JP5059644B2 - 補助動力付き車両 - Google Patents
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Description
特に、本発明においては、補助駆動力制御装置がアシスト率を小さく設定するか否かを判定するに当たって、車両の加速度が加速度閾値より高いことを判定条件の一つにしているため、急発進を確実に防ぐことができる。
したがって、本発明によれば、どのような場合でも急発進することがなく、しかも人力駆動力が小さい場合や登り坂でも円滑に発進することが可能な補助動力付き車両を提供することができる。
この発明においても、補助駆動力発生装置の回転速度から車両の加速度を検出する構成が採られているから、車両の加速度を求めるに当たって専ら車速や加速度を検出するためのセンサは不要である。このため、この発明によれば、この種のセンサを装備する場合に較べて製造コストを低減することができる。
本発明が対象とする補助動力付き車両は、補助駆動力発生装置としてエンジンまたはモータを装備した車両であって、乗員の力と補助駆動力とによって走行する二輪車、三輪車および四輪車等の車輪を回転させて走行する全ての車両である。これらの車両中には、電動車椅子も含まれる。
図1は本発明に係る補助動力付き車両の構成を示すブロック図、図2は補助駆動力制御装置の動作を説明するためのフローチャート、図3は判定閾値とアシスト率との関係を示すグラフである。図4はアシスト率が小さくなる場合の例を説明するためのグラフで、同図(A)は車両総重量および車両加速度と閾値との関係を示し、同図(B)は駆動力の変化を示す。図5はアシスト率が大きくなる場合の例を説明するためのグラフで、同図(A)は車両総重量および車両加速度と閾値との関係を示し、同図(B)は駆動力の変化を示す。
前記人力駆動力検出装置5は、走行するために乗員が出した力の大きさ、すなわち人力駆動力の大きさを検出する。この人力駆動力検出装置5は、たとえばトルクセンサによって構成することができる。
前記補助駆動力発生装置7は、後述するアシスト率制御部16によって設定されたアシスト率となるように補助駆動力を発生させる。この補助駆動力発生装置7は、エンジンやモータである。
前記加速度検出部12は、前記速度検出部11が算出した車速から時間微分によって車両の加速度を算出する。なお、車両の加速度は、速度検出装置2と速度検出部11とによって求めた車速から演算によって求める代わりに加速度センサ(図示せず)を用いて直接検出することができる。
前記発進検知部14は、車速が0である状態で前記人力駆動力検出装置5によって検出された人力駆動力が0から所定値だけ増大したときに車両の発進を検出するように構成されている。
さらに、発進検知部14は、車両が発進してから予め定めた時間{発進期間:図4(B),図5(B)参照}が経過したか否かを検出する。
また、アシスト率制御部16は、図5(A)に示すように、その他の場合(車両加速度が前記加速度閾値より小さいか、あるいは車両総重量が重量閾値より大きい場合)は、標準のアシスト率を選択する。すなわち、図5(A)に示すように、車両加速度と車両総重量とが小アシスト領域内に同時に入っていない場合は、標準のアシスト率が選択される。
また、アシスト率制御部16は、発進期間が終了したことを前記発進検知部14が判定したときに、アシスト率を標準のアシスト率に設定する構成が採られている。
補助駆動力制御装置1は、前記電源操作装置6によって電源が接続された後に、図2に示すフローチャートのステップS1において、アシスト率を標準のアシスト率に設定し、そして、ステップS2〜S3に示すように、発進検知部14が車両の発進を検出するまで待機する。
その後、ステップS9に示すように、発進検知部14が発進期間の終了を検出するまでアシスト率が小さい状態に保たれる。そして、発進時期が終了したとき{図4(B)に示すT2時}に、ステップS6において、アシスト率制御部16がアシスト率を標準のアシスト率に変更する。発進期間が終了した後の補助駆動力は、人力駆動力の大きさに対して標準のアシスト率となる大きさで発生する。
したがって、この実施例によれば、どのような場合でも急発進することがなく、しかも人力駆動力が小さい場合や登り坂でも円滑に発進することが可能な補助動力付き車両を提供することができる。
次に、本発明を補助動力付き自転車に適用する場合の一例を図6〜図11によって説明する。
図6は補助動力付き自転車の構成を示すブロック図、図7は補助駆動力制御装置1の動作を説明するためのフローチャート、図8は判定閾値とアシスト率との関係を示すグラフである。図9はアシスト率が小さくなる場合の例を説明するためのグラフで、同図(A)は車両総重量および車両加速度と閾値との関係を示し、同図(B)は駆動力の変化を示す。図10はアシスト率が大きくなる場合の例を説明するためのグラフで、同図(A)は車両総重量および車両加速度と閾値との関係を示し、同図(B)は駆動力の変化を示す。図11はフリーラン加速が発生する場合の制御方法を説明するためのグラフで、同図(A)は車両総重量および車両加速度と閾値との関係を示し、同図(B)は駆動力の変化を示し、同図(C)はアシストモータの回転速度の変化を示す。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この補助動力付き自転車は、図6に示すように、速度検出装置2として車輪回転センサ21またはモータ回転検出エンコーダ22を備え、補助駆動消費エネルギー検出装置3としてモータ電流センサ23を備えている。また、この実施例による補助動力付き自転車は、エネルギー装置4としてバッテリ24を備え、人力駆動力検出装置5としてペダルトルクセンサ25を備え、電源操作装置6としてメインスイッチ26を備えている。
