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JP2004272229A - 撮像装置 - Google Patents

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JP2004272229A JP2004032430A JP2004032430A JP2004272229A JP 2004272229 A JP2004272229 A JP 2004272229A JP 2004032430 A JP2004032430 A JP 2004032430A JP 2004032430 A JP2004032430 A JP 2004032430A JP 2004272229 A JP2004272229 A JP 2004272229A
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Abstract

【課題】 耐環境性能を向上した撮像装置が求められている。
【解決手段】 前ケース2の開口は押え部材30により封止され、押え部材30の開口は第1レンズ23による封止される。前ケース2の封止に用いられるOリング34の内径は、第1レンズ23の外径より大きく、Oリング34の外径は、押え部材30の内径より小さく構成される。Oリング34は、押え部材30がねじ込まれることで圧縮され、押圧された際の変形により、第1レンズ23のコバ部、押え部材30の内壁面で形成されるクリアランスが封止される。
【選択図】 図11

Description

本発明は撮像装置に関し、特に耐環境性能を向上した撮像装置に関する。
近年、CCD(charge-coupled device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等の撮像素子の小型化等の性能向上に伴い、多様な用途、例えば屋外用途の撮像装置が実用化され、以下に示すような技術が提案されている。
特許文献1〜4には、レンズを収納・保持する樹脂材料で形成された鏡筒の周縁に形成した突起を1番目のレンズの前面側周縁部に被せるように熱溶着によりかしめる技術が開示されている。
また、特許文献5〜8には、レンズ系に対する広い視野範囲を確保するものとして、一番目の凸状レンズの凸状表面をケース等から突出させる技術が開示されている。
また、非特許文献1、特許文献8、及び、9には、水中カメラ等に用いられる技術であって、保護ガラスを用いずに1番目の広角レンズによって直接密閉封止するようにした技術が開示されている。
更に、特許文献10〜12には、ケース開口を鏡筒で密閉封止する技術が開示されている。
特開平2−198403号公報 特開平11−313235号公報 実開平4−101511号公報 特許第2679784号公報 実開平6−55871号公報 特開平2−280107号公報 特開平5−77272号公報 実開平2−64927号公報 特開平9−265035号公報 特開2002−90603号公報 特開平5−241227号公報 特開平8−29851号公報 写真工業、Vol.50、1992年、No.7、P.11〜12、新商品紹介
しかしながら、上述の提案の技術では、防水性能等の耐環境性能において必ずしも十分ではない場合があり、更なる技術改良が望まれていた。本発明はこうした現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐環境性能等を改良した撮像装置を提供することにある。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
本発明の撮像装置のある態様は、開口を備えたカメラケースと、鏡筒に収納された広角レンズ群と、環状の押え部により規定された開口を有する円筒形状の押え部材と、前記押え部材の外周に設けた段部と、前記広角レンズ群のうちの1枚目のレンズの被写体側の凸面と結像側の面との間に形成された側面に第1の段部と第2の段部とを形成するように設けた突出部と、を備え、前記1枚目のレンズは、前記第2の段部により前記鏡筒に位置決め収納され、前記押え部材は、前記1枚目のレンズの前記第1の段部に配置した第1のシーリング材と該1枚目のレンズとによって該押え部材の開口が密閉封止され、且つ該1枚目のレンズの前記被写体側の凸面が該押え部材の開口から該押え部材の外方に突出するように前記鏡筒の外周部に螺合固定され、該螺合固定された押え部材は、その先端部を前記カメラケースの開口から突出させ且つ該押え部材の前記段部に配置した第2のシーリング材と該螺合固定された押え部材とによって該カメラケースの開口が密閉封止されるよう該カメラケースに収容固定されたことを特徴とする。この構成により、防水が容易である。
