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JP4581834B2 - 無電極放電灯及びそれを備えた照明器具 - Google Patents

無電極放電灯及びそれを備えた照明器具 Download PDF

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本発明は、蛍光灯又は紫外線殺菌等などの無電極放電灯及びそれを備えた照明器具に関し、特に長尺で発光が均一でコアによる発光の遮蔽を減らして効率を高めた無電極放電灯及びそれを備えた照明器具に関する。
従来、ループ状に形成されたバルブに封入された放電ガスを電磁誘導により励起発光させる無電極放電灯がある。
この従来の無電極放電灯は、ループ状に形成されたバルブと、このバルブに封入された水銀蒸気を含む放電ガスと、バルブの長手方向両端部をそれぞれ囲んで設けられたリング状コアと、これらのコアにそれぞれ巻装された誘導コイルと、高周波電源を含み各誘導コイルに接続された点灯回路とを有している。そして、この無電極放電灯において、数百kHzの高周波電流が誘導コイルに通電されると、電磁誘導によって放電が発生し、放電ガスが励起されて紫外線が発生する。バルブ内面に蛍光物質が塗布されていると、この紫外線がバルブ内面に塗布された蛍光物質により可視光に変換され無電極蛍光ランプとなる。
このような無電極放電灯では、点灯回路からのエネルギーを効率よく利用するために、2つのコアはバルブの延長方向において2個所に略等間隔に配置される。例えば、ループバルブの長さが600mmと長尺になる場合に、バルブの長手方向両端部をそれぞれ囲んでリング状コアを設け、これらのコアにそれぞれ誘導コイルを巻装する。
ところが、このような無電極放電灯では、長手方向両端部のみにプラズマを発生させるための誘導コイルがあるため、これらの誘導コイルから離れた個所(長手方向中央付近)では、プラズマが存在しにくくなる。そのため、バルブ全体で電流パスが形成されず、発光効率が低下し、高効率で均一な発光を得るためには、さらに誘導コイルが必要になっていた。
また、例えば、特許文献1に開示されているような発明も知られている。この特許文献1の無電極放電灯は、少なくとも1本のガラス管からなり、閉ループの管軸を有した閉ループの管壁を形成するように前記ガラス管の両端が封止されているガラス製のバルブ(エンベロープ)と、バルブに封入され冷点温度によって蒸気圧が支配される金属蒸気(放電ガス)と、66.7Paよりも高い圧力でバルブに封入された不活性ガスと、バルブの管壁の真空側に設けた蛍光体コーティングと、バルブの管壁外面に閉ループの管軸に沿って直接に設けられバルブ内において高周波放電の始動および維持を行うために高周波電源から高周波電力が供給される1ターン以上の巻線を有する誘導コイルと、バルブを形成するガラス管およびバルブに隣接した誘導コイルの巻線の一部を囲みバルブに誘導コイルを結合させる少なくとも1個のコアとからなっている。
特開2003−100259号公報)
従来の無電極放電灯においては、特許文献1の図にも示されるように、コアが2つあり、コア間で誘導コイルを架け渡している。ところが、コアはフェライト等の磁性体から構成されており、一般に光を遮蔽するものが多い。そのため、コアによって遮られる光の量が多く、まだ効率を上げる余地があった。また、コアを1つにすると、誘導コイルを保持できなくなくなってしまうが、誘導コイルの指示についてはなにも示唆されていない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、コアによって遮られる光を減らして効率を向上できる無電極放電灯及びそれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、透光性材料の管体内に放電ガスが封入されたループ形状のバルブと、バルブの一部を包囲する磁性体からなるコアと、コアの少なくとも一部を巻回した誘導コイルと、誘導コイルに高周波電流を流して電磁誘導により放電ガスを励起発光させる高周波電源とを備える無電極放電灯であって、コアループ状バルブの一端に単数又は複数で配置し、さらに誘導コイルをバルブ内周全体に近接させるようにバルブ内周の空間でコイル保持手段に巻回しているとともに、コアが誘導コイルの一部を囲むこと特徴とする。
本願請求項2記載の発明に係る照明器具は、請求項1に記載の無電極放電灯を備えたことを特徴とする。
本願請求項1記載に係る発明の無電極放電灯によれば、バルブの一部を包囲する磁性体からなるコアループ状バルブの一端に単数又は複数で配置し、さらに誘導コイルをバルブ内周全体に近接させるようにバルブ内周の空間でコイル保持手段に巻回しているとともに、コアが誘導コイルの一部を囲んでいる。このようにコアを一端にのみ配置する構成にすることにより、コアによって遮られる光を1個所に減らして効率を向上できる。また、コアを2個所以上設ける場合に比べて、構造を簡単にすることができ、コストを低減することができる。さらには、誘導コイルがバルブ内周全体に近接しているためコアから離れた個所においてもエネルギーを供給することが可能であり、高効率で均一性の良好な可視光を発光させることができるようになる。
