以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
図1は本発明の実施形態に係る警報装置のブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る警報装置は、警報制御ECU(Electronic ControlUnit)1を備えている。警報制御ECU1には、顔画像センサ2、飲酒センサ3、心拍数センサ4、ナビゲーション装置5、および通信装置6が接続されている。また、警報制御ECU1には、画像/レーダセンサ7、車速センサ8、ヨーレートセンサ9、ダイアグセンサ10、および操舵角センサ11が接続されている。さらに、警報制御ECU1には、警報装置12が接続されている。
警報制御ECU1は、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。また、警報制御ECU1は、意識低下度判定部20および警報態様判定部30を備えている。さらに、意識低下度判定部20は、ドライバ状態認識部21、周辺環境認識部22、および自車両状態認識部23を備えている。また、警報制御ECU1は、遭遇度算出部24、焦燥度算出部25、重大度算出部26、および緊急度算出部27を備えている。
顔画像センサ2は、車室内に設けられ、ドライバの顔の位置を撮像する顔画像カメラを備えている。また、顔画像センサ2は、顔画像カメラで撮像された映像に画像処理を施すことにより、ドライバの顔やまぶたの開き具合などの顔画像情報を取得する。顔画像センサ2は、検出した顔画像情報を警報制御ECU1に送信する。
飲酒センサ3は、車室内の運転席近傍に配置されており、常時、空気中のアルコールを検出して空気中のアルコール濃度を測定する。また、飲酒センサ3は、計測したアルコール濃度に関する飲酒情報を警報制御ECU1に送信する。
心拍数センサ4は、たとえば車両のステアリングにおけるドライバが握り易い位置に配置されており、心拍数センサ4に触れたドライバの心拍数を計測する。心拍数センサ4は、計測したドライバの心拍数に関する心拍数情報を警報制御ECU1に送信する。なお、心拍数センサ4は、ステアリングのほか、たとえばドライバが着座するシートなどに設けることもできる。
ナビゲーション装置5は、たとえば車両の運転席の近傍に設けられており、GPS(Global Positioning System)装置を備えている。GPS装置では、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて、自車両の位置を取得する。また、ナビゲーション装置5は、車両が走行する道路に関するマップを記憶している。ナビゲーション装置5では、GPS装置で取得した自車両位置を記憶している、マップに対してマッチングすることにより、自車両が走行する道路環境などのナビゲーション情報を取得する。ナビゲーション装置5は、取得したナビゲーション情報を警報制御ECU1に送信する。
通信装置6は、車両が走行する道路の脇に設けられた路側装置や基地局、さらには他車両との間で通信可能とされている。通信装置6は、路側装置、基地局、さらには他車両との間における通信によって取得したVICS(Vehicle Information and Communication Systems)情報などの通信情報を警報制御ECU1に送信する。
画像/レーダセンサ7は、たとえば車両の前方位置に設けられた周囲撮像カメラおよびレーダセンサを備えている。画像/レーダセンサ7では、周囲撮像カメラで撮像された周囲画像に対して画像処理を施し、周囲における他車両などの障害物情報を取得する。さらに、画像/レーダセンサ7では、ミリ波やレーザなどのレーダを車両の周囲に向けて出力し、その反射波を受信する。このときの出力波と反射波との位相差などの関係に基づいて、自車両の周囲における他車両などの障害物に関する障害物情報を取得する。画像/レーダセンサ7は、周囲撮像カメラで撮像した画像に基づく障害物情報およびレーダで取得した出力波と反射波との関係に基づく障害物情報を警報制御ECU1に送信する。
車速センサ8は、たとえば車両の車輪に取り付けられており、車輪の速度である車輪速に関する車輪速情報を取得する。車速センサ8は、取得した車輪速度に関する車輪速情報を警報制御ECU1に送信する。
ヨーレートセンサ9は、たとえば車両の車体に取り付けられており、車両にかかるヨーレートを検出している。ヨーレートセンサ9は、検出したヨーレートに関するヨーレート情報を警報制御ECU1に送信する。
ダイアグセンサ10は、車両における故障検出対象となる各種装置に電気的に接続されており、これらの各種装置に生じた故障に関するダイアグ情報を取得する。ダイアグセンサ10は、取得した各種装置に生じた故障に関するダイアグ情報を警報制御ECU1に送信する。
操舵角センサ11は、たとえばステアリングロッドに取り付けられており、ドライバが操作したステアリングの操舵角を検出している。操舵角センサ11は、検出したステアリングの操舵角に基づく操舵角情報を警報制御ECU1に送信する。
また、警報制御ECU1における意識低下度判定部20では、各種センサ等から送信された各種情報に基づいて、ドライバの意識低下度を判定する。意識低下度判定部20は、判定した意識低下度に関する意識低下度情報を警報態様判定部30に出力する。意識低下度判定部20では、具体的に、以下の動作が行われている。
意識低下度判定部20におけるドライバ状態認識部21は、顔画像センサ2から送信される顔画像情報、飲酒センサ3から送信される飲酒情報、および心拍数センサ4から送信される心拍数情報に基づいて、ドライバ状態を認識する。ドライバ状態認識部21は、認識したドライバ状態に関するドライバ状態情報を遭遇度算出部24、焦燥度算出部25、重大度算出部26、および緊急度算出部27にそれぞれ出力する。
周辺環境認識部22は、ナビゲーション装置5から送信されるナビゲーション情報、通信装置6から送信される通信情報、および画像/レーダセンサ7から送信される障害物情報に基づいて、自車両の周辺環境に関する周辺環境情報を認識する。周辺環境認識部22は、認識した自車両の周辺環境に関する周辺環境情報を遭遇度算出部24、焦燥度算出部25、重大度算出部26、および緊急度算出部27にそれぞれ出力する。
自車両状態認識部23は、車速センサ8から送信される車速情報、ヨーレートセンサ9から送信されるヨーレート情報、ダイアグセンサ10から送信されるダイアグ情報、および操舵角センサ11から送信される操舵角情報に基づいて、自車両の状態に関する自車両状態情報を認識する。自車両状態認識部23は、認識した自車両状態に関する自車両状態情報を遭遇度算出部24、焦燥度算出部25、重大度算出部26、および緊急度算出部27にそれぞれ出力する。
遭遇度算出部24は、ドライバ状態認識部21から出力されるドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力される周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力される自車両状態情報と、車両の遭遇度指数と、の関係を示すマップである遭遇度指数マップを記憶している。遭遇度算出部24は、ドライバ状態情報、周辺環境情報、および自車両状態情報を遭遇度指数マップに参照することにより、車両の遭遇度を算出する。ここで、遭遇度とは、車両が正常に走行するのが困難となる非正常状態、たとえば不慮の事態に遭遇したり、不慮の事態を誘発したりする度合いを意味する。遭遇度算出部24は、算出した遭遇度に関する遭遇度情報を警報態様判定部30も出力する。
焦燥度算出部25は、ドライバ状態認識部21から出力されるドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力される周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力される自車両状態情報と、車両の焦燥度指数と、の関係を示すマップである焦燥度指数マップを記憶している。焦燥度算出部25は、ドライバ状態情報、周辺環境情報、および自車両状態情報を焦燥度指数マップに参照することにより、ドライバの焦燥度を算出する。ここで、焦燥度とは、不慮の事態に遭遇するまでのドライバの物理的および精神的なあせり度合いを意味する。焦燥度算出部25は、算出した焦燥度に関する焦燥度情報を警報態様判定部30も出力する。
重大度算出部26は、ドライバ状態認識部21から出力されるドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力される周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力される自車両状態情報と、車両の重大度指数と、の関係を示すマップである重大度指数マップを記憶している。重大度算出部26は、ドライバ状態情報、周辺環境情報、および自車両状態情報を重大度指数マップに参照することにより、ドライバの重大度を算出する。ここで、重大度とは、不慮の事態の発生が及ぼす社会的影響の度合いを意味する。重大度算出部26は、算出した重大度に関する重大度情報を警報態様判定部30も出力する。
緊急度算出部27は、ドライバ状態認識部21から出力されるドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力される周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力される自車両状態情報と、車両の緊急度指数と、の関係を示すマップである緊急度指数マップを記憶している。緊急度算出部27は、ドライバ状態情報、周辺環境情報、および自車両状態情報を緊急度指数マップに参照することにより、ドライバの緊急度を算出する。ここで、緊急度とは、不慮の事態を発生させないためにドライバに対する操作要求の度合いを意味する。緊急度算出部27は、算出した緊急度に関する緊急度情報を警報態様判定部30も出力する。
警報態様判定部30は、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度と警報態様との関係を示す警報ポイントマップおよび警報ポイントと警報態様との関係を示す警報態様マップを記憶している。警報態様判定部30は、遭遇度算出部24から出力される遭遇度、焦燥度算出部25から出力される焦燥度、重大度算出部26から出力される重大度、および緊急度算出部27から出力される緊急度を警報ポイントマップに参照することによって、警報ポイントを算出する。また、警報態様判定部30は、算出した警報ポイントを警報態様マップに参照して警報態様を判定する。警報態様判定部30は、判定した警報態様に応じた警報信号を警報装置12に送信する。
警報装置12は、車両に設けられたスピーカやモニタからなり、警報制御ECU1から送信される警報信号に応じた警報を出力する。警報装置12から出力される警報としては、スピーカから出力される音声情報やモニタに表示される文字情報が含まれる。こうして、警報装置12は、ドライバに対して警報を出力する。その他の警報装置として、シートベルト巻上げ装置によるシートベルトの巻上げや、ブレーキ制御ECUによるブレーキの制動制御等が設定されている。
次に、本実施形態に係る警報制御装置の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る警報制御ECUにおける処理手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態に係る警報制御ECU1においては、まず、顔画像センサ2、飲酒センサ3、心拍数センサ4、ナビゲーション装置5、通信装置6、画像/レーダセンサ7、車速センサ8、ヨーレートセンサ9、ダイアグセンサ10、および操舵角センサ11の各種センサ等からの情報を取得する(S1)。次に、ドライバ状態認識部21においてドライバ状態を認識する(S2)。ドライバ状態認識部21は、顔画像センサ2から送信された顔画像情報、飲酒センサ3から送信された飲酒情報、心拍数センサ4から送信された心拍数情報等に基づいて、ドライバ状態を認識する。
ここで認識されるドライバ状態としては、「眠気度」「不注意度」「運転不適度」「飲酒状態」「年齢」「心拍数」の6項目が設定されている。このうちの「眠気度」とは、居眠りに関する状態であり、不注意度とは、脇見に関する情報である。また、運転不適度とは、病気、発作、薬物等に関する情報である。これらの各ドライバ状態の検出は、具体的には、次のようにして行われる。
「眠気度」は、顔画像センサ2から送信される顔画像情報に基づいて検出される瞬き状態によって、ドライバの眠気の度合いを検出することによって求められる。さらには、操舵角センサ11から送信される操舵角情報や画像/レーダセンサ7から送信される障害物情報に基づく自車両の白線に対する横位置である車両横変位も用いられる。「眠気度」としては、たとえば人間工学研究センタにおける判定基準に基づいてレベル1〜レベル5の範囲に設定することもできるが、本実施形態では、図3に示すように、特徴的な挙動や反応速度に着目して「D0」「D1」「D2」「D3L」「D3H」「D4E」「D4V」「D5」の8段階の眠気レベルを設定して「眠気度」を認識する。