また、本発明の他の撮像装置の態様は、開口を備えたカメラケースと、相互に位置決め固定された広角レンズ群を収納する鏡筒と、環状の押え部により規定された開口を有し、且つ前記鏡筒の外周部に螺合固定された円筒形状の押え部材と、前記押え部材の外周に設けた段部と、前記広角レンズ群のうちの1枚目のレンズの被写体側の凸面と結像側の面との間に形成された側面に第1の段部と第2の段部とを形成するように設けた突出部とを有するレンズアッシと、を備え、前記1枚目のレンズは、前記第2の段部により前記鏡筒に位置決め収納され、前記押え部材は、前記1枚目のレンズの前記第1の段部に配置した第1のシーリング材と該1枚目のレンズとによって該押え部材の開口が密閉封止され、且つ該1枚目のレンズの前記被写体側の凸面が該押え部材の開口から該押え部材の外方に突出するように前記鏡筒の外周部に螺合固定され、前記レンズアッシは、前記前記螺合固定された押え部材の先端部を前記カメラケースの開口から突出させ且つ該押え部材の前記段部に配置した第2のシーリング材と該螺合固定された押え部材とによって該カメラケースの開口が密閉封止されるよう該カメラケースに収容固定されたことを特徴とする。
本発明の他の撮像装置の態様は、前記1枚目のレンズの被写体側面に施すべきコーティングを配したことを特徴とする。
本発明の他の撮像装置の態様は、前記カメラケースは、前ケースと後ケースとを有し、前記広角レンズ群、鏡筒および押え部材を含む機構を前ケースの開口を封止するように固定した後、前ケースの後面を後ケースによって封止してなることを特徴とする。
本発明の他の撮像装置の態様は、前記広角レンズ群、鏡筒および押え部材を含む機構は、前記前ケースに収納固定されることを特徴とする。
本発明の他の撮像装置の態様は、前記カメラケースは前ケースと後ケースから構成されるものであって、前記レンズアッシに突起を設けるとともに、前記前ケースに突起受部を設けて、前記レンズアッシは前記前ケースの所定位置に位置決めされることを特徴とする。
本発明の他の撮像装置の態様は、前記第1のシーリング部材は、Oリングであって、前記Oリングの内径は、前記1枚目のレンズの外径より大きく、該Oリングの外径は前記押え部材の内径より小さいことを特徴とする。
押え部材は、ねじ込み式でもよく、鏡筒の外周と嵌合して1枚目のレンズを光軸方向に押圧してもよい。1枚目のレンズは、2枚目のレンズの被写体側の所定面と当接することにより光軸方向の位置決めがなされてもよい。
1枚目及び2枚目のレンズは、前記鏡筒と当接することにより光軸方向の位置決めがなされてもよい。また、1枚目のレンズの被写体側面に施すべきコーティングを廃してもよい。
以上記載のごとく本発明により、防水性能等の耐環境性能において好適に適用される撮像装置を得ることができるという利点がある。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本実施の形態に係る撮像装置の断面図、図2は撮像ユニットの斜視図、図3は撮像ユニットの正面図、図4は前ケースに撮像ユニットを組み込んだ斜視図である。
図1に示す如く、本実施の形態の撮像装置1は前ケース2と後ケース3を備え、前ケース2と後ケース3との間にパッキン4を挿入して密閉封止し、図2に示す如く、ケース内に撮像ユニット10を組み込んでいる。尚、前ケース2と後ケース3とは、前ケース2の図示しないボスに対して後ケース3の背面より後ケース3の図示しない孔を挿通したネジによるネジ止めにより固定される。
図5、図6は撮像ユニット10の分解斜視図であり、図7は図3に示した撮像ユニット10の正面図のA−A線断面図である。撮像ユニット10は被写体側から順に、レンズアッシ20と、フォームリング40と、調整用リング42と、リング固定板44と、レンズホルダ46と、CCD基板48と、電源基板50とを備える。
レンズアッシ20は、広角レンズ群として被写体側から順に第1レンズ23、第2レンズ24、絞り29、第3レンズ25、第4レンズ26、第5レンズ27、及び第6レンズ28を備える。なお、本実施の形態においては、絞り29と第3レンズ25の間にはマスクを設け、レンズの有効光線から入射する光線を遮っているが、これは実際のレンズ性能に鑑み、増減または移動させてもよい。