請求項2記載の発明に係る無電極放電灯を備えた照明器具は、請求項1記載の無電極放電灯の効果に加えて、一層、構造を簡単にすることができ、コストを低減することができる。
効率を向上できる無電極放電灯及びそれを備えた照明器具を構造を簡単にすることで実現した。以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2は本発明の無電極放電灯の1実施例を示す図で、図1は本発明の無電極放電灯の1実施例の概略構成を示す上面図、図2はその構成の一部を示す斜視図である。
本実施例の無電極放電灯1は、透光性材料の管体内に放電ガスが封入されたループ形状のバルブ2と、バルブ2の一部を包囲するコア3と、コア3の少なくとも一部を巻回した誘導コイル4と、誘導コイル4が巻回されたコイル保持手段(ボビン)5とを有する。また、誘導コイル4に高周波電流を流して電磁誘導により前記放電ガスを励起発光させる高周波電源を有する点灯回路6を備える。そして、コア3はループ状バルブ2の一端に1個が配置され、誘導コイル4がバルブ2に沿ってその内側の空間でボビン5に巻回されるとともに、コア3が誘導コイル4の一部を囲んでいる。また、バルブ2に接続した水銀溜め7が設けられている。
バルブ2は、2本のガラス製の直管11a、11bと接続管12a、12bが管端部で順次接続されて連通し、ループ形状に形成され、接続管12aに水銀溜め7 が設けられ、放電ガスが封入されている。直管11a、11bと接続管12a、12bの内面には蛍光体が塗布され、直管11a、11bは主発光部となる。放電ガスは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン等の不活性ガスと水銀等の金属蒸気からなっている。コア3はフェライト等の周知の磁性体から製作され、I型コア3aとE型コア3bとが組み合わされて日の字型のコア3が形成されている。誘導コイル4は1ターン以上の導電性の巻き線から構成される。
なお、図示していないが、ボビン5の、長手方向の端部でコア3とは異なる方のバルブ2の端部部分にバルブ2及びその形状を保持する機能を有した他の保持手段たる構造物を取り付けることが好ましい。特に、バルブ2の長さが長くなると、他の保持手段の必要度が高くなる。
(実施例1)
上記のように構成してなる本願発明において、バルブ2を直管11a、11bとして長さが約500mmで直径50mmのガラス管を用い、接続管12a、12bとして直径40mmで長さ20mmほどのガラス管を用いて端部を繋いでループ形状に作製する。直径40mmの接続管12aには直径6mmの水銀溜め7が作製されている。また、ガラス管内面には蛍光体が塗布されている。コア3はフェライト等の磁性体から作成され、I型コア3aとE型コア3bとが組み合わされて日の字型のコア3が形成されている。
放電性ガスとして、アルゴン約13Pa、水銀約10mgが封入されている。そして、水銀溜め7を最冷点とし、約40℃にすることによって水銀の紫外線発光効率がほほ最大になるようにしている。誘導コイル4は、コア3の一部およびボビン5に8ターンが巻回されて形成されている(図では6ターン)。そして、この誘導コイル4に接続されて高周波電源を含む高周波回路を有する点灯回路6が設けられ、誘導コイル4に高周波電流(ここでは数百kHz)を通電するようにしている。
上記のように構成した実施例1の無電極放電灯1は、誘導コイル4に高周波電流(ここでは数百kHz)を通電すると、電磁誘導により誘導コイル4の周囲に形成される高周波電磁界が前述のループ形状のバルブ2に作用することによって放電ガス中の水銀原子が電離ないし励起され、励起された水銀原子は基底状態に戻る際に主として紫外線を放射することになる。水銀原子から放射された紫外線は、蛍光体により可視光に変換される。
本実施例の場合、特にコア3を配置している近辺では、比較的電界強度が高いため、この近辺での電界が始動性やプラズマ生成に大きく寄与していると考えられる。さらにはここで発生したプラズマはコア3から離れた個所へと拡散していく。さらに誘導コイル4がバルブ2内周全体に近接しているためコア3から離れた個所においてもエネルギーを供給することが可能である。つまり、コア3から離れた個所の発光において、コア3近辺のプラズマの拡散効果と誘導コイル4の電磁誘導で発生する電界の効果でプラズマが発生しやすくなり、バルブ2全体で電流パスが形成されやすくなる。その結果、誘導コイル4がバルブ2全体に巻回されていない場合と比べて比較的発光効率の大きい発光が得られる。
以上で述べたように、本実施例の無電極放電灯1を用いて適当な電力を投入すると、高効率で均一性の良好な可視光を発光させることが可能となった。本実施例の場合、誘導コイル4、ボビン5およびコア3は一体に結合しているので、作製するときはボビン5に誘導コイル4及びコア3を取り付け、それにバルブ2をはめ込めるので、組立性が比較的容易である。なお、ボビン5は白色系耐熱性プラスチックを用いることで、寿命中にできるだけ劣化が進行しないようにすることができる。また、ボビン5はここでは中空となっているが、この部分にさらにコア3を配するとさらに電磁界エネルギーの均一度が増加し、発光効率、発光均一性の良好な長尺ランプを達成することができる。
(実施例2)
