JP4316598B2 - 乗員検出装置 - Google Patents
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Description
従来、上述した着席状況を検出するための乗員検出装置が開発されている(特許文献1参照)。この乗員検出装置は、車両のシートに検出用のセンサを取り付け、このセンサへ高周波低電圧を加え、該センサを流れる電流がシートの乗員の状況によって変化することを利用して乗員の着席状況を検出するようになっている。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、周囲のシールドケーブルの影響を受けることなく、シールド線の断線を確実に検出することができる乗員検出装置を提供することにある。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の乗員検出装置において、前記第2の選択手段は、前記制御手段の制御に応じて前記容量キャンセル用交流信号をオン/オフする複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段がオン状態の時前記容量キャンセル用交流信号を増幅して前記シールドケーブルのシールドへ加え、前記スイッチ手段がオフ状態の時直流電圧を増幅して前記シールドへ加える増幅器とを具備することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の乗員検出装置において、前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を前記シールドケーブルのシールドへ加える抵抗器と、前記抵抗器とシールドケーブルとの間を前記制御手段の制御に応じて接地するトランジスタとから構成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載の乗員検出装置において、前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を前記シールドケーブルのシールドへ加える抵抗器と、前記抵抗器とシールドケーブルとの間を前記制御手段の制御に応じて正電圧端子に接続するトランジスタとから構成されていることを特徴とする。
以下、図面を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1(a)はこの発明の第1の実施形態による乗員検出装置の構成を示す回路図である。この図において、符号1は車両のシートに座った乗員であり、導体とみなすことができる。2−1〜2−3はシートに取り付けられたセンサである。これらのセンサ2−1〜2−3はシート上に所定間隔をおいて取り付けられており、例えば、導電性の布地、細い金属線を織り込んだもの、金属板等によって構成されている。CL1はセンサ2−1と乗員1との間の容量、CL2はセンサ2−2と乗員1との間の容量、CL3はセンサ2−3と乗員1との間の容量であり、Cgは乗員1とアース(車体)との間の容量である。
上述したスイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sは図示しない制御手段によって切り替え制御される。ただし、各スイッチを手動により切り替えるものとしてもよい。
(1)各シールドケーブルが離れて配置されている場合(図1〜図5)
(1−1)シールドケーブルの断線がない場合(図1〜図3)
いま、スイッチSW2の共通端子を第1接点に接続し、スイッチSW1、SW3の共通端子をそれぞれ第2接点に接続し、スイッチSW1S〜SW3Sの各共通端子をそれぞれ第1接点に接続する(以下、第1の接続状態という)。この場合、A点にはシールドケーブル3−2の芯線を介して容量CL2が接続され、この容量CL2の先に、図2に示すように、乗員1を介して容量CL1、CL3、Cgが接続される。ここで、容量CL1、CL3の乗員1と反対側端部はシールドケーブル3−1、3−3の芯線およびスイッチSW1S、SW3Sを介して直流電圧DCに接続され、容量Cgの乗員1と反対側端部は接地されている。いま、上述した容量CL2、CL1、CL3、Cgの合成容量をC2とする。
A点からみえる容量=C2
したがって、交流発振器5から高周波低電圧の交流信号が出力されると、電流検出抵抗7に容量C2に対応する電流が流れ、この結果、オペアンプ8から容量C2に対応する電圧が出力され、全波整流または同期検波回路14から容量C2に対応する検出電圧が出力される。
A点からみえる容量=C2+Cs2
いま、シールドケーブル3−2のシールドとスイッチSW2Sを接続する配線に断線が生じたとする(図4(a)参照)。この場合、スイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sを第1の接続状態とすると、断線のためシールドケーブル3−2のシールドとオペアンプ16の出力端とが接続されないことから、シールドケーブル3−2のシールドが単なる導体となり、この結果、容量Cs2、Csg2に交流電流が流れ、これらの容量が測定に影響を与えることとなる。すなわち、この場合、A点からみえる容量の等価回路は、図4(b)に示されように、容量C2と“容量Cs2,Csg2の直列回路の容量”とを並列接続したものとなり、A点からみえる容量は次の通りとなる。