第1レンズ23は、図10及び図11の拡大図に示すように、外周部分が段カット構造、具体的にはリング状段突起230(突出部)の上側に第1の段部231、下側に第1の段部231より大径の第2の段部232を具えており、その第1の段部231部分にOリング34が配設される。又第2の段部232は鏡筒32先端内周側に設けた段部321に保持されており、その鏡筒32の外周部分と螺合するねじ込み式の押え部材30の環状の突起192によって、図11に示すように第1レンズ23はその第1の段部231とそのコバ部234(凸状表面外縁)を介して略光軸OA方向に押えられる。このとき、Oリング34は、レンズ押え部材30と第1レンズ23の段カット部分(リング状段突起230上面)によって押圧される。これによって、レンズ押え部材30の内壁と第1レンズ23の段カット部分で密閉封止がされ、防水性能が得られる。
第4レンズ26、第5レンズ27、及び第6レンズ28を保持するレンズ保持部材22には、3本のキー溝21が直線的に、かつ、レンズ保持部材22の外周を3等分する位置関係で設けられている。なお、本図ではキー溝21は1本で代表している。また、本実施の形態では3本に限定せず適宜に設けることができる。
フォームリング40は、発泡ゴムを材料とし、環状の形状を有し、レンズアッシ20に内挿される。調整用リング42は、内側にねじ加工が施され、また、レンズアッシ20に対して自由に回転可能に嵌合される。
リング固定板44は、調整用リング42を挟むように、第1及び第2タップタイトネジ80および82によって、レンズアッシ20に固定される。このとき、調整用リング42の回転自由度は維持されたまま、調整用リング42が脱落しないよう設計が配慮されている。
レンズホルダ46は、その内側に、レンズ保持部材22に設けられた3本のキー溝21とキー嵌合する3本のキー47が直線的に設けられている。なお、本図ではキー47は1本で代表している。また、本実施の形態では3本に限定せず適宜に設けることができる。
また、レンズホルダ46は、その外周に所定の長さだけ、雄ねじ加工が施され、調整用リング42の内側に施されたねじと螺合するように構成されている。したがって、調整用リング42が回転すると、キー嵌合がガイドとなって、レンズホルダ46は非回動のまま光軸方向に前後動する。
なお、レンズホルダ46は、レンズアッシ20と嵌合し設計上のピント位置となる直前の所定の位置となると、レンズホルダ46の被写体寄りの端部は、フォームリング40に当接する。レンズホルダ46に押されてフォームリング40が圧縮された際に発生する予張力により、調整用リング42とレンズホルダ46とが嵌合するねじ部および調整用リング42の構造部全体が一方向に片寄せされ、ねじ部のバックラッシュや構成部品寸法ばらつきによる調整用リング42格納部の寸法変化の影響を受けない。
リング固定板44には、調整用リング42の外周に対して平行となるような雌ねじ部45が形成されている。この雌ねじ部45にとがり先のリング固定ネジ56を組み付け、調整用リング42とリング固定板44が一体化することで、ピントが確実に固定される。また、ピントの固定の際に鏡筒32を直接固定しないため、レンズに負荷が直接かからない。したがって、レンズに歪みが生じず、撮像品位の低下が避けられる。
レンズホルダ46には、第3及び第4タップタイトネジ84及び86によって、撮像素子であるCCDが設けられたCCD基板48が固定される。レンズホルダ46は、上述の通り、レンズアッシ20に対してキー嵌合しており、その位置の調整が調整用リング42で行われ、それぞれの部品の精度を適切に管理することにより、いわゆる「垂直出し」または「アオリ調整」とよばれる位置あわせが不要となる。CCD基板48がレンズホルダ46に対して垂直となるように取り付けることで、撮像面は、光軸方向に対して垂直となる。したがって、撮像面の調整は、光軸方向をZ軸方向とした場合、X及びY軸方向、及び回転方向(θ)のみでよい。なお、上記タップタイトネジは、場合により、タッピンネジや普通ネジでもよい。
CCD基板48には、CCD基板48に電力を供給するとともに、CCD基板48が出力する信号を撮像ユニット10の外部に出力する機能を備える電源基板50が取り付けられる。撮像ユニット10は、レンズアッシ20に設けられる、第1及び第2外装止めネジ穴92及び94とで、前ケース2にねじ止めされる。
以上の構成により、レンズ自体を調整することなくピント調整が可能となり、調整作業の効率が向上する。また、調整用リング42を用いることで、ピント調整、及び、レンズ光軸と撮像素子の所定の画素を一致させる、いわゆる「光軸調整」を独立して行うことが可能となる。さらに、ピント固定は、調整用リング42を固定することで実現できるので、レンズに直接負荷がかからず、レンズに歪みが発生することが回避できる。
