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JP4282643B2 - 歪評価装置及び歪評価方法 - Google Patents

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JP4282643B2 JP2005249129A JP2005249129A JP4282643B2 JP 4282643 B2 JP4282643 B2 JP 4282643B2 JP 2005249129 A JP2005249129 A JP 2005249129A JP 2005249129 A JP2005249129 A JP 2005249129A JP 4282643 B2 JP4282643 B2 JP 4282643B2
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Description

本発明は、被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価装置及び歪評価方法に関する。
鋼板を用いて作製された車両のドアパネルなどのボディ表面には、鋼板の板厚、組成などに応じて、設計通りに作製されたのとは異なる形状(つまり、歪)が発生することがある。そして、その歪が許容できる程度のものであるか否かの判定が、熟練した人間の感性による官能評価に依って行われている。但し、長い年月の間、様々な歪を見てきた経験のある熟練者でなければ、歪の程度の評価を一定の基準の下で的確に行えない。そのため、ボディ表面などの被測定面の歪から何らかの特徴を機械的に抽出して、歪の程度の官能評価を定量的に行うことを目的とした歪評価装置が提案されている。
特許文献1に記載の歪評価装置では、被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分し、歪を表す特徴としてその2次微分値データの最大値と最小値との差分値などを抽出して、歪の評価値を予測する予測式に代入する手法を採用している。詳細には、計測された被測定面の断面形状線と、設計データそのものの値などの理想曲線との差分を演算して、被測定面に生じている大小すべての歪を含む面歪形状線を得ている。そして、導出された大小すべての歪を含む面歪形状線を2次微分し、その2次微分値の最大値と最小値との差分値を歪評価に用いている。この二次元計測データ(面歪形状線)の2次微分値は被測定面の断面の曲率データに相当し、2次微分値の絶対値が大きくなるほど、大きな歪が発生していると判定できる。
特許第3015615号公報
特許文献1に記載の歪評価装置では、例えば、歪の程度を評価するための特徴として二次元計測データ(面歪形状線)の2次微分値の最大値と最小値との差分値を用いているが、これは、被測定面に存在する大小すべての歪を含むデータを被測定面の歪評価に用いていることを意味している。人間による官能評価では、歪が存在していても、それが目立たなければ許容されることがあるが、二次元計測データの2次微分値をデータ処理せずにそのまま用いる従来の手法では、人間による官能評価では許容されるような小さい歪までも問題視していることになる。
また、2次微分値の絶対値が大きければ、大きな歪が発生しているとの歪評価が下されるべきであるが、特許文献1に記載の歪評価装置ではそのような歪評価が行われないことがある。例えば、正方向に絶対値の大きなピーク(最大値)を有し、負方向に絶対値の小さなピーク(最小値)を有する波形、正方向と負方向とに絶対値の均等なピーク(最大値及び最小値)を有する波形、正方向に絶対値の小さなピーク(最大値)を有し、負方向に絶対値の大きなピーク(最小値)を有する波形などがあるが、特許文献1に記載の歪評価装置では、2次微分値の最大値と最小値との差分値が同じであれば、上記三種類の波形の何れであっても歪評価の結果は同じである。
従って、従来の歪評価装置による歪の評価結果は、本来意図していた人間による官能評価結果とは異なってしまい、被測定面における歪を定量的に評価しているとは言えない。
また、鋼板のスプリングバックにより、歪ではない被測定面の元々の形状が変形して、その断面形状線が設計データとは異なってしまうこともあり、その場合には、歪ではない被測定面の元々の形状までもが歪と見なされることになる。つまり、特許文献1に記載の歪評価装置では、断面形状線と理想曲線との差分を演算して、被測定面に生じている歪のみを含む面歪形状線を得ようとしているものの、その差分値には、歪だけでなく被測定面の元々の形状までもが含まれることになる。更には、歪が発生していなくても、スプリングバックによる被測定面の元々の形状が歪と判定される可能性もある。
更に、特許文献1に記載の歪評価装置では、2次微分値を監視してその最大値と最小値との差分値を導出する演算を行っているため、常に一定以上の演算負荷が発生するという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定面における歪を定量的に評価可能な歪評価装置及び歪評価方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価装置の第1特徴構成は、被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価装置であって、
前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分手段と、
基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出手段とを備え、
