目標掘削荷重と目標掘削距離との対応関係を設定する。また目標掘削距離演算部57は,掘削環境設定部59で設定された掘削環境と対応関係設定部55により設定された対応関係と目標掘削荷重設定部56により設定された目標掘削荷重とに基づいて目標掘削距離を演算する。掘削環境設定部59の出力は掘削距離演算部57と表示制御部58にも入力される。
図23は第5実施形態に係るコントローラ21eが行う処理のフローチャートであり,第1実施形態のフローチャート(図7参照)にステップS500が追加されている。また,掘削荷重と掘削距離を記憶装置に保存しているステップS108が,掘削環境別に掘削荷重と掘削距離を記憶装置に保存するステップS501に変更されている。
ステップS500でコントローラ21eは掘削環境設定部59を用いて,スイッチ34から信号を読取って掘削環境の設定を行う。モニタ23eは図24のように構成されており,操縦者はスイッチ34を回転させることによって任意に掘削環境に設定できる。本実施形態では掘削環境として掘削対象物の種類が鉄鉱石か石炭かを選択可能にスイッチ34が構成されており,選択された掘削対象物がモニタ画面上の掘削環境表示部90に表示されている。掘削対象物はその種類によって密度や粘性が異なるためバケット定格荷重が変化する可能性があり,その結果,目標掘削荷重も掘削対象物に応じて変化する可能性がある。
その他の掘削環境の分類としては,例えば,下部走行体10に対する掘削対象物3の位置による分類(未掘削の掘削対象物3が下部走行体10の底面よりも上方に位置する上堀りか,同底面よりも下方に位置する下堀りか),操縦者による分類,油圧ショベルの車格による分類,天候による分類,これら複数の分類の組合せなどがある。なお掘削環境の入力はスイッチ34のみに限られず,複数のボタンを有する入力装置やタッチパネル式のモニタ等,種々の入力装置の利用が可能である。
ステップS501では,コントローラ21eは,掘削環境設定部59で設定された掘削環境で分けて掘削荷重と掘削距離を掘削環境別作業結果記憶部60に記憶する。スイッチ34によって掘削対象物として鉄鉱石が選択されている場合(掘削環境Aの場合)にはデータは作業結果記憶部60aに記憶され,石炭が選択されている場合(掘削環境Bの場合)にはデータは作業結果記憶部60bに記憶される。
−第5実施形態で得られる効果−
掘削荷重と掘削距離の関係は掘削環境に大きく依存するが,本実施形態によれば掘削環境ごとに両者の関係を記憶するので掘削環境ごとに目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定することが可能となる。そして掘削環境に合わせた目標掘削距離を操縦者に提示することによって,操縦者は掘削環境に合わせたフロント作業装置12の操作が可能となり,掘削環境に合わせた適量な掘削積込が容易になる。
掘削荷重と掘削距離の関係は掘削環境に大きく依存するが,本実施形態によれば掘削環境ごとに両者の関係を記憶するので掘削環境ごとに目標掘削荷重と目標掘削距離の対応関係を設定することが可能となる。そして掘削環境に合わせた目標掘削距離を操縦者に提示することによって,操縦者は掘削環境に合わせたフロント作業装置12の操作が可能となり,掘削環境に合わせた適量な掘削積込が容易になる。
<第6実施形態>
本実施形態は,掘削距離として第2掘削距離,すなわち,掘削開始位置から掘削終了位置までの距離である掘削移動距離,または,バケット爪先が掘削開始位置から掘削終了位置に移動するまでの軌跡の長さである掘削軌跡長さを演算し,その掘削距離(第2掘削距離)と掘削荷重のデータから目標掘削荷重と目標掘削距離(第2掘削距離の目標値)の対応関係を設定する点に特徴がある。
本実施形態は,掘削距離として第2掘削距離,すなわち,掘削開始位置から掘削終了位置までの距離である掘削移動距離,または,バケット爪先が掘削開始位置から掘削終了位置に移動するまでの軌跡の長さである掘削軌跡長さを演算し,その掘削距離(第2掘削距離)と掘削荷重のデータから目標掘削荷重と目標掘削距離(第2掘削距離の目標値)の対応関係を設定する点に特徴がある。
図25は第6実施形態のシステム構成を示す概略図である。図25のコントローラ21gは,図6に示した第1実施形態のコントローラ21に対して,掘削中爪先位置記憶部65を追加した構成となる。掘削中爪先位置記憶部65は,作業判定部50の判定結果と爪先位置演算部51の演算結果に基づいて掘削開始位置から掘削終了位置に移動するまでのバケット爪先位置の履歴(すなわちバケット爪先の軌跡)を記憶する。掘削距離演算部52は,掘削距離として,掘削中爪先位置記憶部65に記憶されている位置履歴からバケット爪先の軌跡の長さを演算し,作業結果記憶部54へ出力する。
