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JP5027019B2 - 打栓性及び分別廃棄性に優れたプラスチックキャップ - Google Patents

打栓性及び分別廃棄性に優れたプラスチックキャップ Download PDF

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Description

本発明は、打栓により容器口部に嵌合固定されるプラスチックキャップに関するものであり、より詳細には、容器口部への打栓性に優れていると共に、キャップの容器口部からの取り外しに際して、把持しやすく容易に容器口部からの取り外しが可能なプラスチックキャップに関する。
容器口部にキャップ本体が嵌合固定されるプラスチックキャップは、一般に打栓操作により容器口部に嵌合固定されるが、この際、キャップ本体の係合用突起は容器口部の係合部を乗り越えなければならないため、キャップ本体のスカート部はその径を増す方向に拡がる必要がある。その一方キャップ本体が容器口部に嵌合固定されるプラスチックキャップにおいては、分別廃棄の要請から内容物使用後に容器口部から容易に取り外しができることが望まれており、容器口部及びキャップ本体との係合を破壊するような弱化線が形成されており、打栓時におけるかかる弱化線の破断を防止する観点から、キャップの打栓性を改良することが種々行われている。
例えば、下記特許文献1では、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体のスカート部の外面に、切断面を介して外筒を対面させ、スカート部の下端(あるいは上端)と外筒とを破断可能な橋絡部により連結させるとともに、外筒には、軸方向に延びている引き裂き用スコアを設けた構造のキャップが提案されているが、特許文献1に記載されたキャップでは、スカート部を外筒によるタガ締め力から開放したときに、キャップ本体と容器口部との係合力が弱められるように、スカート部の前記係合突起が設けられている下端部分に、一定間隔で複数のスリットを設け、スコアを引き裂き、外筒を周方向に捲ったときに、開放されたスカート部の下端部分を手で容易に上方に捲り上げることができるようになっているため、キャップ本体の容器口部からの取り外しは容易に行うことができるようになっているものの、上記のようなスリットの形成により、スカート部下端の係合突起と容器口部との係合力の低下は避けられない。
このような問題を解決するため、本出願人は、キャップ本体のスカート部が、容器口部との係合用突起が周方向に適当な間隔を置いて複数形成されている内側壁部と、この内側壁部よりも長く形成されている外側壁部とから形成されていると共に、このようなスカート部に、引き裂き領域と固定領域とが形成されており、筒状側壁の全周の1/4以上(90度以上)が引き裂き領域となっており、この引き裂き領域と固定領域との境界部において、外側壁部に、上端から下端まで軸方向に延びている軸方向弱化ラインが形成されているキャップを提案した。
特許第3161977号 特開2007−22567号公報
しかしながら、上記キャップにおいても、キャップ本体の係合用突起が容器口部の係合部を十分スムーズに乗り越えられないため、打栓時の打栓荷重が上蓋にかかって、上蓋が座屈気味になり、その結果上蓋のキャップ本体への嵌合力が低下して、密封性などが低下するという問題が生じる。特にキャップの軽量化を目的として剛性の大きな樹脂から成る薄肉のキャップも形成されているが、このようなキャップにおいては、打栓荷重による影響が顕著に表われるため、打栓時にキャップがよりスムーズに容器口部に嵌合固定できることが望まれている。
また容器がガラス製の場合には、容器口部先端外面に容器成形の際のパーティングラインに基づく段差部が形成されるため、かかる段差部がキャップ本体の係合用突起のスムーズな乗り越えの妨げになる場合もある。
更に、打栓性を向上させるべく、係合用突起の下部に下方に行くに従って内径が増大するテーパ状の突起を設けることも考えられるが、このようなテーパ状の突起を設けると、分別廃棄のためにキャップを容器口部から取り外す際に、テーパ状突起の部分を把持することになり、手触りが痛いという問題を生じることになる。