前記2次微分手段は、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
前記歪データ抽出手段は、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価手段を備え、
三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、
前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の体積を導出する歪体積導出手段とを備え、
前記歪程度評価手段は、前記特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価方法の第2特徴構成は、被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価方法であって、
前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分工程と、
基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、
前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出工程とを備え、
前記2次微分工程で、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
前記歪データ抽出工程で、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価工程を備え、
三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出工程と、
前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の体積を導出する歪体積導出工程とを備え、
前記歪程度評価工程で、前記特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する点にある。
上記断面の曲率データとは、断面の二次元計測データを微分して断面の各点における傾きデータを得て、更に、その断面の各点における傾きデータを微分して得た断面の傾きの変化を表すデータのことである。例えば、断面が一つの円のような一定の曲率の形状である場合、断面の傾きは一定量ずつ変化するので、断面の各点における傾きの変化量データは一定となる。他方で、断面が例えば正弦波のような複数の曲率を有する円を組み合わせた形状である場合、断面の各点における傾きの変化量は一定とはならない。以上のように、2次微分手段は(2次微分工程では)、被測定面の凹凸を表す特定の断面の二次元計測データを2次微分することで、断面の曲率データを導出していると言える。
上記特徴構成によれば、2次微分手段が(2次微分工程で)、被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、断面の曲率データを導出し、許容範囲設定手段が(許容範囲設定工程で)、基準値からの上限値及び下限値の範囲によって上記曲率データに関する設定許容範囲を設定し、歪データ抽出手段が(歪データ抽出工程で)、上記曲率データのうち上記設定許容範囲を超えるデータを、断面における歪を表す歪データとして抽出する。つまり、本特徴構成の歪評価装置(歪評価方法)は、設定許容範囲内にある絶対値の小さい曲率データを歪とは見なさないデータ処理を行っている。このデータ処理は、人間による官能評価において、小さい歪を許容していることと同じである。
また、許容範囲設定手段が(許容範囲設定工程で)基準値からの上限値及び下限値の範囲によって上記設定許容範囲を設定するので、曲率データのうちのどれを歪データとして抽出するのかを自在に設定することができる。つまり、鋼板のスプリングバックにより被測定面の元々の形状が変形したとしても、上記基準値を増加又は減少させて、被測定面の元々の形状を表す断面の二次微分値と同等の値に設定しておけば、スプリングバックによる被測定面の元々の形状が歪と見なされないようにできる。
加えて、歪データ抽出手段は(歪データ抽出工程では)、上記歪データを抽出するときに上記曲率データと上記設定許容範囲とを比較するだけでよいので、大きな演算負荷発生することもない。
以上のように、本特徴構成の歪評価装置(歪評価方法)において歪の評価結果の元となる上記歪データは、人間による歪の官能評価結果の元となる情報と類似しており、よって、被測定面における歪を定量的に評価できる。
また、歪程度評価手段が(歪程度評価工程で)、三次元の歪データに基づいて被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価するので、被測定面の三次元形状に含まれる歪の程度を定量的に評価できる。
さらに、歪長さ導出手段が(歪長さ導出工程で)、三次元の歪データに基づいて特定の歪領域の長さを導出し、歪体積導出手段が(歪体積導出工程で)、三次元の歪データに基づいて特定の歪領域の体積を導出し、歪程度評価手段が(歪程度評価工程で)、特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、特定の歪領域の歪の程度を評価するので、被測定面の三次元形状に含まれる特徴(歪領域の長さ及び体積)を用いて歪の程度を定量的に評価できる。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価装置の第3特徴構成は、被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価装置であって、
