JP5080781B2 - 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 - Google Patents
脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5080781B2 JP5080781B2 JP2006300486A JP2006300486A JP5080781B2 JP 5080781 B2 JP5080781 B2 JP 5080781B2 JP 2006300486 A JP2006300486 A JP 2006300486A JP 2006300486 A JP2006300486 A JP 2006300486A JP 5080781 B2 JP5080781 B2 JP 5080781B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- fiber membrane
- degassing
- liquid
- module
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
Description
例えば、インクジェットプリンター等に利用されるインクにおいては、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さに悪影響を及ぼすことから、インク中から溶存気体を除去する必要があり、その方法として、中空糸膜を利用することが知られている(特許文献1)。
これらの中空糸膜を用いた脱気方法においては、気体透過性を有する複数の中空糸膜の中空部にインクを流し、中空糸膜の外周部を減圧に保つことにより、インク中から溶存気体を除去している。
膜を用いたインクの脱気方法は、インクを劣化させることなく高効率で溶存気体を除去することが可能であり、非常に優れた方法である。
また、従来のインク脱気用中空糸膜モジュールは、モジュールサイズの制約が少ないインクの製造プロセスで使用されているために比較的大型であり、プリンターの一部として組み込むには、必ずしも適した形状ではなかった。
また本発明の要旨は、上記脱気用中空糸膜モジュールと、被脱気液体を送液するための
送液機構と、液体中の溶存気体を除去するための減圧機構を有する脱気装置である。
一方、図1に示した脱気用中空糸膜モジュールの例においては、図4に示すように液体の流出入口及び中空糸膜外部からの排気を可能とする排気口を有する缶体10にモジュールケース1を装着することで脱気することができる。モジュールケース1が多数のスリットを有することから、モジュールケース外側からの排気により内部に流れる液体の溶存気体が除去される。この時、図5に示したように複数のモジュールケース1を装着できる容器を用意し、同時に複数モジュールによる脱気を行ってもよい。同様に図2に示した脱気用中空糸膜モジュールにおいては、図6に示したように、モジュール設置用架台11に固定用ネジ穴9を利用して固定し、複数個設置してもよい。
中空糸膜の内径については上述したが、一定の流量で液体を流す際の流速を低くするには、糸の充填量を多くすることが考えられる。更に流路を短くすることで圧力損失は抑えられる。一方、モジュールサイズを抑えるためには、これらの組み合わせの最適化が必要である。
本発明者らは鋭意検討した結果、図1に例示されるように、円筒状モジュールケース内径Rに対する、円筒状モジュールケースの長さLの比率(L/R)を2以下とすることによって、十分な脱気性能を有するとともに、圧力損失が低く、小型化された脱気用中空糸膜モジュールを得ることができることを見出した。L/Rは好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.3以下である。
一方、L/Rが低くなりすぎると、液体の脱気性能を確保するための、接着剤で固定されていない有効な膜部分の面積の確保が難しくなる傾向にある。このため、L/Rは0.5以上とするのが好ましい。
液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度をさらに0.5mg/L以下、より好ましくは0.2mg/L以下とすることにより、より解像度の高い印字性能をインクジェットプリンターに付与できる傾向にある。
また、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失をさらに20mmH20以下、より好ましくは10mmH20以下とすることにより、より低流量の脱気を効率的に実施でき、本発明の脱気用中空糸膜モジュールをインクジェットプリンターに組み込むと、インク流量のより精密な制御ができる傾向にある。
これは、キャップ4の内面がテーパーを有することにより、液体の脱気処理(通水)開始時に、元々モジュール内に存在していた空気等の気体をモジュール内に残留させることなく、モジュール外に容易に気泡として除去することができるためである。
このテーパーの角度を5度以上とすることによって、粘度の高い液体の脱気においても気泡の抜けが良好になる傾向にあり好ましい。より好ましくは10度以上である。またテーパーの角度を20度以下とすることによって、モジュールのサイズを抑えることができる傾向にあるので好ましい。
[実施例1]
図2に示したような、モジュールケース両端に液体流出入口を有するキャップをかん合させた脱気用中空糸膜モジュールにおいて、以下の仕様のものを用意する。キャップ及びハウジングの材質はポリカーボネート樹脂を用い、内部構造が確認できるものとした。内径(R)64mm、長さ(L)80mmのモジュールケースに、内径200μm、外径284μmのポリエチレン多孔質中空糸膜の膜厚中間部に厚み0.5μmのウレタン系ポリマーから成る気体分離非多孔質層を有する気体透過性中空糸膜を、充填率42%、中空糸膜内径換算での膜面積0.56m2となるように多数本束ね、両端の接着剤としてウレタン樹脂を使用して固定したものを用意する。このモジュールケースに図3に示したような、内面にテーパー形状を有し、角度αが12度であるキャップをOリング2本を介して接続する。この脱気用中空糸膜モジュールに、水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの原水を50ml/分で下部流入口から中空糸膜内部に導入する。この時、側面に設けられた排気口から気密に真空ポンプに接続して、モジュール内部を減圧し、4kPaに保つ。このようにしてモジュール内部を通過した処理水が上部流出口から得られる。この処理水中の溶存酸素濃度、及び通水時の圧力を測定した結果を表1に示す。この時、通水初期には、上部キャップより気泡の抜けについても確認した。
