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JP5080781B2 - 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 - Google Patents

脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 Download PDF

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Description

本発明は液体中の溶存気体を除去する脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置に関するものであり、特にインクジェットプリンターの印字安定性を改良するために好適に用いられるものである。
液体中には、通常、気体が溶解しており、液体を加熱したり減圧したりすると、液体中に気泡が発生する。この気泡が種々の状況において弊害を引き起こすことがあり、液体中の溶存気体を積極的に除去する方法が従来から提案されている。
例えば、インクジェットプリンター等に利用されるインクにおいては、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さに悪影響を及ぼすことから、インク中から溶存気体を除去する必要があり、その方法として、中空糸膜を利用することが知られている(特許文献1)。
これらの中空糸膜を用いた脱気方法においては、気体透過性を有する複数の中空糸膜の中空部にインクを流し、中空糸膜の外周部を減圧に保つことにより、インク中から溶存気体を除去している。
膜を用いたインクの脱気方法は、インクを劣化させることなく高効率で溶存気体を除去することが可能であり、非常に優れた方法である。
インクジェットプリンターは、一般家庭から産業用まで様々な種類、大きさのものが展開されている。中でも大判の記録媒体に印刷を行う、産業用インクジェットプリンターにおいては、印刷時に大量のインク供給が必要となるため、インク供給源をプリンターとは別に設置し、チューブを介して印刷ヘッドにインクを供給する手法が取られている。このような大型のインクジェットプリンターにおいても、印字安定性のためインク中の溶存気体の除去は重要であり、印刷ヘッド手前での脱気機構の設置が提案されている(特許文献2)。
この大型インクジェットプリンターのインク脱気に、上述の膜を用いる方法を適用し、既存の中空糸膜モジュールをプリンター装置内に組み込むことが考えられる。しかし、特許文献1に記載されているインク脱気用中空糸膜モジュールは、インク流入口と流出口間の圧力損失が高いため、これを印刷時のインクの送液流量が通常50ml/分以下の低流量であるインクジェットプリンターに組み込むと、インク流量の精密な制御が困難となるという問題点があった。
また、従来のインク脱気用中空糸膜モジュールは、モジュールサイズの制約が少ないインクの製造プロセスで使用されているために比較的大型であり、プリンターの一部として組み込むには、必ずしも適した形状ではなかった。
特開平05−017712号公報 特開平11−048493号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリンターのインク供給ラインに好適に組み込むことができる、脱気用中空糸膜モジュール及びこれを用いた脱気装置の提供を目的とするものである。
すなわち本発明の要旨は、複数本の気体透過性中空糸膜が円筒状モジュールケースに収納され、該中空糸膜の両端が接着剤により接着固定され、前記円筒状モジュールケースの一方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流入口を有し、他方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流出口を有する、該円筒状モジュールケース内径Rに対する該円筒状モジュールケースの長さLの比率(L/R)が2以下である脱気用中空糸膜モジュールであって、前記液体流入口から水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの水を50ml/分で通水させ、中空糸膜外周部を減圧下に保った場合において、前記液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度を1mg/L以下とした時の、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失が40mmH O以下である脱気用中空糸膜モジュールである。

また本発明の要旨は、上記脱気用中空糸膜モジュールと、被脱気液体を送液するための
送液機構と、液体中の溶存気体を除去するための減圧機構を有する脱気装置である。
本発明によって、十分な脱気性能を有するとともに、圧力損失が低く、気泡の抜けが良好であり、小型化が可能な脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置を得ることができる。
