JP5130337B2 - 多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器及び多孔質シリカ板体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法に従えば、そのようなシリカ板材を安価に製造することができる。
本発明に係る多孔質シリカ板体は、図3(a)のような形状、すなわち、角形シリカ容器10を組み立てた際に内表面12となる表面及び角形シリカ容器10を組み立てた際に外表面13となる表面が略平行の形状である。その他、上記のように、平板状の形状の周縁部において組み合わせのための形状が作り込まれていてもよい。図3(b)に示した側部板体11の形状は、図1(a)及び(b)のものに相当し、図3(c)に示した側部板体11の形状は、図2(a)及び(b)のものに相当する。
また、溝31aの側面には、一部表面と垂直の方向に沿う垂直壁が存在することが好ましい。垂直壁の深さ(表面と垂直の方向の長さ)は、3〜20mmとすることがより好ましい。また、溝31aの幅は、5〜20mmであることが好ましい。
このように溝31aを設計すると、多結晶シリコンインゴットの各結晶粒の大きさ及び各結晶粒の結晶軸方位をより確実に揃えることができる。
図7(a)及び図7(b)には、底部板体21の内表面部分に円錐形の穴31cが形成されている場合を示した。
図8(a)及び図8(b)には、底部板体21の内表面部分に円錐形の穴31dが密集して形成されている場合を示した。
穴の開口部の寸法は、最小長さが5〜20mmであることが好ましい。ここで、穴の開口部の最小長さとは、開口部の形状に接する最小幅の平行線の間隔のことである。例えば、図6で示したような四角錐形の穴31bの場合、開口部は正方形であり、開口部の最小長さは一辺の長さである。また、図7、図8で示したような円錐形の穴31c、31dの場合、開口部は円であり、開口部の最小長さは直径である。
前述のように、本発明に係る角形シリカ容器を構成する底部板体21に形成される溝又は穴31は、溝又は穴の側面の少なくとも一部が、表面と垂直の方向に対して15〜60°の角度をなす斜面32で形成されることが必要である。すなわち、斜面32は、鉛直方向となす角度(交差角度θ)が15〜60°である。ここで、斜面32の鉛直方向に対してなす角度とは、図9から図12に図示したように、斜面32の断面形状が鉛直方向に対してなす角度のことである。
なお、斜面32の鉛直方向に対する角度は、30°以上50°未満であることがより好ましい。
また、前述のように、溝又は穴31には垂直壁33が存在することが好ましい(図10及び図12参照)。また、図11及び図12に示したように、平底34が存在していてもよい。
図4に示したように、角形シリカ容器10を構成する多孔質シリカ板体は、カーボン製等のサセプタ80により固定することができる。
この実施形態では、角形シリカ容器10を構成する底部板体21より高い位置に、丸形又は角形の貫通孔42が所定間隔で複数形成されている板材41が配置されている。
貫通孔42は、図17(a)に示したように長方形とすることができる。この場合、貫通溝ということもできる。また、図17(b)のように配置することもできる。
また、貫通孔42は、図17(c)に示したように円形、図17(d)に示したように正方形とすることもできる。
これらの貫通孔42の側壁は垂直壁が好ましく、テーパー角度は付けない方が良い。
板材41を具備した角形シリカ容器10を用いて多結晶シリコンインゴットの製造を行う際の結晶成長の様子を図19に模式的に示した。見やすさのために、図19には底部板体21の溝又は穴や板材41の貫通孔については図示していない。板材41により、角形シリカ容器10を構成する底部板体21から成長する多結晶について、結晶成長方向を絞り込むことができるので、より結晶軸方位や結晶粒の大きさが揃った多結晶シリコンインゴットを製造することが可能となる。
このような板材41は、結晶成長方向を絞り込むという意味で、ネッキングプレートと呼ぶことができる。
まず、製造時の低コスト化のため、従来のような高純度シリカ原料粉(高純度水晶粉、高純度石英粉、超高純度合成シリカガラス粉)は必ずしも使用しないで、上記のように、シリカ純度SiO299.9〜99.999wt.%の比較的低純度のシリカ原料粉を使用することが好ましい。
本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法の一例(第1の態様、湿式法)の概略を図14に示した。
第一の原料粉のシリカ純度は、99.9wt.%以上とすることが好ましく、99.99wt.%以上とすることがさらに好ましい。特に、Li、Na、Kの各々の濃度を5wt.ppm以下とし、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Auの各々の濃度を0.1wt.ppm以下とすることが好ましい。また、本発明に係る角形シリカ容器の製造方法であれば、第一の原料粉のシリカ純度を99.999wt.%以下と比較的低純度のものとしても、製造される角形シリカ容器は、シリコン融液や多結晶シリコンインゴットへの不純物汚染を十分に防止することができる。そのため、従来よりも低コストで多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器を製造することができることになる。
