JP4326821B2 - ドラム形成モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処方データに従って薬剤を払い出しするための薬剤選択供給装置のドラムを構成するドラム形成モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上下方向多段且つ水平方向多列に錠剤、散薬、水薬等の薬剤が収容されるカセッタを複数個有する薬剤選択手段を備え、該薬剤選択手段により選択された薬剤を薬剤分包装置に供給し、シート等で分包させる薬剤選択供給装置は、各患者に対して処方データに従った薬剤の分包を行う病院や薬局等で広く使用されている。この薬剤選択供給装置においては、処方データに従って自動的に薬剤を払い出しできるように、各カセッタは、それぞれベース部材を介して、ドラム状の支持架台(以下、ドラムという。)に装着されている。
【0003】
このドラムは、ベース部材を介してカセッタが装着される箇所(以下、カセッタ装着箇所という。)を有する縦長の板材等を垂直に起立させ、各板材等を列方向に順次連結して略円筒状に組み立てられる。
【0004】
しかしながら、かかるドラムは、各板材等が上下方向の列を一単位として順次連結されて組み立てられるため、その過程でドラム本体が捻ることがある等不安定になり易く、組み立て作業性に劣っていた。
【0005】
ところで、カセッタには、収容できる薬剤の種類や数量に応じ、大容量のサイズ(Lサイズ)、中容量のサイズ(Mサイズ)等があり、カセッタのサイズに応じてベース部材の高さがそれぞれ異なっており、ベース部材の高さに対応して、ドラムにおけるカセッタ装着箇所の高さもそれぞれ異なっている。
【0006】
前記したドラムにおいて、例えば、水平方向の段毎にカセッタのサイズを変更して装着できれば、1個のドラムに装着できるカセッタの個数を増やせたり、処方データに柔軟に対応し、薬剤の種類や数量を変更して分包できるようになり便利である。また、最近、各病院や薬局では、ますます多種の処方データが取り扱われるようになってきており、それぞれの事情に合わせて、サイズ等の形態が異なるカセッタを多様な組み合わせで装着できるドラムに対する必要性が高まっている。
【0007】
しかしながら、前記した従来例では、このような多様な形態のドラムを形成するために、カセッタ装着箇所の位置や高さがそれぞれ異なる板材を用意する必要があり、かかる板材の生産や保管に多大なコストを要していた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−276183号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の一の目的は、ドラムの組立作業性が良好なドラム形成モジュールを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、形態の異なるカセッタを多様な組み合わせで装着し得るドラムを低コストで形成できるドラム形成モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、無端状の外周面を有し、該外周面に複数個の薬剤収容用カセッタを周方向に沿ってそれぞれベース部材を介して装着可能であり、一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとが上下方向多段に且つ分離自在に連結され得るように構成され、複数個の基準モジュールを備え、該基準モジュールは周方向に分離可能に連結されているドラム形成モジュールを提供する。
【0011】
かかる構成からなるドラム形成モジュールによれば、上下方向段単位で積み重ねてドラムを形成することが可能となることから、安定した状態でドラム本体を組み立てることができるため、組立作業性が良好となる。
また、かかる好ましい構成により、ドラム形成モジュールの取扱いや運搬がさらに容易となる。
【0013】
前記ドラム形成モジュールは、前記ベース部材と略同一の高さを有していることが好ましい。
【0014】
さらに、前記一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとがそれぞれ異なる高さを有していることが好ましい。