眠気レベル「D0」では、明らかに起きている状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動はなく通常どおりであり、また、反応速度も通常である。
眠気レベル「D1」では、動作が緩慢になる状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、視線移動が遅く、唇が開いた状態となる。また、反応速度は、通常時と比較して、体感では大きな変化は認められない程度の相違である。
眠気レベル「D2」では、瞬きが増える状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、瞬きはゆっくりと頻発し、あくびが出始める状態となる。また、反応速度は、通常時よりもやや遅くなり、操作が雑となる状態となる。
眠気レベル「D3L」では、0.5秒以上の閉眼が発生する状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、瞬きも視線の動き遅い状態となる。また、反応速度は、かなり遅い状態となる。さらなる具体的は判定方法の例として、1回あたりの閉眼時間が0.5秒〜1.5秒の間のいずれかであるか、10秒あたりの閉眼時間が1秒〜3秒の間であるか、10秒あたりの閉眼回数が2回〜4回のいずれかであるかを満たした場合に、眠気レベル「D3L」と判定することができる。なお、「D3L」における「L」は、「Light」を意味する。
眠気レベル「D3H」では、1秒以上の閉眼が発生する状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、あくびが頻発し深呼吸もある状態となる。また、反応速度は、同乗者があせりを覚える程度に遅い状態となる。さらなる具体的な判定方法の例として、1回あたりの閉眼時間が1.0秒〜2.0秒の間のいずれかであり、10秒あたりの閉眼時間が3秒〜5秒の間であり、10秒あたりの閉眼回数が3回〜6回のいずれかであるかを満たした場合に、眠気レベル「D3L」と判定することができる。さらには、眠気レベル「D3L」の継続時間が3分を超えた場合に、眠気レベル「D3H」と判定することもできる。なお、「D3H」における「H」は、「Heavy」を意味する。
眠気レベル「D4E」では、2秒以上の閉眼が発生する状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、まぶたを閉じる状態となる。また、反応速度は、脊椎反射的反応となる。さらなる具体的な判定方法の例として、1回あたりの閉眼時間が2.0秒を超え、10秒あたりの閉眼時間が5秒を超え、10秒あたりの閉眼回数が5回を超えるという条件を満たした場合に、眠気レベル「D4E」と判定することができる。さらには、眠気レベル「D3L」の継続時間が3分を超えた場合に、眠気レベル「D3L」と判定することもできる。なお、「D4E」における「E」は、「Early」を意味する。
眠気レベル「D4V」では、半眼状態が連続し、閉眼も長期化している状態を判定基準とする。このときの特徴的な挙動としては、頭が前に傾いたり、後に倒れたりする状態となる。また、反応速度はなく、無反応な状態となる。さらなる具体的な判定方法の例として、眠気レベル「D4E」が20秒以上継続し、操舵角の標準偏差が1.6度を超え、車両横変位標準偏差が180mmを超える場合に、眠気レベル「D4V」と判定する。なお、「D4V」における「V」は、「Viorent」を意味する。
これらの眠気レベルのうち、眠気レベル「D0」は、人間工学研究センタの判定基準における「まったく眠くなさそう」なレベルである「レベル1」に相当する。眠気レベル「D1」は、人間工学研究センタの判定基準における「眠気の自覚なし」のレベルである「レベル2」に相当する。眠気レベル「D2」は、人間工学研究センタの判定基準における「眠気の自覚開始」となるレベルである「レベル3」に相当する。眠気レベル「D3L」および「D3H」は、人間工学研究センタの判定基準における「眠いが運転が可能と感じる」なレベルである「レベル4」に相当する。眠気レベル「D4E」および「D4V」は、人間工学研究センタの判定基準における「眠くて運転に支障があると感じる」レベルである「レベル5」に相当する。
また、「不注意度」は、顔画像情報に基づいて求められるドライバの視線の方向および視線の停留時間で脇見状態を判断することによって求められる。具体的に不注意度は、下記(1)式で求めた注意度に対して下記の処理を行うことによって求められる。また、図4は、任意の基準点Oとドライバの注視点Pとの関係を模式的に示す図である。
注意度=f(r,θ,t) ・・・(1)
ここで、r:基準点Oから注視点Pまでの距離
θ:任意の基準軸に対する基準点Oと注視点Pとを結んだ線の角度
t:注視点での滞留時間
上記(1)式によって注意度f(r,θ,t)を求めたら、予め記憶された第1しきい値f(A)、第2しきい値f(B)、第3しきい値f(C)、第4しきい値f(D)を用いて、注意度f(r,θ,t)が、下記(2)式〜(6)式のいずれの範囲に含まれるかによって、それぞれ演算ゾーンを求め、演算ゾーンから不注意度を求める。なお、各しきい値は、いずれも正の値であり、第1しきい値f(A)、第2しきい値f(B)、第3しきい値f(C)、第4しきい値f(D)の順で大きくなる値に設定されている。
f(A)>f(r,θ,t)≧0 ・・・(2)
f(B)>f(r,θ,t)≧f(A) ・・・(3)
f(C)>f(r,θ,t)≧f(B) ・・・(4)
f(D)>f(r,θ,t)≧f(C) ・・・(5)
f(r,θ,t)≧f(D) ・・・(6)
ここで、注意度f(r,θ,t)が上記(2)式を満たす場合には、演算ゾーンAと判定し、上記(3)式を満たす場合には、演算ゾーンBと判定する。また、上記(4)式を満たす場合には、演算ゾーンCと判定し、上記(5)式を満たす場合には、演算ゾーンDと判定する。さらに、上記(6)式を満たす場合には、演算ゾーンEと判定する。
そして、判定された演算ゾーンが演算ゾーンAまたは演算ゾーンBであれば不注意度C0と判定する。また、判定された演算ゾーンが演算ゾーンCであれば不注意度C1と判定する。さらに、判定された演算ゾーンが演算ゾーンDまたは演算ゾーンEである場合には、不注意度C2と判定する。なお、不注意度として、不注意度C1の方が不注意度C0よりも不注意度が高くされている。また、不注意度C2の方が不注意度C1よりも不注意度が高くされている。こうして、不注意度を判定することができる。
さらに、「運転不適度」は、顔画像情報に基づいて、車両の操作方法や体調を検出することによって推定されて求められる。また、「飲酒状態」は、飲酒情報に応じたアルコール濃度が予め定められた複数のしきい値を超えるか否かに基づいて複数段階に求められる。その他、「運転不適度」として、適宜の手法によってドライバの「病気」「発作」「薬物摂取」などの状態を取得する。さらに、「年齢」は、顔画像情報から求められる顔表情から推定される。ただし、別途年齢認証システム等を用いることによって年齢を求めることもできる。「心拍数」は、心拍数情報に基づいて求められる。
他方、これらのドライバ状態を一括的に「運転不適度」として表すこともできる。この場合、図5に示すように、「飲酒」「居眠り」「疲労」「薬物」「病気」「発作」の各項目を設定し、これらを参照して判定することもできる。この場合には、「眠気度」「飲酒状態」についても「運転不適度」として判断する。この場合について具体的に説明すると、「飲酒」については、飲酒センサから送信される飲酒状態に基づくドライバにおける血中アルコール濃度を求める。ここで、アルコール検知不能な低レベルであれば、もっとも「飲酒」状態が低い飲酒レベル「F00」を設定する。また、血中アルコール濃度が0.15mg未満dである場合には、次に「飲酒」状態が低い飲酒レベル「F01」を設定する。さらに、血中アルコール濃度が0.15mg以上である場合には、もっとも「飲酒」状態が高い飲酒レベル「F02」を設定する。
また「居眠り」については、居眠り判定の結果が上記の判定基準の「D0」〜「D4」の範囲である場合には、「居眠り」の度合いが低い居眠り度合い「F10」を設定する。また、居眠り判定の結果が上記の判定基準の「D5」となっている時間が20秒未満である場合には、次に居眠り度合いが低い居眠りレベル「F11」を設定する。さらに、居眠り判定の結果が上記の判定基準の「D5」となっている時間が20秒以上である場合には、居眠り度合いがもっとも高い居眠りレベル「F12」を設定する。
さらに、「疲労」については、運転が継続して行われている際の継続時間および走行距離を算出する。その結果、運転時間が2時間未満、走行距離が150km未満である場合には、「疲労」状態がもっとも低い疲労レベル「F20」に設定する。また、運転時間が2時間未満、走行距離が150km以上である場合には、「疲労」状態が次に低い疲労レベル「F21」に設定する。さらに、運転時間が4時間未満、走行距離が250km未満である場合には、「疲労」状態がもっとも高い疲労レベル「F22」に設定する。
その他、適宜の手法を用いてドライバの「薬物」摂取状態「病気」発生状態「発作」発生状態を検出し、これらのいずれかが検出された場合には、運転不適度を最高に設定する。このような態様によってドライバ状態を一括的に判定することもできる。
続いて、周辺環境認識部22において、自車両の周辺環境を認識する(S3)。周辺環境認識部22は、ナビゲーション装置5から送信されたナビゲーション情報、通信装置6から送信された通信情報、画像/レーダセンサ7から送信された障害物情報等に基づいて自車両の周辺環境を認識する。
ここで認識される周辺環境としては、「所定点までの距離」「カーブRまでの距離」「天候関連状態」「渋滞・規制状態」「街路状態」「固定式路側物」「可動式路側物」「走路障害物」「小型走路障害物」「集団小型走路障害物」「走行路種別」「走行路傾斜度」「走行路カーブR」の13項目が設定されている。このうちの「所定点までの距離」における所定点とは、たとえば交差点、合流点、一旦停止点などが含まれる。また、「天候」には、晴れ、曇り、小雨、大雨、雪、凍結などが含まれる。さらに、「街路状態」には、細街路、市街地路などが含まれる。また、「固定物路側物」には、ガードレールや標識等が含まれ、「可動式路側物」には停止車両等が含まれる。さらに、「走路障害物」には車両等が含まれ、「小型走路障害物」には歩行者等が含まれ「集団小型走路障害物」には、集団歩行者等が含まれる。また、「走行路」には、一般道路や車両専用道路などが含まれる。
具体的に、「所定点までの距離」および「カーブRまでの距離」は、GPS情報に含まれる地図情報および位置情報に基づいて距離演算によって求められる。「天候関連状態」および「渋滞・規制状態」はVICS道路情報に基づいて状況推定される。「街路状態」は、GPS情報に含まれる地図情報および位置情報に基づいて自車両が含まれる地域の街路状態を検出することによって求められる。「固定式路側物」「可動式路側物」「走路障害物」および「小型走路障害物」は、いずれも画像/レーダセンサ7から送信される障害物情報に基づいて検出されることで求められる。「走行路種別」「走行路傾斜度」および「走行路カーブR」は、いずれもGPS情報に含まれる地図情報および位置情報に基づいて自車両が走行する道路の状態に応じて求められる。
自車両の周辺環境の認識が済んだら、自車両状態認識部23において、自車両状態を認識する(S4)。自車両状態認識部23は、画像/レーダセンサ7から送信された障害物情報、車速センサ8から送信された車速情報、ヨーレートセンサ9から送信されたヨーレート情報、ダイアグセンサ10から送信されたダイアグ情報、および操舵角センサ11から送信された操舵角情報に基づいて自車両状態を認識する。
ここで認識される自車両状態としては、「静止物までの接近速度」「移動体との相対速度」「車体速度」「車体横G」「車両異常」「車両横変位SD」「修正操舵角SD」の7項目が設定されている。このうちの「横G」は、車両のふらつき度に関する情報である。また、「車両異常」は、車両の故障に関する情報である。
具体的に、「静止物までの接近速度」および「移動体との相対速度」は、画像/レーダセンサ7から送信された障害物情報から検出される先行車両との関係に応じて求められる。「車体速度」は、車速情報に基づいて求められ、「車体横G」はヨーレート情報に基づいて求められる。「車両異常」は、ダイアグ情報に基づいて求められる。「車両横変位SD」は、障害物情報に基づいて検出される自車線位置に応じて求められる。「修正操舵角SD」は、操舵角情報に基づいて求められる。
