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JP4618556B2 - 複合磁性部材 - Google Patents

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Description

本発明は、SQUID等を使用して生体から発生する微弱磁場を計測する生体磁場計測装置、各種の理化学機器、或いは電子ビームを使用する半導体加工装置に使用する磁気シールド装置の構成部材として好適な複合磁性部材に関する。
SQUID等により心臓や脳から発生する微弱磁場を計測する生体磁場計測装置では、検出磁場強度は10のマイナス10乗テスラ(T)程度の弱いものであるために、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気でさえも障害となる。このために、地磁気を最低限でも50dB減衰させるような磁気シールド装置が必要とされている。
このような磁気シールド装置用構成部材は、従来Fe−Ni系合金である高透磁率パーマロイの板(例えば、特許文献1参照)が使用されて来た。アルミニウムや軽量鉄骨等で構成する箱型のフレームに、壁材や床材としてFe−Ni系合金である高透磁率のパーマロイを隙間なくボルト等で固定して磁気シールド空間を画定している。また、パーマロイの板に代えて結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性アモルファス合金の薄膜と樹脂シートとを接着した磁気シールドシートを用いることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−170281号公報(第4頁、図1) 特開2000−077890号公報(第9頁、図6)
特許文献1に開示される磁気シールド装置用構成部材は、高透磁率のパーマロイ板であり磁気シールド空間を形成するために使用されている。この場合、パーマロイ板は約1mm程度の厚さが必要とされ、磁気シールド装置の組立て構造に合せて、切断、折り曲げ加工する部品加工が必要とされる。しかし、パーマロイ板は、部品加工の際に加わる外力のために機械的強度は影響がないものの磁気特性が極端に劣化すると言う欠点がある。また、据付後、地震等による外力が磁気シールド装置に加わった場合にもパーマロイ板の磁気特性は大幅に低下する。また、パーマロイ板を用いた磁気シールド装置は、各層で使用するパーマロイの板厚が約1mm以上必要であり、2m×2m×2m程度の大きさの磁気シールド装置でも2トン以上の重量に達してしまう。更に、磁気シールド率を高めるためには、パーマロイ板の1層構造では十分でなく多層構造が必要であり、この場合には、磁気シールド装置は数トンもの重量となってしまい、磁気シールド装置の移動等が規制される問題がある。一方、特許文献2では、磁気シールド材料としてパーマロイ板に代えて結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性アモルファス合金の薄膜と樹脂シートとを接着した磁気シールドシートを用いることが提案されている。この場合には、パーマロイ板と異なり多少の外力が加わっても磁気特性が劣化することは無いものの超微細結晶組織を持つ合金部分は機械的強度が弱く外力により容易に破断してしまう。地震等があった場合には、外見上は影響がないように見えても内部の超微細結晶組織を持つ合金部分は機械的破壊が生ずる。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、外力に強く軽量であり、かつ、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を効果的にシールドする複合磁性部材を提供することである。特に、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる軽量な複合磁性部材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の複合磁性部材は、Co基非晶質合金薄板と樹脂フィルムを積み重ねた構造を持つ磁性積層部材18の複数枚の端部を一枚毎に、複数枚重ねたFe−Ni系磁性板19の間に挟み込み、固定し得るようにするという技術手段を採用する。
