以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷システムに好適なPODシステムの構成図である。
PODシステム10000は、印刷システム1000、スキャナ102、サーバコンピュータ103(PC103)、及びクライアントコンピュータ104(PC104)を有し、それらはネットワーク101を介して互いに接続されている。また、PODシステム10000は、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、及びくるみ製本機108等を有する。
PC103は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。PC104は、ネットワーク101を介して画像データを印刷システム1000やPC103に送信する。紙折り機107は、印刷システム1000で印刷されたシートの折り処理を行う。くるみ製本機108は、印刷システム1000で印刷されたシートに対するくるみ製本処理を行う。断裁機109は、印刷システム1000で印刷された複数枚のシートからなるシート束毎に、シート束の断裁処理を行う。中綴じ製本機110は、印刷システム1000で印刷されたシート束に対する中綴じ製本処理を行う。
紙折り機107、くるみ製本機108、断裁機109、及び中綴じ製本機110を利用する場合、オペレータ(又はユーザ)は印刷されたシート束を印刷システム1000から取り出し、利用する装置にセットし、その装置によって処理を実行させる。
PODシステム10000が有する複数の装置のうち、中綴じ製本機110以外の装置は、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
次に、印刷システム1000の構成について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、印刷システム1000の内部構成を示すブロック図である。
図2において、印刷システム1000は、印刷装置100と、印刷装置100に接続されたシート処理装置(後処理装置)200とを有する。本実施の形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)である。なお、印刷装置100は、コピー機能のみ、或いはプリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であってもよい。
印刷システム1000に含まれる各ユニットのうち、シート処理装置200以外のユニットは、印刷装置100に含まれる。印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。印刷システム1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理(後処理)を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。なお、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで印刷システム1000を構成することも可能である。
シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するシート処理を実行することができる。スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取って画像データに変換し、他のユニットに転送する。外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置(外部デバイス)との間でデータの送受信を行う。プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。操作部204は、後述するハードキー入力部(キー入力部)402やタッチパネル部401を有し、それらを介してオペレータからの指示を受け付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネルに各種表示を行う。
制御部205は、印刷システム1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。即ち、制御部205は、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させるためのプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、制御部205がPC103やPC104等から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈してラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。
RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データや、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。またRAM208は、シート処理装置200に関する情報を記憶する。シート処理装置200に関する情報には、印刷装置100に接続されたシート処理装置200の台数(0〜n台)と、各シート処理装置200の機能に関する情報、各シート処理装置200の接続順序等が含まれる。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201や外部I/F202から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶するための大容量の記憶装置である。制御部205は、オペレータからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、制御部205は、オペレータからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データを、外部I/F202を介してPC103等の外部装置へ送信することもできる。圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等の各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
図3は、印刷システム1000を構成する印刷装置100と複数のシート処理装置200の内部構造の概略を示す縦断面図である。
図3において、印刷システム1000におけるシート処理装置200は、上流の装置から下流の装置にシート搬送路を介してシートを搬送できるのであれば、任意の種類の装置を任意の台数だけ連結することができる。例えば、図3に示すように、印刷装置100に近い順に、大容量スタッカ200−3a、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3cの順序で連結し、これらを印刷システム1000にてそれぞれ選択的に利用することができる。また、シート処理装置200のそれぞれがシート排出部を備え、オペレータは、シート処理がなされたシートを、それぞれのシート処理装置のシート排出部から取り出すことができる。
自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1ページ目の原稿から順番に分離し、分離した原稿をスキャナ部302で走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。
スキャナ部302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCD(Charge Coupled Device)によって画像データに変換する。ポリゴンミラー等の回転多面鏡303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、現像されたトナー像は転写ドラム305上に貼り付けられたシートに転写される。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。
4回の画像形成プロセスの後に、転写ドラム305上のフルカラー画像が形成されたシートは、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。定着器308は、ローラやベルト、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを熱と圧力によって溶解し、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シートの搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中の時計回りの方向に揺動しているときには、シートは真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。制御部205は、上述した一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
一方、シートの両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中の反時計回りの方向に揺動し、シートは下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313、及び両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シートの搬送方向を規定する。
制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面に画像が形成されたシートを、反転フラッパ311を図中の反時計回りの方向に揺動し、反転ローラ312を介して反転ガイド313へ送り込むように制御する。そして、制御部205は、シート後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中の時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、制御部205は、シートをスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で両面トレイ314へと導くように制御することができる。
両面トレイ314では、シートが一旦積載され、その後、再給紙ローラ315によって再びレジストローラ316へと送り込まれる。このとき、シートは、1面目とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られる。そして、上述したプロセスと同様にして、シートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。その結果、シートの両面に画像が形成され、定着器308、排紙ローラ310を介して印刷装置100内部から機外へとシートを排出させる。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
印刷装置100は、印刷処理に要するシート(用紙)を収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317,318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317,318、給紙デッキ319には、サイズや材質の異なる各種シートを給紙部毎に区別してセットすることができる。手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。給紙カセット317,318、給紙デッキ319、及び手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラが設けられており、給紙ローラによってシートは1枚単位で連続的に給送される。
次に、図3に示すシート処理装置200について説明する。
制御部205は、印刷装置100に接続されたシート処理装置200にて実行可能な各種シート処理の候補から、オペレータが所望する種類のシート処理の実行要求を、操作部204を介して印刷実行要求と共に受け付ける。そして、操作部204を介してオペレータから受け付けたジョブの印刷実行要求に応じて、制御部205は、そのジョブに要する印刷処理をプリンタ部203で実行させる。そして、制御部205は、この印刷処理がなされたシートを、オペレータが所望するシート処理を実行可能なシート処理装置までシート搬送路を介して搬送させ、当該シート処理装置でシート処理を実行させる。
例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成を有する場合、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、大容量スタッカ200−3aによる大量積載処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。このスタッカジョブを図3に示す印刷システム1000にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点を通過させて、大容量スタッカ200−3a内部へ搬送させる。その後、制御部205は、スタッカジョブの積載処理を大容量スタッカ200−3aで実行させる。そして、制御部205は、大容量スタッカ200−3aで積載処理がなされた印刷物を、他の装置(例えば、印刷装置より後段にある装置)へ搬送せずに、大容量スタッカ200−3a内部の排紙先Xに保持させる。
オペレータは、排紙先Xに保持されたスタッカジョブの印刷物を、排紙先Xから直接取り出すことができる。これにより、図3のシート搬送方向、最下流の排紙先Zまでシートを搬送して、排紙先Zからスタッカジョブの印刷物を取り出すといった一連の装置の動作やオペレータの操作が不要になる。
また、印刷システム1000において、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、糊付け製本機200−3bによるシート処理(例えば、くるみ製本処理、天糊製本処理の何れかの糊付け製本処理)を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。この糊付け製本ジョブを印刷システム1000にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点及びB点を介して糊付け製本機200−3b内部へ搬送させる。その後、制御部205は、糊付け製本ジョブの糊付け製本処理を糊付け製本機200−3bで実行させる。そして、制御部205は、糊付け製本機200−3bで糊付け製本処理がなされた印刷物を、他の装置(例えば、印刷装置より後段にある装置)へ搬送せずに、糊付け製本機200−3b内部の排紙先Yに保持させる。
