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JP5163931B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5163931B2 JP2007057936A JP2007057936A JP5163931B2 JP 5163931 B2 JP5163931 B2 JP 5163931B2 JP 2007057936 A JP2007057936 A JP 2007057936A JP 2007057936 A JP2007057936 A JP 2007057936A JP 5163931 B2 JP5163931 B2 JP 5163931B2
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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置される定着装置とに関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような定着ベルトを用いた装置は、定着部材としての定着ベルト(無端状ベルト)、定着ベルトを張架・支持する複数のローラ部材、複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に内設されたヒータ、加圧ローラ(加圧部材)、等で構成されている。ヒータは、ローラ部材を介して定着ベルトを加熱する。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されたニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
一方、特許文献2等には、ウォームアップ時間が短いオンデマンド方式の定着装置が開示されている。
オンデマンド方式の定着装置は、定着部材としての定着フィルム(エンドレスフィルム)、加圧ローラ(加圧部材)、セラミックヒータ等のヒータ、等で構成されている。ヒータは、定着フィルムの内部に設置され、定着フィルムを介して加圧ローラに当接してニップ部を形成するとともに、定着フィルムを加熱する。そして、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
また、特許文献3等には、定着ベルトを用いた定着装置であって、ニップ部の上流側に、定着ベルトを張架する半円筒状の抵抗発熱体を設置する技術が開示されている。詳しくは、抵抗発熱体は、絶縁層、加熱体、低摩擦層を介して定着ベルトの内周面の一部に圧接して、定着ベルトを加熱する。
特開平11−2982号公報 特開2002−6656号公報 特開2002−251084号公報
上述した特許文献1等の定着装置は、定着ローラを用いた装置に比べて装置の高速化に適しているものの、ウォームアップ時間(プリント可能な温度に達するまでに要する時間である。)やファーストプリント時間(プリント要求を受けた後にプリント準備を経てプリント動作をおこない排紙が完了するまでの時間である。)の短縮化に限界があった。
これに対して、特許文献2等の定着装置は、低熱容量化によりウォームアップ時間やファーストプリント時間の短縮化が可能になるとともに、装置の小型化も可能になる。しかし、このような定着装置は、定着フィルムのニップ部のみが局所的に加熱されて、定着フィルムのその他の部分は充分に加熱されていなかった。そのため、定着フィルムの回転によりニップ部の入口側で定着フィルムが最も冷えた状態になってしまい、定着不良が発生しやすくなるという問題があった。このような問題は、装置を高速化した場合に、定着フィルムの回転が速くなってニップ部以外の位置での定着フィルムの放熱が多くなってしまうため、特に無視できない問題になっていた。
さらに、ヒータは、定着フィルムを介して加圧ローラに圧接しているために、圧接力が大きくなったときにヒータが破損したり、定着フィルムに摺接する力が大きくなったときに定着フィルムやヒータに大きな磨耗が生じたりする可能性があった。このような問題は、装置を高速化した場合に、良好な定着性を確保するためにニップ部における圧接力を大きく設定する必要が生じたり、ヒータと定着フィルムとの摩擦力が大きくなったりするために、特に無視できない問題になっていた。
また、特許文献3等の定着装置も、定着ベルトのニップ部上流側のみが局所的に加熱されていて、定着ベルトのその他の部分は充分に加熱されていないために、定着不良が発生しやすくなるという問題があった。さらに、抵抗発熱体は、定着ベルトに圧接して張力を与えているために、張力が大きくなったときに抵抗発熱体が破損したり、定着ベルトに摺接する力が大きくなったときに定着ベルトや抵抗発熱体に大きな磨耗が生じたりする可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良や定着部材及び抵抗発熱体の磨耗・破損等の不具合が生じない、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着部材と、前記定着部材の内周面側に固設されるとともに、当該定着部材を介して加圧部材に当接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する当接部材と、前記定着部材の内周面側に固設されて当該定着部材を加熱する抵抗発熱体と、を備え、前記抵抗発熱体は、略パイプ状に形成されて、前記定着部材の内周面に対してニップ部を除く範囲全域で対向するように配設されるとともに、周方向において前記ニップ部に近い部分が前記定着部材の内周面に対して所定圧力以下で接触するように配設され、前記当接部材は前記定着部材の側に絶縁層を具備した第2の抵抗発熱体であって、前記抵抗発熱体と一体的に形成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記抵抗発熱体は、所定のキューリー点を有するものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記抵抗発熱体を、前記定着部材における幅方向の発熱分布を可変するように設置された複数の抵抗発熱体としたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記定着部材を、定着ベルト又は定着フィルムとしたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、無端状の定着部材の内周面側に、定着部材の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体を固設しているために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良や定着部材及び抵抗発熱体の磨耗・破損等の不具合が生じない、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着部材としての定着ベルト、31は定着装置20に設置された加圧部材としての加圧ローラ、を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間に送入されて、定着ベルト21から受ける熱と双方の部材21、31から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間(ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2及び図3にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2は、定着装置20を示す構成図である。