JP4205061B2 - ネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
これまで、i線やKrFエキシマレーザー光(248nm)を光源とするプロセスに使用するネガ型レジスト組成物としては、酸発生剤と、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンなどのアルカリ可溶性樹脂と、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂との組合せを含むネガ型レジストが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、カルボキシ基を有する樹脂成分と、アルコール性水酸基を有する架橋剤と、酸発生剤とを含むネガ型レジスト組成物が提案されている。これは、酸発生剤から発生する酸の作用によって、樹脂成分のカルボキシ基と架橋剤のアルコール性水酸基とが反応することにより、樹脂成分をアルカリ可溶性から不溶性に変化させるタイプである。
また、カルボキシ基またはカルボン酸エステル基とアルコール性水酸基とをそれぞれ有する樹脂成分と、酸発生剤とを含むネガ型レジスト組成物であって、樹脂成分中のカルボキシ基またはカルボン酸エステル基とアルコール性水酸基とを酸発生剤から発生する酸の作用によって分子間で反応させることにより、当該樹脂成分をアルカリ可溶性から不溶性に変化させるタイプのものも提案されている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、レジストパターンの膨潤を抑制できるネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第1の態様は、(A)アルカリ可溶性樹脂成分、(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分および(C)架橋剤成分を含有するネガ型レジスト組成物であって、
前記(A)アルカリ可溶性樹脂成分が、下記一般式(a1−1)で表される構成単位(a1)と、当該アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカンおよびテトラシクロドデカンからなる群から選択されるシクロアルカンから水素原子を1個除いた環状アルキル基に1〜3個の水酸基が結合した水酸基含有環状アルキル基が結合し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位および下記一般式(a2−2)で表される構成単位からなる群から選択される構成単位(a2)と、下記一般式(a3−1)で表される構成単位(a3)とを含む共重合体(A1)であることを特徴とするネガ型レジスト組成物である。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
「構成単位」とは、重合体(樹脂)を構成するモノマー単位を示す。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。本発明においては、α位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位を必須の単位として含有する。
なお、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」において、「α位(α位の炭素原子)」という場合は、特に断りがない限り、カルボキシ基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「露光」とは光の照射のみならず、電子線の照射等の放射線の照射全体を包括する概念とする。
[ネガ型レジスト組成物]
本発明のネガ型レジスト組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂成分(以下、(A)成分ということがある)と、(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分(以下、(B)成分ということがある)と、(C)架橋剤成分(以下、(C)成分ということがある)とを含有する。
かかるネガ型レジスト組成物においては、レジストパターン形成時に露光(放射線の照射)により(B)成分から酸が発生すると、該酸が作用して(A)成分と(C)成分との間で架橋が起こり、アルカリ不溶性となる。
構成単位(a1)において、「フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基」は、脂肪族環式基の環を構成する炭素原子に、フッ素化されたヒドロキシアルキル基が結合した基である。
また、「脂肪族環式基を主鎖に有する」とは、該脂環式基の環上の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の炭素原子が共重合体(A1)の主鎖を構成することを意味する。
本発明においては、かかる構造の構成単位(a1)を有する共重合体(A1)を含有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性を確保しつつパターンの膨潤を抑制できる。また、炭素密度の高い脂環式基を主鎖に有することから、エッチング耐性の向上も期待される。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基において、アルキル基は直鎖または分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。該アルキル基の炭素数は特に限定するものではないが、1〜20が好ましく、4〜16がより好ましく、4〜12であることが最も好ましい。ヒドロキシ基の数は特に限定するものではないが、1つであることが好ましい。
中でも、フッ素化されたヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシ基が結合した炭素原子(ここではヒドロキシアルキル基のα位の炭素原子を指す)にフッ素化アルキル基および/またはフッ素原子が結合しているものが好ましい。ここで、当該α位に結合するフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の全部がフッ素で置換されていることが好ましい。また、該フッ素化アルキル基のアルキル基としては、炭素数が1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
脂肪族環式基は、単環であっても多環であってもよい。「単環の脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基であることを意味し、「多環の脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない多環式基であることを意味する。構成単位(a1)において、脂肪族環式基は、エッチング耐性等に優れることから、多環であることが好ましい。
脂肪族環式基は、炭素及び水素からなる炭化水素基(脂環式基)、および該脂環式基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロ環式基等が含まれる。これらの脂肪族環式基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、脂肪族環式基の環を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の原子または基)で置換されていることを意味する。本発明において、脂肪族環式基としては、脂環式基が好ましい。
脂肪族環式基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、ArFエキシマレーザー等に対する透明性が高く、解像性や焦点深度幅(DOF)等にも優れることから、飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基の炭素数は5〜15であることが好ましい。