更に、印刷システム1000において、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。中綴じ製本機200−3cによるシート処理には、例えば、中綴じ製本処理、ステイプル処理、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、及び折り処理等がある。本実施の形態では、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを印刷システム1000が処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートをA点、B点及びC点を通過させて中綴じ製本機200−3cに搬送させる。その後、制御部205は、中綴じ製本ジョブのシート処理を中綴じ製本機200−3cで実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200−3cによるシート処理がなされた印刷物を、中綴じ製本機200−3cの排紙先Zに保持させる。
なお、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200−3cが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理毎に排紙先を分ける際に用いられるものである。
次に、印刷装置100に接続可能なシート処理装置200の一例として中綴じ製本機200−3cの内部構造を図4を用いて説明する。
図4は、中綴じ製本機200−3cの内部構造の概略を示す縦断面図である。
中綴じ製本機200−3cは、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理、断裁処理、パンチ処理、折り処理、シフト排紙処理、及び中綴じ製本処理等を選択的に実行する各種ユニットを備える。また、この中綴じ製本機200−3cは、後述するスクエアバック処理を実行可能に構成されている。なお、中綴じ製本機200−3cは、後段の装置へのシート搬送機能の役目を果たすストレートパスを持たない。このため、印刷装置100に複数台のシート処理装置を接続する場合には、図3に示すように、中綴じ製本機200−3cは最後尾に接続される。
フィニッシャ34は、装置外部にサンプルトレイ21、スタックトレイ22を有し、装置内部にスクエアバック形成部23を有する。フィニッシャ34の前段には、Z折り機24が接続されている。制御部205は、Z折りを行うように指示するジョブを実行する場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してZ折り機24によりZ字状に折り処理を実行する。そして、制御部205は、折り処理されたシートを中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ22及びサンプルトレイ21等の排出トレイに排紙するように制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cにてステイプルするように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートを、中綴じ製本機内部の処理トレイ25に順次スタックさせる。そして、一束分のシートが処理トレイ25にスタックされると、制御部205は、ステープラ26にてステイプルを行わせる。その後、制御部205は、このステイプルされたシート束を処理トレイ25からスタックトレイ22へ排出させる。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cにてパンチ処理設定を行うように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してパンチャ27によるパンチ処理を実行させる。そして、制御部205は、パンチ処理されたシートを中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ22及びサンプルトレイ21等の排出トレイに排紙するよう制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cにて中綴じ製本処理を行うように指示するジョブを実行する場合、サドルステッチャ部28で1セット分の複数枚のシートから成るシート束の中央部分(後に二つ折りされる折り位置)に二箇所綴じを行わせる。その後、制御部205は、このシート束の中央部分をローラに噛ませることにより、シートの中央部分を基準とした二つ折りを行わせる。これにより、パンフレットのようなブックレットが作成できる。本実施の形態では、サドルステッチャ部28により実行される、シート束に対する二箇所綴じ及び二つ折りの2つの工程からなる一連のシート処理を中綴じ製本処理と呼ぶ。サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理が施されたシート束は、スクエアバック形成部23に搬送される。
制御部205が、中綴じ製本処理を行うように指示されたジョブであって、中綴じ製本処理が行われたシート束の背の部分に角処理(スクエアバック)を施すように指示されたジョブを処理する場合について説明する。制御部205は、印刷装置100で印刷された印刷物の中綴じ製本処理がサドルステッチャ部28により行われた後に、スクエアバック形成部23で中綴じ製本処理されたシート束の背の部分に角を持たせる処理を実行するよう、印刷システム1000を制御する。その後、この印刷物は、排紙口へ搬送される。
中綴じ製本処理を行うように指示されたジョブに対して、断裁処理を行うように指示を受け付けた場合には、制御部205は、中綴じ製本処理されたシート束を排紙口からトリマ29へ搬送させる。その後、制御部205は、トリマ29に搬送されたシート束をカッタ部30によって断裁させ、このシート束をブックレットホールド部31に保持させる。図4に示す中綴じ製本機200−3cでも、中綴じ製本処理されたシート束の三方断裁(シート束の背部分以外の3つの端部を断裁する処理)が実行できるように構成されている。なお、中綴じ製本機200−3cがトリマ29を持たない場合には、サドルステッチャ部28で製本されたシート束を排紙口から取り出すことができる。
中綴じ製本機200−3cは、インサータ33上のインサートトレイ32にセットされたシート(例えば、予め印刷済みのカバーシート)を印刷装置100から搬送されるシートに添付することもできるように構成されている。
次に、スクエアバック形成部23にて実行されるスクエアバック処理について図5を用いて説明する。このスクエアバック形成部23は、上述のサドルステッチャ部28により中綴じ製本処理が行われた印刷物の背の部分を押し潰すことで当該背の部分を平坦化する(平坦面を形成する)加工手段として機能する。本実施形態では、この機能を利用することで、背の部分が平坦化された中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成可能に構成されている。なお、この平坦面を形成することを、扁平化する(扁平面を形成する)、及び/又は「フラットにする」という表現で置き換えてもよく、これらは同義である。
図5は、スクエアバック処理の概略を示す模式図であり、(a)は中綴じ直後のシート束、(b)はスクエアバック形成部によるスクエアバック処理時のシート束、(c)はスクエアバック処理されたシート束を示す。
図5(a)に示す冊子2101は、印刷装置100により印刷された複数枚のシートからなる1セット分のシート束に相当する。この冊子2101を構成する複数枚のシートは、順次、印刷装置100にて印刷された後、中綴じ製本機200−3cのサドルステッチャ部28へ供給される。そして、1セット分のシート束に必要な全てのシートがサドルステッチャ部28に揃った時点で、このシート束に対して上述の中綴じ製本処理が行われる。そして、この中綴じ製本処理が行われたシート束(即ち、冊子2101)は、そのままサドルステッチャ部28からスクエアバック形成部23へ搬送される。
図5(a)の折り部2102は、冊子2101の背の部分(サドルステッチャ部28で二箇所綴じされた箇所であって、二つ折りされた箇所)に相当する。
スクエアバック形成部23は、図5(b)に示すように、冊子平坦化部材2103と冊子平坦化部材2104を有する。これらの部材は、移動可能な部材であって、冊子2101に対するスクエアバック処理を施すに際して、冊子2101に対して接するように所定の待機位置から移動可能に構成される。また、これらの部材は、スクエアバック処理が済み次第、冊子2101の搬送を妨げない位置(即ち、待機位置)に戻るように構成されている。
上述したように、サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理が施されたシート束(冊子2101)は、図5(a)に示すように、折り部2102を先頭にしてスクエアバック形成部23へ搬送される。その後、図5(b)に示すように、冊子2101は、冊子平坦化部材2103により両面から挟まれる。次に、冊子2101は、冊子平坦化部材2104によって折り部2102が押し潰されて平坦化される。このように、冊子2101は、冊子平坦化部材2103,2104による処理を経て、図5(c)に示すように、折り部先端に平坦面2105が形成される。
サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理されたシート束の膨らみを抑えるように、冊子平坦化部材2103,2104を用いてシート束の背の部分を平らにする(平坦面を形成する)一連のシート処理を、本実施形態ではスクエアバック処理と呼ぶ。また、このスクエアバック処理は角処理又はスクエアホールド処理とも呼ばれる。
スクエアバック処理が済んだ冊子2101は、シート搬送方向下流側に位置する中綴じ製本機内のカッタ部30を介して、ブックレットホールド部31へ出力される。
中綴じ製本処理を要する中綴じ製本ジョブでも、上述のように、スクエアバック処理を要する中綴じ製本ジョブと、スクエアバック処理が不要な中綴じ製本ジョブの2種類に大別される。どちらの中綴じ製本ジョブの印刷物であっても、同じ搬送経路を介して、ブックレットホールド部31へ出力することができる。
例えば、スクエアバック処理が不要な中綴じ製本ジョブの印刷物であっても、スクエアバック形成部23を介してブックレットホールド部31へ出力される。この際、制御部205は、スクエアバック形成部23によるスクエアバック処理の実行は禁止するように、冊子平坦化部材2103,2104の作動はロックする。そして、これらの部材は待機位置に待機させたままの状態で、中綴じ製本ジョブの印刷物をそのまま通過させる。
次に、操作部204の構成を図6を用いて説明する。
操作部204は、タッチパネル部401と、キー入力部402とを備える。タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極とから成り、オペレータから指示を受け付けるための各種設定画面を表示する。タッチパネル部401は、各種画面を表示する機能とオペレータからの指示を受け付ける指示入力機能とを兼ね備える。キー入力部402は、電源キー501やスタートキー503、ストップキー502やユーザモードキー505、テンキー506を備える。スタートキー503は、コピージョブや送信ジョブの処理を印刷装置100に開始させる場合に用いられる。テンキー506は、印刷部数等の数値入力の設定を行う場合に用いられる。
制御部205は、タッチパネル部401に表示される各種画面を介して受け付けた指示やキー入力部402を介して受け付けた指示に基いた各種処理を行うように印刷システム1000を制御する。
図7は、印刷装置100により印刷されたシートに対して実行すべきシート処理の種類をオペレータに選択させるための設定画面の一例を示す図である。
制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の図6に示すシート処理設定キー609がオペレータにより押されると、図7に示す設定画面700をタッチパネル部401に表示させる。この図7に示す設定画面700は、印刷システム1000に含まれるシート処理装置200を用いて実行可能なシート処理の種類をオペレータが選択できるように構成された設定画面である。制御部205は、図7に示す画面を介して、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の設定をオペレータから受け付け、その設定に従ったシート処理をシート処理装置200で実行させる。
次に、中綴じ製本処理とその際に実行する中綴じ製本用の印刷処理の一例として、8ページの中綴じ製本ジョブを処理する場合について説明する。
図8は、中綴じ製本処理とその際に実行する中綴じ製本用の印刷処理の流れを示す図であり、(a)は8ページ分の画像データ、(b)は画像データの画像位置、(c)は画像が形成されたシートの搬送方向、(d)はシート束の中綴じ動作を示す。
設定画面700上で中綴じ製本モードが設定されると、図8(a)に示すように、8ページ分の画像データR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8に対しての画像形成順序及び画像位置が決定される。これにより、図8(b)に示すように、1ページ目(シートP1)の第1面(表面)の左半分には画像データR4の画像、右半分には画像データR5の画像が形成される。また、シートP1の第2面(裏面)の左半分には画像データR6の画像、右半分には画像データR3の画像が形成される。
両面に画像が形成されたシートP1は、図8(c)に示すように、画像データR6の画像及び画像データR3が形成されている第2面を上向き、且つ画像データR6の画像を先頭にして、図8(c)中の矢印方向に搬送される。その後、上述した処理に続いて2ページ目の処置が行われる。図8(b)に示すように、2ページ目(シートP2)の第1面(表面)には、その左半分に画像データR2の画像、右半分に画像データR7の画像が形成される。
画像が形成されたシートP1,P2は、図8(d)に示すように、シート束に対してサドルステッチャ部28の突き出し部材が突き出される。これにより、シート束が折りローラに向けて押し出される。折りローラ側に押し出されたシート束は、折りローラにより中央部(画像面の画像境界部分)で折り畳まれ、スクエアバック形成部23に排出される。
このようにして、折り畳まれたシート束は、図9(a)及び図9(b)に示すような印刷物として形成される。図9(a)は、スクエアバック無しで中綴じ製本処理された印刷物を開いた状態を示す図であり、図9(b)は閉じた状態での折り面及びサドルステッチを示した図である。図9(b)の断裁面は、トリマ29によってシート束を断裁する場合の断裁位置を示している。
本実施形態の印刷システム1000は、プリンタ部203と、プリンタ部203により印刷処理が行われたシート束の中綴じ製本処理が実行可能な図4のサドルステッチャ部28を有する。また、このサドルステッチャ部28により中綴じ製本処理が行われたシート束の背の部分に平坦面を形成するスクエアバック処理を実行可能な図4のスクエアバック形成部23も有する。これらのユニットは、それぞれ、印刷手段、中綴じ製本手段、加工手段として機能する。