【0015】
かかる好ましい構成により、形態の異なるカセッタを多様な組み合わせで装着し得るドラムを低コストで形成できるようになる。
【0016】
前記ドラム形成モジュールは、上下方向に延びる支持軸用軸受部を備え、上下方向多段に連結される一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとは、前記支持軸用軸受部に挿通される支持軸を介して相互に連結されることが好ましい。
【0017】
かかる好ましい構成により、上下方向においてドラム形成モジュールが安定して連結されると共に、周方向におけるドラム形成モジュールのズレも防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るドラム形成モジュールの一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る薬剤選択供給装置1の斜視図である。該薬剤選択供給装置1には、本実施の形態に係るドラム形成モジュール(図示せず)が複数個積み重ねて形成され、上下方向および水平方向に整列された複数個のカセッタ装着箇所を有するドラム(図示せず)と、各カセッタ装着箇所のそれぞれに着脱自在に装着される複数個のカセッタ10とが備えられている。なお、図1に示す薬剤選択供給装置1においては、前記ドラムが一対備えられ、各ドラムに、上下方向8段、且つ、各段毎に水平方向に16個の合計128個のカセッタが装着されており、装置全体としては256個のカセッタが装着されている。
【0019】
図2は、本実施の形態に係るドラム形成モジュール100の部分平面図である。本実施の形態では、前記ドラム形成モジュール100は、無端状の外周面を有し、該外周面に複数個のカセッタ10を周方向に沿ってそれぞれベース部材110を介して装着可能に構成されている。即ち、図2に示すように、前記ドラム形成モジュール100は、略円状の断面を有する筒状体である。そして、前記ドラム形成モジュール100の外周面には、所定間隔を置いて複数個のベース取付箇所22が配設されており、各ベース取付箇所22にそれぞれベース部材110が取付けられ、該ベース部材110を介してカセッタ10が装着されている。また、ドラム形成モジュール100の内周部には、上下方向に延びる円筒状の支持軸用軸受部20が所定間隔を置いて複数箇所に配設されている。具体的には、前記ベース取付箇所22は、1個のドラム形成モジュール100の周方向に16箇所配設されており、ドラム形成モジュール100の1個当り、16個のカセッタ10が装着可能となっている。また、前記支持軸用軸受部20は、ドラム形成モジュール100の内周部の8箇所に配設されている。このように、各ベース部材110が、それぞれカセッタが装着されるカセッタ装着箇所を構成しており、各カセッタ装着箇所にそれぞれ1個のカセッタ10が装着されることで、ドラム形成モジュール100の外周面に複数個のカセッタ10が周方向に沿って装着されるようになっている。
【0020】
図3は、前記ドラム形成モジュール100が、上下方向に積み重ねられる状態を示す側面図である。このように、上部に積み重ねる一のドラム形成モジュール100と下部に位置する他のドラム形成モジュール100とが上下方向多段に積み重ねられる。具体的には、図3に示すように、該ドラム形成モジュール100は、その上縁部に所定間隔を置いて配設された複数個の凹部25aを備え、下縁部に所定間隔を置いて配設された複数個の凸部25bを備えている。各凹部25aと各凹部25bとは、それぞれ上下方向で整列した位置に配設されている。前記一のドラム形成モジュール100の各凹部25aと、他のドラム形成モジュール100の各凹部25bとが係合するように、該一のドラム形成モジュール100の位置と該他のドラム形成モジュール100の位置とを合わせ、該一のドラム形成モジュール100を該他のドラム形成モジュール100の上に順次積み重ねていくと、本実施の形態に係る薬剤選択供給装置1に備えられるドラム本体(複数個のドラム形成モジュール100が積み重ねられてなる部分)となる。なお、図3に示すドラム形成モジュール100では、上縁部に所定間隔を置いて複数個の凹部25aが配設され、下縁部に複数個の凸部25bが配設されているが、上縁部に所定間隔を置いて複数個の凸部が配設され、下縁部に複数個の凹部が配設されていてもよい。