JP2009064878A - 印刷配線基板、実装配線基板及び電流検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流検出回路において、簡単な構成で、電位を有する導体と実装配線基板の配線パターンの静電結合によって形成される寄生容量によって、回路が誤動作することを抑制することである。
【解決手段】電流検出器10において、被検出電流が流れる導体2と、環状の磁気回路の一部に空隙を設けた磁性体コア4と、磁気空隙に配置される磁気センサ6と、導体2に近接して配置される実装配線基板100とを備え、実装配線基板100は、複数の入力信号を受け取る複数の入力信号端子部と、各入力信号について演算処理を行う演算処理素子30と、一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、回路素子を接続し他端が演算処理素子30にそれぞれ接続される複数の配線部と、少なくとも1つの配線部に設けられ、静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】電流検出器10において、被検出電流が流れる導体2と、環状の磁気回路の一部に空隙を設けた磁性体コア4と、磁気空隙に配置される磁気センサ6と、導体2に近接して配置される実装配線基板100とを備え、実装配線基板100は、複数の入力信号を受け取る複数の入力信号端子部と、各入力信号について演算処理を行う演算処理素子30と、一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、回路素子を接続し他端が演算処理素子30にそれぞれ接続される複数の配線部と、少なくとも1つの配線部に設けられ、静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、印刷配線基板、実装配線基板及び電流検出器に係り、特に、電位を有する導体が近接して配置される印刷配線基板、実装配線基板及びその実装配線基板を備える電流検出器に関する。
測定回路に外部導体が近接して配置される場合において、導体と測定回路との間に浮遊容量が形成され、測定回路が誤動作することがある。そこで、特許文献1には、電流トランスの入力側に流れる検出電流に対応して、出力側に流れる電流を検出することにより検出電流を検出する電流検出装置において、電流トランスの出力を電流入力型の差動増幅手段を用いて取り出す場合に、電流トランスの入力側と接地との間の浮遊容量を介して、同相モードの雑音電圧が電流トランスの2次側に混入してしまうことを防止するため、可変抵抗器を接続して調整し、雑音電圧を除去するものが開示されている。
また、特許文献2には、第1の電圧と第2の電圧との電圧差を測定する電圧測定回路であって、第1の電圧が供給される第1の配線と第2の電圧が供給される第2の配線とからなり、第1の配線が有する浮遊容量と第2の配線が有する浮遊容量とが略同等になるように、第1の配線と第2の配線とから構成された対配線と、第1の配線から入力された電圧と第2の配線から入力された電圧とを差動増幅する差動増幅器とを備えたものが開示されている。ここでは、第1の信号線と第2の信号線が有する浮遊容量を略同等にすることで、両信号線に重畳する雑音電圧を差動増幅して打ち消すことが開示されている。
電位を有する導体と実装配線基板が近接して配置されると、導体と実装配線基板の配線パターンとが静電結合し、その浮遊容量によって、例えば、実装配線基板に配置される増幅回路の動作に影響を与えることがある。ここで、特許文献1には、可変抵抗器を接続して調整し、雑音電圧を除去するものが述べられているが、可変抵抗器を取り付ける必要があり不便である。
また、特許文献2のように、第1の配線が有する浮遊容量と第2の配線が有する浮遊容量を略同等としても、電位を有する外部導体と増幅器内の配線との寄生容量で重畳する雑音電圧については対処できない。
本発明の目的は、簡単な構成で、信号入力端子部と演算処理素子が演算入力端子部を介して配線部で接続される配線基板または、例えば特許文献2のような差動増幅器に相当する演算処理素子と回路素子を有し信号入力端子部と演算処理素子が配線部で接続される配線基板について、配線基板に構成される配線パターンが電位を有する近傍の外部導体と寄生容量を形成することによって、配線基板上の回路動作に影響を与えることを抑制する印刷配線基板、実装配線基板及び電流検出器を提供することである。
本発明に係る印刷配線基板は、電位を有する外部導体が近接して配置される印刷配線基板であって、複数の入力信号をそれぞれ受け取るための複数の入力信号端子部と、一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、他端が各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続されるための複数の配線部と、少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る実装配線基板は、電位を有する外部導体が近接して配置される実装配線基板であって、複数の入力信号をそれぞれ受け取る複数の入力信号端子部と、各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と、一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