そして、本実施形態の印刷システム1000は、これらのユニットを用いて、該スクエアバック処理が行われた中綴じ製本印刷物を作成可能に構成されている。この印刷物は、背の部分に平坦面が形成された中綴じ製本印刷物である。本実施形態では、この中綴じ製本印刷物を第1タイプの中綴じ製本印刷物とし、この印刷物を作成するためのジョブを第1タイプのジョブとする。そして、この第1タイプのジョブに要する処理を印刷システム1000で実行できるように制御部205が制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、上述のプリンタ部203やサドルステッチャ部28を用いて、スクエアバック処理が施されていない中綴じ製本印刷物も作成可能に構成されている。このスクエアバック処理が施されていない中綴じ製本印刷物は、背の部分に平坦面が形成されていない中綴じ製本印刷物である。本実施形態では、この中綴じ製本印刷物を第2タイプの中綴じ製本印刷物とし、この印刷物を作成するためのジョブを第2タイプのジョブとする。そして、この第2タイプのジョブに要する処理も印刷システム1000で実行できるように制御部205が制御する。
本実施の形態では、制御部205が、印刷システム1000にて処理すべきジョブのためにオペレータからの要求に基づき上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成させるジョブ制御手段として機能する。なおかつ、制御部205は、印刷システム1000にて処理すべきジョブのためにオペレータからの要求に基づき上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物も印刷システム1000により作成可能に制御する。そして、本実施の形態では、制御部205がジョブ制御手段として機能するのみならず、制御手段としても機能する。
例えば、制御部205は、印刷システム1000で処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数及び/又は種類に応じて、上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否を制御している。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、後述する各種構成を備えている。そして、本実施形態の印刷システム1000は、以下に示す〔制御1〕〜〔制御8〕を制御部205が実行できるように構成されている。
〔制御1〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される所定の枚数よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、所定の枚数よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを禁止する。上述した所定の枚数として、第2タイプのジョブ(スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブに相当)のためには許容せずに第1タイプのジョブ(スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブに相当)のために許容する枚数が適用される。例えば、この所定の枚数の具体的数値として16枚が適用されるように構成されている。そして、制御部205が、印刷装置100内のメモリ(HDD209等)に予め登録されている図21に示す管理テーブル2100に記述されている〔ルール2〕及び/又は〔ルール3〕に基づいて機能することで、この〔制御1〕が実行される。そして、例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり16枚未満の枚数(即ち、15枚を含む、15枚以下の枚数)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり16枚以上の枚数(16枚含む)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御1〕の他にも以下に示す〔制御2〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御2〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される所定の枚数よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、所定の枚数よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを禁止する。上述した所定の枚数は、第1タイプのジョブ(スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブに相当)のためには許容せずに第2タイプのジョブ(スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブに相当)のために許容する枚数であり、制御部205による制御に利用される。本実施形態の印刷システム1000は、この所定の枚数の具体的数値として4枚が適用されるように構成されている。そして、制御部205が管理テーブル2100に記述されている〔ルール1〕及び/又は〔ルール2〕に基づいて機能することで、この〔制御2〕が実行される。そして、例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり4枚よりも多い枚数(即ち、5枚以上)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚未満の枚数(1枚〜4枚の何れか)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御2〕の他にも以下に示す〔制御3〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御3〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される所定の枚数(上述の例では16枚)よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。本例では、所定の枚数よりも少ない枚数として、15枚以下の枚数がこれに含まれる。そして、前述のジョブに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上記所定の枚数よりも多い枚数(本例では、16枚〜20枚の何れか)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。本実施の形態では、制御部205が、管理テーブル2100に記述されている〔ルール2〕及び/又は〔ルール3〕に基づいて機能することで、この〔制御3〕が実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり16枚よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり15枚よりも多い枚数(本例では、16枚〜20枚の何れか)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御3〕の他にも以下に示す〔制御4〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御4〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される上述の所定の枚数よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。本例では、所定の枚数よりも多い枚数は、5枚〜20枚の何れかの枚数である。そして、前述のジョブに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記所定の枚数よりも少ない枚数(本例では、4枚〜1枚の何れかの枚数)のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。本実施の形態では、制御部205が、管理テーブル2100に記述されている〔ルール1〕及び/又は〔ルール2〕に基づいて機能することで、この〔制御4〕が実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御4〕の他にも以下に示す〔制御5〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御5〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1の枚数よりも多く且つ第2の枚数(第2の枚数は第1の枚数よりも多い)より少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000で作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、第2の枚数よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。本実施形態では、上記第1の枚数として、少なくとも第2タイプのジョブにて許容される枚数が適用される。上記第2の枚数としては、少なくとも第1タイプのジョブにて許容される枚数が適用される。そして、この〔制御5〕も、管理テーブル2100に記述されている〔ルール2〕〜〔ルール4〕の少なくとも何れか基づいて制御部205が機能することで、実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり15枚以下のシート(例えば、10枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり15枚よりも多い枚数のシート(例えば、30枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御5〕の他にも以下に示す〔制御6〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御6〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、上述の第1の枚数よりも多く且つ上述の第2の枚数よりは少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第1の枚数よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。本実施の形態では、この〔制御6〕も、管理テーブル2100に記述されている〔ルール1〕〜〔ルール4〕の少なくとも何れか基づいて制御部205が機能することで、実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚以上の枚数のシート(例えば、10枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚未満の枚数のシート(例えば、2枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを禁止する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御6〕の他にも以下に示す〔制御7〕が制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御7〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、前述の第1の枚数よりも多く且つ前述の第2の枚数よりは少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上記第2の枚数よりも多い枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。本実施の形態では、この〔制御7〕も、管理テーブル2100に記述されている〔ルール1〕〜〔ルール4〕の少なくとも何れか基づいて制御部205が機能することで、実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚以上で且つ15枚以下の枚数のシート(例えば、10枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり16枚以上で且つ20枚以下の枚数のシート(例えば、18枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は該ジョブのために、第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、この〔制御7〕の他にも以下に示す〔制御8〕も制御部205により実行できるように構成されている。
〔制御8〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、上記第1の枚数よりも多く且つ上記第2の枚数よりは少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために該第1の枚数よりも少ない枚数のシートを要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。本実施の形態では、この〔制御8〕も、管理テーブル2100に記述されている〔ルール1〕〜〔ルール4〕の少なくとも何れか基づいて制御部205が機能することで、実行される。例えば、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚以上で且つ20枚以下の枚数のシート(例えば、18枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成することを許可する。一方、中綴じ製本対象のジョブが、1セット分の印刷処理をプリンタ部203で行うにあたり5枚未満の枚数のシート(例えば、4枚のシート)を要するジョブであるとする。これに該当する判断を下した場合、制御部205は該ジョブのために、第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように印刷システム1000を制御する。
印刷システム1000は、少なくとも、印刷システム1000で処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数に応じて、第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否を制御可能に構成されている。
上述した〔制御2〕、〔制御4〕、〔制御6〕、及び〔制御8〕は、主に、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を規制する制御であり、本実施形態では、これを第1の制御と呼ぶ。一方、上述の〔制御1〕、〔制御3〕、〔制御5〕、及び〔制御7〕は、主に第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を規制する制御であり、本実施形態では、これを第2の制御と呼ぶ。本実施形態の印刷システム1000は、処理対象となる1つのジョブに対してこれら2種類の制御が実行され、ジョブ毎にこれらの制御が実行されるように構成される。
