JP4905832B2 - 運転者状態判定装置、及び運転支援装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、心拍数センサから得た運転者の心拍情報に基づいて、運転者の意識レベルを判定し、意識レベルが低いと判定した場合に、アラームを介して警告を発する運転支援技術が提案されている。
しかし、心拍や発汗などの生体情報と運転者の状態との関係は、運転者の性格(性質)などによって左右されるものである。そのため、従来のように、生体情報についての同一の判定条件で一律に運転者の状態を判定すると、その判定結果が実際の運転者の状態とずれるおそれがあった。
また、本発明は、運転者状態判定装置を使用した、より精度の高い運転支援を行うことを第2の目的とする。
(2)請求項2記載の発明では、車両走行における、少なくともアクセル操作量、ブレーキ操作量、ハンドル操作頻度、車間距離、速度変化量のうちの1つの運転操作情報を取得する運転操作情報取得手段を具備し、前記操作タイプ取得手段は、前記取得した運転操作情報に基づいて決定することで前記運転操作タイプを取得することを特徴とする請求項1記載の運転者状態判定装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、車両走行における、少なくともアクセル操作量、ブレーキ操作量、ハンドル操作頻度、車間距離、速度変化量のうちの1つの運転操作情報を取得する運転操作情報取得手段と、前記取得した運転操作情報に基づいて運転操作タイプを決定する操作タイプ決定手段と、前記決定した運転操作タイプの履歴を記憶する記憶手段と、を具備し、前記操作タイプ取得手段は、前記履歴から前記運転操作タイプを取得することを特徴とする請求項1記載の運転者状態判定装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記操作タイプ取得手段は、前記決定した運転操作タイプと前記履歴に基づいて取得することを特徴とする請求項3記載の運転者状態判定装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、請求項1から請求項4のいずれか1の請求項に記載の運転者状態判定装置と、前記運転者状態判定装置で判定した運転者の状態に応じた運転支援を行う運転支援手段と、を具備したことを特徴とする運転支援装置を提供する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、走行中における運転操作情報(アクセル・ブレーキ・ステアリングの操作量や操作頻度、車速、車間距離、加速度など)を測定し、これらの測定結果に基づいて運転者の運転操作タイプ(攻撃型・速度確保型・追従型・慎重型)を判定する。運転操作タイプの判定は、予め定義されている判定条件に基づいて行われる。例えば、車速レベルが高く、さらに、速度変化及びアクセル・ブレーキの操作量が共に大きい場合には、『攻撃型』であると判定する。
そして、判定された運転操作タイプに基づいて、運転者の状態(精神状態)を判定するための判定基準となる判定閾値を決定(設定)する。
判定閾値は、運転操作タイプの過去の判定履歴を考慮して(加味して)決定するようにしてもよい。
そして、判定された運転者の状態に対応する運転支援モード(リフレッシュモード・ワーニングモード・リラックスモード・サポートモード)を特定し、この特定した運転支援モードに基づいて、フィードバック装置による適切な運転支援を行う。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における運転支援装置の構成を表した図である。
この図1に示すように、運転支援装置は、各種プログラムやデータに従って運転支援装置全体を制御するECU(電子制御装置)10を備えている。
このECU10には、現在位置検出部11、生体情報検出部12、環境情報取得部13、運転操作検出部14、データ記憶部15、プログラム記憶部16、フィードバック装置17、表示装置18、入力装置19が接続されている。