図26は第6実施形態に係るコントローラ21gが行う処理のフローチャートであり,第1実施形態のフローチャート(図7参照)にステップS600が追加され,ステップS103からステップS106が変更されている。
ステップS104では作業判定部50は掘削作業が開始したか否かを判定し,掘削作業が開始したと判定した場合にはステップS600に進む。
ステップS600ではコントローラ21gは爪先位置演算部51の演算結果を掘削中爪先位置記憶部65に記憶しステップS106に進む。ステップS106では作業判定部50は掘削作業が終了したか否かを判定し,掘削作業が継続中であると判定した場合にはステップS600に戻って掘削中爪先位置記憶部65への爪先位置の記憶を継続する。一方,掘削作業が終了したと判定した場合にはステップS601に進む。このステップS104,S600,S106の処理により掘削作業の開始時から終了時までのバケット爪先位置の履歴が掘削中爪先位置記憶部65に記憶される。
ステップS601では,掘削中爪先位置記憶部65に記憶された掘削中爪先位置履歴より掘削距離を求める。この掘削中爪先位置の履歴から求められる掘削距離としては,図27に示すように,掘削開始位置から掘削終了位置までの水平掘削移動距離D2と,掘削開始位置から掘削終了位置までの垂直掘削移動距離D4と,掘削作業中のバケット15の爪先の軌跡の長さ(掘削軌跡長さ)D5等が挙げられる。本実施形態では水平掘削移動距離D2を掘削距離とする。水平掘削移動距離D2は掘削中爪先位置記憶部65に記憶された掘削開始時の爪先位置と掘削終了時の爪先位置とによって容易に演算できる。
なお,爪先の軌跡の長さD5は,図28に示すように,掘削中爪先位置記憶部65に記憶されている掘削作業中の爪先位置PnとPn+1からなる直線Lnの長さを積算することによって演算できる。
本実施形態のモニタ23は第1実施形態の図10と同様の画面を表示する。但し,補助図中の掘削開始位置を表す直線85は,掘削中爪先位置記憶部65に記憶されている履歴から演算するものとし,掘削作業開始後に表示するものとする。さらに表示期間を限定すれば,掘削作業開始から掘削作業終了までの間,すなわち図26のステップ600が実行されている間,直線85を表示することが好ましい。このように表示される直線85は実際の掘削開始位置を表示するため操縦者が掘削移動距離を認識する際の基準として役に立つ。ところで,掘削作業中における油圧ショベル1のバケット15の爪先の軌跡の長さD5を掘削距離として用いる場合,補助図中の直線85の表示は省略しても良い。
−第6実施形態で得られる効果−
油圧ショベル1の操縦者は,スキル・経験が不足しても,モニタ23に表示される情報を参考にすることで,油圧ショベル1のフロント作業装置12の操作に際し,掘削作業が開始した時点から油圧ショベル1のフロント作業装置12の操作方法が分からなく過積載や積載不足になることがなくなり,適量の積込が容易になる。
油圧ショベル1の操縦者は,スキル・経験が不足しても,モニタ23に表示される情報を参考にすることで,油圧ショベル1のフロント作業装置12の操作に際し,掘削作業が開始した時点から油圧ショベル1のフロント作業装置12の操作方法が分からなく過積載や積載不足になることがなくなり,適量の積込が容易になる。
<第7実施形態>
本実施形態は,掘削作業の開始前には第1掘削距離の目標値(目標第1掘削距離)をモニタ23に表示し,掘削作業の開始後には第2掘削距離の目標値(目標第2掘削距離)をモニタ23に表示することを特徴とする。「第1掘削距離」は掘削作業開始時のバケット15の爪先の位置を示す距離情報であって,本稿では油圧ショベル1の本体(上部旋回体11または下部走行体10)に設定された基準点から掘削開始時のバケット爪先位置までの距離で定義されており,例えばD1,D3(図3参照)が該当する。「第2掘削距離」は掘削作業終了時のバケット15の爪先の位置を示す距離情報であって,本稿では掘削開始時のバケット爪先位置から掘削終了時のバケット爪先位置までの距離で定義されており,例えばD2,D4,D5(図27参照)が該当する。本実施形態では,第1掘削距離として水平掘削開始距離D1を,第2掘削距離として水平掘削移動距離D2を用いる。