管理テーブル2100は、少なくとも、印刷システム1000で処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数に応じて上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否を制御可能に構成される。この管理テーブル2100には、スクエアバック処理の実行可否に関するルール情報が4つ記述されている。また、管理テーブル2100における変数Z(Z:正の整数)は、処理対象となるジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシート(用紙)の合計枚数であり、後述する各フローチャートでも利用される。そして、制御部205によって、このルール情報がメモリから適宜読み出されて、このルールに従った制御が実行される。
制御部205は、図21の管理テーブル2100における〔ルール1〕に基づいた制御を行う。即ち、処理対象となるジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシート(用紙)の枚数が5枚未満(Z<5)であるとする。この判断を下した場合(ケース1)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物(第1タイプの中綴じ製本印刷物)の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース1の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物(第2タイプの中綴じ製本印刷物)を作成することは許可する。
また、制御部205は、図21の管理テーブル2100における〔ルール2〕に基づいた制御も行う。即ち、処理対象となるジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシート(用紙)の枚数が5枚以上で且つ15枚以下(5≦Z≦15)であるとする。この判断を下した場合(ケース2)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成を許可する。また、このケース2の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物を作成することも許可する。
また、制御部205は、図21の管理テーブル2100における〔ルール3〕に基づいた制御も行う。即ち、処理対象となるジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシート(用紙)の枚数が15枚よりも多く且つ20枚以下(15<Z≦20)であるとする。この判断を下した場合(ケース3)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース3の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物を作成することは許可する。
また、制御部205は、図21の管理テーブル2100における〔ルール4〕に基づいた制御も行う。即ち、処理対象となるジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシート(用紙)の枚数が20枚よりも多い(20<Z)であるとする。この判断を下した場合(ケース4)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。且つ、このケース4の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成も禁止できるように制御する。
図21の管理テーブル2100では、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を許可する1冊あたりの最小許容枚数(下限値)と最大許容枚数(上限値)はそれぞれ5枚と20枚である。一方、管理テーブル2100において、第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を許可する1冊あたりの最小許容枚数(下限値)と最大許容枚数(上限値)はそれぞれ1枚と15枚である。これらの具体的数値は例示的なものである。しかし、第1タイプの中綴じ製本印刷物の最小許容枚数は第2タイプの中綴じ製本印刷物の最小許容枚数よりも多い値とする。一方、第2タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数は第1タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数よりも小さい値とする。このような大小関係が維持できるように構成することが望ましい。
本実施形態の印刷システム1000は、シートの枚数のみならずシートの種類(メディアタイプ)も考慮して、第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否も制御可能に構成されている。この場合、図22に示す管理テーブル2200に記述されたルール情報を制御部205が読み出して該ルール情報に基づいた制御が実行される。この管理テーブル2200は、印刷装置100による印刷に利用可能な性質(厚さや坪量や光沢度)の異なる複数種類のシートの選択候補毎に、上述のスクエアバック処理の実行可否に関するルールを区別して管理したものである。
図22の管理テーブル2200では、普通紙と再生紙といった同一属性のシートを第1のメディアタイプのシートとし、この第1のメディアタイプのシートに対応したルールが4つ存在する。そして、この第1のメディアタイプのシートよりも厚みのある厚紙を第2のメディアタイプのシートとし、この第2のメディアタイプのシートに対応したルールも4つ存在する。このように、管理テーブル2200には、メディアタイプ毎にスクエアバック処理に関するルールが定義されている。そして、制御部205によって、ルール情報がメモリから適宜読み出されて、ルール情報に従った制御が実行される。
制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール1−1〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第1のメディアタイプのシートを5枚未満の枚数(Z<5)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース1−1)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物(第1タイプの中綴じ製本印刷物)の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース1−1の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物(第2タイプの中綴じ製本印刷物)を作成することは許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール1−2〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第1のメディアタイプのシートを5枚以上で且つ15枚以下の枚数(5≦Z≦15)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース1−2)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成を許可する。また、このケース1−2の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物を作成することも許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール1−3〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第1のメディアタイプのシートを15枚よりも多く且つ20枚以下の枚数(15<Z≦20)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース1−3)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース1−3の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物を作成することは許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール1−4〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第1のメディアタイプのシートを20枚よりも多い(20<Z)枚数を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース1−4)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。且つ、このケース1−4の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成も禁止できるように制御する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール2−1〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第2のメディアタイプのシートを3枚未満の枚数(Z<3)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース2−1)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物(第1タイプの中綴じ製本印刷物)の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース2−1の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物(第2タイプの中綴じ製本印刷物)を作成することは許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール2−2〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第2のメディアタイプのシートを3枚以上で且つ12枚以下の枚数(5≦Z≦15)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース2−2)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成を許可する。また、このケース2−2の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物を作成することも許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール2−3〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第2のメディアタイプのシートを12枚よりも多く且つ18枚以下の枚数(12<Z≦18)を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース2−3)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。但し、このケース2−3の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物を作成することは許可する。
次に、制御部205が図22の管理テーブル2200における〔ルール2−4〕に基づいた制御を行った場合の動作について説明する。処理対象となるジョブが、1セット分の印刷物の作成に第2のメディアタイプのシートを18枚よりも多い(18<Z)枚数を要するジョブであるとする。この判断を下した場合(ケース2−4)、制御部205は、そのジョブにてスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を禁止できるように制御する。且つ、このケース2−4の場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成も禁止できるように制御する。
なお、図22の管理テーブル2200では、メディアタイプ毎の第1タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数、及び、第2タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数の具体的な数値も例示的なものである。しかし、図21と同様に、これらの大小関係は維持できるように構成することが望ましい。例えば、図22の管理テーブル2200では、印刷装置100による印刷に第1のメディアタイプのシートを利用する場合における第1タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数はそれぞれ5枚と20枚である。一方、第2のメディアタイプのシートを利用する場合における第1タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数はそれぞれ3枚と18枚である。このように、印刷装置100による印刷に第2のメディアタイプのシートを利用する場合における第1タイプの中綴じ製本印刷物の最小許容枚数と最大許容枚数は、第1のメディアタイプのシートを印刷に利用するケースよりも少ない値とする。
同様に、図22の管理テーブル2200では、印刷装置100による印刷に第1のメディアタイプのシートを利用する場合における第2タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数はそれぞれ1枚と15枚である。これに対して、第2のメディアタイプのシートを利用する場合における第2タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数と最大許容枚数はそれぞれ1枚と12枚である。このように、印刷装置100による印刷に第2のメディアタイプのシートを利用する場合における第2タイプの中綴じ製本印刷物の最小許容枚数と最大許容枚数に関しても、第1のメディアタイプのシートを印刷に利用するケースよりも少ない値とする。このようなルールに基づいた構成であることが望ましい。
以上のように、印刷物の作成に利用するメディアの厚みも考慮したきめ細やかな制御が実現できる構成を提供することで、本実施形態の効果が更に向上可能となる。
また、本実施の形態では、制御部205は、上述の〔制御1〕〜〔制御8〕のみならず、以下に示す〔制御9〕〜〔制御16〕の制御も実行可能である。