ECU10は、運転操作検出部14の取得情報に基づく運転操作パターン(運転操作傾向)の判定、運転操作パターンに基づく判定閾値の設定、生体情報検出部12の取得情報及び判定閾値に基づく運転者の状態の判定、運転者の状態に基づく運転支援のフィードバック装置17への指示、を行うようになっている。また、ECU10は、各判定処理に必要なデータをデータ記憶部15から読み出し供給するようになっている。
GPSセンサ111は、運転支援装置が搭載される車両の現在位置(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning Systems)受信装置を備えている。
車速センサ112は、車速を検出し、ジャイロセンサ113は、車両の加速度を検出する。
なお、現在位置検出部11は、GPS受信装置による現在位置検出を補足する装置として、車速センサ112、ジャイロセンサ113を備えているが、他にも地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ等を備えるようにしてもよい。
生体情報検出部12は、車両が走行を開始すると、所定時間間隔でこれらのセンサの検出値をECU10に供給するようになっている。そしてECU10は、これらの検出値をデータ記憶部15の所定の領域に格納する。
心拍センサ121は、運転者の心拍数を検出するセンサで、運転者の脈拍数から心拍数を検出する。本実施形態における心拍センサ121は、ステアリング(ハンドル)に配置された電極により、運転中の運転者の手から心拍信号を採取することで心拍数を検出するようになっている。なお、心拍センサ121は、専用のセンサを手首等の運転者の身体に配置するようにしてもよい。
筋電位センサ123は、運転者の腕等に配置され、その筋電位の変化を測定する。
脳波センサ124は、脳波を測定し、何波(ベータ波、アルファ波、デルタ波、シータ波)が出ている状態かを測定する。
ベータ波は、13〜40Hz未満の脳波で、精神活動をしている部位に現れる。
アルファ波は、8〜13Hz未満の脳波で、健康な成人の、安静、リラックス、閉眼時に後頭部に現れる。
デルタ波は、0.5〜4Hz未満の脳波で、ぐっすり眠っている場合に現れる。
シータ波は、4〜8Hz未満の脳波で、とろとろと眠くなってきた時に現れる。
なお、末梢部と中枢部との温度差の検出は、温度センサ125の代わりに、サーモグラフィ装置を用いるようにしてもよい。
画像処理装置126は、車両の内部に設けられたカメラ等の画像入力装置で撮像された運転者の顔画像の画像処理を行い、瞳孔の変化を検出する。
本実施形態において、血圧センサは、例えば、人体において心臓の収縮に伴う血液の脈波が心臓から指先に到達するまでの脈波伝播時間(PWTT:Pulse Wave Transmit Time)と血圧との相関関係を利用して血圧測定を行うものである。
血圧センサは、心臓の拍動時に発生する電位変化を検知して心臓の収縮タイミングを検知するための電極センサと、指先の血流量の変化を赤外線により検知して脈波が指先に到達したタイミング(脈拍)を捉えるための赤外線センサを備えており、これらセンサにより検知した脈波伝播時間に基づいた演算により血圧を測定する。
なお、特開2000−107141号公報に記載されるように、心臓からの距離の差を利用して、脈拍を計測する脈拍センサを両センサ部に配置するようにしてもよい。
環境情報取得部13は、現在の時刻を判断するためのセンサとして、時刻センサを備えている。
また、環境情報取得部13は、天気や周囲の明るさを判断するためのセンサとして、画像処理装置の画像処理による場合に加えて(又は代えて)、ワイパーの稼働状態を検出するワイパーセンサ、車幅灯のオン状態を検出する車幅灯センサ、ヘッドランプのオン状態を検出するヘッドランプセンサを備えている。
また、環境情報取得部13は、運転環境情報として、走行中の道路の種別(高速道路、国道、地方道、細街路…)や交通情報(渋滞度、規制状態…)を情報センタ等から受信する通信手段を備えている。
アクセルセンサ141は、アクセルペダルを踏み込む速度や、踏力、踏む回数等を検出する。
ブレーキセンサ142は、ブレーキペダルを踏み込む速度や、踏力、踏む回数等を検出する。
舵角センサ143は、ハンドル操作による操舵角や、ハンドルの操作頻度を検出する。