第二の原料粉を顆粒体とするには、例えば以下のような手順により行うことができる。
まず、第一の原料粉を主原料とし、第二の原料粉を、好ましくは5wt.%〜50wt.%、より好ましくは10〜30wt.%の範囲で均一に混合する。ここでの原料粉の混合比率により、混合スラリーを作製する際の第一の原料粉と第二の原料粉との配合比が決まる。製造コストを低減させる目的からは、なるべく第一の原料粉の第二の原料粉に対する比率を高くする必要がある。第二の原料粉の混合比率が5wt.%以上であれば、成形、焼成後の多孔質シリカ板体の空隙が少なくなり、密度が十分に高く、その結果多孔質シリカ板体の寸法精度や耐熱性を向上させることができる。また、第二の原料粉の混合比率が50wt.%以下であれば、成形、焼成後の多孔質シリカ板体の空隙を十分確保でき、離型性をより高めることができる。混合手法としては、比較的量が少ない場合、V型ミキサーを用いることもできるが、この手法に限定されるわけではない。
上記で作製した第一の原料粉と第二の原料粉との混合粉を、主原料として95〜80wt.%、純水を5〜20wt.%として混合スラリーとする。角形シリカ容器10作製中の不純物汚染には注意が必要であり、多孔質シリカ板体中のLi、Na、Kの各濃度が5wt.ppm以下となるように混合スラリーを作製することが好ましく、1wt.ppm以下とすることがさらに好ましい。
円筒状シリカガラス容器及びシリカガラスボールから成るボールミルの中に混合スラリーを投入し1〜2時間混合する。作製された混合スラリーの密度(比重)は1.6〜2.1g/cm3好ましくは1.7〜2.0g/cm3とし、粘性度は1〜10/secのせん断速度において300〜3000mPa・secとすることが好ましい。
シリカガラスチャンバー内に混合スラリーを設置し、室温下にて104Pa以下の真空度で5〜30分間真空脱ガス処理を行う。ただし、この処理は製造された角形シリカ容器の用途によっては行わない場合もある。
底部板体の仮成形体の両平行平面のうち一方に、種結晶の成長を良好に促進するための溝又は穴を形成する。底部板体の仮成形体に形成する溝又は穴は、焼成後の底部板体において、図5から図12までを参照して説明した、前述のような形状、間隔となるようにする。
ただし、上記の溝又は穴を形成する面とは反対側の面にも別の目的で溝又は穴を形成してもよい。この溝又は穴は、焼成工程におけるソリ、曲がりやワレが発生しづらくするためのものであり、形状、間隔等は必要に応じて設定することができる。焼成工程での加熱面は、このような溝又は穴を形成した側の面となる。
底部板体の仮成形体とは異なり、種結晶の成長を良好に促進するための溝又は穴を形成する必要はない。ただし、仮成形体の両平行平面のうち一方に、焼成工程におけるソリ、曲がりやワレが発生しづらくするための溝又は穴を形成することが好ましい。
ここで溝又は穴を形成した面の側は、後述する焼成工程で加熱される面となる。
図16に示した一方向加熱電気炉401は、例えば、高純度アルミナボード等からなる上部保温材411及び下部保温材412、二珪化モリブデン等からなるヒーター421、吸気口431、排気口432、多孔質シリカ板体の仮成形体を搬送する耐熱性ベルトコンベアー441等を具備する。
本発明に係る角形シリカ容器10の製造方法の別の一例(第2の態様、乾式法)の概略を図15に示した。
底部板体の仮成形体の両平行平面のうち一方に、種結晶の成長を良好に促進するための溝又は穴を形成する。底部板体の仮成形体に形成する溝又は穴は、焼成後の底部板体において、前述のような形状、間隔となるようにする。
ただし、上記の溝又は穴を形成する面とは反対側の面にも溝又は穴を形成してもよい。この溝又は穴は、焼成工程におけるソリ、曲がりやワレが発生しづらくするためのものであり、形状、間隔等は必要に応じて設定することができる。焼成工程での加熱面は、このような溝又は穴を形成した側の面となる。
底部板体の仮成形体とは異なり、溝又は穴を形成する必要はない。ただし、仮成形体の両平行平面のうち一方に、焼成工程におけるソリ、曲がりやワレが発生しづらくするための溝又は穴を形成することが好ましい。
ここで溝又は穴を形成した面の側は、後述する焼成工程で加熱される面となる。
この工程は、上記した第1の態様の焼成工程と同様にして行うことができる。
まず、本発明に係る角形シリカ容器に原料である溶融シリコンを投入する。次に、溶融シリコンを加熱保温し所定温度の融液とする。
その後、取り出した多結晶シリコンインゴットを所定の厚さにスライス、研磨して、多結晶シリコン基板とする。
(実施例1)
図14に示した本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法(第1の態様)に従い、以下のように多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