〔制御9〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される上記第1の所定枚数よりも少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために該第1の所定枚数よりも多い枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚以上の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
また、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第1のメディアタイプのシートよりも1枚あたりの厚さが大きく、且つ異なる種類の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。そして、該ジョブが、この第2のメディアタイプのシートを第1の所定枚数よりも少ない第2の所定枚数よりも少ない枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために該第2の所定枚数よりも多い枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚以上の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
〔制御10〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される第1の所定枚数よりも多い枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ20枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、該第1の所定枚数よりも少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
また、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、この第1の所定枚数よりも少ない第2の所定枚数よりは多い枚数の上述の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ18枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、この第2の所定枚数よりも少ない枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
〔制御11〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される第1の所定枚数よりも少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために該第1の所定枚数よりも多い枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚以上で且つ20枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物は作成しないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該ジョブにて第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成可能に印刷システム1000を制御する。
また、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、第2のメディアタイプのシートを、この第1の所定枚数よりも少ない第2の所定枚数よりも少ない枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために該第2の所定枚数よりも多い枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚以上で且つ18枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物は作成しないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成可能に印刷システム1000を制御する。
〔制御12〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために上述の第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成において許容される第1の所定枚数よりも多い枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ20枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、この第1の所定枚数よりも少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成可能に印刷システム1000を制御する。
また、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第1の所定枚数よりも少ない第2の所定枚数よりは多い枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ18枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、この第2の所定枚数よりも少ない枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成しないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成可能に印刷システム1000を制御する。
〔制御13〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1の枚数よりは多く且つこの第1の枚数よりも多い第2の枚数よりは少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ15枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第2の枚数よりも多い枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚以上の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第1の枚数よりも少ない第3の枚数より多く且つ上記第2の枚数よりも少ない第4の枚数よりは少ない枚数分、第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ12枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いた第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第4の枚数よりも多い枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚以上の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いた第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する。
〔制御14〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1の枚数よりは多く且つこの第1の枚数よりも多い第2の枚数よりは少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ20枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、第1の枚数よりも少ない枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する。
印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、第1の枚数よりも少ない第3の枚数よりは多く且つ第2の枚数よりも少ない第4の枚数よりは少ない枚数分、上述の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ18枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いた第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を許可する。
一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、この第3の枚数よりも少ない枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、該ジョブにて第2のメディアタイプのシートを用いた第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する。
〔制御15〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1の枚数よりは多く且つ、この第1の枚数よりも多い第2の枚数よりは少ない枚数の上述の第1のメディアタイプのシートを要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ15枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために該第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように制御する。一方、処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1のメディアタイプのシートをこの第2の枚数よりも多い枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に16枚以上で且つ20枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物は作成されないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。
印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第2のメディアタイプのシートを第1の枚数よりも少ない第3の枚数より多く且つ第2の枚数よりも少ない第4の枚数よりは少ない枚数分を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ12枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために該第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように制御する。一方、印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第2のメディアタイプのシートを上記第4の枚数よりも多い枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に13枚以上で且つ18枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物は作成されないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。
〔制御16〕 印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上述の第1のメディアタイプのシートを、第1の枚数よりは多く且つこの第1の枚数よりも多い第2の枚数よりは少ない枚数分を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚以上で且つ15枚以下の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために該第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように制御する。一方、処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第1のメディアタイプのシートをこの第1の枚数よりも少ない枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に5枚未満の枚数の第1のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第1のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物は作成されないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該第1のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。
印刷システム1000で処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために、上記第2のメディアタイプのシートを第1の枚数よりも少ない第3の枚数より多く且つ第2の枚数よりも少ない第4の枚数よりは少ない枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚以上で且つ12枚以下の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために該第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成できるように制御する。一方、処理すべきジョブが、1セット分の印刷物を作成するために第2のメディアタイプのシートをこの第3の枚数よりも少ない枚数を要するジョブであるとする。図22で説明すると、1セット分の印刷物の作成に3枚未満の枚数の第2のメディアタイプのシートを要するジョブが当該ケースに含まれる。このケースに該当する判断を下した場合、制御部205は、そのジョブのために第2のメディアタイプのシートを用いて第1タイプの中綴じ製本印刷物は作成されないように制御する。但し、このケースの場合、制御部205は、該第2のメディアタイプのシートを用いて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成できるように印刷システム1000を制御する。
以上のように印刷システム1000は、処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数のみならず、シートの種類に基づいて、第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否を制御可能に構成されている。