以下本発明の脱気用中空糸膜モジュールについて、図面を基に説明する。図1に本発明の一例となる脱気用中空糸膜モジュールの模式断面図を示した。複数のスリットを有する円筒状モジュールケース1に気体透過性中空糸膜2が複数収納され、接着剤3により、気体透過性中空糸膜2が円筒状モジュールケース1の両端に固定されている。気体透過性中空糸膜2の中空部は、接着剤3の両端部で開口している。
また、図2は本発明の別の一例を示す脱気用中空糸膜モジュールの模式断面図である。側面に1箇所の排気口7を有する円筒状モジュールケース1に気体透過性中空糸膜2が複数収納され、接着剤3により、円筒状モジュールケース1の両端に固定されている。気体透過性中空糸膜2の中空部は、接着剤3の両端部で開口している。円筒状モジュールケース1には更に、液体流入口5又は液体流出口6を有するキャップ4が、Oリング8を介して液密に接続されている。
ここで、液体に溶存する気体を除くためには、図2に示した脱気用中空糸膜モジュールの場合、キャップ4に設けられた液体流入口5から導入した液体は、気体透過性中空糸膜2の中空内部を通過する。この時、モジュールケース1の側面に設けられた排気口を介して脱気用中空糸膜モジュール内部を減圧することにより、液体中の溶存気体が、気体透過性中空糸膜2の内表面側から外表面側に移動し、除去される。
一方、図1に示した脱気用中空糸膜モジュールの例においては、図4に示すように液体の流出入口及び中空糸膜外部からの排気を可能とする排気口を有する缶体10にモジュールケース1を装着することで脱気することができる。モジュールケース1が多数のスリットを有することから、モジュールケース外側からの排気により内部に流れる液体の溶存気体が除去される。この時、図5に示したように複数のモジュールケース1を装着できる容器を用意し、同時に複数モジュールによる脱気を行ってもよい。同様に図2に示した脱気用中空糸膜モジュールにおいては、図6に示したように、モジュール設置用架台11に固定用ネジ穴9を利用して固定し、複数個設置してもよい。
円筒状モジュールケース1の材質は、適度な機械的強度を有するとともに、インク等使用する液体に含まれる薬品に対して耐久性を有するものが良く、例えば硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフォン 系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂、変性PPO樹脂等を用いることができる。
気体透過性中空糸膜2は、内表面と外表面間で気体透過性を有する中空糸膜であり、内径が50〜500μmの範囲にあるのが好ましく、膜厚が10〜150μmの範囲にあるのが好ましい。内径や膜厚がこの範囲内にある中空糸膜を用いることにより、中空糸膜モジュール内の圧力損失を抑制することができる傾向にあり、さらに脱気中に中空糸膜の振動等が起こっても、中空糸膜が破損することなく液体の脱気処理を継続できる傾向にある。ここで、液体を中空糸膜内部に通液して液体の脱気を行う場合、内径は大きい方が圧力損失は抑えられる。しかし、内径を大きくするとモジュールケースに充填可能な中空糸膜量が制限され、脱気性能の低下に繋がる。内径のより好ましい範囲は100〜300μmである。膜厚は小さいほど優れた脱気性能が期待できるが、脱気を行う際に中空糸膜外部からの減圧操作が行う場合、この操作の繰返しに対する耐久性が中空糸膜に求められるので、ある程度の膜厚は必要である。膜厚のより好ましい範囲は30〜80μmである。
気体透過性中空糸膜2としては、多孔質の中空糸膜や非多孔質の均質層を有する中空糸膜を用いることができる。特に、気体透過性の非多孔質層の両面に、多孔質層が配された三層構造を有する複合中空糸膜を用いると、液体の漏れが無く、かつ溶存気体の除去効率に優れた、液体の脱気を行うことができる傾向にあり好ましい。複合中空糸膜としては、非多孔質層の厚みが0.3〜2μmの範囲であり、非多孔質層を挟んで形成される多孔質層の厚みがそれぞれ15〜40μmの範囲であるものが、機械的強度が高く、破損等が発生しにくく、気体透過性も優れる傾向にあり好ましい。さらに、多孔質層の孔径が0.01〜1μmの範囲である複合中空糸膜を用いると、非多孔質層の微細孔内が濡れにくく、通液した液体に含まれる薬品による非多孔質層の劣化が低減されるとともに、気体の透過量が高くなる傾向にあり、より好ましい。
上述の非多孔質層を構成するポリマー素材としては、ガス透過性の優れたシリコンゴム系ポリマーを始めとして、ポリジメチルシロキサン、シリコンとポリカーボネートの共重合体等のシリコンゴム系ポリマー、ポリ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系ポリマー、パーフルオロアルキル系ポリマー等のフッ素含有ポリマー、エチルセルロース等セルロース系ポリマー、ポリフェニレンオキサイド、ポリ4−ビニルピリジン、ウレタン系ポリマー及びこれらポリマー素材の共重合体あるいはブレンドポリマー等を用いることができる。