図3は、定着装置20を幅方向にみた図である。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、当接部材22、抵抗発熱体23、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、ガイド板35、37、等で構成される。
ここで、定着部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(時計方向)に走行(回転)する。定着ベルト21は、基材上に弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が30mmに設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、当接部材22、抵抗発熱体23、等が固設されている。定着ベルト21は、当接部材22に押圧されて、加圧ローラ31との間にニップ部を形成する。
当接部材22は、定着ベルト21の内周面側に固設されていて、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップ部を形成する。図3を参照して、当接部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持部材41を介して固定支持されている。
図2を参照して、当接部材22は、加圧ローラ31との対向面が、加圧ローラ31の曲率にならうように形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しない不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態1における当接部材22は、不導体で形成されている。具体的に、当接部材22は、樹脂材料や、セラミック、ガラス等の絶縁体で形成することができる。これにより、抵抗発熱体23に印加される電圧によって当接部材22が発熱されないことになる。これについては、後で詳しく説明する。
また、当接部材22は、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料で形成することが好ましい。さらに、当接部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、当接部材22の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成することが好ましい。
図2を参照して、抵抗発熱体23は、略パイプ状に形成されていて、ニップ部を除く範囲全域で定着ベルト21の内周面に対向するように固設されている。また、図3を参照して、抵抗発熱体23は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持部材41を介して固定支持されている。さらに、抵抗発熱体23の幅方向両端には、電極51を介して電源50が接続されている。このような構成により、電源50から抵抗発熱体23への給電がおこなわれて、抵抗発熱体23に電流が流れると、抵抗発熱体23自身の電気抵抗によって抵抗発熱体23が昇温する。さらに、加熱された抵抗発熱体23の輻射熱によって定着ベルト21が加熱されることになる。すなわち、抵抗発熱体23によって定着ベルト21がニップ部を除く位置で全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。このように、定着ベルト21を加熱する加熱源として抵抗発熱体23を用いることで、比較的安価で効率的に定着ベルト21を加熱することができる。
なお、電源50の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このような電源50の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
ここで、抵抗発熱体23の材料としては、アルミニウム、ステンレス等の金属材料や、セラミックに導体を混合した半導体、等を用いることができる。
具体的に、抵抗発熱体23をアルミニウムで形成する場合には、その厚さを0.05〜0.2mmに設定することが好ましい。また、抵抗発熱体23をステンレスで形成する場合には、その厚さを0.01〜0.2mmに設定することが好ましい(さらに好ましくは0.1mm以下である。)。これにより、定着ベルト21を効率的に加熱することができる。
ここで、本実施の形態1では、抵抗発熱体23が、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように配設されている。詳しくは、抵抗発熱体23は、定着ベルト21の内周面に対して、所定距離以下の間隙をあけて対向するように配設されるか、又は、所定圧力以下で接触するように配設されている。すなわち、抵抗発熱体23は、定着ベルト21の内周面に対して、少ないギャップで対向するか、又は、軽接触(僅かな当接力での接触である。)している。
具体的に、ニップ部から離れた位置において、定着ベルト21と抵抗発熱体23とのギャップ(δ)は、0mmより大きく1mm以下に設定されている(0mm<δ≦1mmである。)。また、ニップ部に近い位置において、定着ベルト21と抵抗発熱体23とのギャップ(δ)が0mmとなる範囲があるが、その範囲における双方の部材21、23の当接力(当接圧力)は0.3kgf/cm2以下に設定されている。
これにより、抵抗発熱体23と定着ベルト21とが摺接して定着ベルト21が大きく磨耗する不具合を抑止するとともに、抵抗発熱体23と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。さらに、抵抗発熱体23が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
このように、本実施の形態1における定着装置20は、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
特に、本実施の形態1では、定着ベルト21の基材(内周面)が金属材料で形成されているときであっても、抵抗発熱体23が定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように配設されているために、双方の部材21、23間で電気的な短絡(リーク)が生じる不具合が抑止される。また、このような双方の部材21、23間の短絡を確実に防止するために、双方の部材21、23のいずれかの対向面に絶縁層を設けることが好ましい。
