JP4224253B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素基板上に形成される炭化珪素半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(シリコンカーバイド、SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きいことから高い絶縁耐性を有しており、また、高温においても安定な性質を有する半導体である。このような特性から、SiCは、次世代のパワーデバイスや高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
【0003】
SiCは、立方晶系の3C−SiCや六方晶系の6H−SiC、4H−SiC、あるいは菱面体系の15R−SiC等の多くの結晶構造をとりうることが知られている。この中で、実用的なSiCの半導体装置を作製するために一般的に使用されているのが6H−SiC及び4H−SiCである。
【0004】
この6H−SiC及び4H−SiC層では、c軸の結晶軸に垂直な(0001)面にほぼ一致する面を主面とする基板が広く用いられている。
【0005】
SiC半導体装置は、SiC基板上にエピタキシャル成長層を形成した後、同層に不純物ドーピングやエッチングなど、装置の種類に応じ加工を加えることにより形成される。例えば、ダイオードであれば、p型ドープ層、i層(イントリンシック(真性半導体)層)、n型ドープ層などを基板上に形成することになり、FETの場合には、ソース・ドレイン領域や、チャネル層などを基板上に設けることになる。
【0006】
大容量で高耐圧のパワーデバイスは、素子の縦方向、つまり素子の上面から裏面に向かって電流が流れたり、上面と裏面との間に電圧が印加されたりする縦型の素子構造をしたものが多い。このような縦型半導体装置は、上面と裏面のそれぞれに電極が設けられた構成となっている。
【0007】
図10は、SiC基板を用いた従来のショットキーダイオードを示す断面図である。同図に示すように、縦型半導体装置がショットキーダイオードの場合、n型のSiC基板101の主面上(上面上)にはn型不純物を含むSiCからなる厚さ20μmのエピタキシャル成長層103が設けられ、エピタキシャル成長層103の上には、Au(金)からなるショットキー電極106と電界集中を防ぐためのガードリング105とが設けられている。また、SiC基板101の裏面上にはNi(ニッケル)からなるオーミック電極が設けられている。
【0008】
また、縦型MOSFETの場合には、基板の上面上にソース電極及びゲート電極が、裏面上にオーミック電極であるドレイン電極が設けられた構造となっている。
【0009】
次に、SiCを用いた縦型半導体装置を製造する際のエピタキシャル成長技術について説明する。
【0010】
図7は、炭化珪素膜形成用の一般的な縦型薄膜成長装置の構成を概略的に示す図である。同図に示すように、一般的な炭化珪素の薄膜成長装置は、反応炉50と、基板51を固定するためのカーボン製のサセプタ52と、支持軸53と、試料を加熱するためのコイル54と、反応炉50に原料ガス55,希釈ガス56及びドーパントガス57を供給するためのガス供給系58と、反応炉50内からガスを排気するためのガス排気系59と、圧力調整のためのバルブ60とを備えている。
【0011】
この装置では、原料ガス55、希釈ガス56及びドーパントガス57は、矢印で示すように、ガス供給系58から反応炉50に供給される。原料ガス55,希釈ガス56及びドーパントガス57は反応炉50内に入った後、排気管61を通り、ガス排気系59により排気される。反応炉50内の圧力は圧力調整用のバルブ60によって調節される。また、支持軸53により支えられたサセプタ52は、反応炉50の周りに巻かれたコイル54を用いた高周波誘導加熱により加熱される。
【0012】
この縦型薄膜成長装置を用いてSiC基板上にエピタキシャル成長層を形成する手順は以下の通りである。
【0013】
まず、反応炉50に希釈ガス(例えば水素ガス)を導入して、炉内の圧力を大気圧または大気圧以下に調整する。この状態で、コイル54に高周波電力を印加して基板51を加熱し、基板温度を1500℃以上とする。
【0014】
次に、炭素を含むガス(例えばプロパン)及び珪素を含むガス(例えばシラン)を導入すると同時に、ドーパントガス57をガス供給系58から供給することにより、基板51の上にn型もしくはp型にドーピングされたエピタキシャル成長層を形成させることができる。なお、n型ドーピングの場合には例えば窒素、p型ドーピングの場合には例えばアルミニウムを含むガスがドーパントガス57として用いられる。
【0015】
次に、原料ガス55及びドーパントガス57の供給を止めて、コイル54への高周波電力の印加を停止して加熱を終了し、基板51を冷却する。
【0016】
この方法により、基板51上にエピタキシャル成長層を形成させることができる。なお、このエピタキシャル成長層の厚みやキャリア密度は、SiC半導体装置が所望の耐圧やオン電流を得られるように決定される。
【0017】
図9は、従来のSiC層の成長方法における、原料ガス及び不純物ドーパントガスの流量と基板温度の時間変化とを示す図である。
【0018】
同図に示すように、従来のSiC層の成長方法では、基板温度がエピタキシャル成長温度(例えば1500℃)に達してから原料ガス及び不純物ドーパントガスの供給を開始する。そして、エピタキシャル成長中は、原料ガス及びドーパントガスの流量を一定とする。その後、原料ガス及びドーパントガスの供給を止めると同時に基板の加熱を中止し、SiC層の成長を止める。
【0019】
以上のような方法を用いることにより、従来の縦型半導体装置のSiC層が形成される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、SiCを用いた縦型半導体装置は、電力消費が小さく、且つ耐圧性が高いため、パワーデバイスとして各種機器に好ましく用いられる。ところが、機器の動作状況によっては、定格値を超える高電圧が半導体装置に印加されることがあり、図10に示すような従来のショットキーダイオードでは、一時的に絶縁破壊を起こすことがあった。
【0021】
この絶縁破壊は、高い逆バイアス電圧が印加され、半導体装置のエピタキシャル成長層に広がった空乏層がSiC基板内にまで到達することにより起こる。一般的に、SiC基板の結晶性はエピタキシャル成長層の結晶性に比べて劣り、且つ不純物ドーパント濃度も高い。このため、基板内に形成された空乏層において加速されたキャリアによって破壊現象が発生し、これによって半導体装置の破壊が引き起こされると考えられる。
【0022】
このような不具合を避けるために、エピタキシャル成長層を、定格値を超える電圧が印加されても空乏層が基板に到達しないように十分厚くするという対策が従来から施されている。
【0023】
しかしながら、半導体装置のエピタキシャル成長層の厚みを2倍厚くすることは、この層における抵抗成分が2倍大きくなることに相当するため、半導体装置における電力損失が大きくなるという新たな問題が生じていた。
【0024】
このように、従来技術では、SiCを用いて素子を作製しても、その優れた物性値から期待されるような高耐圧性や超低損失性といった特性を得ることが困難であった。
【0025】
本発明の目的は、機器での使用に耐え得る高耐圧性を有する半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
【0026】
本発明の半導体装置は、第1導電型の不純物を含む半導体基板と、上記半導体基板上に設けられ、上記半導体基板よりも高い濃度で第1導電型の不純物を含むエピタキシャル成長により形成された半導体からなる第1の高濃度不純物ドープ層と、上記第1の高濃度不純物ドープ層の上に設けられ、上記第1の高濃度不純物ドープ層よりも低い濃度で第1導電型の不純物を含む第1の半導体層とを備え、動作時には、キャリアが上記半導体基板、上記第1の高濃度不純物ドープ層及び上記第1の半導体層を通過して走行する。
【0027】
これにより、逆方向バイアスの印加時に、第1の高濃度不純物ドープ層の上方から延びる空乏層が、第1の高濃度不純物ドープ層内に止められて半導体基板に到達しにくくすることができるので、半導体装置の耐圧性を向上させることができる。加えて、半導体基板と第1の半導体層との間にドーパント濃度が低い高抵抗な領域を挟まないので、従来の半導体装置に比べて電気抵抗を低減することができる。
【0028】
上記半導体基板はSi,SiC,GaN,GaAs,InPのうちから選ばれた1つの材料から構成されていることにより、高耐圧で低損失の半導体装置を実現することができる。
【0029】
