JP4110020B2 - ダンパー機構及びダンパーディスク組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクを伝達するとともに捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌に用いられるクラッチディスク組立体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能である。
【0003】
アイドル時異音とは、信号待ち等でシフトをニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときにトランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえる音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイドリング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトランスミッションのインプットギアとカウンターギアとが歯打ち現象を起こしている。
【0004】
ティップイン・ティップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりしたときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振動となる。
【0005】
アイドリング時異音に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。第1回転部材、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけソリッドにすることが必要である。
【0006】
以上の問題を解決するために、2種類のばね部材を用いることにより2段特性を実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振動を十分に減衰できる。
【0007】
さらに、捩じり特性2段目においてたとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収するダンパー機構も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えるために、低剛性のばね部材と小さな摩擦抵抗を発生する小摩擦発生機構とが用いられている。この小摩擦発生機構は、一般に、円板状の摩擦発生用ディスク部材と、それをハブに対して軸方向に付勢するためのスプリング部材とから構成されている。このような構成では、部品点数が増え、構造が複雑になるという問題がある。また、小摩擦発生機構を収容するためのスペースが大きくなるという問題もある。さらに、微少捩り振動に対して小摩擦発生機構を作動させない隙間を確保するための構造が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、車両のトルク伝達を行うダンパーディスク組立体において、アイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構の構造を簡単にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパー機構は、車両のトルク伝達を行うダンパーディスク組立体において、アイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構であって、第1回転部材と、第2回転部材と、板状部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に対して所定角度範囲内で相対回転可能に配置されている。板状部材は、回転方向に延びて半径方向両側に主面が向いた板状であり、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転するときに、第1回転部材に回転方向に押されて第2回転部材に摺動して摩擦抵抗を発生する。
【0011】
このダンパー機構では、ダンパーディスク組立体にアイドリング時の微少捩り振動が入力されると、第1回転部材と第2回転部材が相対回転し、その時に板状部材が第1回転部材に押されて第2回転部材に摺動し摩擦抵抗を発生する。この結果、微少捩り振動は速やかに減衰される。特に、板状部材によって、ダンパー機構の構成が簡単になり、部品点数も少なくなっている。
【0012】
また、このダンパー機構では、第2回転部材は、回転方向に延び両端が開口した溝が形成された保持部を有している。板状部材は、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に溝内に保持され、溝より回転方向に長く延びている。板状部材は、第1回転部材によって回転方向に駆動され得る。第1回転部材は、保持部の回転方向両側に配置され、板状部材の回転方向両端にそれぞれ当接可能な一対の当接部を有している。一対の当接部間の回転方向距離は板状部材の回転方向長さより長く、そのため板状部材の少なくとも一方の回転方向端と当接部との回転方向間に隙間が確保されている。
【0013】
このダンパー機構では、板状部材は第2回転部材によって保持されているため、収容スペースが大きくならない。
【0014】
また、ダンパー機構では、第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると、第1回転部材の一対の当接部が板状部材の回転方向端を押して、板状部材を第2回転部材の溝に対して摺動させる。なお、一対の当接部の一方が保持部に当接すると、第1回転部材と第2回転部材の相対回転が停止する。