また、前記一のドラム形成モジュール100の下縁部と、前記他のドラム形成モジュール100の上縁部とが係合し、各ドラム形成モジュール100が上下方向多段に連結され得るように構成されている限り、該下縁部と該上縁部とには、それぞれ他の形状を呈した部分が配設されていてもよい。また、図3に示す状態では、前記一のドラム形成モジュール100と、前記他のドラム形成モジュール100とは、前記下縁部と前記上縁部とにおいて、互いに緩く係合し合っているに過ぎないため、自在に分離することが可能である。
【0021】
図4(a)は、前記ドラム形成モジュール100を構成する一単位である基準モジュール100aを示す部分平面図であり、図4(b)は、該基準モジュール100aが連結されてなるドラム形成モジュール100を示す部分平面図である。本実施の形態では、ドラム形成モジュール100は複数個の基準モジュール100aを備え、該基準モジュール100は周方向に分離可能に連結されている。具体的には、図4(a)に示すように、前記ドラム形成モジュール100の1個当たり、基準モジュール100aが周方向に4個連結されて構成されている。前記基準モジュール100aには、その端面の一方に嵌合凸部21aが配設され、他方に嵌合凹部21bが配設されている。そして、図4(b)に示すように、一の基準モジュール100aの嵌合凸部21aが、他の基準モジュール100aの嵌合凹部21bと、嵌合部21において嵌合されて連結されることで、ドラム形成モジュール100が形成される。また、該ドラム形成モジュール100において、一の基準モジュール100aの嵌合凸部21aを他の基準モジュール100aの嵌合凹部21bから脱離させると共に、前記一の基準モジュール100aの嵌合凹部21bを他の基準モジュール100aの嵌合凸部21aから脱離させると、前記一の基準モジュール100aが、他の基準モジュール100aから分離される。なお、前記基準モジュール100aは、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、または、ABS樹脂をガラス繊維等で強化してなるFRP(繊維強化樹脂)等により形成することが可能であり、これにより、形成されるドラム形成モジュール100およびドラムの軽量化およびコストダウンを図ることができる。また、このように、ドラム形成モジュール100を、さらに小さな基準モジュール100aによって構成することにより、ドラム形成モジュール100の取扱いや運搬がさらに容易となる。
【0022】
図5(a)は、前記基準モジュール100aの平面図であり、図5(b)は、図5(a)の平面図に対応した、前記基準モジュール100aの側面図である。図5(a)および図5(b)に示すように、基準モジュール100aは、その左右の側に一対の略長方形状の端面を備え、その表側(図5(a)の下側)と裏側(図5(a)の上側)に略部分円柱面状の側面を備えており、前記一対の端面の一方に嵌合凸部21aが配設され、他方に嵌合凹部21bが配設されている。図示していないが、前記嵌合凸部21aと前記嵌合凹部21bとは、前記基準モジュール100aの各端面において、それぞれ上下方向に延びるように配設されている。また、各基準モジュール100aの裏側側面の2箇所には、上下方向に延びる円筒状の支持軸用軸受部20が配設されている。また、各基準モジュール100aの表側側面の上縁部に所定間隔を置いて4個の凹部25aが配設され、下縁部に所定間隔を置いて4個の凸部25bが配設されている。各凹部25aと各凹部25bとは、それぞれ上下方向で整列した位置に配設されており、各凹部25aと各凹部25bとの間には、カセッタのベース部材110が取付けられるベース取付箇所22が配設されている。該ベース取付箇所22においては、その上部に上下方向に延びる一対の係合孔23a、23aが形成されており、その下部に上下方向に延びる一対の係合孔23b、23bが形成されている。また、各ベース取付箇所22において、一対の係合孔23a、23aの下部近傍には、ネジが挿通する一対の挿通孔16、16が形成されている。
【0023】