上述した〔制御10〕、〔制御12〕、〔制御14〕、及び〔制御16〕は、主に、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を規制する制御であり、上述の第1の制御の発展形に対応する。一方、上述の〔制御9〕、〔制御11〕、〔制御13〕、及び〔制御15〕は、主に第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を規制する制御であり、上述の第2の制御の発展形に対応する。本実施の形態では、処理対象となる1つのジョブに対してこれら2種類の制御が実行され、ジョブ毎にこれらの制御が実行されるように構成される。
また、〔制御1〕〜〔制御16〕のように、制御部205は、処理対象のジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数及び/又は種類に基づいて第1タイプの中綴じ製本印刷物又は第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成されないように制御している。この制御に相当する構成として、本実施形態では、警告メッセージを含んだ表示画面及び/又は処理条件の設定変更をオペレータから受付可能にした表示画面をユーザインタフェース(以下、単に「UI」という。)に表示するよう制御部205により制御する。また、この制御に相当する他の構成として本実施形態では、図4のスクエアバック形成部23が当該ジョブのためにスクエアバック処理を行うことをキャンセルするよう制御部205により制御する。また、この制御に相当する他の構成として本実施形態では、図4のサドルステッチャが当該ジョブのために中綴じ製本処理を行うことをキャンセルするよう制御部205により制御する。また、この制御に相当する他の構成として本実施形態では、プリンタ部203が当該ジョブのために印刷処理を行うことをキャンセルするよう制御部205により制御する。なお、制御部205は、これらの制御は全て行ってもよいし、何れか1つ行ってもよい。また、制御部205による当該ジョブに対するキャンセル処理は、UIを介してオペレータによりキャンセルの指示が入力されたことを条件に実行される。後述する説明ではこの構成を例示しているが、これ以外でもよい。例えば、制御部205が上述の各種判断を行った結果に基づき、オペレータから指示の入力が無くても、キャンセル処理を自動的に行うように構成してもよい。
また、本実施形態の印刷システム1000は以下のような構成も具備している。
本実施形態の印刷システム1000で処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に必要なシートの枚数が、上述のスクエアバック処理有りの中綴じ製本印刷物を作成する際の1冊当たりの最大許容枚数を越えるとする。このケースに該当する判断を下した場合でも、制御部205は、処理対象のジョブの処理をキャンセルせず、1セット分の中綴じ製本印刷物に相当するスクエアバック処理された分冊用の複数中綴じ製本印刷物を複数冊子作成できるように制御する。ここで処理対象のジョブの処理は、例えばスクエアバック処理である。
そして、スクエアバック有りの中綴じ製本処理の実行要求としてオペレータにより行われたジョブを処理するにあたり、該ジョブが1セット分の印刷処理に合計24枚のシートを要するジョブであるとする。この場合、制御部205は、図21の管理テーブル2100と対比した結果、スクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の1冊分に対応する許容枚数の範囲外であると判断する。図21の管理テーブル2100において、スクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の1冊分に対応する許容枚数は、最小許容枚数が5枚で、最大許容枚数が20枚である。
制御部205は、許容枚数の範囲外であるという判断に基づき合計24枚の1セット分の中綴じ製本印刷物に対応する成果物として、1束が12枚のシートで構成される分冊用の第1タイプの中綴じ製本印刷物を2個作成するよう印刷システム1000を制御する。なお、分冊処理が行われる場合、各冊子にてページ順序が連続するように分冊用の製本レイアウト(面つけ)処理が行われる。また、分冊処理が行われるにあたり、制御部205は、1冊分のスクエアバック処理の許容枚数の範囲内に収まるように分冊用の冊子の数を決定する。例えば、図21の管理テーブル2100では、1束が5枚未満の中綴じ製本印刷物の作成にてスクエアバック処理を禁止するように規定されている。そこで、この分冊処理を行う場合、制御部205は、1つの分冊束が5枚未満となるような分冊製本処理を禁止するように制御する。このような、第1タイプの中綴じ製本印刷物の分冊製本を作成する動作モードへの変更可否を後述の図13に示す画面が表示されたUIを介してオペレータが選択可能に構成してもよいし、自動的に制御部205が決定可能に構成してもよい。また、本実施形態の印刷システム1000は、このような制御に加えて以下の制御も実行可能に構成されている。
本実施形態の印刷システム1000で処理すべき処理すべきジョブの1セット分の印刷物の作成に必要なシートの枚数が、スクエアバック処理無しの中綴じ製本印刷物を作成する際の1冊当たりの最大許容枚数を越えているとする。このケースに該当する判断を下した場合でも、制御部205は、該ジョブの処理(印刷処理や中綴じ製本処理)をキャンセルせず、1セット分の中綴じ製本印刷物に相当するスクエアバック処理された分冊用の中綴じ製本印刷物を複数冊子作成できるように制御する。例えば、スクエアバック無しの中綴じ製本処理の実行要求としてオペレータにより行われたジョブを処理するにあたり、該ジョブが1セット分の印刷処理に20枚のシートを要するジョブであるとする。この場合、制御部205は、スクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の1冊分に対応する許容枚数の範囲外であると判断する。図21の管理テーブル2100において、スクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の1冊分に対応する許容枚数は、最小許容枚数が1枚で、最大許容枚数が15枚である。
制御部205は、許容枚数の範囲外であるという判断に基づき合計20枚の1セット分の中綴じ製本印刷物に対応する成果物として、1束が10枚のシートで構成される分冊用の第1タイプの中綴じ製本印刷物を2個作成するよう印刷システム1000を制御する。分冊処理が行われる場合、各冊子にてページ順序が連続するように分冊用の製本レイアウト(面つけ)処理が行われる。また、分冊処理が行われるにあたり、制御部205は、1冊分のスクエアバック処理の許容枚数の範囲内に収まるように分冊用の冊子の数が決定する。なお、このような動作モードへの変更可否を後述の図19に示す画面が表示されたUIを介してオペレータが選択可能に構成してもよいし、自動的に制御部205が決定可能に構成してもよい。
以下の説明では、制御部205が、上述の第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成要求を、印刷装置100のUIを介してオペレータから受け付ける構成を例示する。また、制御部205が印刷装置100に具備される構成を例示する。しかしながら、例示したシステム構成以外でもよい。例えば、第1タイプの中綴じ製本印刷物及び/又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成要求を、印刷装置100とネットワーク経由でデータ通信可能な外部装置(例えば、PC103や104)のUIを介してオペレータから制御部205が受け付ける構成でもよい。また、制御部205により実行される各種制御を、制御部205に代えて、印刷装置100とネットワーク経由でデータ通信可能な外部装置(例えばPC103や104)に具備される不図示の制御部により行わせる構成でもよい。
次に、本実施形態の印刷システム1000が具備する各種構成のうち、上述した第1の制御と第2の制御の適用例について説明する。以下の説明では、図21の管理テーブル2100に基づいた制御を制御部205により実行される構成例を示す。しかしながら、図22の管理テーブル2200に基づいた制御であっても以下に示す構成と同等の構成で実現可能であることは言うまでも無い。
まず、上述の第2の制御によって実現される、第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を制限することの必要性について説明する。そのために、スクエアバック処理を行った場合と行わなかった場合の違いに関して図10を用いて説明する。
図10(a)は1セット分のシートの枚数が少ない中綴じ製本印刷物の外観図であり、図10(b)は1セット分のシートの枚数が多い中綴じ製本印刷物の外観図である。なお、図示の中綴じ製本印刷物はスクエアバック処理が施されていない印刷物である。図10(a)と図10(b)を比較しても分るように、シートの枚数が多い場合は、中綴じ製本されたシート束の背の部分から反対側のシート(用紙)の先端(小口部)に向かって円弧上に用紙が膨らんだ状態になる。
これに対して、図10(c)はスクエアバック処理が施されていない中綴じ製本印刷物(第2タイプの中綴じ製本印刷物)の断面図であり、図10(d)はスクエアバック処理が施された中綴じ製本印刷物(第1タイプの中綴じ製本印刷物)の断面図である。図10(c)と図10(d)を比較しても分るように、スクエアバック施されていない印刷物は点線で囲まれた部分が盛り上がった状態になるが、スクエアバック処理が施されたものは点線で囲まれた部分が盛り上がらず、背の部分が平らになる。1セット分の中綴じ製本印刷物の作成に利用されるシートの枚数が極端に多い場合、第2タイプの印刷物の作成を不用意に許容してしまうと、背の部分が極端に盛り上がった体裁及び/又は積載性が良くない中綴じ製本印刷物が不用意に作成される問題が発生しうる。換言すると、処理対象となる中綴じ製本印刷物の用紙枚数や種類(1冊分の厚さ)如何により、スクエアバック処理を施した方が印刷物の外観(体裁)及び積載性が良くなるというメリットがある。そこで、本実施形態では、上述の第2の制御によって、当該トラブルの発生を抑制できるように構成されている。これを踏まえて、この第2の制御の適用例を以下に説明する。
特に、この適用例では、スクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の作成を制限して、スクエアバック有りの中綴じ製本印刷物のメリットを活かした制御が行われる。これに関し図11などを用いて説明する。なお、本実施形態では、制御部205が、以下に例示する各種のトリガーに応答して、以下に説明する各種の画面を操作部204のタッチパネル部401に表示させるよう制御している。
図11は、オペレータによる中綴じ製本モードキー705の押下に応答して制御部205がタッチパネル部401に表示させる中綴じ製本ジョブの設定画面の一例を示す図である。
本実施形態の印刷システム1000は、図11に示す設定画面1100を介して、中綴じ製本するか否かの設定や分割製本設定、断裁設定、中綴じ位置の調整などの設定をオペレータが行うことができるように構成されている。また、この設定画面1100には、処理対象となる中綴じ製本ジョブのためにスクエアバック処理を実行させるか否かをオペレータが指示するための「スクエアバックを行う」ボタン1101が表示されるように構成されている。そして、オペレータが中綴じ製本印刷物の作成に必要な各種設定を行った上でスタートキー503を押下することで、中綴じ製本ジョブの実行指示を制御部205が受け付ける。そして、制御部205は、このオペレータからの中綴じ製本ジョブの実行指示に従ってこの中綴じ製本ジョブの処理を実行するよう印刷システム1000を制御する。
なお、本実施形態では、オペレータが設定画面1100の「中とじする」ボタン1102を押下することで中綴じ製本印刷処理の実行指示を入力することができる。且つ、設定画面1100の「スクエアバックを行う」ボタン1101を押下することで、中綴じ製本ジョブにてスクエアバック処理の実行する指示を入力することができる。処理対象のジョブの印刷処理条件の設定において、これら2つの指示がオペレータから入力されたことを条件に、当該ジョブは中綴じ製本ジョブであり且つスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブであると制御部205により判断される。これにより、制御部205は、該ジョブにて、二箇所綴じ且つ二つ折りされた背の部分に平坦面が形成されるようにスクエアバック処理が行われた第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成させる。
一方、オペレータが設定画面1100の「中とじする」ボタン1102を押下して中綴じ製本印刷処理の実行指示を入力したが、「スクエアバックを行う」ボタン1101によりスクエアバック処理の実行指示を入力せずに、スタートキー503を押下したとする。この場合、制御部205は、当該ジョブは中綴じ製本ジョブであり且つスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブであると判断する。これにより、制御部205は、該ジョブにて、二箇所綴じ且つ二つ折りされた背の部分に平坦面が形成されていないスクエアバック無しの第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成させる。
上述した中綴じ製本印刷物を作成するために必要な一連の処理を図14を用いて説明する。
図14は、中綴じ製本処理を含む印刷処理のフローチャートである。本処理は、制御部205が所定のプログラムをメモリから読み出して実行することにより実現される処理である。
まず、制御部205は、処理対象となるジョブが中綴じ製本ジョブかどうかを中綴じ製本モードキー705の押下状況等に基づいて判断する(S1401)。中綴じ製本ジョブではない場合(前述のスタッカジョブや糊付け製本ジョブなどの場合)は、そのジョブにて必要な印刷処理やシート処理をS1409にて実行させる。一方、中綴じ製本ジョブの場合は、制御部205は、設定画面1100を表示させ、各種の設定をオペレータから受け付ける(S1402)。当該設定が完了し(図11に示す「OK」ボタン1103が押下された時点で)、スタートキー503が押下された場合、制御部205は当該ジョブの開始指示を受け付けたものと判断する。これにより、S1403にて当該ジョブの印刷データの全ページがHDD209に記憶される。
次に、制御部205は、S1402で受け付けた設定内容に基づいて、HDD209に記憶させた当該ジョブの印刷データの製本レイアウト(面付け)処理を実行する(S1404)。その後、この製本レイアウトされた印刷データは、印刷装置100によって印刷され(S1405)、サドルステッチャ部28により中綴じ製本処理(中綴じ製本印刷物の背の部分に相当する個所に対する二箇所綴じと二つ折り)が実行される(S1406)。なお、S1404〜1406の各処理の詳細は図8や図9で説明した通りなので割愛する。