従って本発明の目的は、打栓の際、キャップ本体の係合用突起がスムーズに容器口部の係合部を乗り越えることが可能であり、打栓性に優れ、打栓による上蓋の嵌合力の低下等が有効に防止されたプラスチックキャップを提供することである。
本発明の他の目的は、分別廃棄のためのキャップの容器口部からの取り外しに際して、把持しやすく容易に容器口部からの取り外しが可能なプラスチックキャップを提供することである。
本発明によれば、頂板部及びスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された係合突起と係合する係合用突起が形成されているキャップ本体、及びキャップ本体の頂板部を覆うようにキャップ本体に装着される上蓋から成り、スカート部の係合用突起よりも下方のキャップ本体スカート部に形成された周方向に延びる引き裂き可能な薄肉の破断ラインを引裂くことにより、内容物使用後に容器口部から容易に取り外し可能なプラスチックキャップにおいて、前記スカート部内面には、係合用突起の下部に形成され且つ内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面を有する上部リブ、及び破断ラインよりも下方に形成され且つ内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面を有する下部リブが形成されており、該上部リブ及び下部リブが互いに周方向にずれた位置に複数個形成されていることを特徴とする分別廃棄性に優れたプラスチックキャップが提供される。
本発明のプラスチックキャップにおいては、
1.下部リブのテーパ面が下部にのみ形成され、上部が垂直面を形成していること、
2.上部リブ及び下部リブが、全周にわたって交互に形成されていること、
3.キャップ本体が、内容物注出用開口予定部を有する頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを有し、且つ該スカート部の内側に容器口部が嵌合固定され、前記上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されて成り、前記キャップ本体のスカート部は、内側壁部と、該内側壁部よりも下方に延びており、該内側壁部の周囲に位置する外側壁部とから成っており、スカート部には、前記内側壁部と外側壁部とに前記破断ラインにより形成された引き裂き可能な引き裂き領域と、引き裂き不能な固定領域とが形成されていると共に、該引き裂き領域と固定領域との一方の境界部には、前記外側壁部に、上端から下端まで軸方向に延びている軸方向弱化ラインが形成されており、引き裂き領域は、前記スカート部の全周の少なくとも1/4以上にわたって形成されていると共に、該引き裂き領域では、前記スカート部の厚み部分を上端から下方に深く延びているスリットにより、前記内側壁部の下端部分が引き裂き可能な薄肉の連結部で外側壁部に連結されており、前記固定領域は、前記スカート部の厚み部分を上端から下方に浅く延びているスリットにより前記内側壁部の下端部が引き裂き不能な厚肉の連結部により外側壁部に連結されているか、或いはスリットが形成されておらず、前記内側壁部と外側壁部とが一体化された領域となっている頂板部及びスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された係合部と係合する係合用突起が形成されているキャップ本体、及びキャップ本体の頂板部を覆うようにキャップ本体に装着される上蓋から成る打栓により容器口部に嵌合固定されるプラスチックキャップにおいて、前記スカート部内面には、係合用突起の下部に形成され且つ係合部の最大外径よりも小さい内径を有する突起が、複数個形成されていること、
が好適である。
本発明では、上部リブ及び下部リブの内径とは、複数の上部リブ及び下部リブのそれぞれの内面を通る仮想円の直径を意味する。
本発明のプラスチックキャップにおいては、スカート部内面の係合用突起の下部に、内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面を有する上部リブ、及び破断ラインよりも下方に形成され且つ内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面を有する下部リブが形成されており、該上部リブ及び下部リブが互いに周方向にずれた位置に複数個形成されていることにより、打栓の際、下部リブ及び上部リブに形成されたテーパによってキャップスカート部を半径方向外方に徐々に押し広げるため、キャップ本体の係合用突起が容器口部の係合部をスムーズに乗り越えることが可能となり、上蓋の座屈が有効に防止され、上蓋の嵌合力の低下というような問題を生じることがない。