上記半導体基板、上記第1の高濃度不純物ドープ層及び上記第1の半導体層は共にSiCから構成されていることにより、高耐圧で低損失の上、放熱性の良好な半導体装置を実現することができる。このため、消費電力が小さく、且つ熱の蓄積を起こしにくい半導体装置として、耐圧性が要求される各種機器において、好ましく利用され得る。
【0030】
上記第1の高濃度不純物ドープ層はエピタキシャル成長により形成されていることにより、第1の高濃度不純物ドープ層の結晶欠陥の密度を低くすることができるので、半導体装置の耐圧性を向上させることができる。
【0031】
上記第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物の濃度は、1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下であることが好ましい。第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物の濃度が1×1018atoms・cm-3以上であることで、逆方向バイアスの印加時に、第2の半導体層を必要以上に厚くすることなく所定の耐圧性を確保することができる。また、第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物の濃度が1×1020atoms・cm-3以下であることにより、第1の高濃度不純物ドープ層の結晶性が良好に保たれるので、半導体装置の耐圧性を良好に保つことができる。
【0032】
上記第1の高濃度不純物ドープ層の厚みは、10nm以上且つ1000nm以下であることにより、逆方向バイアス印加時に空乏層が第1の半導体層に到達するのを防ぐと共に、動作時における半導体装置の電力損失を小さくすることができる。
【0033】
上記第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物は、in-situドーピングによって導入されたものであることにより、第1の高濃度不純物ドープ層の結晶性を良好に保つことができる。
【0034】
上記第1の半導体層は、エピタキシャル成長により形成されていることにより、第1の半導体層の結晶性を良好にすることができるので、半導体装置の耐圧を高めることができる。
【0035】
上記第1の半導体層の上に設けられ、上記第1の半導体層とショットキー接触するショットキー電極と、上記半導体基板の裏面上に設けられ、上記半導体基板とオーミック接触するオーミック電極とをさらに備えていることにより、高耐圧で低損失のショットキーダイオードを実現することができる。
【0036】
また、上記第1の半導体層の上に設けられ、上記ショットキー電極を囲む絶縁体からなるガードリングをさらに備えていることにより、上記第1の半導体層の上端部において、電界集中による絶縁破壊の発生を防止することができる。
【0037】
上記第1の半導体層の上方に設けられ、第2導電型の不純物を含む第2の半導体層と、上記第2の半導体層の上に設けられた上部電極と、上記半導体基板の裏面上に設けられた下部電極とをさらに備え、pnダイオードとして機能する半導体装置を実現することもできる。
【0038】
この場合、上記第1の半導体層と上記第2の半導体層との間に設けられ、上記第2の半導体層よりも高濃度で第2導電型の不純物を含む第2の高濃度不純物ドープ層をさらに備えていることにより、第1の半導体層と第2の半導体層との間の電気抵抗が低減されるので、動作時の電力損失をさらに低減することができる。
【0039】
上記第2の半導体層はエピタキシャル成長されたSiCから構成されていることにより、第2の半導体層の結晶性が良好になっているので、好ましい。
【0040】
上記第1の半導体層のうち一部の領域に第2導電型の不純物イオンを注入して設けられ、チャネルとして機能する第1のウェルと、上記第1の半導体層と上記第1のウェルの上に設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、上記第1のウェルのうち、上記ゲート電極の両側方に位置する領域に第1導電型の不純物イオンを注入して設けられた上記第2のウェルと、上記第2のウェルの上に設けられた第1の電極と、上記半導体基板の裏面上に設けられた第2の電極とをさらに備え、縦型構造のMISFETとして機能する半導体装置を実現することもできる。
【0041】
本発明の半導体装置の製造方法は、薄膜成長装置の反応炉に第1の原料ガス、第2の原料ガス及び不純物ドーパントガスを供給して、半導体基板上に、上記半導体基板よりも高濃度に第1導電型の不純物を上記第1の原料ガスに含まれる構成元素のあるべき位置に含む第1の高濃度不純物ドープ層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、上記工程(a)の後に上記第1の高濃度不純物ドープ層の上に上記第1の高濃度不純物ドープ層よりも低濃度に第1導電型の不純物を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)とを含み、上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ上記第1の原料ガスの供給量を小さくして上記第1の原料ガスと上記第2の原料ガスとの供給量の比を変え、上記不純物ドーパントガスの供給量を大きくする。
【0042】
この方法により、第1の高濃度不純物ドープ層の結晶において、第1の原料ガスに含まれる第1の高濃度不純物ドープ層の構成元素のあるべき位置に第1導電型の不純物が取り込まれやすくなるので、第1の高濃度不純物ドープ層の不純物濃度を高くすることができる。
【0043】
上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ上記不純物ドーパントガスの供給量を大きくすることにより、さらに効率的に第1の半導体層の不純物濃度を高くすることができるようになる。
【0044】
上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ基板温度を低くすることにより、第1の半導体層の形成速度を第2の半導体層の形成速度よりも落とすことができるので、第1の半導体層に含まれる不純物濃度を、第2の半導体層に含まれる不純物濃度よりも高くすることができる。
【0045】
上記工程(a)は、上記不純物ドーパントガスの供給量を連続的に減少させる工程(a1)をさらに含むことにより、第1の半導体層において、深さ方向の不純物濃度の変化を緩やかにすることができるので、第1の半導体層の電気抵抗を低減することができる。
【0046】
上記半導体基板はSiCから構成されていることにより、高耐圧で低損失な半導体装置を形成することができる。
【0047】
上記第1の高濃度不純物ドープ層及び第1の半導体層は共にSiCから構成されていることにより、高耐圧で低損失な半導体装置を形成することができる。
【0048】
上記不純物ドーパントガスは窒素またはホスフィンであり、上記第1の原料ガスは炭素の原料ガスであることにより、窒素はSiC結晶中の炭素のあるべき位置に入りやすいので、高濃度でn型の不純物を含む第1の半導体層を効率的に形成することが可能になる。
【0049】
上記第1の原料ガスは、プロパン,メタン,アセチレン,エタン,エチレン,プロピレン及びブタンのうちから選ばれた1つであることが好ましい。
【0050】
上記不純物ドーパントガスはトリメチルアルミニウムガスまたはジボランガスであり、上記第1の原料ガスはシリコンの原料ガスであることにより、AlはSiC結晶中のシリコンのあるべき位置に入りやすいので、第1の半導体層がp型半導体であっても効率的に製造することが可能になる。
【0051】
上記第1の原料ガスはシランガスまたはジシランガスであることが好ましい
【0052】
【発明の実施の形態】
−素子構成についての検討−
本願発明者らは、電気抵抗を増加させずにSiC半導体装置の耐圧性を向上させるために、エピタキシャル成長層の厚さを必要以上に厚くすることなく耐圧性を向上させる方法を検討した。
【0053】
そして、検討の過程において、エピタキシャル成長層の厚さを変えた複数のショットキーダイオードを作製し、その耐圧性と抵抗値について測定した。
【0054】
その結果、予想通り、10μm程度に薄くしたエピタキシャル成長層を有するショットキーダイオードでは、図10に示すショットキーダイオードに比べて耐圧性と共に抵抗値も小さくなっていた。しかしながら、本願発明者らは、ショットキーダイオードの抵抗値は、シミュレーション等で予測される値よりも大きくなることに気付いた。そして、この原因について調べたところ、SiC基板101とエピタキシャル成長層103との間にドーパント濃度が含まれない領域、もしくはドーパント濃度が低い領域が存在するためであることが分かった。このような低抵抗な領域は、ドーパントガスの供給を開始した直後に、ドーパントガスの供給が不安定になることにより生じると考えられた。これは、低いドーパント濃度のエピタキシャル成長層を形成する場合にはさらに顕著になる。
