JP4355738B2 - 流体制御弁 - Google Patents
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Description
従来の流体制御弁100は、圧縮ばね101を除く部品が樹脂又はゴムを材質とし、メタルフリー設計されている。流体制御弁100は、樹脂製の弁本体102に樹脂製の弁上体103を螺着することによって、外観が構成されている。弁上体103は、シリンダ部材104とカバー105とが螺着されてピストン室106を形成している。ピストン室106には、ピストン107が摺動可能に装填されている。ピストン107のピストンロッド108は、シリンダ部材104を貫いて弁本体102に突き出し、ダイアフラム109に連結されている。ピストン107は、圧縮ばね101の弾性力と操作ポート110から供給される操作流体の圧力とのバランスに応じて上下動し、弁本体102に形成した弁座111にダイアフラム109を当接又は離間させる。
(1)弁体が当接又は離間する弁座を備える樹脂製の弁本体と、前記弁本体に螺着される樹脂製の弁上体とを備える流体制御弁において、前記弁本体と前記弁上体とに各々設けられた係止部に、前記係止部に対応して設けられた係合部により脱着可能に係合し、前記弁本体と前記弁上体との螺着状態を保持する筒形状の保持部材を有する。
<流体制御弁の外観構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体制御弁1の正面図である。
第1実施形態の流体制御弁1は、図1に示すように、弁本体2と弁上体3とで外観を構成し、弁本体2と弁上体3の周りに保持部材4が装着されている。流体制御弁1は、弁本体2に設けた取付部11を介して、例えば、半導体製造工程において使用される洗浄装置に組み付けられるとともに、継手12,12を介して洗浄液供給ラインに組み付けられ、ウエハに供給する洗浄液を制御する。
図2は、図1に示す流体制御弁1の断面図である。
流体制御弁1は、エアオペレイト機構7によって弁部5を駆動する。流体制御弁1は、高い腐食性雰囲気でも使用できるようにするために、圧縮ばね38を除く部品が金属を使用せずに構成され、メタルフリー設計されている。弁本体2と弁上体3とは、第1ねじ部8を介して螺着されている。
弁本体2は、第1ポート13と第2ポート14が側面に開設され、円柱凹部15が上面から円柱状に開設されている。円柱凹部15は、弁本体2に形成された第1流路16と第2流路17を介して第1ポート13と第2ポート14にそれぞれ連通している。第1流路16が開口する円柱凹部15の底面には、その開口部分の周りに弁座18が設けられている。
弁本体2は、円柱凹部15が開口する開口端面の外周面に、係止部47が設けられている。係止部47は、複数の第1掛止部45により凹凸状に構成されている。複数の第1掛止部45は、弁本体2の外周面に沿って円周方向に、言い換えれば弁上体3の回転方向に、等間隔に設けられている。各第1掛止部45は、弁本体2の外周面に外向きに突設されている。孔45aは、第1掛止部45を軸線方向(図2の図中上下方向)に貫通するように形成されている。
図2に示すように、弁上体3は、シリンダ部材40と、カバー41と、ばね受け42とから外観が構成されている。シリンダ部材40は、一端が閉鎖された略コップ形状をなす。シリンダ部材40の外周面には、第1ねじ部8を構成する第1雄ねじ24と、第2ねじ部9を構成する第2雄ねじ25が形成されている。カバー41は、シリンダ部材40の図中上端開口部を覆う略コップ形状をなし、内周面に、第2雄ねじ25に螺合して第2ねじ部9を構成する第2雌ねじ43が形成されている。カバー41の閉塞面には、ばね受け42に嵌合する嵌合穴が形成されている。ばね受け42は、シリンダ部材40とカバー41との間で狭持される鍔部44が設けられている。カバー41は、鍔部44を内周面に突き当てるようにばね受け42が嵌合穴に嵌合され、第2雌ねじ43を第2雄ねじ25にねじ込んで、鍔部44をシリンダ部材40との間で挟み込んで保持する。カバー41とシリンダ部材40との間には、ピストン室26が形成されている。
図1、図2及び図5に示すように、カバー41は、開口部外周に沿って、第2掛止部46が円周状に設けられている。第2掛止部46は、カバー41の外周面から外向きに突設されている。第2掛止部46は、下側ガイド部46aが、弁本体2と反対側の側面(図1及び図2中の上側面)に形成されている。下側ガイド部46aは、カバー41の軸線方向に沿って凹凸が設けられている。
図1及び図2に示すように、保持部材4は、弁本体2と弁上体3とに係合し、弁本体2と弁上体3との螺着状態を保持する。そのため、保持部材4は、耐腐食性がある上に、硬くて変形しにくい樹脂(例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン(二弗化ビニリデン)等)を材質とする。保持部材4は、筒状に形成されている。
図4に示すように、保持部材4は、第1掛止部45の孔45aに分割片57を挿通することよって、弁本体2に対する回転を制限される。よって、回転制限部55は、第1掛止部45(係止部47)と分割片57(係合部56)とにより構成されている。
保持部材4は、第1爪部51側の開口部から弁上体3を挿入し、上側ガイド部54をカバー41の下側ガイド部46aに嵌合させる。そして、各分割片57を内側に倒しながら第1掛止部45の孔45aに挿通する。その後、分割片57を復元させ、第1爪部51を第1掛止部45に引っ掛けて止める。保持部材4の取り外しは、上記と逆手順で行う。
尚、流体制御弁1に装着された保持部材4は、分割片57の周りが第1掛止部45に囲まれている。そのため、例えば作業者の手が保持部材4にぶつかっても、第1爪部51が第1掛止部45から外れない。
上記構成の流体制御弁1は、取付部11を介して洗浄装置に組み付けられる。流体制御弁1は、操作ポート33に操作流体が供給されない間は弁閉して、薬液を遮断する。一方、流体制御弁1は、操作ポート33に操作流体が供給されると弁開して、薬液を第2ポート14から出力する。