車間距離センサ144は、車両前方、後方に配置されたミリ波レーダやレーザレーダ等で構成され、前方車両との車間距離や相対速度、後方車両との車間距離や相対速度が検出されるとともに、対向車の有無が判断される。
運転環境DB151には、運転操作検出部14で検出された検出結果、例えば、車両速度(km/h)、車両加速度(G)、ハンドル操作トルク(N・m)、ハンドル操作状況(N・m/ms)、アクセル踏力(N・m)、ブレーキ踏力(N・m)、ブレーキ操作状況(N・m/ms)などのデータが格納される。
この運転環境DB151に格納されたデータは、後述する運転操作タイプ判定処理時に読み出されて使用される。
また、運転環境DB151には、環境情報取得部13で検出された前方の視界状況の情報を含む環境情報(天気、車両量、信号量、道路種別、車線数等)も格納される。
これらの環境情報は、運転操作タイプ判定処理や運転支援処理時に参照される判定条件の詳細設定に用いられる。
個人特性DB152には、後述する運転操作タイプの判定処理により判定(特定)された運転操作タイプが、運転者の識別情報と紐付けられた状態で格納される。
個人特性DB152には、運転操作タイプが判定されるごとに情報が蓄積されるため、個人特性DB152に格納されている情報は、履歴情報として機能させることができる。
なお、個人特性DB152へ格納可能な情報(データ)は、当該運転支援装置において処理されたものに限定されるものではなく、例えば、他の車両に搭載されている装置で処理された履歴情報なども、外部記憶装置やデータ通信などを介して取り込むことができる。
運転環境判定データ154には、現在走行中の運転環境を判定するためのデータ、即ち、環境情報取得部13が取得したデータが格納されている。
運転環境判定データ154には、例えば、天気情報を含む視界状況や道路状況、交通情報など、後述する運転操作量の判定条件を設定するための判定データが格納されている。
図2は、運転操作状況の判定条件データの一例を示した図である。
図2に示すように、アクセル操作量、ブレーキ操作量、ハンドル操作頻度、車間距離、車速、速度変化量などの運転操作項目における程度(度合い)の判定条件が設定されている。但し、これらの判定条件の設定値は、運転環境などの条件によって適宜変更される。
図4は、各生体情報における判定値の判定条件の一例を示した図である。
生体情報判定データ156には、図3、図4に示すような、生体情報検出部12において検出された生体情報の判定条件データが格納されている。
本実施形態では、図4に示すような判定条件データを利用すると、例えば、心拍は、1分当たりの心拍が50未満の場合に判定値『−3』、50〜60の場合に判定値『−2』、60〜90の場合に判定値『0』、90〜100の場合に判定値『+1』、100以上の場合に判定値『+3』と判定される。
筋電位、脳波、瞳孔、身体表面温度差など生体情報の項目においても図4に示すように条件ごとに判定値が定義されている。
図3に示すように、判定値(評価値)の『+(プラス)』評価は、交感神経系が優位であることを示し、一方、判定値の『−(マイナス)』評価は、副交感神経系が優位であることを示す。
本実施形態では、生体情報検出部12で検出された各生体情報の判定値の合計値に基づいて、運転者の状態を判定する。
図6は、運転者の状態に対応する運転支援モードを特定するテーブルの一例を示した図である。
モード判定データ157には、図5、図6に示すような、運転者のモード判定処理で使用される情報が格納されている。
運転環境取得判定プログラム161は、環境情報取得部13を介して取得した現在の運転環境情報をデータ記憶部15に記憶しておくためのプログラムである。
個人特性取得判定プログラム162は、運転操作検出部14の検出結果に基づいて、運転者の運転操作タイプ(運転操作傾向)を判定するプログラムである。
生体情報取得判定プログラム163は、生体情報検出部12を介して取得した現在の生体情報をデータ記憶部15に記憶しておくためのプログラムである。
モード判定プログラム164は、運転者の運転操作タイプ(運転操作傾向)、運転者の生体情報に基づいて、支援モードを判定するプログラムである。