こうして、自車両状態を取得したら、遭遇度算出部24において、遭遇度を求める(S5)。遭遇度算出部24では、ドライバ状態認識部21から出力されたドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力された周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力された自車両状態情報をそれぞれ図6〜図9に示すマップに参照し、その結果として得られる遭遇度指数を取得する。
具体的に、ドライバ状態に含まれる眠気度を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における最上段に位置する眠気度/遭遇度マップに参照する。眠気度が高いと、車両が不慮の事態の遭遇する可能性が高くなる。このため、眠気度/遭遇度マップは、眠気度が大きいほど遭遇度が階段状に上昇するマップとされている。この眠気度/遭遇度マップに眠気度を参照することによって第1ドライバ状態遭遇度指数Hs1を求める。
また、ドライバ状態に含まれる不注意度を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における上から2段目に位置する不注意度/遭遇度マップに参照する。不注意度の増大に伴い、不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、不注意度/遭遇度マップは、不注意度が大きいほど遭遇度が階段状に上昇するマップとされている。この不注意度/遭遇度マップに不注意度を参照することによって第2ドライバ状態遭遇度指数Hs2を求める。
同様に、ドライバ状態に含まれる運転不適度を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における上から3段目に位置する運転不適度/遭遇度マップに参照する。運転不適度の増大に伴い、不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、運転不適度/遭遇度マップは、運転不適度が0である場合に遭遇度が最小値となり、運転不適度が1である場合に遭遇度が最大値となるマップとされている。この運転不適度/遭遇度マップから、第3ドライバ状態遭遇度指数Hs3を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれる飲酒状態を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における上から4段目に位置する飲酒状態/遭遇度マップに参照する。飲酒状態での運転は不法行為となる。このため、飲酒状態/遭遇度マップは、飲酒状態でない場合に遭遇度が最小値となり、飲酒状態である場合に遭遇度が最大値となるマップとされている。この飲酒状態/遭遇度マップに飲酒状態を参照することによって第4ドライバ状態遭遇度指数Hs4を求める。
また、ドライバ状態に含まれるドライバの年齢を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における上から4段目に位置する年齢/遭遇度マップに参照する。若年層は、運転に対する経験が浅く、高齢者は判断や操作に遅れがめだち、いずれも不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、年齢/遭遇度マップは、年齢が中年のあたりでもっとも遭遇度が低くなり、この中年のあたりから若年または高齢のいずれに向けても遭遇度が高くなるマップとされている。この年齢/遭遇度マップに年齢を参照することによって第5ドライバ状態遭遇度指数Hs5を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれるドライバの心拍数を図6におけるマップ群のうちの遭遇度における最下段に位置する心拍数/遭遇度マップに参照する。脈波は精神状態を表しているため、ドライバの心拍数が早すぎると、ドライバに何らかの異常が発生している可能性が高いと考えられる。逆にドライバの心拍数が遅すぎても、ドライバに何らかの異常が発生している可能性が高いと考えられる。このため、心拍数/遭遇度マップは、通常心拍数近辺でもっとも遭遇度が低くなり、通常心拍数近辺よりも大きくまたは小さくなるにつれて、遭遇度が高くなり、心拍数が異常となるほど大きくまたは小さくなることで、遭遇度が最大となるマップとされている。この心拍数/遭遇度マップに心拍数を参照することによって第6ドライバ状態遭遇度指数Hs6を求める。
また、周辺環境に含まれる所定点までの距離を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における最上段に位置する所定点距離/遭遇度マップに参照する。交差点などの所定点の近傍では、出会い頭的に不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、所定点距離/遭遇度マップは、所定点までの距離が短いほど遭遇度が高く、所定点までの距離が長くなるほど、徐々に遭遇度が低くなるマップとされている。この所定点距離/遭遇度マップに所定点距離を参照することによって第1周辺環境遭遇度指数Es1を求める。
同様に、周辺環境に含まれるカーブRまでの距離を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から2段目に位置するカーブR距離/遭遇度マップに参照する。カーブRの手前位置では、車線からの逸脱などが生じる可能性が高くなる。このため、カーブR距離/遭遇度マップは、カーブRまでの距離が短いほど遭遇度が高く、カーブRまでの距離が長くなるほど、徐々に遭遇度が低くなるマップとされている。このカーブR距離/遭遇度マップにカーブR距離を参照することによって第2周辺環境遭遇度指数Es2を求める。
さらに、周辺環境に含まれる天候関連状態を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から3段目に位置する天候関連状態/遭遇度マップに参照する。悪天候時には、運転操作がし難く、不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、天候関連状態/遭遇度マップは、天候がよいほど遭遇度が低く、天候が悪化する方向にいくにつれて遭遇度が低くなるマップとされている。とくに、天候の悪化状態が中くらい(曇り、小雨など)のときに、遭遇度の変化率が大きくなっている。この天候関連状態/遭遇度マップに天候関連状態を参照することによって第3周辺環境遭遇度指数Es3を求める。
また、周辺環境に含まれる渋滞・規制状態を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から4段目に位置する渋滞・規制状態/遭遇度マップに参照する。渋滞時や規制がある状態では、通常の走行と異なる走行が求められるため、不慮の事態に遭遇する可能性が高まる。このため、渋滞・規制状態/遭遇度マップは、渋滞・規制状態が酷い状態となるほど遭遇度が高くなるマップとされている。特に、渋滞・規制状態が少ない状態で、遭遇度の上昇率が高くなっている。この渋滞・規制状態/遭遇度マップに渋滞・規制状情報を参照することによって第4周辺環境遭遇度指数Es4を求める。
さらに、周辺環境に含まれる街路状態を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から5段目に位置する街路状態/遭遇度マップに参照する。街路状態が市街に近い状態では、歩行者の飛び出し等が多くなるので、不慮の事態に遭遇する可能性も高くなる。このため、街路状態/遭遇度マップは、街路状態が市街に近い状態となるほど遭遇度が高くなるマップとされている。特に、郊外に近い状態で、遭遇度の上昇率が高くされている。この街路状態/遭遇度マップに街路情報を参照することによって第5周辺環境遭遇度指数Es5を求める。
また、周辺環境に含まれる固定式路側物を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から6段目に位置する固定式路側物/遭遇度マップに参照する。ガードレールなどの固定式路側物の有無にかかわらず、車両は不慮の事態に遭遇するので、固定式路側の存在は、不慮の事態に遭遇する可能性に対して大きな影響を与えない。このため、固定式路側物/遭遇度マップは、固定式路側物存在の如何にかかわらず一定とされている。固定式路側物/遭遇度マップに固定式路側物を参照することによって第6周辺環境遭遇度指数Es6を求める。
さらに、周辺環境に含まれる可動式路側物を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における上から7段目に位置する可動式路側物/遭遇度マップに参照する。周囲に停止車両や歩行者などの可動式路側物が存在すると、可動式路側物に接触するなどの不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、可動式路側物/遭遇度マップは、可動式路側物がある場合に遭遇度が最大値となり、可動式路側物がない場合に、遭遇度が最小値となるマップとされている。この可動式路側物/遭遇度マップに可動式路側物を参照することによって第7周辺環境遭遇度指数Es7を求める。
また、周辺環境に含まれる走路障害物を図7におけるマップ群のうちの遭遇度における最下段に位置する走路障害物/遭遇度マップに参照する。先行車両などの走路障害物が存在すると、不慮の事態に遭遇する可能性が高まる。このため、走路障害物/遭遇度マップは、走路障害物がある場合に遭遇度が最大値となり、走路障害物がない場合に、遭遇度が最小値となるマップとされている。この走路障害物/遭遇度マップに走路障害物を参照することによって第8周辺環境遭遇度指数Es8を求める。
さらに、周辺環境に含まれる小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの遭遇度における最上段に位置する小型走路障害物/遭遇度マップに参照する。歩行者などの小型走路障害物が存在すると、不慮の事態に遭遇する可能性が高まる。このため、小型走路障害物/遭遇度マップは、小型走路障害物がある場合に遭遇度が最大値となり、小型走路障害物がない場合に、遭遇度が最小値となるマップとされている。この小型走路障害物/遭遇度マップに小型走路障害物を参照することによって第9周辺環境遭遇度指数Es9を求める。
また、周辺環境に含まれる集団小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの遭遇度における上から2段目に位置する集団小型走路障害物/遭遇度マップに参照する。集団歩行者などの集団小型走路障害物が存在すると、不慮の事態に遭遇する可能性が高まる。このため、集団小型走路障害物/遭遇度マップは、集団小型走路障害物がある場合に遭遇度が最大値となり、集団小型走路障害物がない場合に、遭遇度が最小値となるマップとされている。この集団小型走路障害物/遭遇度マップに集団小型走路障害物を参照することによって第10周辺環境遭遇度指数Es10を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路種別を図8におけるマップ群のうちの遭遇度における上から3段目に位置する走行路種別/遭遇度マップに参照する。自動車専用道路では、不慮の事態に遭遇する可能性が低くなる。このため、走行路種別/遭遇度マップは、走行路種別が自動車専用道路である場合に遭遇度が最小値となり、一般道路である場合に遭遇度が最大値となるマップとされている。この走行路種別/遭遇度マップに走行路種別を参照することによって第11周辺環境遭遇度指数Es11を求める。
また、周辺環境に含まれる走行路傾斜度を図8におけるマップ群のうちの遭遇度における上から4段目に位置する走行路傾斜度/遭遇度マップに参照する。車両が走行する走行路の勾配が大きくなるほど車両の速度は速くなり易くなり、急勾配では、車両の速度が非常に速くなりやすくので、その分不慮の事態の遭遇する可能性が高くなる。このため、走行路傾斜度/遭遇度マップは、走行路傾斜度が大きくなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路傾斜度が大きいほど、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路傾斜度/遭遇度マップに走行路傾斜度を参照することによって第12周辺環境遭遇度指数Es12を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路カーブRを図8におけるマップ群のうちの遭遇度における最下段に位置する走行路カーブR/遭遇度マップに参照する。カーブRが大きくなるほど、車両が走行路から逸脱し易くなり、その分不慮の事態に遭遇しやすくなる。このため、走行路カーブR/遭遇度マップは、走行路カーブRが大きくなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路カーブRが大きいほど、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路カーブR/遭遇度マップに走行路カーブRを参照することによって第13周辺環境遭遇度指数Es13を求める。
