JP4112049B2 - 低収縮コンクリート組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート組成物に関し、より詳細には高強度、高密度で低収縮のコンクリート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高強度コンクリート、高流動コンクリート等においては、高い密度、強度等を得る等の目的で、骨材として通常絶乾比重2.5以上の粗骨材が用いられ、また配合時の水/粉体比が25〜50%程度の低い値とされる。しかしながら、このような低い水/粉体比でコンクリートを硬化させた場合、自己収縮に伴うひび割れが発生し、強度発現が却って阻害されることが問題となる。
【0003】
自己収縮は、表面からの乾燥の有無によらず、むしろ水粉体比の影響を著しく受ける。自己収縮によるひび割れの発生を防ぐためには、硬化の初期の過程(材令1週間以内)で、セメント粒子近傍に水分を十分存在させることが必要となるが、外部からの水の供給は困難である。また、外部から養生水を供給し、湿潤養生を行うとしても、工程が煩雑となり、また工期が延長する。また、マスコンクリートの場合や、型枠面、左官仕上面、地盤に直接接する面等を多く有するコンクリートの場合は、養生水の供給自体が困難であるため、養生水が供給できない内部でのひび割れが発生し、貫通ひび割れの原因となる。
【0004】
あるいは、乾燥収縮によるひび割れの発生を防ぐためにも、上記と同様なことが言える。
【0005】
従って、高強度且つ高密度であっても、自己収縮、乾燥収縮が少なく、ひび割れが発生しないコンクリートが求められている。
【0006】
なお、粗骨材として絶乾比重1.4未満の軽量粗骨材のみを含み、低い密度を得ることが意図される軽量コンクリートにおいて、さらなる軽量化を意図し、細骨材として絶乾比重1.8未満の軽量細骨材を用いることは知られているが、絶乾比重2.5以上の粗骨材を含む通常のコンクリートにおいて、収縮性を低減することを意図して軽量細骨材を含有させることは従来知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高強度コンクリート、高流動コンクリート等の高い密度及び強度が求められるコンクリートにおいて、養生水の供給を行わなくても自己収縮や乾燥収縮を低減でき、ひび割れが少なく、少ない工程で高強度を発現できるコンクリートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、意外なことに、従来軽量コンクリートのさらなる軽量化に用いられていた軽量細骨材を、高強度コンクリート等に若干量添加することにより、水分を含みやすい軽量細骨材が硬化の過程においてコンクリート内部でコンクリート中に水分を供給し、養生水を供給しなくてもひび割れを防ぐことができることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明によれば、比重2.5以上の粗骨材、15%以上の空隙率を有するか、水分を10%以上含有することができる軽量細骨材、セメント及び水を含有することを特徴とする低収縮コンクリート組成物が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の低収縮コンクリート組成物は、粗骨材、軽量細骨材、セメント及び水を含有する。
【0011】
前記粗骨材は、絶乾比重2.5以上であれば特に限定されず、砕石、高炉スラグ、川砂利等の通常の粗骨材を用いることができる。
【0012】
本発明の低収縮コンクリート組成物中の前記粗骨材の配合割合は、800〜1200kg/m3、特に900〜1100kg/m3であることが好ましい。
【0013】
前記軽量細骨材とは、絶乾比重1.8以下の細骨材である。前記軽量細骨材は、15%以上の空隙率を有するか、水分を10%以上含有することができる細骨材であることが好ましい。空隙率とは、骨材粒子内部の空隙の量を示し、体積割合で表す。また、水分を10%以上含有することができるとは、前記空隙に浸入し、内部気泡の空気を置換して内部に浸透した水量が、骨材重量の10%以上となりうることをいう。
【0014】
前記軽量細骨材の材質は、特に限定されず、膨脹性粘土、頁岩の焼成品等の人工軽量細骨材、火山礫、軽石等の天然軽量細骨材、膨脹スラグ等の副産軽量細骨材等を用いることができる。
【0015】
本発明の低収縮コンクリート組成物中の前記軽量細骨材の配合割合は、300〜900kg/m3、特に300〜600kg/m3であることが好ましい。300kg/m3以上とすることにより十分に水分を供給し本発明の効果を得ることができ、また600kg/m3以下とすることにより、強度、密度等が低下しないようにすることができ好ましい。
【0016】
本発明の低収縮コンクリート組成物中の前記軽量細骨材の最適な含有割合は、前記軽量細骨材がどれだけ含水できるかに応じて異なる。具体的には、本発明の効果を得るためには、前記軽量細骨材中に、コンクリート組成物1m3当り50kg程度にあたる量の水分が含まれていれば十分である。従って、例えば水分を15重量%程度含有することができる軽量細骨材であれば、300〜400kg/m3、最適には333kg/m3程度含有させることにより、十分な本発明の効果を得ることができる。