本実施形態は,掘削作業の開始前には第1掘削距離の目標値(目標第1掘削距離)をモニタ23に表示し,掘削作業の開始後には第2掘削距離の目標値(目標第2掘削距離)をモニタ23に表示することを特徴とする。「第1掘削距離」は掘削作業開始時のバケット15の爪先の位置を示す距離情報であって,本稿では油圧ショベル1の本体(上部旋回体11または下部走行体10)に設定された基準点から掘削開始時のバケット爪先位置までの距離で定義されており,例えばD1,D3(図3参照)が該当する。「第2掘削距離」は掘削作業終了時のバケット15の爪先の位置を示す距離情報であって,本稿では掘削開始時のバケット爪先位置から掘削終了時のバケット爪先位置までの距離で定義されており,例えばD2,D4,D5(図27参照)が該当する。本実施形態では,第1掘削距離として水平掘削開始距離D1を,第2掘削距離として水平掘削移動距離D2を用いる。
本実施形態のシステム構成は第6実施形態と同じであり,本実施形態のコントローラ21gは図6に示した第1実施形態のコントローラ21に対して掘削中爪先位置記憶部65を追加した構成となる。掘削距離演算部52は,作業判定部50によって掘削作業が開始したと判定されたときのバケット15の爪先位置を第1掘削距離として演算し,作業判定部50によって掘削作業中であると判定されている間のバケット15の爪先位置の履歴(この情報は掘削中爪先位置記憶部65から取得する)に基づいて第2掘削距離を演算する。作業結果記憶部54は,掘削荷重演算部53により演算された掘削荷重と掘削距離演算部52により演算された第1掘削距離及び第2掘削距離とを対応づけて記憶する。対応関係設定部55は,作業結果記憶部54に記憶された掘削荷重と第1掘削距離及び第2掘削距離との対応関係の傾向に基づいて,掘削荷重の目標値である目標掘削荷重と第1掘削距離及び第2掘削距離の目標値である目標第1掘削距離及び目標第2掘削距離との対応関係を設定する。目標掘削距離演算部57は,対応関係設定部55により設定された対応関係と目標掘削荷重設定部56により設定された目標掘削荷重とに基づいて,前標第1掘削距離及び目標第2掘削距離を演算する。モニタ23は,目標掘削距離演算部57により演算された目標第1掘削距離及び目標第2掘削距離を表示する。
図29は第7実施形態に係るコントローラ21gが行う処理のフローチャートであり,第6実施形態のフローチャート(図26参照)にステップS700からステップS708が追加されている。
ステップS700で,コントローラ21gは,図30のように作業結果記憶部54に保存されている掘削荷重と第1掘削距離と第2掘削距離の情報を読出し,対応関係設定部55を用いて図31と図32で示すように掘削荷重と第1掘削距離及び第2掘削距離の対応関係を設定する。
図30は掘削荷重と第1掘削距離D1と第2掘削距離D2が1組のデータになって作業結果記憶部54に保存される形態を示す。各掘削作業は掘削IDで特定されており,その各掘削作業で演算された掘削荷重と第1掘削距離と第2掘削距離が1組のデータになって作業結果記憶部54に保存される。
図31と図32は対応関係設定部55より設定される対応関係の例を示す。図31は,掘削荷重と第1掘削距離の関係を示す。図31は,作業結果記憶部54に保存されている情報から抽出した掘削荷重と第1掘削距離のデータを,掘削荷重と第1掘削距離をそれぞれ等間隔に区切って形成した格子の各セルに格納することによって目標掘削荷重と目標第1掘削距離の対応関係を設定する例の説明図である。対応関係設定部55は,格子の各セルに格納された掘削荷重と第1掘削距離のデータ組数を計数し,掘削荷重区間毎に最も多くのデータを含むセルAを定める。そして,各掘削荷重区間で最も多くのデータを含むセルAの第1掘削距離の代表値D1repを演算し,掘削荷重区間と第1掘削距離の代表値D1repで,目標掘削荷重と目標第1掘削距離の対応関係を設定する。第1掘削距離の代表値D1repは,区間の中間値D1rep=(d1upper+d1lower)/2でも,格子内データの第1掘削距離の平均値D1rep=mean(d1|d1∈A)でも,格子内データの第1掘削距離の中央値D1rep=median(d1|d1∈A)でも良い。目標掘削距離演算部57は,対応関係設定部55が築いた目標掘削荷重と目標第1掘削距離の対応関係に基づいて,例えば入力された目標掘削荷重Wが掘削荷重区間wi≦W<wi+1に該当する場合は第1掘削距離代表値D1rep iを目標第1掘削距離として出力する。
