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JP5284715B2 - レンズ組立体 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載してその後方、左右等を確認するカメラあるいは監視カメラ等の部品として適用されるレンズ組立体に関するものであり、該組立て体の構造の簡素化を図り、効率的で正確な組み付けを実現しようとするものである。
車両に搭載されるカメラとしては、広範囲にわたる画像を取り込むことができるよう取り込み角度が120度を超える魚眼レンズ(広角レンズ)が使用されている。通常、この種のレンズは、物体側及び像側に向けてそれぞれ開放された開口を有する鏡枠に複数枚のレンズを光軸に沿って直列に配置したレンズ組立体として適用されているのが普通であるところ(例えば、特許文献1参照)、かかるレンズ組立体は部品点数が多く構造の複雑化が避けられないことから、効率的でかつ正確な組み付けが行えないところに問題を残していた。
実開平7−10710号公報
本発明の課題は、構造の簡素化が可能であり、しかも正確で効率的な組み付けが行えるレンズ組立体を提案するところにある。
本発明は、物体側及び像側に向けてそれぞれ開放した開口を有する鏡枠と、この鏡枠の内部で光軸方向に沿い順次に配列された少なくとも3枚のレンズとを備えたレンズ組立体であって、
前記鏡枠の像側における開口の端面に、該端面と一体連結するとともに像側に位置するレンズの光学機能面のみを露出させる貫通孔を有する絞り壁を設け、
前記絞り壁は、その内側面に、外部振動が入力された際、絞り壁に形成された貫通孔の縁部よりも先に像側に位置するレンズの外表面に当接するストッパーを有し、
この絞り壁と像側レンズとの相互間に、物体側の開口において設置されたレンズの光軸方向に沿う押圧により各レンズの端面同士をそれぞれ弾性的に接触させて位置決めする弾性部材を配置し、該弾性部材は前記絞り壁の前記貫通孔よりも大きく、かつ開口を備えた薄肉の環状ベースと、該環状ベースの外縁に片側支持状態にて一体連結し、物体側の開口に設置されたレンズの光軸方向に沿う押圧によって反発力を生じせしめて各レンズの端面同士を相互に弾性的に接触させる複数のアームとを有することを特徴とするレンズ組立体である。
上記の構成になるレンズ組立体において、各レンズの端面相互間には絞りを配置することができる。また、物体側の開口に設置されたレンズについては、鏡枠の熱的変形によるカシメあるいは機械的変形によるカシメによって固定するのがとくに好ましい。
また、物体側の開口に設置されたレンズには、該レンズの端面と鏡枠内部の段部との間で挟持されてその相互間を気密状態に維持するシール部材(Oリング)を配置することができる。
物体側の開口に設置されたレンズはガラス製のレンズが好適であり、その他のレンズはプラスチック製のレンズとするのが好適である。
また、鏡枠は、絞り壁に向けてサイズ(内径)を順次に小さくしたレンズ設置用の内周壁面を設けるのが好ましく、これによりレンズの組込み作業が簡素化される。
弾性部材アームとしては、その付け根部に、該アームそのものを厚さ方向へ屈曲させる屈曲部(ライン)を設けることが可能であり、この屈曲部を設けることによって弾性部材に反発力が生じた際に該アームの先端が径方向外側へ向けて広がるのを防止する。
絞り壁と、この絞り壁に隣接する像側のレンズとの相互間に弾性部材を配置し、鏡枠の物体側の開口に設置されるレンズにより他のレンズを光軸方向に沿って押圧すると各レンズは端面同士が弾性的に接触してそのまま正確に位置決めされることとなり、効率的な組み付けが行える。
また、レンズを鏡枠に組み付ける際にレンズに外部振動が入力されても弾性部材の変位により速やかに振動が吸収される。また、鏡枠に不用意な衝撃等が加えられレンズに外部振動が入力されても弾性部材の変位により速やかに振動が吸収される。
環状ベースの外縁に片側支持状態にて一体連結した複数のアームを備えた弾性部材を配置したので、レンズ組立体のサイズのコンパクト化(短尺化)が可能となる。さらに、アームの先端が径方向外側へ向けて広がり鏡枠内でアームの先端が座面に接触するのを防止し、その有する機能をより有効に発揮させることが可能になる。
鏡枠の物体側の開口に設置されるレンズは、鏡枠そのものの熱的な変形によるカシメあるいは機械的な変形によるカシメを適用して固定するのがよく、これによりレンズを固定するための部材が不要となり構造の簡素化が可能となる。
物体側の開口に配置されるレンズと鏡枠との相互間にシール部材を配置することにより塵や埃の侵入を防止するとともに防水効果を高めることができ、画像の安定した取り込みが可能となる。
鏡枠の内周面に絞り壁に向けてサイズを順次に小さくしたレンズ設置用の座面を設けておくことにより、レンズの組み違えを起こすことがなくなり品質の安定化に寄与する。