単環式基としては、シクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンから2個以上の水素原子を除いた基が挙げられ、シクロヘキサンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
なお、この様な脂肪族環式基は、例えばArFエキシマレーザープロセス用のホトレジスト組成物用樹脂において多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
これらの中でもシクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上入手しやすく、好ましい。
これら例示した脂環式基の中でも、後述する構成単位(a1−1)のように、ノルボルナンまたはテトラシクロドデカンから3個の水素原子を除いた基が好ましく、特にノルボルナンから3個の水素原子を除いた基が好ましい。
Xはフッ素化されたヒドロキシアルキル基である。Xとしては、特に、Xが下記一般式(a1−1−1)で表される基であることが、レジストパターン形状に優れ、ラインエッジラフネス(LER)等が低減されることから好ましい。
qは1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、最も好ましくは1である。
mおよびnは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特にmおよびnが1であるものが、合成上、及び効果において優れており、好ましい。
共重合体(A1)中、構成単位(a1)の割合は、共重合体(A1)の全構成単位の合計に対して、10〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましく、15〜50モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより構成単位(a1)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a2)は、水酸基含有鎖状または環状アルキル基を有し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
本発明においては、構成単位(a2)を有することにより膨潤抑制の効果が向上する。また、構成単位(a2)の有する水酸基(アルコール性水酸基)は、(C)成分との架橋性が高く、(A)成分が構成単位(a2)を有することにより露光部と未露光部とのアルカリ現像液に対する溶解性の差(コントラスト)が向上し、ネガ型レジストとして充分に機能できる。
中でも、構成単位(a2)が、水酸基含有環状アルキル基を有し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、単に「水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位」ということがある。)を有すると、パターンの膨潤抑制効果が高い。また、解像性が高く、露光余裕度も向上する。さらに、コントラストやエッチング耐性にも優れている。
また、構成単位(a2)が、水酸基含有鎖状アルキル基を有し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、単に「水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位」ということがある。)を有すると、(A)成分全体の親水性が高くなり、解像性が向上する。また、パターン形成時の架橋反応の制御性が良好となり、パターン形状や解像性が向上する。さらに、膜密度が向上する傾向があり、これにより、エッチング時の膜減りが抑制でき、耐熱性も向上する傾向がある。
α位に結合するフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の全部がフッ素で置換されていることが好ましい。また、該フッ素化アルキル基のアルキル基としては、炭素数が1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、特にトリフルオロメチル基(−CF3)が好ましい。
水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位としては、例えば、アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に水酸基含有環状アルキル基が結合している構成単位等が挙げられる。ここで、「水酸基含有環状アルキル基」とは、環状アルキル基に水酸基が結合している基である。
水酸基は例えば1〜3個結合していることが好ましく、さらに好ましくは1個である。
環状アルキル基は、単環でも多環でもよいが、多環式基であることが好ましい。また、環状アルキル基の炭素数は5〜15であることが好ましい。
環状アルキル基の具体例としては以下のものが挙げられる。
単環式の環状アルキル基としては、シクロアルカンから1個〜4個の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、単環式の環状アルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサンから1個〜4個の水素原子を除いた基が挙げられ、これらのなかでもシクロヘキシル基が好ましい。
多環式の環状アルキル基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個〜4個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個〜4個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
なお、この様な環状アルキル基は、例えばArFエキシマレーザープロセス用のホトレジスト組成物用樹脂において、酸解離性溶解抑制基を構成するものとして多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上入手しやすく、好ましい。
これら例示した単環式基、多環式基の中でも、シクロヘキシル基、アダマンチル基が好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
sは1〜3の整数であり、1が好ましい。
水酸基の結合位置は、特に限定しないが、アダマンチル基の3位の位置に結合していることが好ましい。
水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位としては、例えば、アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]にヒドロキシアルキル基が結合している構成単位等が挙げられる。
水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位としては、特に、下記一般式(a2−2)で表される構成単位(a2−2)が好ましい。
R21のヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数が10以下の低級ヒドロキシアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜8の低級ヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖状の低級ヒドロキシアルキル基である。
ヒドロキシアルキル基における水酸基の数、結合位置は特に限定するものではないが、通常は1つであり、また、アルキル基の末端に結合していることが好ましい。
本発明においては、特に、構成単位(a2)が、少なくとも水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位を含むことが好ましく、特に、水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位と水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位の両方を含むことが好ましい。