【0055】
このため、電気的特性の良いSiC半導体装置を作製するために、耐圧性の向上のみならず、電気抵抗の低減をも図ることができる方法が探索された。
【0056】
種々の検討の結果、本願発明者らは、不純物を含む基板上に、より高濃度の不純物を含み、基板と同じ導電型のSiC層を設けることにより、半導体装置の動作時に空乏層が基板に達するのを防ぐことができることを見いだした。
【0057】
また、高濃度に不純物をドーピングしたSiC層を設けることにより、従来エピタキシャル成長層と基板との間に存在した不純物濃度が低い領域を無くすことができることも確認された。すなわち、基板上に高濃度で不純物を含むドープ層(以下、「高濃度不純物ドープ層」と称する)を設けることで、耐圧性が向上すると同時に、電気抵抗の低減も図ることができることが分かった。
【0058】
−SiC層の成長条件の検討−
次に、本願発明者らは、図7に示す縦型薄膜成長装置を用いて、高濃度不純物ドープ層をより効率良く成長するための条件について検討を行った。その結果、次のような手順で高濃度不純物ドープ層を成長させることとした。
【0059】
図2は、本発明のSiC層の成長方法における、原料ガス及び不純物ドーパントガスの流量と基板温度の時間変化とを示す図である。
【0060】
ここで、図9に示す従来のエピタキシャル成長層の形成方法と比較すると、本発明のSiC層の形成方法においては、不純物ドーパントガスである窒素の供給量とプロパンガスの供給量が工程中で変化していることが分かる。すなわち、高濃度不純物ドープ層を形成する際には、窒素ガスの流量を1.0mL/min程度に大きくすると共に、炭素の原料ガスであるプロパンガスの流量を0.6mL/min程度に小さくし、エピタキシャル成長層の形成工程では窒素ガスの流量を0.2mL/min、プロパンガスの流量を3.0mL/minとする。また、Siの原料ガスであるシランガスの流量はSiC層の形成工程を通して3.0mL/minに調節されており、原料ガスのC(炭素)/Si比は、高濃度不純物ドープ層の形成時では、0.6に、エピタキシャル成長層の形成工程では、3になっている。
【0061】
また、基板温度は、高濃度ドープ層の形成工程では1500℃に設定し、エピタキシャル成長層の形成工程では1600℃に設定することとした。
【0062】
この高濃度不純物ドープ層の形成工程においては、次の3つの工夫により、SiCへの不純物の導入が図られている。
【0063】
まず工夫の第1は、高濃度不純物ドープ層の形成工程で、窒素ガスの供給量を大きくしていることである。エピタキシャル成長中のSiC表面で窒素ガス濃度が上がれば、SiC結晶に取り込まれる窒素の量も増加する。
【0064】
工夫の第2は、高濃度不純物ドープ層の形成工程で、炭素の原料ガスの供給量を小さくしていることである。これにより、SiC結晶中の炭素が入るべき位置に窒素が入りやすくなり、SiC層に取り込まれる不純物濃度を上げることができる。
【0065】
なお、不純物によって炭素とシリコンのどちらの位置に入りやすいかは多少異なっている。窒素は炭素の位置に入りやすいため、不純物が窒素の場合はプロパンガスの供給量を小さくするのが好ましく、Alはシリコンの位置に入りやすいため、不純物がAlの場合にはシランガスの供給量を小さくするのが好ましい。
【0066】
次に、工夫の第3は、高濃度不純物ドープ層の形成工程において、基板温度をできるだけ低く設定していることである。これにより、SiC層を低速で成長させることができるので、不純物の取り込み量を多くすることができる。
【0067】
以上の理由から、本発明のSiC層の形成方法を用いれば、不純物濃度が1×1018atoms・cm-3を越えるSiC層を効率良く形成することができる。
【0068】
以下に、この方法を用いたSiC半導体装置及びSiC半導体基板の実施例を説明する。
【0069】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態として、基板とエピタキシャル成長層との間に基板に比べて不純物濃度の高い、高濃度不純物ドープ層を備えたSiC基板の製造方法について以下に説明する。
【0070】
図1(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るSiC基板の製造方法を示す断面図である。
【0071】
まず、図1(a)に示す工程で、SiCからなる基板1を準備する。基板1としては、[11 -20]方向に8度のオフ角度がついた直径50mmのn型の(0001)面SiC基板(4H−SiC基板)を用いる。基板1のドーパント濃度は約1×1018atoms・cm-3である。
【0072】
この基板1を、流量が5L/minの酸素でバブリングされた水蒸気雰囲気中に置き、1100℃で約3時間熱酸化処理を施す。これにより、基板1の表面に厚さ約40nm(400Å)の熱酸化膜を形成し、その後、バッファード弗酸(弗酸:フッ化アンモニウム水溶液=1:7)により、その熱酸化膜を除去する。
【0073】
次に、図1(b)に示す工程で、CVD法により基板1上に高濃度不純物ドープ層2を形成する。以下にその具体的な方法を以下に述べる。
【0074】
まず、図7に示す縦型薄膜成長装置のサセプタ52に基板1を設置し、反応炉50内を10-5Pa程度の真空度になるまで減圧する。次いで、ガス供給系58より、希釈ガス56である水素ガスを2L/minの流量で供給して反応炉50内の圧力を90kPaとする。反応炉50内の圧力はバルブ60を調節することにより制御される。水素ガスの流量を維持した状態で、誘導加熱装置を用いて、コイル54に、20.0kHz、20kWの高周波電力を印加し、サセプタ52を加熱する。本工程中、基板1の温度は1500℃で一定となるように制御される。
【0075】
次に、水素ガスの流量を2L/minとして一定に保ったまま、原料ガス55のプロパンガスとシランガス、及びn型ドーパントである窒素ガスを反応炉50のガス供給口より供給する。原料ガス55及びドーパントガス57はそれぞれ水素ガスで希釈して供給する。
【0076】
高濃度不純物ドープ層2の形成開始直後のシランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、0.6mL/min及び1.0mL/minとする。
【0077】
シランガス(モノシラン)は、1分子につき1個のSiを有し、プロパンガスは1分子につき3個の炭素を有しているので、この場合の原料ガスの炭素/シリコン比は0.6である。このままの状態で、少なくとも10分間は原料ガス及び窒素ガスを流し続ける。なお、炭素/シリコン比とは、単位時間あたりに反応炉50に供給されるCとSiの原子数比、つまり(炭素原子数)/(シリコン原子数)の値のことを意味する。
【0078】
その後、図2に示すように、プロパンガスの流量を連続的に増加させると共に、窒素ガス(不純物ドーパントガス)の流量を連続的に減少させて、5分後にそれぞれ3.0mL/min及び0.2mL/minとなるようにする。この間、シランガスの流量は3.0mL/minで一定にしておく。
【0079】
この工程により、厚みが約100nmで、ドーパント濃度が約1×1019atoms・cm-3のn型の高濃度不純物ドープ層2が基板1上に形成される。
【0080】
次に、図1(c)に示す工程で、引き続きCVD法により高濃度不純物ドープ層2上にエピタキシャル成長層を形成する。具体的な方法を以下に述べる。
【0081】
まず、基板温度を上昇させて、1600℃で一定となるようにする。そして、本工程中、シランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、3.0mL/min及び0.2mL/minとする。
【0082】
この時の炭素/シリコン比は3であり、高濃度不純物ドープ層2形成時の炭素/シリコン比に比べて高い値となっている。この工程により、厚みが約10μmで、キャリア密度が約1×1016atoms・cm-3のn型のエピタキシャル成長層3が高濃度不純物ドープ層2上に形成される。
【0083】
この方法によって形成したSiC薄膜の深さ方向のドーパント濃度分布について、2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて測定した。その結果、高濃度不純物ドープ層2において、窒素の濃度が一旦増加してから上方に向かって徐々に減少すること、及び高濃度不純物ドープ層2の厚みは約100nmであることが分かった。
【0084】
以上の方法によって作製された本実施形態のSiC基板は、基板1と、基板1上に設けられた厚さ100nmの高濃度不純物ドープ層2と、高濃度不純物ドープ層2の上に設けられた厚さ10μmのn型SiCからなるエピタキシャル成長層3とを備えている。
【0085】