絞り壁の内側面に、ストッパーを設けておき、像側に位置するレンズに外部振動が入力された際、絞り壁の貫通孔の縁部よりも先に該ストッパーを像側のレンズに当接させることにより該縁部がレンズに接触することによって生じるレンズ有効径内での傷の発生を防止し得る。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明にしたがうレンズ組立体の実施の形態を模式的に示した断面図であり、図2はその分解状況を示した外観斜視図である。
図における符号1は鏡枠である。この鏡枠1の内部にはレンズを設置する領域Mが形成されている。この鏡枠1はプラスチックあるいは金属材料からなる環状周壁にて構成されており、物体側(紙面左側)及び像側(紙面右側)に向けてそれぞれ開放した開口1a、1bを有している。ここに開口1aを以下に入側開口1aということとし、開口1bを以下に、出側開口1bということとし、物体側の光は入側開口1aを通して鏡枠1内に入射され、出側開口1bを経て出射され撮像素子(図示せず)へと至る。レンズを設置する領域Mを形成する鏡枠1の内周面には段差部t〜tが形成されており、この段差部により径D〜Dが出側開口1bへ向けて段階的に小さくなるレンズ設置用の内周壁面(座面)L〜Lが設けられている。
2は鏡枠1の出側開口1bに設けられた絞り壁である。この絞り壁2は出側開口1bに一体連結されており、後述する像側に位置するレンズの光軸を含む中央部を露出させる貫通孔2aを有している。
3は鏡枠1の入側開口1aへの押し込みによって座面Lに設置され、鏡枠1のカシメKにより固定することができる第1のレンズ(ガラス製の平凹レンズ)である。この第1のレンズ3は外周面3aが座面Lに嵌り込んでおり、その前側の外縁部にはカシメに際して鏡枠1の変形部位を乗り上げさせる面取り部3bが形成されている。
4は第1のレンズ3の隣で座面Lに配置された第2のレンズ(プラスチック製の平凹レンズ)である。この第2のレンズ4の前面には第1のレンズ3の後面に絞りを介して面接触する当接部4aが設けられている。
また、5は第2のレンズ4の隣で座面Lに配置された第3のレンズ(プラスチック製の凸レンズ)である。この第3のレンズ5は第2のレンズ4と同様にその前面には第2のレンズ4の後面に絞りを介して面接触する当接部5aが設けられている。
6は第3のレンズ5の隣で座面Lに配置された第4のレンズ(プラスチック製の凸レンズであり、このレンズが像側に位置するレンズである)である。この第4のレンズ6の前面には第3のレンズ5の後面に絞りを介して面接触する当接部6aが設けられている。この第4のレンズ6は像側面の中央凸部(光学機能面)が絞り壁2の貫通孔2aから突出するように配置されている。第2のレンズ4、第3のレンズ5及び第4のレンズ6はその外周面に1つ又は複数個のカット面を設けることができる。
また、7は第1のレンズ3と第2のレンズ4の間に配置されたシート状の絞り(フレア絞り)、8は第2のレンズ4と第3のレンズ5との間に配されたシート状の絞り(フレア絞り)、9は第3のレンズ5と第4のレンズ6の間に配されたシート状の絞りであり、これらの絞り7、8、9は第1のレンズ3から入射された物体側の光の量を調整する機能を有している。絞り7、8、9はポリエステルシート等によって構成され、余計な光の入射あるいは反射を防止するため黒色塗料が塗布されるなどの艶消し処理が施されている。絞り7、8、9はその配置を省略することも可能であり、この場合にはレンズの端面に余計な光の入射、反射を防止する黒色塗料を塗布するかあるいは艶消し処理が施される。
10はOリングを例として示したシール部材である。このシール部材10は第1のレンズ3の後側外縁端部に設けられた凹所3cと鏡枠1の段差部(段差面)tとの間で挟持されていてその相互間を気密状態に維持するようになっている。
11は第4のレンズ6と絞り壁2の相互間に配置された弾性部材(板ばね)である。この弾性部材11は第1のレンズ3を座面Lに設置する際の押し込みによって反発力を生じせしめて各レンズ3、4、5、6の端面同士を絞り7、8、9を介して相互に弾性的に接触(弾性支持)させて鏡枠1の内部での位置決めを行うものであり、絞り壁2の貫通孔2aよりも大きく、かつ第4のレンズ6の中央凸部(光学機能面)を通過させ得る開口を備えた薄肉の環状ベース11aと、この環状ベース11aの外縁に片側支持状態にて一体連結する複数のアーム(板状のもの)11bからなっている。図3(a)(b)に正面および側面を示す。
アーム11bは付け根部に該アームそのものを厚さ方向へ僅かに屈曲させる屈曲部(屈曲ライン)11bが設けられていて、この屈曲部11bによって弾性部材11に反発力が生じた際に図4に示すように該アーム11bの先端が径方向外側へ向けて広がり鏡枠1内でアーム11bの先端が座面Lに接触するのを防止してその有する機能をより有効に発揮させることが可能となる。