天然珪石を50kg準備し、大気雰囲気下で、1000℃、10時間の条件で加熱後、純水の入った水槽へ投入し、急冷却した。これを乾燥後、クラッシャーを用いて粉砕し、粒径0.1〜1.0mm、シリカ(SiO2)純度99.99wt.%、総重量40kgのシリカ粉(天然珪石粉)とした。
このとき、底部板体の仮成形体は、鋳込み成形後の仮成形体の一方の表面に複数の円錐形の穴を形成可能な石膏製の型の中に混合スラリーを導入して鋳込み成形を行った。ここで形成した円錐形の穴の寸法は直径10mm、側面(斜面)が仮成形体の表面に垂直の方向となす角度は45°、間隔は15mmとした。
この多孔質シリカ板体の仮成形体を、図16に示したような一方向加熱電気炉401内に設置した。
実施例1と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、多孔質シリカ板体の仮成形体の複数の円錐形の穴を形成した表面部全体に塩化バリウムを塗布し、焼成工程においてこの面とは反対側の面を加熱面として一方向加熱を行った。
実施例1と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、混合スラリーに塩化アルミニウムAlCl3を少量混合した。
実施例1と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、混合スラリーに塩化アルミニウムAlCl3を少量混合し、また、多孔質シリカ板体の仮成形体の複数の円錐形の穴を形成した表面部全体に塩化バリウムを塗布し、焼成工程においてこの面とは反対側の面を加熱面として一方向加熱を行った。
図15に示した本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法(第2の態様)に従い、以下のように多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
実施例5と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、多孔質シリカ板体の仮成形体の一方の表面部全体に塩化バリウムを塗布し、焼成工程においてこの面とは反対側の面を加熱面として一方向加熱を行った。
実施例5と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、混合粉に塩化アルミニウムAlCl3を少量混合した。
実施例5と同様に角形シリカ容器の製造を行った。ただし、混合粉に塩化アルミニウムAlCl3を少量混合し、また、多孔質シリカ板体の仮成形体の一方の表面部全体に塩化バリウムを塗布し、焼成工程においてこの面とは反対側の面を加熱面として一方向加熱を行った。
以下のようにして、角形シリカ容器を製造した。
天然珪石を50kg準備し、大気雰囲気下で、1000℃、10時間の条件で加熱後、純水の入った水槽へ投入し、急冷却した。これを乾燥後、クラッシャーを用いて粉砕し、高純度化処理を行い、粒径0.1〜1.0mm、シリカ(SiO2)純度99.999wt.%、総重量40kgのシリカ粉(天然珪石粉)とした。
以下のようにして、角形シリカ容器を製造した。
各実施例及び比較例において用いた原料粉、並びに、製造した多孔質シリカ板体及び角形シリカ容器の物性、特性評価を以下のようにして行った。
かさ密度の測定方法:
多孔質シリカ板体の表面部分から50mm×50mm×3mmの板状サンプルを切り出し、該サンプルの重量(g)を測定した。
次いで、純水の入った水槽中に該サンプルを浸漬させて、該サンプルの重量減を測定することにより、該サンプルの体積(cm3)を求めた。これらの2つの数値からかさ密度(g/cm3)を計算した。
光学顕微鏡又は電子顕微鏡で各原料粉の二次元的形状観察及び面積測定を行った。次いで、粒子の形状を真円と仮定し、その面積値から直径を計算して求めた。この手法を統計的に繰り返し行い、粒径の範囲の値とした(この範囲の中に99wt.%以上の原料粉が含まれる)。
所定の位置からシリカサンプル片を切り出し、フッ化水素酸水溶液で溶解させるサンプル調整を行った。特に離型促進剤の濃度分析においては、角形シリカ容器の内表層部分から20mm×20mm×2mmのサンプルを複数枚切り出し、分析用シリカサンプル片とした。含有金属元素濃度が比較的低い場合は、プラズマ発光分析法(ICP−AES、Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectroscopy)又はプラズマ質量分析法(ICP−MS、Inductively Coupled Plasma − Mass Spectroscopy)で行い、含有金属元素濃度が比較的高い場合は、原子吸光光度法(AAS、Atomic Absorption Spectroscopy)で行った。
角形シリカ容器から粒径10〜100μmの粉状サンプルを作製し、赤外線拡散反射分光光度法で行った。OH基濃度への換算は、以下文献に従う。
Dodd,D.M. and Fraser,D.B.(1966) Optical determination of OH in fused silica. Journal of Applied Physics, vol.37, P.3911.