また、第1ねじ部8の締結力が圧縮ばね38の弾性力に耐えられず、弁本体2と弁上体3とが分解し、使用している薬液が周りに飛び散ることもない。
以上説明したように、第1実施形態の流体制御弁1は、保持部材4が弁本体2と弁上体3(カバー41)に係合して、弁本体2と弁上体3との螺着状態を保持するので、弁上体3が弁本体2に対して回転しなくなり、弁本体2と弁上体3とを螺着させる第1ねじ部8の緩みを防止できる。
続いて、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る流体制御弁61の断面図である。
第2実施形態の流体制御弁61は、第1実施形態で説明したエアオペレイト機構7に変えて、手動機構62を備える点が、流体制御弁1と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点は図面に同一符号を使用し、適宜説明を省略する。
第2実施形態の流体制御弁61は、弁上体64が、ねじ送りによってダイアフラム22に駆動力を与える手動機構62を有する。
このような流体制御弁61は、ハンドル72を正方向に回転させると、ハンドル72と一体的に筒体67が回転し、調整ねじ71のねじ送りによって、操作ロッド70が上昇する。操作ロッド70は、ダイアフラム受け部材37を介してダイアフラム22を引き上げ、弁座18から離間させる。
第2実施形態の流体制御弁61は、ハンドル72を回転させて調整ねじ71で弁開度を調整する場合に、弁上体64が筒体67と共回りしようとする。しかし、保持部材4が、回転制限部55によって弁上体64が弁本体2に対して回転することを制限する。また、流体制御弁61は、第1爪部51と第2爪部52を弁本体2の第1掛止部45と弁上体64の第2掛止部46に引っ掛けて弁本体2と弁上体64とを挟み込むように支持し、弁上体64が弁本体2に対して回転することを制限する。そのため、流体制御弁61は、弁上体64が手動機構62に設けた調整ねじ71と同調して弁本体2に対して回転しない。つまり、ねじ部65が緩まない。
続いて、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る流体制御弁81の正面図である。図8は、図7に示す流体制御弁81の断面図である。図9は、図7に示す回転制限部91の概念図である。
第3実施形態の流体制御弁81は、回転制限部91の構成を除き、第1実施形態と同様に構成される。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点は、図面に同一符号を使用し、適宜説明を省略する。
保持部材86は、溝53が形成された開口端面から弁上体84を挿入する。そして、分割片57を外側に変形させるようにして第1爪部89に弁本体82の第1掛止部87と係止部87aを乗り越えさせる。そして、分割片57を元の形状に復元させ、第1爪部89を弁本体82の第1掛止部87に引っ掛けるようにして結合させる。このとき、弁本体82の係止部87aと保持部材86の係合部92とが噛合し、回転制限部91を設ける。尚、第2爪部90は、第2掛止部88に隙間無く当接して係合する。尚、保持部材86の取り外しは、上記と逆手順で行う。
流体制御弁81は、弁上体84が弁本体82に対して保持部材86と一体的に回転しようとしても、保持部材86の係合部92が弁本体82の係止部87aに噛合して、保持部材86の回転を阻止する。そのため、弁上体84は、保持部材86を介して弁本体82に対する回転を制限される。
第3実施形態の流体制御弁81は、ローレット状の係止部87aと係合部92を噛合させて弁上体84が弁本体82に対して回転することを阻止しており、第1実施形態の流体制御弁1と同様の作用効果を有する。
(3)上記実施形態では、第1及び第2掛止部45,46,87,88を弁本体2,82と弁上体3,64,84の外周面から外向きに突出するように設けた。これに対して、第1又は第2掛止部を、第1又は第2爪部に係合する溝で構成しても良い。
(6)例えば、上記第3実施形態では、係合部92と係止部87aが保持部材86の内周面と弁本体28の外周面に環状に設けたが、保持部材の内周面と弁本体の外周面に円周方向に断続的に設けてもよい。
2,82 弁本体
3,84 弁上体
4,86 保持部材
22 ダイアフラム(弁体)
18 弁座
47,87a 係止部
56,92 係合部
51、89 第1爪部
52,90 第2爪部
45,87 第1掛止部
46,88 第2掛止部
62 手動機構
Claims (4)
- 弁体が当接又は離間する弁座を備える樹脂製の弁本体と、前記弁本体に螺着される樹脂製の弁上体とを備える流体制御弁において、
前記弁本体と前記弁上体とに各々設けられた係止部に、前記係止部に対応して設けられた係合部により脱着可能に係合し、前記弁本体と前記弁上体との螺着状態を保持する筒形状の保持部材を有する
ことを特徴とする流体制御弁。 - 弁体が当接又は離間する弁座を備える樹脂製の弁本体と、前記弁本体に螺着される樹脂製の弁上体とを備える流体制御弁において、
前記弁本体と前記弁上体とに係合し、前記弁本体と前記弁上体との螺着状態を保持する保持部材を有し、
前記保持部材は、筒形状をなし、一端開口部に第1爪部が設けられ、他端開口部に第2爪部が設けられており、
前記弁本体は、前記第1爪部が掛止される第1掛止部を有し、
前記弁上体は、前記第2爪部が掛止される第2掛止部を有する
ことを特徴とする流体制御弁。 - 請求項1に記載する流体制御弁において、
前記弁本体は、外周面に、係止部が前記弁上体の回転方向に設けられ、
前記保持部材は、前記係止部に係合する係合部が設けられている
ことを特徴とする流体制御弁。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する流体制御弁において、
前記弁上体は、ねじ送りによって前記弁体に駆動力を与える手動機構を有する
ことを特徴とする流体制御弁。
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