JP2010080241A - 無電極放電灯装置および照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ループ形状のバルブを備え且つ広い動作温度範囲で光出力が安定させることができる無電極放電灯装置および照明器具を提供することにある。
【解決手段】無電極放電灯装置100は、ガラスで形成され且つ内部に放電ガスおよび水銀蒸気が封入されたループ形状のバルブ1と、バルブ1において管軸方向に沿って離間した2つの部位を覆う形で配置された2つのフェライトコア3と、フェライトコア3に巻回されたランプ点灯用誘導コイル2と、高周波電源4aを含む点灯装置4とを備える。バルブ1の一部には、水銀蒸気を供給するための水銀アマルガム5が収納されたアマルガム収納部1aが形成されてなるものであって、水銀アマルガム5を加熱するためのアマルガム用誘導コイル21が、フェライトコア3の一部に巻回されるとともにアマルガム収納部1cの周囲に巻回されている。
【選択図】図1
【解決手段】無電極放電灯装置100は、ガラスで形成され且つ内部に放電ガスおよび水銀蒸気が封入されたループ形状のバルブ1と、バルブ1において管軸方向に沿って離間した2つの部位を覆う形で配置された2つのフェライトコア3と、フェライトコア3に巻回されたランプ点灯用誘導コイル2と、高周波電源4aを含む点灯装置4とを備える。バルブ1の一部には、水銀蒸気を供給するための水銀アマルガム5が収納されたアマルガム収納部1aが形成されてなるものであって、水銀アマルガム5を加熱するためのアマルガム用誘導コイル21が、フェライトコア3の一部に巻回されるとともにアマルガム収納部1cの周囲に巻回されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ループ形状のバルブを備えた無電極放電灯装置および照明器具に関するものである。
従来から、図6に示すように、透光性材料で形成され且つ内部にアルゴンなどの希ガスからなる放電ガスと水銀蒸気とが封入されたループ形状のバルブ1と、バルブ1において管軸方向に離間した2つの部位を囲む形で配置されるとともに2つのランプ保持具32’それぞれの内側に配置された2つのフェライトコア(図示せず)と、各フェライトコアそれぞれに巻回された2つの誘導コイル(図示せず)と、各誘導コイルに接続され且つ誘導コイルに高周波電流を通電する高周波電源(図示せず)を含む点灯装置(図示せず)とを備える無電極放電灯装置が提案されている(特許文献1参照)。ここで、バルブ1、各フェライトコア及び各誘導コイルから無電極放電ランプが構成されている。
図6に示す構成の無電極放電灯装置では、高周波電源から数百kHzの高周波電流が誘導コイルに通電されると、電磁誘導によって無電極放電ランプを構成するバルブ1の内部に発生する誘導電界がバルブ1内部に封入された放電ガスに作用して放電が発生し、バルブ1の内部に存在する水銀が励起されることにより紫外線が発生する。なお、無電極放電ランプにおいてバルブ1の内面に蛍光体が塗布されているものは、バルブ1の内部で発生した紫外線がバルブ1の内面に塗布された蛍光体により可視光に変換されてバルブ1の外部に放射されるので、無電極蛍光ランプとして使用される。一方、バルブ1が紫外線透過率の高い材料で形成され且つバルブ1の内面に蛍光体が塗布されていないものは、無電極紫外線ランプとして使用される。これらの無電極蛍光ランプや無電極紫外線ランプは、バルブ1の内部に短寿命の原因となる電極(図示せず)が存在しないので寿命が長い。
一般的に、無電極放電ランプでは、バルブの内部の放電空間に水銀蒸気を供給するために、バルブの内部に水銀アマルガムが封入されていることが多い。バルブの内部に純水銀ではなく水銀アマルガムが封入されていることが多い理由として、バルブの内部に水銀アマルガムが封入されている場合は、純水銀が封入されている場合に比べて、比較的広い動作温度範囲において、バルブの内部の水銀蒸気圧を安定させ、光出力の温度依存性を小さくすることができる点が挙げられる。
