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JP4455572B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン及びモータを駆動源として走行するハイブリッド車両に関する。
従来、車両は一般に、ガソリンエンジンを動作させることによって発生させた回転を、AT、MT等のトランスミッションを介して変速し、駆動輪に伝達することにより走行している。
ガソリンエンジンは、ガソリンと空気の混合気を圧縮状態で燃焼させ、このとき発生するエネルギーをトルクに変換しているため、燃焼にともなう騒音が発生するだけでなく、排気ガスによって環境汚染を引き起こす。
一方、エンジンをモータに置き換え、騒音や排気ガスの発生を失くした電気自動車が実用化されている。電気自動車では、車両にモータ及びバッテリーを搭載し、バッテリーの電力によりモータを回転させ、モータによって駆動輪を回転させて走行するようにしている。従って、車両の走行にともなう騒音はほとんど発生することがなく、しかも、排気ガスを発生することもない。
ところが、電気自動車の場合、バッテリーに充電することができる電気量には限度があり、1回の充電で走行できる距離が短くなってしまうという問題がある。従って、十分な走行距離を得るためには大きなバッテリーを搭載する必要がある。
そこで、駆動源としてエンジンとモータを併用したハイブリッド車両が種々開発されている。この種のハイブリッド車両としては、エンジンでジェネレータを駆動して電気エネルギーを発生させ、この電気エネルギーによってモータを駆動し、その駆動力を駆動輪に伝達して走行するシリーズハイブリッド方式やエンジン及びモータの駆動力を直接駆動輪に伝達して走行するパラレルハイブリッド方式がある。
更に、シリーズ方式とパラレル方式の良いところを組み合わせたシリーズ・パラレル・ハイブリッド方式も開発され実用化されている。この方式は、モータだけ或いはエンジンだけで駆動する場合と、エンジン及びモータの両方で駆動するという複雑なシステムを備えたものであり、燃費の大幅な改善を達成している。
例えば、特開平5−50864号公報では、変速機に換えてモータとクラッチを配設することで大型化を防止し、エンジンルーム内への搭載性を向上したハイブリッド車両が提案されている。
この公開公報では、スタータを備えずにモータの前後に2つのクラッチを配設した実施例と、スタータを備えてエンジンとモータとの間にクラッチを配設した実施例とを開示している。
このハイブリッド車両は、負荷に応じてモータ単独、又はエンジン及びモータの双方の駆動力で走行するが、高速定常運転はエンジンのみで走行する。ジェネレータで発電した電気エネルギーとモータの発電/回生エネルギーをバッテリーに充電し、その電力でモータを駆動している。
特開平5−50864号公報
特許文献1に開示されたハイブリッド車両では、シリーズ運転を想定していないため、バッテリー残容量(SOC)が低下した場合、ジェネレータの発電では発電能力が不足し、走行性能を満足できないという問題がある。これを回避するため、ジェネレータの発電能力を上げるためにジェネレータを大型化すると、特許文献1の目的であるエンジンルーム内への駆動システムの搭載性が悪化する。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低燃費で十分な走行性能を達成できるとともに、エンジンルーム内への駆動システムの搭載性を考慮したハイブリッド車両を提供することである。
請求項1記載の発明によると、第1モータ及びエンジンから成る駆動源と、蓄電装置とを備え、該駆動源が前輪及び後輪の一方に駆動力断接手段を介して接続されるハイブリッド車両において、前記第1モータは、該第1モータを弱め界磁位相状態と強め界磁位相状態との間で位相を変更可能な位相変更手段を備え、車速が所定値以上の定車速走行状態において、前記駆動力断接手段を接続するとともに、前記位相変更手段により前記第1モータの位相状態を弱め界磁位相状態に制御するとともに、前記蓄電装置の残容量が所定値以上の場合に、前記第1モータを零トルク制御し、前記蓄電装置の残容量が前記所定値未満の場合に、前記第1モータを発電制御することを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