フィードバック制御プログラム165は、支援モードに基づいて、フィードバック装置17を制御するプログラムである。
また、記録媒体には、記録内容に応じて異なる媒体を使用するようにしてもよい。
このフィードバック装置17の動作は、モード判定プログラム164による運転モードの判定結果に基づいて実行される。
表示装置18は、液晶表示装置、CRT、ヘッドアップディスプレイ等の各種表示装置が使用される。
個人認証の際には、既に登録されている人物の情報などが表示される。
さらに入力装置19は、CCDカメラ等の画像入力装置を備え、この画像入力装置から入力された運転者の顔画像を上述した画像処理装置126で処理することにより、瞳孔の変化に関する生体情報を取得する。
入力装置19は、本実施形態においては、運転者の認証処理を行う際に、運転者が自身の情報(名前、年齢、運転歴など)を入力設定する場合等に使用される入力手段として機能する。
図7は、運転支援モードに基づく運転支援処理の動作手順を示したフローチャートである。
運転支援装置が搭載された車両においてイグニッションオンされると、まず、運転支援装置は、運転者の認証処理を行う(ステップ11)。
この運転者の認証処理は、例えば、予め登録されている運転者リストを表示装置18に表示させ、この表示から入力装置19を操作して、運転者に該当する運転者を選択入力させる。そして、ECU10は、選択された運転者を現在の運転者として認証(認識)する。
なお、運転者の認証方法は、これに限定されるものではない。例えば、運転席の近傍に指紋認証装置を設け、運転者の指紋を読み取らせることによって、現在の運転者を識別させるようにしてもよい。その他、声帯認証や顔認証などの方法を用いるようにしてもよい。
続いて、ECU10は、生体情報検出部12を制御し、各生体情報の検出結果を取得してデータ記憶部15に格納する(ステップ13)。
さらに、ECU10は、運転操作検出部14を制御し、所定の測定期間(例えば1分)に渡って、各運転操作状況の検出結果を取得してデータ記憶部15に格納する(ステップ14)。
ここでは、後述する運転操作タイプ判定処理を行うことによって、現在の運転者の運転操作タイプが、『慎重型』、『追従型』、『速度確保型』、『攻撃型』のいずれのタイプに該当するかを判定する。
そして、ECU10は、判定された運転者の運転操作タイプ、及び各生体情報の検出結果に基づいて運転支援モードを特定する(ステップ16)。
次に、ECU10は、ステップ15の処理において判定された運転操作タイプ、及び、算出された生体情報の判定値の合算値を、図5に示す運転者の状態判定テーブルに照らし合わせて、運転者の精神状態(眠気、散漫、正常、ストレス、緊張)を判定する。
例えば、運転操作タイプが『速度確保型』と判定され、生体情報の判定値の合算値が『−8』である場合には、運転者は、“眠気(危険)”状態であると判定される。
例えば、運転者の状態判定結果が“眠気”状態である場合には、運転支援モードとして“リフレッシュモード”が特定される。
なお、運転者の状態判定結果が“正常”状態である場合には、運転支援は不要であると判断され、いずれの運転支援モードも特定せずに、そのままステップ18の処理に進む。
詳しくは、ECU10は、フィードバック制御プログラム165を起動し、特定された運転支援モードに対応するフィードバック装置17の動作を行う。
具体的には、図6に示すように、リフレッシュモードの場合には、例えば、アラーム(警告)装置の警告音を早いテンポで鳴動させたり、振動警告装置を作動させたり、また、冷気噴射装置を作動させたり、酸素濃度調節装置を作動させて室内の酸素濃度を上げたりなどの制御を行う。
なお、該当する運転支援モード(対応モード)が特定された場合、図6の具体例に示すフィードバック装置17の動作を全て実行するようにしても、具体例のいずれかの動作を実行するようにしてもよい。また、具体例に示す動作を複数組み合わせ行うようにしてもよい。
運転者が乗車中であるか否かの判断は、例えば、運転席に重量センサや対物センサなどを設け、このセンサの検出結果に基づいて行う。
運転者が乗車中である場合(ステップ18;Y)、ECU10は、引き続きステップ12の処理に戻り、運転環境情報の取得処理を行う。