前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分手段と、
基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出手段とを備え、
前記2次微分手段は、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
前記歪データ抽出手段は、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価手段を備え、
三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、
前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さに垂直な幅をその長さ方向に沿って積算して、前記特定の歪領域の面積を導出する歪面積導出手段とを備え、
前記歪程度評価手段は、前記特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価方法の第4特徴構成は、被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価方法であって、
前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分工程と、
基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、
前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出工程とを備え、
前記2次微分工程で、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
前記歪データ抽出工程で、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価工程を備え、
三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出工程と、
前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さに垂直な幅をその長さ方向に沿って積算して、前記特定の歪領域の面積を導出する歪面積導出工程とを備え、
前記歪程度評価工程で、前記特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する点にある。
上記断面の曲率データとは、断面の二次元計測データを微分して断面の各点における傾きデータを得て、更に、その断面の各点における傾きデータを微分して得た断面の傾きの変化を表すデータのことである。例えば、断面が一つの円のような一定の曲率の形状である場合、断面の傾きは一定量ずつ変化するので、断面の各点における傾きの変化量データは一定となる。他方で、断面が例えば正弦波のような複数の曲率を有する円を組み合わせた形状である場合、断面の各点における傾きの変化量は一定とはならない。以上のように、2次微分手段は(2次微分工程では)、被測定面の凹凸を表す特定の断面の二次元計測データを2次微分することで、断面の曲率データを導出していると言える。
上記特徴構成によれば、2次微分手段が(2次微分工程で)、被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、断面の曲率データを導出し、許容範囲設定手段が(許容範囲設定工程で)、基準値からの上限値及び下限値の範囲によって上記曲率データに関する設定許容範囲を設定し、歪データ抽出手段が(歪データ抽出工程で)、上記曲率データのうち上記設定許容範囲を超えるデータを、断面における歪を表す歪データとして抽出する。つまり、本特徴構成の歪評価装置(歪評価方法)は、設定許容範囲内にある絶対値の小さい曲率データを歪とは見なさないデータ処理を行っている。このデータ処理は、人間による官能評価において、小さい歪を許容していることと同じである。
また、許容範囲設定手段が(許容範囲設定工程で)基準値からの上限値及び下限値の範囲によって上記設定許容範囲を設定するので、曲率データのうちのどれを歪データとして抽出するのかを自在に設定することができる。つまり、鋼板のスプリングバックにより被測定面の元々の形状が変形したとしても、上記基準値を増加又は減少させて、被測定面の元々の形状を表す断面の二次微分値と同等の値に設定しておけば、スプリングバックによる被測定面の元々の形状が歪と見なされないようにできる。
加えて、歪データ抽出手段は(歪データ抽出工程では)、上記歪データを抽出するときに上記曲率データと上記設定許容範囲とを比較するだけでよいので、大きな演算負荷が発生することもない。
以上のように、本特徴構成の歪評価装置(歪評価方法)において歪の評価結果の元となる上記歪データは、人間による歪の官能評価結果の元となる情報と類似しており、よって、被測定面における歪を定量的に評価できる。
また、歪程度評価手段が(歪程度評価工程で)、三次元の歪データに基づいて被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価するので、被測定面の三次元形状に含まれる歪の程度を定量的に評価できる。
さらに、歪長さ導出手段が(歪長さ導出工程で)、三次元の歪データに基づいて特定の歪領域の長さを導出し、歪面積導出手段が(歪面積導出工程で)、三次元の歪データに基づいて、特定の歪領域の長さに垂直な幅をその長さ方向に沿って積算して、特定の歪領域の面積を導出し、歪程度評価手段が(歪程度評価工程で)、特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、特定の歪領域の歪の程度を評価するので、被測定面の三次元形状に含まれる特徴(歪領域の長さ及び面積)を用いて歪の程度を定量的に評価できる。
