JP5081014B2 - ターゲット及びこれを用いた三次元形状測定装置 - Google Patents
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Description
まず、本発明に係わる三次元形状測定装置について説明する。
(整準部2の構成)
整準部2は台盤11、下部ケーシング13を有する。この台盤11にピン12が立設されている。このピン12の上端部は曲面形状とされている。このピン12の上端部は下部ケーシング13の底面に形成された凹部に傾動自在に嵌合されている。下部ケーシング13の他の2箇所には、調整ネジ14が螺合貫通されている。この調整ネジ14の下端部には脚部材15が固着されている。この脚部材15の下端は先鋭又は曲面に形成されて、台盤11に当接されている。調整ネジ14の上端部には整準従動ギア16が嵌着されている。下部ケーシング13はピン12と2個の調整ネジ14とにより3点で台盤11に支持されている。この下部ケーシング13はピン12の先端を支点にして傾動される。なお、台盤11と下部ケーシング13との間には、台盤11と下部ケーシング13とが互いに離反しないようにするため、引っ張りスプリング19が設けられている。
(回転機構部3の構成)
下部ケーシング13は回転機構部3のケーシングを兼ねている。下部ケーシング13の内部には水平回動モータ20が設けられている。この水平回動モータ20の出力軸には水平回動駆動ギア21が嵌着されている。下部ケーシング13の上部には、軸受け部材22を介して回転基盤23が設けられている。この回転基盤23の中央部には下方に向かって突出する回転軸部24が設けられている。この回転軸部24には水平回動ギア25が設けられている。水平回動駆動ギア21はその水平回動ギア25に噛合されている。
(測定装置本体部7の構成)
測定装置本体部7は本体部ケーシング27を有する。本体部ケーシング27は回転基盤23に固着されている。本体部ケーシング27の内部には鏡筒28が設けられている。この鏡筒28は本体部ケーシング27の回転中心と同心の回転中心を有する。鏡筒28の回転中心は光軸32に合致されている。その鏡筒28は本体部ケーシング27に適宜手段で取り付けられている。例えば、鏡筒28の上端部にはフランジ部29が形成され、このフランジ部29が本体部ケーシング27の天井部にネジ止め固定される。鏡筒28の内部には、光束分離手段としてのビームスプリッタ74が設けられている。このビームスプリッタ74は可視光を透過しかつ赤外光を反射する機能を有する。このビームスプリッタ74により光軸32は光軸38と光軸38’とに分離される。
(回転照射部8の構成)
本体部ケーシング27の上部には投光ケーシング41が設けられている。この投光ケーシング41の周壁の一部は投光窓42となっている。回転照射部8は投光ケーシング41の内部に収納されている。フランジ部29には、図4に示すように、一対のミラーホルダー板47が対向して設けられている。このミラーホルダー板47には回動軸48が掛け渡されている。高低角用回動ミラー35は、その回動軸48に固定されている。回動軸48の一端部には高低角ギア51が嵌着されている。回動軸48の他端側には高低角検出器52が設けられている。高低角検出器52は高低角用回動ミラー35の回動角を検出し、その検出結果を制御部6に向かって出力する。
(制御部6のブロック回路構成)
制御部6には、図5に示すように、水平角検出器26、高低角検出器52、傾斜センサ56からの検出信号が入力される。また、制御部6には操作部57から操作指示信号が入力される。作業者は、操作部57を操作して、三次元形状測定装置1が測定を開始するのに必要な条件その他の指令等を制御部6に入力することができる。なお、操作部57は本体部ケーシング27の内部に設けても良い。また、本体部ケーシング27とは別途独立に設け、無線、有線等の信号伝達媒体により制御部6に遠隔操作指令を送る構成としても良い。この制御部6は水平角用駆動モータ20、高低角用駆動モータ53、整準モータ17を駆動制御する共に作業状況、測定結果等を表示する表示部58を駆動制御する。制御部6には、メモリカード、HDD等の外部記憶装置59が接続・切り離し可能に設けられている。
(ターゲットの構成)