ここで、本実施の形態1では、ニップ部を形成する当接部材22と、定着ベルト23を加熱する抵抗発熱体23と、が別設されている。すなわち、当接部材22と抵抗発熱体23とが別体として形成されている。そして、抵抗発熱体23は、ニップ部を除く範囲全域で定着ベルト21を加熱する。
これにより、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されることなく、抵抗発熱体23によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。
さらに、定着ベルト21の加熱効率を向上させるために抵抗発熱体23を薄肉化した場合であっても、抵抗発熱体23は加圧ローラ31から加圧力を受ける当接部材22とは別に設けられているために、抵抗発熱体23が撓んで定着ベルト21の内周面が強くこすれる不具合や、抵抗発熱体23が撓んで定着ベルト21の駆動トルクが増加する不具合等が抑止される。すなわち、当接部材22は加圧ローラ31から加圧力を受けて撓むものの(幅方向両端部にかかる加圧力によって幅方向中央部が大きく撓む。)、抵抗発熱体23に撓みは生じない。
また、本実施の形態1では、上述したように、当接部材22を不導体で形成している。
これにより、当接部材22に電流が流れることがなく、定着ベルト21の基材(内周面)が金属材料で形成されているときであっても、当接部材22と定着ベルト21の内周面との圧接により双方の部材21、22間に短絡(リーク)が生じることがない。
また、抵抗発熱体23が定着ベルト21を積極的に加熱して、当接部材22が定着ベルト21を積極的に加熱しないように構成している。したがって、定着ベルト21は、ニップ部に達するまでに抵抗発熱体23によって充分に加熱されて、定着可能な温度に達する。一方、ニップ部では積極的な熱供給がないので、定着ベルト21の熱量は記録媒体P上の未定着画像に与えられて(トナーを溶融・定着させるエネルギーに使用されて)、定着ベルト21の温度が下がることになる。このとき、定着ベルト21と画像面との界面の温度が定着温度よりも低い温度になった状態で、記録媒体Pはニップ部から送出される。したがって、トナーの粘着力が低下した状態で、記録媒体Pは定着ベルト21から良好に分離されることになる。すなわち、当接部材22が定着ベルト21を積極的に加熱しないように構成することで、ニップ部から送出される記録媒体Pの分離性が向上する。
また、抵抗発熱体23は、所定のキューリー点(抵抗発熱体の抵抗値が急激に変化して、それ以上昇温しなくなる温度である。)を有することが好ましい。そして、抵抗発熱体23の温度がキューリー点に達していないとき(通常時である。)には、抵抗発熱体23に電流が流されると抵抗発熱体23が昇温して、定着ベルト21(抵抗発熱体23)が所定の温度に昇温される。これに対して、抵抗発熱体23の温度がキューリー点に達したときには、抵抗発熱体23の抵抗値が急激に大きくなって抵抗発熱体23に電流が流れなくなり、抵抗発熱体23の発熱停止にともない定着ベルト21(抵抗発熱体23)の過昇温が抑止される。これにより、小サイズ紙が連続的に通紙された場合等であっても、定着ベルト21(抵抗発熱体23)の局所的な過昇温が簡単に抑止される。なお、抵抗発熱体23のキューリー点は、出力画像上にオフセットが生じない最大温度(例えば、180℃である。)に設定することが好ましい。
図2を参照して、加圧部材としての加圧ローラ31は、直径が30mmであって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の材料で形成されている。特に、弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状ゴム材料で形成した場合には、定着ベルト21から加圧ローラ31への熱伝導性が低下するために、装置のウォームアップ時間が短縮化される。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(ニップ部である。)の入口側には、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内するガイド板35(入口ガイド板)が配設されている。また、ニップ部の出口側には、ニップ部から送出される記録媒体Pを案内するガイド板37(出口ガイド板)が配設されている。双方のガイド板35、37は、いずれも、定着装置20の側板43に固設されている。
最後に、上述のように構成された定着装置20の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、電源50から電極51を介して抵抗発熱体23に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、ガイド板35に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、抵抗発熱体23によって加熱された定着ベルト21による加熱と、当接部材22(定着ベルト21)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以上説明したように、本実施の形態1においては、無端状の定着ベルト21(定着部材)の内周面側に、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体23を固設している。これにより、定着装置のウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くなる。さらに、装置を高速化した場合であっても、定着不良や、定着ベルト21及び抵抗発熱体23の磨耗・破損、等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、加圧部材として加圧ローラ31を用いた定着装置に対して本発明を適用したが、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。そして、その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、定着部材として複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着部材としてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図4及び図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図4は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。図5は、実施の形態2における定着装置を幅方向にみた図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。