、他端が演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続され、1以上の回路素子を接続する複数の配線部と、少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る電流検出器は、被検出電流が流れる導体と、導体に流れる電流によって発生する磁束を通す環状の磁気回路であって、その一部に空隙が設けられた磁性体コアと、磁性体コアの磁気空隙に配置される磁気センサと、導体に近接して配置される実装配線基板と、を備え、実装配線基板は、複数の入力信号をそれぞれ受け取る複数の入力信号端子部と、各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と、一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、1以上の回路素子を接続し、他端が演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続される複数の配線部と、少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る印刷配線基板において、寄生容量調整部は、各寄生容量の値を同じ値とするように配線部の配線幅を変更することが好ましい。
また、本発明に係る印刷配線基板において、寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするようなダミー回路素子を配置するためのダミーパッドを設けることが好ましい。
また、本発明に係る印刷配線基板において、寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするような導体片を配置するための導体片用パッドを設けることが好ましい。
また、本発明に係る実装配線基板において、寄生容量調整部は、各寄生容量の値を同じ値とするように配線部の配線幅を変更することが好ましい。
また、本発明に係る実装配線基板において、寄生容量調整部は、各配線部に接続される回路素子の数が相互に異なる場合に少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするようなダミー回路素子を接続することが好ましい。
また、本発明に係る実装配線基板において、寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に導体片を接続し各寄生容量の値を同じ値とするように、導体片の大きさまたは高さを変更することが好ましい。
上記構成の少なくとも1つにより、印刷配線基板は、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量を同じ値とする寄生容量調整部を有する。寄生容量調整部として、配線部の配線幅を変更することが好ましい。また、寄生容量調整部として、ダミー回路素子を配線部に配置するための、ダミーパッドを設けることが好ましい。また、寄生容量調整部として、導体片を配線部に配置するための導体片用パッドを設けることが好ましい。したがって、電位を有する導体と印刷配線基板の配線パターンの静電結合により形成される寄生容量によって、回路が誤動作することを抑制することができる。
上記構成の少なくとも1つにより、実装配線基板は、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量を同じ値とする寄生容量調整部を有する。寄生容量調整部として、ダミー回路素子を配線部に接続することが好ましい。また、寄生容量調整部として、導体片を配線部に接続して、導体片の大きさまたは高さを変更することが好ましい。したがって、電位を有する導体と実装配線基板の配線パターンの静電結合により形成される寄生容量によって、回路が誤動作することを抑制することができる。
上記構成の少なくとも1つにより、電流検出器は、電位を有する導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量を同じ値とする寄生容量調整部を有する。したがって、電位を有する導体と実装配線基板の配線パターンの静電結合により形成される寄生容量によって、回路が誤動作することを抑制することができる。
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。なお、以下では、演算処理素子として、オペアンプを用いた増幅回路を説明するが、例えば入力信号端子部と演算処理素子間の配線部を対配線とし、配線部には素子を配置せず2つの入力電圧を比較してハイレベル(例えば5V)とローレベル(例えば0V)を出力するコンパレータなど、複数の入力に基づいて演算を行う回路であればよい。なお、以下では、電流検出器として、磁性体コアとホール素子を用いるものとして説明するが、それ以外の原理で電流を検出する電流検出器、例えば、電流トランスを用いる電流検出器であってもよい。なお、以下では、寄生容量調整部は、演算処理素子に接続される2つの配線部のうち、一方に設けられるものとして説明するが、双方に設けられてもよい。
図1は、電流検出器10を示す図である。電流検出器10は、導体2に流れる電流を検出する測定器である。電流検出器10は、磁性体コア4と、磁気センサ6と、導体2に近接して配置される実装配線基板100とを含んで構成される。