特に、構成単位(a2)が、構成単位(a2−1)および構成単位(a2−2)の両方を含むことが、本発明の効果に優れることから好ましい。この場合、共重合体(A1)中の、構成単位(a2−1)および構成単位(a2−2)の比率(モル比)は、構成単位(a2−1):構成単位(a2−2)=9:1〜1:9の範囲内であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、6:4〜7:3であることがさらに好ましい。構成単位(a2−1)と構成単位(a2−2)とをバランスよく配合することによって、適度なコントラストが得られ、解像性が向上する。また、エッチング耐性が向上する。さらに、良好な露光余裕度が得られる。
共重合体(A1)中、構成単位(a2)の割合は、共重合体(A1)の全構成単位の合計に対して、10〜80モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより構成単位(a2)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a3)は、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を有し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。本発明においては、かかる構造の構成単位(a3)を有する共重合体(A1)を含有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性を確保しつつパターンの膨潤を抑制できる。
構成単位(a3)は、アクリル酸から誘導される構成単位であり、特に、アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に上記脂肪族環式基が結合した構造(カルボキシ基の水素原子が上記脂肪族環式基で置換されている構造)が好ましい。
構成単位(a3)として、より具体的には、下記一般式(a3−1)で表されるものが好ましい。
R31〜R34はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり、低級アルキル基としては、上記式(a1−1−1)中のR11,R12の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
p,qはそれぞれ独立して0または1〜3の整数であり、0または1が好ましく、0が最も好ましい。
m,nとしては、上記式(a1−1−1)中のm,nと同様のものが挙げられる。
tは1〜3の整数であり、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
Yにおける脂肪族環は、単環であっても多環であってもよく、特に、本発明の効果に優れることから、単環であることが好ましい。
Yとしては、炭素数が3〜20であることが好ましく、4〜15であることがより好ましい。Yの具体例としては、例えば、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから(t+1)個の水素原子を除いた基が例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等から(t+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。本発明においては、特に、Yがシクロヘキサンから(t+1)個の水素原子を除いた基であることが好ましい。
共重合体(A1)中、構成単位(a3)の割合は、共重合体(A1)の全構成単位の合計に対して、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、10〜30モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより構成単位(a3)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
共重合体(A1)が構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体である場合、共重合体(A1)中、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計に対し、前記構成単位(a1)の割合が10〜70モル%であり、前記構成単位(a2)の割合が10〜80モル%であり、前記構成単位(a3)の割合が5〜50モル%であることが好ましい。
共重合体(A1)が構成単位(a1)、(a2−1)、(a2−2)および(a3)からなる共重合体である場合、共重合体(A1)中の構成単位(a1)、構成単位(a2−1)、構成単位(a2−2)および構成単位(a3)の割合は、以下の数値範囲を満足することが好ましい。すなわち、構成単位(a1)の割合は、20〜70モル%が好ましく、25〜45モル%がより好ましい。構成単位(a2−1)の割合は、10〜50モル%が好ましく、15〜40モル%がより好ましい。構成単位(a2−2)の割合は、10〜50モル%が好ましく、15〜35モル%がより好ましい。構成単位(a3)の割合は、10〜40モル%が好ましく、15〜30モル%がより好ましい。これらの範囲を満足すると、膨潤抑制の効果が特に優れている。
共重合体(A1)の質量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算質量平均分子量)は、好ましくは2000〜30000、さらに好ましくは2000〜10000である。この範囲とすることにより、膨潤の抑制効果が高く、また、これによるマイクロブリッジの抑制効果も高い点から好ましい。また、高解像性の点から好ましい。分子量は、この範囲内において、低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0程度、好ましくは1.0〜2.5である。
ネガ型レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1〜R3はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
R21の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R21としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R22としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R31としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R31におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R32のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R35の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R32のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
pは好ましくは2である。
また、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(A=3の場合)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(A=4の場合)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(A=6の場合)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(A=10の場合)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(B=2の場合)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(B=3の場合)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(B=6の場合)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(B=10の場合)などを挙げることができる。