この磁性積層部材18とFe−Ni系磁性板19とを重ねる幅wは、磁性積層部材の厚みtに対して80t≦w≦200tの範囲にあることが好ましい。図2に示すように、磁性積層部材18とFe−Ni系磁性板19とを重ねる幅wが80tより広い場合は、磁性積層部材18の中央部を磁束が通っていても、両側で挟んでいるFe−Ni系磁性板の方へ屈折して磁束20のように流れる。幅wが80tより狭いと、中央部を磁束はそのまま直進し、磁性積層部材18の端部から漏れ、磁束21のように磁束が流れ、磁気シールド材としての役割を損ねてしまう。幅wが広い程、磁束の漏れは無くなっていくが、あまりに幅wが広いと複合磁性部材全体の重量が増大する、コストが高くなる、磁気シールドルームなどの設計自由度が無くなるなどの問題がある。実質的に使用される幅wは200t以下であることが好ましい。さらに好ましい幅wは85t≦w≦150t、さらに好ましくは90≦w≦130tである。また、Fe−Ni系磁性板の厚さは、挟み込まれる磁性積層部材中のCo基非晶質合金薄板の総厚さに対し、磁束を通すのに十分な厚さをもたせる。透磁率によりこのFe−Ni系磁性板の厚さは変化するが、JIS規格JIS−C−2531にて規定されるパーマロイであれば、挟み込まれる磁性積層部材中のCo基非晶質合金薄板の総厚さに対して2倍以上の厚みのFe−Ni系磁性板を用いることで十分な磁気シールド特性が得られる。すなわち、Co基非晶質合金薄板は、パーマロイよりも高い透磁率を有しており、所定の磁気シールド性能を出すために用いる磁気シールド部材の量をすくなくすることができる。Co基非晶質合金薄板は、単純な厚さの比較では、Fe−Ni系磁性板の約半分の厚さで済むことから、軽量化に有効な手段ということができる。
好ましくは、各磁性積層部材におけるCo基非晶質合金薄板間の間隔を10μm〜160μmとする。
好ましくは、前記Co基非晶質合金薄板の合金成分を、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、aが0〜6、(b+c)が18〜30、yが0〜0.2、bが8〜18、zが0〜0.13、cが7〜18を満足するものとする。
本発明の複合磁性部材では、結晶粒界が存在しない非晶質合金と樹脂フィルムを接着剤を介して積層した磁性積層板を用いるので、超微細結晶組織を持つ合金を使用する場合とは相違して、多少の外力が加わっても非晶質合金部分の機械的強度が強いので破断するようなことはない。地震等があった場合にも、内部の非晶質合金部分に機械的破壊が生ずることを防ぐことができる。
本発明の複合磁性部材は、Co基非晶質合金薄板と樹脂フィルムを積み重ねた構造を持つ磁性積層部材の複数枚の端部を一枚毎に、複数枚重ねたFe−Ni系磁性板の間に挟み込み、固定し得るようにするものであり、部材の大部分を占める磁性積層部材は軽量であり、弾力性に富む。端部に使用するFe−Ni系磁性板は、ネジ止めが容易であり組み立て作業を簡便にすることができる。一方で、端部に使用するFe−Ni系磁性板による電磁気的な効果として磁性積層部材の磁路を端部で絞り込み、他の磁性積層部材との磁気的接合を容易ならしめる。
本発明の複合磁性部材を使用することにより、磁気シールド装置は、機械的強度に優れ、軽量であり、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができるものとなしえる。地震等の外力が加わった場合でも磁気特性の劣化は殆ど発生することが無い。本発明の複合磁性部材を、あらかじめパネル部材として作り上げておき、これを組み合わせることにより磁気シールド装置の製作工程を簡単にすることができ、組立て時間も短縮できることとなる。
本発明の重要な特徴は、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気をシールドするための磁性材料としてCo基非晶質合金薄板を用いることである。磁気をシールドするための磁性材料としては、ケイ素鋼板、パーマロイ、Fe基非晶質合金、Co基非晶質合金、結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性Fe基合金などがあるが、ケイ素鋼板やFe基非晶質合金は、1kHz以下の低周波磁気或いは静磁気をシールドするには、透磁率が小さ過ぎるためにかなり肉厚の厚い板とする必要があり、このために重量が大きくなりすぎて実用的ではない。