本実施の形態2における定着装置は、金属熱伝導体24、補強部材25、断熱部材27を設けている点と、ニップ部の形状を略平面としている点と、が前記実施の形態1のものとは相違する。
図2及び図3を参照して、本実施の形態2における定着装置20は、定着ベルト21(定着部材)、金属熱伝導体24、抵抗発熱体23、補強部材25、断熱部材27、加圧ローラ31(加圧部材)、等で構成されている。
金属熱伝導体24は、略パイプ状に形成され、定着ベルト21の内周面側に固設されている。金属熱伝導体24は、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップ部を形成している。金属熱伝導体24は、アルミニウム、銅、鉄等の熱伝導性を有する金属材料で形成されている。
また、金属熱伝導体24の表面(定着ベルト21側の表面である。)には、絶縁層(不図示である。)を介して抵抗発熱体23が貼着されている。抵抗発熱体23の材料としては、前記実施の形態1で挙げたものの他に、カーボンブラックを含有するものや、発熱パターンを打ち抜いた金属薄膜抵抗体、等を用いることもできる。また、図5を参照して、金属熱伝導体24は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持部材41を介して固定支持されている。さらに、抵抗発熱体23の幅方向両端には、電極51を介して電源50が接続されている。
このような構成により、電源50から抵抗発熱体23への給電がおこなわれて、抵抗発熱体23に電流が流れると、抵抗発熱体23自身の電気抵抗によって抵抗発熱体23が昇温する。さらに、加熱された抵抗発熱体23によって金属熱伝導体24が加熱され、抵抗発熱体23及び金属熱伝導体24の輻射熱によって定着ベルト21が加熱されることになる。すなわち、本実施の形態2では、抵抗発熱体23及び金属熱伝導体24によって定着ベルト21がニップ部も含めて周方向にわたって全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。
このように、本実施の形態1では、抵抗発熱体23の内周面側に金属熱伝導体24が設けられているために、抵抗発熱体23の幅方向や周方向の温度ムラが小さくなって、定着ベルト21の温度が安定化する。特に、小サイズ紙が連続的に通紙された場合等であっても、抵抗発熱体23から金属熱伝導体24への熱移動があるために、定着ベルト21の幅方向両端部が過昇温する不具合が抑止される。
ここで、本実施の形態2においても、抵抗発熱体23が、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように配設されている。これにより、抵抗発熱体23と定着ベルト21とが摺接して定着ベルト21が大きく磨耗する不具合を抑止するとともに、定着ベルト21を効率的に加熱することができる。
なお、本実施の形態2では、ニップ部においても金属熱伝導体24によって定着ベルト21を積極的に加熱しているために、定着ベルト21に弾性層を設けなくてもよい。すなわち、ニップ部においても定着ベルト21を積極的に加熱しているために、ニップ部におけるニップ量(ニップ幅)が比較的小さくても、定着不良の発生を抑止することができる。
ここで、本実施の形態1では、ニップ部における金属熱伝導体24の強度を補強する補強部材25が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図示は省略するが、補強部材25は、幅方向の長さが金属熱伝導体24と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。そして、補強部材25が金属熱伝導体24及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部において金属熱伝導体24が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。
すなわち、補強部材25を設けない場合には、金属熱伝導体24が加圧ローラ31から加圧力を受けて撓んでしまうことが考えられる(幅方向両端部にかかる加圧力によって幅方向中央部が大きく撓む。)。特に、定着ベルト21の加熱効率を向上させるために金属熱伝導体24を薄肉化した場合には、その不具合が顕著になる。
ところが、本実施の形態1では、金属熱伝導体24の変形を制限する位置に補強部材25が設置されているために、金属熱伝導体24を薄肉化した場合であっても、金属熱伝導体24の撓みを軽減することができる。これにより、金属熱伝導体24が撓んで定着ベルト21の内周面が強くこすれる不具合や、金属熱伝導体24が撓んで定着ベルト21の駆動トルクが増加する不具合等が抑止される。
なお、補強部材25は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。さらには、加圧ローラ31による加圧方向に沿って横長の断面を有するように補強部材25を形成することで、断面係数が大きくなって補強部材25の機械的強度を高めることができる。
また、本実施の形態2では、前記実施の形態1のものとは異なり、ニップ部が略平面に形成されている。すなわち、金属熱伝導体24の対向面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成している。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、本実施の形態2では、図4に示すように、金属熱伝導体24と補強部材25との間に断熱部材27を設置している。断熱部材27の材料としては、発泡シリコーンや耐熱フェルト等を用いることができる。
これにより、ニップ部において金属熱伝導体24の熱が補強部材25に伝わって定着ベルト21に対する加熱効率が低下して定着不良が生じる不具合を抑止することできる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、無端状の定着ベルト21の内周面側に、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体23を固設している。これにより、定着装置のウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くなる。さらに、装置を高速化した場合であっても、定着不良や、定着ベルト21及び抵抗発熱体23の磨耗・破損、等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態2において、金属熱伝導体24と抵抗発熱体23との間に断熱層を設けることもできる。その場合には、抵抗発熱体23から金属熱伝導体24に移動する熱が軽減されて、その分の熱が定着ベルト21を直接的に加熱する熱として利用されることになる。したがって、定着ベルト21の昇温効率が向上することになる。
実施の形態3.