レンズアッシ20を詳述する。図8はレンズアッシ20の断面図、図9は前ケース2の開口を押え部材30と第1レンズ23で封止した断面図である。レンズアッシ20の被写体側には鏡筒32が配置され、この鏡筒32の被写体側には第1レンズ23が配置され、第1レンズ23の外周部分の段カット構造にシーリング材であるOリング34が配置され、第1レンズ23がOリング34を介して押え部材30によって略光軸OA方向に押さえられる。ここでは、Oリング34は、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR: Hydrogenated Nitrile-Butadiene Rubber)で形成される。一般に、ニトリルブダジエンゴム(NBR:Nitrile-Butadiene Rubber)は、その耐油性や耐候性により、防水カメラなどのシール材に用いられる。さらに、NBRの耐オゾン性や、耐熱性、耐候性を向上させ劣化寿命を延ばしたHNBRは、シーリング材としてより好適である。なお、第1レンズ23の像面側の所定の面と第2レンズ24の被写体側の所定の面とが当接することにより、第1レンズ23の光軸OA方向の位置を規定している。
図9に示す如く押え部材30の周縁部には段55が形成されており、その段55に前述のものとは別のOリング54が配置される。前ケース2の開口に押え部材30を挿入する際、レンズアッシ20に設けた突起91(図2に記載)が前ケース2の背面に設けた図示しない凹部に位置決めされ、レンズアッシ20に設けた孔90に挿通したネジにより前ケース2の背面に設けた図示しないボスにネジ止めすることで前ケース2の開口は、押え部材30により封止される。
図10、図11は、図8のレンズアッシ20の断面図に示す領域70を拡大した図であり、レンズアッシ20の開口を第1レンズ23にて封止する構造を説明する。
第1レンズ23は鏡筒32の被写体側で保持、収納され、押え部材30の端部には、内側に向かう小さな爪状かつ環状の突起192が設けられている。この押え部材30を鏡筒32にねじ込むことで、第1レンズ23と押え部材30の間に配置されたOリング34が押圧変形し、第1レンズ23はその第1の段部231位置された状態で押え部材30の開口は第1レンズ23により密閉封止される。このとき、以下の設計的配慮をする。
まず、Oリング34の内径は、第1レンズ23の第1の段部231外径より大きく、Oリング34の外径は、押え部材30の内径より小さく設計する。こうすれば、図10に示すように押え部材30を鏡筒32にねじ込む前のOリングは押圧変形することなく配置され、図11に示す押え部材30を鏡筒32にねじ込んだ後においても、Oリング34は、押え部材30の内壁面や、第1レンズ23のコバ部234(凸状表面外縁)との間で、大きな摩擦力を発生するような接触が避けられる。その結果、Oリング34には不必要な回転方向の摩擦力やねじれの力が発生せず、ダメージを受けにくい。
さらに、光学設計上、レンズ内部の乱反射や逆光によるゴースト、フレア等を防止するために被写体側の第1レンズに反射防止用のコーティングを施すことが設計常識として確立している。しかしながら、屋外用などの撮像装置であって、第1レンズの表面が露出し且つ風等によりゴミなどがレンズ表面に当たりうる悪環境下の場合、第1レンズの表面のコーティングが一部剥がれ、撮影される画質の低下を引き起こす可能性があった。また、熱膨張によるコーティングのクラック等も同様の問題を引き起こす。そこで、本実施の形態においては、悪環境下で用いる撮像装置の場合、従来の設計常識に反し、第1レンズの外側のコーディングを廃し、かつその場合においてもゴースト、フレア等が発生しにくいレンズ構成としている。
尚、悪環境下で利用されない撮像装置であれば、当然ながら従来どおりコーティングを施してもよい。一方、屋内用であっても第1レンズに何らかの物体が当たる恐れがある場合、または環境温度の変化を受けやすい場合、第1レンズのコーティングを廃してもよい。
前ケース2の開口を押え部材30により封止する構造を採用する本実施の形態の撮像装置は、例えば前述の特許文献10の図11に開示される、前ケースの開口を鏡筒により封止する構造のものと比較し、以下の作用効果上の違いを奏する。
(1)温度特性
屋外用のカメラでは、露出部分が直接外気に晒されたり、直射日光を受けるため、温度変動が大きい。鏡筒がケース外に露出する構造だと、レンズ鏡筒に温度変動による歪み、捩れ、変形が生じ、レンズの取り付け位置精度が落ちる。鏡筒は本来、1/100mm以下のずれで光学性能に影響がでるほど精妙である。
一方、本実施の形態のように鏡筒がケースより露出しない構成であれば、押え部材30が多少変形してもレンズの取り付け位置精度に影響がない。レンズの取り付け位置精度は鏡筒により補償されている。なお、レンズ押え部材30をアルマイト加工したアルミ材やステンレス材等の金属材料で構成することにより熱による変形をさらに防止できる。
(2)強度