また、上述の多孔質層を構成するポリマー素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ3−メチルブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等のポリマーを用いることができる。
気体透過性中空糸膜2として複合中空糸膜を用いる場合、非多孔質層を構成するポリマー素材と、多孔質層を構成するポリマー素材との組み合わせについては特に限定されず、異種のポリマーはもちろん、同種のポリマーであっても構わない。
接着剤3は、複数の中空糸膜の開口状態を保ちながら、これらの両端を固定するとともに、液体流路側と排気される気体流路側を気密に仕切る部材として機能する。接着剤3には、エポキシ樹脂、不飽和エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の液状樹脂を硬化させたものや、ポリオレフィン等を溶融、冷却固化させたものを用いることができる。
また、円筒状モジュールケース1への中空糸膜の充填は、モジュールケース開口面の断面積に対する中空糸膜束の充填面積(充填率)が35%以上となるようにするのが好ましい。より好ましくは37%以上、さらに好ましくは40%以上である。中空糸膜の充填率を高めることにより、単位断面積当たりの中空糸膜の収容本数を高めることができるため、圧力損失を抑えると同時に中空糸膜モジュールの径を抑制できる傾向にある。一方、充填率が高すぎると、モジュール作成時の加工性が低下する傾向にあるので、充填率は55%以下とするのが好ましい。
上述のように例えば、脱気用中空糸膜モジュールをインクジェットプリンターのインク供給ラインに組み込むことを考えた場合、モジュールサイズを抑えた上で、圧力損失を抑える必要がある。ここで圧力損失は、一般的に、流路の長さ、流速の二乗に比例して大きくなり、中空糸膜を管とみなした場合、管径に反比例する。
中空糸膜の内径については上述したが、一定の流量で液体を流す際の流速を低くするには、糸の充填量を多くすることが考えられる。更に流路を短くすることで圧力損失は抑えられる。一方、モジュールサイズを抑えるためには、これらの組み合わせの最適化が必要である。
本発明者らは鋭意検討した結果、図1に例示されるように、円筒状モジュールケース内径Rに対する、円筒状モジュールケースの長さLの比率(L/R)を2以下とすることによって、十分な脱気性能を有するとともに、圧力損失が低く、小型化された脱気用中空糸膜モジュールを得ることができることを見出した。L/Rは好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.3以下である。
一方、L/Rが低くなりすぎると、液体の脱気性能を確保するための、接着剤で固定されていない有効な膜部分の面積の確保が難しくなる傾向にある。このため、L/Rは0.5以上とするのが好ましい。
また、本発明の脱気用中空糸膜モジュールをインクジェットプリンターに搭載するためには、モジュールの全長を抑えるのが好ましく、具体的には、円筒状モジュールケースの長さLを150mm以下とするのが好ましい。より好ましくは100mm以下であり、さらに好ましくは80mm以下である。
さらに、図2に例示されているように、円筒状モジュールケース1とキャップ4を液密にシールするOリング8の線径を抑えることで、中空糸膜モジュールの径を抑えることができ、本発明の脱気用中空糸膜モジュールをより小型化させることができる、Oリングの潰し率を使用条件に合せて一定以上の数値を確保すれば、市販の規格サイズ以外のOリングを用いても構わない。また、潰し率を低めに設定する場合、Oリングを接近した場所に2本以上並列させて使用してもよい。
また、本発明の脱気用中空糸膜モジュールは、低流量の液体の脱気を低圧力損失で効率的に実施できるものであり、具体的には、液体流入口から水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの水を50ml/分で通水させ、中空糸膜外周部を減圧下に保った場合において、前記液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度を1mg/L以下とした時の、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失を40mmHO以下とすることができるものである。この性能を達成することにより、本発明の脱気用中空糸膜モジュールをインクジェットプリンターのインク供給ラインに好適に組み込むことができる。
液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度をさらに0.5mg/L以下、より好ましくは0.2mg/L以下とすることにより、より解像度の高い印字性能をインクジェットプリンターに付与できる傾向にある。