【0017】
本発明の低収縮コンクリート組成物に含まれるセメントとしては、ポルトランドセメントや混合セメント等を用いることができる。
【0018】
本発明の低収縮コンクリート組成物中の前記セメントの配合割合は、他に粉体成分を配合しない場合であれば450〜700kg/m3とすることが好ましいが、他に石粉等の粉体成分を配合する場合であれば、粉体成分の合計として450〜700kg/m3の範囲とすることが好ましい。
【0019】
本発明の低収縮コンクリート組成物に含まれる水の配合割合は、140〜185kg/m3とすることができる。
【0020】
本発明の低収縮コンクリート組成物は、前記特定の粗骨材、前記特定の軽量細骨材、セメント及び水を含有するが、これらに加えて、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、石粉等の混和材、減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤等の混和剤等の他の成分を含有してもよい。これら他の成分の配合割合は、混和材については30〜300kg/m3、混和剤については0.1〜20 l/m3が好ましい。
【0021】
本発明の低収縮コンクリートは、水/粉体比が40%以下であることが好ましい。ここで水/粉体比とは、セメント及び石粉等の粉体成分に対する水の配合割合をいう。
【0022】
通常、低水粉体比(W/C=30〜20%)のコンクリートの自己収縮率は、硬化開始後材令2週程度で400〜800×10-6程度生じる。これに対して本発明の低収縮コンクリートは、自己収縮率を100×10-6程度以下とすることができ、もしくは収縮を膨脹側に転ずることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明の低収縮コンクリート組成物は、特定の高比重の粗骨材に加えて、特定の軽量細骨材を含むので、養生水の供給を行わなくても自己収縮や乾燥収縮を低減しながら硬化し、ひび割れが少なく、少ない工程で高強度を発現できる。従って、RC高層建物、PC構造物等に用いる高強度コンクリート、締め固めが困難な施工条件に適合させるべく締め固め作業を不要とするために、粉体量を多くし水粉体比を小さくした高流動コンクリート等として有用である。
【0024】
【実施例】
以下実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】
(高強度コンクリート)
表乾比重2.6、粒径25mmの粗骨材(砕石)1092kg/m3、表乾比重2.6の細骨材(砕砂)100kg/m3、空隙率30%の軽量細骨材(商品名「メサライト」、日本メサライト工業株式会社製)330kg/m3、セメント(普通セメント)550kg/m3、水165kg/m3(水/粉体比30%)及び高性能減水剤5.5kg/m3を配合し、コンクリート組成物を得た。この組成物を、通常の打設の手順に従って硬化させた。但し、養生水の供給は行わなかった。
【0026】
得られた硬化物について、材令28日における圧縮強度を測定したところ、750kg/cm2であった。また、得られた硬化物には、ひび割れは認められなかった。
【0027】
【実施例2】
(高強度コンクリート)
表乾比重2.65、粒径20mmの粗骨材(砕石)996kg/m3、空隙率30%の軽量細骨材(商品名「メサライト」、日本メサライト工業株式会社製)440kg/m3、セメント(中庸熱ポルトランドセメント)660kg/m3、水165kg/m3(水/粉体比25%)及び高性能減水剤11.22kg/m3を配合し、コンクリート組成物を得た。この組成物を、通常の打設の手順に従って硬化させた。但し、養生水の供給は行わなかった。
【0028】
得られた硬化物について、材令28日における圧縮強度を測定したところ、900kg/cm2であった。また、得られた硬化物には、ひび割れは認められなかった。
【0029】
【実施例3】
(高流動コンクリート)
表乾比重2.60、粒径20mmの粗骨材(砕石)800kg/m3、表乾比重2.56の細骨材(海砂)360kg/m3、空隙率30%の軽量細骨材(商品名「メサライト」、日本メサライト工業株式会社製)300kg/m3、セメント(高炉セメントB種)200kg/m3、石灰石粉331kg/m3、水159kg/m3(水/粉体比29.9%)、高性能AE減水剤14.34kg/m3及び増粘剤0.1kg/m3を配合し、コンクリート組成物を得た。この組成物を、通常の打設の手順に従って硬化させた。但し、養生水の供給は行わなかった。
【0030】
得られた硬化物について、材令28日における圧縮強度を測定したところ、300kg/cm2であった。また、得られた硬化物には、ひび割れは認められなかった。
Claims (1)
- 絶乾比重2.5以上の粗骨材、15%以上の空隙率を有するか、水分を10%以上含有することができる軽量細骨材、セメント及び水を含有することを特徴とする低収縮コンクリート組成物。
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