JP4863061B2 - 電動モータ - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、ステータの軸方向について、積層鋼板の両端に粉末成形品を配置し、粉末成形品から軸方向に突出させた状態でコイルを巻いている。しかし、コイルの周囲に上述の空きスペースが生じるので、出力トルクが小さくなる。
この発明によれば、形状自由度が低くて済む軸方向の中間部に、安価な積層鋼板を用いているので、製造コストを低減できる。しかも、軸方向の端部に、形状自由度が高い圧粉磁心が配置されるので、ステータの軸方向端部に従来生じていた空きスペースを小さく抑制でき、磁束を有効に利用できる。従って、電動モータの大型化を抑制しつつ電動モータの出力トルクを高めることが安価に実現できる。また、圧粉磁心がコイルよりも軸方向外方へ延びているので、ロータのマグネットに対向して出力トルク発生に直接に寄与する部分の長さを長くできる結果、出力トルクを高めるのに好ましい。
また、上記各圧粉磁心は、積層鋼板に結合するための結合部を含む。これにより、ステータを製造するときに、一対の圧粉磁心と積層鋼板とを結合できるので、コイルを巻き易くできる結果、製造コストの低減に寄与する。また、上記結合部は、積層鋼板の縁部に係合する係合部を含む。これにより、係合部を積層鋼板の縁部に係合させることで、圧粉磁心と積層鋼板とを互いに結合することができる。また、結合するために積層鋼板の縁部を利用できるので、製造コストの上昇を抑制できる。
図1を参照して、本電動モータ1は、ハウジング2と、このハウジング2に保持された第1および第2の軸受3,4と、これら第1および第2の軸受3,4により回動自在に支持されている出力軸5と、この出力軸5に一体回転するように設けられた円筒形状のロータ6と、ロータ6の外周と径方向R1,R2に対向してハウジング2内に固定される円筒形状をなすステータ7とを有している。また、電動モータ1は、ブラシレスモータである。また、電動モータ1は、ロータ6の回転角を検出する位置検出センサ(図示せず)と、ブラシレスモータ内部における電気的な接続のためのバスバーと呼ばれる結線用基板8とを有している。
ハウジング2は、有底円筒形状をなすハウジング本体9と、ハウジング本体9の開放端部に取り付けられている端部材10とを有している。
ハウジング本体9は、筒部9aと、端部材としての底部9bとを有している。筒部9aと底部9bとは、単一の部材により一体に形成されている。
底部9bの中央部には、ハウジング2の内側に開く凹部が形成されている。凹部の周縁部に、第2の軸受4を支持する支持部が設けられている。
出力軸5は、長尺部材からなる。出力軸5の一方の端部は、端部材10の貫通孔から延び出している。出力軸5の他方の端部は、ハウジング2内に収容されている。出力軸5は、ハウジング2の筒部9aの内周およびステータ7の内周に同心に配置されている。
ロータ本体6aは、薄肉の環状部材であり、ロータマグネット6bおよび出力軸5と別体に形成されている。ロータマグネット6bの内周に、ロータ本体6aの外周が嵌合されて固定されている。ロータ本体6aの内周が、スペーサ6cを介して出力軸5の外周に固定されている。
図1および図2を参照して、ステータコア11は、当該ステータコア11の外周を形成し円筒形状をなすヨーク14と、複数のティース15とを有している。
複数のティース15は、互いに同じ形状をなしていて、ヨーク14の内周面に、周方向Tについて所定間隔を隔てて均等に配置されている。各ティース15は、ヨーク14に連結され径方向の内方R1へ突出して延びていてロータ6に対向している。軸方向Sについての各ティース15の両端部に、2つのインシュレータ12が組付けられている。インシュレータ12は、コイル13を保護するための絶縁体である。また、コイル13が、2つの各インシュレータ12を介してティース15に巻回されている。各コイル13は、絶縁被覆された電線をそれぞれ有している。