モジュールケースの内径(R)を54mm、長さ(L)を60mmとし、実施例1と同様の気体透過性中空糸膜を充填率46%、膜面積0.32m2となるように、両端をウレタン樹脂で固定し、キャップ内部構造は実施例1と同等のものを使用した脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
キャップとして図8に示したような、角度αが0度であり内部にテーパーを有さないものを使用する以外は、実施例1と同等とした脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
モジュールケースの内径(R)を38mm、長さ(L)を160mmとし、実施例1と同様の気体透過性中空糸膜を充填率35%、膜面積0.49m2となるように、両端をウレタン樹脂で固定し、キャップ内部構造は実施例1と同等のものを使用した脱気用中空糸膜モジュールを用意する。実施例1と同条件で通水した際の、圧力損失、処理水溶存酸素濃度、気泡の抜けについて調べた結果を表1に示す。
2 気体透過性中空糸膜
3 接着剤
4 キャップ
5 液体流入口
6 液体流出口
7 排気口
8 Oリング
9 固定用ネジ穴
10 缶体
11 モジュール設置用架台
12〜15 インク供給チューブ
16〜19 インクタンク
20〜23 脱気用中空糸膜モジュール
24、25 記録ヘッド
26 送液ポンプ
27 真空ポンプ
Claims (5)
- 複数本の気体透過性中空糸膜が円筒状モジュールケースに収納され、該中空糸膜の両端が接着剤により接着固定され、前記円筒状モジュールケースの一方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流入口を有し、他方の端部に前記中空糸膜中空部と連通する液体流出口を有する、該円筒状モジュールケース内径Rに対する該円筒状モジュールケースの長さLの比率(L/R)が2以下である脱気用中空糸膜モジュールであって、前記液体流入口から水温25℃、溶存酸素濃度8mg/Lの水を50ml/分で通水させ、中空糸膜外周部を減圧下に保った場合において、前記液体流出口から流出する水の溶存酸素濃度を1mg/L以下とした時の、前記液体流入口と前記液体流出口間の圧力損失が40mmH 2 O以下である脱気用中空糸膜モジュール。
- 前記円筒状モジュールケースの長さLが150mm以下である、請求項1記載の脱気用中空糸膜モジュール。
- 前記円筒状モジュールケースの側面に排気口を有する、請求項1又は2に記載の脱気用中空糸膜モジュール。
- 前記円筒状モジュールケースの少なくとも一方の端部に、前記液体流入口及び/又は前記液体流出口を有するキャップが接続され、該キャップの内面は、前記液体流入口側及び/又は前記液体流出口側を頂点とするテーパー部分を有し、該テーパー部分の角度が、前記円筒状モジュールケース端部の開口面に対して5〜20度の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の脱気用中空糸膜モジュール。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の脱気用中空糸膜モジュールと、被脱気液体を送液するための送液機構と、液体中の溶存気体を除去するための減圧機構を有する脱気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300486A JP5080781B2 (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006300486A JP5080781B2 (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008114170A JP2008114170A (ja) | 2008-05-22 |
JP5080781B2 true JP5080781B2 (ja) | 2012-11-21 |
Family
ID=39500588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006300486A Active JP5080781B2 (ja) | 2006-11-06 | 2006-11-06 | 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5080781B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012152935A (ja) * | 2011-01-24 | 2012-08-16 | Toshin Kogyo Co Ltd | インクジェット捺染装置 |
JP2015167940A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 三菱レイヨン株式会社 | 脱気用中空糸膜モジュール |
JP2015167939A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 三菱レイヨン株式会社 | 脱気用中空糸膜モジュール |
JP3195924U (ja) * | 2014-11-28 | 2015-02-12 | Dic株式会社 | 中空糸脱気モジュール及びインクジェットプリンタ |
JP2019130511A (ja) * | 2018-02-02 | 2019-08-08 | コニカミノルタ株式会社 | 脱気装置及びインクジェット記録装置 |