ここで、本実施形態のSiC基板における高濃度不純物ドープ層2は、厚みが100nmで不純物濃度が1×1019atoms・cm-3である例を示したが、厚みは少なくとも10nm以上1000nm以下が好ましく、不純物濃度は1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下であることが好ましい。これは、以下の理由による。
【0086】
図8は、4H−SiCのn型ドープ層における不純物濃度と抵抗率とをまとめた表を示す図である。
【0087】
ここで、抵抗率ρ(Ω・cm)の半導体の抵抗値R(Ω)は、電流の流れる断面積をS(cm2 )、厚みをL(cm)とすると、次式で表される。
【0088】
R=ρ×(L/S) (1)
図8と式(1)とから、高濃度不純物ドープ層2とエピタキシャル成長層3の抵抗値を比較してみる。高濃度不純物ドープ層2の厚みが100nmで不純物濃度が1×1019atoms・cm-3で、エピタキシャル成長層3の厚みが10μmで不純物濃度が1×1016atoms・cm-3の場合、抵抗率はそれぞれ0.015(Ω・cm)と1(Ω・cm)で、厚みの比は1:100であるので、エピタキシャル成長層3の抵抗値は、高濃度不純物ドープ層2の抵抗値よりも約4桁近く大きくなる。この場合、高濃度不純物ドープ層2の抵抗値は、エピタキシャル成長層3の抵抗値に比べると、無視できる程小さいと言える。
【0089】
次に、高濃度不純物ドープ層2の厚みを1000nm、不純物濃度を1×1018atoms・cm-3まで下げた場合、高濃度不純物ドープ層2の抵抗率は0.065
(Ω・cm)、高濃度不純物ドープ層2とエピタキシャル成長層3との厚みの比は1:10となるので、高濃度不純物ドープ層2の抵抗値は、エピタキシャル成長層3の抵抗値の1%弱(0.65%)となる。これ以上高濃度不純物ドープ層2の抵抗値が大きくなると、抵抗値を無視できなくなるため、高濃度不純物ドープ層2の厚みは1000nm以下が好ましく、不純物濃度は1×1018atoms・cm-3以上であることが好ましい。
【0090】
また、不純物濃度が高いと抵抗値は小さくなるが、不純物濃度が1×1020atoms・cm-3を越えるとSiCの結晶性が悪くなり、耐圧性の低下を来すおそれがあるため、高濃度不純物ドープ層2の不純物濃度は1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下とする。
【0091】
また、高濃度不純物ドープ層2の厚みの範囲について、10nm以上としたのは、厚みが10nmを下回ると、十分な耐圧性が得られないおそれがあるからである。
【0092】
なお、図8に示すのはn型不純物を含む4H−SiC層の場合であり、6H−SiC層の場合や不純物がp型の場合は抵抗率が異なってくる。しかし、これらの場合でも、図8に示すような、不純物濃度と抵抗率との逆比例関係が成立するので、高濃度不純物ドープ層2は、厚みが10nm〜1000nmで不純物濃度の範囲を1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下としてよい。
【0093】
以上のように、本実施形態のSiC基板では、抵抗値を上げることなく耐圧性の向上が図られている。本実施形態のSiC基板を用いたデバイスの耐圧性については、以後の実施形態で説明する。
【0094】
なお、本実施形態のSiC層の形成方法においては、不純物ドーパントガスとして窒素を用いて高濃度不純物ドープ層2及びエピタキシャル成長層3を形成したが、基板1と同じ導電性を示すドーパントであればリンを含むホスフィン(PH3)、他の不純物を含むドーパントガスを用いても差し支えない。
【0095】
なお、本実施形態においては、n型のSiC基板を使用したため不純物ドーパントガスとして窒素を用いて高濃度不純物ドープ層を形成したが、p型のSiC基板を使用する場合にはp型の不純物を含む不純物ドーパントガス、例えばTMA(トリメチルアルミニウム)ガスやジボランガスを用いる。この時には、高濃度不純物ドープ層2の形成工程において、シランガスの流量をプロパンガスの流量よりも小さくすれば、より好ましい。
【0096】
本実施形態の方法では、図1(b)に示す高濃度不純物ドープ層2の形成工程における基板温度を1500℃としたが、1500℃以上で、エピタキシャル成長層形成時の基板温度よりも低い温度であればよい。
【0097】
また、本実施形態の方法では、in-situドーピングによって高濃度不純物ドープ層2に窒素を導入したが、イオン注入によって窒素イオンを導入することも可能である。ただし、イオン注入を行なうと結晶構造に損傷が入りやすいので、本実施形態の方法を採ることが好ましい。
【0098】
なお、図2(b)に示す高濃度不純物ドープ層2の形成工程では、シランガスの供給量を一定にしてプロパンガスの供給量を減らしているが、シランガスの供給量を変化することによって炭素/シリコン比を変えることもできる。
【0099】
なお、本実施形態の半導体装置の製造方法において、炭素の原料ガスとしてプロパンガスを用いたが、その他にメタン(CH4),アセチレン(C2H2),エタン(C2H6),エチレン(C2H4),プロピレン(C3H6)及びブタン(C4H10)を用いることもできる。
【0100】
また、Siの原料ガスとして、シランガスの他にジシラン(Si2H6)を用いることもできる。
【0101】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態に係るSiC基板を用いて作製したショットキーダイオードについて説明する。
【0102】
図3(a)〜(c)は、本実施形態に係るショットキーダイオードの製造工程を示す断面図である。
【0103】
図3(c)に示すように、本実施形態のショットキーダイオードは、n型の4H−SiCからなる基板11と、基板11の主面上に設けられ、基板11よりも高濃度のn型不純物を含む厚さ約100nmの高濃度不純物ドープ層12と、高濃度不純物ドープ層12上に設けられ、n型不純物を含むSiCからなる厚さ10μmのエピタキシャル成長層13と、エピタキシャル成長層13の上に設けられ、その一部が開口したシリコン酸化物(SiO2)からなるガードリング15と、エピタキシャル成長層13のうちガードリング15が開口した領域の上に設けられたAuからなるショットキー電極16と、基板11の裏面上に蒸着により形成されたNiからなるオーミック電極14とを備えている。そして、基板11、高濃度不純物ドープ層12及びエピタキシャル成長層13に含まれるn型不純物の濃度は、それぞれ1×1018atoms・cm-3、1×1019atoms・cm-3及び1×1016atoms・cm-3である。
【0104】
次に、本実施形態のショットキーダイオードの製造方法について説明する。
【0105】
まず、図3(a)に示す工程で、CVD法により基板11上に高濃度不純物ドープ層12を形成する。ここで、基板11としては、[11 -20]方向に8度のオフ角度がついた直径50mmのn型の(0001)面SiC基板(4H−SiC基板)を用いる。
【0106】
以下に、高濃度不純物ドープ層12を形成するための具体的な方法を説明する。なお、この手順は第1の実施形態と同じである。
【0107】
まず、図7に示す縦型薄膜成長装置のサセプタ52に基板11を設置した後、反応炉50内を10-5Pa程度の真空度になるまで減圧する。次いで、ガス供給系58より希釈ガス56である水素ガスを2L/minの流量で供給し、反応炉50内の圧力を90kPaとする。反応炉50内の圧力は、バルブ60により調節することができる。続いて、水素ガスの流量を維持しながら、誘導加熱装置を用いて、20.0kHz、20kWの高周波電力をコイル54に印加し、サセプタ52を加熱する。本工程において、基板11の温度は1500℃で一定となるように制御される。
【0108】
次に、水素ガスの流量を2L/minとして一定に保ったまま、炭素の原料ガスであるプロパンガスとシリコンの原料ガスであるシランガス、及びn型ドーパントである窒素ガスを反応炉50のガス供給口より供給する。
【0109】
高濃度不純物ドープ層12の形成開始直後のシランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、0.6mL/min及び1.0mL/minとする。この場合の原料ガスの炭素/シリコン比は0.6である。続いて、少なくとも10分間はこれらの流量値を一定としたまま原料ガス及び窒素ガスを流し続ける。
【0110】
その後、シランガスの流量を3.0mL/minで一定としたまま、プロパンガスの流量を連続的に増加させ、さらに、窒素ガスの流量を連続的に減少させて、5分後にそれぞれ3.0mL/min及び0.2mL/minとなるようにする。なお、ここで、原料ガス及び窒素ガスの流量を急激に変えず、連続的に変えることにより、高濃度不純物ドープ層12中の窒素濃度の変化を緩やかにすることができるので、高濃度不純物ドープ層12の抵抗値を下げることができる。