磁性体コア4は、導体2を流れる電流によって発生した磁束を通す磁気回路であって、その一部に設けられた空隙部分には磁気センサ6が配置される。磁性体コア4は、導体2を円環状に囲む部材であって、磁性体で構成される。
磁気センサ6は、導体2を流れる電流によって生成されて円環状の磁性体コア4によって空隙部分に導かれる磁束を電気信号に変換し出力する機能を有し、導体2の電流を検出するために配置される。磁気センサ6としては、例えば、ホール素子を用いることができる。ホール素子は、2つの入力端子と2つの出力端子からなる4つの端子を有する。
磁気センサ6であるホール素子の4つの端子において、2つの入力端子は、入力配線61,63と接続され、2つの出力端子は、出力配線65,67と接続されている。入力配線61,63は、電圧源8から電源端子62、接地端子64(図3参照)を介して、ホール素子において、磁気回路の磁束に直交する向きに電流を流すため、ホール素子に電圧を与えるための配線である。出力配線65,67は、磁束によって電位差の生じるホール素子の両端の電位を引き出すための配線である。
実装配線基板100は、印刷配線基板99と、これに実装される回路素子部20と演算処理素子部30と、を含んで構成される。この実装配線基板100は、回路素子部20と演算処理素子部30で、例えば特許文献2のような差動増幅器に相当する回路を有している。
図2は、差動増幅器に磁気センサ6を接続した回路図である。図1と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図2における実装配線基板100に実装されて形成される差動増幅器は、磁気センサ6であるホール素子の2つの出力の信号を入力信号として受け、この2つの入力信号に基づいて演算処理を行う機能を有する。具体的には、この2つの入力信号の差である微少な電位差を適当に増幅して出力する。なお、ホール素子の2つの出力V1,V2に、それぞれΔV1,ΔV2のノイズ電圧が加わると、後述するように差動増幅器の出力に増幅されたノイズ電圧が出てしまうこととなる。
演算処理素子部30は、回路素子部20とともに差動増幅を行うオペアンプである。オペアンプは、理想的には電圧利得と入力抵抗が無限大で、出力抵抗が0となる増幅素子である。オペアンプは、2つの入力端子と1つの出力端子で構成されるが、図2では、反転入力端子に接続される入力配線83と、非反転入力端子に接続される入力配線81と、出力端子に接続される出力配線85が示されている。
回路素子部20は、実装配線基板100に配置される入力抵抗素子22と、接地抵抗素子28と、入力抵抗素子24と、帰還抵抗素子26と、帰還容量素子29を含んで構成される。なお、後述するように、入力抵抗素子22と入力抵抗素子24の抵抗値(R1)が等しく(例えば20kΩ)、接地抵抗素子28と帰還抵抗素子26の抵抗値(Rf)が等しく設定される(例えば470kΩ)。
図3は、印刷配線基板99を示す図である。図1、図2と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。印刷配線基板99は、入力信号端子部60と、演算処理素子部30の入力端子に接続される演算入力端子部80と、一方端が入力信号端子部60に接続され、他方端が演算入力端子部80に接続され2つの配線部である第1配線部40と第2配線部50と、演算処理素子部30の出力端子と演算出力端子部86を介して接続される出力配線部92と、寄生容量調整部70を含んで構成される。なお、以下では、入力信号端子部60の各要素を詳細に説明した後で、演算入力端子部80、第1配線部40、第2配線部50、演算出力端子部86、出力配線部92、寄生容量調整部70の順で各要素について詳細な説明を行う。
入力信号端子部60は、磁気センサ6であるホール素子の出力配線65,67と接続するための端子であって、ホール素子の出力電圧を実装配線基板100に入力するための端子である。入力信号端子部60は、第1入力部66と、第2入力部68を含んで構成される。
第1入力部66は、ホール素子の一方側の出力配線65に接続される端子である。第1入力部66は、磁気センサ6が有する電位を取り出して、第1配線部40を介して、その電位を演算処理素子部30に入力する。
第2入力部68は、ホール素子の他方側の出力配線67に接続される端子である。第2入力部68は、磁気センサ6が有する電位を取り出して、第2配線部50を介して、その電位を演算処理素子部30に入力する。
演算入力端子部80は、演算処理素子部30の入力配線81,83に接続される端子である。演算入力端子部80は、第1演算端子部82と第2演算端子部84とを含んで構成される。
第1演算端子部82は、演算処理素子部30の入力配線81に接続される端子である。第2演算端子部84は、演算処理素子部30の入力配線83に接続される端子である。
第1配線部40は、配線パターン42と、素子配置ランド44と、配線パターン46と、素子配置ランド48とを含んで構成される。第1配線部40は、一端側は、第1入力部66に接続され、他端側は、第1演算端子部82に接続される。
配線パターン42は、第1入力部66と素子配置ランド44とを接続し、予め印刷配線基板99に配置される配線であって、後述する配線パターン52と同じ幅を有する。なお、図2に示されるように、電位を有する導体2と配線パターン42との静電結合によって、寄生容量101が生成される。
素子配置ランド44は、入力抵抗素子22を取り付けるための領域である。素子配置ランド44は、配線パターン42と配線パターン46の間に接続される。
配線パターン46は、素子配置ランド44と素子配置ランド48と第1演算端子部82とを接続し、予め印刷配線基板99に配置される配線であって、後述する配線パターン56と同じ幅を有する。なお、図2に示されるように、電位を有する導体2と配線パターン46の静電結合によって、寄生容量102が生成される。
素子配置ランド48は、接地抵抗素子28を取り付けるための領域である。素子配置ランド48は、配線パターン46と接地端子64を介して接地される接地配線69との間に接続される。
第2配線部50は、配線パターン52と、素子配置ランド54と、配線パターン56と、素子配置ランド58と、素子配置ランド59とを含んで構成される。
配線パターン52は、第2入力部68と素子配置ランド54とを接続し、予め印刷配線基板99に配置される配線であって、配線パターン42と同じ幅を有する。なお、図2に示されるように、電位を有する導体2と配線パターン52の静電結合によって、寄生容量103が生成される。
素子配置ランド54は、入力抵抗素子24を取り付けるための領域である。素子配置ランド54は、配線パターン52と配線パターン56の間に接続される。
配線パターン56は、素子配置ランド54と素子配置ランド58と素子配置ランド59と第2演算端子部84とを接続し、予め印刷配線基板99に配置される配線であって、配線パターン46と同じ幅を有する。なお、図2に示されるように、電位を有する導体2と配線パターン56の静電結合によって、寄生容量104が生成される。
素子配置ランド58は、帰還抵抗素子26を取り付けるための領域である。素子配置ランド58は、配線パターン56と出力配線部92との間に接続される。
素子配置ランド59は、帰還容量素子29を取り付けるための領域である。素子配置ランド59は、素子配置ランド58と並列に接続して配置される。
演算出力端子部86は、演算処理素子部30の出力配線85に接続される端子であって、さらに、帰還抵抗素子26と、帰還容量素子29とも接続されるための端子である。
出力配線部92は、演算出力端子部86に接続され、予め印刷配線基板99に配置される配線であって、演算処理素子部30によって出力される電圧を実装配線基板100の外部に引き出すための配線である。
ここで、再び図2に戻って、実装配線基板100に配置された差動増幅器の作用について説明する。図2において、配線パターン52と接地配線69との間の電位差をV1とし、配線パターン42と接地配線69との間の電位差をV2とする。出力配線部92と接地配線69との間の電位差をVoとする。入力抵抗素子22と入力抵抗素子24の抵抗値(R1)を等しく、接地抵抗素子28と帰還抵抗素子26の抵抗値(Rf)を等しく設定すると、差動増幅器の出力はVo=(V2−V1)×Rf/R1で表される。
また、実装配線基板100は、電位を有する導体2に近接して配置されるから、導体2と第1配線部40、第2配線部50との静電結合によって、寄生容量を生成することとなり、ノイズ電圧がその寄生容量を介し、差動増幅器に入力してしまうことがある。
各ノイズ電圧により演算処理素子部30の入力電位差が変動する要因は、第1配線部40、第2配線部50のうち、配線パターン46の有する寄生容量102と、配線パターン56の有する寄生容量104との容量値の差によるものである。これは、入力抵抗素子22,24(例えば22kΩ)のインピーダンスは磁気センサ6のインピーダンスに比べて十分大きいため、配線パターン42の有する寄生容量101及び配線パターン52の有する寄生容量103を介して加わるノイズ電圧は配線パターン46の有する寄生容量102及び配線パターン56の有する寄生容量104を介して加わるノイズ電圧より十分小さいことによる。したがって、寄生容量104を介して加わるノイズ電圧をΔV1とし、寄生容量102を介して加わるノイズ電圧をΔV2とすると、入力抵抗素子22,24は同じ値であるから、寄生容量102,104の容量値が同じであれば、そのノイズ電圧分の電位差(ΔV2−ΔV1)は0となる。したがって、差動増幅器によってノイズ電圧がキャンセルされるため、ノイズ電圧ΔV1,ΔV2は、差動増幅器の出力電圧に影響を与えない。
図4は、演算処理素子部30の入力付近を拡大した様子を示す図である。図1〜図3と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。寄生容量調整部70は、寄生容量102と寄生容量104の値を同じ値とするための配線幅調整部である。寄生容量調整部70である配線幅調整部は、素子配置ランド48と第1演算端子部82の間に配置される。ここで、隣接する電極によって形成される寄生容量の容量値は電極の面積に比例し、電極の間の距離に反比例する。寄生容量調整部70である配線幅調整部は、配線パターン46の幅と比べ大きい幅を有して面積を増加させているため、電位を有する導体2との寄生容量の値を大きくすることができる。したがって、寄生容量102と寄生容量104の値を同じ値とすることができる。
ここで、再び図2に戻って、実装配線基板100における差動増幅器は、入力信号端子部60を介して、磁気センサ6であるホール素子から出力される電圧に基づいて増幅を行う。ここでは、上記のように、第1入力部66により入力される電圧はV2であり、第2入力部68により入力される電圧はV1である。したがって、ノイズ電圧を考慮しなければ、上記のように、この差動増幅器により出力される電圧Voは、(V2−V1)×Rf/R1である。