角形シリカ容器の中へSi純度99.9999999wt.%の高純度シリコン溶融体を投入し、室温まで冷却して寸法400mm×400mm×300mmの多結晶シリコンインゴットを作製した。次いで、該インゴットの表面から5mm深さの位置でシリコン片のサンプリングを行い、これを酸性溶液処理することにより溶液状サンプルとした後、ICP−AESにて、Na濃度分析を行った。Na濃度値によって、角形シリカ容器から多結晶シリコンインゴットへの不純物拡散防止効果を評価した。
不純物拡散防止効果大 ○(Naの濃度が10wt.ppb未満)
不純物拡散防止効果中 △(Naの濃度が10wt.ppb以上100wt.ppb未満)
不純物拡散防止効果小 ×(Naの濃度が100wt.ppb以上)
前記同様に多結晶シリコンインゴットを作製し、次いで角形シリカ容器の4カ所の側壁角部及び4カ所の側壁と底部の角部の溶着している部分をカッターにて切断し、該インゴットから角形シリカ容器の4つの側壁及び底板を剥がし取った。該インゴット表面に残存する凹凸やクラック等が、角形シリカ容器の内表面と接触した位置から内部方向にどのくらいの深さまであるのかをスケールにより測定することで離型性の評価を行った。
離型性良好 ○(深さ2mm未満)
離型性中程度 △(深さ2mm以上5mm未満)
離型性悪い ×(深さ5mm以上)
前記作製した多結晶シリコンインゴットをスライスし、断面を観察した。
結晶粒の大きさ、結晶成長方向の均一性の観点から、従来と比較して(比較例1が基準)、評価した。
品質良好 ○(結晶粒寸法5〜50mmが全体の面積の70%以上を占め、成長結晶の結晶方位が一定方向に整っている)
品質中程度 △(結晶粒寸法5〜50mmが全体の面積の30〜70%程度であり、成長結晶の結晶方位の整いが中間レベルである)
品質悪い ×(従来と同程度)
角形シリカ容器の製造コストを調べた。
基準を比較例1とし、特にシリカ原料粉コスト、粉体成形コスト、成形体の焼成コスト等の合計値を相対的に評価した。
コストが低い ○(50%以下)
コストが中程度 △(50〜90%程度)
コストが大きい ×(比較例1を100%とする)
では、離型性に優れた多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器を、低コストで製造することができた。また、実施例1〜8では、結晶粒の大きさ及び結晶軸方位が揃った多結晶シリコンインゴットを製造することができた。
11…側部板体、 12…側部内表面、 13…側部外表面、
21…底部板体、 22…底部内表面、 23…底部外表面、
31…溝又は穴、 31a…溝、 31b…角錐形の穴、
31c、31d…円錐形の穴、 32…斜面、 33…垂直壁、 34…平底、
41…貫通孔の形成された板材、 42…貫通孔、 51…スペーサー、
80…サセプタ、
301…種結晶、
401…一方向加熱電気炉、411…上部保温材、 412…下部保温材、
421…ヒーター、 431…吸気口、 432…排気口、
441…耐熱性ベルトコンベアー。
Claims (19)
- シリコン融液を凝固して多結晶シリコンインゴットを製造するための角形シリカ容器であって、
多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を組み合わせて構成されたものであり、
少なくとも前記角形シリカ容器の側部をなす前記多孔質シリカ板体における両平行平面の表面部分のかさ密度が、前記角形シリカ容器の内表面部分よりも外表面部分において高く、
前記角形シリカ容器の底部をなす前記多孔質シリカ板体の内表面部分は、溝又は穴を所定間隔で複数有しており、
前記溝又は穴の側面の少なくとも一部が、鉛直方向に対して15〜60°の角度をなす斜面で形成されていることを特徴とする多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。 - 前記多孔質シリカ板体のかさ密度が1.60〜2.20g/cm3であり、
少なくとも前記角形シリカ容器の側部をなす前記多孔質シリカ板体における両平行平面の表面部分のかさ密度が、内外それぞれの表面から深さ3mmまでにおけるかさ密度について0.05g/cm3以上の差を有することを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。 - 前記角形シリカ容器の内表面部分の少なくとも一部に、前記多結晶シリコンインゴットの離型を促進する離型促進剤が含有されているものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 前記離型促進剤としてCa、Sr、Baのうち1以上が、前記角形シリカ容器の内表面から深さ2mmまでにおいて、各元素の合計値として50〜5000wt.ppmの濃度で添加されているものであることを特徴とする請求項3に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 前記離型促進剤としてCa、Sr、Baのうち1以上が、各元素の合計値として50〜5000μg/cm2の濃度で塗布されているものであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体であって、
かさ密度が1.60〜2.20g/cm3であり、
両平行平面の少なくとも一方の表面部分の一部は、溝又は穴を所定間隔で複数有しており、