A点からみえる容量=C2+(Cs2・Csg2/Cs2+Csg2)
次に、図5(a)に示すように、スイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sを第2の接続状態としても、シールドケーブル3−2のシールドへの配線の断線のため、A点からみえる容量は、上記第1の接続状態の場合と同じとなる(図5(b)参照)。
(2−1)シールドケーブルの断線がない場合(図6、図7)
シールドケーブル3−1〜3−3が近接配置されている場合は、図6(a)に示すように、シールドケーブル3−1、3−2の各シールド間に容量Cs21が、シールドケーブル3−2、3−3の各シールド間に容量Cs23が発生する。しかし、スイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sを第1の接続状態とすると、シールドケーブル3−1〜3―3の各シールドにオペアンプ16の出力が供給されることから、各シールドとシールドケーブル3−2の芯線が同電位となり、これらの容量Cs21、Cs23に電流が流れず、これらの容量が測定に影響を与えることはない。すなわち、この場合、A点からみえる容量は、
A点からみえる容量=C2
となる。
A点からみえる容量=C2+Cs2
となる(図7(b)参照)。
いま、シールドケーブル3−2のシールドとスイッチSW2Sを接続する配線に断線が生じたとする。この場合、スイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sを第1の接続状態とすると(図8(a)参照)、シールドケーブル3−1、3−3の各シールドにオペアンプ16の出力交流信号が加えられ、この交流信号が容量Cs21、Cs23を介してシールドケーブル3−2のシールドに加えられる。すなわち、容量Cs21、Cs23が存在すると、シールドケーブル3−2のシールドとスイッチSW2Sの間に断線が発生しても、容量Cs21、Cs23を介してシールドケーブル3−2のシールドに交流信号が加えられ、この結果、A点からみえる容量は断線がない場合とほぼ同じ容量となる(図8(a)参照)。
A点からみえる容量=C2
A点からみえる容量=C2
なお、上記例においてはシールドケーブルを3本としているが、実際の配線においてはもっと多くの配線が使用され、その結果、シールドケーブル3−2のシールドの電位はほぼ他のシールドケーブルのシールドの電位(オペアンプ16の出力)と等しくなる。
(3−1)各シールドケーブルが離れて配置されている場合(図10、図11)
いま、図10(a)に示すように、シールドケーブル3−2の中央部においてシールド断線が発生したとする。ここで、シールドのセンサ2−2側をシールド3−2aとし、スイッチSW2S側をシールド3−2bとする。また、シールド3−2aと芯線との間の容量をCs2a、シールド3−2bと芯線との間の容量をCs2b、シールド3−2aと接地との間の容量をCsg2a、シールド3−2bと接地との間の容量をCsg2bとする。
A点からみえる容量=C2+{Cs2a・Csg2a/(Cs2a+Csg2a)}
A点からみえる容量=C2+{Cs2a・Csg2a/(Cs2a+Csg2a)}+Cs2b
この場合、スイッチSW1〜SW3、SW1S〜SW3Sを第1の接続状態にすると(図12(a)参照)、シールド3−2bにオペアンプ16から出力される交流信号が加えられ、この結果、容量Cs2bに電流が流れることがなく、容量Cs2bが測定に影響を与えることはない。一方、シールド3−2aには断線のためスイッチSW2S経由の交流信号が加えられない。しかし、各シールドケーブルが近接配置されている場合、シールドケーブル3−1のシールドとシールド3−2aとの間の容量Cs21a、シールドケーブル3−3のシールドとシールド3−2aとの間の容量Cs23aを通してシールド3−2aに交流信号が加えられる。これにより、シールド3−2aとシールドケーブル3−2の芯線が同電位となり、容量Cs2aに電流が流れることがなく、容量Cs2bが測定に影響を与えることはない。
すなわち、この場合、A点からみえる容量の等価回路は図12(b)に示す通りとなり、容量は次通りとなる。
A点からみえる容量=C2
A点からみえる容量=C2+Cs2b
図14〜20は、本発明の第2〜第8の実施形態を示す回路図であり、これらの図において図1(a)の各部に対応する部分には同一の符号が付してある。これらの図におけるDCは、交流発振器5の出力信号の中点電圧と同じ電位の直流電圧、VDDはオペアンプやマルチプレクサ用の電源電圧である。
まず、オペアンプ6から断線診断用に振幅を調節した交流信号を出力、そして、スイッチSW1を交流出力側、スイッチSW2,SW3をDC側に設定する。ここで、スイッチSW2,SW3をDC側にしてセンサ2−2、センサ2−3へ直流電圧DCを加えていのは、センサ2−1と乗員1の間に積極的に容量成分を発生させることを目的としているためである。マルチプレクサ内のスイッチSW1S、SW2S、SW3Sについてはすべて交流信号側(オペアンプ16側)に設定する(接続状態1)。
