JP4753922B2 - 化粧料用原料 - Google Patents
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また、酸化防止剤として、サレン−金属錯体を用いることが知られている(特許文献4)。
しかし、8−OHdG形成を抑制すると共にコラーゲン合成を促進することができる化粧料用原料は知られておらず、また、この化粧料用原料を用いて、皺やタルミを減少させて肌荒れ改善効果に優れた化粧料は知られていない。
さらに1種以上のアミノ酸を配合することを特徴とする。上記アミノ酸がグリシン、グルタミン酸、およびアルギニンから選ばれた少なくとも1つのアミノ酸であることを特徴とする。
その結果、この化粧料用原料を配合した化粧料は肌荒れ改善効果が非常に高く、皺に対して非常に有効性が高い。
プロテオグリカンは蛋白質コアに 100〜200 本のムコ多糖が結合した物質であり、軟骨、皮膚などの結合組織中に存在し、これらの組織構造を維持するために必要な物質である。皮膚外用剤には牛、豚より得られたプロテオグリカンも利用されているが、サメの軟骨より得られたプロテオグリカンの方がマトリックスメタロプロテアーゼ活性を阻害する効果が高かった。本発明の化粧料用原料に使用できるサメの種類に限定はなく、軟骨魚綱に属するサメであればよいが、実際には漁獲高が多く、他の用途にも利用され、漁法が確立しているヨシキリザメ、ネズミザメ、アオザメ等を利用することが多い。これらのサメはその鰭の部分に軟骨が多く、抽出も容易であるが、他のサメや他の部位を用いても問題はない。サメ軟骨からのプロテオグリカンの抽出は常法に従って実施することができる。なお、抽出により得られるプロテオグリカンの純度は特に問題にならないので用途や用法によってその程度を選択することができる。
さらに、必要に応じて濃縮、脱塩、脱色、溶媒除去、乾燥(噴霧、凍結)、分子量分画、タンパク分解酵素処理等を行なう。
また、サメ軟骨のプロテオグリカンは化粧品原料として市販されているものを用いることができる。
サメ軟骨より抽出したプロテオグリカンの配合量は用途等によって変化するが、本発明の化粧料用原料全量に対して、固形分として 0.0001〜10 重量%、好ましくは 0.001〜5 重量%配合する。
エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドは、化学名 Chloro[[2,2'-[1,2-ethanediylbis[(nitrilo-κN)methylidyne]]bis[6-methoxyphenolato-κN]]]-manganese で、市販品としては、ATRIUM社製 商品名 EUK−134などを利用できる。
エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドの配合量は、本発明の化粧料用原料全量に対し、0.00001〜1.0 重量%、好ましくは 0.0001〜0.1 重量% 配合する。
エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドは、スーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼのような働きがあり、傷害性の高い活性酸素や中間生成物でもある過酸化水素を生体に無害な水と酸素に変換することができ、非常に強い活性酸素消去効果が得られる。また、自己再生特性機能を有し、上記効果を持続して得ることができる。さらには広義の活性酸素である一酸化窒素等の消去作用も有する。
エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドにサメ軟骨より抽出したプロテオグリカンを加えると、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドがもつ遺伝子損傷抑制効果(8−OHdG形成抑制)およびコラーゲン合成促進作用が相乗的に強化された。
エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドおよびサメ軟骨より抽出したプロテオグリカンに、さらにアミノ酸を配合することによって、8−OHdG形成抑制能、および特にコラーゲン合成促進作用が相乗的に効果を増すことが本発明者によって見出された。
また本発明の化粧料は、用途等によって、クリーム、乳液、ローション、パック、スプレー、ジェル等任意の剤型より選択することは、なんら問題はない。また、医薬品、医薬部外品、化粧品のいずれでもよく、皮膚に適用するものであれば、入浴剤、ファンデーション等の形態をとってもよい。
表1および表2に示す原料を、表1および表2に示す配合割合で攪拌混合し、化粧料用原料を得た。なお、サメ軟骨抽出液はAETERNA社製 商品名 MDICOMPLEX(有効成分含量: 0.4 重量%)を用いた。また、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドとして、ATRIUM社製 商品名 EUK−134(有効成分含量: 95 重量%以上)を用いた。
得られた化粧料用原料を用いて、以下に示す8−OHdG形成抑制試験およびコラーゲン合成促進試験を行なった。
ヒト由来のケラチノサイト培養細胞を使用し、上述の実施例1〜4および比較例1〜4の化粧料用原料を用いて、8−OHdG形成抑制効果を調べた。
各実施例および比較例の化粧料用原料の最終濃度が 0.01 %または 0.1 %になるようにした培地で4日間培養した。その後、それぞれ 0 mJ/cm2(未照射)、50 mJ/cm2、100 mJ/cm2 の紫外線を照射し、ケラチノサイトからDNAを抽出し、イムノドットブロット法を用いて、8−OHdG形成率を測定した。
これらの結果を表3〜表10に示す。表中、数値は8−OHdG形成率を、また括弧内の数値は細胞育成率を示し、いずれも実施例(または比較例)を含まない紫外線量が0 mJ/cm2(未照射)のときを1として表示した。
ヒト皮膚線維芽細胞(ATCC CCL 110)を用い、96穴プレートにヒト皮膚線維芽細胞を 5000 cells/well 播種し、10 %ウシ胎仔血清を含むEagle's MEM培地にて、37 ℃、5 % CO2条件下でコンフルエントの状態になるまで4日間培養した。これに実施例1〜4および比較例1〜4を、培養濃度を 1.0 %となるように調整した無血清のEagle's MEM( 50 μg/ml L−アスコルビン酸、50 μg/ml β−アミノプロピオニトリル、18.5 KBq 3H−プロリン含有)に交換し、24時間培養した。その後、直ちに各 well にペプシン溶液を加えインキュベーションした後、3H−プロリン標識されたコラーゲンを抽出した。塩析により精製した後、コラーゲンタンパク中の放射活性を液体シンチレーションカウンターにより測定した。各試料とも 5 well ずつ測定し、試料無添加のものをコントロールとして用い、これを1としてコラーゲン合成促進倍率を表した。結果を表11に示す。
表12および表13に示す配合で、A成分とB成分とをそれぞれ計量し、それぞれを 70 ℃まで加温して、B成分にA成分を攪拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり攪拌しつつ 30 ℃まで冷却して化粧料を得た。
得られた化粧料を用いて、以下に示す肌荒れ改善試験を行なった。
ハイドロフィリック エクザフレックス親水性ビニルシリコーン印象材を用いて、女性健常人の顔面の皮膚表面形態のレプリカを取り、実態顕微鏡にて観察した。表14に示す基準に従って肌荒れ評価4と5と判断された者60名を3班に分け、顔面左右半々に、実施例および比較例を1日2回ずつ1ヶ月間塗布した。
1ヶ月後、再び上記のレプリカ法によって顔面の皮膚表面形態を観察し、表14の判定基準に従って評価した。第1班の結果を表15に、第2班の結果を表16に、第3班の結果を表17に示す。
Claims (4)
- サメ軟骨より抽出したプロテオグリカンとエチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドとを含むコラーゲン合成促進能および8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシン形成抑制能を有する化粧料用原料。
- さらに1種以上のアミノ酸を配合することを特徴とする請求項1記載の化粧料用原料。
- 前記アミノ酸が、グリシン、グルタミン酸、およびアルギニンから選ばれた少なくとも1つのアミノ酸であることを特徴とする請求項2記載の化粧料用原料。
- 前記アミノ酸が、グリシン、グルタミン酸、およびアルギニンであることを特徴とする請求項3記載の化粧料用原料。
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