本発明に係る面歪評価装置の別の第5特徴構成は、前記許容範囲設定手段は、前記被測定面の特性に応じて前記基準値、前記上限値及び前記下限値の少なくとも何れか一つを変更する点にある。
被測定面が平坦であれば断面の2次微分値は零(断面の曲率データは零)であるが、被測定面の断面形状が元々カーブしている場合には、上述した曲率データもその断面形状と同じく変化し、元々の断面形状を表す断面の曲率データが、上記設定許容範囲を超えることもある。そのときは、歪が発生していなくても、被測定面自体の元々の形状を表す断面の曲率データが歪データと見なされる可能性もある。
そこで、上記特徴構成によれば、許容範囲設定手段が、被測定面の元々の断面形状などの特性に応じて、上記基準値、上限値及び下限値の少なくとも何れか一つを変更するので、被測定面に生じた歪が選択的に歪データとして抽出されるようになる。その結果、被測定面における歪を定量的に評価できるようになる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態による非接触三次元計測システム及び歪評価装置40の機能ブロック図である。この非接触三次元計測システムは、鋼板を金型でプレス加工して作製されたドアパネルの形状を非接触で三次元計測するものであり、測定ヘッド移動手段としてのロボットハンド10と、ロボットハンド10によるドアパネル追従走査の下で位相シフトしながら被検査面上に投影される格子パターンの撮像画像を縞解析して撮像画像の画素毎に三次元座標値を求め、画素毎に三次元距離データを割り当てられた測定画像(正確には画像を構成する画素の値が三次元距離データであり、一般的な画像とは異なるが、ここでは理解し易いように測定画像と呼ぶことにする)を出力する非接触三次元測定手段20と、この非接触三次元測定手段20から順次送られてくるドアパネルの一部の測定画像を処理してドアパネル全体の三次元計測データを生成する三次元計測コンロトールユニット30とを備えている。また、歪評価装置40は、コンピュータなどの演算処理装置と所定のプログラムとの組み合わせによって実現できる。
ロボットハンド10自体は公知のものであり、先端に三次元位置移動可能なツール装着部11aを有するアーム機構11と、このアーム機構11の動きを制御するロボットハンドコントローラ12からなる。
非接触三次元測定手段20は、格子パターンを被測定面に投影するプロジェクタとして機能する縞投影部21aと被測定面に投影されて変形した格子像を撮影するカメラ部21bとからなる測定ヘッド21と、縞投影部21aやカメラ部21bを制御する制御部22と、カメラ部21bから送られてきた撮像画面の画像を分析して上述した測定画像を生成出力する三次元距離データ測定部23を備えている。このような非接触三次元測定手段20は、格子パターン投影に位相シフトを組み合わすことによってより精度の高い測定が可能となるが、その測定原理やしくみは公知であり、例えば、特開2004−317495号公報や特開2002−257528号公報に説明されている。測定ヘッド21はロボットハンド10のツール装着部11aに取り付けられているので、任意の三次元位置に移動して、三次元測定を行うことができる。
ここで、カメラ部21bで取得された撮影画像とその撮影画像に対応する測定画像について図2を用いて説明する。撮影画像は、縞投影部21aによって被測定面に投影された格子パターンが被測定面に曲面ないしは形状変化によって変形した変形格子パターンをこの撮影画像を構成する各画素の画素値である濃度の変化で示している。この撮影画像における被測定面の形状変化によって変化する変形格子パターンを画像分析することで、各画素(必ずしも撮影画像の画素と1対1の関係でなくてもよい)の三次元座標値つまり三次元距離データが算定される。このように、各画素の画素値として濃度に代えて、三次元距離データが割り当てられたものをここでは測定画像と称しており、例えば、測定画像の特定の画素Pnは(Xn,Yn,Zn)という三次元座標値(三次元距離データ)である画素値をもつことになる。
上述のようにして生成された三次元計測データは、三次元計測コントロールユニット30から歪評価装置40へ渡される。以下に、歪評価装置40の構成と、歪評価装置40を用いて行われる歪評価方法とについて説明する。
図1に示すように、歪評価装置40は、上記三次元計測データのうち、被測定面の凹凸を表す特定の断面の二次元計測データを2次微分して、断面の曲率データを導出する2次微分手段41と、基準値からの上限値及び下限値の範囲によって上記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定手段43と、上記曲率データのうち設定許容範囲を超えるデータを、上記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出手段42とを備える。また、2次微分手段41は、複数の断面毎の曲率データを被測定面に渡って三次元で導出している。
上述のように、2次微分手段41は、断面の曲率データを導出するものである。具体的に説明すると、断面の二次元計測データを微分すると断面の各点における傾きデータが得られ、更に、断面の各点における傾きデータを微分すると傾きの変化量データが得られる。例えば、断面が一つの円のような一定の曲率の形状である場合、断面の傾きは一定量ずつ変化するので、断面の各点における傾きの変化量データは一定となる。他方で、断面が例えば正弦波のような複数の曲率を有する円を組み合わせた形状である場合、断面の各点における傾きの変化量は一定とはならない。以上のように、2次微分手段41は、被測定面の凹凸を表す特定の断面の二次元計測データを2次微分することで、断面の曲率データを導出していると言える。