接続状態1と接続状態2では、シールドケーブル3−1の周囲の状態が同じであるため、仮にシールドケーブル3−1が断線していた場合、接続状態1と接続状態2の測定値は同じとなり、その差分は0となる(図4、図5及び図8、図9参照)。
シールドオープン診断を判定する際の動作手順は図14と同じである。シールドに交流信号を出力する場合はスイッチSW1S,SW2S,SW3Sをオンさせておく。直流信号を出力したい場合、スイッチをオフさせれば、図中の抵抗R1,R2,R3を介し、オペアンプ22−1〜22−3の+入力端子にDC電圧が入力され、シールドは直流電位となる。
Claims (8)
- 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、
前記第1、第2の選択手段を制御する制御手段と、を具備し、
前記制御手段は、
測定対象の前記センサへ前記シールドケーブルの芯線を介して前記測定用交流信号を加えると共に、他のセンサへ前記シールドケーブルの芯線を介して直流電圧を加えるよう前記第1の選択手段を制御し、前記シールドケーブルの各シールドへ前記容量キャンセル用交流信号を加えるように前記第2の選択手段を制御する第1の処理と、
測定対象の前記センサへ前記シールドケーブルの芯線を介して前記測定用交流信号を加えると共に、他のセンサへ前記シールドケーブルの芯線を介して直流電圧を加えるよう前記第1の選択手段を制御し、測定対象の前記センサに接続されたシールドケーブルのシールドへ直流電圧を加え、他のセンサに接続されたシールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号を加えるよう前記第2の選択手段を制御する第2の処理と
を実行する乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記第2の選択手段は、前記制御手段の制御に応じて前記容量キャンセル用交流信号をオン/オフする複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段がオン状態の時前記容量キャンセル用交流信号を増幅して前記シールドケーブルのシールドへ加え、前記スイッチ手段がオフ状態の時直流電圧を増幅して前記シールドへ加える増幅器とを具備する乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を増幅する増幅器と、前記増幅器の入力端を前記制御手段の制御に応じて接地するトランジスタとから構成されている乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を前記シールドケーブルのシールドへ加える抵抗器と、前記抵抗器とシールドケーブルとの間を前記制御手段の制御に応じて接地するトランジスタとから構成されている乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を増幅する増幅器と、前記増幅器の入力端を前記制御手段の制御に応じて正電圧端子に接続するトランジスタとから構成されている乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記第2の選択手段は、前記容量キャンセル用交流信号を前記シールドケーブルのシールドへ加える抵抗器と、前記抵抗器とシールドケーブルとの間を前記制御手段の制御に応じて正電圧端子に接続するトランジスタとから構成されている乗員検出装置。 - 車両のシートに配置された複数のセンサと、
前記複数のセンサにそれぞれ芯線の一端が接続された複数のシールドケーブルと、
測定用交流信号を出力する測定信号出力手段と、
前記測定信号出力手段の出力電流を検出する電流検出手段と、
前記測定用交流信号と同位相かつ同レベルの容量キャンセル用交流信号を出力するキャンセル信号出力手段と、
前記各シールドケーブルの芯線の他端へ前記測定用交流信号または直流電圧を選択的に加える第1の選択手段と、
前記各シールドケーブルのシールドへ前記容量キャンセル用交流信号または直流電圧を選択的に加える第2の選択手段と、を具備し、
前記測定用交流信号と波形が異なる交流信号を出力する交流信号出力手段を有し、
前記第2の選択手段は、直流電圧に代えて前記交流信号出力手段の出力を前記シールドケーブルのシールドに加えるものであり、
前記制御手段は、直流電圧に代えて前記交流信号出力手段の出力を前記シールドケーブルのシールドに加えるように前記第2の制御手段を制御する乗員検出装置。 - 前記測定用交流信号および前記容量キャンセル用交流信号のレベルを調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の乗員検出装置。
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