JP2002362958A - 透水性コンクリート - Google Patents
透水性コンクリートInfo
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Abstract
成形等の作業が容易である透水性コンクリートを提供す
る。 【解決手段】 粗骨材と、該粗骨材に対する容積比が30
〜80%のペースト又はモルタルとからなる組成物の混練
物を型枠に投入して成形し、養生してなる透水性コンク
リートであって、上記ペースト又はモルタルが、セメン
ト若しくはセメントを含む粉体混合物100重量部、細骨
材0〜300重量部、減水剤若しくはAE減水剤0.1〜3.0重
量部(固形分換算)、水20〜40重量部を含む透水性コン
クリート。
Description
び圧縮強度を有し、かつ、成形等の作業が容易である透
水性コンクリートに関する。
を有する透水性コンクリートとして、普通ポルトランド
セメント又は早強ポルトランドセメント100重量部に対
して、粒径0.3mm以下の細骨材100重量部程度、液体高性
能減水剤1.2重量部程度(固形分換算)、水24重量部程
度、及び粗骨材600重量部程度をミキサに投入して混練
し、混練物(粗骨材に粗骨材以外の材料からなるモルタ
ルが被覆した状態の粒体)を調製し、該混練物を型枠に
投入して振動成形し、養生することによって製造される
透水性コンクリートが知られている。上記透水性コンク
リートは、例えば、 1)粗骨材として5号砕石(粒径13〜20mm)を使用した
場合、透水係数が7.0〜9.0cm/sec程度で、圧縮強度が15
〜20N/mm2程度 2)粗骨材として7号砕石(粒径2.5〜5.0mm)を使用し
た場合、透水係数が1.0〜1.3cm/sec程度で、圧縮強度が
20〜30N/mm2程度と大きな透水係数及び圧縮強度を有す
るものである。
トにおいては、混練物(粗骨材に粗骨材以外の材料から
なるモルタルが被覆した状態の粒体)を振動成形する
際、モルタルが型枠の底部に流れ落ちて透水性コンクリ
ートの透水係数を低下させることを防ぐために、比較的
粘性が高いモルタルを用いて混練物を調製している。そ
のため、上記透水性コンクリートにおいては、混練物の
作業性が低く、成形等の作業に手間がかかる(例えば、
振動時間が長くなる等)、という問題があった。
数及び圧縮強度を有し、かつ、成形等の作業が容易であ
る透水性コンクリートを提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究した結果、透水性コンクリート用
の材料として、セメント若しくはセメントを含む粉体混
合物、減水剤若しくはAE減水剤、細骨材、粗骨材及び
水を使用するとともに、その配合割合を特定することに
より、上記課題を解決することができることを見いだ
し、本発明を完成させたものである。
する容積比が30〜80%のペースト又はモルタルとからな
る組成物の混練物を型枠に投入して成形し、養生してな
る透水性コンクリートであって、上記ペースト又はモル
タルが、セメント若しくはセメントを含む粉体混合物10
0重量部、細骨材0〜300重量部、減水剤若しくはAE減
水剤0.1〜3.0重量部(固形分換算)、水20〜40重量部を
含むことを特徴とする透水性コンクリートである(請求
項1)。
する。本発明の透水性コンクリートを構成する材料及び
その配合割合は、次の通りである。 (1)粗骨材 粗骨材としては、粒径2.5〜20mmの砂利、砕石、又はこ
れらの混合物や、軽量骨材が挙げられる。
体混合物 セメントとしては、普通、早強、中庸熱、低熱ポルトラ
ンドセメント等のポルトランドセメントや、ホワイトセ
メント、アルミナセメント、さらには都市ゴミ焼却灰・
下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として利用したエコセ
メントが挙げられる。セメントを含む粉体混合物は、前
記セメントに、ブレーン比表面積が3000cm2/g以上の高
炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石粉末、珪石粉
末、シリカフューム等の無機質粉末を添加してなるもの
をいう。該無機質粉末としては、透水性コンクリートの
圧縮強度等から、高炉スラグ粉末、フライアッシュ及び
/又はシリカフュームが好ましい。なお、セメントを含
む粉体混合物中に占めるセメントの割合は、70重量%以
上とすることが好ましい。本発明においては、セメント
として、普通ポルトランドセメント又は早強ポルトラン
ドセメントを使用することは、早期強度発現性が向上す
るので、好ましいものである。
の混合物が挙げられる。細骨材としては、粗骨材の粒径
が5mm以上の場合は、粒径5mm未満、好ましくは2.5mm以
下、より好ましくは1.0mm以下の粒体が用いられ、粗骨
材の粒径が2.5〜5mmの場合は、粒径2.5mm未満、好まし
くは1.5mm以下、より好ましくは0.5mm以下の粒体が用い
られる。細骨材の粒径が粗骨材の粒径に近すぎると、粗
骨材にモルタルが被覆されにくくなり、好ましくない。
ントを含む粉体混合物100重量部に対して、0〜300重量
部であり、好ましくは30〜150重量部である。細骨材を
添加することにより、硬化後の乾燥による収縮を抑制す
ることができる。細骨材の添加量が300重量部を超える
と、混練物の作業性が低く成形等の作業に手間がかかる
うえ、透水性コンクリートの透水係数が小さくなり好ま
しくない。
100重量部に対して、20〜40重量部であり、混練物の作
業性や透水性コンクリートの透水係数及び圧縮強度か
ら、好ましくは25〜40重量部、より好ましくは30重量部
を超え40重量部以下である。水の量が、20重量部未満で
は、ペースト又はモルタルの粘性が高くなり、混練物の
作業性が低く成形等の作業に手間がかかる(例えば、振
動時間が長くなる等)ので好ましくない。水の量が40重
量部を超えると、振動成形時にペースト又はモルタルの
流れ落ちが起きやすく、透水係数が小さくなるので好ま
しくない。
る。該減水剤若しくはAE減水剤を使用することによ
り、混練物の作業性が向上し成形等の作業が容易にな
り、液体高性能減水剤を使用した場合よりも振動時間を
短くすることができる。減水剤若しくはAE減水剤とし
ては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン
系の減水剤、AE減水剤があげられる。なお、減水剤若
しくはAE減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可
能である。
メント若しくはセメントを含む粉体混合物100重量部に
対して固形分換算で0.1〜3.0重量部であり、混練物の作
業性やコスト等から、好ましくは0.5〜2.0重量部であ
る。添加量が固形分換算で0.1重量部未満では、ペース
ト又はモルタルの粘性が高くなり、混練物の作業性が低
く成形等の作業に手間がかかる(例えば、振動時間が長
くなる等)ので好ましくない。一方、3.0重量部を超え
る量を添加しても混練物の作業性はほとんど向上せず、
コストが高くなる。また、減水剤若しくはAE減水剤の
添加量が多すぎると、振動成形時にペースト又はモルタ
ルの流れ落ちが起きやすく、透水係数が小さくなるので
好ましくない。
ルの容積比 粗骨材に対するペースト又はモルタルの容積比は、粗骨
材100%に対して30〜80%(外割)であり、透水性コン
クリートの透水係数及び圧縮強度や、コスト等から、好
ましくは35〜55%(外割)である。ペースト又はモルタ
ルの容積比が30%未満では、透水性コンクリートの強度
が低下するので好ましくない。ペースト又はモルタルの
容積比が80%を超えると、透水係数が小さくなるので好
ましくない。
ではなく、パンタイプミキサ、二軸ミキサ等の慣用のミ
キサで混練すれば良い。混練方法としては、材料を一括
してミキサに投入して1分以上混練する方法や、水、減
水剤若しくはAE減水剤以外の材料をミキサに投入して
空練りした後に、水、減水剤若しくはAE減水剤を投入
して1分以上混練する方法等が挙げられる。なお、混練
は、粗骨材に粗骨材以外の材料からなるペースト又はモ
ルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体が調製され
るまで混練する。
材料からなるペースト又はモルタルが被覆した状態の互
いに独立した粒体)を所定の型枠に投入し、好ましくは
3000〜8000vpmの振動数の外部振動で振動成形する。振
動数が3000vpm未満では、充分な締め固めを行うことが
できないおそれがあり、強度が低下するおそれがある。
振動数が8000vpmを超えると、透水係数が小さくなるお
それがある。外部振動は、テーブルバイブレーターや型
枠に取り付け可能な振動機等を使用することができる。
振動時間は、おおよそ3〜20秒である。また、振動成形
時に、1〜100kPaの圧力を加えることは、差し支えな