結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性合金の透磁率は、ケイ素鋼板やFe基非晶質合金に比べるとかなり大きく、1kHz以下の低周波磁気或いは静磁気をシールドする磁気特性の面では好ましい材料であるが、非晶質合金薄帯を結晶化するための結晶化温度に近い温度での熱処理を経るため、超微細結晶組織を持つ合金部分の機械的強度が比較的弱く外力によって容易に破断してしまう。地震等があった場合には、外見上は影響がないように見えても超微細結晶組織を持つ合金部分には材料の破断等が生ずる。
パーマロイは、加工の際に加わる外力のために磁気特性が極端に劣化し、また、地震等による外力が磁気シールド装置に加わった場合には、大幅に磁気特性が低下することがある、という問題がある。磁気特性の劣化したパーマロイ板の特性を回復するには再度熱処理をするなどの手段を取る必要がある。また、パーマロイ板を用いた磁気シールド装置は、使用するパーマロイの板厚が約1mm以上必要であり2m×2m×2m程度の大きさの磁気シールド装置でも2トン以上の重量に達してしまうという問題がある。本発明では、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気をシールドするための磁性材料として、特にCo基非晶質合金薄板が優れるとの知見に基づき、Co基非晶質合金薄板を基幹材料とし、パーマロイなどのFe−Ni系磁性板を前記Co基非晶質合金薄板の端部を固定する補助材料として利用するものである。
磁気シールド率を高めるためには、Co基非晶質合金薄板1層構造では十分でなく多層構造が必要であるが、この場合に、Co基非晶質合金薄板を接着剤を介して単に重ねるだけではCo基非晶質合金薄板間の間隔が不定であり望ましい値にすることは困難である。この間隔が小さいと多層構造にしても重量が大きくなるだけであって磁気シールド効果は大幅には向上しない。Co基非晶質合金薄板の間隔を一定の値とするために、一定の厚みの樹脂フィルムを介在して接着剤で接合する手段を採用する。樹脂フィルムを利用して、Co基非晶質合金薄板の間隔を10μm〜160μmの間のほぼ一定の間隔とすることにより、重量の大幅な増加無くCo基非晶質合金薄板の磁気シールド特性を最大限に生かすことができ、磁気シールド効果の大幅向上を図ることができる。例えば、Co基非晶質合金薄板を隙間をもたせて4層に積層することにより、軽量でありながら非晶質合金薄板の磁気シールド特性を最大限に生かす磁性積層部材とすることができる。
このような磁性積層部材の複数枚を重ね合わせ、各磁性積層部材の端部を複数枚のFe−Ni系磁性薄板の層間に挟み込み把持する。
パーマロイの一枚板と比較して、Co基非晶質合金薄板と樹脂フィルムを順次積み重ねて形成した本発明の複合磁性部材は、より軽量でありながらパーマロイの一枚板以上の磁気シールド効果を発揮することができる。各磁性積層部材の端部を複数枚からなるパーマロイなどのFe−Ni系磁性板の層間に挟み込み把持することにより、端部において磁束の通路を絞り込み、かつ、端部の機械的強度を十分な大きさに出来る。アルミニウム等の軽量金属材を骨組部材として本発明の複合磁性部材を組み合わせることにより、磁気シールド装置全体の軽量化と機械的強度の確保を図ることも出きる。
Co基非晶質合金薄板の積層数は、全体として30層以上とすることにより、容易に、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる。さらに高いシールドの効率(性能)が要求される脳磁計測装置等に必要な磁気シールド装置では、さらに積層数を増やして300層よりも多くすることや、多重に配置することによって、必要なシールド効果(シールド性能)を得ることが可能であり、このような方法は、本技術を応用することで可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて更に説明する。
図1は、磁気シールド装置の角部に使用する本発明の複合磁性部材1の部分断面図であり、図2は図1の破線の円部分を拡大した図に磁束の流れを加えた図であり、図3は磁気シールド装置の平坦部に使用する本発明の複合磁性部材2の部分縦断面図である。図1〜図3に示すように、本発明の複合磁性部材においては、20μmの厚さのCo基非晶質合金薄板と20μmの厚さの樹脂フィルムとを接着剤を介して順次積み重ねてCo基非晶質合金薄板を4枚含む磁性積層部材18を一纏めとしてFe−Ni系磁性薄板19の間に挟み込み、前記Fe−Ni系磁性薄板19を一体的に束ねてFe−Ni系磁性材のアングル材16によって他の複合磁性部材81と接続している。図1では、Co基非晶質合金薄板は合計すれば16枚重ねているが、図面上方にさらに積層することも可能である。各磁性積層部材において、Co基非晶質合金薄板間の間隔を10μm〜160μmとすることにより磁気シールド効果を高める。この間隔が狭すぎても、逆に大き過ぎても磁気シールドの効率が低下する。磁性積層部材1の上下両面には樹脂フィルムが配置されるようにすれば美観も良く、耐食性も高めることができる。図の例では、下面にAl製プレート15を支持材として配置している。