図3は、後述する歪データをその値の大きさに応じたグレースケールで描いたものである。つまり、2次微分手段41が導出した断面の曲率データを、被測定面の互いに平行な複数の断面で導出して三次元で描いたものである。本実施形態で被測定面として例示するのは、ドアハンドルの取付部2である。図3に示すように、ドアハンドルの取付部2が横方向に配置されており、取付部2の左右端部の上下の合計4カ所に歪領域G1〜G4が生じている。図4(a)は、ドアハンドルの取付部2から上方向(L軸の正方向)に距離:aだけ離れた位置における断面A−A’の形状線(破線で示す)と、その二次元計測データを2次微分して導出した曲率データ(実線で示す)のグラフである。また、図4(b)は、ドアハンドルの取付部2から上方向(L軸の正方向)に距離:bだけ離れた位置における断面B−B’の形状線(破線で示す)と、その二次元計測データを2次微分して導出した曲率データ(実線で示す)のグラフである。但し、図4では、断面の二次元計測データを2次微分した値に−1を乗算したものを、曲率:(1/ρ)のデータとしている。また、ρは断面を形作る円周の半径である。以上のように、本実施形態では二次元計測データを2次微分した値に−1を乗算しているので、断面が上に凸の形状であれば、それに対応する部位の断面の曲率データも上に凸の形状で現れ、断面が下に凸の形状であれば、それに対応する部位の断面の曲率データも下に凸の形状で現れる。
また、図4には、曲率データに関する設定許容範囲を示している。この設定許容範囲は、許容範囲設定手段43により、所定の基準値からの上限値及び下限値の範囲によって設定される。設定許容範囲は、上述した曲率データのうち、上記断面における歪を表す歪データを抽出するためのものである。
基準値は、被測定面の元々の断面形状に基づいて設定できる。つまり、歪が発生していない状態の被測定面の断面を2次微分したときの2次微分値データを基準値とすることができる。本実施形態では、取付部2の元々の被測定面の曲率が一定であるので基準値は一定値に設定している(特に、被測定面の曲率が零の平坦面であれば、基準値=0に設定できる)。従って、被測定面に歪が発生していなければ、断面の曲率データは基準値に等しくなる。
しかし、被測定面に歪が発生すると断面の曲率データは基準値から逸脱する。具体的には、被測定面に小さな曲率を有する歪(断面の各点における傾きが緩やかに変化する歪)が発生すると、基準値からの、断面の曲率データの逸脱量は小さく現れる。他方で、被測定面に大きな曲率を有する歪(断面の各点における傾きが急激に変化する歪)が発生すると、基準値からの、断面の曲率データの逸脱量は大きく現れる。従って、曲率データが上記設定許容範囲内にある部位は歪ではなく、曲率データが上記設定許容範囲を超える部位は歪であると見なせる。
つまり、歪データ抽出手段42は、曲率データのうち、上限値以上であるデータ、及び、下限値以下であるデータを、その断面における歪を表す歪データとして抽出する。
このように、曲率データのうち、上限値以上であるデータ、及び、下限値以下であるデータを、その断面における歪を表す歪データとすることで、例えば小さすぎる歪(断面の各点における傾きが非常に緩やかに変化し、見た目には分からないような歪)などの無用な歪データが抽出されないようになる。
そして、歪程度評価手段46は、被測定面に渡って導出された三次元の歪データに基づいて、被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する。
以下に、歪程度評価手段46が実行する、被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度の評価について説明する。
図3は、歪データ抽出手段42が抽出した歪データを、その値の大きさに応じたグレースケールの分布で描いたものであり、例えば、歪評価装置40に接続される表示装置(図示せず)に表示させることができる。つまり、図3には、断面の曲率データのうち設定許容範囲を上回る分の値、及び、下回る分の値を示している。そして本実施形態では、図示するように合計4カ所の歪領域G1〜G4が取付部2の周囲に現れている。また、本実施形態では、各断面に垂直な方向(L軸方向)に沿った歪領域の広がりを、歪長さ:L(図3に示す歪領域G1の歪長さはL1で表す)とする。歪長さ導出手段44は、歪データ抽出手段42によって抽出された三次元の歪データに基づいて、上述のような特定の歪領域G1〜G4のそれぞれの長さを自動的に導出する。
図5は、複数の断面毎の曲率データと上記設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフである。図5に示す各断面の曲率データのうち、上限値以上のデータが、歪データである。そして、各断面における上限値以上の領域を断面積:S1とする。従って、この断面積:S1が連続して存在する領域が歪領域:Ga、Gbになる。
そして、歪体積導出手段45は、各断面における断面積:S1を歪長さ:Lに渡って積算することで、各歪領域:Ga、Gbの体積を導出する。
以上のように、歪長さ導出手段44及び歪体積導出手段45を用いることで、特定の歪領域の長さ及び体積が導出されることになる。そして、本実施形態の歪評価装置40においては、歪程度評価手段46が、特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、所定の評価基準データと上記歪評価用データとの比較を行うことにより、上記特定の歪の程度を評価している。この評価基準データは、特定の歪領域に対する人間による官能評価結果と、本実施形態による導出される歪領域の長さ及び体積の組み合わせによる歪評価用データとを比較することで、経験的に導出可能である。
