JP7505876B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
しかし、除去部を開口するために、上蓋を開けた後、プルリングなどを引っ張り上げて除去部を抜栓する作業が必要となり、手間がかかるともに、力の弱い利用者にとっては抜栓に苦労するという問題があった。
また、密封可能な隔壁を有するため、プルリングによる抜栓と同程度の密閉性が確保され、熱充填可能な容器に使用できる。
容器Aは、上部に口部1を有し、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
なお、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンの場合には、弱化部の破断が難しくなる。
キャップ本体Bは、図1および図2に示すように、容器Aの口部1に装着される装着部3と、装着部3の内縁上端から内方に延設される基壁4と、基壁4に立設される注出筒5とを備えている。
外周壁部9は、内周下部には容器Aと係合するための係合突部10が設けられている。
係合突部10の外周切り込み部11に対応する位置には、図示しないが内周切り込み部が縦方向に刻設され、縦方向引き裂きラインが形成される。
また、縦方向引き裂きラインに隣接するスリット溝13の起点を引き裂き開始点として、スリット溝13の底面14の内周側には、外周壁部9と蓋係合部7との間を連結する薄肉連結部15が設けられ、周方向引き裂きラインが円弧状に延びるように形成され、終点の破断不能な連結部まで引き裂き可能となっている。
開栓部22は、弱化部21を介して隔壁20に連結される底壁23と、底壁23の上面には、ヒンジCと反対側に略円筒状の引上壁24が立設されている。
また、引上壁24のヒンジC側には、その上部から底壁23の上面に向けて三角状の補強リブ27が設けられている。
また、引上壁24は、ヒンジCと反対側に底壁23の弱化部21近くまで伸びる突出部24aが形成されている。
そうした上記の構造を有することにより、上蓋Dを持ち上げたときに、図3(b)に示すように、ヒンジCと反対側の弱化部21に応力が集中するようになり、弱化部21の破断が容易なものとなる。
係止突部26は、下部が大きく、上部ほど小さい山形状になっており、上部における傾斜は緩くなり、また、ヒンジCの反対側のほうがヒンジC側よりも傾斜は緩くなっている。
係止突部26の上面は、本実施例では平面状であるが、丸くなっていても構わない。
頂壁30は、下面からシール筒33と、シール筒33の内方のヒンジCと反対側寄りに係合壁34とが垂設され、シール筒33は、外周がキャップ本体Bの注出筒5の内周に当接するように設けられている。
また、頂壁30には、係合壁34の内周面と連通する係合穴部35が開口されている。
また、係合壁34の内周側上面に係止部36が設けられ、係合穴部35の下面が形成されている。
本実施例では、図1に示すように、閉蓋時において、係止突部26の上部は、係合穴部35にまで達しており、溶融等による抜け止め加工によって、係止突部26の上部が係合穴部35を埋めるように広げられ、係止突部26は係合壁34上面の係止部36によって係合される。
側周壁31のヒンジCと反対側の外周には、周方向に円弧状の把手部39が延設され、把手部39の中央部下面には指掛け部40が設けられている。
本実施例のヒンジキャップは、金型を用いた射出成形によって一体成形で製造することができる。
一体成形で製造された本実施例のヒンジキャップは、図2に示すように、開蓋した状態で得られ、上蓋DをヒンジCを介して回動して図1に示す閉蓋状態にされる。
その際、引上壁24の上部の係止突部26は、上方が小さく、また、ヒンジCと反対側の傾斜が緩くなっているため、係合壁34の中に簡単に入り込み、上部は係合穴部35に達するとともに、係止突部26の下部外周は、係合壁34内周におさまり、さらに、係合壁34の下面は、引上壁24の段部25に当接または近接する。
本実施例では、閉蓋状態で、係止突部26の上部は溶融等により抜け止め加工が施され、係止突部26は係合壁34に係合される。
次に、閉蓋されたヒンジキャップは、内容液が充填された容器Aに打栓して装着される。
まず、上蓋Dの指掛け部40に手指を掛け、把手部39を持ち上げると、ヒンジCと反対側の底壁23が持ち上げられ、それによってヒンジCと反対側の弱化部21が破断し始め、さらに上蓋Dを持ち上げることにより、ヒンジC方向に弱化部21の破断が進み、最後にヒンジCに近い部分の弱化部21が破断され、開栓部22が隔壁20から除去されて、開栓部22の部分が開口部となって、容器A内の内容液の注出が可能となる。
