JP4563227B2 - ネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が量産の中心となり、さらにArFエキシマレーザー(193nm)が量産で導入され始めている。また、F2エキシマレーザー(157nm)やEUV(極端紫外光)、EB(電子線)等を光源(放射線源)として用いるリソグラフィー技術についても研究が行われている。
このような条件を満たすレジストの1つとして、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが知られている。この化学増幅型レジストには、露光部のアルカリ可溶性が増大するポジ型と、露光部のアルカリ可溶性が低下するネガ型とがある。
これまで、i線やKrFエキシマレーザー光(248nm)を光源とするプロセスに使用するネガ型レジスト組成物としては、酸発生剤と、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンなどのアルカリ可溶性樹脂と、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂との組合せを含むネガ型レジストが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、ベース樹脂として、環状オレフィン系高分子(poly(cyclic)olefin:PCO)であるノルボルナンを主鎖とし、側鎖にヒドロキシフッ素化アルキル基を有するホモポリマーを用いたネガ型レジスト組成物が提案されている(特許文献2[00202]参照)。
未露光部における「アルカリ溶解性」が不良であると、未露光部が溶け残り解像性が低下する等の不都合が生じる。
「コントラスト」が不良であると、現像後に、露光部が溶解する。そのため、例えば解像性が低下する等の不都合が生じる。
すなわち、本発明の第1の態様は、アルカリ可溶性樹脂成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および架橋剤成分(C)を含有するネガ型レジスト組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂成分(A)が、下記一般式(a1−1)
本発明の第2の態様は、前記第1の態様のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
「構成単位」とは、重合体(樹脂)を構成するモノマー単位を示す。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「露光」とは光の照射のみならず、電子線の照射等の放射線の照射全体を包括する概念とする。
[ネガ型レジスト組成物]
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂成分(A)(以下、成分(A)ということがある)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、成分(B)ということがある)と、架橋剤成分(C)(以下、成分(C)ということがある)とを含有する。
かかるネガ型レジスト組成物においては、レジストパターン形成時に露光(放射線の照射)により成分(B)から酸が発生すると、該酸が作用して成分(A)と成分(C)との間で架橋が起こり、アルカリ不溶性となる。
構成単位(a1)は、前記一般式(a1−1)で表される、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有するノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造を主鎖に有する構成単位である。
本発明において、成分(A)は、かかる構造の構成単位(a1)を有する共重合体(A1)を含むことにより、アルカリ現像液に対する溶解性の向上効果が向上する。また、炭素密度の高いノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造を主鎖に有することから、エッチング耐性も向上する。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基においては、フッ素化によって、ヒドロキシ基の水素原子が遊離しやすくなっている。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基において、アルキル基は直鎖または分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
該アルキル基の炭素数は、特に限定するものではないが、1〜20が好ましく、4〜16がより好ましく、4〜12であることが最も好ましい。
ヒドロキシ基の数は、特に限定するものではないが、1つであることが好ましい。
中でも、フッ素化されたヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシ基が結合した炭素原子(ここではヒドロキシアルキル基のα位の炭素原子を指す)にフッ素化アルキル基および/またはフッ素原子が結合しているものが好ましい。
ここで、当該α位に結合するフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の全部がフッ素で置換されていることが好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のアルキル基としては、炭素数が1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1がより好ましい。
低級アルキル基としては、炭素数5以下の直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、メチル基が好ましい。
中でもR11,R12が共に水素原子であることが好ましい。
qは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、最も好ましくは1である。
mおよびnは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。特に、mおよびnが1であるものが、合成上、および効果の面において優れており、好ましい。
共重合体(A1)中、構成単位(a1)の割合は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計に対して、60〜89モル%が好ましく、65〜85モル%がより好ましく、65〜80モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることによりアルカリ溶解性が向上する。また、エッチング耐性の向上効果が得られる。他方、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(a2)は、前記一般式(a2−1)で表される、水酸基含有アルキル基を有するノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造を主鎖に有する構成単位である。
本発明においては、かかる構造の構成単位(a2)を有する共重合体(A1)を含有することにより、良好なコントラストを得る効果が向上する。また、炭素密度の高いノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造を主鎖に有することから、エッチング耐性も向上する。
R’は、水素原子またはヒドロキシアルキル基であり、ヒドロキシアルキル基としては、好ましくは炭素数が10以下の直鎖または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜8の直鎖または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖状の低級ヒドロキシアルキル基である。
ヒドロキシアルキル基における水酸基の数と結合位置は、特に限定するものではないが、通常は1つであり、また、アルキル基の末端に結合していることが好ましい。