前記モータ回転検出エンコーダ22は、アシストモータ20の回転を検出するものである。このモータ回転検出エンコーダ22としては、アシストモータ20の回転を制御するために既にアシストモータ20に装備されているものを共用することができる。この実施例においては、部品数を削減して軽量化とコストダウンとを図るために、車速を検出するに当たってモータ回転検出エンコーダ22を使用している。
前記バッテリ24は、アシストモータ20の他に、補助駆動力制御装置1などの他の電装部品にも給電するものである。
メインスイッチ26は、乗員がON・OFF操作を行うことによって補助駆動力制御装置1や他の電装部品とバッテリ24との間の電源回路を開閉するものである。
この実施例による重量閾値は、図8に示すように、相対的に小さい第1の重量閾値と、相対的に大きい第2の重量閾値とが設定されている。第1の重量閾値としては、フリーラン加速時(車両総重量が著しく小さく検出されたとき)を除外できるように、車重から予め定めた重量βを引いた値に設定している。重量βとしては、たとえば20kgとすることができる。第2の重量閾値は、上述した第1の実施例で示した重量閾値と同じ値に設定している。
また、この実施例においては、アシストモータ20の回転速度から自転車の加速度を算出する構成が採られているから、加速度を求めるに当たって専ら車速や加速度を検出するためのセンサは不要である。
上述した第2の実施例ではフリーラン加速時に標準のアシスト率が選択されるように、アシスト率制御部16の判定条件として第1の重量閾値を加える例を示したが、重量閾値を加える代わりに加速度閾値を加えることができる。この場合の実施例を図12〜図16によって詳細に説明する。
この実施例による加速度閾値は、図12に示すように、相対的に高い第1の加速度閾値と、相対的に低い第2の重量閾値とが設定されている。第1の加速度閾値としては、フリーラン加速時(車両の加速度が著しく高く検出されたとき)を除外できるような値に設定してある。この第1の加速度閾値は、自転車が加速する場合には大き過ぎる加速度である30m/s2 に設定されている。第2の加速度閾値は、上述した第1の実施例で示した加速度閾値と同じ値に設定されている。
また、この実施例においては、アシストモータ20の回転速度から自転車の加速度を算出する構成が採られているから、加速度を求めるに当たって専ら車速や加速度を検出するためのセンサは不要である。
Claims (5)
- 乗員の力からなる人力駆動力の大きさを検出する人力駆動力検出装置と、
人力駆動力の大きさに対して所定のアシスト率となるように補助駆動力を発生させる補助駆動力発生装置と、
補助駆動力が発生していない状態から補助動力が発生する状態に移るときの前記アシスト率を車両の状態に基づいて変更する補助駆動力制御装置とを備えた補助動力付き車両において、
前記補助駆動力制御装置は、車両の加速度を求める加速度検出部と、
人力駆動力と補助駆動力との和からなる総駆動力を前記加速度で除算することによって車両総重量を求める重量演算部と、
前記加速度が予め定めた加速度閾値より大きくかつ前記車両総重量が予め定めた重量閾値より小さい場合はアシスト率を相対的に小さく設定し、その他の場合はアシスト率を相対的に大きく設定するアシスト率制御部とを備えたことを特徴とする補助動力付き車両。 - 請求項1記載の補助動力付き車両において、前記加速度検出部は、補助駆動力発生装置の回転速度から演算によって加速度を求めるものとされ、
前記補助駆動力制御装置は、人力駆動力の大きさが予め定めた最小値を上回ったときに補助駆動力発生装置を作動させ、かつ人力駆動力の大きさが前記最小値を下回ったときに前記補助駆動力発生装置を停止させる動作切換部を備え、
前記アシスト率制御部がアシスト率を相対的に小さく設定するときの条件に、車両総重量が他の重量閾値より大きいことを加えたことを特徴とする補助動力付き車両。 - 請求項1記載の補助動力付き車両において、前記加速度検出部は、補助駆動力発生装置の回転速度から演算によって加速度を求めるものとされ、
前記補助駆動力制御装置は、人力駆動力の大きさが予め定めた最小値を上回ったときに補助駆動力発生装置を作動させ、かつ人力駆動力の大きさが前記最小値を下回ったときに前記補助駆動力発生装置を停止させる動作切換部を備え、
前記アシスト率制御部がアシスト率を相対的に小さく設定するときの条件に、車両の加速度が他の加速度閾値より小さいことを加えたことを特徴とする補助動力付き車両。 - 請求項1記載の補助動力付き車両において、前記補助駆動力制御装置は、補助駆動力発生装置の消費エネルギーのフィードバック値に基づいて補助駆動力の大きさを検出する補助駆動力検出部を備えていることを特徴とする補助動力付き車両。
- 請求項4記載の補助動力付き車両において、補助駆動力発生装置はモータによって構成され、前記消費エネルギーは前記モータの電流値であることを特徴とする補助動力付き車両。
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