図3は本発明の無電極放電灯の他の実施例を示す図で、図3は実施例2の無電極放電灯の概略構成を示す上面図である。本実施例の無電極放電灯1は、上記実施例1の無電極放電灯1とはコア3近辺を金属板材8で覆った点で相違する。本実施例において、上記実施例1と同一の作用をなす部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図3に示すように、実施例2の無電極放電灯1は、コア3近辺を金属板材8で覆って構成している。
このように構成すると、金属板材8は実際に照明器具を構成する器具本体部に取り付ける場合の構造材となり、この箇所を器具本体部に取り付けることによって点灯システムを保持することが可能であり、組立性が向上する。さらにはコア3近辺から輻射されるノイズを低減させることも可能である。
(実施例3)
図4、図5は本発明の無電極放電灯のさらに他の実施例を示す図で、図4は本発明の無電極放電灯の実施例3の概略構成を示す上面図、図5はその構成の一部を示す斜視図である。本実施例の無電極放電灯1は、上記実施例1の無電極放電灯1とはボビン5を無くしてこれと同じ機能を持つものを長手方向でコア3と対の位置にある誘導コイル4端の位置に配置した点で相違している。本実施例において、上記実施例1と同一の作用をなす部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図4、図5に示すように、本実施例の無電極放電灯1は、誘導コイル4を保持する機能を有する保持手段として係止部材9を配設している。本実施例の場合においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
図6、図7は本発明の無電極放電灯のさらに他の実施例を示す図で、図6は本発明の無電極放電灯の実施例4の概略構成を示す上面図、図7はその構成の一部を示す斜視図である。本実施例の無電極放電灯1は、上記実施例1の無電極放電灯1とはコア3の構造が相違している。本実施例において、上記実施例1と同一の作用をなす部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。本実施例の無電極放電灯1は、主な発光部となるバルブ2の直管11a、直管11bとが比較的離れている場合に比較的有効な構造である。実施例1で直径50mmの一対の直管11a、直管11b間の距離が大きい場合(例えば約50mm)に発光効率的に有利である。
図7に示すように、I字型コア3aとU字型コア3cとからなるコア3を組み立て、直径50mmの長手方向の片端に直径50mmの直管11a、直管11bをつなぐ部分(接続管12a)に1個のコア3を配置している。このように構成すると、比較的大きなコア3を使用することができるため発光効率的に有利であり、またランプ内周に誘導コイル4を設置することによって実施例1と同様の長尺で均一な点灯を行うことができる。その他本実施例の場合、実施例2と同様の金属板構造を持ったときに比較的遮光部を減少させることができ、これも発光効率的に有利である。
(実施例5)
本実施例の無電極放電灯は、上記実施例1の無電極放電灯おいて透明材料としてガラス管の代わりに石英管を使用する点が相違している。本実施例において、上記実施例1と同一の作用をなす部分については、詳細な説明を省略する。本実施例の無電極放電灯1において、バルブ材料を石英などの紫外線透過材料を使用し、蛍光体を塗布しないことによって紫外線発光が可能な殺菌用無電極放電灯装置となる。但し、蛍光灯と異なり装置自身が紫外線に曝露されることになるので、構成部材に注意を払う必要がある。例えばプラスチックなどは長期に紫外線にさらされると変質が起こり劣化していくので、ボビン材料やコイル被覆材料などはUVによる劣化が少ないフッ素樹脂などの材料を使用する。
この装置は長尺形状のため、流水殺菌、表面殺菌、空気殺菌など長尺ランプが必要な殺菌システムヘの応用が可能である。特にこの分野でのランプは寿命が短く、且つ商価であるので、長寿命であるとランプ交換回数が少なくなり寿命期間中のトータルコストで非常に有利となる。
本発明の無電極放電灯の1実施例の概略構成を示す上面図である。 その構成の一部を示す斜視図である。 本発明の無電極放電灯の他の実施例の概略構成を示す上面図である。 本発明の無電極放電灯の他の実施例の概略構成を示す上面図である。 その構成の一部を示す斜視図である。 本発明の無電極放電灯のさらに他の実施例の概略構成を示すブロック図である。 その構成の一部を示す斜視図である。
符号の説明
1 無電極放電灯
2 バルブ
3 コア
4 誘導コイル
5 ボビン(保持手段)
6 点灯回路
7 水銀溜め
8 金属板材
9 係止部材(保持手段)
11a,11b 直管

Claims (2)

  1. 透光性材料の管体内に放電ガスが封入されたループ形状のバルブと、バルブの一部を包囲する磁性体からなるコアと、コアの少なくとも一部を巻回した誘導コイルと、該誘導コイルに高周波電流を流して電磁誘導により前記放電ガスを励起発光させる高周波電源とを備える無電極放電灯であって、コアループ状バルブの一端に単数又は複数で配置し、さらに誘導コイルをバルブ内周全体に近接させるようにバルブ内周の空間でコイル保持手段に巻回しているとともに、コアが誘導コイルの一部を囲むこと特徴とする無電極放電灯。
  2. 請求項1 記載の無電極放電灯を備えたことを特徴とする照明器具。
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