また、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失をさらに20mmH0以下、より好ましくは10mmH0以下とすることにより、より低流量の脱気を効率的に実施でき、本発明の脱気用中空糸膜モジュールをインクジェットプリンターに組み込むと、インク流量のより精密な制御ができる傾向にある。
円筒状モジュールケース1の少なくとも一方の端部に接続される、液体流入口及び/又は液体流出口を有するキャップ4は、この内面が、該液体流入口側及び/又は該液体流出口側を頂点とするテーパー部分を有し、該テーパー部分の角度が、円筒状モジュールケース1端部の開口面に対して、5〜20度の範囲であるのが好ましい。
これは、キャップ4の内面がテーパーを有することにより、液体の脱気処理(通水)開始時に、元々モジュール内に存在していた空気等の気体をモジュール内に残留させることなく、モジュール外に容易に気泡として除去することができるためである。
このテーパーの角度を5度以上とすることによって、粘度の高い液体の脱気においても気泡の抜けが良好になる傾向にあり好ましい。より好ましくは10度以上である。またテーパーの角度を20度以下とすることによって、モジュールのサイズを抑えることができる傾向にあるので好ましい。
本発明の脱気用中空糸膜モジュールを用いた脱気装置の一例として、インクジェットプリンターの模式図を図7に示した。インクタンク16〜19から送液ポンプ26を介して脱気用中空糸膜モジュール20〜23にインクが供給される。この時、脱気用中空糸膜モジュール20〜23側面に設けられた排気口から真空ポンプ27に接続して運転することにより、中空糸膜外周部が減圧下に保たれ、インクの脱気が行われる。脱気処理されたインクは、インク供給チューブ12〜15を通り、記録ヘッド24、25に供給され、印字が行われる。図7において、脱気用中空糸膜モジュール20〜23は、インクジェットプリンターの横に設置されている形としているが、図6に示したようなモジュール設置用架台11に複数本固定した形で記録ヘッド24、25手前に設置し、ヘッドの動きに合せて可動な形としてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
図2に示したような、モジュールケース両端に液体流出入口を有するキャップをかん合させた脱気用中空糸膜モジュールにおいて、以下の仕様のものを用意する。キャップ及びハウジングの材質はポリカーボネート樹脂を用い、内部構造が確認できるものとした。内径(R)64mm、長さ(L)80mmのモジュールケースに、内径200μm、外径284μmのポリエチレン多孔質中空糸膜の膜厚中間部に厚み0.5μmのウレタン系ポリマーから成る気体分離非多孔質層を有する気体透過性中空糸膜を、充填率42%、中空糸膜内径換算での膜面積0.56mとなるように多数本束ね、両端の接着剤としてウレタン樹脂を使用して固定したものを用意する。このモジュールケースに図3に示したような、内面にテーパー形状を有し、角度αが12度であるキャップをOリング2本を介して接続する。この脱気用中空糸膜モジュールに、水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの原水を50ml/分で下部流入口から中空糸膜内部に導入する。この時、側面に設けられた排気口から気密に真空ポンプに接続して、モジュール内部を減圧し、4kPaに保つ。このようにしてモジュール内部を通過した処理水が上部流出口から得られる。この処理水中の溶存酸素濃度、及び通水時の圧力を測定した結果を表1に示す。この時、通水初期には、上部キャップより気泡の抜けについても確認した。
[実施例2]
モジュールケースの内径(R)を54mm、長さ(L)を60mmとし、実施例1と同様の気体透過性中空糸膜を充填率46%、膜面積0.32mとなるように、両端をウレタン樹脂で固定し、キャップ内部構造は実施例1と同等のものを使用した脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
[実施例3]
キャップとして図8に示したような、角度αが0度であり内部にテーパーを有さないものを使用する以外は、実施例1と同等とした脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
[比較例1]
モジュールケースの内径(R)を38mm、長さ(L)を160mmとし、実施例1と同様の気体透過性中空糸膜を充填率35%、膜面積0.49mとなるように、両端をウレタン樹脂で固定し、キャップ内部構造は実施例1と同等のものを使用した脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
Figure 0005080781