本実施例では、図3に示すように、引上壁24のヒンジC側に三角状の補強リブ27が設けられているため、ヒンジCと反対側の弱化部21に応力が集中し、弱化部21の破断が容易となる。
また、本実施例では、引上壁24のヒンジCと反対側に突出部24aが形成されており、ヒンジCと反対側の弱化部21への応力が集中しやすくなっている。
その際には、ヒンジキャップを開蓋し、上蓋Dを指で把持して外方に引っ張ると、外周壁部9のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、縦方向引き裂きラインが破断され、さらに上蓋Dを引っ張ると、周方向引き裂きラインを形成する薄肉連結部15が破断を始める。薄肉連結部15の破断が進行すると、上蓋Dがキャップ本体Bから離れていく。
スリット溝13の終端部で薄肉連結部15の破断が完了し、さらに上蓋Dを引っ張ると、キャップ本体Bと容器Aとの嵌合が外され、ヒンジキャップと容器Aとを分別廃棄することができる。
以下、第1実施例と同一部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
なお、後述の開栓部22の構成を変更した第3~4実施例についても同様である。
いずれも第1実施例より、最初の開蓋時にヒンジCと反対側の弱化部21に引き上げる力が集中し、弱化部21の破断がより容易になっている。
図7は、第2実施例と第4実施例におけるヒンジCと反対側の弱化部21における応力集中度の差を示す。
なお、弱化部21における応力集中度は、第1実施例<第3実施例<第2実施例<第4実施例の順に高くなり、それにより弱化部21の破断もより容易になる。
その他の構成と作用効果は、第1実施例と同じである。
また、弱化部21はヒンジCと反対側もヒンジC側も同じ薄肉にしているが、ヒンジCと反対側を破断しやすいようにより薄肉にしてもよい。
また、口部を密封する隔壁を有するため密閉性に優れ、熱充填可能であり、気密性の必要な内容液を収納する容器用のヒンジキャップとして広い範囲に応用できる。
B キャップ本体
C ヒンジ
D 上蓋
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4 基壁
5 注出筒
6 係止突条
7 蓋係合部
8 内筒
9 外周壁部
10 係合突部
11 外周切り込み部
11a 端面
12 薄肉底壁
13 スリット溝
14 底面
15 薄肉連結部
20 隔壁
21 弱化部
22 開栓部
23、43 底壁
24 引上壁
24a 突出部
25 段部
26 係止突部
27、37、47、57 補強リブ
30 頂壁
31 側周壁
33 シール筒
34 係合壁
35 係合穴部
36 係止部
38 係合凹部
39 把手部
40 指掛け部
Claims (4)
- 容器の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設される上蓋とからなるヒンジキャップであって、
キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部の内側に立設される注出筒と、注出筒の内周に連設される隔壁と、隔壁に破断可能な弱化部によって画成され、開口予定部となる開栓部とを備え、
開栓部は、弱化部を介して隔壁と連結する底壁と、ヒンジと反対側の底壁の上面に立設される略円筒形状の引上壁とを備え、
上蓋は、頂壁と、頂壁の周縁部に垂設される側周壁と、頂壁の下面から垂設され、注出筒を密封するシール筒と、シール筒の内側に垂設され、引上壁と係合する係合壁とを備え、
引上壁は、ヒンジと反対側に底壁の弱化部近くまで伸びる突出部が形成され、ヒンジ側から底壁の上面に向けて、引上壁の上端から底壁のヒンジ側の弱化部近くまで補強リブが設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 開栓部の底壁は、ヒンジと反対側よりもヒンジ側が高くなるように傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
- 引上壁の上面に係止突部を設け、係止突部は閉蓋時に上蓋の係合壁に係合されることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。
- 上蓋は、頂壁に係合壁の内周面と連通する係合穴部を有し、係合壁の内周側上面に係止部を設けて係合穴部の下面が形成され、
閉蓋時に、係止突部の上部は係合壁を越えて係合穴部に達し、係止突部の上部が溶融により抜け止めされて、係合穴部に広がり、係止突部が係合壁の係止部に係合されることを特徴とする請求項3に記載のヒンジキャップ。
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