JP5297733B2 - 薬剤収容容器および薬剤分配装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された薬剤収容容器では、容器本体が横方向の底壁部と、この底壁部から立ち上がるよう設けた薬剤収容部とを備え、薬剤収容部内に縦軸回りに回転するロータを配置し、ロータの円筒状の外周面に上下方向の薬剤収容路を周方向に離間して形成し、ロータの回転によって薬剤収容路のうちの何れかと上下方向で対向して連通する薬剤排出開口を、前記底壁部を貫通するように形成している。
薬剤排出開口は、その一端面が底壁部において薬剤収容部の内周面下端部の直下に垂直方向に形成されて、他端面が一端面にその内側で対向するよう形成されている。
この構成の薬剤収容容器では、ロータが回転して薬剤収容路のうちの何れかと薬剤排出開口とが対向することで薬剤が薬剤収容路から薬剤排出開口を通過して落下するようになっている。
薬剤が帯電によって底壁部の裏面に付着してしまう状態は、薬剤収容部内の薬剤の吸湿を抑えるよう薬剤収容部内を乾燥させておく場合や、軽量の薬剤を扱う場合では特に懸念される。
薬剤排出開口の径方向外方部の壁面は、少なくともその下端部が円筒部の内周面と底壁部の上面との交叉位置に対して径方向外方に位置ずれした面となっているから、薬剤排出開口ではその下端部側がそれよりも上部において開口面積が広くなっており、その分だけ、薬剤が薬剤開口を落下するよう通過する際に薬剤排出開口の壁面と接触する面積が壁面の下端部側で減るから、薬剤が静電気を帯びていても薬剤排出開口の径方向外方側における底壁部の下面に付着しにくい。
上記構成によれば、薬剤排出開口の径方向外方部がいっそう大きく広げられるから、薬剤が静電気を帯びていても薬剤排出開口の径方向外方側における底壁部の下面に付着しにくい。
上記構成において、薬剤が切欠に至るまで落下した後には、薬剤が容器本体と接触し得る面積が極めて少なくなるよう減っているから、薬剤が静電気を帯びていても薬剤排出開口の径方向外方側における底壁部の下面に付着しにくい。
上記構成によれば、切欠および薬剤排出開口の径方向外方から粉塵等が侵入するのを防ぐ。
上記構成によれば、凹凸面には空気が入り込むから、仮に薬剤がその帯電によって切欠の上面に吸着される力が働いても、薬剤は該上面に吸着されにくい。
薬剤排出開口を略矩形にすることで、その形状が簡素になり、薬剤収容容器の製造が容易である。
なお、径方向内外方向とは、円筒部の中心を基準として、該中心に向かう径方向を径方向内方とし、該中心から離れる径方向を径方向外方としている。
各支持体3は板状に形成され、その板面には、躯体2の下部に向けて薬剤としての錠剤5(図3参照)を落下させるための不図示の錠剤通過孔が穿設され、該錠剤通過孔の内面には、錠剤5の通過を検出可能とする検出手段として、例えば不図示のセンサーを有している。
底壁部12は、平面視して扇状の前記底壁板13と、底壁板13の周方向両側端辺に前後方向に沿うよう一体的に形成された横フレーム15と、底壁板13の前端辺に周方向に沿うよう一体的に形成された前フレーム16とを有する。
横フレーム15および前フレーム16は同一の所定の高さを有し、容器本体6を支持体3の上面に装着した際に、底壁板13は横フレーム15および前フレーム16の高さ分だけ支持体3の上面から浮いた状態として保持される。
円筒部17の前方には、薬剤収容容器4を着脱する際に把持される把持部21が組込まれている。
薬剤排出開口22の前方で円筒部17の中心位置に、前記回転軸が上方から挿通される円筒状突出部23が上方に突出するよう一体的に形成されている。
仕切体10は、円筒部17の後部側の壁面部にその周方向形成された挿通孔25に後方から前方に向けて挿入されて、円筒部17内に露出している。この仕切体10は、円筒部17外に配置される基部26を有し、基部26の一方側が、円筒部17の一方側寄りの外周面から後方へ突出するよう形成された支持突起27に対して、ビス28によって着脱自在に取付けられている。
また、仕切体10はその円筒部17内に露出している部分の上面は、ロータ8の回転方向上流側が下流側に向けて上傾斜する傾斜案内面30とされ、傾斜案内面30から下流側は水平面31に形成されている。