図6は、歪評価用データと評価基準データの比較結果を示すグラフであり、本発明の歪評価装置40により10個の歪領域について導出された歪評価用データをまとめてプロットしている。また、この比較結果を示すグラフは、歪評価装置40に接続される表示装置(図示せず)に表示させることができる。但し、図6において、横軸は歪長さであり、縦軸は歪体積である。また、これら10個の歪領域について人間による官能評価を別に行い、その官能評価結果(5点(良い)〜1点(悪い))は、プロットするマーカの種類を異ならせることで表示している。
図6に示すように、本発明の歪評価装置40は、歪長さが長くなるほど、及び、歪体積が大きくなるほど、歪領域の歪の程度の評価を低く(悪く)するように評価基準データを設定している。図6において、人間による官能評価結果が悪かった(1点〜2点)3個の歪領域は、本発明の歪評価装置40による評価結果でも同様に悪い評価を下されている。他方で、人間による官能評価結果が良かった(3点〜5点)7個の歪領域は、本発明の歪評価装置40による評価結果でも同様に良い評価を下されている。
つまり、本発明の歪評価装置40において、歪程度評価手段46が、特定の歪領域の長さ(つまり、歪領域の広がり)と体積(つまり、歪領域の強さ)との組み合わせを歪評価用データとし、所定の評価基準データと上記歪評価用データとの比較を行うことによる歪の程度の評価は、人間の官能評価結果と整合性のあるものとなっている。
以上のように、本実施形態の歪評価装置40は、設定許容範囲内にある絶対値の小さい曲率データを歪とは見なさないデータ処理を行っており、このデータ処理は、人間が歪の程度の官能評価において小さい歪を許容していることと実質的に同じである。つまり、本実施形態の歪評価装置40において歪の評価結果の元となる上記歪データは、人間による歪の官能評価結果の元となる情報と類似している。
従って、従来は熟練した人間の感性による官能評価に依って行われていた歪の程度の評価を、本実施形態の歪評価装置40によって定量的に導き出せることになる。つまり、修正する必要のある歪を一貫性のある基準の下で容易に選定できるので、無用な歪修正及び歪修正のやり残しを無くすことができる。また、歪評価装置40を用いて、プレス加工により作製されたボディ表面(例えば、車両のドアパネル表面)に生じた歪を一定の基準の下で適切に発見できるので、そのプレス加工に用いた金型を、以後、歪を発生させないように適切に修正できるようになる。つまり、プレス加工に用いる金型の検査を行うためにも、本発明の歪評価装置40を利用できる。
また、経験の少ない人間が自らの感性によって官能評価を行うときには、歪評価装置40により定量的に導き出された、熟練した人間の感性によるのと同様の歪の評価結果を参照できる。つまり、経験の少ない人間が歪の程度の評価結果を導き出すための感性を磨くために、歪評価装置40により導き出される定量的な評価結果を参照できるという利点がある。
<第2実施形態>
第2実施形態の歪評価装置50は、歪程度評価手段46が、特定の歪領域の長さと領域面積との組み合わせを歪評価データとする点で、第1実施形態と異なっている。以下に、第2実施形態の歪評価装置50について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図7は、第2実施形態による非接触三次元計測システム及び歪評価装置50の機能ブロック図である。第2実施形態の歪評価装置50は、特定の歪領域の領域面積を導出する歪面積導出手段47を備え、歪程度評価手段46は、特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと上記歪評価用データとの比較を行うことにより、特定の歪領域の歪の程度を評価する。
図8は、図5と同様に、複数の断面毎の曲率データと上記設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフである。そして、上限値と交わる部分の長さ、つまり、歪領域の幅:Wがある。よって、歪面積導出手段47は、歪データ抽出手段42によって抽出された三次元の歪データに基づいて、特定の歪領域の長さ方向(L軸方向)に垂直な幅:Wをその長さ:L方向に沿って積算して、その特定の歪領域の面積S2を導出する。
そして、歪程度評価手段46は、特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、所定の評価基準データと上記歪評価用データとの比較を行うことにより歪の程度を評価する。図9は、歪評価用データと評価基準データの比較結果を示すグラフであり、本発明の歪評価装置50により10個の歪領域について導出された歪評価用データをまとめてプロットしている。但し、図9において、横軸は歪長さであり、縦軸は歪面積である。また、これら10個の歪領域について人間による官能評価を別に行い、その官能評価結果(5点(良い)〜1点(悪い))は、プロットするマーカの種類を異ならせることで表示している。
図9に示すように、本発明の歪評価装置50は、第1実施形態と同様に、歪長さが長くなるほど、及び、歪面積が大きくなるほど、歪領域の歪の程度の評価を低く(悪く)するように評価基準データを設定している。この評価基準データは、特定の歪領域に対する人間による官能評価結果と、本実施形態による導出される歪領域の長さ及び面積の組み合わせによる歪評価用データとを比較することで、経験的に導出可能である。