ティース15において、第1の部分15aと第2の部分15bとは、軸方向Sから見たときに互いに同じ形状をなしている。また、ティース15の内周面は、2個の第1の部分15aと1個の第2の部分15bとにより形成されていて、軸方向Sに真直に連続して延びていて、ロータマグネット6bに等しい長さで形成され、ロータマグネット6bと互いに軸方向Sについての同じ位置に配置されている。
膨出部22は、ティース本体21から、ステータ7の軸方向Sの外方に所定長さで膨出され、また、周方向Tの両側へ所定長さで膨出されている。膨出部22は、ティース本体21の径方向内方R1にある端部から周方向Tについて遠ざかるにしたがって、肉厚(径方向寸法)が薄くなるように形成されている。軸方向Sについて、膨出部22は、ヨーク14の第1の部分14aに等しい長さで形成されている。
このように本実施形態の電動モータ1は、環状のステータ7を備えている。このステータ7は、ステータ7の軸方向Sに関して両端部11aに配置された一対の圧粉磁心16と、ステータ7の軸方向Sに関して一対の圧粉磁心16間に配置された積層鋼板17とを含む。ステータ7の軸方向Sに関して、圧粉磁心16の外方側端部としての端面19が、ステータ7に巻回されるコイル13の外方側端部13aよりも外方に配置されている。
また、本実施形態では、各圧粉磁心16は、積層鋼板17に結合するための結合部(例えば本実施形態では凸部25が相当する。)を含んでいる。この場合、ステータ7を製造するときに、一対の圧粉磁心16と積層鋼板17とを一体的に仮保持状態で結合できるので、コイル13を巻き易くできる結果、製造コストの低減に寄与する。
また、軸方向Sについて、コイル13よりも、圧粉磁心16と積層鋼板17との組立体を突出させることにより、軸方向Sについての寸法のばらつきが大きくなる傾向にある上述の組立体を用いる場合であっても、ステータ7の上述の寸法のばらつきを小さく抑制できるので、ステータ7をスペース効率よく配置することができる。
例えば、図5は、本発明の第2の実施形態の電動モータ1のステータ7の要部の断面図である。図5を参照して、各圧粉磁心16は、積層鋼板17に結合するための結合部であり且つ係合部としての環状凸部31を有している。これに対応して、積層鋼板17は、圧粉磁心16に結合するための結合部であり係合部としての縁部32を含んでいる。縁部32は、積層鋼板17の外周に形成されている。環状凸部31は、圧粉磁心16の端面20から軸方向Sに突出して周方向に環状に延びている。環状凸部31の内周が、積層鋼板17の外周に対向し、この外周の縁部32に嵌合されて係合している。
また、圧粉磁心としては、磁性粉を含む焼結体の他、磁性粉が高圧力で圧縮成形されてなる成型品であってもよいし、樹脂成型品であってもよい。この樹脂成型品は、磁性粉としての鉄粉と、バインダーとしての合成樹脂とを含んでいる。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (2)
- 環状のステータを備え、
ステータは、ステータの軸方向に関して両端部に配置された一対の圧粉磁心と、ステータの軸方向に関して一対の圧粉磁心間に配置された積層鋼板とを含み、
上記各圧粉磁心は、積層鋼板に結合するための結合部を含み、上記結合部は、上記圧粉磁心の端面から軸方向に突出して周方向に環状に延びた係合部を含み、上記係合部の内周が上記積層鋼板の外周の縁部に嵌合して係合し、
ステータの軸方向に関して、圧粉磁心の外方側端部が、ステータに巻回されるコイルの外方側端部よりも外方に配置されていることを特徴とする電動モータ。 - 請求項1において、上記各圧粉磁心は、ステータの軸方向外方に向く端面を含み、各端面に、巻回されるコイルが収容される溝が形成されており、コイルは、溝からステータの軸方向外方へ突出しないようにされていることを特徴とする電動モータ。
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