図6に示す構成の無電極放電灯装置では、バルブ1の内部に水銀蒸気を供給するための水銀アマルガム(図示せず)が封入されており、バルブ1の内部の水銀蒸気圧を安定した光出力が得られる圧力に維持するために、水銀アマルガムの温度を常温(25℃)よりも高い規定温度(例えば、70℃)以上に常に維持しておく必要がある。ここで、図6に示す構成の無電極放電灯装置では、周囲温度(以下、動作温度と称す)が常温よりも低い低温の場合や、定格点灯時に比べて低い供給電力で点灯している場合(調光点灯時)に、水銀アマルガムの温度が前記規定温度未満となり、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が極端に低下して発光効率が大幅に低下することがあった。更に、図6に示す構成の無電極放電灯装置では、長期に亘り、低温で動作した場合、水銀が蒸発せず、希ガスのみの放電となる場合があった。従って、水銀アマルガムは、温度の高い箇所に配置する必要がある。
そこで、図6に示す無電極放電灯装置では、水銀アマルガムを、バルブ1におけるフェライトコア3の近傍に形成されたアマルガム収納部1cの内側に配置し、フェライトコア3で発生した熱を、アルミニウムなどの金属で形成された熱伝達部3aを介して水銀アマルガムに伝達させることにより、水銀アマルガムの温度を前記規定温度以上に維持している。
特開平11−191398号公報
しかしながら、図6に示す構成の無電極放電灯装置では、特に動作温度が低温の場合には、フェライトコアで発生した熱が水銀アマルガムに達するまでに放熱されてしまい、水銀アマルガムに十分に伝達されず、水銀アマルガムの温度を前記規定温度以上に維持することができず、光出力が安定しないおそれがあった。
本願発明は、前記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ループ形状のバルブを備え且つ広い動作温度範囲で光出力が安定させることができる無電極放電灯装置および照明器具を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、透光性材料で形成され且つ内部に放電ガスおよび水銀蒸気が封入されたループ形状のバルブと、磁性材料で形成され且つバルブの一部を覆う形で配置されたフェライトコアと、フェライトコアに巻回されたランプ点灯用誘導コイルと、ランプ点灯用誘導コイルに高周波電流を通電して電磁誘導により放電ガスを励起して発光させる高周波電源とを備え、バルブの一部には、水銀蒸気を供給するための水銀アマルガムが内側に収納されたアマルガム収納部が形成されてなり、高周波電源が、バルブの内部の水銀蒸気圧の低下に伴いランプ点灯用誘導コイルを流れる高周波電流が低下したときにランプ点灯用誘導コイルに供給する電力を維持するためにランプ点灯用誘導コイルの両端間の電圧を上昇させるものであって、水銀アマルガムを加熱するためのアマルガム用誘導コイルが、フェライトコアの一部に巻回されるとともにアマルガム収納部の周囲に巻回されてなることを特徴とする。
この発明によれば、アマルガム用誘導コイルが、フェライトコアに巻回されるとともにアマルガム収納部に巻回されていることにより、アマルガム用誘導コイルに電流が流れたときにアマルガム用誘導コイルに発生する熱が確実且つ効率的に水銀アマルガムに伝達されるので、広い動作温度範囲に亘って水銀アマルガムを常温よりも高い規定温度以上に維持してバルブの内部の水銀蒸気の圧力を維持することができるから、広い動作温度範囲において光出力を安定させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の無電極放電灯装置を備えることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1の発明の無電極放電灯装置を備えるので、広い動作温度範囲で高い光出力を得ることができるから、温度環境が大きく変化しても比較的安定した光束を得ることができる。
請求項1の発明によれば、アマルガム用誘導コイルに電流が流れたときにアマルガム用誘導コイルに発生する熱が確実且つ効率的に水銀アマルガムに伝達されることにより、広い動作温度範囲に亘って水銀アマルガムを常温よりも高い規定温度以上に維持してバルブの内部の水銀蒸気の圧力を維持することができるので、広い動作温度範囲において光出力を安定させることができる。
(実施形態1)
以下、本実施形態について、図1に基づいて説明する。
以下、本実施形態について、図1に基づいて説明する。
本実施形態の無電極放電灯装置100は、内部に放電ガスおよび水銀蒸気が封入されたループ形状のバルブ1と、バルブ1において管軸方向に離間した2箇所それぞれを囲む形で配置された2つのフェライトコア3と、各フェライトコア3に巻回された2つのランプ点灯用誘導コイル2と、定電圧を出力し且つランプ点灯用誘導コイル2に高周波電流を通電する高周波電源4aを有する点灯装置4とを備える。ここで、バルブ1、フェライトコア3及びランプ点灯用誘導コイル2から無電極放電ランプが構成されている。