請求項記載の発明によると、請求項記載の発明において、前記前輪及び後輪の他方の車輪を駆動する第2モータを更に備え、車速が前記所定値以上の定車速走行状態において、前記蓄電装置の残容量が前記所定値よりも高い第2所定値以上の場合に、前記第2モータを駆動制御し、前記蓄電装置の残容量が前記第2所定値未満の場合に、前記第2モータを零トルク制御することを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
請求項記載の発明によると、請求項記載の発明において、車両が減速走行状態において、前記蓄電装置の残容量が所定値以上の場合に、前記駆動力断接手段を切断するとともに前記第1モータを駆動制御し、前記第2モータを発電制御することを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
請求項記載の発明によると、請求項記載の発明において、前記第1モータの駆動制御時に供給する電力は、前記第2モータで発電する発電電力以上であることを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
請求項1記載の発明によると、エンジン直結走行時に所定値以上の蓄電装置の残容量がある場合には、第1モータの位相状態を弱め界磁位相状態にして誘起電圧定数を最低に制御することにより、第1モータの損失を最小にすることができるため、燃費を向上することができる。また、蓄電装置の残容量が所定値未満の場合には、必要な発電量に応じて第1モータを発電制御するので、発電損失を最低にすることができる
請求項記載の発明によると、蓄電装置の残容量が所定値よりも高い第2所定値以上の場合に、第2モータを駆動制御するようにしたので、エンジンに余分な負荷をかけずにエンジンと第2モータによる高速定常運転を実現でき。また、蓄電装置の残容量が第2所定値未満の場合に、第2モータを零トルク制御するので、エンジンに余分な負荷をかけずにエンジンのみによる走行を行うことができる
請求項記載の発明によると、蓄電装置の残容量が所定値以上の回生ブレーキ時には、第1モータでエンジンを駆動し、それに見合う発電を回生ブレーキにより第2モータで行うが、第1モータの位相状態を制御して誘起電圧定数を最適に制御することにより、ブレーキ量の制御範囲を拡大することができる。
請求項記載の発明によると、蓄電装置の過充電を有効に防止することができる。
図1を参照すると、本発明第1実施形態のハイブリッド車両の概略構成図が示されている。車両前方にはエンジン2及びジェネレータ(ジェネレータ/モータ)4が搭載されており、ジェネレータ4はエンジン2により駆動されて発電する。
ジェネレータ4は弱め界磁位相状態と強め界磁位相状態との間で位相を変更可能な位相変更機構6を有しており、これにより最も発電効率が良い誘起電圧定数にジェネレータ4を制御する。
エンジン2及びジェネレータ4の出力はクラッチ(駆動力断接手段)8を介してフロントデファレンシャル装置10に入力され、前車軸12,14を介して前輪16,18を駆動する。
車両後方にはモータ20と、減速ギヤ及びリヤデファレンシャル装置を収容したギヤボックス22が搭載されている。モータ20の出力は減速ギヤ、リヤデファレンシャル装置を介して後ろ車軸24,26に伝達され、後輪28,30を駆動する。
モータ20はパワー・ドライブ・ユニット(PDU)34を介して蓄電池32に接続され、蓄電池32の電力により駆動される。モータ20は更に、PDU34を介してジェネレータ4に接続されており、ジェネレータ4が発電した電力により駆動される。
モータ20は、車両の走行エネルギーにより回転駆動されているときに発電(すなわち回生)を行うジェネレータとしての機能を有しており、発電された電気エネルギーは蓄電池32に充電される。この蓄電池32の充電残量(SOC)は、検出された蓄電池32の電流・電圧値に基づき、図示しない電子制御ユニット(ECU)によって算出される。
ジェネレータ4には、レゾルバからなるジェネレータ回転角度位置センサが設けられており、このジェネレータ回転角度位置センサが、ジェネレータ4の回転角度位置に応じた検出信号をECUに出力する。この検出信号に基づいて、ECUはジェネレータ回転数を算出する。
同様に、モータ20には、レゾルバからなるモータ回転角度位置センサが設けられており、このモータ角度回転位置センサが、モータ20の回転角度位置に応じた検出信号をECUに出力する。この検出信号に基づいて、ECUはモータ回転数を算出する。
クラッチ8は、例えば多数のクラッチディスク及び多数のクラッチプレートを櫛歯状に交互に配置した湿式多板クラッチから構成されている。クラッチ8は図示しないアクチュエータに接続されている。アクチュエータはECUに接続されたリニアソレノイドバルブと、コイルばね等で構成され、リニアソレノイドバルブは図示しない油圧源に接続されている。