図6(a)は、前記ドラム形成モジュール100に前記カセッタ10が装着される状態を示す一部省略側面図であり、図6(b)は、前記ドラム形成モジュール100に前記カセッタ10が装着された状態を示す一部省略側面図である。図6(a)に示すように、前記ベース部材110は、前記カセッタ10が載置される載置部111と、該載置部111から上方に延びる当接部112と、該当接部112から前記載置部111とは反対側へ延びる一対の案内片113、113とを備えている。該一対の案内片113、113においては、上部に一対の係合凸部14a、14aが配設され、下部に一対の係合凸部14b、14bが配設されている。更に、一対の係合凸部14a、14aの下部近傍に一対のネジ孔15、15が形成されている。
【0024】
図6(a)および図6(b)に示すように、ドラム形成モジュール100の外周面に配設されたベース取付箇所22にベース部材110が取付けられ、該ベース部材110を介してカセッタ100がドラム形成モジュール100に着脱自在に装着されるようになっている。即ち、前記一対の案内片113、113に配設された一対の係合凸部14a、14aを、前記ベース取付箇所22に形成された一対の係合孔23a、23aとそれぞれ係合させ、前記一対の係合凸部14b、14bを、前記一対の係合孔23b、23bとそれぞれ係合させる。ここで、前記一対の係合凸部14b、14bの先端部は、フック状に形成されているため、前記一対の係合凸部14b、14bが前記一対の係合孔23b、23bに係合した後に、前記一対の係合凸部14b、14bを下方にスライド移動させることで前記先端部が前記一対の係合孔23b、23bの下縁部に嵌め込まれて係脱不能に係合される。更に、前記ベース取付箇所22のベース部材110が取付けられる側と反対側において、雌ネジ部を有する板ナット17aが、前記ベース取付箇所22に配設された断面L字状のホルダー17bにより、前記ベース取付箇所22に形成された各挿通孔16と該雌ネジ部を連通させた状態で保持されているため、前記一対の案内片113、113に形成された一対のネジ孔15、15に、それぞれネジ17をカセッタ10が装着される側から挿通し、更に前記一対の挿通孔16、16を通して前記板ナット17aの雌ネジ部に螺入することで、前記ベース取付箇所22に前記ベース部材110が取付けられる。そして、該ベース部材110を介してカセッタ10がドラム形成モジュール100に着脱自在に装着される。
【0025】
本実施の形態においては、前記一対の案内片113、113と前記ベース取付箇所22とにより上下方向に延びる空間が形成されている。該上下方向に延びる空間は、図1に示す薬剤選択供給装置1において、各カセッタ10から払い出される薬剤を、ドラム形成モジュール100が複数個連結されて形成されるドラムの下方に配設されるホッパ(図示せず)へ案内する案内路となるものである。即ち、本実施の形態においては、各カセッタ10から排出された薬剤をドラムの下方に配設されるホッパへ案内する案内路が、前記ドラムの内部に形成されておらず、前記ベース部材110と前記ドラムの表面とによって形成されている。しかも、前述したように、前記ベース部材110が前記ドラムに対して着脱自在となっているため、前記案内路に薬剤の通過に伴い付着したコーティング剤等の清掃を、前記ドラムを分解することなく極めて容易に行うことができる。
これに対し、前記案内路をドラムの内部に形成した場合は、該案内路の清掃のためにドラムの分解が必要となり、更に、該ドラムの表面に、薬剤収容容器の排出口と前記案内路とを連通させる連通孔を形成する必要が生じてドラムの製造コストの高騰を招くことになるが、本実施の形態においてはドラムの内部には前記案内路は形成されないため、かかる不都合は生じない。
【0026】
図6(a)に示すように、前記ベース部材110は、前記載置部111の内部に収容されるモータ114と、下端部が該モータ111に相対回転不能に支持され且つ上端部が前記載置部111の上面から上方に延びる駆動軸115と、該駆動軸115の上端部に相対回転不能に支持された駆動ギア116とを備えている。
本実施の形態においては、前記カセッタ10は、収容した薬剤を所定個数毎に排出し得るように構成されている。即ち、該カセッタ10は、上方が開口とされた薬剤収容部11と、該薬剤収容部11内に配設された薬剤整列ローラー12と、前記薬剤収容部11の上方開口を着脱自在に閉塞する蓋部材13とを備え、収容する薬剤を該ローラー12の回転に応じて所定量毎に排出し得るようになっている。