バルブ1は、透光性材料であるガラスで形成されている。バルブ1は、第1のU字管11の両端部と、第1のU字管11に比べて管軸方向の長さが短い第2のU字管12の両端部とを接合することにより形成される。しかして、平行する2つの直線部1aと、2つの直線部1aの一端部同士(図1における左端部同士)と他端部同士(図1における右端部同士)とを接続する2つのC字状の曲部1dとからなるループ状のバルブ1が形成される。
バルブ1の内面には、蛍光体(図示せず)が塗布されている。従って、本実施形態の無電極放電灯装置100が備える無電極放電ランプでは、バルブ1の内部に封入された水銀蒸気中に含まれる水銀を発光させることにより紫外線が発生すると、当該紫外線は蛍光体により可視光に変換されバルブ1の外部へ放射されるので、無電極蛍光ランプとして使用することができる。なお、ランプ点灯用誘導コイル2に高周波電流を通電したときにバルブ1の内部に発生するプラズマの形状もバルブ1の管軸方向に沿ったループ形状であって、バルブ1の内部全体に亘って発生することになる。また、本実施形態では、バルブ1の内面に蛍光体が塗布されたものについて説明したが、バルブ1が紫外線の透過率の高い透光性材料で形成されるとともにバルブ1の内面に蛍光体が塗布されていない紫外線ランプであってもよい。
第2のU字管12において、管軸方向の略中央部には、バルブ1の外部へ突出する形でアマルガム収納部1cが形成されており、アマルガム収納部1cの内側には、バルブ1の内部の放電空間に水銀蒸気を供給するための粒状の水銀アマルガム5が配置されている。ここに、アマルガム収納部1cは、バルブ1の第2のU字管12に対応する部分に一端部が溶着された内部空間が、バルブ1の内部の放電空間に連通する細長の排気管の内側に、水銀アマルガム5を配置した状態で、排気管の他端部を封止することにより形成される。ここで、アマルガム収納部1cは、水銀アマルガム5が配置される部位の径に比べて前記一端部の径を絞ることによって、水銀アマルガム5がアマルガム収納部1cからバルブ1の内部の放電空間に転がり出すのを防止することができる。
なお、本実施形態では、アマルガム収納部1cに粒状の水銀アマルガム5が配置される場合について説明したが、図2に示すように、水銀アマルガム5が、水銀蒸気透過用孔(図示せず)のある金属ホルダ5aに収納された状態で、アマルガム収納部1cの内側に配置されるものであってもよい。
バルブ1の内部には、放電ガスとして、Arガスが封入されている。なお、バルブ1の内部に封入する放電ガスとしては、例えば、クリプトン等であってもよい。
フェライトコア3は、トロイダル状に形成され、バルブ1のうち第1のU字管11と第2のU字管12との接合部分である2つの部位を囲む形で配置されている。詳細には、フェライトコア3が、バルブ1における互いに平行する2つの直線部1aそれぞれにおいて、図1における左端部を囲む形で配置されている。また、フェライトコア3は、磁性材料で形成されるとともに、一部にランプ点灯用誘導コイル2が巻回されている。
点灯装置4は、高周波電源4aを備え、高周波電源4aとランプ点灯用誘導コイル2とはリード線34を介して電気的に接続されており、高周波電源4aは、ランプ点灯用誘導コイル2に高周波電流を通電する。ランプ点灯用誘導コイル2に高周波電流が通電されると、電磁誘導によりバルブ1の内部に誘導電界が発生し、バルブ1内の放電ガスおよび水銀蒸気が励起され紫外線を発する。ここで、高周波電源4aは、バルブ1の内部の水銀蒸気圧の低下に伴い、ランプ点灯用誘導コイル2を流れる高周波電流(以下、第1のコイル電流と称す)が低下したときに、ランプ点灯用誘導コイルに供給する電力を維持するためにランプ点灯用誘導コイルの両端間の電圧(以下、コイル電圧と称す)を上昇させる。
ところで、本実施形態の無電極放電灯装置100では、図1に示すように、水銀アマルガム5を加熱するためのアマルガム用誘導コイル21が、2つのフェライトコア3のうち図1における下側に配置されたフェライトコア3に巻回されるとともに、アマルガム収納部1cの周囲に巻回されている。従って、アマルガム用誘導コイル21に電流が流れたときにアマルガム用誘導コイル21に発生する熱が確実且つ効率的に水銀アマルガム5に伝達されるので、フェライトコア3で発生する熱により、水銀アマルガム5を加熱する場合に比べて、確実に水銀アマルガム5を加熱することができる。