屋外用のカメラ、特に車載カメラは洗車やメンテナンスの際にカメラ部分に力が加わることがある。鏡筒が外部に露出していると、鏡筒に直接力が加えられ変形し、レンズ取り付け位置精度に影響しうる。一方、本実施の形態のように鏡筒がケースから露出しない構成であれば、力はむしろ押え部材30に加わり、鏡筒に加わる力が抑えられ、鏡筒の変形が抑えられる。そのため、レンズの取り付け位置精度に影響がでにくい。なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、外部からの衝撃による変形をより防止できる。
(3)薬品耐性
屋外用のカメラ、特に搭載カメラ等では、ワックス等の油脂、オイルに晒され易く、ポリマー等の腐食性のある薬品により腐食されうる。鏡筒が露出する構成では鏡筒の腐食によるレンズ取り付け位置精度の低下が懸念されるが、本実施の形態では鏡筒がケースから露出しないので、鏡筒の腐食は防止され、レンズの取り付け位置精度が維持できる。なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、腐食をより防止できる。
(4)耐タンパー性
屋外用のカメラ、特に車載カメラ等は、外部からのいたずらを想定する必要がある。鏡筒が露出する構成だと、鏡筒に直接力が加わり、レンズずれが生じる。また、熱溶着の部分をカッター等で切り込んだり、はがされたりすることにより第1レンズが外れるおそれがある。一方、本実施の形態では鏡筒がケースから露出しないので、ケースを開けない限り第1レンズは外れず、耐久性に優れる。なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、さらに耐タンパー性能が高まる。
(5)経時特性
経時変化により装置の各部材は劣化する。特に外部に露出している部分の劣化は内部の部材に比べて速い。鏡筒が露出し、熱溶着によりレンズを鏡筒に押えている構成では、押え部分がクリープ破壊し、レンズが外れる懸念がある。一方、本実施の形態では鏡筒がケースから露出せず、第1レンズが外れにくく、経時変化に強い。なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、さらに経時変化に強くなる。
(6)保守性
レンズが鏡筒に熱溶着によりかしめられる構成では、保守整備の際、レンズと鏡筒を一体交換しなければならずコストがかかるが、本実施の形態では鏡筒に一体的に第1レンズを固定していないので、レンズ、鏡筒及び押え部材を別個に交換することができ、コスト面で有利である。
(7)製造容易性
鏡筒にレンズを熱溶着により押さえる構成では、熱溶着で固定する部品すべての寸法ばらつきが重なるため、レンズかしめを行うべきレンズの高さにばらつきが出て、かしめ強度を一定に保つことが困難であるが、本実施の形態の構成であれば、鏡筒へのレンズの固定が熱によらないため、レンズの取り付け位置は部品の寸法ばらつきに依存せず、工程管理や歩留まりで有利である。なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、さらにレンズの取り付け位置精度が向上する。
(8)防水性能
一般にOリングによる密閉封止、すなわちシーリングを行う際、Oリングが押圧変形された際の圧縮率を、下限として8%、上限として40%を目安にするが、使用するOリングの線径により圧縮率の管理値を変えていくのが好ましい。即ち、線径が小さい場合、密着面積を増大させるために圧縮率を大きくとり、逆に線径が大きい場合、必要以上の密着面積をとる必要がないため、圧縮率は小さくともよい。圧縮率は、一般には公差や経年劣化を考慮して設定される。
一方、メーカー等の一般公表資料によれば、Oリングによる防水は、線径2mm以下では圧縮率が15%〜40%、線径2〜4mm未満では圧縮率10%〜30%、線径4mm以上では圧縮率8%〜20%がよいとされる。本実施の形態では、圧縮永久歪を考慮し、高圧縮側に5%のマージンを持たせ、圧縮率の管理値を15%〜35%としている。
このように、Oリングによる密閉封止の際、圧縮率を厳しく管理しなければならないが、レンズを熱溶着により鏡筒に押さえる構成では、前述のごとく、レンズ構成部品の寸法ばらつきにより、かしめ部分の高さが変動するため、熱溶着治具により一定のかしめ量が確保し辛く、結果としてOリングの圧縮率がばらつきを生じ、所望の防水性能を実現することが困難である。一方、本実施の形態の構成であれば、押え部材のねじ込み量やねじ込み力を管理することでOリングの圧縮率を極めて容易に管理できるため、歩留まりよく、所望の防水性能を備えることができる。