図6にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、実施の形態3における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3における定着装置は、金属熱伝導体24、当接部材22と金属熱伝導体24との間に間隙を設けている点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
図6に示すように、本実施の形態3における定着装置20も、前記実施の形態2のものと同様に、定着ベルト21、金属熱伝導体24、抵抗発熱体23、補強部材25、当接部材22、加圧ローラ31、等で構成されている。
当接部材22は、断熱材料で形成されるか、又は、その表面(定着ベルト21に当接する対向面である。)に断熱層が形成されていて、断熱部材27としても機能する。これにより、定着ベルト21の熱が当接部材22に移動して定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合が抑止される。
ここで、本実施の形態3における定着装置20は、前記実施の形態2のものとは異なり、当接部材22と金属熱伝導体24とを離間して設置している。すなわち、当接部材22と金属熱伝導体24とを接触させることなく、双方の部材22、24間に充分なギャップを設けている。
これにより、双方の部材22、24間の空気層が断熱層として機能して、金属熱伝導体24の熱が当接部材22に伝わって定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することできる。すなわち、当接部材22に伝わる分の熱が定着ベルト21に伝わるために、抵抗発熱体23及び金属熱伝導体24によって定着ベルト21のほぼ全域(ニップ部を除く領域である。)が効率よく加熱される。
このように、本実施の形態3では、抵抗発熱体23及び金属熱伝導体24が定着ベルト21を積極的に加熱して、当接部材22が定着ベルト21を積極的に加熱しないように構成している。したがって、定着ベルト21は、ニップ部に達するまでに抵抗発熱体23及び金属熱伝導体24によって充分に加熱されて、定着可能な温度に達する。一方、ニップ部では積極的な熱供給がないので、定着ベルト21の熱量は記録媒体P上の未定着画像に与えられて(トナーを溶融・定着させるエネルギーに使用されて)、定着ベルト21の温度が下がることになる。このとき、定着ベルト21と画像面との界面の温度が定着温度よりも低い温度になった状態で、記録媒体Pはニップ部から送出される。したがって、トナーの粘着力が低下した状態で、記録媒体Pは定着ベルト21から良好に分離されることになる。すなわち、当接部材22が定着ベルト21を積極的に加熱しないように構成することで、ニップ部から送出される記録媒体Pの分離性が向上する。
以上説明したように、本実施の形態3においても、前記各実施の形態と同様に、無端状の定着ベルト21の内周面側に、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体23を固設している。これにより、定着装置のウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くなる。さらに、装置を高速化した場合であっても、定着不良や、定着ベルト21及び抵抗発熱体23の磨耗・破損、等の不具合が生じるのを抑止することができる。
実施の形態4.