なお,第1実施形態と同様に,対応関係設定部55は,掘削荷重区間wi≦W<wi+1において作業結果記憶部54に保存されている情報の数が予め設定されている閾値を満たさない場合は,第1掘削距離代表値D1rep iの代わりにエラーコードを目標掘削距離演算部57へ出力しても良い。
図32は,作業結果記憶部54に保存されている情報から対になっている第1掘削距離D1がd1lower≦D1<d1upperである掘削荷重と第2掘削距離を抽出し,その抽出したデータを,掘削荷重と第2掘削距離をそれぞれ等間隔に区切って形成した格子の各セルに格納することによって目標掘削荷重と目標第2掘削距離の対応関係を設定する例の説明図である。対応関係設定部55は,格子の各セルに格納された掘削荷重と第2掘削距離のデータ組数を計数し,掘削荷重区間毎に最も多くのデータを含むセルBを定める。そして,各掘削荷重区間で最も多くのデータを含むセルBの第2掘削距離の代表値D2repを演算し,第2掘削距離の代表値D2repで,第1掘削距離D1がd1lower≦D1<d1upperの場合の目標掘削荷重と目標第2掘削距離の対応関係を設定する。第1掘削距離D1がd1lower≦D1<d1upperの場合の第2掘削距離の代表値D2repは,区間の中間値D2rep=(d2upper+d2lower)/2でも,格子内データの第2掘削距離の平均値D2rep=mean(d2|d2∈B)でも,格子内データの第1掘削距離の中央値D2rep=median(d2|d2∈B)でも良い。対応関係設定部55は,第1掘削距離D1の全範囲にかけて同様に目標掘削荷重と目標第2掘削距離の対応関係を設定する。
なお,第1掘削距離と同様に,対応関係設定部55は,第1掘削距離D1がd1lower≦D1<d1upperの場合の掘削荷重区間wi≦W<wi+1において作業結果記憶部54に保存されている情報の数が予め設定されている閾値を満たさない場合は,第2掘削距離代表値D2rep iの代わりにエラーコードを目標掘削距離演算部57へ出力しても良い。
ステップS701では,設定された目標掘削荷重と対応関係設定部55で設定した掘削荷重−第1掘削距離の関係を用いて,目標掘削距離演算部57を用いて目標第1掘削距離を演算する。また,設定関係としてエラーコードが入力された場合には,目標掘削距離演算部57は目標掘削距離の代わりに号術の表示制御部58へエラーコードを出力する。
ステップS702では,表示制御部58はステップS701で演算した目標第1掘削距離を操縦者にモニタ23を介して提示する。図33は本実施形態のモニタ画面上に表示される情報例を示す図である。図33の表示画面は,ステップS701と後述のステップS704で演算される目標第1掘削距離と目標第2掘削距離の数値が表示される目標掘削距離表示部84aを備えている。目標掘削距離表示部84aの左側には,第一と第二と書かれた2つの表示があり,その2つの表示のいずれか一方を囲む矩形は目標掘削距離表示部84aに表示されている目標掘削距離が目標第1掘削距離と目標第2掘削距離のいずれであるかを示す。目標第1掘削距離が表示されている場合,その数値と共に補助図表示部83内に第1実施形態と同様に補助図を表示する。すなわち,油圧ショベル1の簡略図と,補助線87と,掘削開始位置を表す直線85と,爪先位置演算部51で演算したバケット爪先位置を表す点86を表示する。補助図によって,スキル・経験の足りない操縦者でも目標第1掘削距離が操縦席からどの程度離れているか,バケット爪先位置は現在どこに位置しているかを容易に把握できる。
また,ステップS701での目標第1掘削距離の演算結果がエラーコードで出力された場合は,目標掘削距離表示部84aに第1実施形態同様にエラーメッセージを表示し,補助図として直線85は表示しないようにしても良い。
ステップS703では,コントローラ21は第1掘削距離D1を演算する。掘削作業開始直後のステップS600で掘削中爪先位置記憶部65に保存されている位置履歴データから第1掘削距離D1を演算できる。