CA3113106A1 (en) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | Dic Corporation | Degasification units and methods of liquid degasification |
JP6973665B2 (ja) * | 2018-12-28 | 2021-12-01 | Dic株式会社 | 脱気システム、液体の脱気方法、脱気ユニット、脱気モジュール、脱気システムの製造方法、及び天然資源の産生方法 |
JP7014336B2 (ja) * | 2019-06-28 | 2022-02-01 | Dic株式会社 | 中空糸脱気モジュール、インクジェットプリンタ、及び液体の脱気方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0338221A (ja) * | 1989-07-06 | 1991-02-19 | Dainippon Ink & Chem Inc | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP3112927B2 (ja) * | 1990-11-16 | 2000-11-27 | 三菱レイヨン株式会社 | 浄水器 |
JP3224409B2 (ja) * | 1992-01-08 | 2001-10-29 | 三菱レイヨン株式会社 | 脱気用中空糸膜モジュール |
JPH07184994A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-07-25 | Nikkiso Co Ltd | 中空糸型血液処理装置 |
JPH10298470A (ja) * | 1997-04-30 | 1998-11-10 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | インクの脱気方法及びインク脱気装置 |
-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006300486A patent/JP5080781B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008114170A (ja) | 2008-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5080781B2 (ja) | 脱気用中空糸膜モジュール及び脱気装置 | |
EP1052011B1 (en) | Ink deaerating apparatus, ink deaerating method, and ink cartridge manufacturing method | |
US11352270B2 (en) | Porous membrane for membrane distillation, and method for operating membrane distillation module | |
US6558450B2 (en) | Method for debubbling an ink | |
WO2016104155A1 (ja) | 中空糸脱気モジュール及びインクジェットプリンタ | |
JP2019130526A (ja) | 中空糸脱気モジュール及びインクジェットプリンタ | |
JP3195924U (ja) | 中空糸脱気モジュール及びインクジェットプリンタ | |
JPWO2018003840A1 (ja) | 中空糸脱気モジュール及び当該中空糸脱気モジュールを用いて液体を脱気する方法 | |
JP2010076413A (ja) | 液体供給装置及び液体噴射装置 | |
KR20110011686A (ko) | 탈기용 중공사 모듈의 제조 방법 | |
JPH11209670A (ja) | インクジェットプリンタ用インク並びにインクジェットプリンタ用インク中の溶存ガスの除去方法及びインクジェットプリンタ用インクカートリッジの製造方法 | |
CN114025868B (zh) | 中空纤维脱气组件、喷墨打印机和液体的脱气方法 | |
JPH10298470A (ja) | インクの脱気方法及びインク脱気装置 | |
JP2010076414A (ja) | 液体供給装置及び液体噴射装置 | |
JP2015127024A (ja) | 脱泡モジュール | |
JP7290208B2 (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP2006219592A (ja) | インクジェット記録用インクの脱気方法、脱気モジュールおよび脱気装置 | |
JP2006044004A (ja) | インクタンク及びこれを備えるヘッドカートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091016 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20100803 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120628 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120808 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120823 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120831 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5080781 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |