JP4303276B2 - 電子線及びイオンビーム照射装置並びに試料作成方法 - Google Patents
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Description
(1)座標の問題:外観検査装置によりウエハ全面もしくはその一部の検査を行なって異物やパターン不良の存在する欠陥箇所の座標がミクロンレベルで明らかになったとしても、この欠陥箇所の観察や分析のための試料作製、あるいは異物除去や欠陥修正のための加工を行なうには、検査済ウエハを手動または自動で検査位置から加工位置へと搬送しなければならない。従って、上記の欠陥検査により欠陥部の正確な座標データが得られても、加工時にその位置精度を充分に生かすことができず、本来加工不要な部分まで含めての余分な加工を行なうことが避けられなかった。
(2)ウエハ状態の問題:外観検査装置によりウエハ全面もしくはその一部を検査した結果ある位置に欠陥を検出できたとしても、この欠陥箇所の観察や分析あるいは異物除去や欠陥修正等のためにウエハを別の場所に搬送すると、それにより新たな欠陥(異物等)が発生したり、逆に着目していた欠陥(異物等)が無くなってしまったり、あるいは新たに別の欠陥(パターン損傷等)を引き起こしたりして、目的とする欠陥箇所の観察や分析ができなくなってしまうこともある。
(3)ウエハ破損の問題:最近ではウエハ径が200mmにもなり、今後はさらに300mmからそれ以上に大口径化される傾向にあるため、付加価値が高いデバイスが数多く搭載されたウエハをたった数箇所の検査のために切断や劈開で分離してしまい、最終的に廃棄処分としてしまうことは生産コストの観点から次第に許容できなくなりつつある。
図1に、本発明の一実施例になるウエハ検査装置の基本的構成を示す。図1において、SEM部1は、電界放出型電子源を含む電子発生装置2,静電偏向系を含む電子走査装置3,静電レンズ系を含む電子収束装置4,半導体検出器を含む検出装置5から構成されている。SEM部1からは収束された電子線6が一方向に走査されてウエハ7上に照射される。ウエハ7は、リターディング電圧を印加可能なステージ8上に固定保持されており、ステージ駆動装置9によりステージ8が面内方向に移動するのに応じて、SEM部1に対して相対的に二次元方向に移動する。ここで、ステージ8の移動方向のうち、電子線6の走査方向と垂直な移動方向を連続移動方向、電子線6の走査方向と平行な移動方向を送り方向と称することにする。SEM部1直下の電子線6照射部分で発生する二次電子は検出装置5により検出され、二次電子信号が画像生成装置11に送られる。画像生成装置11は、ステージ8が連続移動方向に移動中の二次電子信号のうちの所定の検査領域幅分の信号からその領域の二次電子像(SEM像)を生成する。そして、画像解析装置12により、このSEM像を利用して欠陥(異物やパターン不良等)の検出を行ない、さらにウエハ7上でのこれら欠陥が存在する箇所(欠陥箇所)の位置情報(座標データ)を含む欠陥マップを生成する。なお、これら装置各部の動作は検査制御装置13により最適に制御される。特に、検査制御装置13においては、SEM部1によりウエハ7上の検査領域全体を隈なく検査することができるようにステージ制御装置10を制御する。
次に、本発明の他の一実施例につき図2を参照して説明する。図2において、SEM部1は、電界放出型電子源を含む電子発生装置2,静電偏向系を含む電子走査装置3,静電レンズ系を含む電子収束装置4,半導体検出器を含む検出装置5から構成されている。SEM部1は、N組(図2の実施例においては4組;N=4)が備えられており、各組より収束された電子線6が一方向に走査されつつウエハ7上に照射される。ウエハ7はリターディング電圧を印加可能なステージ8上に固定保持されており、ステージ駆動装置9によってステージ8がその面内方向で移動するのに応じて、SEM部1に対し相対的に二次元方向に移動する。ここで、先の実施例1の場合と同様に、ステージ8の移動方向のうち、電子線6の走査方向と垂直な移動方向を連続移動方向、電子線6の走査方向と平行な移動方向を送り方向と称することにする。SEM部1直下の電子線6照射部分で発生する二次電子は検出装置5により検出され、二次電子信号が画像生成装置11に送られる。画像生成装置11は、ステージ8が連続移動方向に移動中の二次電子信号のうち、各SEM部1が受持つ検査領域幅分の信号からその領域の二次電子像(SEM像)を生成する。そして、画像解析装置12において、このSEM像を利用して欠陥(異物やパターン不良等)の検出を行ない、さらに、ウエハ7上でのこれら欠陥が存在する箇所(欠陥箇所)の位置情報(座標データ)を含む欠陥マップを生成する。なお、これら装置各部の動作は検査制御装置13により最適に制御される。特に、検査制御装置13においては、複数組のSEM部1によりウエハ7表面上の検査領域全体を隈なく、しかも1組のSEM部1を用いる場合のN倍(本実施例の場合は4倍)の速度で検査することができるようにステージ制御装置10を制御する。
本発明のさらに他の一実施例につき、図5を用いて説明する。図5において、SEM部1は、電界放出型電子源を含む電子発生装置2,静電偏向系を含む電子走査装置3,静電レンズ系を含む電子収束装置4,半導体検出器を含む検出装置5から構成されている。SEM部1は、N組(本実施例では4組;N=4)が備えられており、各組より収束された電子線6が一方向に走査されてウエハ7上に照射される。ウエハ7は、リターディング電圧を印加可能なステージ8上に固定保持されており、ステージ駆動装置9によってステージ8がその面内方向で移動されるのに応じて、SEM部1に対し相対的に二次元方向に移動する。ここで、先の実施例1、2の場合と同様、ステージ8の移動方向のうち、電子線6の走査方向と垂直な移動方向を連続移動方向、電子線6の走査方向と平行な移動方向を送り方向とする。SEM部1直下の電子線6照射部分で発生する二次電子は検出装置5によって検出され、二次電子信号が画像生成装置11へと送られる。画像生成装置11は、ステージ8が連続移動方向に移動中の二次電子信号のうち、各SEM部1が受持つ検査領域幅分の信号から該領域の二次電子像(SEM像)を生成する。そして、画像解析装置12により、このSEM像を利用してウエハ7上の異物やパターン欠陥等の検出を行ない、さらに、ウエハ7上でのこれら異物や欠陥が存在する箇所(欠陥箇所)の位置情報(座標データ)を含む欠陥マップを生成する。なお、これら装置各部の動作は、検査制御装置13によって最適に制御される。特に、検査制御装置13においては、複数組のSEM部1により、ウエハ7上の検査領域全体を隈なく、しかも1組のSEM部を利用する場合のN倍(本実施例の場合は4倍)の速度で検査することができるようにステージ制御装置10を制御する。なお、以上の装置構成は、図2を用いて説明した本発明の第2の実施例の場合と同様である。