中でもR’としては、特に水素原子が好ましい。
rは0または1であり、0が好ましい。
pは1〜3の整数であり、1または2が好ましく、1が最も好ましい。
構成単位(a2)は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
共重合体(A1)中、構成単位(a2)の割合は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計に対して、11〜40モル%が好ましく、15〜35モル%がより好ましく、15〜30モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることによりコントラストが向上する。また、エッチング耐性の向上効果が得られる。上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(a1)、(a2)以外の構成単位としては、例えば、従来化学増幅型レジスト組成物用として公知の成分(A)に用いられている構成単位を適宜用いることができる。例えば、5−ノルボルナンカルボン酸ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルナンカルボン酸トリメチルシランエステル、5−ノルボルナン−2−メタノールアセテート、5−トリエトキシシリルノルボルナン、5−ノルボルナンカルボン酸1−メチルシクロペンチルエステル、5−ノルボルナンカルボン酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニルエステル、これらの混合物、ノルボルナンから誘導される構成単位、テトラフルオロエチレンから誘導される構成単位、無水マレイン酸から誘導される構成単位等が挙げられる。
ここで、「主成分」とは、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計が70モル%以上を占めることを意味し、好ましくは80モル%以上である。中でも好ましいのは、構成単位(a1)、(a2)からなる共重合体である。
なお、共重合体(A1)における構成単位(a1)と構成単位(a2)の好ましい組み合わせは、一例として、下記化学式(A1−1)〜(A1−4)が挙げられる。
共重合体(A1)の質量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量)は、2000〜10000が好ましく、さらに3000〜6000、特には3000〜5000が好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより良好なコントラストを得ることができ、上限値以下であることによりレジストパターンの膨潤を抑制することができる。その結果、解像性が向上する。また、パターンの膨潤を抑制できることから、焦点深度幅(DOF)特性の向上効果や、ラインエッジラフネス(LER)の抑制効果を得ることができる。
また、上記質量平均分子量をこの範囲とすることは、レジストパターンの膨潤抑制効果も高い点から好ましい。
質量平均分子量は、この範囲内において、低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、さらに1.0〜2.5であることが好ましい。ここでMnは、数平均分子量を示す。
また、成分(A)中における上記共重合体(A1)の割合としては、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%が最も好ましい。
成分(A)は、共重合体(A1)以外の樹脂成分、例えば従来のネガ型レジスト組成物に用いられているアルカリ可溶性樹脂等を混合して用いることもできる。
ネガ型レジスト組成物中の成分(A)の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
R21の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。
ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。
アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R21としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R22のアルキル基、アリール基としては、前記R21で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R22としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R31としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R31におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R32のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R35の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R32のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
pは好ましくは2である。
また、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(A=3の場合)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(A=4の場合)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(A=6の場合)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(A=10の場合)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(B=2の場合)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(B=3の場合)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(B=6の場合)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(B=10の場合)などを挙げることができる。
本発明のネガ型レジスト組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
成分(C)としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にグリコールウリル系架橋剤が好ましい。
R3’とR4’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。R3’とR4’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
vは0または1〜2の整数であり、好ましくは0または1である。
アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)および/またはvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
グリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えばモノ,ジ,トリおよび/またはテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリおよび/またはテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリおよび/またはテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリおよび/またはテトラプロポキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリおよび/またはテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどが挙げられる。