また、本実施形態では、水銀アマルガム5を加熱するためのアマルガム用誘導コイル21が、フェライトコア3の一部に巻回され且つアマルガム収納部1cに巻回されてなる比較的簡単な構造なので、組立作業性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の無電極放電灯装置100の動作について説明する。
動作温度が常温(25℃)のときや定格点灯時では、無電極放電ランプで消費される電力(以下、ランプ消費電力と称す)が、結合係数やフェライトコア3による損失を無視すると、ランプ点灯用誘導コイル2に流れる高周波電流とランプ点灯用誘導コイル2の両端間の電圧との積、即ち、ランプ点灯用誘導コイル2に供給する電力と略等しくなる。例えば、定格点灯時のランプ消費電力が150Wの無電極放電ランプでは、アマルガム用誘導コイル21で消費される電力は数W程度であり、ランプ点灯用誘導コイル2に供給する電力において、ランプ消費電力が支配的となる。一方、動作温度が常温以下の低温のときや調光点灯時では、水銀アマルガム5の温度が、安定した光出力が得られる水銀蒸気圧を維持できる常温よりも高い規定温度以下に低下して、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が急激に低下する。バルブ1の内部の水銀蒸気圧が低下すると、バルブ1の内部に流れる放電電流(以下、ランプ電流と称す)が減少するとともに、第1のコイル電流が減少することになる。ここにおいて、上述のように、高周波電源4aは、バルブ1の内部の水銀蒸気圧の低下に伴い、第1のコイル電流が低下したときに、ランプ点灯用誘導コイルに供給する電力を維持するために、コイル電圧を上昇させるので、第1のコイル電流が減少すると、コイル電圧が増加する。
ここで、アマルガム用誘導コイル21は、点灯用誘導コイル2と同様に、フェライトコア3に巻回されているので、コイル電圧が増加すれば、アマルガム用誘導コイル21の両端間の電圧も増加する。すると、動作温度が変化したときのアマルガム用誘導コイル21の両端間の電気抵抗値の増加量は、バルブ1の内部に発生するプラズマの電気抵抗値よりも十分小さいので無視できると考えられるので、アマルガム用誘導コイル21を流れる電流(以下、第2のコイル電流と称す)は、ランプ点灯用誘導コイル2のコイル電圧が高い分だけ増大する。従って、動作温度が常温以下の低温のときや調光点灯時では、第2のコイル電流が増大するので、アマルガム用誘導コイル21の発熱量が増加して、アマルガム用誘導コイル21が巻回されたアマルガム収納部1cがより加熱される。
次に、本実施形態の一実施例について説明する。
本実施例では、バルブ1として、透光性材料であるパイレックス(登録商標)で形成された外径が38mmの直管型の管体に曲げ加工を施すことで形成された第1のU字管11と第2のU字管12とを接合してなるものであって、断面の外径が38mmで管軸方向の長さが500mmのループ形状のものが使用されている。また、水銀アマルガム5は、水銀含有量が約10mgのBi−In−Hg合金からなるものであり、バルブ1の内部には、バルブ1の内部に存在する水銀による紫外線の発光量が最大となるようにArガスが約133Paだけ封入されている。フェライトコア3には、内径が42mm、外径が72mmで幅が33mmのものが使用されている。本実施例の点灯装置4は、周波数が約135kHzの高周波電流を発生させる高周波電源4aを備えている。
また、本実施例のアマルガム用誘導コイル21は、ニクロム線で形成されており、フェライトコア3の一部に3ターンだけ巻回するとともに、アマルガム収納部1cに3ターンだけ巻回されている。
次に、常温下において、ランプ点灯用誘導コイル2に供給する電力(ランプ入力)を種々変化させながら、無電極放電ランプからの光出力を測定する点灯実験を本実施例と比較例について行った結果について説明する。図3では、ランプ入力が110Wのとき(定格点灯時)の光出力を1として、種々のランプ入力における相対的な光出力(相対光出力)を示す。比較例の無電極放電灯装置は、アマルガム用誘導コイル21がフェライトコア3とアマルガム収納部1cとに巻回されていない点が本実施例と相違する。図3に示すように、比較例では、ランプ入力が定格点灯時よりも小さい場合、特に、ランプ入力が80W以下に低下すると、バルブ1内の水銀蒸気圧が急激に低下して、相対光出力が低下するのに対して、本実施例では、ランプ入力が80W以下に低下しても、バルブ1内の水銀蒸気圧が大きく低下することがなく、相対光出力が大きく低下することがないことを確認できた。