【0027】
前記薬剤整列ローラー12は、回転軸12aと、該回転軸12aに相対回転不能に支持されたローラー本体12bと、前記回転軸12aの下端部に相対回転不能に支持され、前記ベース部材への装着時に該ベース部材の駆動ギア26と噛合する従動ギア12cとを備えている。即ち、該カセッタ10は、ベース部材110への装着状態において、ベース部材110からの駆動力を受け入れ得るようになっている。したがって、カセッタ10がベース部材110に装着されている状態において、操作装置等を介して一のベース部材110の駆動ギアが回転されると、これに応じて、カセッタ10の薬剤整列ローラー12が回転し、該ローラー12の周縁に整列された薬剤が前記薬剤収容部11の底壁に配設された排出口(図示せず)から排出されるようになっている。なお、カセッタ10から排出された錠剤は、前記ベース部材110に形成された連通路31を介して、前記案内路へ案内される。
【0028】
図6(a)に示すように、本実施の形態に係るドラム形成モジュール100は、外周面に取付けられるベース部材110と略同一の高さを有している。本実施の形態では、上下方向多段に積み重ねた中の一のドラム形成モジュール100と他のドラム形成モジュール100とがそれぞれ異なる高さを有していることが好ましい。これにより、各ドラム形成モジュール100に取付けられるベース部材110の高さを適宜変更することができ、各ベース部材110の高さに応じてそれぞれサイズの異なるカセッタを装着することが可能となる。この結果、各ドラム形成モジュール100を上下方向多段に連結させてドラムを形成した場合に、例えば、収容できる薬剤の種類や数量が異なる、大容量のサイズ(Lサイズ)、中容量のサイズ(Mサイズ)のカセッタを適宜組み合わせて該ドラムに装着することが可能となり、形態の異なるカセッタを多様な組み合わせで装着し得るドラムを低コストで形成できるようになる。
【0029】
また、各ドラム形成モジュール100の高さを低くすることにより、ドラム1個を構成するドラム形成モジュール100の個数を増やして、ドラム1個あたりに装着されるカセッタの個数を増やすことが可能となる。これにより、一台当りの薬剤選択供給装置に収納されるカセッタの個数を増やせるようになり、薬剤選択供給装置本体のサイズを変えることなく、薬剤の分包作業効率が高められる。
【0030】
図7は、本実施の形態に係るドラム60を示す一部省略断面図である。図7に示すように、該ドラム60においては、複数個のドラム形成モジュール100が上下方向多段に積み重ねられ、更に、上下方向多段に積み重ねた中の一のドラム形成モジュール100と他のドラム形成モジュール100とが、支持軸用軸受部20に挿通された金属製の支持軸30を介して相互に連結されている。そして、前記支持軸30は、前記ドラム60の上下端部に備えられた天板50と底板51とにそれぞれ配設された第1嵌合孔31と第2嵌合孔32とに挿嵌されて固定されている。また、前記ドラム60には、上下方向に複数個のカセッタ10がベース部材110を介して装着されている。なお、図示していないが、前記ドラム60には、水平方向にも複数個のカセッタ10がベース部材110を介して装着されている。
【0031】
本実施の形態に係るドラム形成モジュール100を用いて、前記ドラム60を形成するには、図3および図7を参照して、先ず、各ドラム形成モジュール100の支持軸用軸受部20に対応して嵌合孔32が8箇所に形成された底板51と8本の支持軸20とを用意し、各支持軸20の一端を各嵌合孔32に挿嵌し、前記底板51に対して8本の支持軸20を垂直に起立させる。次に、ドラム形成モジュール100を4個用意し、各支持軸20を各ドラム形成モジュール100の8箇所の支持軸用軸受部20にそれぞれ挿通させつつ、一のドラム形成モジュール100の各凹部25aと、他のドラム形成モジュール100の各凹部25bとがそれぞれ係合するように、該一のドラム形成モジュール100の位置と該他のドラム形成モジュール100の位置とを合わせながら、該一のドラム形成モジュール100を該他のドラム形成モジュール100の上に順次積み重ねていく。