い。加圧には、油圧式あるいは空気圧式の加圧装置等を
使用することができる。
い範囲で、ペースト又はモルタルに、エチレン・酢酸ビ
ニル系共重合体、アクリル系共重合体等のポリマーを添
加することは差し支えない。また、目的を損なわない範
囲で、ベンガラ等の顔料を添加することも差し支えな
い。
ント(株)製) 2)高炉スラグ;ファインセラメント10A(第一セメン
ト(株)製) 3)AE減水剤(液体);「ポゾリスNo.8」(商品名)
((株)エヌエムビー製) 4)高性能減水剤(液体);「マイティ150」(商品
名)(花王(株)製) 5)細骨材;市原産細目山砂(粒径2.5mm以下) 7)水;水道水
ミキサ(0.1m3)に一括投入し、4分間混練し、混練物
(粗骨材に粗骨材以外の材料からなるペースト又はモル
タルが被覆した状態の粒体)を調製した。
となるようにテーブルバイブレーターで振動成形(振動
数4500vpm)した。成形後、20℃で2時間前置き後、65
℃で4時間蒸気養生した。脱型後、20℃で14日間水中養
生し、透水性コンクリート供試体を作製した。該供試体
の圧縮強度を「JIS A 1108(コンクリートの圧縮試験方
法)」に準じて測定した。 (2)透水係数 各混練物を、10×10×40cmの型枠に投入し、空隙率が25
%となるようにテーブルバイブレーターで振動成形(振
動数4500vpm)した。成形後、20℃で2時間前置き後、6
5℃で4時間蒸気養生した。脱型後、20℃で14日間水中
養生し、透水性コンクリート供試体を作製した。該供試
体の透水係数を「インターロッキングブロック舗装設計
施工要領 8-3 透水性試験」に準じて測定した。 (3)混練物の作業性及び振動時間 上記(1)及び(2)において、各混練物を型枠に投入
する際の作業性を「◎;非常に良好」、「○;良好」、
「×;悪い」で評価した。また、一部の混練物に対して
は、上記(1)において振動成形(振動数4500vpm)す
る際、所定の空隙率(25%)となるまでの振動時間を測
定した。振動時間は、φ10×20cmの型枠に混練物を3.3k
g投入し、空隙率が25%となるまでの振動時間を測定し
た。それらの結果を表2に示す。
リートは、 1)粗骨材として5号砕石(粒径13〜20mm)を使用した
場合、透水係数が7.0〜10.0cm/sec程度で、圧縮強度が1
5〜20N/mm2程度(試験例1〜12) 2)粗骨材として7号砕石(粒径2.5〜5.0mm)を使用し
た場合、透水係数が1.0〜1.3cm/sec程度で、圧縮強度が
23〜25N/mm2程度(試験例13〜15) と、大きな透水係数及び圧縮強度を有するうえ、混練物
の作業性も良好で、成形等の作業が容易であり、所定の
空隙率となるまでの振動時間も短いことがわかる。一
方、本発明で規定する配合割合から外れる透水性コンク
リート(試験例16〜22)では、粗骨材として同じ5号砕
石を使用した試験例1〜12の透水性コンクリートと比べ
て圧縮強度や透水係数が低かった。さらに、高性能減水
剤を使用した試験例23〜25の透水性コンクリートでは、
混練物の作業性が劣るうえ、所定の空隙率となるまでの
振動時間も長かった。
ンクリートは、大きな透水係数及び圧縮強度を有するも
のであり、道路舗装、道路の側壁、河川の護岸等の種々
の用途に用いることができる。また、本発明の透水性コ
ンクリートでは、混練物の作業性が良好であり成形等の
作業も容易である。したがって、本発明の透水性コンク
リートでは、透水性コンクリート製品の製造の効率を向
上させることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 粗骨材と、該粗骨材に対する容積比が30
〜80%のペースト又はモルタルとからなる組成物の混練
物を型枠に投入して成形し、養生してなる透水性コンク
リートであって、 上記ペースト又はモルタルが、セメント若しくはセメン
トを含む粉体混合物100重量部、細骨材0〜300重量部、
減水剤若しくはAE減水剤0.1〜3.0重量部(固形分換
算)、水20〜40重量部を含むことを特徴とする透水性コ
ンクリート。 - 【請求項2】 上記セメント若しくはセメントを含む粉
体混合物が、70〜100重量%のポルトランドセメント
と、30〜0重量%の高炉スラグ粉末、フライアッシュ、
シリカフュームから選ばれる1種以上の粉末からなる請
求項1に記載の透水性コンクリート。
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