【0111】
以上の工程により、厚みが約100nmで、窒素濃度が約1×1019atoms・cm-3のn型の高濃度不純物ドープ層12が基板11上にエピタキシャル成長される。
【0112】
次に、図3(b)に示す工程では、高濃度不純物ドープ層12上にエピタキシャル成長層13を形成する。具体的な方法を以下に述べる。
【0113】
まず、基板温度を上昇させて、1600℃で一定となるようにする。本工程において、シランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、3.0mL/min及び0.2mL/minである。この時の炭素/シリコン比は3であり、高濃度不純物ドープ層12の形成時の炭素/シリコン比に比べて高い値となっている。この工程により、厚みが約10μmで、キャリア密度(窒素濃度)が約1×1016atoms・cm-3のエピタキシャル成長層13が高濃度不純物ドープ層12上に形成される。
【0114】
次に、図3(c)に示す工程で、基板11の裏面に、真空蒸着装置を用いてニッケル(Ni)を蒸着した後、1000℃で加熱することでNiからなるオーミック電極14を形成する。
【0115】
続いて、エピタキシャル成長層13の上にCVD法などによりシリコン酸化膜を形成した後、その一部をエッチングにより開口してガードリング15を形成する。次いで、エピタキシャル成長層13のうちガードリング15が開口した領域の上に、金(Au)を蒸着してなるショットキー電極16を形成する。
【0116】
このようにして形成した本実施形態のショットキーダイオードについて、電流電圧特性を調べた。比較のために、基板上に高濃度不純物ドープ層を形成しない従来の方法でエピタキシャル成長層を形成したSiC基板についても同様のショットキーダイオードを作製して、電流電圧特性を調べた。以下、従来の方法で作製されたこのショットキーダイオードを「従来のショットキーダイオード」と称する。ここで作製された従来のショットキーダイオードは、図9に示すショットキーダイオードと異なり、エピタキシャル成長層の厚みは約10μm、キャリア密度は1×1016atoms・cm-3とし、高濃度不純物ドープ層を設けないことを除いては、本実施形態のショットキーダイオードと同じ素子構成とした。
【0117】
これらのショットキーダイオードに電圧を印加した時の動作特性について測定した。
【0118】
図4は、本実施形態のショットキーダイオード及び従来のショットキーダイオードの電流−電圧特性を示す図である。ここではショットキー電極側に印加する電圧を正電圧とする。
【0119】
同図に示すように、本実施形態のショットキーダイオードでは、従来のショットキーダイオードに比べて同じ電圧に対するオン電流が約2倍近い値になっていることが分かった。
【0120】
これは、本実施形態のショットキーダイオードにおいて、基板11とエピタキシャル成長層13との間に不純物濃度の低い低抵抗な領域が生じないため、抵抗値が小さくなり、順方向電圧を印加した時のオン電流が大きくなったからであると考えられる。
【0121】
一方、オン電流が流れ始めるときの順方向電圧であるオン電圧は、両ダイオードとも約1Vで差は見られなかった。
【0122】
次に、両ショットキーダイオードの耐圧特性を比較するために、逆バイアス電圧を印加して絶縁破壊を起こす電圧である逆耐圧について測定した。
【0123】
この結果、本実施形態のショットキーダイオードの耐圧は、従来のショットキーダイオードに比べて約20%近く高くなっていることが分かった。
【0124】
これは、本実施形態のショットキーダイオードでは、基板に比べて高いドーパント濃度の高濃度不純物ドープ層が設けられているために、逆バイアス電圧を印加した際に、ショットキー電極側から広がる空乏層が基板にまで到達しないことに起因すると考えられる。
【0125】
これらの結果から、基板とエピタキシャル成長層との間に、基板と同じ導電型で、基板よりも高い濃度の不純物を含んだ高濃度不純物ドープ層が存在することにより、オン電流が大きく、且つ逆耐圧も大きいショットキーダイオードが作製できることが示された。
【0126】
なお、エピタキシャル成長層を厚く形成した図10に示す従来のショットキーダイオードの場合には、オン電流がさらに小さくなっている。そのため、本実施形態のショットキーダイオードは、図10に示す従来のショットキーダイオードと比べた場合、動作時の消費電力を著しく低減することができる。
【0127】
以上の特性を有しているので、本実施形態のショットキーダイオードは、各種電子機器に好ましく用いられる。例えば、本実施形態のショットキーダイオードをプラズマディスプレイ(PDP)に用いた場合には、消費電力が小さいことと、放熱性がSiよりも良いことから、熱の発生及び蓄積を抑えることができ、放熱に必要な部品数を減らすことができる。
【0128】
また、本実施形態のショットキーダイオードでは、従来のショットキーダイオードよりも耐圧性が向上しているので、ガードリング15を設けない場合にも、逆バイアス印加時に絶縁破壊を起こしにくくなっている。これにより、製造工程をより簡素化でき、製造コストの低減を図ることも可能になる。
【0129】
また、本実施形態のショットキーダイオードの製造方法では、特別な機器を用いることなくオン電流の増加と、耐圧の向上とが実現されたショットキーダイオードを容易に製造することができるという利点もある。
【0130】
なお、本実施形態のショットキーダイオードにおける高濃度不純物ドープ層12の厚みは、第1の実施形態と同様に、10nm以上1000nm以下が好ましく、不純物濃度の範囲も、1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下であることが好ましい。
【0131】
なお、本実施形態のショットキーダイオードでは、基板11、エピタキシャル成長層13及び両者の間に存在する高濃度不純物ドープ層12のドーパントとして窒素を用いたが、これに代えて他のn型不純物を用いてもよいし、Alなどのp型不純物を用いてもよい。この場合でも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0132】
なお、本実施形態のショットキーダイオードにおいて、基板として4H−SiC基板を用いたが、6H−SiC基板や、3C−SiC基板及び15R−SiC基板などを用いることもできる。
【0133】
なお、本実施形態のショットキーダイオードにおいては、基板及びエピタキシャル成長層の材料としてSiCが用いられたが、これに代えてSi、ガリウムナイトライド(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)及びインジウムリン(InP)などの半導体を用いることもできる。GaNやInPの場合には、不純物としてはSi等が用いられる。これは、以下の実施形態においても共通である。
【0134】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態として、第1の実施形態のSiC基板を利用したpnダイオードの例を説明する。
【0135】
図5(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係るpnダイオードの製造工程を示す断面図である。
【0136】
図5(c)に示すように、本実施形態のpnダイオードは、n型の4H−SiCからなる基板21と、基板21の主面上に設けられ、例えば窒素を含む厚さが100nmのSiCからなる高濃度n型ドープ層22と、高濃度n型ドープ層22の上に設けられ、窒素を含む厚さ約10μmのn型SiC層23と、n型SiC層23の上に設けられ、例えばAlを含む厚さが10nmの高濃度p型ドープ層27と、高濃度p型ドープ層27上に設けられ、Alを含む厚さ約2.5μmのp型SiC層28と、p型SiC層28上に設けられたNiとAlとを積層してなる上部電極26と、基板21の裏面上に設けられたNiからなる下部電極24とを備えている。
【0137】
基板21、高濃度n型ドープ層22及びn型SiC層23中の窒素濃度は、それぞれ1×1018atoms・cm-3,1×1019atoms・cm-3及び1×1016atoms・cm-3であり、高濃度p型ドープ層27及びp型SiC層28に含まれるAl濃度はそれぞれ1×1019atoms・cm-3,1×1018atoms・cm-3である。
【0138】
本実施形態のpnダイオードは、基板21の主面上に基板21よりも高濃度でn型不純物を含む高濃度n型ドープ層22を備えると共に、n型SiC層23とp型SiC層28との間に高濃度でp型不純物を含む高濃度p型ドープ層27を備えている。
【0139】
このため、n型SiC層23のみならずp型SiC層28中にも、抵抗が大きい領域が存在しないので、本実施形態のpnダイオードの抵抗値は従来のpnダイオードよりも小さくなっている。