一方、運転者が乗車中でない場合(ステップ18;N)、即ち、運転者が降車している場合、ECU10はそのまま運転支援処理を終了する。
なお、この運転支援処理は、運転者の乗車している間において実行が継続されるが、イグニッションオンにより開始され、イグニッションオフにより終了するようにしてもよい。
図8は、運転操作タイプの判定処理の動作手順を示したフローチャートである。
はじめにECU10は、個人特性取得判定プログラム162を起動し、現在の車速が「高」レベルであるか否かを判断する(ステップ21)。
車速レベルは、上述した運転支援処理におけるステップ14の処理で取得された運転操作状況を、図2に示す運転操作状況の判定条件データに照らし合わせて求める。
詳しくは、ECU10は、データ記憶部15に格納された運転操作状況の検出結果に基づいて、測定時間(1分間)における車速の平均値を算出する。
そして、ECU10は、算出した平均値を図2に示す判定条件と照合し、車速レベル(高、中、低)を判定(特定)する。
なお、車速レベルの判定条件は、法定速度が基準となっているが、この法定速度は、運転支援処理におけるステップ12の処理で取得された運転環境、詳しくは、走行中の道路の種別情報に基づいて設定される。
車間距離レベルもまた、車速レベル判定と同様に、ECU10は、データ記憶部15に格納された運転操作状況の検出結果に基づいて、測定時間(1分間)における車間距離の平均値を算出し、算出した平均値を図2に示す判定条件と照合して、車間距離レベル(長、中、短)を判定(特定)する。
なお、車間距離レベルの判定条件は、制動距離及び空走距離が基準となっているが、これらの距離は、現在の車速情報、例えば、ステップ21で算出された車速の平均値に基づいて設定される。
アクセル操作量レベル及びブレーキ操作量レベルもまた、上述した車間距離レベルや車速レベルと同様に判定する。
詳しくは、ECU10は、データ記憶部15に格納された運転操作状況の検出結果に基づいて、測定時間(1分間)におけるアクセル及びブレーキのペダル踏力の平均値を算出し、算出した平均値を図2に示す判定条件と照合して、操作量レベル(大、中、小)を判定(特定)する。
速度変化量レベルもまた、上述した車速レベル等と同様に、ECU10は、データ記憶部15に格納された運転操作状況の検出結果に基づいて、測定時間(1分間)における車速変化量の平均値を算出し、算出した平均値を図2に示す判定条件と照合して、車速変化量レベル(大、中、小)を判定(特定)する。
ECU10は、データ記憶部15に格納された運転操作状況の検出結果に基づいて、測定時間(1分間)における、ハンドル操作トルクがαN・m以上のハンドル操作の回数をカウントし、このハンドル操作回数を図2に示す判定条件と照合して、ハンドル操作頻度レベル(大、中、小)を判定(特定)する。
アクセル及びブレーキの操作量が共に「大」レベルでない場合(ステップ28;N)、また、ステップ26の処理において、アクセル及びブレーキの操作量が共に「大」レベルであり、且つ、ハンドル操作頻度が「大」レベルであると判断された場合(ステップ26;Y)、ECU10は、運転者の運転操作タイプを『速度確保型』と判定し(ステップ29)、この判定結果を該当運転者の識別情報と紐付けてデータ記憶部15に格納した後メインルーチンにリターンする。
従って、運転者の状態判定結果に基づいて、より適切な運転支援モードを設定することができるため、フィードバック装置17による、より精度の高い運転支援を行うことができる。
上述した実施形態では、現在の運転操作状況のみに基づいて、運転操作タイプの種別、即ち、運転者の状態を判定するための判定閾値の設定を行う場合について説明したが、運転者の状態を判定するための判定閾値の決定(設定)方法はこれに限定されるものではなく、例えば、過去に判定された運転操作タイプ、即ち、運転操作タイプの判定履歴情報を考慮して決定するようにしてもよい。
そこで、第2の実施形態では、運転操作タイプの判定履歴を考慮した判定閾値の決定方法について説明する。
また、図10は、第2の実施形態における運転者の状態を判定するための閾値マップの一例を示した図である。
なお、第2の実施形態に示す運転支援装置は、上述した第1の実施形態と同様の構成を有するものとし、ここでは、相違する部分について説明する。