図3に示す結果の考察を示す。本実施例において、定格点灯時は、ランプ電流が大きく第1のコイル電流も大きいので、点灯装置4によりコイル電圧は低く抑えられるから、第2のコイル電流は比較的小さく、アマルガム用誘導コイル21の発熱量も小さい。ここで、ランプ入力を減少させていくと、水銀アマルガム5の温度が低下してバルブ1の内部の水銀蒸気圧が低下していくとともに、ランプ電流が減少し第1のコイル電流も減少する。一方、コイル電圧は、上述のように、点灯装置4がランプ点灯用誘導コイル2の供給する電力が一定となるように制御されていることによりランプ点灯用コイル電流の減少とともに増加する。その結果、第2のコイル電流が増加して、一部がアマルガム収納部1cに巻回されたアマルガム用誘導コイル21の発熱量が増加するので、アマルガム収納部1cの内側に配置されている水銀アマルガム5が加熱されやすくなり、バルブ1の内部の水銀蒸気圧の急激な低下を抑制し、相対光出力の大きな低下が抑えられたと考えられる。つまり、本実施形態では、上述の高周波電源4aを使用し、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が低いほどアマルガム用誘導コイル21に流れる電流が増加して水銀アマルガム5が加熱されやすくなる構成とすることにより、調光点灯時のように、ランプ入力が低く、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が低い場合であっても、水銀アマルガム5を常温よりも高い規定温度以上に維持することができる。また、動作温度が常温よりも低い低温であって、バルブ1の内部の水銀の蒸気圧が低い場合も同様に、水銀アマルガム5を常温よりも高い規定温度以上に維持することができる。つまり、本実施形態では、常温よりも低い低温を含む広い動作温度範囲に亘って水銀アマルガムを常温よりも高い規定温度以上に維持してバルブの内部の水銀蒸気圧を維持することができるので、広い動作温度範囲において光出力を安定させることができる。
しかして、常温以下の低温を含む広い動作温度範囲に亘って水銀アマルガムを常温よりも高い規定温度以上に維持してバルブの内部の水銀蒸気圧を維持することができるから、広い動作温度範囲において光出力を安定させることができる。また、ランプ電流が増加して第2のコイル電流が低下することで水銀アマルガム5の加熱が抑制されることにより、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が極度に上昇するのを抑制することができるので、バルブ1の内部の水銀蒸気圧が高すぎることによる光出力の低下を抑制することができるから、広い動作温度範囲で光出力を安定させることができる。
なお、本実施形態の無電極放電灯装置100では、バルブ1内における水銀アマルガム5が内側に配置されたアマルガム収納部1cの内側にプラズマを発生させるものとしてもよい。この場合、アマルガム用誘導コイル21は、電気抵抗の小さいCuやAg等で形成されてなるものとしてもよい。また、アマルガム収納部1cをより効率的に加熱するためにアマルガム収納部1cに巻回されるアマルガム用誘導コイル21のターン数を適宜増やしてもよい。
また、本実施形態では、アマルガム用誘導コイル21が、2つのフェライトコア3の一方に巻回された例について説明したが、図4に示すように、2つのフェライトコア3の両方に巻回されたものであってもよく、この場合、フェライトコア3に巻回されるアマルガム用誘導コイル21のターン数を増やしてアマルガム収納部1cにおける発熱量を増やすことができる。また、アマルガム収納部1cに巻回されるアマルガム用誘導コイル21のターン数が大きいほど水銀アマルガム5をより効果的に加熱することができる。
更に、アマルガム用誘導コイル21が巻回されたアマルガム収納部1cに、アルミナ繊維等の断熱材(図示せず)を被装することでアマルガム収納部1cの内側の保温効果を向上させるようにしてもよい。
(実施形態2)