従って本発明のプラスチックキャップにおいては、ガラス瓶のように、口部に成形の際に生じるパーティングラインに起因する段差部を有する場合でも、スムーズに打栓操作を行うことが可能となる。
また下部リブの上方が垂直に形成されていることにより、分別廃棄の際に、破断ラインを更に引裂く場合にこの部分を持った手が痛くなるようなことが有効に防止されており、優れた分別廃棄性を有している。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のキャップを容器口部に適用した状態の一例の側断面図であり、図2は、図1に示すキャップの上蓋を開いた状態における側断面図であり、図3は、図1に示すキャップを打栓する際に容器口部にキャップを被せる前の状態における一部拡大断面図であり、図4は、図1に示すキャップを打栓する際の容器口部にキャップを被せ、位置決めされた状態における一部拡大断面図であり、図5は、図1に示すキャップが打栓されて容器口部に装着され始めたときの状態を示す一部拡大断面図であり、図6は、図1に示すキャップの分別廃棄のための破断ラインの破断の前後における状態を説明するための一部拡大断面図であり、図7は、図1に示すキャップの上蓋を開いた状態における平面図である。
図1乃至7に示す本発明のキャップは、キャップ本体1と上蓋30とから成り、キャップ本体1は、概略的に言って、頂板部2と、頂板部2の周縁部から垂下しているスカート部3とから構成されている。頂板部2の内面には、スカート部3とは間隔を置いて下方に延びているインナーリング4が形成されている。このインナーリング4とスカート部3との間の空間に容器口部50が嵌め込まれることにより、キャップ本体1は、容器口部50に装着される。
また、頂板部2には、注出用開口を形成するためのスコア5が形成されており、頂板部2の上面側には、スコア破断用のプルリング6が支柱7を介して設けられ、このプルリング6を引っ張ることにより、スコア5が破断されて、内容物を注ぎ出すための開口が頂板部2に形成されるようになっている。
更に、頂板部2の上面側には、スコア5を取り囲むようにして、注出液案内用の注出筒部8が形成されており、注出用開口を介して注ぎ出された内容液は、この注出筒部8によって案内される。この注出筒部8の上端は、ラッパ状に広がって液の排出をスムーズに行い得るようになっており、また、図1に示されているように、後述するヒンジ連結部31側において、注出筒部8の背が低く形成され、上蓋30を閉じるときに上蓋30の旋回を妨害しないように構成されている。また、注出筒部8の外側には、上蓋30を保持するための周状突起9が形成されている。
また、図1乃至7に示す具体例においては、キャップ本体1のスカート部3は、内側壁部3aと、内側壁部3aよりも長い外側壁部3bとから形成されており、スカート部3の厚み部分について、その全周にわたって上端から下方に延びているスリット10により、内側壁部3aと外側壁部3bとは明確に区画されている。
スカート部3の内側壁部3aには、その下端の内面全周にわたって環状の係合用突起11が形成されている。この係合用突起11が容器口部50の外面に形成された係合部51と係合することにより、キャップ本体1が容器口部50に嵌合固定される。
上蓋30は、キャップ本体1のスカート部3の外側壁部3bの上端部分にヒンジ31によって連結されている。
上蓋30は、天板部32と、天板部32の周縁から延びているスカート部33とから形成されている。天板部32の内面には、シール用の周状突起34が形成され、上蓋30を旋回して閉じたとき、シール用の周状突起34が注出液案内用の注出筒部8の内面に密着し、この密着により、スコア5を破断しての注出用開口形成後のシール性が確保される。