さらに、12は絞り壁2の内側面に設けられたストッパーである。このストッパー12は第4のレンズ6に所期しない衝撃等、外部振動が入力された際に絞り壁2の貫通孔2aの縁部eが第4のレンズ6の外表面よりも先に該第4のレンズ6の径方向外側において当接するものであり、このストッパー12により貫通孔2aの縁部eが接触することによって生じることが懸念されるレンズの有効径内での傷の発生を抑制する。ストッパー12は環状の凸部あるいは間隔をあけて配置した複数の突起を適用することができる。
本発明にしたがうレンズ組立体は、鏡枠1の内部にまず弾性部材11を入れ込み、次いで、第4のレンズ6、絞り9、第3のレンズ5、絞り8、第2のレンズ4、さらに絞り7を順次に配置する。そして、第1のレンズ3をシール部材10とともに鏡枠1の入側開口1aへ押し込んだのち、鏡枠1のカシメにより該第1のレンズ3を座面Lに固定すればよく、このとき弾性部材11に反発力が生じ第1のレンズ3により第2のレンズ4、第3のレンズ5及び第4のレンズ6は端面同士が弾性的に接触することとなり、余計な作業を要することなしに鏡枠1の内部において各レンズが光軸c方向に沿って正確に位置決めされる。
上掲図1に示したレンズ組立体は、4枚のレンズを配置した場合を例として示したが、第2のレンズ4、第3のレンズ5のうちの1枚は省略することができる。また、設置枚数は適宜増やすことも可能であり、図示のものに限定はされない。
弾性部材11については、各レンズを光軸に沿って弾性支持できるものであればその形状は適宜変更可能であり、また、板状のばねに替えてゴム部材を適用してもよい。
物体側の開口に配置するレンズを位置決め固定する操作のみで他のレンズを光軸に沿い正確に位置決めできる構造の簡素化されたレンズ組立体が提供できる。
本発明にしたがうレンズ組立体の実施の形態を断面で示した図である。 図1に示したレンズ組立体の分解状態を示した外観斜視図である。 弾性部材を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 弾性部材の変位状況の説明図である。
符号の説明
1 鏡枠
1a 開口(入側開口)
1b 開口(出側開口)
2 絞り壁
2a 貫通孔
3 第1のレンズ
3a 外周面
3b 面取り部
3c 凹所
4 第2のレンズ
4a 当接部
5 第3のレンズ
5a 当接部
6 第4のレンズ
6a 当接部
7 絞り
8 絞り
9 絞り
10 シール部材
11 弾性部材
11a 環状ベース
11b アーム
12 ストッパー

Claims (6)

  1. 物体側及び像側に向けてそれぞれ開放した開口を有する鏡枠と、この鏡枠の内部で光軸方向に沿い順次に配列された少なくとも3枚のレンズとを備えたレンズ組立体であって、
    前記鏡枠の像側における開口の端面に、該端面と一体連結するとともに像側に位置するレンズの光学機能面のみを露出させる貫通孔を有する絞り壁を設け、
    前記絞り壁は、その内側面に、外部振動が入力された際、絞り壁に形成された貫通孔の縁部よりも先に像側に位置するレンズの外表面に当接するストッパーを有し、
    この絞り壁と、像側に位置するレンズとの相互間に、物体側の開口において固定されたレンズの光軸方向に沿う押圧により各レンズの端面同士をそれぞれ弾性的に接触させて位置決めする弾性部材を配置し、該弾性部材は前記絞り壁の前記貫通孔よりも大きく、かつ開口を備えた薄肉の環状ベースと、該環状ベースの外縁に片側支持状態にて一体連結し、物体側の開口に設置されたレンズの光軸方向に沿う押圧によって反発力を生じせしめて各レンズの端面同士を相互に弾性的に接触させる複数のアームとを有することを特徴とするレンズ組立体。
  2. 各レンズは、その端面相互間に絞りを有する、請求項1記載のレンズ組立体。
  3. 物体側の開口において設置されたレンズは、鏡枠の熱的変形によるカシメあるいは機械的変形によるカシメによって固定されたものである、請求項1又は2記載のレンズ組立体。
  4. 物体側の開口において設置されたレンズは、該レンズの端面と内部の段差部との間で挟持され、その相互間を気密状態に維持するシール部材を有する、請求項1〜3の何れかに記載のレンズ組立体。
  5. 物体側の開口において設置されたレンズが、ガラス製のレンズであり、像側に位置するレンズを含むその他のレンズがプラスチック製のレンズである、請求項1〜4の何れかに記載のレンズ組立体。
  6. 前記鏡枠は、絞り壁に向けてサイズを順次に小さくしたレンズ設置用の内周壁面を有する、請求項1〜5の何れかに記載のレンズ組立体。
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