最後に、各ドラム形成モジュール100の支持軸用軸受部20に対応して嵌合孔31が8箇所に形成された天板50を用意し、各支持軸20の他端を前記天板50の各嵌合孔31に挿嵌する。この結果、上下方向多段に積み重ねた中の一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとが、支持軸用軸受部20に挿通される支持軸を介して相互に連結され、且つ、天板50と底板51とにより上下端部において固定されることで、4個のドラム形成モジュール100と、8本の支持軸20と、天板50および底板51とを備えるドラム60が完成する。
【0032】
本実施の形態に係るドラム形成モジュール100によれば、一のドラム形成モジュール100と他のドラム形成モジュール100とが上下方向多段に且つ分離自在に連結され得るように構成されているため、上下方向段単位で積み重ねてドラムを形成することが可能となる。これにより、安定した状態でドラム本体を組み立てることができるようになり、組立作業性が良好となる。また、一旦形成されたドラムからドラム形成モジュール100を分離して再利用することも可能となる。更に、ドラム形成モジュール100を樹脂等を用いて製造することができるため、形成されるドラムが安価となり、軽量化も図れる。
【0033】
また、前記ドラム形成モジュール100は、上下方向に延びる支持軸用軸受部20を備え、上下方向多段に連結される一のドラム形成モジュール100と他のドラム形成モジュール100とは、前記支持軸用軸受部20に挿通される支持軸30を介して相互に連結されるため、上下方向においてドラム形成モジュール100が安定して連結されると共に、周方向におけるドラム形成モジュール100のズレも防止できる。
【0034】
尚、本実施の形態では、ドラム形成モジュール100は、複数個の基準モジュール100aが連結されて形成されるものとしたが、一体的に形成され、分離不能な筒状体であっても本発明の意図する範囲内である。
【0035】
また、ドラム形成モジュール100は、略円状の断面を有する筒状体としたが、外周面が無端状である限り、多角形状の断面を有するものや、略楕円状の断面を有するものであっても構わない。
【0036】
また、ドラム形成モジュール100は、上下方向に延びる支持軸用軸受部20を備え、上下多段に連結される一のドラム形成モジュール100と他のドラム形成モジュール100とは、前記支持軸用軸受部20に挿通される支持軸30を介して相互に連結されるように構成したが、上下方向においてドラム形成モジュール100が安定して連結され、周方向においてドラム形成モジュール100のズレが防止される限り、他の手段を用いてもよい。
【0037】
また、本発明においては、各ベース部材、および/または、各ベース部材に対応するドラム形成モジュールに、ネジを用いて各ベース部材をドラム形成モジュールに取付けるためのネジ連結構造を設けると共に、各ベース部材の少なくとも一箇所に係合凸部を設け、ドラム形成モジュールに該係合凸部と係合する係合凹部を設けることで、各ベース部材がドラム形成モジュールに取付けられる。詳しくは、該係合凸部の先端部がフック状に形成されているため、前記係合凸部を前記係合凹部に係合後に該係合凸部を下方にスライド移動させることで前記係合凸部の先端部が前記係合凹部の下縁部に嵌め込まれて係脱不能に係合される。
【0038】
上述した実施形態では、前記ネジ連結構造として、各ベース部材の案内片にネジ孔を設け、各ベース取付箇所に断面L字状のホルダーを配設して該ホルダーに板ナットを保持させ、前記ネジ孔にネジをカセッタが装着される側から挿通して前記ネジと板ナットとを螺合させる構造を採用したが、該板ナットの代わりに、前記ベース取付箇所に形成された孔部に嵌合保持されたナットを用いることもできるし、前記ベース取付箇所に直接雌ネジ部を形成して前記ネジと螺合させることもできる。また、各係合凸部を各係合凹部と係合させた後に、各係合凸部が各係合凹部から係脱不能となるべく各係合凸部の先端部が屈曲するように、該先端部を樹脂や硬質ゴム等で形成することも可能である。
【0039】
なお、各ベース部材のドラム形成モジュールへの取付けが安定かつ容易に行われる限り、例えば、ベース部材に係合凹部を設けると共に、ドラム形成モジュールに該係合凹部と係合する係合凸部を設けても構わない。