また、上蓋30のスカート部33の内面下方部分には、凹部35が形成されており、前述したキャップ本体1の周状突起9の上端部が、この凹部35と係合することにより、閉じられた上蓋30が安定に保持されるようになっている。更に、上蓋30のスカート部33の外面には、前述したヒンジ連結部31とは反対側部分に、開封用鍔36が設けられている。この開封用鍔36を指で引っ掛けて上蓋30を上方に持ち上げることにより上蓋30の開封を容易に行うことができる。
このような基本構造を有する図1乃至7に示す本発明のキャップにおいては、キャップ本体スカート部3の内側壁部3aの係合用突起11の下部に、下方に行くに従ってキャップの内径が増加するテーパ面を有する上部リブ12,12が全周にわたって等間隔で複数個形成され、且つ破断ライン13よりも下方に形成され且つ内面が下方に行くに従ってキャップの内径が増大するテーパ面である下部リブ14,14が複数個形成されており、上部リブ12,12及び下部リブ14,14が互いに周方向にずれた位置に形成されていることが重要な特徴である。すなわち本発明のキャップにおいては、後述するように、分別廃棄を可能とするために、周方向に延びる引き裂き可能な薄肉の破断ライン13が形成されており、この破断ライン13を境に上部リブ12及び下部リブ14の2種類のリブが形成されている。
この上部リブ12,12の容器口部と接する面は、キャップの内径が下方に行くに従って増加するテーパ状に形成されている。図に示す具体例においては、図3乃至5から明らかなように、テーパ面12aの下端が破断ライン13よりも下方に位置し、この下端から破断ライン13の位置に向かって上昇するテーパ面12bが形成されている。
一方下部リブ14,14は、破断ライン13の位置から縦方向に延び、上部の容器口部と接する面が軸線と平行な垂直面14aとして形成され、下部の容器口部側の面14bにおいて下方に行くに従ってキャップの内径が増大するテーパ状に形成されている。
従って、図3乃至5から明らかなように、打栓に際して容器口部50は、下部リブ14のテーパ面14bから上部リブ12のテーパ面12a、次いで係合用突起11の下部テーパ面へと連続して当接することが可能となるため、係合用突起11がスムーズに容器口部の係合部51を乗り越えて係合することが可能となる。
本発明においては、上部リブ12及び下部リブ14がキャップの周方向の同一位置に形成されていないことが重要である。すなわち本発明においては、上述したように上部リブと下部リブを周方向にずらせた位置にもうけることにより、下部リブの上部を垂直面14aとすることができ分別廃棄のために破断ラインを引き裂く時に、この垂直面14aで引き裂かれるため、テーパ面で引き裂かれるものと比べて引き裂かれた端面が鋭角となることがなく、この部分を持った手が痛くなるようなことが有効に防止されると共に、下部リブの上部に垂直面14aを設けたにも係わらず、上部リブのテーパ面及び下部リブのテーパ面が連続して容器口部を案内し得ることによって、キャップの打栓をスムーズに行うことが可能となるのである。
特に図3乃至5に示すように、容器口部50の先端外面に容器成形の際のパーティングラインに基づく段差部52が形成されている場合においても、かかるリブの案内によって係合用突起11は段差部の影響を受けることなく、スムーズに係合部51を乗り越えることが可能となる。
また本発明のキャップにおいては、図1乃至6に示すように、上部リブと下部リブが同一位置に形成されている場合に、テーパ面を連続させるためには、上部リブと下部リブを連続させる必要があり、分別廃棄のための薄肉の破断ラインを形成することが困難になるが、このように異なる位置に形成することにより、薄肉の破断ラインを確保しつつ、打栓の際、容器口部は上部リブ及び下部リブのテーパ面で連続的に案内されるため、スムーズな打栓が可能となるのである。
本発明のキャップにおいては、内容物使用後にキャップを容器口部から容易に取外すことができる、分別廃棄性を有している。
図1乃至7に示すキャップにおいては、上述した特徴の他、分別廃棄性の点から次のような特徴を有している。すなわち、外側壁部3bには、上記ヒンジ部31の一方側の端部の近傍において、その上端から下端乃至その近傍まで延びている第1の軸方向スコア40が形成され、ヒンジ部31の他方側の端部の近傍においては、外側壁部3bの上端から短い第2の軸方向スコア41が下方に延びており、第1の軸方向スコア40の引き裂きから内容物使用後のキャップ本体1の取り外し作業を行うと共に、第2の軸方向スコア41により第1の軸方向スコア40の引き裂きが容易に行われる。