アクチュエータは、ECUからの駆動信号によりリニアソレノイドバルブが駆動されているときには油圧源から供給された油圧により、コイルばねの付勢力に抗しながらクラッチディスクをクラッチプレートに押し付け、クラッチ8を締結する。
一方、リニアソレノイドバルブが駆動されていないときには、油圧源からの油圧の供給が停止され、コイルばねの付勢力によりクラッチディスクとクラッチプレートとの間が切り離され、クラッチ8が遮断される。
左右の前輪16,18及び後輪28,32は、図示しない磁気ピックアップ式の車輪回転数センサがそれぞれ設けられており、これらの車輪回転数センサから、左右の前輪回転数NFL,NFR及び左右の後輪回転数NRL,NRRを表す検出信号がECUにそれぞれ出力される。ECUは、これらの検出信号に基づき車速を算出する。
ECUには、エンジン回転数センサからのエンジン回転数信号、アクセル開度センサからのアクセルペダルのオン・オフを含む開度を表す検出信号、ブレーキ踏力センサからのブレーキの踏力を表す検出信号、操舵角センサから操舵輪の操舵角を表す検出信号、その他多くのセンサからの検出信号が入力される。
次に、表1の運転状態作動表を参照しながら、第1実施形態のハイブリッド車両の作動について説明する。なお表1において、エンジン2、ジェネレータ4、クラッチ8及びモータ20の作動状態が記号で示されているが、これらの記号の意味するところは表2に示されている。
まず、エンジン2を始動する際には、クラッチ8を切り、ジェネレータ4をスタータモータとして作動させてエンジン2を始動する。蓄電池32の充電残量が高い(高SOC)通常発進時には、エンジン2を停止し、モータ20で後輪28,30を駆動して発進する。
高SOCの急発進時には、クラッチ8を締結し、ジェネレータ4をモータ作動させて前輪16,18を駆動するとともに、モータ20で後輪28,30を駆動して4輪駆動でEV(電気自動車)発進をする。
低SOCの通常・急発進時には、クラッチ8を切り、エンジン2でジェネレータ4を駆動して発電し、この電力でモータ20を回転させて後輪28,30を駆動する。この場合は、シリーズハイブリッド方式となる。
高SOCの中・低負荷走行時には、クラッチ8を切り、蓄電池32の電力でモータ20を回転させて後輪28,30を駆動する。すなわち、この場合は、後輪28,30のEV走行となる。
低SOCの中・低負荷走行時には、クラッチ8を切り、エンジン2でジェネレータ4を駆動して発電し、この電力でモータ20を回転させて後輪28,30を駆動する。すなわち、この場合はシリーズハイブリッド方式となる。高・低SOCの高負荷走行時も、同様にジェネレータ4で発電し、モータ20で走行するシリーズハイブリッド方式となる。
次に、所定車速以上でクルージングする高速定常運転について説明する。まず、高SOCの高速定常運転では、クラッチ8を締結してエンジン2で前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行となる。
このとき、ジェネレータ4の位相状態を位相変更機構6で弱め界磁位相状態に制御して、ジェネレータ4を最低トルク定数(最小誘起電圧定数)で零トルク制御する。モータ20はエアコン等の補機類、灯火類、及びモータ20の零トルク制御に必要な消費電力分と、目標SOCと現在のSOCとの偏差に応じたエンジン駆動力のアシストを行う。同時に、車両の駆動力が目標駆動力と一致するように、モータ20のアシスト部分を考慮してエンジン2の出力を調整する。
目標SOCの高速定常運転時には、クラッチ8を締結してエンジン2で前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行を行う。ジェネレータ4は最低トルク定数で零トルク制御を行う。一方、モータ20は、蓄電池32のSOCが目標範囲内なので、後輪28,30を駆動しない零トルク制御を行う。
低SOCの高速定常運転時には、クラッチ8を締結してエンジン2で直接前輪16,18を駆動するエンジン直結走行を行う。ジェネレータ4は、エアコン等の補機類、灯火類及びモータ20の零トルク制御に必要な消費電力分と、目標SOCと現在のSOCとの偏差に応じた発電を行う。
ここで、ジェネレータ4は最も発電効率が良い誘起電圧定数に制御する。同時に、車両の駆動力が目標駆動力と一致するように、ジェネレータ4の発電負荷を考慮してエンジン2の出力を調整する。モータ20は零トルク制御を行う。