【0140】
加えて、逆方向バイアス印加時には、pn接合から延びる空乏層が高濃度n型ドープ層22内で止められるので、従来のpnダイオードに比べて耐圧性も向上している。
【0141】
次に、本実施形態のpnダイオードの製造方法について説明する。
【0142】
まず、図5(a)に示す工程で、第1及び第2の実施形態と同様の手順により、基板21の主面上に高濃度n型ドープ層22及びn型SiC層23を順次形成する。具体的な手順を以下に説明する。
【0143】
図7に示す縦型薄膜成長装置のサセプタ52に基板21を設置した後、反応炉50内を10-5Pa程度の真空度になるまで減圧する。次いで、ガス供給系58より希釈ガス56である水素ガスを2L/minの流量で供給し、反応炉50内の圧力を90kPaとする。
【0144】
続いて、水素ガスの流量を維持しながら、誘導加熱装置を用いて、20.0kHz、20kWの高周波電力をコイル54に印加し、サセプタ52を加熱する。本工程において、基板21の温度は1500℃で一定となるように制御される。
【0145】
次に、水素ガスの流量を2L/minとして一定に保ったまま、炭素の原料ガスであるプロパンガスとシリコンの原料ガスであるシランガス、及びn型ドーパントである窒素ガスを反応炉50のガス供給口より供給する。
【0146】
高濃度n型ドープ層22の形成開始直後のシランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量は、それぞれ3.0mL/min、0.6mL/min及び1.0mL/minとする。この場合の原料ガスの炭素/シリコン比は0.6である。続いて、少なくとも10分間はこれらの流量値を一定としたまま原料ガス及び窒素ガスを流し続ける。
【0147】
その後、シランガスの流量を3.0mL/minで一定としたまま、プロパンガスの流量を連続的に増加させ、さらに、窒素ガスの流量を連続的に減少させて、5分後にそれぞれ3.0mL/min及び0.2mL/minとなるようにする。この手順により、厚みが約100nmで、窒素濃度が約1×1019atoms・cm-3のn型の高濃度n型ドープ層22を基板21上にエピタキシャル成長させる。
【0148】
続いて、基板温度を上昇させて、1600℃で一定となるようにする。
【0149】
ここで、シランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、3.0mL/min及び0.2mL/minとする。この時の炭素/シリコン比は3である。
【0150】
この手順により、厚みが約10μmで、キャリア密度(窒素濃度)が約1×1016 atoms・cm-3のn型SiC層23が高濃度n型ドープ層22上にエピタキシャル成長される。
【0151】
次に、図5(b)に示す工程で、n型SiC層23の上に高濃度p型ドープ層27及びp型SiC層28を順次形成する。具体的な手順を以下に説明する。
【0152】
まず、シランガス、プロパンガス及び窒素ガスの供給を止めた後、基板温度を1500℃まで下げ、その温度で保持する。次いで、シランガス及びプロパンガスをそれぞれ1.0mL/min、3.0mL/minの流量で反応炉50に供給する。これと同時にAlの原料ガスであるTMAガスを、1mL/minの流量で反応炉50内に供給する。
【0153】
この状態で約10分程度保持した後、シランガスの流量を連続的に増加させるとともにTMAガスの流量を連続的に減少させて、5分後にそれぞれ3.0mL/min及び0.5mL/minとなるようにする。この間、プロパンガスの流量は3.0mL/minで一定にしておく。
【0154】
このような手順により、高濃度p型ドープ層27がエピタキシャル成長される。
【0155】
続いて、基板温度を1600℃まで上げて、このままの温度に保持する。この状態で、プロパンガス、シランガス及びTMAガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、3.0mL/min、0.2mL/minのまま保持する。この手順により、厚みが約2.5μmで、キャリア濃度が約1×1018atoms・cm-3のp型SiC層28がエピタキシャル成長により形成される。
【0156】
次に、図5(c)に示す工程で、p型SiC層28上及び基板21の裏面上に、真空蒸着装置を用いてそれぞれNi/Al及びNiを蒸着した後、1000℃で加熱することで、それぞれNi/Al及びNiからなる上部電極26及び下部電極24を形成する。
【0157】
以上の工程により、本実施形態のpnダイオードが作製される。
【0158】
本実施形態のpnダイオードの製造方法において、n型SiC層23を形成する前に高濃度n型ドープ層22を形成しているので、n型SiC層23中で窒素濃度の低下が抑えられている。そのため、本実施形態のpnダイオードでは、基板21とn型SiC層23との間の抵抗値が低減されている。
【0159】
加えて、本実施形態のpnダイオードでは、高濃度p型ドープ層27を設けることにより、p型SiC層28中の抵抗値も低減されている。
【0160】
また、図5(b)に示す工程において、高濃度p型ドープ層27を形成する際に、p型SiC層の形成時よりも原料ガスの炭素/シリコン比を大きくすることにより、Alの高濃度p型ドープ層27への取り込みの増加が図られている。
【0161】
次に、高濃度n型ドープ層22と高濃度p型ドープ層27とが設けられていない従来のpnダイオードと本実施形態のpnダイオードについて、電流電圧特性を調べた。ここで、従来のpnダイオードとしては、高濃度n型ドープ層22及び高濃度p型ドープ層27以外の素子構成が本実施形態のpnダイオードと同じものを用いた。
【0162】
両pnダイオードに電圧を印加した時の動作特性について測定した結果、本実施形態のpnダイオードでは、従来のpnダイオードに比べて同じ電圧に対するオン電流が増加していることが確認できた(図示せず)。
【0163】
また、両pnダイオードの逆耐圧について測定したところ、本実施形態のpnダイオードよりも逆耐圧が大きくなっていることが確認された。
【0164】
以上のように、本実施形態のpnダイオードは、耐圧性が向上すると共に消費電力の低減も図られているので、各種機器に好ましく用いられる。特に、pnダイオードはショットキーダイオードに比べて耐圧性を高く設計することができるので、耐圧性を要求される機器に利用される。
【0165】
なお、本実施形態のpnダイオードでは、高濃度n型ドープ層22と高濃度p型ドープ層27とを設けたが、高濃度p型ドープ層27を設けない場合でも耐圧性及び電流駆動力の向上を図ることができる。
【0166】
なお、本実施形態のpnダイオードでは、4H−SiC基板を用いたが、これ以外のポリタイプからなる基板を用いても、高耐圧で、消費電力が低減されたpnダイオードが作製される。
【0167】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態として、第1の実施形態に係るSiC基板を用いて作製された縦型構造のMOSFET(以下、縦型MOSFETと略記する)について以下に説明する。
【0168】
図6(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に係る縦型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
【0169】
図6(c)に示すように、本実施形態の縦型MOSFETは、n型不純物を含むSiCからなる基板31と、基板31の主面上に設けられ、基板31に比べて高い濃度でn型不純物を含むSiCからなる高濃度不純物ドープ層32と、高濃度不純物ドープ層32上に設けられ、n型不純物を含むSiCからなるエピタキシャル成長層33と、エピタキシャル成長層33の上に設けられたSiO2 からなるゲート酸化膜43と、ゲート酸化膜43上に設けられたゲート電極46と、エピタキシャル成長層33の一部にイオン注入により設けられたp型ウェル41と、p型ウェル41のうち、ゲート電極46の両側方に位置する領域に設けられたn型ウェル42と、n型ウェル42の上に設けられ、Niからなるソース電極44と、基板31の裏面上に設けられたNiからなるドレイン電極35とを備えている。
【0170】
そして、基板31、高濃度不純物ドープ層32、エピタキシャル成長層33及びn型ウェルには、それぞれ濃度が1×1018atoms・cm-3、1×1019atoms・cm-3、1×1016atoms・cm-3及び1×1019atoms・cm-3の窒素などのn型不純物が含まれている。また、p型ウェル41には、濃度が1×1017atoms・cm-3のAlなどのp型不純物が含まれている。
【0171】
次に、本実施形態の縦型MOSFETの製造方法について説明する。
【0172】