そして、ジョブが第1タイプのジョブであると判断した場合、制御部205は、S1406にて中綴じ製本処理が行われたシート束に対するスクエアバック処理をスクエアバック形成部23により実行させる(S1407)。なお、制御部205は、ジョブが第2タイプのジョブであると判断した場合、S1407の処理をスキップする(スクエアバック処理を行わない)。その後、オペレータから受け付けた上述の設定指示に従い、断裁処理が設定されている場合は、カッタ部30で断裁処理が行われる(S1408)。そして、印刷物は、最終的には、ブックレットホールド部31まで搬送され、当該個所にて保持される。このような一連の処理を経て、前述の第1タイプの中綴じ製本印刷物と第2タイプの中綴じ印刷物が印刷システム1000にて作成される。
なお、本実施形態にて、制御部205は、中綴じ製本処理対象のジョブの印刷データ(製本レイアウト処理がなされる印刷データ)の全ページがHDD209に記憶された時点で第1の制御と第2の制御の両方を行う。即ち、上述の〔制御1〕〜〔制御16〕などの各種の制御は、このS1404の処理を行うタイミングにて制御部205により実行される。この点に関しては種々の変形が可能だが、少なくとも、中綴じ製本対象のジョブの印刷処理がS1405にて開始される前にこれら第1の制御、第2の制御を実行する。これにより、処理対象となるジョブにて第1タイプの中綴じ製本印刷物又は第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する場合に、そのジョブのために中綴じ製本処理や印刷処理が実際にシステムにて行われる前に、これらの処理をキャンセルすることができる。
また、HDD209に記憶される編集前のオリジナルの印刷データのトータルのページ数を制御部205が確認し、そのトータルのページ数に基づいて、そのジョブの1セット分の中綴じ製本印刷に要するシートの枚数が制御部205により判断される。例えば、中綴じ製本対象のジョブとして入力されたオリジナルの印刷データのページ数が60ページだとする。一方、図8(a)〜図8(d)に示したように、中綴じ製本印刷用のレイアウトは、1枚の記録紙の表裏にそれぞれ2ページ、すなわち、記録紙1枚あたりに4ページ分の画像データがレイアウトされる。よって、この場合、ジョブの1セット分の中綴じ製本印刷に要するシートの枚数は、「60÷4=15枚」となる。このような方法を採用しているが、これ以外でもよい。例えば、処理対象のジョブデータとして印刷データと共に付与されているジョブチケットに記述されている情報に基づいて、直接的に、当該ジョブにて1セット分の中綴じ製本印刷に要するシートの枚数を制御部205により確認可能にした構成でもよい。勿論、枚数情報に変換しなくて、ページ数情報をそのまま利用して、本実施形態の各種制御を制御部205により実行可能にした構成でもよい。
また、本実施形態にて処理対象とするジョブは、印刷すべき画像データがスキャナ部201から入力されるジョブでもよいし、外部I/F202を介して印刷すべき画像データが入力されるジョブでもよい。また、前者の場合は、そのジョブの1セット分の印刷に必要なシートの枚数をスキャナ部201に具備されるADFによってカウントされる原稿枚数情報によって確認する構成でもよい。
図12及び図13は、処理対象のジョブが設定された際に第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成を行わないように制御部205が制御した場合においてタッチパネル部401に表示させる警告画面の一例を示す図である。
制御部205が、中綴じ製本対象となるジョブの1セット分の印刷処理に必要なシートの枚数が第1タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数よりは少ないが、第2タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数を越えていると判断したとする。ここで、第1タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数は図21の管理テーブル2100では20枚であり、第2タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数は図21の管理テーブルでは15枚である。そして、上記判断を下した場合、制御部205は、図12に示す警告画面1200を表示させる。これにより、積載性及び/又は印刷体裁に難のある第2タイプの中綴じ製本印刷物が作成されないように制御している。
前述のように、ある程度の枚数を越えるとスクエアバック無しの製本では、出力結果が膨らんだ状態になる。そのため、中綴じ製本の枚数が所定の枚数(例えば、15枚)を越える場合には、図12に示した警告画面1200を表示してスクエアバック処理を行うように促す。なお、図12に示すように、スクエアバック有りの中綴じ製本に変更を行うか、変更せずに続行するのか、或いはジョブをキャンセルするのかをオペレータ自身が選択できるように構成してもよい。勿論、上述のように、このようなオペレータによる判断を仰がずに上述のルールに従って当該ジョブを終了(ジョブキャンセル)するよう制御部205により印刷システム1000を制御する構成でもよい。
一方、制御部205は、中綴じ製本対象となるジョブの1セット分の印刷処理に必要なシートの枚数が第1タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数(図21の管理テーブル2100では20枚)すらもオーバしていると判断したとする。この判断を下した場合、制御部205は、図13に示す警告画面1300を表示させる。なお、第1タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数(図21の管理テーブル2100では20枚)、即ち、1冊あたりのスクエアバック処理の最大許容枚数は、サドルステッチャ部28による中綴じ製本処理の最大許容枚数に対応する。これは、中綴じ製本が可能な枚数は機器によって上限があり、そのメカ的な事情によるトラブルを考慮したものである。そして、このようなメカ的なトラブルの発生を抑制するための仕組みでもある。
図13の表示構成のように、オペレータが分割製本に変更して中綴じ製本を行う指示を入力したり、中綴じ無しの印刷出力に変更する指示を入力したり、或いは当該ジョブをキャンセルする指示を入力したりすることができるように構成してもよい。これにより、例えば、図13の警告画面1300を介して、オペレータからの指示に応答して、前述のような、第2タイプの中綴じ製本印刷物の分冊製本を印刷システム1000により実行させることができる。勿論、上述のように、このようなオペレータによる判断を仰がずに上述のルールに従って当該ジョブを終了(ジョブキャンセル)するよう制御部205により印刷システム1000を制御する構成でもよい。
次に、図14のS1403のタイミングにて制御部205が第1の制御と共に図21の管理テーブル2100のルールに従って実行する第2の制御により、第2タイプの中綴じ印刷物の作成を制限する際の処理手順の一例を図15を用いて説明する。
まず、制御部205は、図14のS1403にてHDD209に記憶された中綴じ製本対象のジョブの印刷データの全ページ数に基づいて、該ジョブの1セット分の印刷処理にて必要なシートの枚数Zを確認する(S1501)。
次に、制御部205は、枚数Zと所定の基準枚数A(本例では15枚)との比較を行う(S1502)。この基準枚数Aは、前述の第2タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最大許容枚数に相当する。もし、この枚数Zが基準枚数A以下の場合、S1502にてNO判定となり、図15の処理を終了する。一方、この枚数Zが基準枚数Aよりも多い場合、S1502にてYES判定となる。
なお、S1502にてNO判定の場合、図15の処理自体は終了するが、中綴じ製本対象のジョブのための処理は引き続き実行される。例えば、このS1502の判断を下した時点で制御部205は当該ジョブにて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを許可する。そして、ジョブが、スクエアバック無しの中綴じ製本処理を設定画面1100を介してS1402にてオペレータにより指示されたジョブである場合、図15の処理の終了後、制御部205はこのジョブの処理を、そのまま図14のS1405の処理へ進める。そして、制御部205は、随時、S1406、S1407、S1408の処理を行う。これにより、該ジョブに基づく第2タイプの中綴じ製本印刷物が印刷システム1000により作成される。
一方、S1502にてNO判定が下されたジョブが、図11の設定画面1100を介してスクエアバック有りの中綴じ製本処理がオペレータにより指示されていたジョブであるとする。この場合、このジョブの処理として、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成可否を制御する第1の制御へ処理を進める。本実施形態では、このケースの場合、後述する図18又は図20の処理へ当該ジョブの処理を進める。
制御部205は、S1502にてYES判定を下した場合(即ち、前述の枚数Zが第2タイプの中綴じ製本印刷物の最大許容枚数より多い場合)、処理をS1503へ進める。S1503では、制御部205は、中綴じ製本対象のジョブがスクエアバック処理の設定有りのジョブ(第1タイプのジョブ)かどうかを、S1402の時点にて図11の設定画面1100を介してオペレータから受け付けた処理条件に基づいて判断する。スクエアバック処理の設定無しのジョブであると判断した場合、S1503にてNO判定となり、S1504へ処理を進めて、制御部205は、S1504にて図12の警告画面1200をタッチパネル部401に表示させる。これにより、制御部205は、当該ジョブにて第2タイプの中綴じ製本印刷物が印刷システム1000にて作成されないように制御する。
次に、図12の「変更」ボタン1201がオペレータにより押された場合には、スクエアバック処理を行う設定にジョブの設定を変更するよう制御する(S1505)。これにより、該ジョブにて第1タイプの中綴じ製本印刷物が印刷システム1000により作成させることができる。また、「変更せずに続行」ボタン1202が押された場合にはそのまま処理を続行する。なお、このような警告表示及び/又は設定変更を行わずに、S1502でYSE判定且つS1503でNO判定に該当する判断を下したことを条件に、一律、該ジョブにて第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成することを禁止する構成でもよい。
一方、S1503において、中綴じ製本対象のジョブはスクエアバック処理の設定がなされているジョブであると判断された場合、処理をS1503からS1506へ進める。
S1506では、制御部205は、枚数Zと、前述の基準枚数Aとは異なる別の所定の基準枚数B(本例では20枚)との比較を行う。この基準枚数Bは、前述の第1タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最大許容枚数に相当する。もし、この枚数Zが基準枚数B以下の場合、S1506にてNO判定となり、図15の処理を終了する。なお、このS1506にてNO判定となるケースは、例えば、枚数Zが15以上で且つ20以下の場合がこれに該当する。この場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック処理を行うことを許可し、S1506でNO判定を下して図15の処理を終了した後に、図14のS1405の処理へと該ジョブの処理を進める。そして、随時、S1406、S1407、S1408の処理を行う。これにより、当該ジョブにて第1タイプの印刷物を印刷システム1000にて作成させる。一方、この枚数Zが基準枚数Bを越える枚数ならばS1506にてYES判定となり、S1507へ処理を進める。
S1507では、前述したように、制御部205は、分冊製本の実行を許可する設定がオペレータによりなされているジョブか否かを判断する。分割製本の設定がされていない場合には、S1507にてNO判定となり、図13の分割製本の警告画面1300をタッチパネル部401に表示させる(S1508)。そして、図13の「分割製本に変更」ボタン1301が押された場合には、分割製本にジョブの設定を変更して(S1509)、印刷処理を開始する。また、S1510で「中綴じしない」ボタン1302が押された場合には、中綴じの設定を解除して印刷処理を開始する。また、「キャンセル」ボタン1203,1303が押された場合には、ジョブをキャンセルして処理を終了する(S1511)。
なお、本実施形態では、警告画面の表示を行いオペレータに変更を促す形態を示したが、警告は行わずに自動的に設定を変更して印刷処理を行う実施の形態も可能である。
このように、前述の〔制御1〕〜〔制御16〕に対応する構成を備えるだけでなく、図14のフローチャートで用いた上述の構成も備えていてもよい。これにより、中綴じ製本処理が設定されたジョブを印刷する際に、ジョブの枚数がある一定枚数よりも多い場合は、警告画面を表示すると同時に、スクエアバック処理の中綴じ製本に変更可能とすることができる。従って、積載崩れなどによって印刷物が無駄になることを防ぐことが可能となる。以上を踏まえて、次に、第2の制御と共に制御部205により実行される前述の第1の制御の適用例(更なる具体例)を説明する。
まず、前述の第1の制御によって実現される第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を制限することの必要性について、図16(a)及び図16(b)を用いて説明する。
図16(a)及び図16(b)は、1セット分の中綴じ製本印刷物の作成に利用されたシートの枚数が少ない場合にスクエアバック処理がなされた中綴じ製本印刷物とスクエアバック処理がなされなかった中綴じ製本印刷物との違いを説明するための図である。図16(a)はスクエアバック処理がなされなかった中綴じ製本印刷物の一例を示す断面図、図16(b)はスクエアバック処理がなされた中綴じ製本印刷物の一例を示す断面図である。
図16(a)に示すように、1セット分の印刷に要するシートの枚数が少ない場合にスクエアバック処理を行っても前述の図10(c)のような問題は起こらずに、印刷の体裁及び積載性に難の無い中綴じ製本印刷物が作成可能である。一方、1セット分の印刷に要するシートの枚数が少ない場合にスクエアバック処理を行ってしまうと、図16(b)に示すように、背の部分が潰れたり、背の部分にてシワや破れが発生したりするといったトラブルが発生しうる。また、これにより、背の部分が盛り上がって積載性が良くないといった問題が生じる。このように、1セット分の中綴じ製本印刷物の作成に利用するシートの枚数が極端に少ない場合においても第1タイプの印刷物の作成を不用意に許容してしまう構成だと、結局、前述のトラブルが発生しうる。即ち、印刷の体裁及び/又は積載性に難のなる中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルが発生しうる。そこで、本実施形態では、前述の第1の制御によって、当該トラブルの発生を抑制できるように構成している。これを踏まえて、この第1の制御の適用例を以下に説明する。この適用例では、スクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の作成を制限して、スクエアバック無しの中綴じ製本印刷物のメリットを活かした制御が行われる。これに関して図17及び図19を用いて説明する。