図6は三次元形状測定用のターゲットの要部を示す平面図である。この図6において、符号110は三次元形状測定用のターゲットを示している。このターゲット110は、外側に矩形状枠110aを有する。この矩形状枠110aの対角線の交点Qを中心として小円110bが設けられている。この小円110bは大円110cによって包囲されている。大円110cの中心は小円110bの中心に合致されている。その大円110cは矩形状枠110aによって囲まれている。この大円110cと矩形状枠110aとの間の反射領域部は反射率が最も低い低輝度反射領域部110dとされている。この低輝度反射領域部110dの色は例えば黒色である。小円110bと大円110cとの間の円形周辺領域部は反射率が最も高い高輝度反射領域部110eとされている。この高輝度反射領域部110eは例えば反射材により構成され、パルス赤外レーザ光が当たると輝く材料からなっている。小円110bによって囲まれた円形中心領域部は、反射率が低輝度反射領域部110dの反射率と高輝度反射領域部110eの反射率との間の反射率を有する中輝度反射領域部110fとされている。この中輝度反射領域部110fの色は例えば白色である。中輝度反射領域部110fの中心位置には、低輝度反射領域部110dの反射率と同程度の反射率を有する十字のマーク110gが形成されている。このマーク110gの色は例えば黒である。
(ターゲット110のスキャン方法)
ターゲット110の概略位置を指定する手段として、「a:照星照門46を用いて直接ターゲット110を視準する」、「b:ターゲット110のスキャン範囲を設定し、ターゲット110の概略スキャンを行い、概略スキャンにより得られたスキャンデータを用いて、ターゲット110の概略位置を指定する」、「c:ターゲット110のスキャン範囲を設定し、そのスキャン範囲内を撮像し、その撮像により得られた画像データに基づいて、ターゲット110の概略位置を指定する」がある。
S.1(ターゲット探索スキャンエリアの設定)
ここでは、説明の便宜のため、図1を参照することとし、ここでは、図1に示す従来のターゲット103の代わりに、本発明に係わる測定ターゲット110が測定対象物100に設置されているものとする。
S.2(スキャンピッチの設定)
操作部57によりスキャンピッチを指定する。このスキャンピッチは、水平方向と垂直方向とのそれぞれについて指定する。スキャンピッチのピッチ間隔は、三次元形状測定装置1とターゲット110との距離に応じて適当に決定する。また、ピッチ間隔の設定には、赤外パルスレーザ光のビームウエスト径を考慮する。
S.3(ターゲット探索スキャン実行)
ステップS.1で指定した範囲内で、ターゲット探索スキャンを実行する。このターゲット探索スキャンは、縦方向(垂直方向)に走査した後、横方向(水平方向)に走査することを繰り返すことにより行われる。
S.4(ターゲット110の概略中心位置指定)
次に、操作部57、例えば、マウスにより、反射強度の最も高い箇所にカーソルを移動させて、図9に示すように、ターゲット110の概略位置を指定する。このターゲット110の指定は複数個行う。ここでは、13個のターゲット110が指定され、ターゲット110の指定順に連続番号が付されている。
S.5(ターゲットスキャン開始)
次に、操作部57を操作して、ターゲットスキャンを開始させる。
S.6(ターゲット粗スキャン実行:ターゲット捕捉処理)
ターゲット粗スキャンの実行は、例えば、ターゲット110の指定順に行なわれる。制御部6は、指定された概略位置に基づき、その近傍をスキャンするため、高低角用回動ミラー35を微小角度ピッチで回動させる。水平方向の回動角度のピッチは、ここでは、ターゲット探索スキャン時のピッチと同じである。
S.7(ターゲットスキャン範囲チェック:ターゲット捕捉処理)
次に、制御部6は、得られた全点群データの反射強度値に対して50%の閾値を設定する。制御部6はS.6で得られた全点群データの中から反射強度値が50%以上の点群データを抽出し、閾値が50%以上の点群データの矩形領域を算出する。例えば、50%以上の閾値の点群データを包含する矩形領域が図11に示すように得られたとする。その図11において、黒枠112はその矩形領域112aの外形輪郭線を示している。
S.8(反射強度値のチェック:ターゲット捕捉処理)
次に、制御部6は点群データの反射強度の最大値が、三次元形状測定装置1で検出可能なレベル以上であるか否か、すなわち、飽和レベル以上であるか否か(ハレーションを起こしているか否か)を判断する。制御部6は、点群データの反射強度の最大値が飽和レベル以上の場合には、減衰器39’を駆動し、測距受光部39に受光される受光光量のレベルを減衰させる。そして、S.6に戻って、S.6、S.7を実行する。
S.9(平均距離チェック:ターゲット捕捉処理)
制御部6は、点群データの反射強度の最大値が、飽和レベル未満と判断した場合には、ターゲット110の黒領域とその周辺の領域(粗スキャンの領域のうち反射強度の低い箇所)とを用いて、三次元形状測定装置1からターゲット110までの平均距離を求める。制御部6はその求められた平均距離に基づきビームウエスト変更光学系33’を駆動制御し、赤外パルスレーザ光のビーム径が適切な大きさとなるように設定する。ついで、制御部6は、S.6ないしS.9の処理を再度実行する。これにより、ターゲット110が三次元形状測定装置1に適正に捕捉される。
S.10(詳細スキャン処理)
制御部6は、S.6ないしS.9の処理を実行後、詳細スキャンに移行する。この詳細スキャンは、縦方向(鉛直角方向)には最小ピッチで行われる。横方向(水平方向)のピッチは、例えば粗スキャンと同様のピッチで行う。水平方向の回動は本体部ケーシング27を回動させるため、時間を要するからである。図14はこのようにして得られた詳細スキャンの点群データである。
S.11(中心座標決定処理)
制御部6は、その図15に示すように得られた点群データから楕円近似処理を実行する。制御部6は、まず、図15(a)、(b)に示すように、全点群データの反射強度のうち最大レベルを10分割して、10%から90%の閾値を設定する。次に、図16に示すように、縦方向に点群データをスキャンしてターゲット110の低反射輝度領域110dと高反射輝度領域110eとの境界領域としてのエッジ(輪郭線)を検出する。縦方向の点群データを用いるのは、この点群データの個数が横方向に対してはるかに多いからである。つまり、縦方向に点群データをスキャンすることにより分解能が高くできるからである。その図16において、符号114は縦方向のスキャンにより得られたエッジの各点を示す。
S.12(ターゲット110の大きさチェック)
用いるターゲットの大きさは予め記憶部62に登録されている。制御部6は楕円115の中心位置を求めた後、ターゲット110の直径を演算する。制御部6は登録されているターゲット110の大きさと演算により求めたターゲットとの大きさを比較し、登録されているターゲット110の直径と演算により求めたターゲットとの大きさが所定範囲にないときには、S.6にないしS.12の処理を繰り返す。なお、ターゲットの直径の演算は、演算により求められた中心位置、楕円の長径、短径を所定の数学公式に代入することにより求められる。これにより捕捉されたターゲットの真偽をチェックできる。
S.13(測距)
次に、制御部6は赤外パルス光の反射光量の強度が適正となるように減衰器39’を駆動制御する。ついで、制御部6は、測距受光部39の受光出力に基づき、複数回測距を実行し、複数個の測距データを取得する。ターゲット110の中輝度反射領域部110fは、高輝度反射領域部110eの輝度よりも低いため、反射光量が小さく、精度の良好な測距値を得ることができる。
S.14(次のターゲットの中心位置の取得処理の実行継続の有無判断)
ターゲット番号001について、S.14の処理が終了すると、S.6に戻って、ターゲット番号002について、S.6からS.14の処理を実行する。これらS.6からS.14までの処理を全てのターゲット110について実行し、全てのターゲット110についての中心位置の水平角(H)、鉛直角(V)、距離Dが求められ、制御部6はこれらを公共測量用の3次元座標に変換して記憶部62に保存する。
S.15(本スキャンの実行)
制御部6は、次に、測定対象物のスキャンエリアE1について、本スキャンを実行する。これにより、多数の点群データを取得する。これらの得られた点群データをターゲット110の中心位置を基準位置としてデータ変換する。
S.16(合成処理)
これらのターゲット探索スキャン、本スキャンを残りの各スキャンエリアについて実行する。次に、これらのターゲット探索スキャン、本スキャンの実行が終了すると、ターゲット110の中心位置を基準位置として、測定対象物100の各点群データ毎に合成処理を実行する。これらの一連の処理により、測定対象物100の三次元形状に対応する座標値が得られる。これらのS.15、S.16の処理は、既に公知であるので、これ以上の説明は省略する。
110a…矩形状枠
110b…小円
110c…大円
110d…低輝度反射領域部
110e…高輝度反射領域部
110f…中輝度反射領域部
Claims (12)
- 測定対象物に設置されて点群データの基準値を得るためのターゲットであって、枠によって囲まれかつターゲット中心を有する小円と、前記枠によって包囲されかつ前記小円の中心と同心で前記小円を包囲する大円とを有し、前記枠と前記大円との間の反射領域部が反射率が最も低い低輝度反射領域部とされ、前記大円と前記小円との間の円形周辺領域部が反射率が最も高い高輝度反射領域部とされ、前記小円の内側の円形中心領域部が反射率が前記低輝度反射領域部の反射率より高く前記高輝度反射領域部の反射率よりも低い中間の反射率を有する中輝度反射領域部とされていることを特徴とするターゲット。
- 前記小円のターゲット中心の位置に前記低輝度反射領域部の反射率と同程度の反射率を有するマークが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
- 前記枠の各辺に前記中心位置で仮想的に交差して合致しかつ前記中輝度反射領域部の反射率と同程度の反射率を有するマークが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のターゲット。
- 前記中輝度反射領域部が測距に用いられることを特徴とする請求項3に記載のターゲット。
- 請求項1に記載のターゲットが配設された測定対象物に向けてパルスレーザ光を射出する発光部と、前記測定対象物を水平方向にスキャンさせるための駆動部と、前記測定対象物を垂直方向にスキャンさせるための駆動部と、前記水平方向及び垂直方向スキャンにより請求項1に記載のターゲットの中心座標と該ターゲットまでの距離を求めることにより請求項1に記載の中心位置の三次元座標を求めると共に、求められた三次元座標に基づき測定対象物をスキャンすることにより得られた点群データを合成処理する制御部と、前記測定対象物の撮像用の画像受光部を備え、
前記制御部は、前記測定対象物のスキャンエリアをスキャンして請求項1に記載のターゲットを探索して測定対象物の各点からの反射レーザ光と請求項1に記載のターゲットの各点からの反射レーザ光とを含む点群データを取得してターゲットを探索するターゲット探索処理ステップと、該ターゲット探索処理ステップにより得られた点群データに基づきターゲットスキャン範囲を指定してターゲットスキャン範囲をスキャンすることにより点群データを取得して該点群データに基づきターゲットの概略位置を捕捉する捕捉処理ステップと、該捕捉処理ステップにより得られたターゲットの概略位置に基づきターゲットを詳細スキャンして点群データを取得する詳細スキャン処理ステップと、該詳細スキャン処理ステップにより得られた点群データの反射レーザ光の強度に基づき請求項1に記載の高輝度領域部と請求項1に記載の低輝度領域部との間のエッジを抽出し、楕円近似手段により、請求項1に記載のターゲットの中心座標を求める中心座標決定処理ステップ部と、前記ターゲットまでの距離を測距する測距処理ステップとを有することを特徴とする三次元形状測定装置。 - 前記制御部は、前記詳細スキャン処理ステップの処理により得られた点群データの反射レーザ光の強度値に対して複数の閾値レベルを設定し、該閾値レベルを変更して楕円近似処理を実行し、閾値レベル毎の楕円近似処理により得られた複数の中心座標のうち偏差が小さい中心座標を用いて前記ターゲットの中心座標を決定することを特徴とする請求項5に記載の三次元形状測定装置。
- 前記制御部は、前記捕捉処理ステップにおいて点群データを取得する際に前記測定対象物からの反射レーザ光を所定割合で減衰させて、前記捕捉処理ステップを再実行することにより点群データを取得することを特徴とする請求項6に記載の三次元形状測定装置。
- 前記制御部は、前記捕捉処理ステップにおいて、前記ターゲットまでの距離を測距し、測距結果に基づいて前記パルスレーザー光のビームスポット径を変更して、前記捕捉処理ステップを再実行することにより点群データを再取得することを特徴とする請求項7に記載の三次元形状測定装置。
- 前記エッジの抽出を前記点群データを縦方向に走査して実行することを特徴とする請求項8に記載の三次元形状測定装置。
- 前記制御部は、予め登録されているターゲットの大きさと詳細スキャンにより得られたターゲットの大きさとを比較してターゲットか否かのチェックを行うことを特徴とする請求項9に記載の三次元形状測定装置。
- 使用するターゲットの大きさが測定対象物までの距離に応じて複数個準備されている請求項10に記載の三次元形状測定装置。
- 画像受光部を有し、制御部は、前記画像受光部により得られた画像と点群データにより得られた三次元座標とに基づき、画像の中心位置と点群データの中心位置との標定作業を実行することを特徴とする請求項11に記載の三次元形状測定装置。
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