図9において、人間による官能評価結果が悪かった(1点〜2点)3個の歪領域は、本発明の歪評価装置50による評価結果でも同様に悪い評価を下されている。他方で、人間による官能評価結果が良かった(3点〜5点)7個の歪領域は、本発明の歪評価装置50による評価結果でも同様に良い評価を下されている。つまり、本発明の歪評価装置50において、歪程度評価手段46が行う歪の程度の評価は、人間の官能評価結果と整合性のあるものとなっている。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、許容範囲設定手段43は、基準値、上限値及び下限値を適宜変更してもよい。例えば、図10(a)は、図4(a)に示した許容設定範囲のうち、上限値を変更したときの許容設定範囲の設定例である。例えば、被測定面に歪が存在していても、それが目立ち難い部位(例えば、元々の被測定面の断面形状が波打っている部位など)では、上限値及び下限値を大きくして、曲率データが大きくても歪データとして抽出されないようにできる。逆に、歪が小さくても目立ち易い部位(例えば、元々の被測定面の断面形状が平坦である部位など)では、上限値及び下限値を小さくして、曲率データが小さくても歪データとして抽出されるようにできる。
また、図10(b)は、図4(b)に示した許容設定範囲のうち、被測定面の特定の部位の基準値を選択的に変更したときの許容設定範囲の設定例である。具体的には、基準値を部分的に減少させている。このように、上限値及び下限値だけでなく、基準値を変更してもよい。例えば、被測定面の元々の断面形状が平坦ではなくカーブしていることで、曲率データが零では無い場合、被測定面の元々の断面形状の2次微分値データ(曲率データ)を基準値として設定すればよい。
以上のように、被測定面の設計された元々の断面形状などの様々な特性に応じて、基準値、上限値及び下限値を適宜設定してもよい。
<2>
上記実施形態では、図6及び図9のそれぞれに示したように、歪評価用データを一つの評価基準データと比較し、特定の歪領域の歪の程度を「良」及び「悪」の2段階で評価していたが、歪評価用データを段階的に設定された複数の評価基準データと比較してもよい。そして、特定の歪領域の歪の程度を更に段階的に評価してもよい。例えば、2つの評価基準データを用意する場合には、図6及び図9に例示した評価基準データの曲線と同形状の別の曲線を、互いに交わらないように並べて設定すればよい。そうすることで、特定の歪領域の歪の程度を「良」、「可」及び「悪」といった3段階で評価できる。
本発明の歪評価装置は、自動車などの車両のボディ表面の歪を定量的に評価する際に利用できる。従って、プレス加工により作製されたボディ表面(例えば、車両のドアパネル表面)に生じた歪を一定の基準の下で適切に発見できるので、そのプレス加工に用いた金型を、以後、歪を発生させないように適切に修正できるようになる。つまり、プレス加工に用いる金型の検査を行うためにも、本発明の歪評価装置を利用できる。
また、ボディ形状の設計、金型の設計、プレス加工、歪評価、金型修正といった工程を繰り返し行って技術の蓄積を行うことで、歪が発生し難いボディ形状の設計及び金型の設計を行う際のCAE(computer-aided engineering)を含めた予測技術を向上させることができる。
更に、歪の程度の評価結果が定量的に行われることを利用して、人間の感性による歪の程度の官能評価が適当か否かを判定するために、つまり、経験の少ない人間を熟練者へ育成するという技術継承に利用できる。
第1実施形態による非接触三次元計測システム及び歪評価装置の機能ブロック図 測定ヘッドで取得された撮影画像とその撮影画像から得られる測定画像についての説明図 断面の歪データを、被測定面に渡って三次元で描いた図 (a)は図3の断面A−A’における形状線と、その二次元計測データを2次微分したデータのグラフであり、(b)は図3の断面B−B’における形状線と、その二次元計測データを2次微分したデータのグラフ 複数の断面毎の曲率データと設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフ 歪領域の長さと体積との組み合わせによる歪評価用データと評価基準データとの比較結果を示すグラフ 第2実施形態による非接触三次元計測システム及び歪評価装置の機能ブロック図 複数の断面毎の曲率データと設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフ 歪領域の長さと面積との組み合わせによる歪評価用データを評価するための評価基準データを示すグラフ 許容設定範囲を変更したときのグラフ
40 歪評価装置
41 2次微分手段
42 歪データ抽出手段
43 許容範囲設定手段
44 歪長さ導出手段
45 歪体積導出手段
46 歪程度評価手段
47 歪面積導出手段

Claims (5)

  1. 被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価装置であって、
    前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分手段と、
    基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
    前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出手段とを備え、
    前記2次微分手段は、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
    前記歪データ抽出手段は、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