ステップS704では,目標掘削距離演算部57は,ステップS101で設定された目標荷重と,ステップS703で演算した第1掘削距離と,ステップS700またはS708で対応関係設定部55が設定した目標掘削荷重と目標第1掘削距離との対応関係を用いて,目標第2掘削距離を演算する。例えば,目標掘削荷重Wgoalがwi≦Wgoal<wi+1で,ステップS703で演算した第1掘削距離D1curがd1lower≦D1cur<d1upperである場合,d1lower≦D1<d1upperの場合の掘削荷重区間wi≦W<wi+1における第2掘削距離代表値D2rep iを目標第2掘削距離として出力する。また,設定関係としてエラーコードが入力された場合には,目標掘削距離演算部57は目標第2掘削距離の代わりに表示制御部58へエラーコードを出力する。
ステップS705では,表示制御部58はステップS704で演算した目標第2掘削距離を操縦者にモニタ23を介して提示する。このとき,ステップS702で表示された目標第1掘削距離および補助図は更新される。すなわち,目標掘削距離表示部84aの左側に表示されている“第一”と“第二”のうち,“第二”が矩形で選択され,目標掘削距離表示部84aに表示されている目標掘削距離が目標第2掘削距離であることを示す。このとき,補助図表示部83に表示される直線85は掘削終了位置を示すものに変更される。この補助図によって,スキル・経験の足りない操縦者でも目標第2掘削距離が操縦席からどの程度離れているか,バケット爪先位置は現在どこに位置しているかを容易に把握できるようになる。但し,第2掘削距離として油圧ショベル1のバケット爪先の軌跡の長さD5を利用する場合は,掘削終了位置を表す線85の表示を省略するものとする。
また,ステップS704での目標第2掘削距離の演算結果がエラーコードで出力された場合は,目標掘削距離表示部84aに第1実施形態同様にエラーメッセージを表示し,補助図として直線85は表示しないようにしても良い。
ステップS105で掘削作業が終了したと判定されたら,コントローラ21はステップS706において,掘削中爪先位置記憶部65に記憶された掘削中爪先位置履歴を利用して第2掘削距離D2を演算する。第2掘削距離D2は第6実施形態のステップS601の掘削距離の演算と同様の方法で演算することができる。
ステップS707では,コントローラ21はステップS703とステップS706とステップS107で演算した第1掘削距離と第2掘削距離と掘削荷重を作業結果記憶部54に追加保存する。すなわち,図30で示したように実際に行った掘削作業における掘削荷重と第1掘削距離と第2掘削距離を対にして作業結果記憶部54に保存する。
ステップS708でコントローラ21gは対応関係設定部55を用いて目標掘削荷重と目標1掘削距離及び目標第2掘削距離の対応関係を更新する。対応関係設定部55は,ステップS707で新たに追加された掘削荷重と第1及び第2掘削距離の情報を含む作業結果記憶部54の情報を用いて,ステップS700と同様に目標掘削荷重と目標第1掘削距離と目標第2掘削距離の対応関係を設定する。
なお,第1掘削距離と第2掘削距離の組合せは,上記のD1とD2の組合せ以外にも例えば,垂直掘削開始距離D3と垂直掘削移動距離D4の組合せ,水平掘削開始距離D1と掘削軌跡長さD5の組合せ,垂直掘削開始距離D3と掘削軌跡長さD5の組合せがある。
−第7実施形態で得られる効果−
本実施形態によれば,第1実施形態のように掘削作業の開始前に第1掘削距離の目標値がモニタ23に表示されるだけでなく,掘削作業の開始後には第2掘削距離の目標値も速やかにモニタ23に表示される。すなわち目標掘削荷重を得るためのフロント操作をアシストする情報として掘削開始位置だけでなく掘削終了位置も操縦者に提示することができるので,実際の掘削荷重を目標掘削荷重に近づけることがさらに容易になる。
本実施形態によれば,第1実施形態のように掘削作業の開始前に第1掘削距離の目標値がモニタ23に表示されるだけでなく,掘削作業の開始後には第2掘削距離の目標値も速やかにモニタ23に表示される。すなわち目標掘削荷重を得るためのフロント操作をアシストする情報として掘削開始位置だけでなく掘削終了位置も操縦者に提示することができるので,実際の掘削荷重を目標掘削荷重に近づけることがさらに容易になる。
<第8実施形態>
本実施形態は,掘削作業開始後(すなわち通常はアームクラウド操作中)に目標第2掘削距離に対する現在の第2掘削距離の割合を進捗度として演算してモニタ23に表示する点に特徴がある。
本実施形態は,掘削作業開始後(すなわち通常はアームクラウド操作中)に目標第2掘削距離に対する現在の第2掘削距離の割合を進捗度として演算してモニタ23に表示する点に特徴がある。
