JP4421215B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水、給湯、冷暖房システム或は消火設備等に広く用いられる樹脂パイプをワンタッチで接続することができる管継手に関し、特に、出荷前の誤った部品の組合せを確実に発見することが可能な管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の管継手としては、コアリング(インコア)一体型とインコア別体型と呼ばれる管継手があり、インコア一体型の管継手は、樹脂製パイプを嵌入するインコアを管継手内部に一体に設けたものである。
一方、インコア別体型の管継手は、樹脂製パイプの末端側に管継手と別体に設けたインコアを嵌入してこのパイプを略真円状に整形し、管継手に挿入したパイプ外周と管継手内部のOリングとのシール性を高めるようにしたものである。この場合には、管継手内部に設けたロックリングがパイプ外周に食い込み易くなり、パイプの抜出しを防止する力も高めている。
【0003】
後者のインコア別体型の管継手を構成する部材としては、接続される樹脂製パイプに応じた管径の本体と、パイプの端部の内側に嵌入されるコアリング(インコア)と、パイプ接続口内に挿入されるパイプの外面に係合してパイプのパイプ接続口からの抜け出しを防止するロックリングである規制手段と、このロックリングを本体側に押圧する袋ナットである押圧体と、本体や押圧体とパイプの外面との間を液密にシールするOリングを有しているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ところで、インコア別体型の管継手の保管や運搬時等のような未使用時においては、管継手内にインコアを収納した状態で保管するのが通常であり、同公報の管継手もこのような場合においてインコアを管継手の樹脂パイプ接続口内に収容している。このインコアの形状は、筒状に形成された筒部と、一端にこの筒部に対して直交するように外方へ延びる円環状の鍔部とによって構成されており、インコア収納時には、筒部側からパイプ接続口へ挿入し、筒部の先端を管継手内に当接させると共に、鍔部の外端面を管継手の本体端部と面一になるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2975019号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂製パイプは、同じ呼び径であっても材質等によって内外径の基準値がそれぞれ異なる場合がある。
例えば、架橋ポリエチレン管(PEX)とポリブテン管(PB)の呼び径16Aの樹脂製パイプにおいては、外径寸法がそれぞれφ21.5とφ22となっているため、この樹脂製パイプを上記の構造の管継手に接続しようとした場合、例えば、パイプ外径がφ21.5の架橋ポリエチレン管をφ22の樹脂パイプを接続用の管継手に対して接続するおそれがあり、この場合には、Oリングのつぶし代が確保できなくなり漏水事故を引き起こすおそれがある。また、仮に異なった管径の樹脂パイプを誤って接続した場合でも管径の差が極僅かであることから当初はOリングのシール性に問題が生じることがなく施工後の漏水試験では発見されないことがあるが、一定時間経過後に流体の温度差等によるパイプの収縮などが原因となって漏水に至る場合があり、より大きな問題となるおそれがある。
【0007】
このため、この種の管継手は、同じ呼び径でありながら管径の異なる樹脂製パイプ接続用として別々に製作する必要が生じており、管継手を構成する部品を個々に製作する必要が生じている。
しかし、これらの部品を管継手として一体に組み込む場合には、管径の異なる樹脂製パイプ接続用の部品が混在し、誤って組み込まれて使用時に漏れが発生するおそれがあった。例えば、仮に挿入用のインコアを誤って組み込むと、呼び径16Aにおける架橋ポリエチレン管、ポリブテン管用の樹脂製パイプは内径寸法がφ16.2、φ16.8と異なっているため、ポリブテン管用の樹脂製パイプに架橋ポリエチレン管用のインコアを挿入する場合には、インコアを真円に拡径しながらパイプに挿入できなくなり、本体にパイプを挿入しても接続後のOリングとのシール性が確実でなくなり漏水事故等を引き起こす可能性がある。
【0008】
また、インコア以外の他の部品を誤って組み込んだ場合にも、ポリブテン管用の部品が架橋ポリエチレン管用の部品よりも内径が大きいことから、シール性が発揮できなくなる。部品の組み込み状態が異なることによってパイプの挿入が十分にできなくなることがあり、この場合にはOリングのシール性が不安定になるおそれがあると共にパイプが抜出すおそれがある。
【0009】
また、水道配管等に接続される管継手の本体は、接続する配管の状況に応じてチーズ形状やエルボ形状などの製品特有の形状に設けることもあるため、本体を樹脂製パイプの管径に応じてわざわざ別に設けることはコスト大となる問題もあるが、本体を管径の異なるパイプ接続用として共通化しようとしても管継手の組み込み誤りが生じるという問題は依然として残っていた。
このように、未使用時等の管継手の組み込み時において、管径の異なる樹脂製パイプ用の部品を組み込んだ状態で保管してしまうと、パイプ接続時に確実な接続ができなくなるという問題がある。
【0010】