高速瞬時加速運転時には、クラッチ8を締結するとともにジェネレータ4をモータ作動させ、ジェネレータ4とモータ20でエンジン2の駆動力をアシストして、高速時に瞬間的に加速する。
また、減速時には、ジェネレータ4及び/又はモータ20を回生ブレーキとして作動させて、車両の走行エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電池32に蓄電する。すなわち、低SOCの回生ブレーキ時には、クラッチ8を締結してジェネレータ4及びモータ20をジェネレータとして作動させて発電し、発電された電力を蓄電池32に蓄電する。このとき、エンジン2は引き摺り回転する。一方、緩い減速時にはクラッチ8を切り、モータ20のみで回生するようにしても良い。
高SOCの回生ブレーキ時には、クラッチ8を切ってジェネレータ4と前輪16,18とを分離し、ジェネレータ4をモータ作動させてエンジン2を駆動し、この電力消費に見合う分だけモータ20の回生ブレーキで発電する。このとき、エンジン2はジェネレータ4により引き摺り回転される。
好ましくは、ジェネレータ4を駆動するために供給する電力は、モータ20で回生発電する電力よりも大きくなるように制御する。これにより、モータ20による回生発電時に蓄電池32を過充電することが防止される。
高SOCの停止時には、エンジン2、ジェネレータ4及びモータ20の全てを停止させる。一方、低SOCの停止時には、エンジン2でジェネレータ4を駆動して発電し、この発電電力を蓄電池32に蓄電する。
高速定常運転時のジェネレータ4とモータ20の制御を図5を参照して更に説明する。図5は蓄電装置32の残容量(SOC)を示している。現在のSOCが(A)の高SOCの場合には、ジェネレータ4は最低トルク定数で零トルク制御をする。モータ20は消費電力とSOC偏差(ΔH)に応じたアシスト制御(零トルク制御を含む)する。
現在のSOCが(B)の目標域の場合には、ジェネレータ4は最低トルク定数で零トルク制御し、モータ20は零トルク制御する。一方、現在のSOCが(C)の低SOCの場合には、ジェネレータ4は消費電力とSOC偏差(ΔL)に応じた発電を行い、モータ20は零トルク制御をする。
図2は本発明第2実施形態のハイブリッド車両の概略構成図を示している。本実施形態では、モータ20が位相変更機構36を有している点で図1に示した第1実施形態と相違する。本実施形態の他の構成は、図1に示した第1実施形態と同様である。
本実施形態のハイブリッド車両の作動を、表3に示した運転状態作動表を参照しながら説明する。
本実施形態では、モータ20が位相変更機構36を具備しているため、目標SOCと低SOCの高速定常運転が表1に示した第1実施形態の作動と相違する。本実施形態の他の作動状態は、表1に示した作動状態と同様であるので、その説明を省略する。
目標SOCの高速定常運転時には、クラッチ8を締結してエンジン2で前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行を行う。このとき、ジェネレータ4及びモータ20はそれぞれ位相状態を弱め界磁位相状態に制御し、最低トルク定数で零トルク制御を行う。
低SOCの高速定常運転時には、クラッチ8を締結してエンジン2で前輪16,18を駆動するエンジン直結走行を行う。このとき、ジェネレータ4はエアコン等の補機類、灯火類及びモータ20の零トルク制御に必要な消費電力分と、目標SOCと現在のSOCとの偏差に応じた発電を行う。モータ20は弱め界磁位相状態に制御して、最低トルク定数で零トルク制御をする。
図3は本発明第3実施形態のハイブリッド車両の概略構成図を示している。本実施形態は、エンジン2とジェネレータ4との間にクラッチ38を設けた点で図1に示した第1実施形態と相違する。本実施形態の他の構成は図1に示した第1実施形態と同様である。
本実施形態の作動を、表4の運転状態作動表を参照しながら以下に説明する。
本実施形態では、クラッチ38を追加しているので、クラッチ38の作動状態について以下に主に説明する。エンジン始動時には、クラッチ8を切りクラッチ38を締結して、蓄電池32の電力によりジェネレータ4をモータ作動させてエンジン2を始動する。クラッチ8の係合(締結)及び解放(切断)状態は表1に示した第1実施形態と同様である。
高SOCの通常発進及び高SOCの急発進時には、クラッチ38を解放する。特に、高SOCの急発進時には、クラッチ38を解放するためエンジン2がモータ作動するジェネレータ4から切り離されるため、エンジン2が引き摺り回転されることがなく、急発進時にエンジン2の負荷を完全に切り離すことができる。