また、図9に示すステップ41〜45、及びステップ49〜51の処理内容については、上述した第1の実施形態(図7)に示すステップ11〜18の処理と重複するため、詳細な説明は省略する。
ECU10は、現在の運転者の識別情報に基づいてデータ記憶部15の所定エリア(個人特性DB152)を検索する。
そして、該当運転者の運転操作タイプの判定履歴情報がデータ記憶部15に格納されている場合(ステップ46;Y)、ECU10は、該当運転者の運転操作タイプの判定履歴情報、即ち検索した過去データをデータ記憶部15から抽出し(ステップ47)、RAMの所定領域に読み出す。
次に、ECU10は、抽出された運転操作タイプの判定履歴情報に基づいて、運転操作タイプを補正する(ステップ48)。ここでは、過去データに基づいて、図10に示す運転者の状態を判定する判定閾値を決定する運転操作タイプの横軸の位置を補正する。
例えば、前回の運転操作タイプの判定処理において、ステップ45の処理において判定された運転操作タイプ(以下、現在の運転操作タイプとする)と異なる運転操作タイプが判定されていた場合について説明する。
この場合、現在の運転操作タイプと前回の運転操作タイプの中間点に運転操作タイプの横軸の位置を補正する。
また、現在の運転操作タイプが『攻撃型』であり、前回の運転操作タイプが『速度確保型』であった場合、その中間点である『攻撃型』と『速度確保型』との境界点における横軸が、補正後の判定閾値を決定する運転操作タイプの横軸となる。
例えば、過去の運転操作タイプの判定履歴情報において、特定の運転操作タイプの判定頻度が高い場合には、判定閾値を決定する横軸を、現在の運転操作タイプの基準点から判定頻度の高い運転操作タイプの方向へ所定の目盛り分ずらす(移動させる)補正を行うようにしてもよい。
具体的には、現在の運転操作タイプが『速度確保型』であり、過去の運転操作タイプの判定履歴情報において『攻撃型』の判定頻度が高い場合、判定閾値を決定する横軸を、『速度確保型』の基準点から『攻撃型』方向、即ち図10中の+(プラス)方向に、1ないし2目盛り分ずらす補正を行う。
なお、判定閾値を決定する横軸をずらす目盛りの分量は、過去の運転操作タイプの判定履歴情報における判定頻度の程度に応じて任意に設定することができる。
第2の実施形態では、現在の運転操作タイプに対して基準に判定閾値を決定する横軸の補正を行うようにしているが、例えば、過去の運転操作タイプの判定履歴における判定頻度の高い運転操作タイプに対して、現在の運転操作タイプに基づく補正を行うようにしてもよい。
ECU10は、決定された判定閾値、及び各生体情報の検出結果に基づいて運転支援モードを特定する(ステップ49)。
このように、第2の実施形態では、図10に示す閾値マップにおいて、運転者の状態を判定する判定閾値を設定する運転操作タイプの横軸の位置を、運転操作タイプの判定履歴情報を加味して補正(変更)することができる。
即ち、運転者の状態を判定する判定閾値を、運転者の過去の運転操作状況を考慮して設定することができる。
これにより、運転者の運転操作傾向に対応したより適切な判定閾値に基づいて運転者の状態をより高い精度で判定することができる。
運転者の状態を判定するための判定閾値の設定は、上述したような判定された現在の運転操作タイプや過去の判定履歴情報だけでなく、運転者の自己申告、即ち運転者が自身で設定した運転操作タイプに基づいて設定するようにしてもよい。
運転者自身に運転操作タイプを設定させる場合には、例えば、はじめに運転者の認証処理を行う際に、ECU10は、表示装置18に運転操作タイプの選択肢を表示する。そして、運転者に入力装置19を操作させて、該当する運転操作タイプを選択させる。ECU10は、選択された運転操作タイプの入力を受け付け、RAMの所定領域に格納する。
ただし、この場合、定期的に運転操作タイプの判定処理を実行し、この判定結果と、運転者の設定した運転操作タイプとの比較を行う。そして両者の運転操作タイプが相違する場合には、運転操作タイプの判定処理を優先して運転者の状態を判定する。
このように、運転者の設定した運転操作タイプに基づいて運転者の状態を判定することにより、ECU10の負荷を軽減させることができる。