本発明のネガ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。(C)成分としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にグリコールウリル系架橋剤が好ましい。
R3’とR4’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。R3’とR4’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
vは0又は1〜2の整数であり、好ましくは0または1である。
アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)および/またはvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
グリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えばモノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラプロポキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して3〜30質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部が最も好ましい。(C)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンが得られる。またこの上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
また、本発明のネガ型レジスト組成物は解像性にも優れている。これは、パターンの膨潤を抑制できることによると考えられる。また、解像性が向上することから、露光余裕度の向上も期待される。
さらに、パターンの膨潤を抑制できることから、焦点深度幅(DOF)特性の向上や、LER(ラインエッジラフネス)の抑制も期待できる。なお、LERとは、ライン側壁の不均一な凹凸のことである。
さらに、構成単位(a1)および(a3)が炭素密度の高い脂環式基を有するため、エッチング耐性の向上も期待される。
また、経時安定性の向上も期待される。これは、(A)成分が主鎖に脂環式基を有する構成単位(a1)を有するため、立体的な要因から、該脂環式基が有するフッ素化されたヒドロキシアルキル基が経時的に脱水縮合するのを抑制できると推測されるためである。
レジストパターン形成方法は、本発明のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とする。
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ネガ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
なお、式中、各構成単位における()の右下の数値は、各構成単位の割合(モル比)を示す。
メタクリル酸2.73gと、(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル16.5gと、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル1.0gとを、THF(テトラヒドロフラン)300mlに溶解した。窒素バブリングを約10分間行い、70℃のオイルバスを用いて加温しながら4時間攪拌し、その後室温まで冷却した。次に、反応液をエバポレーターで濃縮した後、濃縮液をTHF150mlに溶解し、ヘプタン850mlとイソプロピルアルコール150mlとの混合溶剤に注ぎ込むことで樹脂を析出させ、濾過した。得られた樹脂を乾燥機中40℃、24時間乾燥させて白色固体11.75gを得た。
得られた樹脂(比較樹脂1)の化学式は下記化学式の通りである。
下記表1に示す組成でネガ型レジスト組成物を調整した。
なお、表1中の略号は下記の意味を有する
TPS−TF:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
Binder1:テトラメトキシメチル化グリコールウリル(三和ケミカル社製「Mx270」)
Amine1:トリイソプロパノールアミン
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「AR−19」(商品名、シップレー社製)を、スピンナーを用いて基板(8インチシリコンウェーハ)上に塗布し、ホットプレート上で215℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機反射防止膜を形成した。該有機反射防止膜上に、上記で得られたネガ型レジスト組成物をスピンナーを用いて均一に塗布し、ホットプレート上で下記表2の条件でプレベーク(PAB)して乾燥させることにより膜厚200nmのレジスト層を形成した。ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
そして、下記表2の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行って、1:1のラインアンドスペースパターン(LS)を形成した。実施例1〜3については140nmのLSパターンが形成されるの際の感度、比較例1については160nmのLSが形成されるの際の感度をEOPとした。
また、この露光量EOPで解像できる限界解像度(解像性)を求めた。
さらに、走査型電子顕微鏡で、形成されたパターンの断面形状を観察し、その膨潤および形状について下記の基準で評価した。
◎:膨潤なく、矩形性の高いレジストパターンであった。
○:TOP部分にわずかに膨潤が見受けられるが、実用上問題のない程度の、矩形性の良好なレジストパターンであった。
×:膨潤がひどいレジストパターンであった。
その結果を表3に示す。
一方、カルボキシ基を有する樹脂成分を用いた比較例1は、レジストパターンの膨潤がひどく、また、解像性も低かった。
Claims (8)
- (A)アルカリ可溶性樹脂成分、(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分および(C)架橋剤成分を含有するネガ型レジスト組成物であって、
前記(A)アルカリ可溶性樹脂成分が、下記一般式(a1−1)で表される構成単位(a1)と、当該アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカンおよびテトラシクロドデカンからなる群から選択されるシクロアルカンから水素原子を1個除いた環状アルキル基に1〜3個の水酸基が結合した水酸基含有環状アルキル基が結合し、かつα位にフッ素化アルキル基またはフッ素原子が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位および下記一般式(a2−2)で表される構成単位からなる群から選択される構成単位(a2)と、下記一般式(a3−1)で表される構成単位(a3)とを含む共重合体(A1)であることを特徴とするネガ型レジスト組成物。
- 前記構成単位(a2)が、前記構成単位(a2−1)および前記一般式(a2−2)で表される構成単位の両方を含む請求項3記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記共重合体(A1)中、前記構成単位(a1)の割合が10〜70モル%であり、前記構成単位(a2)の割合が10〜80モル%であり、前記構成単位(a3)の割合が5〜50モル%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記(C)架橋剤成分が、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- さらに(D)含窒素有機化合物を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布し、プリべークし、選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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