図34は第8実施形態のシステム構成を示す概略図である。図34のコントローラ21fは,図25に示した第7実施形態のコントローラ21gに対して,第2掘削距離進捗度演算部66を追加した構成となる。第2掘削距離進捗度演算部66は,目標掘削距離演算部57により演算された目標第2掘削距離に対する掘削距離演算部52により演算された第2掘削距離の割合である第2掘削距離進捗度を演算する。第2掘削距離進捗度は表示制御部58に出力され,モニタ画面上に第2掘削距離進捗度が表示される。
図35は第8実施形態に係るコントローラ21fが行う処理のフローチャートであり,第7実施形態のフローチャート(図29参照)にステップS800とステップS801が追加されている。
ステップS800では,第2掘削距離進捗度演算部66は,第2掘削距離進捗度を演算する。目標掘削距離演算部57から演算された目標第2掘削距離と,掘削中爪先位置記憶部65に保存されているバケット爪先位置の履歴とに基づいて,目標第2掘削距離に対する第2掘削距離の割合である第2掘削距離進捗度が演算される。本実施形態では第2掘削距離進捗度を百分率で示している。本実施形態も第7実施形態と同様に,第1掘削距離として上部旋回体11の旋回中心から掘削開始位置までの水平方向の距離D1を,第2掘削距離として掘削開始位置から掘削終了位置までの水平距離D2を用いるとする。例えば,目標第2掘削距離10mに対し,掘削中爪先位置記憶部65に保存されているバケット爪先位置の履歴より,掘削開始位置から現在のバケット爪先位置までの水平距離が4mの場合,第2掘削距離進捗度は4m/10m×100=40%である。
ステップS801では,表示制御部58はモニタ23を通してステップS800で演算した第2掘削距離進捗度を操縦者に提示する。図36で示すように,モニタ23の画面上には第2掘削距離進捗度が表示される進捗度表示部91が設けられている。進捗度表示部91は,進捗度表示部91の右端を基準(進捗度0%)としており,第2掘削距離進捗度の増加とともに同左端(進捗度100%)に向かって目標掘削距離ゲージ92が伸びるように第2掘削距離進捗度を表示している。図36は第2掘削距離進捗度が40%の場合を示している。なお,表示部84aに目標第1掘削距離が表示されている場合には,目標掘削距離ゲージ92を非表示にしても良い。
−第8実施形態で得られる効果−
第7実施形態のモニタ画面に第2掘削距離に関する目標掘削距離ゲージ92を追加して表示することによって,操縦者は第2掘削距離の進捗度を直感的に把握しやすくなる。特に,第2掘削距離のうちバケット15の爪先軌跡の長さD5の表示に関しては,補助図表示部83内の補助図での表示が困難であるが,本実施形態のように目標掘削距離ゲージ92を用いることで容易に表示できる。これにより掘削荷重を目標値に近づけることがさらに容易になる。
第7実施形態のモニタ画面に第2掘削距離に関する目標掘削距離ゲージ92を追加して表示することによって,操縦者は第2掘削距離の進捗度を直感的に把握しやすくなる。特に,第2掘削距離のうちバケット15の爪先軌跡の長さD5の表示に関しては,補助図表示部83内の補助図での表示が困難であるが,本実施形態のように目標掘削距離ゲージ92を用いることで容易に表示できる。これにより掘削荷重を目標値に近づけることがさらに容易になる。
なお,本発明は,上記の実施の形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば,本発明は,上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず,その構成の一部を削除したものも含まれる。また,ある実施の形態に係る構成の一部を,他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
上記では第1掘削距離を上部旋回体11の旋回中心(油圧ショベルに設定した所定の基準点)から掘削開始時のバケット爪先位置までの距離としたが,現在(すなわちバケット爪先位置算出時)のバケット爪先位置から掘削開始時のバケット爪先位置までの距離(すなわち現在位置から掘削開始位置までのバケット爪先の移動距離)を第1掘削距離としてもよい。また,同様に,上記では第2掘削距離を掘削開始時のバケット爪先位置から掘削終了時のバケット爪先位置までの距離としたが,油圧ショベルの本体(上部旋回体11及び下部走行体10)に設定した所定の基準点から掘削終了時のバケット爪先位置までの距離を第2掘削距離としても良い。