前記溝又は穴の側面の少なくとも一部が、前記表面と垂直の方向に対して15〜60°の角度をなす斜面で形成されていることを特徴とする多孔質シリカ板体。 - 前記溝又は穴の形状が、溝の場合はV形であり、穴の場合は円錐形又は角錐形であることを特徴とする請求項6に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記溝又は穴の側面には、一部表面と垂直の方向に沿う垂直壁が存在することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記溝又は穴の開口部の寸法が、溝の場合は幅が5〜20mmであり、穴の場合は最小長さが5〜20mmであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記溝又は穴が形成された表面部分の一部に、多結晶シリコンの離型を促進する離型促進剤が含有されていることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記離型促進剤としてCa、Sr、Baのうち1以上が、前記表面から深さ2mmまでにおいて、各元素の合計値として50〜5000wt.ppmの濃度で添加されているものであることを特徴とする請求項10に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記離型促進剤としてCa、Sr、Baのうち1以上が、各元素の合計値として50〜5000μg/cm2の濃度で塗布されているものであることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の多孔質シリカ板体。
- 多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を製造する方法であって、
第一の原料粉として粒径0.03〜3.0mmのシリカ粉を作製する工程と、
第二の原料粉として粒径0.1〜10μmのシリカ粉を作製する工程と、
前記第一の原料粉と、前記第二の原料粉と、水とを含む混合スラリーを作製する工程と、
前記混合スラリーを、型枠内で脱水及び乾燥し、両平行平面のうち一方の表面部分に溝又は穴を所定間隔で複数有する多孔質シリカ板体の仮成形体を作製する仮成形工程と、
前記仮成形体を、不活性ガスを主成分とし、O2ガスを含有する雰囲気にて、1200〜1500℃の温度で、前記溝又は穴を形成した面とは反対側の面から加熱して焼成し、多孔質シリカ板体とする焼成工程と
を含むことを特徴とする多孔質シリカ板体の製造方法。 - 多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を製造する方法であって、
第一の原料粉として粒径0.03〜3.0mmのシリカ粉を作製する工程と、
第二の原料粉として粒径0.1〜10μmのシリカ粉を作製する工程と、
前記第一の原料粉と前記第二の原料粉と有機バインダーとを混合させ、混合粉を作製する工程と、
前記混合粉を型枠内に導入し、50〜200℃に加熱して前記有機バインダーを溶融することにより、両平行平面のうち一方の表面部分に溝又は穴を所定間隔で複数有する多孔質シリカ板体の仮成形体を作製する工程と、
前記仮成形体を、不活性ガスを主成分とし、O2ガスを含有する雰囲気にて、1200〜1500℃の温度で、前記溝又は穴を形成した面とは反対側の面から加熱して焼成し、多孔質シリカ板体とする焼成工程と
を含むことを特徴とする多孔質シリカ板体の製造方法。 - 少なくとも前記仮成形工程の後に、多結晶シリコンの離型を促進する離型促進剤を、前記仮成形体の両平行平面のうち前記溝又は穴を形成した面の少なくとも一部に塗布し、乾燥させることによって前記離型促進剤を添加することにより、前記離型促進剤を含有させることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
- 少なくとも前記焼成工程の後に、多結晶シリコンの離型を促進する離型促進剤を、前記仮成形体の両平行平面のうち前記溝又は穴を形成した面の少なくとも一部に前記離型促進剤を塗布することにより、前記離型促進剤を含有させることを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
- 前記離型促進剤をCa、Sr、Baのいずれか1以上とすることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
- 前記混合スラリー又は前記混合粉を作製する前に、前記第二の原料粉から、前記第二の原料粉が集合してなる粒径5〜500μmの顆粒体を作製し、該第二の原料粉の顆粒体を用いて前記混合スラリー又は前記混合粉を作製することを特徴とする請求項13ないし請求項17のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
- 請求項13ないし請求項18のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体の製造方法によって製造した多孔質シリカ板体を底部に組み込んで角形シリカ容器とすることを特徴とする角形シリカ容器の製造方法。
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