これら複合磁性部材1をアルミニウム製の軽量金属骨組部材(図示せず)に固定することにより簡単な工程により磁気シールド装置を組立できる。本発明による他の複合磁性部材の例について部分断面図を図3に示す。図3に示す複合磁性部材2では、15〜30μmの厚さのCo基非晶質合金薄板4枚を樹脂フィルムと接着剤(厚さ計40〜80μm)を積み重ねた磁性積層部材28を10段重ねとし各磁性積層部材28の端部を合計11枚のパーマロイ29(最下層は、肉厚パーマロイ板299)の層間に挟み込み把持することにより、端部において磁束の通路を絞り込み、かつ、端部の機械的強度を十分な大きさに出来る。横に接続する場合には、磁気ギャップ38を蔽う接続用パーマロイ部材39を配置し磁路の磁気抵抗を低減する。
これらの複合磁性部材により磁気シールド空間を画定する磁気シールド装置を形成する。アルミニウム製の骨組部材(図示せず)を張り合わせて内周壁を形成すねことにより磁気シールド装置の強度を高めることができる。磁性積層部材の端部を把持するパーマロイ部材同志は、非磁性材料のポルトを使用して接合する。
このようにして形成した磁気シールド装置内の磁気シールド空間に微小磁場を計測するSQUIDを配置した心磁計や脳磁計で心臓や脳から発生する磁場を測定し、心臓や脳に流れる磁場の分布を画像として捉える等の手段により、生体の健康状態を把握することができる。磁気シールド装置の一側面には、人の出入り或いは医療機材搬入のために使用する扉(図示せず)を設けることが好ましい。幅広のCo基非晶質合金薄板とするために、Co基非晶質合金薄板を幅方向に多数配置することにより、一枚の幅広のCo基非晶質合金薄板と同一の効果をえることができる。Co基非晶質合金薄板を幅方向に一部重ね合わせて配置することにより、繋ぎ合わせ部分の磁気抵抗を低く抑えることができる。
本願発明で規定する、磁性積層部材とFe−Ni系磁性板とを重ねる幅wと、磁性積層部材の厚みtとの関係を調査するため、図1に示す複合磁性部材を用いて行った解析結果を図4,図5に示す。
図4は、磁性積層部材28の厚さtが0.24mmの時、磁性積層部材28とFe−Ni系磁性板29とを重ねる幅wを50mm(w/t=208.3)、25mm(w/t=104.2)、15mm(w/t=62.5)と変えたときの磁気シールド率を測定したものである。また、図5は磁性積層部材28の厚みを倍の0.48mmの時、磁性積層部材28とFe−Ni系磁性板29とを重ねる幅wを50mm(w/t=104.2)、25mm(w/t=52.1)と変えたときの磁気シールド率を測定したものである。
図6は、磁性積層部材とFe−Ni系磁性板とを重ねる幅wと、磁性積層部材の厚みtとの比(w/t)と、磁気シールド率との関係を示した図である。印加磁界を1μTとして測定した。接合部分のない複合磁性部材(一体の磁性積層部材のみで巻きまわした状態)を製造した場合のシールド率は、約18.4dBである。接合部分の無い複合磁性部材と同等のシールド特性を得ようとする場合、w/tは約80以上が必要になる。なお、磁性積層部材とFe−Ni系磁性板とを重ねる幅wが広くなるにつれ、磁束が流れやすくなるためにシールド率は増加して行くが、前記したようにコスト的な問題や重量増加が顕著となるので実質的に使用されるw/tは200以下である。
磁気シールド装置の骨格を形成するの骨組部材としては、軽金属が好ましく、価格、強度の点からアルミニウム材が適切であるが、マグネシウム材など他の軽金属材を用いることもできる。骨組部材を中空構造化することにより強度は落とさずに更に軽量化をすることができる。
骨組部材で磁気シールド装置の骨格を形成した後、本発明の複合磁性部材により内壁、外壁を形成するように貼り合わせて磁気シールド空間を画定することが好ましい。磁気シールド装置の内面や外面を保護し、清潔感を持たせるため化粧板を仕上げ材として配置することが好ましい。