また,掘削距離の演算に際し,GNSS(Global Navigation Satellite System)等の測位衛星システムを利用してバケット側の基準点(爪先位置)や油圧ショベル本体側の基準点(旋回中心位置)を演算しても良いことはいうまでもない。
また,上記のコントローラ21に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は,それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また,上記のコントローラ21に係る構成は,演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることでコントローラ21の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は,例えば,半導体メモリ(フラッシュメモリ,SSD等),磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク,光ディスク等)等に記憶することができる。
また,上記の各実施の形態の説明では,制御線や情報線は,当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが,必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1…油圧ショベル,2…運搬機械(ダンプトラック),12…フロント作業装置(作業装置),16,17,18…油圧シリンダ(アクチュエータ),21…コントローラ(制御装置),23…モニタ(表示装置),50…作業判定部,51…爪先位置演算部,52…掘削距離演算部,53…掘削荷重演算部,54…作業結果記憶部,55…対応関係設定部,56…目標掘削荷重設定部56…目標掘削距離演算部,58…表示制御部,59…掘削環境設定部,60…掘削環境別作業結果記憶部,61…目標達成度判定部,62…掘削距離記憶部,63…掘削距離傾向判定部,64…目標掘削距離報知判定部,65…掘削中爪先位置記憶部,66…第2掘削距離進捗度演算部
Claims (8)
- バケットを有する作業装置と,
前記作業装置を駆動するアクチュエータと,
前記作業装置の姿勢情報及び前記アクチュエータの負荷情報の少なくとも一方に基づいて前記作業装置によって行われている作業を判定する作業判定部,前記作業装置によって掘削された掘削対象物の荷重値である掘削荷重を演算する掘削荷重演算部を有する制御装置と,
前記掘削荷重演算部により演算された前記掘削荷重を表示する表示装置とを備える作業機械において,
前記制御装置は,
前記作業判定部によって掘削作業が行われていると判定されたときにおける前記作業機械に設定された基準点から前記バケットに設定された基準点までの距離,及び前記作業判定部によって掘削作業が行われていると判定されている間に前記バケットに設定された基準点が移動した距離のいずれか一方を掘削距離として前記作業装置の姿勢情報に基づいて演算する掘削距離演算部と,
前記掘削荷重演算部により演算された前記掘削荷重と前記掘削距離演算部により演算された前記掘削距離とを対応づけて記憶する作業結果記憶部と,
前記作業結果記憶部に記憶された前記掘削荷重と前記掘削距離との対応関係の傾向に基づいて,前記掘削荷重の目標値である目標掘削荷重と前記掘削距離の目標値である目標掘削距離との対応関係を設定する対応関係設定部と,
前記バケットの定格容量情報に基づいて前記目標掘削荷重を設定する目標掘削荷重設定部と,
前記対応関係設定部により設定された前記対応関係と前記目標掘削荷重設定部により設定された前記目標掘削荷重とに基づいて,前記目標掘削距離を演算する目標掘削距離演算部とを備え,
前記表示装置は,前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標掘削距離を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記掘削距離は,前記作業機械に設定された基準点から掘削作業開始時の前記バケットの爪先位置までの距離情報である第1掘削距離であり,
前記表示装置は,前記基準点から前記目標掘削距離だけ離れた掘削開始位置と前記バケットとの位置関係を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記制御装置は,前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標掘削距離と前記掘削距離演算部により演算された前記掘削距離とに基づいて,前記目標掘削距離に対する前記掘削距離の達成度を判定する目標達成度判定部をさらに備え,