例えば、オペレータからスクエアバック有りの中綴じ製本処理が指示されたジョブが、1セット分の印刷物を作成するために必要なシートの枚数が所定の枚数(本例では5枚)より少ないジョブであるとする。なお、この所定の枚数とは、前述の第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成する際の1冊あたりの最小許容枚数(図21の例では5枚)に該当する。この判断を下した場合、制御部205は、図17又は図19に示す警告画面1700,1900をタッチパネル部401に表示させる。
警告画面1700では、スクエアバック処理するには枚数が少なすぎることを警告して、該ジョブにて印刷処理を開始すること自体を中止(キャンセル)する。この場合、オペレータは枚数を増やすかスクエアバック処理をOFFに変更して再度印刷ジョブを投入する必要がある。一方、警告画面1900では、警告を表示して設定変更を促す。この場合、オペレータはスクエアバック処理をOFFに変更するか、中綴じ製本を行わないかを選択することで印刷を再開続行することができる。或いは、また、ジョブをキャンセルすることも可能である。なお、これらのうちのどちらが利用される構成であることが望ましい。
このように構成することで、積載性及び/又は印刷体裁に難のある第1タイプの中綴じ製本印刷物が作成されないように制御している。前述のように、ある程度の枚数を超えるとスクエアバック処理無しの製本では、出力結果が膨らんだ状態になる。そのため、中綴じ製本の枚数が所定の枚数(例えば15枚)を越える場合には、警告画面1700を表示したり、警告画面1900を表示してオペレータに判断を仰ぐ構成を採用しなくともよい。例えば、このようなオペレータによる判断を仰がずに前述の図21や図22のルールに従って当該ジョブを終了(ジョブキャンセル)するよう制御部205により印刷システム1000を制御する構成でもよい。
次に、S1403のタイミングにて制御部205が第2の制御と共に図21の管理テーブル2100のルールに従って実行する第1の制御により、第1タイプの中綴じ印刷物の作成を制限する際の処理手順の一例を図18及び図20を用いて説明する。なお、図20は、図18の変形例に相当する。
この適用例では、図18の処理と図20の処理を2つ例示するが、どちらを採用する構成でもよい。また、本実施形態では、図18の処理は、前述の図15のS1502にてNO判定を下したジョブにてS1502の処理に引き続いて実行される処理である。図20の処理も、同様に、前述の図15のS1502にてNO判定を下したジョブにてS1502の処理に引き続いて実行される処理である。但し、これは例示的なものであり、これ以外の構成でもよい。例えば、図15の処理に先立って図18又は図20の処理を行う構成でもよい。このように、処理対象のジョブに対して第1の制御と第2の制御の両方を実行する構成であれば、如何なる構成でもよい。
まず、制御部205は、S1502にてNO判定に該当するジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数ZをS1801にて確認する。なお、図15のS1501にて同様の処理を行っているので、このS1801の処理を省略してもよい。
次に、S1802にて、制御部205は、枚数Zと、前述の基準枚数A,Bとは異なる所定の基準枚数Cとの比較を行う。この基準枚数Cは、前述の第1タイプの中綴じ製本印刷物の1冊あたりの最小許容枚数(図21の例では5枚)に相当する。もし、この枚数Zが基準枚数C以上の枚数に該当する場合、S1802にてNO判定となり、図18の処理を終了する。なお、このS1802にてNO判定となるケースは、少なくともZが5以上の場合である。また、本実施形態では、図15のS1502にて15枚以下であることが既に判明済みなので、S1802にてNO判定となるジョブは、Zが5以上で且つ15以下の枚数のジョブに該当する。このように、S1802にてNO判定を下した場合、制御部205は、該ジョブにてスクエアバック処理を行うことを許可する。そして、制御部205は、S1802でNO判定を下して図18の処理を終了した後に、図14のS1405の処理へと該ジョブの処理を進める。そして、制御部205は、随時、S1406、S1407、S1408の処理を行う。この際、もし、このジョブに対してスクエアバック有りの中綴じ製本処理がS1402にて図11の画面を介してオペレータから指示されていた場合には、S1406にてスクエアバック処理が実行される。これにより、制御部205は、当該ジョブに基づく第1タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000にて作成させる。一方、このジョブに対してスクエアバック無しの中綴じ製本処理がS1402にて図11の画面を介してオペレータから指示されていた場合には、S1406のスクエアバック処理をスキップする。これにより、制御部205は、当該ジョブに基づく第2タイプの中綴じ製本印刷物を印刷システム1000にて作成させる。
また、S1802の判定にて、枚数Zが基準枚数C未満と判断した場合、制御部205はS1802にてYES判定を下す。即ち、制御部205は、処理対象のジョブにてスクエアバック処理を禁止する(第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する)。そして、S1803にて、制御部205は、警告画面1700をタッチパネル部401に表示させる。
なお、本実施形態の印刷システム1000は、前述のように、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する場合、そのジョブの印刷処理も禁止できるように構成されている。本実施の形態では、この構成に対応する制御として、S1802にてYES判定のジョブ、即ち、第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成が禁止対象のジョブにて要する印刷処理を行わないようにS1804にて当該ジョブの印刷処理を中止する。これにより、該ジョブの処理を図14のS1405側へ移行せずに、該ジョブの処理をこの時点で終了する。
また、図18の例では、枚数Zが基準枚数C(図21の例では5枚)未満の場合、一律、該ジョブの処理をキャンセルする構成とした。しかし、図19に示す画面が表示されたUIを介して、他の処理への変更要求をオペレータから受付可能にした構成でもよい。これについては図20を用いて説明する。
まず、制御部205は、S1502にてNO判定に該当するジョブの1セット分の印刷物の作成に要するシートの枚数ZをS2001にて確認する。なお、図15のS1501にて同様の処理を行っているので、このS2001の処理を省略してもよい。
次に、S2002にて、制御部205は、枚数Zと基準枚数C(図21の例では5枚)との比較を行う。もし、この枚数Zが基準枚数C以上の枚数に該当する場合、S2002にてNO判定となり、図18の処理を終了する。
なお、S2002にてNO判定となるケースは、少なくとも枚数Zが5以上である場合である。また、本実施の形態では、前述の第2の制御における図15のS1502にて15枚以下であることが既に判明済みなので、S2002にてNO判定となるジョブは、Zが5以上で且つ15以下の枚数のジョブが該当する。このように、S2002にてNO判定を下した場合、制御部205は、処理対象のジョブにてスクエアバック処理を行うことを許可する。そして、制御部205は、S2002でNO判定を下して図18の処理を終了した後に、図14のS1405の処理へと該ジョブの処理を進める。そして、制御部205は、随時、S1406、S1407、S1408の処理を行う。また、このジョブに対してスクエアバック有りの中綴じ製本処理がS1402にて図11の設定画面1100を介してオペレータから指示されていた場合には、S1406にてスクエアバック処理が実行される。これにより、制御部205は、処理対象のジョブにて第1タイプの印刷物を印刷システム1000にて作成させる。一方、このジョブに対してスクエアバック無しの中綴じ製本処理がS1402にて図11の設定画面1100を介してオペレータから指示されていた場合には、S1406のスクエアバック処理がスキップされる。これにより、制御部205は、処理対象のジョブにて第2タイプの印刷物を印刷システム1000にて作成させる。
一方、S2002にて、枚数Zが基準枚数C未満ならば制御部205はYES判定を下す。即ち、処理対象のジョブにてスクエアバック処理を禁止する(第1タイプの中綴じ製本印刷物の作成を禁止する)。そして、S2003にて、制御部205は、図19の警告画面1900をタッチパネル部401に表示させる。
そして、警告画面1900の「スクエアバック処理OFF」ボタン1901がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、S2004にてYES判定を下し、処理対処のジョブにて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成せずに、第2タイプの中綴じ製本印刷物を作成するよう制御する。このケースの場合、図20の処理自体は終了するが、図14のS1405の処理へと該ジョブの処理を進める。そして、制御部205は、S1406の処理を行った後に、S1407のスクエアバック処理をスキップして、S1408の処理を行う。これにより、制御部205は、処理対象のジョブにて第2タイプの印刷物を印刷システム1000にて作成させる。
一方、警告画面1900の「中綴じしない」ボタン1902がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、S2004にてNO判定で且つS2005にてYES判定と判断する。この場合でも、処理対象のジョブにて第1タイプの中綴じ製本印刷物を作成しない。しかし、この場合、制御部205は、該ジョブにて、第2タイプの中綴じ製本印刷物の作成も許可せずに、中綴じ製本処理自体が不要な印刷処理を実行するよう制御する。即ち、このケースの場合、制御部205は、処理対象のジョブを中綴じ製本ジョブとして取り扱わずに、前述のスタッカジョブや糊付け製本ジョブといったその他のジョブに該当するものとして取り扱う。従って、このケースの場合も図20の処理を終了した後に図14のS1405の処理へと該ジョブの処理を進めるが、S1406の中綴じ製本処理及びS1407のスクエアバック処理を共にスキップする。これにより、制御部205は、処理対象のジョブにて中綴じ製本とは異なる体裁の印刷物を印刷システム1000にて作成させる。
一方、警告画面1900の「キャンセル」ボタン1903がオペレータにより押下されたとする。この場合、制御部205は、S2004にてNO判定で且つS2005にてNO判定で且つS2006にてYESと判断する。この場合は、図14のS1405の処理へは戻らず、この時点で処理対象のジョブの処理を終了する。これにより、制御部205は、当該ジョブにて印刷処理を行うこと無しに、当該ジョブの処理を中止できるようにする。
以上のように、前述の〔制御1〕〜〔制御16〕に対応する構成を備えるだけでなく、図18や図20で例示した上述の構成も備えるように構成してもよい。これにより、中綴じ製本でスクエアバック処理が設定されたジョブを印刷する際に、印刷枚数が所定枚数よりも少ない場合は、枚数を増やす、スクエアバック無しの中綴じ製本に変更させる、印刷自体を中止させるなどの警告をオペレータに促すことができる。このように、潰れや積載崩れなどによって成果物が無駄になることを防ぐことが可能となるという効果が向上可能となる。
本実施形態の印刷システム1000は、上述の第1の制御と第2の制御の両方が実行できるように構成されている。しかし、これ以外の構成でもよく、種々の変形や応用が適用できる。例えば、第1の制御と第2の制御のうちの何れか一方のみを実行できるように印刷装置及び/又は印刷システムを構成してもよい。また、前述した各種の処理及び/又は制御を、1つの手段によって実行する構成でもよいし、複数の手段に分担しそれらの手段が協働することで、それらの処理及び/又は制御を実行する構成でもよい。また、上述のシート処理装置を印刷装置のオプション装置として利用する構成でも印刷装置に標準装備される構成でもよい。また、上述の制御部205が行う制御に相当する制御を行うための手段を、シート処理装置又は印刷装置とネットワーク経由でデータ通信可能なホストコンピュータや携帯端末等の外部の情報処理装置などの印刷装置100以外の他装置に内蔵させる。これにより、その装置単独でも、本実施形態の印刷システム1000に相当するシステムとして機能させることができる。また、上述の構成では、スクエアバック処理に係る複数の判断や制御を行う手段として制御部205が機能する構成を例示したが、これに限定されるものでもない。例えば、上述した本実施形態の構成において制御部205により実行される対象となる複数の判断及び/又は制御のうちの何れかの判断及び/又は制御を別のユニットが行う構成でもよい。これにより、たとえば、1つのCPUで装置及び/又はシステムが制御される構成でも、複数のCPUが協働することで装置及び/又はシステムが制御される構成にも本発明は適用される。このように、各種の変形、応用が可能である。また、本実施形態では、中綴じとして、ステイプル針を2個使った二箇所綴じを例示したがこれ以外でもよい。例えば、二つ折りされるシートの折り目個所にステイプル針を3個使って3箇所綴じしたりする構成でもよい。また、二つ折りされるシートの折り目個所を糸で縫いつけるといったステイプル針以外の綴じ部材を利用した中綴じ処理を行う構成でもよい。このように種々の変形や応用が適用可能に本実施形態の印刷システム1000は構成されている。
以上、本実施形態の印刷システム1000は上述の各種構成を具備する。これにより、スクエアバック処理に対処できるように印刷システムを構築した結果、断裁の体裁及び/又は印刷の体裁に難のある中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルの発生を抑えることができる。例えば、背の部分が極端に膨らんで体裁及び/又は積載性が良くないスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルの発生を抑制できる。また、例えば、背の部分が極端に潰れていたりシワや破れが発生したりといった体裁及び/又は積載性が良くないスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルの発生を抑制できる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う場合である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現する場合も含まれる。この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
上記実施の形態では、複合装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではない。インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。