図7にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図7は、実施の形態4における定着装置の抵抗発熱体を幅方向にみた図である。本実施の形態4における定着装置は、抵抗発熱体23A、23Bが幅方向に複数設けられている点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
本実施の形態4における定着装置20も、前記実施の形態2のものと同様に、定着ベルト21、金属熱伝導体24、抵抗発熱体23A、23B、加圧ローラ31、等で構成されている。図示は省略するが、本実施の形態4においても、抵抗発熱体23A、23Bが定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように配設されている。
ここで、本実施の形態4における抵抗発熱体は、定着ベルト21における幅方向の発熱分布を可変するように設置された複数の抵抗発熱体23A、23Bである。具体的には、幅方向中央部と幅方向両端部とに、それぞれ、抵抗発熱体23A、23Bを設置している。複数の抵抗発熱体23A、23Bの幅方向両端部には、それぞれ、電極51を介して電源50A、50Bが接続されている。また、図示は省略するが、電源50A、50Bを有する回路のすべてにスイッチが接続されている。
そして、通常時には、すべての電源50A、50Bのスイッチが接続されて、定着ベルト21(抵抗発熱体23A)の幅方向全域を加熱する。これに対して、幅方向のサイズが小さな記録媒体P(小サイズ紙)が通紙されるときには、幅方向中央部の抵抗発熱体23Aに対応した電源50Aのスイッチのみを接続して、定着ベルト21の幅方向中央部のみ(抵抗発熱体23A)を加熱する。これにより、小サイズ紙が連続的に通紙された場合であっても、定着ベルト21の幅方向両端部が過昇温する不具合を抑止することができる。
以上説明したように、本実施の形態4においても、前記各実施の形態と同様に、無端状の定着ベルト21の内周面側に、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体23A、23Bを固設している。これにより、定着装置のウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くなる。さらに、装置を高速化した場合であっても、定着不良や、定着ベルト21及び抵抗発熱体23A、23Bの磨耗・破損、等の不具合が生じるのを抑止することができる。
実施の形態5.
図8にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図8は、実施の形態5における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態5における定着装置は、抵抗発熱体23が周方向全域に設けられている点が、抵抗発熱体23がニップ部を除く範囲に設けられている前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態5における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、抵抗発熱体23、加圧ローラ31、等で構成されている。また、抵抗発熱体23が、ニップ部を除く位置で、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように配設されている。
ここで、本実施の形態5では、ニップ部を形成する当接部材として、第2の抵抗発熱体23aが設けられている。本実施の形態5における第2の抵抗発熱体23aは、抵抗発熱体23と同一材料で形成されていて、抵抗発熱体23と一体的に形成されている。さらに、第2の抵抗発熱体23aは、その表面(定着ベルト21の側の対向面である。)に絶縁層27が設けられている。
このように、本実施の形態5では、抵抗発熱体23及び第2の抵抗発熱体23aによって定着ベルト21がニップ部も含めて周方向にわたって全体的に加熱されるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態5では、第2の抵抗発熱体23aと定着ベルト21との間に絶縁層27が設けられているために、定着ベルト21の基材(内周面)が金属材料で形成されているときであっても、ニップ部の圧接力によって双方の部材21、23a間で短絡(リーク)が生じる不具合が抑止される。
以上説明したように、本実施の形態5においても、前記各実施の形態と同様に、無端状の定着ベルト21の内周面側に、定着ベルト21の内周面に対して圧接しないように抵抗発熱体23を固設している。これにより、定着装置のウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くなる。さらに、装置を高速化した場合であっても、定着不良や、定着ベルト21及び抵抗発熱体23の磨耗・破損、等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置された定着装置を示す構成図である。 図2の定着装置を幅方向にみた図である。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。 図4の定着装置を幅方向にみた図である。 この発明の実施の形態3における定着装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4における定着装置の抵抗発熱体を幅方向にみた図である。 この発明の実施の形態5における定着装置を示す構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 当接部材、
23 抵抗発熱体、
23a 第2の抵抗発熱体、
24 金属熱伝導体、
25 補強部材、
27 断熱部材(断熱層)、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
40 温度センサ、 P 記録媒体。

Claims (5)

  1. 所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内周面側に固設されるとともに、当該定着部材を介して加圧部材に当接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する当接部材と、
    前記定着部材の内周面側に固設されて当該定着部材を加熱する抵抗発熱体と、
    を備え、
    前記抵抗発熱体は、略パイプ状に形成されて、前記定着部材の内周面に対してニップ部を除く範囲全域で対向するように配設されるとともに、周方向において前記ニップ部に近い部分が前記定着部材の内周面に対して所定圧力以下で接触するように配設され、
    前記当接部材は前記定着部材の側に絶縁層を具備した第2の抵抗発熱体であって、前記抵抗発熱体と一体的に形成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記抵抗発熱体は、所定のキューリー点を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記抵抗発熱体は、前記定着部材における幅方向の発熱分布を可変するように設置された複数の抵抗発熱体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着部材は、定着ベルト又は定着フィルムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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