前記表示装置は,前記目標達成度判定部の判定結果である前記達成度を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記制御装置は,
前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標掘削距離と前記掘削距離演算部により演算された前記掘削距離とを対応付けて記憶する掘削距離記憶部と,
前記掘削距離記憶部の記憶情報を用いて前記目標掘削距離に対する前記掘削距離の傾向を判定する掘削距離傾向判定部とをさらに備え,
前記表示装置は,前記掘削距離傾向判定部の判定結果を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記制御装置は,前記目標掘削荷重設定部により演算された前記目標掘削荷重と前記バケットの定格容量情報とに基づいて前記目標掘削荷重が前記バケットの定格荷重未満か否かを判定する目標掘削距離報知判定部をさらに備え,
前記表示装置は,前記目標掘削距離報知判定部によって前記目標掘削荷重が前記バケットの定格荷重未満であると判定された場合,前記目標掘削距離を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記制御装置は,
前記作業機械の掘削環境を設定する掘削環境設定部と,
前記掘削環境設定部で設定された掘削環境ごとに前記掘削荷重演算部の演算結果と前記掘削距離演算部の演算結果とを対応付けて記憶する掘削環境別作業結果記憶部とをさらに備え,
前記対応関係設定部は,前記掘削環境別作業結果記憶部に記憶された情報を用いて,前記掘削環境設定部で設定された掘削環境ごとに前記目標掘削荷重と前記目標掘削距離との対応関係を設定し,
前記目標掘削距離演算部は,前記掘削環境設定部で設定された掘削環境と前記対応関係設定部により設定された前記対応関係と前記目標掘削荷重設定部により設定された前記目標掘削荷重とに基づいて,前記目標掘削距離を演算することを特徴とする作業機械。 - 請求項1の作業機械において,
前記掘削距離は,前記作業機械に設定された基準点から掘削作業開始時の前記バケットの爪先位置までの距離情報である第1掘削距離と,掘削作業開始時の前記バケットの爪先位置から掘削作業終了時の前記バケットの爪先位置までの距離情報である第2掘削距離とであり,
前記掘削距離演算部は,前記作業判定部によって掘削作業が開始したと判定されたときの前記バケットの制御点の位置を前記第1掘削距離として演算し,前記作業判定部によって掘削作業中であると判定されている間の前記バケットの制御点の位置の履歴に基づいて前記第2掘削距離を演算し,
前記作業結果記憶部は,前記掘削荷重演算部により演算された前記掘削荷重と前記掘削距離演算部により演算された前記第1掘削距離及び前記第2掘削距離とを対応づけて記憶し,
前記対応関係設定部は,前記作業結果記憶部に記憶された前記掘削荷重と前記第1掘削距離及び前記第2掘削距離との対応関係の傾向に基づいて,前記掘削荷重の目標値である目標掘削荷重と前記第1掘削距離及び前記第2掘削距離の目標値である目標第1掘削距離及び目標第2掘削距離との対応関係を設定し,
前記目標掘削距離演算部は,前記対応関係設定部により設定された前記対応関係と前記目標掘削荷重設定部により設定された前記目標掘削荷重とに基づいて,前記目標第1掘削距離及び前記目標第2掘削距離を演算し,
前記表示装置は,前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標第1掘削距離及び前記目標第2掘削距離を表示することを特徴とする作業機械。 - 請求項7の作業機械において,
前記制御装置は,前記目標掘削距離演算部により演算された前記目標第2掘削距離に対する前記掘削距離演算部により演算された前記第2掘削距離の割合である第2掘削距離進捗度を演算する第2掘削距離進捗度演算部をさらに備え,
前記表示装置は,前記第2掘削距離進捗度演算部により演算された前記第2掘削距離進捗度を表示することを特徴とする作業機械。
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