【0040】
また、上下方向多段に積み重ねられてドラムを構成した各ドラム形成モジュールに取付けられたベース部材が、それぞれの案内片の上下部が互いに当接し合うことで上下方向で固定されるように、最上段に位置するベース部材のみ前記ネジ連結手段を用いてドラム形成モジュールに取付けると共に、それより下段に位置する各ベース部材は、該ネジ連結手段を用いず、各ベース部材に係合凸部(または係合凹部)を設け、ドラム形成モジュールに該係合凸部(または係合凹部)と係合する係合凹部(または係合凸部)を設けることで、各ベース部材をドラム形成モジュールに取付けてもよい。
【0041】
更に、本実施形態では、上下方向多段に積み重ねた中の一のドラム形成モジュール100の高さと他のドラム形成モジュール100の高さとをそれぞれ異ならせる形態について説明したが、前記一のドラム形成モジュールの高さと他のドラム形成モジュールの高さとを略同一とすることも可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ドラムの組立作業性が良好なドラム形成モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る薬剤選択供給装置の一形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係るドラム形成モジュールの部分平面図である。
【図3】図3は、図2に示すドラム形成モジュールが、上下方向に積み重ねられる状態を示す側面図である。
【図4】図4(a)は、図2に示すドラム形成モジュールを構成する一単位である基準モジュールを示す部分平面図であり、図4(b)は、該基準モジュールが連結されてなるドラム形成モジュールを示す部分平面図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)に示す基準モジュールの平面図であり、図5(b)は、図5(a)の平面図に対応した、前記基準モジュールの側面図である。
【図6】図6(a)は、図2に示すドラム形成モジュールにカセッタが装着される状態を示す一部省略側面図であり、図6(b)は、前記ドラム形成モジュールに前記カセッタが装着された状態を示す一部省略側面図である。
【図7】図7は、本発明に係るドラムを示す一部省略断面図である。
【符号の説明】
1…薬剤選択供給装置、10…カセッタ、20…支持軸用軸受部、22…ベース取付箇所、60…ドラム、110…ベース部材
Claims (7)
- 無端状の外周面を有し、該外周面に複数個の薬剤収容用カセッタを周方向に沿ってそれぞれベース部材を介して装着可能であり、一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとが上下方向多段に且つ分離自在に連結され得るように構成され、
複数個の基準モジュールを備え、該基準モジュールは周方向に分離可能に連結されているドラム形成モジュール。 - 前記ベース部材と略同一の高さを有している請求項1に記載のドラム形成モジュール。
- 前記一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとがそれぞれ略同一の高さを有している請求項2に記載のドラム形成モジュール。
- 前記一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとがそれぞれ異なる高さを有している請求項2に記載のドラム形成モジュール。
- 上下方向に延びる支持軸用軸受部を備え、上下方向多段に連結される一のドラム形成モジュールと他のドラム形成モジュールとは、前記支持軸用軸受部に挿通される支持軸を介して相互に連結される請求項1乃至4に記載のドラム形成モジュール。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のドラム形成モジュールが上下方向多段に連結され構成されている薬剤選択供給装置用ドラム。
- 請求項6に記載のドラムが装着されてなる薬剤選択供給装置。
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