また、自車両状態に含まれる静止物までの接近速度を図9におけるマップ群のうちの遭遇度における最上段に位置する接近速度/遭遇度マップに参照する。静止物に対する接近速度が速いほど、静止物との接触に対する回避余裕が少なくなる。このため、接近速度/遭遇度マップは、接近速度が速くなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この接近速度/遭遇度マップに静止物までの接近速度を参照することによって第1自車両状態遭遇度指数Vs1を求める。
さらに、自車両状態に含まれる移動体との相対速度を図9におけるマップ群のうちの遭遇度における上から2段目に位置する相対速度/遭遇度マップに参照する。移動体に対する接近速度が速いほど、移動体との接触に対する回避余裕が少なくなる。このため、相対速度/遭遇度マップは、接近速度が速くなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この相対速度/遭遇度マップに移動体との相対速度を参照することによって第2自車両状態遭遇度指数Vs2を求める。
また、自車両状態に含まれる車体速度を図9におけるマップ群のうちの遭遇度における上から3段目に位置する車体速度/遭遇度マップに参照する。自車両の車速が速いほど、接触する可能性がある物体との接触に対する回避余裕が少なくなる。このため、車体速度/遭遇度マップは、車体速度が速くなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、車体速度が遅い状態では、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この車体速度/遭遇度マップに車体速度を参照することによって第3自車両状態遭遇度指数Vs3を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車体横Gを図9におけるマップ群のうちの遭遇度における上から4段目に位置する車体横G/遭遇度マップに参照する。車体横Gが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、車体横G/遭遇度マップは、車体横Gが大きくなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、車体横Gが小さい状態では、遭遇度の増加率が小さくなるようにされている。この車体横G/遭遇度マップに車体横Gを参照することによって第4自車両状態遭遇度指数Vs4を求める。
また、自車両状態に含まれる車両異常との相対速度を図9におけるマップ群のうちの遭遇度における上から5段目に位置する車両異常/遭遇度マップに参照する。車両異常は車両の故障を意味し、車両に故障が生じると運転に悪影響を与えるおそれがあり、その結果、不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、車両異常/遭遇度マップは、車両異常があれば遭遇度が最大値であり、車両異常が無ければ遭遇度が最小値となるマップとされている。この車両異常/遭遇度マップに車両異常を参照することによって第5自車両状態遭遇度指数Vs5を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車両変位横SDとの相対速度を図9におけるマップ群のうちの遭遇度における上から6段目に位置する車両変位横SD/遭遇度マップに参照する。車両変位横SDが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、相対速度/遭遇度マップは、車両変位横SDが大きくなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、車両変位横SDが大きい状態では、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この車両変位横SD/遭遇度マップに車両変位横SDを参照することによって第6自車両状態遭遇度指数Vs6を求める。
そして、自車両状態に含まれる修正操舵角SDを図9におけるマップ群のうちの遭遇度における最下段に位置する修正操舵角SD/遭遇度マップに参照する。修正操舵と必要とされる操舵との間に乖離がある場合には運転の手法に問題があると考えられ、修正操舵角SDが大きいほど不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。このため、修正操舵角SD/遭遇度マップは、修正操舵角SDが大きくなるほど、遭遇度が大きくなるマップとされている。さらには、修正操舵角SDが小さい状態では、遭遇度の増加率が大きくなるようにされている。この修正操舵角SD/遭遇度マップに修正操舵角SDを参照することによって第7自車両状態遭遇度指数Vs7を求める。
遭遇度算出部24では、こうして求めた各遭遇度指数を用いて、下記(7)式により遭遇度ΣSを参照する。
ΣS=(ΣHs/6+ΣEs/13+ΣVs/7)/3 ・・・(7)
このように、遭遇度算出部24において遭遇度を求めたら、焦燥度算出部25において焦燥度を求める(S6)。焦燥度算出部25では、遭遇度を求める手順と同様の手順で焦燥度を求める。焦燥度算出部25では、ドライバ状態認識部21から出力されたドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力された周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力された自車両状態情報をそれぞれ図6〜図9に示すマップに参照し、その結果として得られる焦燥度指数を取得する。
具体的に、ドライバ状態に含まれる眠気度を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における最上段に位置する眠気度/焦燥度マップに参照する。眠気度の増加に伴い、運転の焦燥度は、ドライバが無意識のうちに増大する。このため、眠気度/焦燥度マップは、眠気度が大きいほど焦燥度が階段状に上昇するマップとされている。この眠気度/焦燥度マップに眠気度を参照することによって第1ドライバ状態焦燥度指数Hy1を求める。
また、ドライバ状態に含まれる不注意度を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における上から2段目に位置する不注意度/焦燥度マップに参照する。不注意度の増加に伴い、運転の焦燥度は、ドライバが無意識のうちに増大する。このため、不注意度/焦燥度マップは、不注意度が大きいほど焦燥度が階段状に上昇するマップとされている。この不注意度/焦燥度マップに不注意度を参照することによって第2ドライバ状態焦燥度指数Hy2を求める。
同様に、ドライバ状態に含まれる運転不適度を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における上から3段目に位置する運転不適度/焦燥度マップに参照する。運転不適度の増加に伴い、ドライバの焦燥度が高くなる。このため、運転不適度/焦燥度マップは、運転不適度が0である場合に焦燥度が最小値となり、運転不適度が1である場合に焦燥度が最大値となるマップとされている。この運転不適度/焦燥度マップから、第3ドライバ状態焦燥度指数Hy3を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれる飲酒状態を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における上から4段目に位置する飲酒状態/焦燥度マップに参照する。飲酒状態での運転は不法行為となる。このため、飲酒状態/焦燥度マップは、飲酒状態でない場合に焦燥度が最小値となり、飲酒状態である場合に焦燥度が最大値となるマップとされている。この飲酒状態/焦燥度マップに飲酒状態を参照することによって第4ドライバ状態焦燥度指数Hy4を求める。
また、ドライバ状態に含まれるドライバの年齢を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における上から4段目に位置する年齢/焦燥度マップに参照する。若年層は、運転に対する経験が浅く、高齢者は判断や操作に遅れがめだち、いずれも焦燥度は客観的に増加する傾向にある。このため、年齢/焦燥度マップは、年齢が中年のあたりでもっとも焦燥度が低くなり、この中年のあたりから若年または高齢のいずれに向けても焦燥度が高くなるマップとされている。この年齢/焦燥度マップに年齢を参照することによって第5ドライバ状態焦燥度指数Hy5を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれるドライバの心拍数を図6におけるマップ群のうちの焦燥度における最下段に位置する心拍数/焦燥度マップに参照する。心拍数が非常に高く、または非常に小さい場合、身体的に異常がある状態が考えられる。身体的に異常がある場合、運転に対する余裕は低下するので、焦燥度は増加する。このため、心拍数/焦燥度マップは、通常心拍数近辺でもっとも焦燥度が低くなり、通常心拍数近辺よりも大きくまたは小さくなるにつれて、焦燥度が高くなり、心拍数が異常となるほど大きくまたは小さくなることで、焦燥度が最大となるマップとされている。この心拍数/焦燥度マップに心拍数を参照することによって第6ドライバ状態焦燥度指数Hy6を求める。
また、周辺環境に含まれる所定点までの距離を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における最上段に位置する所定点距離/焦燥度マップに参照する。交差点などの所定点付近では、注意を払うべき対象が多くなるので、運転者の焦燥度は増加する。このため、所定点距離/焦燥度マップは、所定点までの距離が短いほど焦燥度が高く、所定点までの距離が長くなるほど、徐々に焦燥度が低くなるマップとされている。この所定点距離/焦燥度マップに所定点距離を参照することによって第1周辺環境焦燥度指数Ey1を求める。
同様に、周辺環境に含まれるカーブRまでの距離を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から2段目に位置するカーブR距離/焦燥度マップに参照する。カーブR付近では、注意を払うべき対象が多くなるので、運転者の焦燥度は増加する。このため、カーブR距離/焦燥度マップは、カーブRまでの距離が短いほど焦燥度が高く、カーブRまでの距離が長くなるほど、徐々に焦燥度が低くなるマップとされている。このカーブR距離/焦燥度マップにカーブR距離を参照することによって第2周辺環境焦燥度指数Ey2を求める。
さらに、周辺環境に含まれる天候関連状態を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から3段目に位置する天候関連状態/焦燥度マップに参照する。悪天候時は、好天候時よりも、注意を払うべき対象が多くなるので、安全確認も難しくなり、運転者の焦燥度は増加する。このため、天候関連状態/焦燥度マップは、天候がよいほど焦燥度が低く、天候が悪化する方向にいくにつれて焦燥度が低くなるマップとされている。とくに、天候の悪化状態が中くらい(曇り、小雨など)のときに、焦燥度の変化率が大きくなっている。この天候関連状態/焦燥度マップに天候関連状態を参照することによって第3周辺環境焦燥度指数Ey3を求める。
また、周辺環境に含まれる渋滞・規制状態を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から4段目に位置する渋滞・規制状態/焦燥度マップに参照する。渋滞時や規制がある状態では、前方意識集中が必要になるので、焦燥度が高まる。このため、渋滞・規制状態/焦燥度マップは、渋滞・規制状態が酷い状態となるほど焦燥度が高くなるマップとされている。特に、渋滞・規制状態が少ない状態で、焦燥度の上昇率が高くなっている。この渋滞・規制状態/焦燥度マップに渋滞・規制状情報を参照することによって第4周辺環境焦燥度指数Ey4を求める。
さらに、周辺環境に含まれる街路状態を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から5段目に位置する街路状態/焦燥度マップに参照する。街路状態が市街に近い状態では、歩行者の飛び出し等が多くなるので、不慮の事態に遭遇する可能性が高まる。このため、街路状態/焦燥度マップは、街路状態が市街に近い状態となるほど焦燥度が高くなるマップとされている。特に、郊外に近い状態で、焦燥度の上昇率が高くなっている。この街路状態/焦燥度マップに街路情報を参照することによって第5周辺環境焦燥度指数Ey5を求める。