また、上記のように、導体2と、実装配線基板100の第1配線部40および第2配線部50との寄生容量において、特に、寄生容量102,104の容量値が異なればノイズ電圧ΔV1とΔV2に電位差が生じてしまい、また、Vo={(V2+ΔV2)−(V1+ΔV1)}×Rf/R1であるから、ノイズ電圧分の電位差が差動増幅器によって出力されてしまう。
図5は、実装配線基板100に寄生容量調整部70を取り付ける前後の様子を示す図である。図1〜図4と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図5に示されるように、配線パターン46において、寄生容量調整部70を設ける前の寄生容量102と、配線パターン56と導体2との寄生容量104を比較すると、配線パターン46は、配線パターン56と接続される素子配置ランド59の一部を形成する領域分だけ面積が少ない。したがって、寄生容量調整部70を設ける前では、寄生容量102の容量値は、寄生容量104の容量値に比べて小さい。
しかし、配線パターン46に寄生容量調整部70を設けると、寄生容量調整部70は、上記のように、配線幅を変更することが可能であり、配線パターン46の面積の不足分を補うことができる。したがって、配線パターン46の面積と配線パターン56の面積を同等にできることから、寄生容量102と寄生容量104とを同じ値とすることができる。この場合のノイズ電圧ΔV1とΔV2は同じ電位となり、ノイズ電圧は、差動増幅器によってキャンセルされるから、ノイズ電圧の電位差が、差動増幅器によって出力されることを抑制することができる。
図6は、他の実施の形態における電流検出器11を示す図である。図7は、電流検出器11の接続関係を示す回路図である。図1〜図5と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。電流検出器11は、電流検出器10とほぼ同様の構成を有しており、その相違は、寄生容量調整部70は、電流検出器10のように配線幅調整部で構成されておらず、ダミー回路素子71とダミー回路素子配置ランド72とを含んで構成される点である。ダミー回路素子配置ランド72は、接地抵抗素子28が配置される素子配置ランド48と並列に配置される。ダミー回路素子71は、ダミー回路素子配置ランド72に配置される抵抗素子であり、接地抵抗素子28に比べて大きい抵抗値とすることで、差動増幅器の増幅作用に影響を与えないようにすることができる。
図8は、実装配線基板100に寄生容量調整部70を取り付ける前後の様子を示す図である。図1〜図7と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。上記で説明したように、配線パターン46は、配線パターン56と接続される素子配置ランド59の一部を形成する領域分だけ面積が少ない。したがって、寄生容量調整部70を設ける前では、寄生容量102の容量値は、寄生容量104の容量値に比べて小さい。
しかし、配線パターン46に寄生容量調整部70を設けると、寄生容量調整部70は、ダミー回路素子配置ランド72を有しており、配線パターン46の面積の不足分を補うことができ、寄生容量102と寄生容量104とを同じ値とすることができる。この場合のノイズ電圧ΔV1とΔV2は同じ電位となり、ノイズ電圧は、差動増幅器によってキャンセルされるから、ノイズ電圧の電位差が、差動増幅器によって出力されることを抑制することができる。
図9は、さらに別の実施形態を示す図である。図1〜図8と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。電流検出器12は、電流検出器10とほぼ同様の構成を有しており、その相違は、寄生容量調整部70は、電流検出器10のように配線幅調整部で構成されておらず、導体片74と導体片配置ランド73とを含んで構成される点である。導体片配置ランド73は、配線パターン46上に配置される。導体片74は、実装配線基板100の面に対して、平行な面積と、垂直な高さを変更できる導体片であり、導体2と導体片74との間に発生する寄生容量を調整することができる。
図10は、実装配線基板100に寄生容量調整部70を取り付ける前後の様子を示す図である。図1〜図9と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。上記で説明したように、配線パターン46は、配線パターン56と接続される素子配置ランド59の一部を形成する領域分だけ面積が少ない。したがって、寄生容量調整部70を設ける前では、寄生容量102の容量値は、寄生容量104の容量値に比べて小さい。
しかし、配線パターン46に寄生容量調整部70を設けると、寄生容量調整部70は、導体片74を配線パターン上に配置し、その高さを調整することができるため、導体2との距離を近くすることで寄生容量102の容量値を大きくすることができ、寄生容量102と寄生容量104とを同じ値とすることができる。この場合のノイズ電圧ΔV1とΔV2は同じ電位となり、ノイズ電圧は、差動増幅器によってキャンセルされるから、ノイズ電圧の電位差が、差動増幅器によって出力されることを抑制することができる。