まず、図6(a)に示す工程で、CVD法により、SiCからなる基板31上に高濃度不純物ドープ層32を形成する。基板1として[11 -20]方向に8度のオフ角度がついた直径50mmのn型の(0001)面SiC基板(4H−SiC基板)を用いる。この基板のドーパント濃度は約1×1018atoms・cm-3である。具体的な方法を以下に述べる。
【0173】
まず、図7に示す縦型薄膜成長装置のサセプタ52に基板31を設置し、反応炉50内を10-5Pa程度の真空度になるまで減圧する。次いで、ガス供給系58より、水素ガスを2L/minの流量で供給して反応炉50内の圧力を90kPaとする。反応炉50内の圧力はバルブ60を調節することにより制御される。水素ガスの流量を維持した状態で、誘導加熱装置を用いてコイル54に高周波電力を印加し、サセプタ52を加熱する。本工程中、基板1の温度は1500℃で一定となるように制御される。
【0174】
次に、水素ガスの流量を2L/minとして一定に保ったまま、原料ガス55のプロパンガスとシランガス、及びn型ドーパントの窒素ガスを反応炉50のガス供給口より供給する。原料ガス55及びドーパントガス57はそれぞれ水素ガスで希釈して供給する。
【0175】
高濃度不純物ドープ層2の形成開始直後のシランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、0.6mL/min及び1.0mL/minとする。この場合の原料ガスの炭素/シリコン比は0.6である。そして、このままの状態で、少なくとも10分間は原料ガス及び窒素ガスを流し続ける。
【0176】
その後、図2に示すように、プロパンガスの流量を連続的に増加させると共に、窒素ガス(不純物ドーパントガス)の流量を連続的に減少させて、5分後にそれぞれ3.0mL/min及び0.2mL/minとなるようにする。この間、シランガスの流量は3.0mL/minで一定にしておく。
【0177】
この工程により、厚みが約100nmで、ドーパント濃度が約1×1019atoms・cm-3のn型の高濃度不純物ドープ層32が基板31上に形成される。
【0178】
次に、図6(b)に示す工程で、引き続きCVD法により高濃度不純物ドープ層32上にエピタキシャル成長層33を形成する。具体的な方法を以下に述べる。
【0179】
まず、高濃度不純物ドープ層2が形成されたSiC基板1の温度を上昇させて1600℃で一定となるようにする。そして、本工程中、シランガス、プロパンガス及び窒素ガスの流量はそれぞれ3.0mL/min、3.0mL/min及び0.2mL/minとする。
【0180】
この時の炭素/シリコン比は3であり、高濃度不純物ドープ層2形成時の炭素/シリコン比に比べて高い値となっている。この工程により、厚みが約10μmで、キャリア密度が約1×1016atoms・cm-3のn型のエピタキシャル成長層が高濃度不純物ドープ層32上に形成される。
【0181】
次に、図6(c)に示す工程で、エピタキシャル成長層33にAlイオンをイオン注入した後、活性化アニールを行う。
【0182】
これにより、エピタキシャル成長層33の一部が、ドーパント濃度が1×1017atoms・cm-3で、MOSFETのチャネルとして機能するp型ウェル41となる。
【0183】
次に、窒素イオンをp型ウェル41に注入した後、活性化アニールを行う。
【0184】
これにより、p型ウェルの一部が、ドーパント濃度が1×1019atoms・cm-3で、MOSFETのソースのコンタクト層として機能するn型ウェル12となる。
【0185】
次いで、約1100℃で基板を熱酸化することにより、基板上にSiO2からなる厚さ30nmのゲート酸化膜43を形成する。
【0186】
その後、電子ビーム(EB)蒸着装置を用いてn型ウェル42の上面及び基板31の裏面にNiを蒸着する。続いて、加熱炉内で基板を1000℃に加熱することで、n型ウェル42上にはオーミック電極であるソース電極44を、基板31の裏面上にはオーミック電極となるドレイン電極35を、それぞれ形成する。
【0187】
続いて、ゲート酸化膜43上にAlを蒸着して、ゲート電極46を形成する。なお、ゲート長は約2μmとする。
【0188】
以上の方法により、本実施形態の縦型MOSFETが製造される。
【0189】
次に、本実施形態に係る縦型MOSFETの性能を調べるために、縦型MOSFETのドレイン電流とゲート電圧との関係を測定した。その結果について以下に説明する。
【0190】
まず、比較のために、SiC基板に比べて高いドーパント濃度の高濃度不純物ドープ層を基板上に形成せずに作製した縦型MOSFETを準備した。この縦型MOSFETの素子構成は、高濃度不純物ドープ層を除いて本実施形態の縦型MOSFETと同一とした。この縦型MOSFETを以後、「従来の縦型MOSFET」と称す。
【0191】
次に、本実施形態及び従来の縦型MOSFETの電流電圧特性を調べた。具体的には、両縦型MOSFETの耐圧及びオン電流を測定して比較した。
【0192】
その結果、本実施形態の縦型MOSFETでは、従来の縦型MOSFETに比べて耐圧が約2倍近く高くなり、オン電流も約20%近く高くなっていることが確認された(図示せず)。
【0193】
この結果から、従来の縦型MOSFETでは、上述のように基板の上に活性領域となるエピタキシャル成長層が形成されているため、ソース−ドレイン間に電圧を印加した場合にpn接合から広がった空乏層が基板に到達してしまい、基板内で絶縁破壊が生じやすくなっていると考えられる。また、基板31とエピタキシャル成長層33との間に抵抗成分が存在するためにオン電流が低下していると考えられる。
【0194】
これに対し、本実施形態の縦型MOSFETでは、電圧印加時に、pn接合部から広がる空乏層が、高濃度不純物ドープ層32でとどまるため、耐圧が向上すると考えられる。さらに、基板31とエピタキシャル成長層33との間に高濃度不純物ドープ層32が設けられることにより抵抗成分が低減され、オン電流が増加するものと考えられる。
【0195】
以上のことから、基板に比べて高いドーパント濃度の高濃度不純物ドープ層を有するSiC基板を用いることにより、高耐圧で高利得の縦型MOSFETを作製することができることが分かる。
【0196】
なお、本実施形態の縦型MOSFETにおいては、p型ウェルをチャネルとして用いたが、基板、n型ドープ層及びn型ウェルをp型にし、p型ウェルをn型としてもよい。
【0197】
また、本実施形態の縦型MOSFETにおいて、活性領域のエピタキシャル成長層の厚みを10μmとしたが、必要に応じて厚みを変えてもよい。
【0198】
また、本実施形態の縦型MOSFETにおいても第2及び第3の実施形態と同様に、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いることができる。
【0199】
なお、本実施形態においては、縦型MOSFETの例を説明したが、第1の実施形態に係るSiC基板は、いかなる構成の縦型構造のSiC半導体装置においても上述の効果の発揮することができる。
【0200】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、SiC基板とSiCからなるエピタキシャル成長層との間に、該SiC基板と同じ導電型の不純物を含み、且つ該SiC基板に比べて高濃度の不純物を含む高濃度不純物ドープ層を形成することを特徴とする。この方法により、従来に比べて高耐圧で且つ電力損失が低減された半導体装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るSiC基板の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明のSiC層の成長方法における、原料ガス及び不純物ドーパントガスの流量と基板温度の時間変化とを示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係るショットキーダイオードの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るショットキーダイオード及び従来のショットキーダイオードの電流−電圧特性を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係るpnダイオードの製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に係る縦型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
【図7】SiC膜の形成に用いられる一般的な縦型薄膜成長装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】4H−SiCのn型ドープ層における不純物濃度と抵抗率とをまとめた表を示す図である。
【図9】従来のSiC層の成長方法における、原料ガス及び不純物ドーパントガスの流量と基板温度の時間変化とを示す図である。