また、周辺環境に含まれる固定式路側物を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から6段目に位置する固定式路側物/焦燥度マップに参照する。ガードレールなどの固定式路側物が存在する場合には、ドライバの安心感が大きくなり、焦燥度が低下する。このため、固定式路側物/焦燥度マップは、固定式路側物がある場合に焦燥度が最大値となり、固定式路側物がない場合に、焦燥度が最小値となるマップとされている。固定式路側物/焦燥度マップに固定式路側物を参照することによって第6周辺環境焦燥度指数Ey6を求める。
さらに、周辺環境に含まれる可動式路側物を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における上から7段目に位置する可動式路側物/焦燥度マップに参照する。周囲に停止車両や歩行者などの可動式路側物が存在すると、可動式路側物に対して注意を払う必要が生じ、焦燥度が増加する。このため、可動式路側物/焦燥度マップは、可動式路側物がある場合に焦燥度が最大値となり、可動式路側物がない場合に、焦燥度が最小値となるマップとされている。この可動式路側物/焦燥度マップに可動式路側物を参照することによって第7周辺環境焦燥度指数Ey7を求める。
また、周辺環境に含まれる走路障害物を図7におけるマップ群のうちの焦燥度における最下段に位置する走路障害物/焦燥度マップに参照する。先行車両などの走路障害物が存在すると、先行車両に対する接触などに対して注意を払う必要が生じ、焦燥度が増加する。このため、走路障害物/焦燥度マップは、走路障害物がある場合に焦燥度が最大値となり、走路障害物がない場合に、焦燥度が最小値となるマップとされている。この走路障害物/焦燥度マップに走路障害物を参照することによって第8周辺環境焦燥度指数Ey8を求める。
さらに、周辺環境に含まれる小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの焦燥度における最上段に位置する小型走路障害物/焦燥度マップに参照する。歩行者などの小型走路障害物が存在すると、小型走路障害物に対して注意を払う必要が生じ、焦燥度が増加する。このため、小型走路障害物/焦燥度マップは、小型走路障害物がある場合に焦燥度が最大値となり、小型走路障害物がない場合に、焦燥度が最小値となるマップとされている。この小型走路障害物/焦燥度マップに小型走路障害物を参照することによって第9周辺環境焦燥度指数Ey9を求める。
また、周辺環境に含まれる集団小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの焦燥度における上から2段目に位置する集団小型走路障害物/焦燥度マップに参照する。集団歩行者などの集団小型走路障害物が存在すると、集団小型走路障害物に対して注意を払う必要が生じ、焦燥度が増加する。このため、集団小型走路障害物/焦燥度マップは、集団小型走路障害物がある場合に焦燥度が最大値となり、集団小型走路障害物がない場合に、焦燥度が最小値となるマップとされている。この集団小型走路障害物/焦燥度マップに集団小型走路障害物を参照することによって第10周辺環境焦燥度指数Ey10を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路種別を図8におけるマップ群のうちの焦燥度における上から3段目に位置する走行路種別/焦燥度マップに参照する。自動車専用道路では、不慮の事態に遭遇する可能性が低く、焦燥度は低くなる。このため、走行路種別/焦燥度マップは、走行路種別が自動車専用道路である場合に焦燥度が最小値となり、一般道路である場合に焦燥度が最大値となるマップとされている。この走行路種別/焦燥度マップに走行路種別を参照することによって第11周辺環境焦燥度指数Ey11を求める。
また、周辺環境に含まれる走行路傾斜度を図8におけるマップ群のうちの焦燥度における上から4段目に位置する走行路傾斜度/焦燥度マップに参照する。車両が走行する走行路の勾配が大きくなるほどブレーキ点などが速まることとなり、焦燥度が高くなる。このため、走行路傾斜度/焦燥度マップは、走行路傾斜度が大きくなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路傾斜度が大きいほど、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路傾斜度/焦燥度マップに走行路傾斜度を参照することによって第12周辺環境焦燥度指数Ey12を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路カーブRを図8におけるマップ群のうちの焦燥度における最下段に位置する走行路カーブR/焦燥度マップに参照する。カーブRが大きくなるほど、対向車両が見にくくなることがあり、その分焦燥度が増加する。このため、走行路カーブR/焦燥度マップは、走行路カーブRが大きくなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路カーブRが大きいほど、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路カーブR/焦燥度マップに走行路カーブRを参照することによって第13周辺環境焦燥度指数Ey13を求める。
また、自車両状態に含まれる静止物までの接近速度を図9におけるマップ群のうちの焦燥度における最上段に位置する接近速度/焦燥度マップに参照する。静止物に対する接近速度が速いほど、急に静止物が現れることが多くなり、焦燥度は増加する。このため、接近速度/焦燥度マップは、接近速度が速くなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この接近速度/焦燥度マップに静止物までの接近速度を参照することによって第1自車両状態焦燥度指数Vy1を求める。
さらに、自車両状態に含まれる移動体との相対速度を図9におけるマップ群のうちの焦燥度における上から2段目に位置する相対速度/焦燥度マップに参照する。移動体との相対速度が速いほど、急に静止物が現れることが多くなり、焦燥度は増加する。このため、相対速度/焦燥度マップは、接近速度が速くなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この相対速度/焦燥度マップに移動体との相対速度を参照することによって第2自車両状態焦燥度指数Vy2を求める。
また、自車両状態に含まれる車体速度を図9におけるマップ群のうちの焦燥度における上から3段目に位置する車体速度/焦燥度マップに参照する。自車両の車速が速いほど、ドライバの操作は急操作となるため、焦燥度は大きくなる。このため、車体速度/焦燥度マップは、車体速度が速くなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、車体速度が遅い状態では、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この車体速度/焦燥度マップに車体速度を参照することによって第3自車両状態焦燥度指数Vy3を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車体横Gを図9におけるマップ群のうちの焦燥度における上から4段目に位置する車体横G/焦燥度マップに参照する。車体横Gが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど焦燥度が大きくなる。このため、車体横G/焦燥度マップは、車体横Gが大きくなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、車体横Gが小さい状態では、焦燥度の増加率が小さくなるようにされている。この車体横G/焦燥度マップに車体横Gを参照することによって第4自車両状態焦燥度指数Vy4を求める。
また、自車両状態に含まれる車両異常との相対速度を図9におけるマップ群のうちの焦燥度における上から5段目に位置する車両異常/焦燥度マップに参照する。車両異常は車両の故障を意味し、車両に故障が生じると緊張感が高まり、焦燥度が大きくなる。このため、車両異常/焦燥度マップは、車両異常があれば焦燥度が最大値であり、車両異常が無ければ焦燥度が最小値となるマップとされている。この車両異常/焦燥度マップに車両異常を参照することによって第5自車両状態焦燥度指数Vy5を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車両変位横SDとの相対速度を図9におけるマップ群のうちの焦燥度における上から6段目に位置する車両変位横SD/焦燥度マップに参照する。車両変位横SDが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど焦燥度が大きくなる。このため、相対速度/焦燥度マップは、車両変位横SDが大きくなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、車両変位横SDが大きい状態では、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この車両変位横SD/焦燥度マップに車両変位横SDを参照することによって第6自車両状態焦燥度指数Vy6を求める。
そして、自車両状態に含まれる修正操舵角SDを図9におけるマップ群のうちの焦燥度における最下段に位置する修正操舵角SD/焦燥度マップに参照する。修正操舵と必要とされる操舵との間に乖離がある場合には、ドライバの自覚はないものの、焦燥度が高くなっている。このため、修正操舵角SD/焦燥度マップは、修正操舵角SDが大きくなるほど、焦燥度が大きくなるマップとされている。さらには、修正操舵角SDが小さい状態では、焦燥度の増加率が大きくなるようにされている。この修正操舵角SD/焦燥度マップに修正操舵角SDを参照することによって第7自車両状態焦燥度指数Vy7を求める。
焦燥度算出部25では、こうして求めた各焦燥度指数を用いて、下記(8)式により焦燥度ΣAを参照する。
ΣA=(ΣHy/6+ΣEy/13+ΣVy/7)/3 ・・・(8)
このように、焦燥度を求めたら、重大度を求める(S7)。重大度算出部26では、遭遇度や焦燥度を求める手順と同様の手順で重大度を求める。重大度算出部26では、ドライバ状態認識部21から出力されたドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力された周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力された自車両状態情報をそれぞれ図6〜図9に示すマップに参照し、その結果として得られる重大度指数を取得する。
具体的に、ドライバ状態に含まれる眠気度を図6におけるマップ群のうちの重大度における最上段に位置する眠気度/重大度マップに参照する。眠気度が高い状態で不慮の事態に関与すると、不慮の事態に対する重大度が大きくなることとなる。このため、眠気度/重大度マップは、眠気度が大きいほど重大度が階段状に上昇するマップとされている。この眠気度/重大度マップに眠気度を参照することによって第1ドライバ状態重大度指数Hj1を求める。
また、ドライバ状態に含まれる不注意度を図6におけるマップ群のうちの重大度における上から2段目に位置する不注意度/重大度マップに参照する。不注意度が高い状態で不慮の事態に関与すると、不慮の事態に対する重大度が大きくなることとなる。このため、不注意度/重大度マップは、不注意度が大きいほど重大度が階段状に上昇するマップとされている。この不注意度/重大度マップに不注意度を参照することによって第2ドライバ状態重大度指数Hj2を求める。
同様に、ドライバ状態に含まれる運転不適度を図6におけるマップ群のうちの重大度における上から3段目に位置する運転不適度/重大度マップに参照する。運転不適度が高い状態で不慮の事態に関与すると、不慮の事態に対する重大度が大きくなることとなる。このため、運転不適度/重大度マップは、運転不適度が0である場合に重大度が最小値となり、運転不適度が1である場合に重大度が最大値となるマップとされている。この運転不適度/重大度マップから、第3ドライバ状態重大度指数Hj3を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれる飲酒状態を図6におけるマップ群のうちの重大度における上から4段目に位置する飲酒状態/重大度マップに参照する。飲酒状態での運転は不法行為となる。このため、飲酒状態/重大度マップは、飲酒状態でない場合に重大度が最小値となり、飲酒状態である場合に重大度が最大値となるマップとされている。この飲酒状態/重大度マップに飲酒状態を参照することによって第4ドライバ状態重大度指数Hj4を求める。