表1より、L/Rを2未満、キャップ内部のテーパー角度αを12度とした実施例1及び2においては、圧力損失が10mmHO未満で、気泡の抜けも良好であった。処理水の溶存酸素濃度は膜面積の少ない実施例2においては若干高めであるが、十分な脱気性能が得られている。一方、キャップの内部構造としてテーパーを設けていないキャップを使用した実施例3においては、脱気性能は良好な結果が得られているが、通水を継続しても気泡が抜けず、キャップ内で滞留したままであり、圧力損失も実施例1と比較すると若干高めであった。また、Lが160mm、L/Rを4とした比較例1においては、脱気性能、気泡の抜けは良好であったものの、圧力損失が高く、40mmHOを上回る結果であった。
本発明によれば、十分な脱気性能を有するとともに、圧力損失が低く、気泡の抜けが良好であり、小型化が可能な脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置を得ることができ、特にインクジェットプリンターの印字安定性の改良に有用なものである。
本発明の脱気用中空糸膜モジュールの一実施例を示す模式断面図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールに関する別の実施例を示す模式断面図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールに用いるキャップの一例を示す模式断面図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールにおいて、図1に示すモジュールを使用した一実施例を示す模式断面図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールにおいて、図1に示すモジュールを複数使用した一例を示す斜視図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールにおいて、図2に示すモジュールを複数使用した一例を示す正面図である。 本発明の脱気用中空糸膜モジュールを使用した脱気装置の一例であるインクジェットプリンターの模式図である。 本発明の別の実施例として用いたキャップの一例を示す断面図である。 本発明の一実施例として図2に示した脱気用中空糸膜モジュールの正面外観図である。 本発明の一実施例として図2に示した脱気用中空糸膜モジュールの背面外観図である。 本発明の一実施例として図2に示した脱気用中空糸膜モジュールの左側面外観図である。 本発明の一実施例として図2に示した脱気用中空糸膜モジュールの底面外観図である。
符号の説明
1 円筒状モジュールケース
2 気体透過性中空糸膜
3 接着剤
4 キャップ
5 液体流入口
6 液体流出口
7 排気口
8 Oリング
9 固定用ネジ穴
10 缶体
11 モジュール設置用架台
12〜15 インク供給チューブ
16〜19 インクタンク
20〜23 脱気用中空糸膜モジュール
24、25 記録ヘッド
26 送液ポンプ
27 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 複数本の気体透過性中空糸膜が円筒状モジュールケースに収納され、該中空糸膜の両端が接着剤により接着固定され、前記円筒状モジュールケースの一方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流入口を有し、他方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流出口を有する、該円筒状モジュールケース内径Rに対する該円筒状モジュールケースの長さLの比率(L/R)が2以下である脱気用中空糸膜モジュールであって、前記液体流入口から水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの水を50ml/分で通水させ、中空糸膜外周部を減圧下に保った場合において、前記液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度を1mg/L以下とした時の、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失が40mmH O以下である脱気用中空糸膜モジュール
  2. 前記円筒状モジュールケースの長さLが150mm以下である、請求項記載の脱気用中空糸膜モジュール。
  3. 前記円筒状モジュールケースの側面に排気口を有する、請求項1又は2に記載の脱気用中空糸膜モジュール。
  4. 前記円筒状モジュールケースの少なくとも一方の端部に、前記液体流入口及び/又は前記液体流出口を有するキャップが接続され、該キャップの内面は、前記液体流入口側及び/又は前記液体流出口側を頂点とするテーパー部分を有し、該テーパー部分の角度が、前記円筒状モジュールケース端部の開口面に対して5〜20度の範囲である、請求項1〜のいずれかに記載の脱気用中空糸膜モジュール。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の脱気用中空糸膜モジュールと、被脱気液体を送液するための送液機構と、液体中の溶存気体を除去するための減圧機構を有する脱気装置。
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