図5に実施形態1で説明した無電極放電灯装置100を備えた照明器具30を示す。この照明器具は、例えば、トンネル灯として使用される。
図5に実施形態1で説明した無電極放電灯装置100を備えた照明器具30を示す。この照明器具は、例えば、トンネル灯として使用される。
本実施形態の照明器具30は、平面視長方形状の主片31aと主片31aの長手方向の両端部を折曲してなる2つの側片31bとを有する断面コ字状の器具本体31と、器具本体31内部に収納される2つの無電極放電灯装置100(図1参照)とを備える。無電極放電灯装置100は、図5に示すように、バルブ1のアマルガム収納部1cが器具本体31の両端側に位置するように配置されている。各無電極放電灯装置100において、ランプ点灯用誘導コイル2およびアマルガム用誘導コイル21が巻回された2つのフェライトコア3(図1参照)それぞれは、第1のランプ保持具32の内側に配置されている。ここで、第1のランプ保持具32は、器具本体31の主片31aに固定されている。また、無電極放電灯装置100のバルブ1においてアマルガム収納部1cが形成された側と反対側の一部が主片31aに固定された第2のランプ保持具33に支持されている。しかして、各無電極放電灯装置100が備える無電極放電ランプは、2つの第1のランプ保持具32と第2のランプ保持具33とにより器具本体31に固定されている。また、器具本体31において、一端が主片31aの長手方向の両端部に連続する2つの側片31bの他端には、器具本体31の長手方向において互いに離れる方向に延出した鍔部31c,31cが設けられており、ガラスなどで形成された透光性の板35は、2つの鍔部31c,31cに当接する形で固定されている。
しかして、本実施形態の照明器具は、実施形態1で説明した無電極放電灯装置100を備えるので、広い動作温度範囲で高い光出力を得ることができるから、照明器具を使用する温度環境が変化しても比較的安定した光束を得ることができる。
1 バルブ
1c アマルガム収納部
2 ランプ点灯用誘導コイル
3 フェライトコア
4 点灯装置
4a 高周波電源
5 水銀アマルガム
21 アマルガム用誘導コイル
30 照明器具
100 無電極放電灯装置
1c アマルガム収納部
2 ランプ点灯用誘導コイル
3 フェライトコア
4 点灯装置
4a 高周波電源
5 水銀アマルガム
21 アマルガム用誘導コイル
30 照明器具
100 無電極放電灯装置
Claims (2)
- 透光性材料で形成され且つ内部に放電ガスおよび水銀蒸気が封入されたループ形状のバルブと、磁性材料で形成され且つバルブの一部を覆う形で配置されたフェライトコアと、フェライトコアに巻回されたランプ点灯用誘導コイルと、ランプ点灯用誘導コイルに高周波電流を通電して電磁誘導により放電ガスを励起して発光させる高周波電源とを備え、バルブの一部には、水銀蒸気を供給するための水銀アマルガムが内側に収納されたアマルガム収納部が形成されてなり、高周波電源が、バルブの内部の水銀蒸気圧の低下に伴いランプ点灯用誘導コイルを流れる高周波電流が低下したときにランプ点灯用誘導コイルに供給する電力を維持するためにランプ点灯用誘導コイルの両端間の電圧を上昇させるものであって、水銀アマルガムを加熱するためのアマルガム用誘導コイルが、フェライトコアの一部に巻回されるとともにアマルガム収納部の周囲に巻回されてなることを特徴とする無電極放電灯装置。
- 請求項1記載の無電極放電灯装置を備えることを特徴とする照明器具。
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WO2013059024A1 (en) * | 2011-10-21 | 2013-04-25 | Osram Sylvania Inc. | Amalgam tip temperature control for an electrodeless lamp |
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WO2013059024A1 (en) * | 2011-10-21 | 2013-04-25 | Osram Sylvania Inc. | Amalgam tip temperature control for an electrodeless lamp |
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