【図10】従来のショットキーダイオードを示す断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 基板
2,12,32 高濃度不純物ドープ層
3,13,33 エピタキシャル成長層
14 オーミック電極
15 ガードリング
16 ショットキー電極
22 高濃度n型ドープ層
23 n型SiC層
24 下部電極
26 上部電極
27 高濃度p型ドープ層
28 p型SiC層
35 ドレイン電極
41 p型ウェル
42 n型ウェル
43 ゲート酸化膜
44 ソース電極
46 ゲート電極
50 反応炉
51 基板
52 サセプタ
53 支持軸
54 コイル
55 原料ガス
56 希釈ガス
57 ドーパントガス
58 ガス供給系
59 ガス排気系
60 バルブ
61 排気管
Claims (23)
- 第1導電型の不純物を含む半導体基板と、
上記半導体基板上に設けられ、上記半導体基板よりも高い濃度で第1導電型の不純物を含むエピタキシャル成長により形成された半導体からなる第1の高濃度不純物ドープ層と、 上記第1の高濃度不純物ドープ層の上に設けられ、上記第1の高濃度不純物ドープ層よりも低い濃度で第1導電型の不純物を含む第1の半導体層とを備え、
動作時には、キャリアが上記半導体基板、上記第1の高濃度不純物ドープ層及び上記第1の半導体層を通過して走行する半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
上記半導体基板はSi,SiC,GaN,GaAs及びInPのうちから選ばれた1つの材料から構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項2に記載の半導体装置において、
上記半導体基板、上記第1の高濃度不純物ドープ層及び上記第1の半導体層は共にSiCから構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物の濃度は、1×1018atoms・cm-3以上1×1020atoms・cm-3以下であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の高濃度不純物ドープ層の厚みは、10nm以上且つ1000nm以下であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の高濃度不純物ドープ層に含まれる不純物は、in-situドーピングによって導入されたものであることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層は、エピタキシャル成長により形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層の上に設けられ、上記第1の半導体層とショットキー接触するショットキー電極と、
上記半導体基板の裏面上に設けられ、上記半導体基板とオーミック接触するオーミック電極と
をさらに備えている半導体装置。 - 請求項8に記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層の上に設けられ、上記ショットキー電極を囲む絶縁体からなるガードリングをさらに備えていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層の上方に設けられ、第2導電型の不純物を含む第2の半導体層と、
上記第2の半導体層の上に設けられた上部電極と、
上記半導体基板の裏面上に設けられた下部電極と
をさらに備え、
pnダイオードとして機能することを特徴とする半導体装置。 - 請求項10に記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層と上記第2の半導体層との間に設けられ、上記第2の半導体層よりも高濃度で第2導電型の不純物を含む第2の高濃度不純物ドープ層をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項10または11に記載の半導体装置において、
上記第2の半導体層はエピタキシャル成長されたSiCから構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
上記第1の半導体層のうち一部の領域に第2導電型の不純物イオンを注入して設けられ、チャネルとして機能する第1のウェルと、
上記第1の半導体層と上記第1のウェルの上に設けられたゲート絶縁膜と、
上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
上記第1のウェルのうち、上記ゲート電極の両側方に位置する領域に第1導電型の不純物イオンを注入して設けられた上記第2のウェルと、
上記第2のウェルの上に設けられた第1の電極と、
上記半導体基板の裏面上に設けられた第2の電極と
をさらに備え、
縦型構造のMISFETとして機能することを特徴とする半導体装置。 - 薄膜成長装置の反応炉に第1の原料ガス、第2の原料ガス及び不純物ドーパントガスを供給して、半導体基板上に、上記半導体基板よりも高濃度に第1導電型の不純物を上記第1の原料ガスに含まれる構成元素のあるべき位置に含む第1の高濃度不純物ドープ層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、
上記工程(a)の後に上記第1の高濃度不純物ドープ層の上に上記第1の高濃度不純物ドープ層よりも低濃度に第1導電型の不純物を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)とを含み、
上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ上記第1の原料ガスの供給量を小さくして上記第1の原料ガスと上記第2の原料ガスとの供給量の比を変え、上記不純物ドーパントガスの供給量を大きくすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ上記不純物ドーパントガスの供給量を大きくすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14または15に記載の半導体装置の製造方法において、
上記工程(a)の開始時には、上記工程(b)の開始時に比べ基板温度を低くすることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14〜16のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記工程(a)は、上記不純物ドーパントガスの供給量を連続的に減少させる工程(a1)をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14〜17のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記半導体基板はSiCから構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1の高濃度不純物ドープ層及び第1の半導体層は共にSiCから構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14〜19のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記不純物ドーパントガスは窒素またはホスフィンであり、上記第1の原料ガスは炭素の原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項20に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1の原料ガスは、プロパン,メタン,アセチレン,エタン,エチレン,プロピレン及びブタンのうちから選ばれた1つであることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項14〜19のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記不純物ドーパントガスはトリメチルアルミニウムガスまたはジボランであり、
上記第1の原料ガスはシリコンの原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項22に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1の原料ガスはシランガスまたはジシランガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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