本発明のキャップにおいては、図7から明らかなように、キャップ本体1のスカート部3には、引き裂き領域Xと固定領域Yとが形成されている。この引き裂き領域Xは、前述した外側壁部3bに形成されている第1の軸方向スコア40を始点として、上蓋30とのヒンジ連結部31側を通って、スカート部3の全周の1/4以上(図1乃至図7に示す具体例においては310度)にわたって延びており、固定領域Yは、引き裂き領域Xの始点と終点との間の領域にわたって形成されている。上記の引き裂き領域Xでは、内側壁部3aと外側壁部3bとを区画しているスリット10が深く形成されており、このため、内側壁部3aの下端部と外側壁部3bとを繋ぐ連結部は薄肉壁(破断ライン)となり、外側壁3bを内側壁3aから引き剥がし可能となっている。一方、固定領域Yでは、内側壁部3aと外側壁部3bとを区画しているスリット10が浅く形成され、内側壁部3aの下端部と外側壁部3bとを繋ぐ連結部は厚肉壁となり、外側壁部3bが内側壁部3aから引き剥がされない領域となっている。
このような引き裂き領域X及び固定領域Yが形成されている図1乃至7に示す本発明のキャップの一例においては、引き裂き領域Xの始点となる部分A(引き裂き領域Xと固定領域Yと境界部分)では、外側壁部3bには、上端から下端まで第1の軸方向スコア40が形成されており、この部分Aでは、内側壁部3aと外側壁部3bとは分離している。
すなわち、キャップ本体1の容器口部50からの取り外し作業は、先ず、上蓋30を手で持って下方に引き降ろし、第1の軸方向スコア40を引き裂くことから始める。この場合、第1の軸方向スコア40が上蓋30のヒンジ部31の一方側の端部に形成され、このヒンジ部31の他方側の端部には、短い第2の軸方向スコア41が形成されているため、上蓋30の引き降ろしに際しては、第1の軸方向スコア40と同時に第2の軸方向スコア41も引き裂かれるため、第1の軸方向スコア40の引き裂きを容易に行うことができる。
第1の軸方向スコア40を引き裂いた後、引き裂かれた外側壁部3bを手で持って、引き裂き領域X側に捲っていくことにより、内側壁部3aと外側壁部3bとの破断ライン13を引き裂き、これにより、外側壁部3bが内側壁部3aから引き剥がされるのであるが、この引き裂きを容易に開始できるようにするために、上記部分Aに連なる引き裂き開始部分Bでは、スリット10がスカート部3を貫通しており、この部分Bにおいても外側壁部3bと内側壁部3aとは分離している(すなわち、破断ライン13が形成されていない)。従って、第1の軸方向スコア40を下端まで引き裂いたとき、この引き裂き開始部分Bでの外側壁部3bが、内側壁部3aによって拘束されていないため、この部分Bの外側壁部3bを容易に周方向に捲り上げ、上蓋を持って外側壁部3bを容易に周方向に捲っていくことが可能となり、容易にキャップを容器口部から取外すことが可能となる。
上述した要領で容器口部からキャップを取外す際、破断ラインよりも下方の下部リブ14,14が形成された外側壁部3b部を把持して周方向の引裂きを行うが、前述したように、本発明のキャップにおいては、下部リブの上部が軸線と平行な垂直面になっているので、把持したときの手の当たりが柔らかであり、引裂きの際に手が痛くなるようなこともない。
本発明のキャップは、前述した図1乃至7の具体例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
すなわち、スカート部内面に形成されるリブは、図に示した具体例では、上部リブと下部リブが交互に同一個数設けられていたが。これらは必ずしも、交互に或いは同じ個数設けられなくてもよい。
またキャップの基本構造も、打栓により容器口部に適用されるプラスチックキャップである限り、種々のタイプのキャップに適用することができ、図に示した具体例では、キャップはヒンジキャップであったが、上蓋がキャップ本体から離脱可能な螺子キャップであっても勿論よい。
図に示した具体例では、分別廃棄性を付与するために、上蓋を下方に引っ張った後、周方向に切り裂くタイプのものであったが、これに限定されるものではなく、従来公知の他のタイプの分別廃棄性を有するキャップの形状であってもよい。