下部回転部32は、円筒状突出部23に上方から内嵌して底壁板13に対して下方に突出する前記外軸34を有する。上部回転部33は、外軸34に上方から内嵌して底壁板13に対して下方に突出する前記内軸35を有する。
下部回転部32の径方向中心には、上方に向けて突出して上部回転部33の裏面中心部に形成した下面凹部38に内嵌する膨出部40が形成されている。外軸34は膨出部40の径方向内方側から下方に向けて一体的に形成されている。
外軸34の、底壁板13の下面13bからさらに下方に突出した下端部には前記歯車としての大径歯車41が外嵌装着されている。
大径歯車41の歯には、下部回転部32の不測の回転を阻止すべく、板バネ39の係止部39aが側方から係止されている。
上部回転部33は、円筒部17の内周面36に対して錠剤5が落下できる隙間19を介して設けられている。換言すれば、上部回転部33の外径辺33aは隙間19を介して円筒部17の内周面36と径方向内外方向で対向している。隙間19の径方向幅は、薬剤収容路24の径方向幅にほぼ一致している。
このような上部回転部33の構成により、上部回転部33の上面に錠剤5が載ると、錠剤5は該上面あるいは傾斜平面部44に沿って斜め下方に滑り落ち、薬剤収容路24に収容されるよう構成されている。
内軸35は、外軸34を内嵌挿通するようにして底壁板13を貫通し、その下端部は外軸34の下端部に比べてさらに下方に突出している。内軸35の下端部には、大径歯車41に比べて小径の小径歯車45が外嵌装着されている。
このように、外軸34と内軸35にはそれぞれ径の異なる歯車が装着されていることにより、薬剤収容容器4を支持体3上に装着して各歯車を回転させた際に、上部回転部33と下部回転部32とは異なる速度で縦軸7回りに回転する構成となっている。
これらの図、および図3、図5、図6、図7、図10、図11に基づいて薬剤排出開口22およびその周辺部分の構成について詳述する。
後壁面51の位置P2について述べる。後壁面51は垂直面であり、ロータ8の回転中心である縦軸7を中心として円筒部17の外周面42に対してさらに後方に位置ずれしている。すなわち、円筒部17の内周面36と底壁板13の上面13aとの交叉位置P3に対して後方(ロータ8の径方向外方)に位置ずれしている。
このずれ量は、特に定めてはおらないが、扱われる錠剤5の形状、直径、サイズ等の条件に基づいて適宜設定することが好ましい。
なお、両側壁面52,53は何れも垂直面であり、左右方向への離間距離は薬剤収容路24の周方向幅に比べて大きく設定されている。
この切欠56は、薬剤排出開口22に連続するよう上方に向けて凹となるから、切欠56を構成する上壁面57は底壁板13の上面13aよりも上方にあることは勿論である。なお、上壁面57は平面とされている。
カバー部58は、立上壁60と延長壁61とを有する。立上壁60は、薬剤排出開口22の後壁面51位置から上方に立上がる内壁面62を有する。延長壁61は、切欠56の上壁面57位置から後方に延びる下壁面63を有する。カバー部58において、立上壁60と延長壁61の左右両側は縦壁片64によって閉じられている。
切欠56の上壁面57および延長壁61の下壁面63は、周方向で凹凸形状を繰返す凹凸面とされ、該凹凸面を構成する凹凸部63a,63bは、凹凸面にその径方向内外方向(前後方向)に亙って形成されている。
このような状態において、駆動歯車を回転駆動させると、小径歯車45および大径歯車41が互いに異なる速度で外軸34、内軸35回りにそれぞれ回転し、その結果、ロータ8の下部回転部32、上部回転部33が異なる速度をもって外軸34、内軸35とともに縦軸7回りに回転する。このようにロータ8の下部回転部32、上部回転部33が異なる速度をもって回転することにより、投入されている錠剤5が充分に撹拌されながら、薬剤収容路24に入る。
したがって、錠剤5が上記した撹拌等により帯電していた(静電気を帯びていた)場合であっても、該帯電により錠剤5が吸着され易い面、すなわち底壁板13の下面13bが錠剤5から離れていることで、錠剤5が帯電により底壁板13の下面13bに吸着されてしまい錠剤通過孔に落下しにくくなる、といった状態を効果的に回避することができる。