また、低SOCの回生ブレーキ時にもクラッチ8を係合してクラッチ38を解放するため、ジェネレータ4での回生ブレーキ時にエンジン2が完全に切り離されるので、回生ブレーキによる発電量を増大することができる。本実施形態の他の作動状態は表1に示した第1実施形態と同様である。
図4は本発明第4実施形態のハイブリッド車両の概略構成図を示している。本実施形態は、モータ20が位相変更機構36を具備した点で図3に示した第3実施形態と相違する。或いは、エンジン2とジェネレータ4との間にクラッチ38を介装した点で図2に示した第2実施形態と相違する。
本実施形態の作動を表5に示した運転状態作動表を参照しながら以下に説明する。
本実施形態の各運転状態におけるエンジン2、ジェネレータ4、クラッチ8、モータ20及びクラッチ38の作動状態は表4に示した第3実施形態の作動状態と同様である。本実施形態では、モータ20が位相変更機構36を具備しているため、目標SOCの高速定常運転時と低SOCの高速定常運転時の制御が、表4に示した第3実施形態と多少相違し、表3に示した第2実施形態と同様となる。
すなわち、目標SOCの高速定常運転時には、クラッチ8及び38を係合してエンジン2で前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行を行う。そして、ジェネレータ4及びモータ20は弱め界磁位相状態に制御して、最低トルク定数で零トルク制御を行う。
低SOCの高速定常運転時には、クラッチ8,38を係合してエンジン2で前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行を行うが、ジェネレータ4は消費電力とSOC偏差に応じた発電を行い、発電された電力を蓄電池32に蓄電する。モータ20は最低トルク定数で零トルク制御を行う。
なお、上述した第1乃至第4実施形態では、後輪28,30を駆動するモータ20は1個のみ設けられているが、モータを2個設けて、左後輪28及び右後輪30をこれらのモータでそれぞれ独立して駆動するようにしても良い。
次に、図6のフローチャートを参照して、図1及び表1に示した第1実施形態の作動について詳細に説明する。まず、ステップS10において車両の停止/走行判断を行う。ステップS11で車両が停止中と判定された場合には、蓄電池32のSOCが低SOCか、通常SOCかの判定を行う。
低SOCと判定された場合には、ステップS13へ進んでエンジン2でジェネレータ4を駆動し、ジェネレータ4で発電した電力を蓄電池32に蓄電する。ステップS12で通常SOCと判定された場合には、蓄電池32を充電する必要がないのでステップS14へ進んで次の作動に備える。
ステップS11で発進又は走行中と判定された場合には、ステップS15へ進んで駆動/回生の判断を行う。ステップS16で車両が駆動中と判定された場合には、ステップS17へ進んで車速が所定車速以上の高速運転状態にあるか否かを判定する。
ステップS17で車速が所定車速以下と判定された場合には、ステップS18へ進んで目標加速度を算出し、ステップS19で蓄電池32のSOCが低SOCか通常SOCかを判定する。
低SOCと判定された場合には、ステップS20へ進んでシリーズEV(SHEV)走行をする。すなわち、エンジン2でジェネレータ4を駆動して発電し、この発電電力でモータ20を回転し、後輪28,30を駆動して走行する。
ステップS19で通常SOCと判定された場合には、ステップS21へ進んで通常加速か又は強加速かを判定する。通常加速と判定された場合には、ステップS22へ進んで蓄電池32の電力でモータ20を駆動して走行する。すなわち、RrEV走行をする。
ステップS21で強加速と判定された場合には、ステップS23へ進んで4輪EV(4WEV)走行をする。すなわち、クラッチ8を係合し、ジェネレータ4をモータ作動させて前輪16,18を駆動し、モータ20で後輪28,30を駆動する。
ステップS17で車速が所定車速以上の高速運転と判定された場合には、ステップS24へ進んでクルーズ走行状態か、または強加速走行状態かを判定する。クルーズ走行状態と判定された場合には、ステップS25へ進んで蓄電池32のSOCがSOCAHより大きいか否かを判定する。すなわち、現在のSOCが図5の(A)領域にあるか否かを判定する。
SOCがSOCAHより大きいと判定された場合には、ステップS26へ進んでエンジン2を前輪16,18に直結して走行し、ジェネレータ4は最低トルク定数で零トルク制御を行い、モータ20は消費電力とSOC偏差に応じたアシストを行う。