図6に、本発明に関する参考例を示す。図6において、SEM部1は、電界放出型電子源を含む電子発生装置2,静電偏向系を含む電子走査装置3,静電レンズ系を含む電子収束装置4および半導体検出器を含む検出装置5から構成されている。SEM部1より収束された電子線6が一方向に走査されてウエハ7上に照射される。ウエハ7は、リターディング電圧を印加可能なステージ8上に固定保持されており、ステージ駆動装置9によりステージ8がステージ8面内で移動されるのに応じて、SEM部1に対して相対的に二次元方向に移動される。ここで、先の実施例1〜3の場合と同様に、ステージ8の移動方向のうち、電子線6の走査方向と垂直な移動方向を連続移動方向、電子線6の走査方向と平行な移動方向を送り方向と称することとする。SEM部1直下の電子線6照射部分で発生する二次電子は検出装置5により検出されて、検出二次電子信号が画像生成装置11へ送られる。画像生成装置11は、ステージ8が連続移動方向に移動中の二次電子信号のうちの所定検査領域幅分の信号からその領域幅分の二次電子像(SEM像)を生成する。そして、画像解析装置12は、このSEM像を利用して欠陥(異物やパターン欠陥等)の検出を行ない、さらにウエハ7上でのこれら欠陥の位置情報(座標データ)を含む欠陥マップを生成する。なお、これら装置各部の動作は、検査制御装置13により最適に制御される。特に、検査制御装置13においては、SEM部1によりウエハ7上の所要検査領域を隈なく検査することができるようにステージ制御装置10を制御する。
Claims (9)
- ウエハを載置するステージと、
前記ステージに載置された前記ウエハに電子線を照射する走査型電子顕微鏡部と、
前記ウエハの異物や欠陥の周辺にイオンビームを照射して加工するイオンビーム部とを少なくとも有して、前記異物や欠陥の透過型電子顕微鏡で観察や分析を行なう試料を真空試料室内で作製する電子線及びイオンビーム照射装置であって、
さらに、電子線の照射によって発生する二次電子を検出する二次電子検出装置と、
前記二次電子の信号から二次電子像を生成する画像生成装置と、
前記二次電子像から前記ウエハの前記異物や欠陥を検出して、前記異物や欠陥が存在する位置座標データを含む欠陥マップを生成する画像解析装置と、
前記欠陥マップに基づいて前記ステージ上の前記ウエハへのイオンビームの照射により前記異物や欠陥を含む試料を加工し、
前記ウエハから分離された前記試料を移動するマニピュレータと、
分離された前記試料を前記真空試料室内で保持する試料ホルダとを備えることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。 - 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記走査電子顕微鏡部を複数備えることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項2に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記複数の走査電子顕微鏡部のそれぞれに対応する複数の二次電子像を生成する手段を備えることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記ステージは前記走査電子顕微鏡部に対して相対的に二次元方向に移動することを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記走査電子顕微鏡部とイオンビーム部は並んで配置されていることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記イオンビーム部は、前記イオンビームを発生するイオンビーム発生装置と、該イオンビームを走査するイオンビーム走査装置と、該イオンビームを集束するイオンビーム集束装置とを備えることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記走査電子顕微鏡部は、前記電子線を放射する電子線発生手段と、前記電子線を走査する電子線走査手段と、前記電子線を収束する電子線収束手段と、前記電子線をウエハに照射して発生する二次電子を検出する検出手段とを少なくとも有することを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 請求項1に記載の電子線及びイオンビーム照射装置において、前記マニピュレータに前記試料を固定するガスを供給するガス供給装置を備えることを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置。
- 電子線をステージ上のウエハに照射する走査型電子顕微鏡部と、
前記ウエハにイオンビームを照射して加工を行なうイオンビーム部とを少なくとも有する電子線及びイオンビーム照射装置による真空試料室内での試料作製方法であって、
電子線によって前記ステージ上の前記ウエハの異物や欠陥を含む二次電子像を生成する工程と、
前記異物や欠陥の位置座標データを含む欠陥マップを生成する工程と、
前記欠陥マップに含まれる前記位置座標データに基づいて決定した異物や欠陥を含む小片試料を前記ステージ上の前記ウエハから分離するようにイオンビームを前記ウエハに照射する工程と、
前記小片試料を前記真空試料室内に設置したマニピュレータによって前記真空試料室内の試料ホルダに相対的に移動させる工程と、
前記小片試料を前記真空試料室内の前記試料ホルダに固定保持する工程と、
前記小片試料を透過型電子顕微鏡による観察や分析が可能な薄片に加工する工程とを有することを特徴とする電子線及びイオンビーム照射装置による試料作製方法。
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