しかしながら、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
図19の拡大断面図に示した実施形態が図18の実施形態と異なる点は、傾斜壁部72の内周面73をその傾斜角度を維持させたままさらに延長して、内周面73の下部を傾斜した後壁面51としている点である。
すなわち図20の例では、後壁面51は下方が後方側へ傾く傾斜面とされている。
図21の例では、後壁面51は下方が後方側にある円弧面とされている。
よって、錠剤5は薬剤排出開口22から円滑に落下して、錠剤通過孔に至り、該錠剤通過孔を通過することで錠剤5が排出されたことを検出手段が検出して、錠剤5を確実に分配することができる。
しかしながら、凹凸面を形成する凹凸部63a,63bは、径方向内外方向に限定されるものではなく、周方向や左右方向に沿って形成したり、径方向内外方向(前後方向)に対して傾斜する方向に形成したり、あるいは網目状に形成したりすることも好ましい。また、シボ加工のようにディンプル(例えば微小な凹部)を多数形成することで、筋状でなく梨地状の凹凸部に形成してもよい。
図17に示す実施形態では、段付面71に形成することが好ましい。
図18に示す実施形態では、傾斜壁部72の内周面73に形成することが好ましい。
図19に示す実施形態では、傾斜壁部72の内周面73に形成することが好ましい。
図20、図21に示す実施形態では、円筒部17の下面のうち薬剤排出開口22に臨む部分である後壁面51に形成することが好ましい。
上記のように凹凸部を形成することで、錠剤5が帯電したとしていても、錠剤5を薬剤排出開口22からいっそう確実に落下させることができる。
Claims (8)
- 容器本体が底壁部と該底壁部の上面に設けられた薬剤収容部とを備え、該薬剤収容部は底壁部の上面から立上がるとともに縦軸回りに回転可能なロータを径方向内方に配置可能とする円筒部を有し、
前記ロータの外周面の一部を径方向内方に後退させ上下方向に沿って形成した薬剤収容路から薬剤を容器本体外へ落下排出するための薬剤排出開口が底壁部の一部に穿設され、
前記ロータの回転によって薬剤収容路と薬剤排出開口とが上下方向で対向することで、薬剤収容路に保持されている薬剤が薬剤排出開口を通過して落下するよう構成された薬剤収容容器であって、
前記薬剤排出開口の径方向外方部の壁面は、少なくともその下端部が、円筒部の内周面と底壁部の上面との交叉位置に対して径方向外方に位置ずれした面とされていることを特徴とする薬剤収容容器。 - 薬剤排出開口の径方向外方部が、円筒部の外側面よりも径方向外方側にあることを特徴とする請求項1記載の薬剤収容容器。
- 円筒部の下端部に、薬剤排出開口に連続するよう上方に向けて凹となる切欠が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の薬剤収容容器。
- 切欠の上面が底壁部の上面よりも上方にあることを特徴とする請求項3記載の薬剤収容容器。
- 薬剤排出開口および切欠を円筒部の径方向外方側で覆うカバー部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の薬剤収容容器。
- 切欠の上面は凹凸を繰返す凹凸面とされていることを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れかに記載の薬剤収容容器。
- 薬剤排出開口は平面視して略矩形に穿たれて、薬剤排出開口の径方向外方部の壁面としての外側壁面と、径方向内方部の内側壁面とが径方向内外方向で対向配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の薬剤収容容器。
- 請求項1ないし請求項7の何れかに記載の薬剤収容容器を着脱自在に備えていることを特徴とする薬剤分配装置。
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