Co基非晶質合金薄板は、Co基合金の溶解物を急速に回転する冷却ロールの表面に射出することにより、一般には、厚さ8μm〜80μm、通常は、16μm〜40μmの非晶質合金として得られるが、幅は、一般には60mm〜300mmものとして得る。Co基非晶質合金薄板の1kHzに於ける透磁率は約80000以上のものを得る。合金組成としては、好ましくは、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、aが0〜6、(b+c)が18〜30、yが0〜0.2、bが8〜18、zが0〜0.13、cが7〜18を満足するものである。本発明で使用するCo基非晶質合金薄板は、結晶粒界は無く、全くの非晶質の金属組織を有する。軟磁性非晶質薄膜は、樹脂フィルムを介して接着剤により、積層して使用する。樹脂フィルムの厚さは、10μm〜100μmのものを適宜選択して使用する。
磁気シールド装置の壁には、外部からの空気を取り入れや、電子機器用のケーブル類を通すための貫通口又は通気口等を設けることもある。貫通口としては、磁気シールド率を劣化させずに、空気の取り入れができ、ケーブル類を通すことができるものにする必要がある。
従来技術で使用されてきたパーマロイ板の代わりに、Co基非晶質合金薄膜を樹脂フィルムを介して接着剤で接合して磁気積層板は、積層構造にもよるが、一般には、厚さ80μm〜300μmの高透磁率の積層板となる。この磁気積層板は、パーマロイに比較してはるかに軽量であり、磁気シールド効果も良く、また、外力が加わっても磁気特性や機械的強度の劣化は無い。磁気シールド装置の移動や地震等に遭遇しても、大丈夫である。折り曲げ、切り取り加工も容易であり、壁紙を扱うように取り扱うこともできる。
従来技術では、壁構造体の主要な部材としてパーマロイ板を用いて、磁気シールド空間を画定していたが、磁気シールド装置の骨組部材としてアルミニウム等の軽金属材を使用し、磁気シールド空間の凡そを画定した後に、磁性シールド部材として本発明の複合磁性部材を使用すれば、磁気シールド装置を簡便に作成することができる。
Co基非晶質合金薄帯を多層化することにより、厚さ1mm程度のパーマロイと同等な磁気シールド率を実現ができる。Co基非晶質合金薄帯の層間距離を10μm〜160μmとすることが大切である。重ねるCo基非晶質合金薄帯の枚数は10以上が好ましいが、更に好ましくは、積層数が30層〜300層である多層構造としたものである。
従来技術のパーマロイ板を磁気シールド板とする磁気シールド装置は、重量が嵩み、組み立て、移動に困難があるが、本発明の複合磁性部材を利用した磁気シールド装置は軽量であり、病院内の設置場所の変更にも容易に対応できる。また、外力に対して、磁気特性面でも機械的強度の面でも強く、その製作工法も簡便なものとすることができる。内部に設置する機器と外部を結ぶ貫通孔の設置、或いは扉の設置も、切断しやすい材料であるので、容易である。ボルト、着剤材等による装置の組み立ても簡単であるので、産業上の利用性は高い。
本発明の複合磁性部材の例を示す一部縦断面図。 図1の部分拡大図。 本発明の他の複合磁性部材の例を示す一部縦断面図。 重ね合わせた幅wによるシールド率の変化を示す図。 重ね合わせた幅wによるシールド率の変化を示す図。 w/tとシールド率との関係を示す図。
符号の説明
1…複合磁性部材、15…Al製プレート、16…アングル材、18…磁性積層部材、19…Fe−Ni系磁性板、20,21・・・磁束の流れ、2…複合磁性部材、28…磁性積層部材、29…Fe−Ni系磁性板、299…Fe−Ni系磁性板、38…磁気ギャップ。

Claims (4)

  1. Co基非晶質合金薄板と樹脂フィルムを積み重ねた構造を持つ磁性積層部材の複数枚の端部を一枚毎に、複数枚重ねたFe−Ni系磁性板の間に挟み込み、固定し得るようにした複合磁性部材。
  2. 前記磁性積層部材とFe−Ni系磁性板とを重ねる幅wは、前記磁性積層部材の厚みtに対して80t≦w≦200tの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の複合磁性部材。
  3. 各磁性積層部材におけるCo基非晶質合金薄板間の間隔を10μm〜160μmとしたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の複合磁性部材。
  4. 前記Co基非晶質合金薄板の合金成分が、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、aが0〜6、(b+c)が18〜30、yが0〜0.2、bが8〜18、zが0〜0.13、cが7〜18を満足することを特徴とする請求項1乃至3に記載の複合磁性部材。
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