また、ドライバ状態に含まれるドライバの年齢を図6におけるマップ群のうちの重大度における上から4段目に位置する年齢/重大度マップに参照する。若年層では若年であればあるほど、その一方高齢者層では高齢であればあるほど不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、年齢/重大度マップは、年齢が中年のあたりでもっとも重大度が低くなり、この中年のあたりから若年または高齢のいずれに向けても重大度が高くなるマップとされている。この年齢/重大度マップに年齢を参照することによって第5ドライバ状態重大度指数Hj5を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれるドライバの心拍数を図6におけるマップ群のうちの重大度における最下段に位置する心拍数/重大度マップに参照する。心拍数が非常に高く、または非常に小さい場合、身体的に異常がある状態が考えられる。身体的に異常があるときに不慮の事態に関与すると、不慮の事態に対する重大度が大きくなる。このため、心拍数/重大度マップは、通常心拍数近辺でもっとも重大度が低くなり、通常心拍数近辺よりも大きくまたは小さくなるにつれて、重大度が高くなり、心拍数が異常となるほど大きくまたは小さくなることで、重大度が最大となるマップとされている。この心拍数/重大度マップに心拍数を参照することによって第6ドライバ状態重大度指数Hj6を求める。
また、周辺環境に含まれる所定点までの距離を図7におけるマップ群のうちの重大度における最上段に位置する所定点距離/重大度マップに参照する。交差点などの所定点の位置の如何にかかわらず、不慮の事態が生じることは重大である。このため、所定点距離/重大度マップは、所定点までの距離にかかわらず、重大度が一定となるマップとされている。この所定点距離/重大度マップに所定点距離を参照することによって第1周辺環境重大度指数Ej1を求める。
同様に、周辺環境に含まれるカーブRまでの距離を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から2段目に位置するカーブR距離/重大度マップに参照する。カーブRの位置の如何にかかわらず、不慮の事態が生じることは重大である。このため、カーブR距離/重大度マップは、カーブRまでの距離にかかわらず、重大度が一定となるマップとされている。このカーブR距離/重大度マップにカーブR距離を参照することによって第2周辺環境重大度指数Ej2を求める。
さらに、周辺環境に含まれる天候関連状態を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から3段目に位置する天候関連状態/重大度マップに参照する。天候の良し悪しの如何にかかわらず、不慮の事態が生じることは重大である。このため、天候関連状態/重大度マップは、天候にかかわらず、重大度が一定となるマップとされている。とくに、天候の悪化状態が中くらい(曇り、小雨など)のときに、重大度の変化率が大きくなっている。この天候関連状態/重大度マップに天候関連状態を参照することによって第3周辺環境重大度指数Ej3を求める。
また、周辺環境に含まれる渋滞・規制状態を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から4段目に位置する渋滞・規制状態/重大度マップに参照する。渋滞時や規制がある状態で不慮の事態が生じた場合でも、その不慮の事態は軽微であることが多い。このため、渋滞・規制状態/重大度マップは、渋滞・規制状態が酷い状態となるほど重大度が低くなるマップとされている。特に、渋滞・規制状態が少ない状態で、重大度の高い状態で維持されている。この渋滞・規制状態/重大度マップに渋滞・規制状情報を参照することによって第4周辺環境重大度指数Ej4を求める。
さらに、周辺環境に含まれる街路状態を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から5段目に位置する街路状態/重大度マップに参照する。街路状態が市街に近い状態では、郊外である場合よりも不慮の事態が生じた場合の重大度が大きくなると考えられる。このため、街路状態/重大度マップは、街路状態が市街に近い状態となるほど重大度が高くなるマップとされている。特に、郊外と市街との境目において、重大度の上昇率が高くなっている。この街路状態/重大度マップに街路情報を参照することによって第5周辺環境重大度指数Ej5を求める。
また、周辺環境に含まれる固定式路側物を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から6段目に位置する固定式路側物/重大度マップに参照する。ガードレールなどの固定式路側物が存在する場合には、不慮の事態が生じたとしても、重大の高い不慮の事態は生じ難くなる。このため、固定式路側物/重大度マップは、固定式路側物がある場合に重大度が最大値となり、固定式路側物がない場合に、重大度が最小値となるマップとされている。固定式路側物/重大度マップに固定式路側物を参照することによって第6周辺環境重大度指数Ej6を求める。
さらに、周辺環境に含まれる可動式路側物を図7におけるマップ群のうちの重大度における上から7段目に位置する可動式路側物/重大度マップに参照する。周囲に停止車両や歩行者などの可動式路側物が存在すると、不慮の事態が生じた場合の重大度が大きくなる傾向にある。このため、可動式路側物/重大度マップは、可動式路側物がある場合に重大度が最大値となり、可動式路側物がない場合に、重大度が最小値となるマップとされている。この可動式路側物/重大度マップに可動式路側物を参照することによって第7周辺環境重大度指数Ej7を求める。
また、周辺環境に含まれる走路障害物を図7におけるマップ群のうちの重大度における最下段に位置する走路障害物/重大度マップに参照する。先行車両などの走路障害物が存在する場合に不慮の事態に関与すると、重大度が大きくなる傾向にある。このため、走路障害物/重大度マップは、走路障害物がある場合に重大度が最大値となり、走路障害物がない場合に、重大度が最小値となるマップとされている。この走路障害物/重大度マップに走路障害物を参照することによって第8周辺環境重大度指数Ej8を求める。
さらに、周辺環境に含まれる小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの重大度における最上段に位置する小型走路障害物/重大度マップに参照する。歩行者などの小型走路障害物が存在する場合に不慮の事態に関与すると、重大度が大きくなる傾向にある。このため、小型走路障害物/重大度マップは、小型走路障害物がある場合に重大度が最大値となり、小型走路障害物がない場合に、重大度が最小値となるマップとされている。この小型走路障害物/重大度マップに小型走路障害物を参照することによって第9周辺環境重大度指数Ej9を求める。
また、周辺環境に含まれる集団小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの重大度における上から2段目に位置する集団小型走路障害物/重大度マップに参照する。集団歩行者などの集団小型走路障害物が存在する場合に不慮の事態に関与すると、重大度が大きくなる傾向にある。このため、集団小型走路障害物/重大度マップは、集団小型走路障害物がある場合に重大度が最大値となり、集団小型走路障害物がない場合に、重大度が最小値となるマップとされている。この集団小型走路障害物/重大度マップに集団小型走路障害物を参照することによって第10周辺環境重大度指数Ej10を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路種別を図8におけるマップ群のうちの重大度における上から3段目に位置する走行路種別/重大度マップに参照する。自動車専用道路では、不慮の事態に遭遇した場合には、重大度が高くなる傾向にある。このため、走行路種別/重大度マップは、走行路種別が自動車専用道路であるか一般道路であるかにかかわらず、マップとされている。この走行路種別/重大度マップに走行路種別を参照することによって第11周辺環境重大度指数Ej11を求める。
また、周辺環境に含まれる走行路傾斜度を図8におけるマップ群のうちの重大度における上から4段目に位置する走行路傾斜度/重大度マップに参照する。車両が走行する走行路の勾配が大きくなるほど安全不確認と理解されるので、不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、走行路傾斜度/重大度マップは、走行路傾斜度が大きくなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路傾斜度が大きいほど、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路傾斜度/重大度マップに走行路傾斜度を参照することによって第12周辺環境重大度指数Ej12を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路カーブRを図8におけるマップ群のうちの重大度における最下段に位置する走行路カーブR/重大度マップに参照する。車両が走行する走行路のカーブRが急であるほど安全不確認と理解されるので、不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、走行路カーブR/重大度マップは、走行路カーブRが大きくなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、走行路カーブRが大きいほど、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路カーブR/重大度マップに走行路カーブRを参照することによって第13周辺環境重大度指数Ej13を求める。
また、自車両状態に含まれる静止物までの接近速度を図9におけるマップ群のうちの重大度における最上段に位置する接近速度/重大度マップに参照する。静止物に対する接近速度が速いほど、速度の出しすぎや脇見が予想され、違反行為の可能性も高くなる。このような場合には、不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、接近速度/重大度マップは、接近速度が速くなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この接近速度/重大度マップに静止物までの接近速度を参照することによって第1自車両状態重大度指数Vj1を求める。
さらに、自車両状態に含まれる移動体との相対速度を図9におけるマップ群のうちの重大度における上から2段目に位置する相対速度/重大度マップに参照する。移動体との相対速度が速いほど、速度の出しすぎや脇見が予想され、違反行為の可能性も高くなる。このような場合には、不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、相対速度/重大度マップは、接近速度が速くなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この相対速度/重大度マップに移動体との相対速度を参照することによって第2自車両状態重大度指数Vj2を求める。
また、自車両状態に含まれる車体速度を図9におけるマップ群のうちの重大度における上から3段目に位置する車体速度/重大度マップに参照する。車速が速いほど、速度の出しすぎや脇見が予想され、違反行為の可能性も高くなる。このような場合には、不慮の事態に関与した場合の重大度が大きくなる。このため、車体速度/重大度マップは、車体速度が速くなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、車体速度が遅い状態では、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この車体速度/重大度マップに車体速度を参照することによって第3自車両状態重大度指数Vj3を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車体横Gを図9におけるマップ群のうちの重大度における上から4段目に位置する車体横G/重大度マップに参照する。車体横Gが大きくなると、車両にふらつきが大きくなる。車両におけるふらつきが大きい場合に不慮の事態に関与すると、ふらつきの主原因はともかく、運転が正常に行われていなかったと考えられ、重大度が高くなる。このため、車体横G/重大度マップは、車体横Gが大きくなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、車体横Gが小さい状態では、重大度の増加率が小さくなるようにされている。この車体横G/重大度マップに車体横Gを参照することによって第4自車両状態重大度指数Vj4を求める。