しかしながら、所定の処理を経て得られた運転操作タイプ及び運転支援モードを更新するタイミングは、これに限定されるものではない。
例えば、運転者の運転操作タイプは、運転者の性格のように、人によって傾向がある方向におおまかに定まっているものであり、短期間内で大きく変化する生体情報とは、その変化速度における性質が異なる。
そのため、運転者の運転操作タイプの更新(設定変更)は、例えば、運転者が乗車した時やN時間経過した時など、比較的長いスパンを設定して行うようにしてもよい。
そして、次回の運転操作タイプの更新処理時に、この履歴情報に基づいて運転操作タイプを決定し、この決定した運転操作タイプに基づいて更新処理を行うようにしてもよい。
一方、運転支援モードの更新(設定変更)は、運転者の生体情報の変化に対して、リアルタイムに応じることが望まれるため、できるだけ短い間隔で行うことが好ましい。例えば、運転支援モードの更新は、運転支援生体情報判定値(合算値)を取得するために必要な生体情報の測定時間(1分間)が経過するごとに行うことが好ましい。
11 現在位置検出部
12 生体情報検出部
13 環境情報取得部
14 運転操作検出部
15 データ記憶部
16 プログラム記憶部
17 フィードバック装置
18 表示装置
19 入力装置
111 GPSセンサ
112 車速センサ
113 ジャイロセンサ
121 心拍センサ
122 発汗センサ
123 筋電位センサ
124 脳波センサ
125 温度センサ
126 画像処理装置
141 アクセルセンサ
142 ブレーキセンサ
143 舵角センサ
144 車間距離センサ
151 運転環境DB
152 個人特性DB
153 生体情報DB
154 運転環境判定データ
155 個人特性判定データ
156 生体情報判定データ
157 モード判定データ
161 運転環境取得判定プログラム
162 個人特性取得判定プログラム
163 生体情報取得判定プログラム
164 モード判定プログラム
165 フィードバック制御プログラム
Claims (5)
- 運転者の生体情報から運転者の状態を判定するための判定閾値であり、運転者の運転操作タイプごとに異なる複数の判定閾値が設定された状態判定テーブルを記憶する記憶手段と、
運転者の運転操作タイプを取得する操作タイプ取得手段と、
前記運転者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記状態判定テーブルから、前記取得した運転操作タイプに対応した複数の判定閾値を決定する閾値決定手段と、
前記取得した生体情報を、前記決定した複数の判定閾値に照らし合わせることによって、運転者の状態を判定する状態判定手段と、
を具備したことを特徴とする運転者状態判定装置。 - 車両走行における、少なくともアクセル操作量、ブレーキ操作量、ハンドル操作頻度、車間距離、速度変化量のうちの1つの運転操作情報を取得する運転操作情報取得手段を具備し、
前記操作タイプ取得手段は、前記取得した運転操作情報に基づいて決定することで前記運転操作タイプを取得することを特徴とする請求項1記載の運転者状態判定装置。 - 車両走行における、少なくともアクセル操作量、ブレーキ操作量、ハンドル操作頻度、車間距離、速度変化量のうちの1つの運転操作情報を取得する運転操作情報取得手段と、
前記取得した運転操作情報に基づいて運転操作タイプを決定する操作タイプ決定手段と、
前記決定した運転操作タイプの履歴を記憶する記憶手段と、を具備し、
前記操作タイプ取得手段は、前記履歴から前記運転操作タイプを取得することを特徴とする請求項1記載の運転者状態判定装置。 - 前記操作タイプ取得手段は、前記決定した運転操作タイプと前記履歴に基づいて取得することを特徴とする請求項3記載の運転者状態判定装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1の請求項に記載の運転者状態判定装置と、
前記運転者状態判定装置で判定した運転者の状態に応じた運転支援を行う運転支援手段と、を具備したことを特徴とする運転支援装置。
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