成分(C)の配合量は、成分(A)100質量部に対して3〜30質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部が最も好ましい。成分(C)の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンが得られる。またこの上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
この成分(D)は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。これらの中でも、アルキルアルコールアミンおよびトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(D)は、成分(A)100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸またはそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
成分(E)は、成分(A)100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
有機溶剤(S)としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)との混合溶剤がより好ましい。PGMEAとPGMEとの混合割合は、質量比で9:1〜1:9が好ましく、より好ましくは8:2〜2:8とすることがさらに好ましく、8:2〜5:5が最も好ましい。上記範囲とすることで、本願発明の効果がさらに優れたものとなる。
これらの有機溶剤(S)は、単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2であると好ましい。
また、有機溶剤(S)として、その他には、PGMEAおよびELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤(S)の使用量は、特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%となる様に用いられる。
これは、共重合体(A1)が、構成単位(a1)を60〜89モル%含むことで、アルカリ溶解性の高い水酸基を多く有することになる。これにより、レジストに必要とされるアルカリ溶解性が向上するものと推測される。
一方、共重合体(A1)が、構成単位(a2)を11〜40モル%含むことで、架橋性が向上することにより、良好なコントラストが得られるものと推測される。その結果、アルカリ溶解性とコントラストの適度なバランスにより、解像性の向上等の優れた効果が得られる。また、解像性が向上することから、露光余裕度も向上する。
さらに、構成単位(a1)および構成単位(a2)が炭素密度の高いノルボルナンまたはテトラシクロデカニル構造を有するため、エッチング耐性が向上する。また、本発明のネガ型レジスト組成物は感度が良好であり、経時安定性も向上する。
レジストパターン形成方法は、本発明のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とする。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば、以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず、シリコンウェーハのような基板上に、上記ネガ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布する。そして、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。これに、例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
特に、本発明のネガ型レジスト組成物は、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
成分(A):下記化学式(A1−1)で表される樹脂を用いた。該樹脂は表1に示す(A)−1〜(A)−7であり、構成単位の割合(モル%)、質量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)(Mn:数平均分子量)を示した。
表2に示す組成で、ネガ型レジスト組成物を調製した。なお、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。
(C)−1:テトラメトキシメチル化グリコールウリル(商品名:MX270(三和ケミカル社製))
(D)−1:トリイソプロパノールアミン
S1:PGME
S2:PGMEA:PGME=6:4の混合溶剤
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC−29」(商品名、シップレー社製)を、スピンナーを用いて基板(8インチシリコンウェーハ)上に塗布し、ホットプレート上で215℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機反射防止膜を形成した。
該有機反射防止膜上に、スピンナーを用いて、上記で得られたネガ型レジスト組成物を均一に塗布し、ホットプレート上で80℃/60秒の条件でプレベーク(PAB)して乾燥させることにより膜厚200nmのレジスト層を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
そして、100℃/60秒の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行って、1:1の130nmラインアンドスペースパターン(LS)を形成した。
解像性については、前記最適露光量(Eop)で解像できる限界解像度を測定した。
これらの評価結果を表3に示す。なお、表中の−、*1〜*3は次の通りである。
−:レジストパターンが形成せず、測定不可。
*1:未露光部が現像液に溶解しなかった(アルカリ溶解性が不良)。
*2:未露光部が溶け残ってしまった(アルカリ溶解性が不良)。
*3:レジスト膜が現像中にすべて溶けてしまった(コントラストが不良)。
一方、本発明における成分(A)とは異なる(A)−1〜(A)−2の樹脂を用いた比較例1〜2では、アルカリ溶解性が悪く、現像液に充分に溶解しなかった。
また、(A)−4〜(A)−5の樹脂を用いた比較例3〜4では、コントラストが不良であり、現像中にレジスト膜がすべて溶解してしまった。
Claims (6)
- アルカリ可溶性樹脂成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および架橋剤成分(C)を含有するネガ型レジスト組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂成分(A)が、下記一般式(a1−1)
で表される構成単位(a1)と、下記一般式(a2−1)
で表される構成単位(a2)とからなり、かつ構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計モル数中、構成単位(a1)を60〜80モル%、構成単位(a2)を20〜40モル%含む共重合体(A1)を含むことを特徴とするネガ型レジスト組成物。 - 前記共重合体(A1)は、質量平均分子量が2000〜10000である請求項1記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記架橋剤成分(C)が、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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