本発明のキャップは、従来プラスチックキャップに用いられていた、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いて、射出成形、圧縮成形等の従来公知の方法により成形することができ、例えば、図に示したヒンジキャップにおいては、キャップ本体1と上蓋30を、上蓋が開封された状態に一体成形し、次いでスリット10をカッティング加工により形成することによって製造することができる。
本発明のキャップを容器口部に適用した状態の一例の側断面図である。 図1に示すキャップの上蓋を開いた状態における側断面図である。 図1に示すキャップを打栓する際に容器口部にキャップを被せる前の状態における一部拡大断面図である。 図1に示すキャップを打栓する際に容器口部にキャップを被せ、位置決めされた状態における一部拡大断面図である。 図1に示すキャップが打栓されて容器口部に装着され始めたときの状態を示す一部拡大断面図である。 分別廃棄のための破断ラインの破断の前後における状態を説明するための一部拡大断面図である。 図1に示すキャップの上蓋を開いた状態における平面図である。
符号の説明
1 キャップ本体、2 頂板部、3 スカート部、4 インナーリング、5 スコア、10 スリット、11 係合用突起、12 上部リブ、13 破断ライン、14 下部リブ、30 上蓋、31 ヒンジ部、50 容器口部、51 係合部、52 段差部。

Claims (4)

  1. 頂板部及びスカート部から成り、該スカート部内面には容器口部外面に形成された係合突起と係合する係合用突起が形成されているキャップ本体、及びキャップ本体の頂板部を覆うようにキャップ本体に装着される上蓋から成り、スカート部の係合用突起よりも下方のキャップ本体スカート部に形成された周方向に延びる引き裂き可能な薄肉の破断ラインを引裂くことにより、内容物使用後に容器口部から容易に取り外し可能なプラスチックキャップにおいて、
    前記スカート部内面には、係合用突起の下部に形成され且つ内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面である上部リブ、及び破断ラインよりも下方に形成され且つ内面が下方に行くに従って内径が増大するテーパ面である下部リブが形成されており、該上部リブ及び下部リブが互いに周方向にずれた位置に複数個形成されていることを特徴とする分別廃棄性に優れたプラスチックキャップ。
  2. 前記下部リブのテーパ面が下部にのみ形成され、上部が垂直面を形成している請求項1記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記上部リブ及び下部リブが、全周にわたって交互に形成されている請求項1又は2記載のプラスチックキャップ。
  4. 前記キャップ本体が、内容物注出用開口予定部を有する頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを有し、且つ該スカート部の内側に容器口部が嵌合固定され、前記上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されて成り、前記キャップ本体のスカート部は、内側壁部と、該内側壁部よりも下方に延びており、該内側壁部の周囲に位置する外側壁部とから成っており、スカート部には、前記内側壁部と外側壁部とに前記破断ラインにより形成された引き裂き可能な引き裂き領域と、引き裂き不能な固定領域とが形成されていると共に、該引き裂き領域と固定領域との一方の境界部には、前記外側壁部に、上端から下端まで軸方向に延びている軸方向弱化ラインが形成されており、引き裂き領域は、前記スカート部の全周の少なくとも1/4以上にわたって形成されていると共に、該引き裂き領域では、前記スカート部の厚み部分を上端から下方に深く延びているスリットにより、前記内側壁部の下端部分が引き裂き可能な薄肉の連結部で外側壁部に連結されており、前記固定領域は、前記スカート部の厚み部分を上端から下方に浅く延びているスリットにより前記内側壁部の下端部が引き裂き不能な厚肉の連結部により外側壁部に連結されているか、或いはスリットが形成されておらず、前記内側壁部と外側壁部とが一体化された領域となっている請求項1乃至3の何れかに記載のプラスチックキャップ。
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