また、自車両状態に含まれる車両異常との相対速度を図9におけるマップ群のうちの重大度における上から5段目に位置する車両異常/重大度マップに参照する。車両異常は車両の故障を意味しており、車両に故障が生じた状態で不慮の事態に関与した場合には、重大度が大きくなる。このため、車両異常/重大度マップは、車両異常があれば重大度が最大値であり、車両異常が無ければ重大度が最小値となるマップとされている。この車両異常/重大度マップに車両異常を参照することによって第5自車両状態重大度指数Vj5を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車両変位横SDとの相対速度を図9におけるマップ群のうちの重大度における上から6段目に位置する車両変位横SD/重大度マップに参照する。車両変位横SDが大きくなると、車両にふらつきが大きくなる。車両におけるふらつきが大きい場合に不慮の事態に関与すると、ふらつきの主原因はともかく、運転が正常に行われていなかったと考えられ、重大度が高くなる。このため、相対速度/重大度マップは、車両変位横SDが大きくなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、車両変位横SDが大きい状態では、重大度の増加率が大きくなるようにされている。この車両変位横SD/重大度マップに車両変位横SDを参照することによって第6自車両状態重大度指数Vj6を求める。
そして、自車両状態に含まれる修正操舵角SDを図9におけるマップ群のうちの重大度における最下段に位置する修正操舵角SD/重大度マップに参照する。修正操舵角SDが大きいと、無意識のうちに周囲の車両等に迷惑をかけている可能性があり、不慮の事態に遭遇した場合の重大度が大きくなる。このため、修正操舵角SD/重大度マップは、修正操舵角SDが大きくなるほど、重大度が大きくなるマップとされている。さらには、修正操舵角SDが小さい状態では、重大度の増加率が小さくなるようにされている。この修正操舵角SD/重大度マップに修正操舵角SDを参照することによって第7自車両状態重大度指数Vj7を求める。
重大度算出部26では、こうして求めた各重大度指数を用いて、下記(9)式により重大度ΣJを参照する。
ΣJ=(ΣHj/6+ΣEj/13+ΣVj/7)/3 ・・・(9)
このように、重大度算出部26において遭遇度を求めたら、緊急度算出部27において緊急度を求める(S8)。緊急度算出部27では、ドライバ状態認識部21から出力されたドライバ状態情報、周辺環境認識部22から出力された周辺環境情報、および自車両状態認識部23から出力された自車両状態情報をそれぞれ図6〜図9に示すマップに参照し、その結果として得られる緊急度指数を取得する。
具体的に、ドライバ状態に含まれる眠気度を図6におけるマップ群のうちの緊急度における最上段に位置する眠気度/緊急度マップに参照する。眠気度が高いと、不慮の事態を回避するための操作要求が増大し、緊急度が増大する。このため、眠気度/緊急度マップは、眠気度が大きいほど緊急度が階段状に上昇するマップとされている。この眠気度/緊急度マップに眠気度を参照することによって第1ドライバ状態緊急度指数Hk1を求める。
また、ドライバ状態に含まれる不注意度を図6におけるマップ群のうちの緊急度における上から2段目に位置する不注意度/緊急度マップに参照する。不注意度が高いと、不慮の事態を回避するための操作要求が増大し、緊急度が増大する。このため、不注意度/緊急度マップは、不注意度が大きいほど緊急度が階段状に上昇するマップとされている。この不注意度/緊急度マップに不注意度を参照することによって第2ドライバ状態緊急度指数Hk2を求める。
同様に、ドライバ状態に含まれる運転不適度を図6におけるマップ群のうちの緊急度における上から3段目に位置する運転不適度/緊急度マップに参照する。運転不適度が高いと、不慮の事態を回避するための操作要求が増大し、緊急度が増大する。このため、運転不適度/緊急度マップは、運転不適度が0である場合に緊急度が最小値となり、運転不適度が1である場合に緊急度が最大値となるマップとされている。この運転不適度/緊急度マップから、第3ドライバ状態緊急度指数Hk3を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれる飲酒状態を図6におけるマップ群のうちの緊急度における上から4段目に位置する飲酒状態/緊急度マップに参照する。飲酒状態での運転は不法行為となる。このため、飲酒状態/緊急度マップは、飲酒状態でない場合に緊急度が最小値となり、飲酒状態である場合に緊急度が最大値となるマップとされている。この飲酒状態/緊急度マップに飲酒状態を参照することによって第4ドライバ状態緊急度指数Hk4を求める。
また、ドライバ状態に含まれるドライバの年齢を図6におけるマップ群のうちの緊急度における上から4段目に位置する年齢/緊急度マップに参照する。若年層は、運転に対する経験が浅く、高齢者は判断や操作に遅れがめだち、不慮の事態を回避するための操作要求が増大し、緊急度が増大する。このため、年齢/緊急度マップは、年齢が中年のあたりでもっとも緊急度が低くなり、この中年のあたりから若年または高齢のいずれに向けても緊急度が高くなるマップとされている。この年齢/緊急度マップに年齢を参照することによって第5ドライバ状態緊急度指数Hk5を求める。
さらに、ドライバ状態に含まれるドライバの心拍数を図6におけるマップ群のうちの緊急度における最下段に位置する心拍数/緊急度マップに参照する。心拍数が非常に高く、または非常に小さい場合、身体的に異常がある状態が考えられる。身体的に異常がある場合、運転に対する余裕は低下するので、緊急度は増加する。このため、心拍数/緊急度マップは、通常心拍数近辺でもっとも緊急度が低くなり、通常心拍数近辺よりも大きくまたは小さくなるにつれて、緊急度が高くなり、心拍数が異常となるほど大きくまたは小さくなることで、緊急度が最大となるマップとされている。この心拍数/緊急度マップに心拍数を参照することによって第6ドライバ状態緊急度指数Hk6を求める。
また、周辺環境に含まれる所定点までの距離を図7におけるマップ群のうちの緊急度における最上段に位置する所定点距離/緊急度マップに参照する。交差点などの所定点付近では、注意を払うべき対象が多くなるので、運転者の緊張度は増加する。このため、所定点距離/緊急度マップは、所定点までの距離が短いほど緊急度が高く、所定点までの距離が長くなるほど、徐々に緊急度が低くなるマップとされている。この所定点距離/緊急度マップに所定点距離を参照することによって第1周辺環境緊急度指数Ek1を求める。
同様に、周辺環境に含まれるカーブRまでの距離を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から2段目に位置するカーブR距離/緊急度マップに参照する。カーブR付近では、注意を払うべき対象が多くなるので、運転者の緊張度は増加する。このため、カーブR距離/緊急度マップは、カーブRまでの距離が短いほど緊急度が高く、カーブRまでの距離が長くなるほど、徐々に緊急度が低くなるマップとされている。このカーブR距離/緊急度マップにカーブR距離を参照することによって第2周辺環境緊急度指数Ek2を求める。
さらに、周辺環境に含まれる天候関連状態を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から3段目に位置する天候関連状態/緊急度マップに参照する。悪天候時は、好天候時よりも、高い注意力をもって速やかな操作を行うことが要求されるので、運転者の緊急度は増加する。このため、天候関連状態/緊急度マップは、天候がよいほど緊急度が低く、天候が悪化する方向にいくにつれて緊急度が低くなるマップとされている。特に、天候の悪化状態が中くらい(曇り、小雨など)のときに、緊急度の変化率が大きくなっている。この天候関連状態/緊急度マップに天候関連状態を参照することによって第3周辺環境緊急度指数Ek3を求める。
また、周辺環境に含まれる渋滞・規制状態を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から4段目に位置する渋滞・規制状態/緊急度マップに参照する。渋滞時は車間が短くなることから、高い応答性が要求されるので、緊急度は高くなる。このため、渋滞・規制状態/緊急度マップは、渋滞・規制状態が酷い状態となるほど緊急度が高くなるマップとされている。特に、渋滞・規制状態が少ない状態で、緊急度の上昇率が高くなっている。この渋滞・規制状態/緊急度マップに渋滞・規制状情報を参照することによって第4周辺環境緊急度指数Ek4を求める。
さらに、周辺環境に含まれる街路状態を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から5段目に位置する街路状態/緊急度マップに参照する。市街では、郊外よりも歩行者等に対する安全性確保の要求が高まるので、緊急度も高くなる。このため、街路状態/緊急度マップは、街路状態が市街に近い状態となるほど緊急度が高くなるマップとされている。特に、郊外と市街との境目において、緊急度の上昇率が高くなっている。この街路状態/緊急度マップに街路情報を参照することによって第5周辺環境緊急度指数Ek5を求める。
また、周辺環境に含まれる固定式路側物を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から6段目に位置する固定式路側物/緊急度マップに参照する。ガードレールなどの固定式路側物の有無によって、緊急度に大きな変化が生じることはない。このため、固定式路側物/緊急度マップは、固定式路側物存在の如何にかかわらず一定とされている。固定式路側物/緊急度マップに固定式路側物を参照することによって第6周辺環境緊急度指数Ek6を求める。
さらに、周辺環境に含まれる可動式路側物を図7におけるマップ群のうちの緊急度における上から7段目に位置する可動式路側物/緊急度マップに参照する。周囲に停止車両や歩行者などの可動式路側物が存在すると、可動式路側物に接触するなどを避けるために短時間での判断を要求される可能性が高くなる。このため、可動式路側物/緊急度マップは、可動式路側物がある場合に緊急度が最大値となり、可動式路側物がない場合に、緊急度が最小値となるマップとされている。この可動式路側物/緊急度マップに可動式路側物を参照することによって第7周辺環境緊急度指数Ek7を求める。
また、周辺環境に含まれる走路障害物を図7におけるマップ群のうちの緊急度における最下段に位置する走路障害物/緊急度マップに参照する。先行車両などの走路障害物が存在すると、走路障害物への接近のし過ぎを防止する操作などが要求され、緊急度が大きくなる。このため、走路障害物/緊急度マップは、走路障害物がある場合に緊急度が最大値となり、走路障害物がない場合に、緊急度が最小値となるマップとされている。この走路障害物/緊急度マップに走路障害物を参照することによって第8周辺環境緊急度指数Ek8を求める。
さらに、周辺環境に含まれる小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの緊急度における最上段に位置する小型走路障害物/緊急度マップに参照する。歩行者などの小型走路障害物が存在すると、小型走路障害物への接近のし過ぎを防止する操作などが要求され、緊急度が大きくなる。このため、小型走路障害物/緊急度マップは、小型走路障害物がある場合に緊急度が最大値となり、小型走路障害物がない場合に、緊急度が最小値となるマップとされている。この小型走路障害物/緊急度マップに小型走路障害物を参照することによって第9周辺環境緊急度指数Ek9を求める。
また、周辺環境に含まれる集団小型走路障害物を図8におけるマップ群のうちの緊急度における上から2段目に位置する集団小型走路障害物/緊急度マップに参照する。集団歩行者などの集団小型走路障害物が存在すると、集団小型走路障害物への接近のし過ぎを防止する操作などが要求され、緊急度が大きくなる。このため、集団小型走路障害物/緊急度マップは、集団小型走路障害物がある場合に緊急度が最大値となり、集団小型走路障害物がない場合に、緊急度が最小値となるマップとされている。この集団小型走路障害物/緊急度マップに集団小型走路障害物を参照することによって第10周辺環境緊急度指数Ek10を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路種別を図8におけるマップ群のうちの緊急度における上から3段目に位置する走行路種別/緊急度マップに参照する。高速道路や一般道路などでは、道路の種類に応じた速度に見合った操作を行うことが要求される。このため、走行路種別/緊急度マップは、走行路種別が自動車専用道路である場合に緊急度が最大値となり、一般道路である場合に緊急度が最小値となるマップとされている。この走行路種別/緊急度マップに走行路種別を参照することによって第11周辺環境緊急度指数Ek11を求める。