ステップS25で現在のSOCがSOCAH以下と判定された場合には、ステップS27へ進んで現在のSOCがSOCAL以上か否かを判定する。SOCがSOCAL以上と判定された場合、すなわち現在のSOCが図5の(B)の範囲内にあると判定された場合には、ステップS28へ進んでエンジン2により前輪16,18を直接駆動するエンジン直結走行を行い、ジェネレータ4は最低トルク定数で零トルク制御をし、モータ20は零トルク制御をする。
ステップS27でSOCがSOCALより少ないと判定された場合には、ステップS29へ進んでエンジン2の直結走行を行い、ジェネレータ4は消費電力とSOC偏差に応じた発電を行い、モータ20は零トルク制御をする。
一方、ステップS24で強加速と判定された場合には、ステップS30へ進んでエンジン2の駆動力をジェネレータ4及びモータ20でアシストして、高速瞬時加速運転を行う。
ステップS16で減速運転状態と判定された場合には、ステップS31へ進んで目標減速度を算出する。次いで、ステップS32へ進んで蓄電池32内のSOCが高SOCか、或いは通常SOCかを判定する。
通常SOCと判定された場合には、ステップS33へ進んでクラッチ8を係合して、ジェネレータ4及びモータ20で減速時の走行エネルギーを電気エネルギーとして回生する。
ステップS32で蓄電池32内のSOCが高SOCと判定された場合には、ステップS34へ進んでクラッチ8を解放することにより、ジェネレータ4と前輪16,18の間を分離し、ジェネレータ4をモータ作動させてエンジン2を駆動し、この消費電力に見合う分だけモータ20で回生発電をする。
ジェネレータ4を駆動するために供給する電力は、モータ20で回生発電する電力よりも大きくなるように制御する。これにより、モータ20による回生発電時に蓄電池32を過充電することが防止される。
本発明第1実施形態にかかるハイブリッド車両の概略構成図である。 本発明第2実施形態にかかるハイブリッド車両の概略構成図である。 本発明第3実施形態にかかるハイブリッド車両の概略構成図である。 本発明第4実施形態にかかるハイブリッド車両の概略構成図である。 蓄電池内の充電残量(SOC)を説明する図である。 本発明の作動を示すフローチャートである。
符号の説明
2 エンジン
4 ジェネレータ(ジェネレータ/モータ)
6 位相変更機構
8 クラッチ
16,18 前輪
20 モータ
22 ギヤボックス
28,30 後輪
32 蓄電池
34 PDU
36 位相変更機構
38 クラッチ

Claims (4)

  1. 第1モータ及びエンジンから成る駆動源と、蓄電装置とを備え、該駆動源が前輪及び後輪の一方に駆動力断接手段を介して接続されるハイブリッド車両において、
    前記第1モータは、該第1モータを弱め界磁位相状態と強め界磁位相状態との間で位相を変更可能な位相変更手段を備え、
    車速が所定値以上の定車速走行状態において、
    前記駆動力断接手段を接続するとともに、
    前記位相変更手段により前記第1モータの位相状態を弱め界磁位相状態に制御するとともに、
    前記蓄電装置の残容量が所定値以上の場合に、前記第1モータを零トルク制御し、
    前記蓄電装置の残容量が前記所定値未満の場合に、前記第1モータを発電制御することを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記前輪及び後輪の他方の車輪を駆動する第2モータを更に備え、
    車速が前記所定値以上の定車速走行状態において、
    前記蓄電装置の残容量が前記所定値よりも高い第2所定値以上の場合に、前記第2モータを駆動制御し、
    前記蓄電装置の残容量が前記第2所定値未満の場合に、前記第2モータを零トルク制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両。
  3. 車両が減速走行状態において
    前記蓄電装置の残容量が所定値以上の場合に、前記駆動力断接手段を切断するとともに前記第1モータを駆動制御し、前記第2モータを発電制御することを特徴とする請求項記載のハイブリッド車両。
  4. 前記第1モータの駆動制御時に供給する電力は、前記第2モータで発電する発電電力以上であることを特徴とする請求項記載のハイブリッド車両。
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