    三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価手段を備え、
    三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、
    前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の体積を導出する歪体積導出手段とを備え、
    前記歪程度評価手段は、前記特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する歪評価装置。
  2. 被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価方法であって、
    前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分工程と、
    基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、
    前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出工程とを備え、
    前記2次微分工程で、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
    前記歪データ抽出工程で、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
    三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価工程を備え、
    三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出工程と、
    前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の体積を導出する歪体積導出工程とを備え、
    前記歪程度評価工程で、前記特定の歪領域の長さと体積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する歪評価方法。
  3. 被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価装置であって、
    前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分手段と、
    基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
    前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出手段とを備え、
    前記2次微分手段は、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
    前記歪データ抽出手段は、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
    三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価手段を備え、
    三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、
    前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さに垂直な幅をその長さ方向に沿って積算して、前記特定の歪領域の面積を導出する歪面積導出手段とを備え、
    前記歪程度評価手段は、前記特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する歪評価装置。
  4. 被測定面の三次元計測データに基づいて歪の評価を行う歪評価方法であって、
    前記被測定面の凹凸を表す断面の二次元計測データを2次微分して、前記断面の曲率データを導出する2次微分工程と、
    基準値からの上限値及び下限値の範囲によって前記曲率データに関する設定許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、
    前記曲率データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記断面における歪を表す歪データとして抽出する歪データ抽出工程とを備え、
    前記2次微分工程で、複数の断面毎の前記曲率データを前記被測定面に渡って三次元で導出し、
    前記歪データ抽出工程で、前記断面毎の前記歪データを前記被測定面に渡って三次元で抽出し、
    三次元の前記歪データに基づいて前記被測定面に存在する特定の歪領域の歪の程度を評価する歪程度評価工程を備え、
    三次元の前記歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さを導出する歪長さ導出工程と、
    前記三次元の歪データに基づいて、前記特定の歪領域の長さに垂直な幅をその長さ方向に沿って積算して、前記特定の歪領域の面積を導出する歪面積導出工程とを備え、
    前記歪程度評価工程で、前記特定の歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の歪領域の歪の程度を評価する歪評価方法。
  5. 前記許容範囲設定手段は、前記被測定面の特性に応じて前記基準値、前記上限値及び前記下限値の少なくとも何れか一つを変更する請求項1又は3記載の歪評価装置。
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