また、周辺環境に含まれる走行路傾斜度を図8におけるマップ群のうちの緊急度における上から4段目に位置する走行路傾斜度/緊急度マップに参照する。勾配がある走行路を走行する際には、走行路の勾配に応じた操作が要求され、勾配が大きいほど緊急な操作が要求される。このため、走行路傾斜度/緊急度マップは、走行路傾斜度が大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。特に、走行路傾斜度が中ごろの状態で、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路傾斜度/緊急度マップに走行路傾斜度を参照することによって第12周辺環境緊急度指数Ek12を求める。
さらに、周辺環境に含まれる走行路カーブRを図8におけるマップ群のうちの緊急度における最下段に位置する走行路カーブR/緊急度マップに参照する。カーブがある走行路を走行する際には、走行路のカーブRに応じた操作が要求され、カーブRが大きいほど緊急な操作が要求される。このため、走行路カーブR/緊急度マップは、走行路カーブRが大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。特に、走行路カーブRが中ごろの状態で、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この走行路カーブR/緊急度マップに走行路カーブRを参照することによって第13周辺環境緊急度指数Ek13を求める。
また、自車両状態に含まれる静止物までの接近速度を図9におけるマップ群のうちの緊急度における最上段に位置する接近速度/緊急度マップに参照する。静止物に対する接近速度が速いほど、緊急な操作が要求され、緊急度が大きくなる。このため、接近速度/緊急度マップは、接近速度が速くなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この接近速度/緊急度マップに静止物までの接近速度を参照することによって第1自車両状態緊急度指数Vk1を求める。
さらに、自車両状態に含まれる移動体との相対速度を図9におけるマップ群のうちの緊急度における上から2段目に位置する相対速度/緊急度マップに参照する。移動体に対する相対速度が速いほど、緊急な操作が要求され、緊急度が大きくなる。このため、相対速度/緊急度マップは、接近速度が速くなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、接近速度が遅い状態では、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この相対速度/緊急度マップに移動体との相対速度を参照することによって第2自車両状態緊急度指数Vk2を求める。
また、自車両状態に含まれる車体速度を図9におけるマップ群のうちの緊急度における上から3段目に位置する車体速度/緊急度マップに参照する。車速が速いほど、緊急な操作が要求され、緊急度が大きくなる。このため、車体速度/緊急度マップは、車体速度が速くなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、車体速度が遅い状態では、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この車体速度/緊急度マップに車体速度を参照することによって第3自車両状態緊急度指数Vk3を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車体横Gを図9におけるマップ群のうちの緊急度における上から4段目に位置する車体横G/緊急度マップに参照する。車体横Gが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。この場合には、不慮の事態を回避する対応力が必要となり、緊急度が大きくなる。このため、車体横G/緊急度マップは、車体横Gが大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、車体横Gが小さい状態では、緊急度の増加率が小さくなるようにされている。この車体横G/緊急度マップに車体横Gを参照することによって第4自車両状態緊急度指数Vk4を求める。
また、自車両状態に含まれる車両異常との相対速度を図9におけるマップ群のうちの緊急度における上から5段目に位置する車両異常/緊急度マップに参照する。車両異常は車両の故障を意味し、車両に故障が生じると運転に悪影響を与えるおそれがある。したがって、車両異常の場合には、的確な緊急措置判断が要求され、緊急度が高くなる。このため、車両異常/緊急度マップは、車両異常があれば緊急度が最大値であり、車両異常が無ければ緊急度が最小値となるマップとされている。この車両異常/緊急度マップに車両異常を参照することによって第5自車両状態緊急度指数Vk5を求める。
さらに、自車両状態に含まれる車両変位横SDとの相対速度を図9におけるマップ群のうちの緊急度における上から6段目に位置する車両変位横SD/緊急度マップに参照する。車両変位横SDが大きくなると、車両にふらつきが大きくなり、車両におけるふらつきが大きいほど不慮の事態に遭遇する可能性が高くなる。この場合には、不慮の事態を回避する対応力が必要となり、緊急度が大きくなる。このため、相対速度/緊急度マップは、車両変位横SDが大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、車両変位横SDが大きい状態では、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この車両変位横SD/緊急度マップに車両変位横SDを参照することによって第6自車両状態緊急度指数Vk6を求める。
そして、自車両状態に含まれる修正操舵角SDを図9におけるマップ群のうちの緊急度における最下段に位置する修正操舵角SD/緊急度マップに参照する。修正操舵角SD/緊急度マップは、修正操舵角SDが大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。修正操舵角が大きくなったとしてもドライバにその自覚はないが、実際には、的確な運転操作への移行が要求され、緊急度は高くなっている。このため、修正操舵角SD/緊急度マップは、修正操舵角SDが大きくなるほど、緊急度が大きくなるマップとされている。さらには、修正操舵角SDが小さい状態では、緊急度の増加率が大きくなるようにされている。この修正操舵角SD/緊急度マップに修正操舵角SDを参照することによって第7自車両状態緊急度指数Vk7を求める。
緊急度算出部27では、こうして求めた各緊急度指数を用いて、下記(10)式により緊急度ΣKを参照する。
ΣK=(ΣHk/6+ΣEk/13+ΣVk/7)/3 ・・・(10)
このようにして遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度を求めたら、警報態様判定部30において、警報態様を判定する(S9)。警報態様を判定する際には、ステップS6〜ステップS9でそれぞれ算出された遭遇度ΣS、焦燥度ΣA、重大度ΣJ、および緊急度ΣKをそれぞれ図10に示す警報ポイントマップに参照する。
警報ポイントマップとしては、図10(a)に示す遭遇度/焦燥度警報ポイントマップが記憶されている。遭遇度/焦燥度警報ポイントマップは、遭遇度および焦燥度がそれぞれ所定のしきい値を超えるか否かを基準に警報ポイントを決定するマップとされている。具体的に、遭遇度および焦燥度がいずれもしきい値以下の場合、警報ポイントが「1」となる。また、遭遇度および焦燥度の一方がしきい値を超え、他方がしきい値以下である場合には、警報ポイントが「2」となる。さらに、遭遇度および焦燥度がいずれもしきい値を超える場合には、警報ポイントが「3」となる。
また、警報ポイントとしては、図10(b)に示す遭遇度/重大度警報ポイントマップ、図10(c)に示す遭遇度/緊急度警報ポイントマップが記憶されている。また、警報ポイントマップとして、図10(d)に示す焦燥度/重大度警報ポイントマップ、図10(e)に示す焦燥度/緊急度警報ポイントマップ、および図10(f)に示す重大度/緊急度警報ポイントマップが記憶されている。これらの各警報ポイントマップを用いた警報ポイントの算出においても、図10(a)に示す遭遇度/焦燥度警報ポイントマップに遭遇度と焦燥度を参照する場合と同様の手順で警報ポイントが決定される。
警報態様判定部30では、図10(a)に示す遭遇度/焦燥度警報ポイントマップに対して、上記(7)式を用いて算出した遭遇度ΣSおよび上記(8)式を用いて算出した焦燥度ΣAを参照して、遭遇度/焦燥度警報ポイントを算出する。本実施形態に係る例は、遭遇度ΣSおよび焦燥度ΣAの両方がしきい値を超えていたため、遭遇度/焦燥度警報ポイントは「3」として算出された例とされている。
以下、同様にして、図10(b)に示す遭遇度/重大度警報ポイントマップに対して、(7)式を用いて算出した遭遇度ΣSおよび(9)式を用いて算出した重大度ΣJを参照して遭遇度/重大度警報ポイントを算出する。また、図10(c)に示す遭遇度/緊急度度警報ポイントマップに対して、(7)式を用いて算出した遭遇度ΣSおよび(10)式を用いて算出した緊急度ΣKを参照して遭遇度/緊急度度警報ポイントを算出する。
さらに、図10(d)に示す焦燥度/重大度警報ポイントマップに対して、(8)式を用いて算出した焦燥度ΣAおよび(9)式を用いて算出した重大度ΣJを参照して焦燥度/重大度警報ポイントを算出する。また、図10(e)に示す焦燥度/緊急度警報ポイントマップに対して、(8)式を用いて算出した焦燥度ΣAおよび(10)式を用いて算出した緊急度ΣKを参照して焦燥度/緊急度警報ポイントを算出する。そして、図10(f)に示す重大度/緊急度警報ポイントマップに対して、(9)式を用いて算出した重大度ΣJおよび(10)式を用いて算出した緊急度ΣKを参照して重大度/緊急度警報ポイントを算出する。
こうして6種類の警報ポイントを算出したら、これらの警報ポイントを加算し、図11に示す警報態様マップに参照する。各警報ポイントはそれぞれ「1」から「3」のいずれかの整数で示されるため、加算された警報ポイントは、「6」〜「18」のいずれかのポイントとなる。こうして加算された警報態様ポイントに応じた警報態様を決定する。ここで加算されたポイントがドライバの意識低下態様となる。
警報態様判定部30では、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度の6種類の組み合わせで決定された各警報ポイントを加算し、加算されたポイントに応じた13段階の態様の警報を行うようにしている。このため、走行環境やドライバの状態を総合的に考慮した警報を出力することができる。こうして、警報制御ECU1による処理を終了する。
このように、本実施形態に係る警報制御装置においては、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度の4つの意識低下度関連情報に基づいて、意識低下度態様を決定している。このため、ドライバの意識低下度を多面的に判定することができるので、ドライバの意識低下度を精度よく判定することができる。したがって、複数の警報システムが設けられている場合でも、意識低下態様に応じた警報を行うことができ、もって過度の警報を行わないようにすることができる。
また、車両関連情報として、ドライバ状態、走行環境情報、および走行状態情報を用いている。このため、精度のよい車両関連情報を取得することができる。さらに、意識低下度関連情報として、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度を設定している。このため、精度のよい意識低下度関連情報を取得することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、車両関連情報として、ドライバ状態、周辺環境、自車両状態の3つの要素をすべて用いているが、ドライバ状態、周辺環境、自車両状態のうちの1つまたは2つを用いる態様とすることもできるし、あるいはその他の要素を加味して意識低下度関連情報を決定する態様とすることもできる。また、意識低下度関連情報として、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度の4つが設定されているが、これらの中の2つまたは3つを意識低下度関連情報とする態様とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、警報ポイントを算出するにあたり、意識低下度関連情報の各要素がしきい値を超えるか否かの2段階を基準としているが、3段階あるいは4段階以上に段階つけられたしきい値を用いて警報ポイントを算出することもできる。また、上記実施形態では、意識低下度関連情報として、遭遇度、焦燥度、重大度、および緊急度を均等に取り扱って警報ポイントを算出しているが、警報制御装置を用いる車両の種類等に応じて、これらの要素に軽重を付けて警報ポイントを設定する態様とすることもできる。
他方、上記実施形態では、意識低下判定部の判定結果を警報態様の判定に用いているが、その他の態様で用いることもできる。たとえば、車両の走行制御、たとえば加減速制御や操舵制御などに用いることもできる。