2 導体、4 磁性体コア、6 磁気センサ、8 電圧源、10,11,12 電流検出器、20 回路素子部、22,24 入力抵抗素子、26 帰還抵抗素子、28 接地抵抗素子、29 帰還容量素子、30 演算処理素子部、40 第1配線部、42,46,52,56 配線パターン、44,48,54,58,59 素子配置ランド、50 第2配線部、60 入力信号端子部、61,63,81,83 入力配線、62 電源端子、64 接地端子、65,67,85 出力配線、66 第1入力部、68 第2入力部、69 接地配線、70 寄生容量調整部、71 ダミー回路素子、72 ダミー回路素子配置ランド、73 導体片配置ランド、74 導体片、80 演算入力端子部、82 第1演算端子部、84 第2演算端子部、86 演算出力端子部、92 出力配線部、99 印刷配線基板、100 実装配線基板、101,102,103,104 寄生容量。
Claims (9)
- 電位を有する外部導体が近接して配置される印刷配線基板であって、
複数の入力信号をそれぞれ受け取るための複数の入力信号端子部と、
一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、他端が各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続されるための複数の配線部と、
少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、
を備えることを特徴とする印刷配線基板。 - 電位を有する外部導体が近接して配置される実装配線基板であって、
複数の入力信号をそれぞれ受け取る複数の入力信号端子部と、
各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と、
一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、他端が演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続され、1以上の回路素子を接続する複数の配線部と、
少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、
を備えることを特徴とする実装配線基板。 - 被検出電流が流れる導体と、
導体に流れる電流によって発生する磁束を通す環状の磁気回路であって、その一部に空隙が設けられた磁性体コアと、
磁性体コアの磁気空隙に配置される磁気センサと、
導体に近接して配置される実装配線基板と、
を備え、
実装配線基板は、
複数の入力信号をそれぞれ受け取る複数の入力信号端子部と、
各入力信号に基づいて演算処理を行う演算処理素子と、
一端が各入力信号端子部にそれぞれ接続され、1以上の回路素子を接続し、他端が演算処理素子と複数の演算入力端子部を介してそれぞれ接続される複数の配線部と、
少なくとも1つの配線部に設けられ、外部導体と各配線部との間の静電結合によって形成される各寄生容量の値を同じ値とする寄生容量調整部と、
を有することを特徴とする電流検出器。 - 請求項1に記載の印刷配線基板において、
寄生容量調整部は、各寄生容量の値を同じ値とするように配線部の配線幅を変更することを特徴とする印刷配線基板。 - 請求項1に記載の印刷配線基板において、
寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするようなダミー回路素子を配置するためのダミーパッドを設けることを特徴とする印刷配線基板。 - 請求項1に記載の印刷配線基板において、
寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするような導体片を配置するための導体片用パッドを設けることを特徴とする印刷配線基板。 - 請求項2に記載の実装配線基板において、
寄生容量調整部は、各寄生容量の値を同じ値とするように配線部の配線幅を変更することを特徴とする実装配線基板。 - 請求項2に記載の実装配線基板において、
寄生容量調整部は、各配線部に接続される回路素子の数が相互に異なる場合に少なくとも1つの配線部に各寄生容量の値を同じ値とするようなダミー回路素子を接続することを特徴とする実装配線基板。 - 請求項2に記載の実装配線基板において、
寄生容量調整部は、少なくとも1つの配線部に導体片を接続し各寄生容量の値を同じ値とするように、導体片の大きさまたは高さを変更することを特徴とする実装配線基板。
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JP2007230066A JP2009064878A (ja) | 2007-09-05 | 2007-09-05 | 印刷配線基板、実装配線基板及び電流検出器 |
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JP2014046716A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Denso Corp | 電子装置 |
-
2007
- 2007-09-05 JP JP2007230066A patent/JP2009064878A/ja not_active Withdrawn
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