なお、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、さらに厳密にOリングの圧縮率を管理できる。また、寸法精度も一般の樹脂成型品と較べ向上するので、圧縮率の管理もさらに容易となる。
(9)小型化
レンズを熱溶着により鏡筒に押さえる構成では、上述のようにOリングの圧縮率の管理が困難であるため、Oリングの径が所定以上のものしか採用できず、小型化が困難である。一方、本実施の形態の構成であれば、極めて小径のOリングを採用でき、装置をより小型に設計できる。この場合も、レンズ押え部材30を前述の金属材料で構成すれば、さらに厳密にOリングの圧縮率が管理できるので、更なる小型化に寄与する。
(10)耐振動性能
レンズを熱溶着により鏡筒に押さえる構成では、特に車載カメラ等の場合、車両その他の振動によりこの押えが外れる懸念がある。一方、本実施の形態の構成では、このような問題は生じない。
(11)その他
本実施の形態の構成では、上記の他に、押え部材のみを変更することにより、異なる開口寸法を有するケースに対応できるため設計の自由度が高い。また、外に露出する押え部材を上述の金属等で形成することにより、押え部材に彫刻シルク印刷などを施すことができ、また装飾用の処理などを施すことにより、美観の向上が容易である。
本実施の形態の撮像装置はさらに、例えば前述の特許文献10や特許文献5に開示の前ケースの開口を第1レンズにより封止する構造のものと比較し、以下の作用効果上の違いを奏する。
上述の従来技術は、第1レンズが一般に樹脂で成形される前ケースにより取り付け位置精度が確保される。一方、第2レンズ以降のレンズは、同じく一般に樹脂で成形される鏡筒に保持、収納されてはいるが、この鏡筒自体が前ケースに取り付けられる構造のため、第2レンズ以降の位置精度は、鏡筒自体の精度に加えて、鏡筒と前ケースとの取り付け位置精度の分、悪化する。そのため、第1レンズと第2レンズ間の精度が悪化し、光学系の性能に改善の余地が認められる。一方、本実施の形態では、第1レンズと第2レンズ間がそれぞれのレンズの面精度で決定できるため、非常に光学系精度の高い撮像装置が実現する。
以上が本発明の実施の形態である。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素やその組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明によれば、特に耐環境性能を向上した撮像装置を提供することができる。
実施の形態に係る撮像装置の断面図である。 実施の形態に係る撮像ユニットの斜視図である。 実施の形態に係る撮像ユニットの正面図である。 実施の形態に係る前ケースに撮像ユニットを組み込んだ斜視図である。 実施の形態に係る撮像ユニットの分解斜視図である。 実施の形態に係る撮像ユニットの他の分解斜視図である。 実施の形態に係る撮像ユニットのA−A断面図である。 実施の形態に係るレンズアッシの断面図である。 実施の形態に係る前ケースの開口を押え部材で封止すると共に押え部材の開口を第1レンズで封止した断面図である。 レンズアッシの開口を第1レンズにて封止した断面図であり、押え部材で押える前の状態である。 レンズアッシの開口を第1レンズにて封止した断面図であり、押え部材で押えた後の状態である。
符号の説明
1 撮像装置
2 前ケース
3 後ケース
10 撮像ユニット
20 レンズアッシ
23 第1レンズ
30 押え部材
32 鏡筒
34、54 Oリング

Claims (1)

  1. 開口を備えたカメラケースと、
    鏡筒に収納された広角レンズ群と、
    環状の押え部により規定された開口を有する円筒形状の押え部材と、
    前記押え部材の外周に設けた段部と、
    前記広角レンズ群のうちの1枚目のレンズの被写体側の凸面と結像側の面との間に形成された側面に第1の段部と第2の段部とを形成するように設けた突出部と、を備え、
    前記1枚目のレンズは、前記第2の段部により前記鏡筒に位置決め収納され、
    前記押え部材は、前記1枚目のレンズの前記第1の段部に配置した第1のシーリング材と該1枚目のレンズとによって該押え部材の開口が密閉封止され、且つ該1枚目のレンズの前記被写体側の凸面が該押え部材の開口から該押え部材の外方に突出するように前記鏡筒の外周部に螺合固定され、
    該螺合固定された押え部材は、その先端部を前記カメラケースの開口から突出させ且つ該押え部材の前記段部に配置した第2のシーリング材と該螺合固定された押え部材とによって該カメラケースの開口が密閉封止されるよう該カメラケースに収容固定されたことを特徴とする撮像装置。
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