本発明は、従来の管継手が有する問題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、組み込み時に誤った部品を組み込むことがなく、パイプ接続後のシール性機能を確実に発揮できる管継手であり、共通化した配管への接続部分に管径の異なるパイプを接続可能に設けた管継手を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、接合パイプである架橋ポリエチレン管とポリブテン管に共通の筒状の継手部材と先端面側に挿入孔と外周面に確認窓を有する筒状の蓋部材とを螺合して継手本体を構成し、接合パイプの外周面をロックするロックリングと透明又は半透明状の透視筒をシールリングを介して前記継手本体内に収容し、一方、筒部の先端側に突き当て部を、後端側に鍔部を有する接合パイプ端部挿入用のコアリングを非使用時に鍔部を前記挿入孔側にして前記継手本体内に収容保管可能に設け、このコアリングは、架橋ポリエチレン管とポリブテン管に共通した長さを有し、前記透視筒の奥部側に突き当て面を形成し、このうちポリブテン管用の透視筒の突き当て面の内径側に前記挿入孔側に向けて設けた凸部にポリブテン管用コアリングの突き当て部の内径側に設けた凹部を係合させてコアリングを正常に収容保管させると共に、前記ポリブテン管用の継手本体内に架橋ポリエチレン管用コアリングを挿入したとき、同コアリングの突き当て部がポリブテン管用の凸部に当接してコアリングの挿入外端面が蓋部材の端面より突出する状態でコアリングの組み込み誤りを確認できるようにした管継手である。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記ポリブテン管用鍔部の外径を架橋ポリエチレン管用鍔部の外径より大とし、架橋ポリエチレン管用蓋部材の挿入孔よりポリブテン管用コアリングを挿入したときコアリングの鍔部外径が挿入孔に接触して前記蓋部材の端面より突出する状態でコアリングの組み込み誤りを確認できるようにした管継手である。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記ポリブテン管用透視筒の長さを前記架橋ポリエチレン管用透視筒の長さより大とし、当該透視筒の組み込み誤りを確認できるようにした管継手である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明における管継手の実施形態の一例を図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明における管継手の一例を示した斜視図で、図2は同上の分離斜視図である。図3は本発明における管継手の一例を示した部分断面図であり、例えば、架橋ポリエチレン管接続用の管継手となる継手本体10xである。一方、図5は本発明における管継手の他例を示した部分断面図であり、例えば、ポリブテン管接続用の管継手となる継手本体10yである。
【0019】
本発明における管継手に接続される接合パイプ13x、13yは、架橋ポリエチレン又はポリブテンにより管状に形成された場合には同じ呼び径(例えば、16A)であっても内外径が異なるため、各径に応じた継手本体10x、10yを別々に設けて給水・給湯配管等に使用するが、直接配管に接続される部分である継手部材11については架橋ポリエチレン管、ポリブテン管に共通化できるため、継手本体10X、10yのいずれにも使用でき、管径の異なる接合パイプを接続する場合には継手部材11以外についての各接続用の部品を必要に応じて別々に設けるようにすればよい。
【0020】
各継手本体10x、10yは、黄銅または青銅等の金属製である筒状の継手部材11の雄螺子11aと、黄銅または青銅等の金属製の筒状の蓋部材(ナット又はキャップ)12x、12yの後端部に設けた雌螺子12a、12a´を螺合して構成しており、継手部材11の端部には、図示しないヘッダーや接続部材或は配管と連結するおねじ部11b(又はめねじ或はその他の接続部)を設けている。継手部材11は、図のような通常の直線状の形状以外にもチーズ形状やエルボ形状に形成してもよく、例えば、建造物等の壁面内に配管を設けるために壁に取り付ける水栓ボックス内に収納するためにエルボ形状に形成でき、この場合においても、架橋ポリエチレン管又はポリブテン管接続用として共通に使用できる。
【0021】
蓋部材12x、12yにおいて、12b、12b´は内周側に設けた段部であり、この段部12b、12b´に後述するロックリング15x、15yを係止させて装着する。また、蓋部材12x、12yの先端面12d、12d´には、パイプ挿入用の挿入孔12f、12f´を形成している。12c、12c´は環状スペーサ26x、26yが係合する係合段部であり、各蓋部材12x、12yにおいて、段部12b、12b´から係合段部12c、12c´までをそれぞれ距離L1、L1´としている。距離L1、L1´は、本例においては、L1>L1´としているが、この関係は必要に応じて逆にしてもよい。また、蓋部材12x、12yには、外周面に確認窓27、27´を形成している。
なお、蓋部材12x、12yは、上記のキャップ構造には限らずおねじを有するブッシュであってもよく、この場合は、継手部材にブッシュをねじ込んで継手本体を構成する。
【0022】
14x、14yは、接合パイプ13x、13yの末端13a、13a´に挿入され、各接合パイプ13x、13yを継手本体10x、10yに接続可能に設けたコアリングであり、このコアリング14x、14yは、継手本体10x、10y内に収納保管可能に設けている。コアリング14x、14yにおいて、14a、14a´は、接合パイプ13x、13yの内径側に嵌着する筒部であり、また、14b、14b´は筒部14a、14a´の後端部側に鍔状に設け、接合パイプ13x、13yへの挿入時にパイプ末端13a、13a´を当接させて保護する鍔部である。14c、14c´は、継手本体10x、10yへの接合パイプ13x、13yの挿入が円滑に行えるように形成したテーパ面である。14d、14d´は、筒部14a、14a´の先端側に設けた挿入端である突き当て部であり、各突き当て部14d、14d´の直径をD1、D1´としている。直径D1、D1´は、本例においては、D1<D1´としている。また、コアリング14yにおいては、突き当て部14d´の内径側に凹部14eを設けている。
【0023】
ロックリング15x、15yはステンレス鋼等で形成し、内径側に接合パイプ13x、13yの表面側に係止してこの接合パイプ13x、13yを抜け止めする保持爪20x、20yを設けている。
ロックリング15x、15yのリング部19x、19yは継手本体の中心軸の直交方向に対して約3〜5度程度傾斜させてもよく、本例においては、約5度、環状スペーサ26側に傾斜するよう、屈曲形成されている。リング部19x、19yを傾斜させることにより、このリング部19x、19yと接触する継手本体10x、10y等の部品との接触面積が少なくなり、摩擦抵抗が小さくなることから、ロックリング15x、15yが回転し易くなる。また、継手部材11と蓋部材12x、12yで構成した継手本体10x、10y内において、接合パイプ13x、13yとロックリング15x、15yとを共回りさせるようにしてもよい。
【0024】
ロックリング15x、15yの各保持爪20x、20yは、リング部19x、19yの内周に、リング部19x、19yより更に所定の傾斜角度(本例におけるロックリングの初期屈曲角度は45度)を有して突出形成するように設けてパイプ挿入が容易になるようにし、且つ、パイプの引抜阻止力を得るようにし、パイプ引抜時には、この保持爪20x、20yが接合パイプ13x、13yの外周面に食い込んでパイプの抜け止めを規制するようにしている。更に、この保持爪20x、20yには、スリット20a、20a´と中央位置に凹状部20b、20b´を形成し、この凹状部20b、20b´を形成することによって、保持爪20x、20yが起立しても保持爪20x、20y全体がパイプに食い込むことのないようにすると共に、パイプ食い込み部20c、20c´を保持爪20の両側に沿って2ヶ所に形成している。このように、本例におけるロックリング15x、15yには、ロックリングの形状によって接合パイプ13への食い込みを制限しようとする部分がない。
【0025】
食い込み部20c、20c´は、各保持爪20x、20y先端の3ヶ所以上に設けるようにしてもよく、このように複数箇所に食い込み部20c、20c´を設ける場合には、この食い込み部20c、20c´が細く形成されることにより、接合パイプ13x、13yの挿入時には保持爪20x、20yとの接触面圧が高くなり、架橋ポリエチレン管のように比較的硬質のパイプはもちろん、ポリブテン管のように比較的軟質のパイプへの食い込みが容易となる。また、保持爪一つにおけるパイプ食い込み部を2ヶ所以上形成していることにより、保持爪20x、20yがパイプを保持する際のポイントが増加するため、確実にパイプを保持できる。なお、食い込み部20c、20c´先端を小半径のアール形状とすれば、継手本体10x、10yへのパイプ挿入時に、このパイプの外周を傷つけるおそれもない。
【0026】
ロックリング15x、15yを使用することにより、接合パイプが架橋ポリエチレン管、ポリブテン管の何れの場合でも保持することができる。一般にポリエチレン管は比較的硬質で金属製ロックリングの爪が食い込みやすい材質である一方、ポリブテン管は比較的軟質で弾性があり、パイプとの接触面圧が低い爪ではパイプ外面から逃げてしまい爪が食い込みにくい材質であるが、従来の技術に示した各爪の先端中央に半径の大きい円弧状の突部を有する形状のロックリングのように、管に対する爪の接触面圧が低くなり、ポリブテン管への食い込みが不十分となったり、管に引き抜き力が加わった際に管が継手から抜けてしまったりするおそれがなく、確実に保持できる。
本例におけるロックリング15x、15yは、各継手本体10x、10yにおいてリング部の傾斜角度及び保持爪の形状、傾斜角度等を同一にしたものを2個用いているが、この形状、角度等を変更した互いに異なる仕様のロックリング2個を用いるようにしてもよい。
【0027】
21はロックリング15x、15yの間に介在させるスペーサリングであり、このスペーサリング21の厚みは、0.7〜1.5mmが好ましく、スペーサリング21の厚さが0.5mm以下では、パイプ挿入時の各ロックリング15x、15yが略同じ挙動となり、全ての保持爪20x、20yが一度に起立してパイプが破断に至るため望ましくない。
【0028】
環状スペーサ26x、26yは、蓋部材12x、12yと継手部材11との間に後述する透視筒25x、25yと共に挟着されるものであり、この環状スペーサ26x、26yは、図22に示すように、接合パイプ13x、13yの外径が嵌入する内径側に突出した環状突部26a、26a´と、蓋部材12x、12yの内周面に嵌合する嵌合面26b、26b´を設けており、この嵌合面26b、26b´には蓋部材12の係合段部12c、12c´に係合する係合部26c、26c´を設けている。環状スペーサ26xにおける当接面部26eは、環状スペーサ26xの端部であり、環状スペーサ26yにおける当接面部26e´は、環状スペーサ26yの端部を切欠いて設けている。
環状スペーサ26x、26yのロックリング15x、15y側の各端面部26d、26d´から各係合部26c、26c´までをそれぞれ距離L2、L2´とし、この距離L2、L2´は、本例においてはL2>L2´とし、蓋部材12x、12yにおける距離L1、L1´に対応するものとしている。
【0029】
25x、25yは耐圧強度、耐冷熱性、耐加水分解性、耐塩素性を有する透明又は半透明状の透視筒であり、この透視筒25x、25y端部に配置する環状スペーサ26x、26yと蓋部材12x、12yの段部12b、12b´との間に装着部22x、22yを形成し、この装着部22x、22yにロックリング15x、15yとスペーサリング21を配設するように継手本体10x、10y内に収納し、接合パイプの挿入確認を外部より視認可能にしたものである。
【0030】
図21に示すように、透視筒25x、25yにおいて、25a、25a´はコアリング14x、14yの突き当て部14d、14d´が当接する突き当て面であり、この突き当て面25a、25a´の直径をD2、D2´とし、この直径D2、D2´は、本例においてはD2<D2´とし、コアリング14x、14yにおける直径D1、D1´との関係はD1=D2、D1´=D2´になるようにしている。なお、透視筒25yにおいては、突き当て面25a´より内径側に凸部25dを設けている。
25b、25b´はOリング装着部であり、また、25c、25c´は環状スペーサ26x、26yに当接する当接部であり、この当接部25c、25c´から内周側のOリング(シールリング)17が装着される箇所の端部側までを距離M、M´とし、この距離M、M´は、本例においてはM<M´としており、透視筒25xよりも透視筒25yの全長が長くなるようにしている。
【0031】
透視筒25x、25yは、接合パイプ13x、13yの外周面と継手本体10x、10yの内周面との間に配置し、継手本体10x、10yを構成する蓋部材12x、12yの雌螺子12a、12a´の端部と、継手本体10x、10yのおねじ基部とを当接させ、蓋部材12x、12yが必要以上にねじ込めないようにして透視筒25x、25yに蓋部材12x、12yによる締付力が加わらないようにしている。
【0032】
継手構成部品30x、30yは、少なくとも蓋部材12xと12yと、コアリング14xと14yと、環状スペーサ26x、26yと、透視筒25x、25yからなり、本例では、この透視筒25x、25yを継手本体10x、10y内の継手部材11と別体に設けているが、継手本体10x、10y内の何れかの位置に継手本体10x、10yと一体に設けるようにしてもよい。この場合、シールリング18を省略することができる。
【0033】
シールリング17、18は継手本体10x、10yに共用可能であり、このシールリング17、18は透視筒25x、25yと接合パイプ13x、13y、継手部材11と透視筒25x、25yの間に装着してそれぞれをシールするようにしている。
【0034】
次に本発明における管継手を組み込む場合について説明する。
先ず、図3において、架橋ポリエチレン製の接合パイプ13x接続用の継手部材11と蓋部材12xで構成される継手本体10xにコアリング14xを収納保管する場合を説明する。
蓋部材12x内に、スペーサリング21を介在させたロックリング15xを装着部22xに装着した状態で、環状スペーサ26xの嵌合面26bを蓋部材12xの内周面に嵌合させると、蓋部材12xの係合段部12cに環状スペーサ26xの係合部26cが係合して装着部22xが適切な状態に維持される。次いで、透視筒25xに形成したOリング装着部25bにシールリング17を装着し、透視筒25xの当接部25cを環状スペーサ26xの当接面部26eに当接させるように蓋部材12x内に収納保持した状態で、シールリング18を介在させながら継手部材11の雄螺子11aに蓋部材12xの雌螺子12aを螺合させ一体化することによって継手本体10xが構成される。
【0035】
この状態でコアリング14xを突き当て部14d側から継手本体10xに挿入すると、突き当て部14dが透視筒25xの突き当て面25aに突当たり、コアリング14xを継手本体10x内に収納保管しようとしたときにコアリング14xの鍔部14bの挿入外端面14fが蓋部材12xの端面12dと同一平面位置になり、継手構成部品30xの組み込みが正確に行われたことを確認することができる。
【0036】
一方、図5における、ポリブテン製の接合パイプ13y接続用の継手部材11と蓋部材12yで構成される継手本体10yにコアリング14yを収納保管する場合には、蓋部材12y内に、スペーサリング21を介在させたロックリング15yを装着部22yに装着した状態で、環状スペーサ26yの嵌合面26b´を蓋部材12yの内周面に嵌合させると、蓋部材12yの係合段部12c´に環状スペーサ26yの係合部26c´が係合して装着部22yが適切な状態に維持される。次いで、透視筒25yに形成したOリング装着部25b´にシールリング17を装着し、この透視筒25yの当接部25c´を環状スペーサ26yの当接面部26e´に嵌合させるようにして蓋部材12y内に収納保持した状態にし、シールリング18を介在させながら継手部材11の雄螺子11aに蓋部材12yの雌螺子12a´を螺合させてこれらを一体化して継手本体10yが構成される。
【0037】
この状態でコアリング14yを突き当て部14d´側から継手本体10yに挿入すると、この突き当て部14d´が透視筒25yの凸部25dによって形成された凹状部位に凹凸嵌合しながら突き当て面25a´に突当たって係止し、コアリング14yを継手本体10y内に収納保管しようとしたときにコアリング14yの鍔部14b´の外端面14f´が蓋部材12xの端面12dと同一平面位置になり、継手構成部品30yの組み込みが正確に行われたことを確認することができる。
【0038】
上記のように、コアリング14x、14yは接合パイプ13x、13yの接続時とは反対方向から挿入した状態で継手本体内に収納保管するものであり、更に、この状態で外端面14fと端面12d、12d´に図示しない薄状の防塵用ラベルを貼着することで外端面14f、14f´と端面12d、12d´が同一平面位置であることを確認できる。継手本体の組み込みが正確である場合には、防塵用ラベルによりコアリングと蓋部材を同時に貼着できるため、コアリングが継手本体から脱落するのを防ぎ、正確な組み込み状態を維持したまま搬送等を行うことができる。また、外端面14f、14f´と端面12d、12d´が同一平面位置でない場合には、コアリングと蓋部材を同時にラベルで貼着することができないため、この組み込み誤りを確認できる。
ラベル以外の脱落防止手段としては、図示しないキャップ状の樹脂栓を用いるようにしてもよく、樹脂栓を使用する場合には、蓋部材のコアリング挿入側から外周に嵌合することでコアリングの脱落を防止することができる。
【0039】
接合パイプ13x、13yを継手本体10x、10yに接続する場合には、予めパイプ末端13a、13a´にコアリング14x、14yを筒部14a、14a´側から挿入した状態にし、この接合パイプ13x、13yを継手本体10x、10yに挿入したときには、確認窓27、27´から露出している透視筒25x、25yを通してロックリング15x、15yと、シールリング17を通過したコアリング14x、14yと、パイプ13x、13y外面を視認することによって確実な挿入が行われたかを確認することができる。
【0040】
継手本体10x、10yの何れを設ける場合でも、コアリング14x、14yを収納したときにコアリング14x、14yの外端面14f、14f´が蓋部材12x、12yの端面12d、12d´より突出するか又は陥没する状態で継手構成部品30x、30yの組み込み誤りを確認でき、コアリング14x、14yを継手本体10x、10y内に収納したときに、継手本体10x、10y内の一部にコアリング14x、14yの挿入端である突き当て部14d、14d´を当接させてこの当接構造の不一致によりコアリング14x、14yの外端面14f、14f´が蓋部材12x、12yの端面12d、12d´より突出するか陥没するようにしている。
【0041】
また、蓋部材12x、12yを継手部材11に完全に螺合しない不完全な組み付け状態で継手構成部品30x、30yの組み込み誤りを確認できる。ここで、組み込み誤りとは、継手本体10x、10yに対して、管径の異なる接合パイプ用に設けた継手構成部品が少なくとも1つ以上混在することをいう。
継手構成部品30x、30yの組み込み誤りを確認によってこれを未然に防ぐことができ、パイプ13x、13y挿入後のシール機能を確実に発揮することができる。
【0042】
継手構成部品30x、30yのうち、蓋部材12x、12yと環状スペーサ26x、26yの不一致構造により蓋部材12x、12yと環状スペーサ26x、26yの少なくとも一つの対応種別の組み込み誤りを確認できる。
また、継手構成部品30x、30yのうち、環状スペーサ26x、26yと透視筒25x、25yとの不一致構造により環状スペーサ26x、26yと透視筒25x、25yの少なくとも一つの対応種別の組み込み誤りを確認できる。
更に、コアリング14x、14yと透視筒25x、25yとの不一致構造によりコアリング14x、14yと透視筒25x、25yの少なくとも一つの対応種別の組み込み誤りを確認できる。
【0043】
次に、継手構成部品の組み込み誤りの確認例を示す。
ここで、透視筒25xにおける25fは、継手本体10x内に継手構成部品30xの組み込み誤り以外の正常な組み込み状態のときにコアリング14xが有する所定の管径の筒部14a先端全体を収納するテーパ状部である。このテーパ状部25fのパイプ挿入側の端部内径D5は、コアリング14xの筒部先端の突き当て部14dの内径D1´よりも大きく、コアリング14yの筒部14a´の外径よりも小さい寸法としている。
【0044】
継手構成部品のうち、継手本体10xにおいてコアリング14yの組み込み誤りがある場合には、図7に示すように透視筒25xに対してこのコアリング14yを挿入したときに、コアリング14yの筒部14a´先端が継手本体10x内のテーパ状部25fに完全には収容されず、収容途中の状態で筒部14a´の先端外周がテーパ状部25fの内周に係止されることにより、コアリング14yの外端面14f´が蓋部材12xの端面12dより突出する。このときコアリング14yの鍔部14b先端側の外径がコアリング14xの鍔部14a先端側の外径よりも大きいことから、鍔部14b´が蓋部材12xの外側の端面12dに接触することによっても、外端面14f´が端面12dより突出する。
【0045】
一方、透視筒25yにおける凸部25dは、継手本体10y内に継手構成部品30yの組み込み誤り以外の正常な組み込み状態のときに、コアリング14yが有する所定の管径の筒部14a´先端内周に設けた環状の凹部14eを内周に収容するものである。
【0046】
継手本体10yにおいて、透視筒25yに対してコアリング14xの組み込み誤りがある場合には、図8に示すようにコアリング14xを挿入したときにコアリング14xは筒部14a先端内周側に環状の凹部14eが無いため継手本体10y内の凸部25dの内周に収容されず、このとき透視筒25yの突き当て面25a´の直径D2´に対応するコアリング14xの突き当て部14dの直径D1の関係がコアリング14yを挿入する場合とは異なり、直径D1<D2´であることから、コアリング14xの突き当て部14dは突き当て面25a´まで挿入されず、凸部25dに当接することにより、コアリング14xの外端面14fが蓋部材12yの端面12d´より突出する。
【0047】
以上のように、コアリング14x、14yの組み込みが誤っている場合、この継手構造部品30x、30yであるコアリング14x、14yの組み込み誤りをコアリング14x、14yの外端面14f、14f´の蓋部材12x、12yの端面12d、12d´からの突出によって確認することができる。
【0048】
接合パイプ13x、13yを接続する場合、継手本体10xにコアリング14yを装着しようとした状態では、コアリング14yの筒部14a´がコアリング14xの筒部14aより大径であることにより、接合パイプ13xに対してコアリング14yを挿入することが難しく、又、継手本体10yにコアリング14xを装着した状態では、接合パイプ13yに対してコアリング14xが緩くなり、接続後には漏れを生じるおそれがあるが、上記の組み込み誤りの確認によってこれらを未然に防止することができる。
なお、図7及び図8における〇印部は、この部分で継手構成部品の組み込み誤りを確認できることを表し、後述する図9〜図18においても同様である。
【0049】
次に、環状スペーサ26x、26yの組み込み誤りがある場合には、図9又は図10に示すように、蓋部材12x、12yに設けた係合段部12c、12c´に環状スペーサ26y、26xの係合部26c´、26cが係合したときに、この係合段部12c、12c´までの距離L1、L1´に対して環状スペーサ26y、26xの距離L2´、L2が対応できず、環状スペーサ26x、26yは、各係合部26c´、26cが本来の位置からパイプ挿入側にずれた状態で継手本体10x、10yの内部に装着される。従って、この透視筒25x、25yに装着される継手部材11が蓋部材12x、12yとの螺着方向と逆方向にずれた状態で螺着されるため、継手部材11と蓋部材12x、12yとの螺着が完全には行われず、組み付け不可能であることが確認でき、継手構成部品30x、30yの組み込み誤りを確認することができる。
【0050】
具体的には、継手本体10xに環状スペーサ26yを装着した場合には、当接面部26e´が形成されている環状スペーサ26yの段部外径D4´が、透視筒25xのOリング装着部の内径D3よりも大きいため、環状スペーサ26yの当接面部26e´と透視筒25xの当接部25cとは当接せず、隙間が形成されることにより、環状スペーサ26yの係合部26c´の位置がずれる。
また、継手本体10yに環状スペーサ26xを装着した場合には、環状スペーサ26xの距離Mが環状スペーサ26yの距離M´よりも長いことから、環状スペーサ26xの係合部26cの位置がずれる。
【0051】
このように環状スペーサ26x、26yの形状を変えていることによって、組み込み時にこの環状スペーサ26x、26yと接触する、蓋部材12x、12yと、継手部材11とは別体に設けた透視筒25x、25y或は継手部材11と透視筒部位とを一体に設けた場合の組み込み状態を変えることができ、蓋部材12x、12yを継手部材11に組み付け不可能な状態を発生させることができる。
【0052】
また、コアリング14x、14yの外端面14f、14f´は、蓋部材12x、12yの端面12d、12d´より陥没しているので、これによって継手構成部品30x、30yの組み込み誤りを確認することもできる。
【0053】
継手本体10xに環状スペーサ26yを装着した状態で接合パイプ13xを挿入すると、図22に示すように、環状スペーサ26yの環状突部26a´の内径が、環状スペーサ26xの環状突部26aの内径よりも大きいことから、シールリング17が接合パイプ13xと環状突部26a´の間からはみ出して漏れに繋がるおそれがある。また、継手本体10yに環状スペーサ26xを装着した状態で接合パイプ13yを挿入すると、環状スペーサ26xの環状突部26aの内径が環状突部26a´の内径より小径であることによりコアリング14yの鍔部14b´が当接してしまうため挿入することが難しくなるが、組み込み誤りを確認することでこれらを未然に防止することができる。
【0054】
次に、継手構成部品のうち、環状スペーサ26x、26yとコアリング14x、14yの組み込み誤りがある場合には、図11及び図12に示すように、蓋部材12x、12yに設けた係合段部12c、12c´に環状スペーサ26y、26xの係合部26c´、26cが係合したときに、本来の位置からパイプ挿入側にずれた状態で装着され、継手部材11が蓋部材12x、12yとの螺着方向と逆方向にずれた状態で螺着されるため継手部材11と蓋部材12x、12yとの螺着が完全には行われずに組み込みが不可能な状態となる。
【0055】
継手本体10xにコアリング14yを挿入したときには、コアリング14yの鍔部14b´先端の外径がコアリング14xの鍔部14a先端の外径よりも大きいことから、鍔部14b´が蓋部材12xの端面12dに接触し、コアリング14yの外端面14f´が蓋部材12xの端面12dより突出する。
また、継手部材10yにコアリング14xを挿入しようとしたときには、継手部材11と蓋部材12yとの螺着が完全には行われず、組み付け不可能であることが確認でき、継手構成部品30yの組み込み誤りを確認することができる。
【0056】
継手本体10xに接合パイプ13xを挿入しようとしても、コアリング14yの筒部14a´がコアリング14xの筒部14aより大径であることにより、接合パイプ13xに対してコアリング14yを挿入することが難しく、また、継手本体10yに接合パイプ13yを挿入しようとしても、接合パイプ13yの挿入時にパイプ外径が環状スペーサ26xの環状突部26aの内径に接触してしまうため挿入することは難しいが、組み込み誤りの確認できることによってこれらを未然に防止することができる。
【0057】
次に、透視筒25x、25yを継手部材11と別体に設け、継手構成部品に透視筒25x、25bが含まれる場合において、図13に示すように継手本体10xに透視筒25yを誤って組み込んだ場合には、透視筒25x、25yの距離M、M´の関係がM<M´であることから透視筒25xを組み込んだ場合と比較して環状スペーサ26xの係合部26cの位置が透視筒25xと環状スペーサ26xを組み込んだ状態の係合部26cの位置よりもパイプ挿入側にずれる。従って、継手部材11と蓋部材12xとの螺着を完全に行うことができなくなる。
【0058】
更に、継手本体10xに透視筒25yと環状スペーサ26yを誤って組み込んだ場合においても、図15に示すように透視筒25yと環状スペーサ26yを組み込んだ状態における係合部26c´の位置が、透視筒25xと環状スペーサ26xを組み込んだ状態の係合部26cの位置よりもパイプ挿入側にずれるため、継手部材11と蓋部材12xとの螺着を完全に行うことができなくなり、この組み付け不可能な状態であることを視認でき、継手構成部品の誤りを確認することができる。
【0059】
継手本体10xに透視筒25y、或は透視筒25yと環状スペーサ26yを装着した状態で接合パイプ13xを挿入すると、蓋部材12xを完全に締付けることができないことによってシールリング18の圧縮が不足となったり、シールリング18が接合パイプ13xと環状突部26a´との間からはみ出して漏れに繋がるおそれがあるが、組み込み誤りの確認によってこれを未然に防ぐことができる。
【0060】
一方、図14のように継手本体10yに透視筒25xを誤って組み込んだ場合には、透視筒25x、25yの直径D2、D2´の関係がD2<D2´であることから継手部材11と蓋部材12yとの螺着を完全に行った後にコアリング14yを挿入しようとしても、図7における透視筒25xとコアリング14yとの関係と同様にコアリング14yの突き当て部14d´が透視筒25xの突き当て面25aに突当たるまで挿入されず、コアリング14yの外端面14f´が蓋部材12yの端面12d´より突出する。
更に、図16のように継手本体10yに透視筒25xと環状スペーサ26xを誤って組み込んだ場合においても、コアリング14yを完全に挿入することができず、コアリング14yの外端面14f´が蓋部材12yの端面12d´より突出するため、この継手構成部品の誤りを確認することができる。
【0061】
継手本体10yに透視筒25xを装着した状態で接合パイプ13yを挿入しようとしても、透視筒のパイプ収容部の内径の差により、接合パイプ13yの挿入時には、コアリング14yの鍔部14b´がパイプ収容部25eに接触して挿入することが難しく、また、図16のように環状スペーサ26xを誤って組み込んだ場合には、環状スペーサの環状突部26a、26a´の内径の差により、接合パイプ13yの挿入時にコアリング14yの鍔部14b´が環状突部26aに接触して挿入することが難しくなるが、組み込み誤りの確認によってこれを未然に防ぐことができる。
【0062】
次に、継手本体10xにおいて、継手構成部品30xのうち、コアリング14yと透視筒25yに誤りがある場合には図17に示す状態になり、また、コアリング14yと透視筒25y及び環状スペーサ26yの組み込み誤りがある場合には図18に示す状態になる。
図において、環状スペーサ26x又は26yの係合部26c、26c´が蓋部材12xに設けた係合段部12cに係合したときに、各係合部が本来の位置からパイプ挿入側にずれた状態で装着され、継手部材11が蓋部材12x、12yとの螺着方向とは逆方向にずれた状態で螺着されるため継手部材11と蓋部材12x、12yとの螺着が完全には行われずに完全な組み込みが不可能な状態であることを視認でき、継手構成部品の誤りを確認することができる。
【0063】
また、コアリング14yの鍔部14b´先端の外径がコアリング14xの鍔部14a先端の外径よりも大きいことから、鍔部14b´が蓋部材12xの端面12dに接触し、コアリング14yの外端面14f´が蓋部材12xの端面12dより突出することによって、継手構成部品の誤りを確認することができる。
この継手本体10xに接合パイプ13xを挿入しようとしても、上記のようにコアリング14yの鍔部14b´の外径がコアリング14xの鍔部14bの外径よりも大きいことから、継手本体10xに対してコアリング14yを挿入することは難しいが、組み込み誤りの確認によってこれを未然に防ぐことができる。
【0064】
なお、継手本体10x、10y及び継手構成部品30x、30yにおいて、予め蓋部材、透視筒、コアリング、或はロックリングに、段部やV溝、刻印或はペイント等により、目視可能な確認部12e、14g、25g、及び15aを設けておくことによって各部品を視認して組み込み誤りを確認することもできる。本例においては、環状スペーサ26x、26yについては互いに外観形状が大きく異なるため、確認部を設けていないが、必要に応じてこの環状スペーサにも確認部を設けるようにしてもよい。
【0065】
特に、コアリング14yに確認部14gを設けた場合には、接合パイプの挿入時にこの確認部14gを透視筒25yの当該部位に予め形成した突設部25hと嵌合させることによってガイドとしての役割を果たすことができ、パイプを確実に挿入して接続することができる。
なお、ロックリングを識別するためには、何れか一方のロックリング、例えば、図23に示すようにロックリング15yの保持爪20bに刻印やペイントにより設けた確認部15aによって識別するようにすればよい。
【0066】
なお、本発明の管継手では、継手構成部品を少なくとも蓋部材、コアリング、環状スペーサ、透視筒としているが、これに限ることなく、例えば、継手構成部品を少なくとも蓋部材とコアリングとし、これらの部品と継手部材11との当接構造の不一致により、コアリングの挿入外端面を蓋部材の端面より突出或は陥没させたり、蓋部材と継手部材とを不完全な組み付け状態として、継手構成部品の組み込み誤りを確認できるようにしてもよい。
【0067】
本発明における管継手を水栓ボックスに収納した例を図24及び図25に基づいて説明する。水栓ボックス本体35は、略L字状に形成したエルボ形状の継手本体40を収納することができ、建造物の内壁に固定して用いる。水栓ボックス本体35内に内装された継手本体40は、図示しない水栓と内壁側の架橋ポリエチレン管又はポリブテン管等の接合パイプとを接続することができる。
【0068】
施工時には、内壁に水栓ボックス本体35を図示しないねじ等の固着部材で固定し、この水栓ボックス本体35の接合パイプ接続側に、通管用の接続部材36を螺着し、水栓ボックス本体35内に継手本体40を仮収納しておく。継手本体40の蓋部材42の端面側には予め図示しない防塵用ラベルを貼着するか、或はキャップ状の栓体45によって覆蓋するのがよく、これらは、継手本体40を水栓ボックス本体35内に仮収納する際にも端部側にそのまま取り付けた状態としておき、配管作業直前に外すようにするのがよい。
【0069】
水栓ボックス本体35に配管する場合には、仮収納した継手本体35を取り出した後に、水栓ボックス本体35の接続部材36側から図示しないコアリングを装着した接合パイプを挿入し、この接合パイプを出力口37から取り出して継手本体35に接続し、再度継手本体35を水栓ボックス本体35内に収納することで流路を構成できる。
【0070】
38は固定リングであり、この固定リング38を螺着することで継手部材41のおねじ部41b側を壁面に対して位置決めすることができ、更に、図示しない装飾用の化粧リングを取付けることにより、壁面側に継手本体40を用いた水栓接続口を設けることができる。
【0071】
栓体45を用いる場合には、この栓体45は、継手本体40への着脱性を確保するためポリプロピレン等の樹脂製とし、肉厚を0.2〜0.5mm、より好ましくは0.4mmとするのが望ましい。45aは、外方へ拡径して設けた補強部であり、この補強部45aによって薄肉状の樹脂を円筒形状に維持している。
【0072】
なお、補強部45aが小さすぎる場合には栓体45の円筒形状を維持するのが困難となり、補強部45aが大きすぎる場合にはこの補強部45aが水栓ボックス本体35内部に接触して栓体45を装着した継手本体40を仮収納することができなくなる。従って、補強部45aの最適な外径側への飛び出し量は、栓体45の肉厚の約2倍である0.8mm(0.4〜1.0mm)とした。
【0073】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によると、配管への接続部分を共通化して管径の異なるパイプを接続可能に設けた管継手であって、管継手の組み込み時には誤った部品を組み込むことがなく、管継手の未使用時等において管径の異なるパイプ接続用の部品が混在することなく正確な組み込みによる管継手の出荷等を行うことができるため、樹脂パイプの接続時においては確実なシール状態で接続でき、シール性機能を発揮できる管継手を提供することができ、出荷時の構成部品の組み込み誤りによる接続後の漏れ事故を未然に防ぐことができる。
【0074】
コアリングの挿入状態の誤りを未然に確認することができ、組み込み誤りを確実に確認することができる。
【0075】
コアリングの端面が蓋部材の端面より突出する状態以外の場合でも確実に組み込み誤りを確認して、パイプの種類の異なるパイプ接続用の部品を正確な組み込みによる管継手を出荷することができる。
【0076】
また、管継手の部品の組み込み誤りを確認することができ、コアリング、蓋部材及び透視筒のうち、少なくとも何れか1つの継手構成部品が組み込み誤りである場合でも、この組み込み誤りを確実に確認できる管継手を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における管継手の一例を示した斜視図である。
【図2】図1の管継手を分離して示した分離斜視図である。
【図3】本発明における管継手の一例を示した部分断面図である。
【図4】図3の管継手に樹脂パイプを接続した状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明における管継手の他例を示した部分断面図である。
【図6】図5の管継手に樹脂パイプを接続した状態を示す部分断面図である。
【図7】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図8】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図9】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図10】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図11】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図12】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図13】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図14】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図15】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図16】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図17】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図18】継手構成部品に組み込み誤りがある場合を示した断面図である。
【図19】(a)、(b)は、蓋部材の斜視図である。(a)は、図3における蓋部材を示した斜視図である。(b)は、図5における蓋部材を示した斜視図である。
【図20】(a)、(b)は、コアリングの斜視図である。(a)は、図3におけるコアリングを示した斜視図である。(b)は、図5におけるコアリングを示した斜視図である。
【図21】(a)、(b)は、透視筒の一部切欠き正面図である。(a)は、図3における透視筒を示した一部切欠き正面図である。(b)は、図5における透視筒を示した一部切欠き正面図である。
【図22】(a)、(b)は、環状スペーサの一部切欠き正面図である。(a)は、図3における環状スペーサを示した一部切欠き正面図である。(b)は、図5における透視筒を示した一部切欠き正面図である。
【図23】(a)、(b)は、ロックリングの正面図である。(a)は、図3におけるロックリングの正面図である。(b)は、図5におけるロックリングの正面図である。
【図24】水栓ボックスの一部切欠き正面図である。
【図25】図24のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10x、10y 継手本体
11 継手部材
12x、12y 蓋部材
12c、12c´ 係合段部
12d 12d´ 端面
13x、13y 接合パイプ
14x、14y コアリング
14d、14d´ 突き当て部(挿入端)
14f、14f´ 挿入外端面
15x、15b ロックリング
25x、25y 透視筒
26x、26y 環状スペーサ
26c、26c´ 係合部
30x、30y 継手構成部品
Claims (3)
- 接合パイプである架橋ポリエチレン管とポリブテン管に共通の筒状の継手部材と先端面側に挿入孔と外周面に確認窓を有する筒状の蓋部材とを螺合して継手本体を構成し、接合パイプの外周面をロックするロックリングと透明又は半透明状の透視筒をシールリングを介して前記継手本体内に収容し、一方、筒部の先端側に突き当て部を、後端側に鍔部を有する接合パイプ端部挿入用のコアリングを非使用時に鍔部を前記挿入孔側にして前記継手本体内に収容保管可能に設け、このコアリングは、架橋ポリエチレン管とポリブテン管に共通した長さを有し、前記透視筒の奥部側に突き当て面を形成し、このうちポリブテン管用の透視筒の突き当て面の内径側に前記挿入孔側に向けて設けた凸部にポリブテン管用コアリングの突き当て部の内径側に設けた凹部を係合させてコアリングを正常に収容保管させると共に、前記ポリブテン管用の継手本体内に架橋ポリエチレン管用コアリングを挿入したとき、同コアリングの突き当て部がポリブテン管用の凸部に当接してコアリングの挿入外端面が蓋部材の端面より突出する状態でコアリングの組み込み誤りを確認できるようにしたことを特徴とする管継手。
- 前記ポリブテン管用鍔部の外径を架橋ポリエチレン管用鍔部の外径より大とし、架橋ポリエチレン管用蓋部材の挿入孔よりポリブテン管用コアリングを挿入したときコアリングの鍔部外径が挿入孔に接触して前記蓋部材の端面より突出する状態でコアリングの組み込み誤りを確認できるようにした請求項1記載の管継手。
- 前記ポリブテン管用透視筒の長さを前記架橋ポリエチレン管用透視筒の長さより大とし、当該透視筒の組み込み誤りを確認できるようにした請求項1又は2に記載の管継手。
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