【0015】
さらに、このダンパー機構では、板状部材の少なくとも一方の回転方向端と当接部との回転方向間に隙間が確保されているため、第1回転部材と第2回転部材の相対回転動作中であっても、この隙間範囲内で作動している場合は、板状部材は第2回転部材に対して摺動しない。つまり、第1回転部材と第2回転部材の捩り角度範囲内においても隙間に該当する微少捩り振動に対して摩擦抵抗を発生することがない。この結果、微少捩り振動に対する振動減衰性能が向上する。
【0016】
請求項2に記載のダンパー機構では、請求項1において、板状部材は、第2回転部材に対して弾性変形した状態で保持されている。
【0017】
このダンパー機構では、板状部材は自らの弾性力によって第2回転部材に付勢されて、摩擦摺動する。ここでは、板状部材単体によってダンパー機構における摩擦発生機構の荷重及び摩擦係数が決定されるため、摩擦の設定が容易である。
【0018】
請求項3に記載のダンパー機構は、請求項1または2において、第1回転部材と第2回転部材が相対回転するときに、回転方向に圧縮される弾性部材をさらに備えている。
【0019】
このダンパー機構では、第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると、板状部材が第2回転部材に摺動するとともに、弾性部材が回転方向に圧縮される。この結果、アイドリング時の微少捩り振動が速やかに吸収・減衰される。
【0020】
請求項4に記載のダンパーディスク組立体は、車両のトルク伝達を行うダンパーディスク組立体であって、ハブと、円板状回転部材と、弾性連結機構と、ダンパー機構とを備えている。円板状回転部材は、ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能に配置されている。弾性連結機構は、ハブと円板状回転部材とを回転方向に弾性的に連結している。ダンパー機構は、弾性連結機構が作動する捩り角度範囲より捩り角度ゼロからの大きさが小さな捩り角度範囲内で作動する、アイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰するための機構である。ダンパー機構は中間回転部材と板状部材とを有している。中間回転部材は、ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能である。板状部材は、ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な回転方向に延びて半径方向両側に主面が向いた板状であり、ハブと中間回転部材とが相対回転するときに、ハブに回転方向に押されて中間回転部材に摺動して摩擦抵抗を発生する。
【0021】
このダンパーディスク組立体では、アイドリング時の微少捩り振動が入力されると、ハブと中間回転部材が相対回転し、その時に板状部材がハブに押されて中間回転部材に摺動し摩擦抵抗を発生する。この結果、微少捩り振動は速やかに減衰される。特に、板状部材によって、ダンパー機構の構成が簡単になり、部品点数も少なくなっている。
【0022】
また、このダンパーディスク組立体では、中間回転部材は、回転方向に延び両端が開口した溝が形成された保持部を有している。板状部材は、中間回転部材に対して回転方向に移動可能に溝内に保持され、溝より回転方向に長く延びている。板状部材は、ハブによって回転方向に駆動され得る。ハブは、保持部の回転方向両側に配置され、板状部材の回転方向両端にそれぞれ当接可能な一対の当接部を有している。一対の当接部間の回転方向距離は板状部材の回転方向長さより長く、そのため板状部材の少なくとも一方の回転方向端と当接部との回転方向間に隙間が確保されている。
【0023】
このダンパーディスク組立体では、板状部材は中間回転部材によって保持されているため、収容スペースが大きくならない。
【0024】
また、このダンパーディスク組立体では、中間回転部材とハブが相対回転すると、ハブの一対の当接部が板状部材の回転方向両端を押して、板状部材を中間回転部材の溝に対して摺動させる。なお、一対の当接部の一方が保持部に当接すると、中間回転部材とハブの相対回転が停止する。
【0025】
さらに、このダンパーディスク組立体では、板状部材の少なくとも一方の回転方向端と当接部との回転方向間に隙間が確保されているため、中間回転部材とハブの相対回転動作中であっても、この隙間範囲内で作動している場合は板状部材が中間回転部材に対して摺 動しない。つまり、中間回転部材とハブの捩り角度範囲内においても隙間に該当する微少捩り振動に対して摩擦抵抗を発生することがない。この結果、微少捩り振動に対する振動減衰性能が向上する。
【0026】
請求項5に記載のダンパーディスク組立体では、請求項4において、板状部材は、中間回転部材に対して弾性変形した状態で保持されている。
【0027】
このダンパーディスク組立体では、板状部材は自らの弾性力によって中間回転部材に付勢されて、摩擦摺動する。ここでは、板状部材単体によってダンパー機構の摩擦発生機構の荷重及び摩擦係数が決定されるため、摩擦の設定が容易である。
【0028】
請求項6に記載のダンパーディスク組立体は、請求項4または5において、中間回転部材とハブが相対回転するときに、回転方向に圧縮される弾性部材をさらに備えている。
【0029】
このダンパーディスク組立体では、中間回転部材とハブが相対回転すると、板状部材が中間回転部材に摺動するとともに、弾性部材が回転方向に圧縮される。この結果、アイドリング時の微少捩り振動が速やかに吸収・減衰される。
【0030】
【発明の実施の形態】
(1)全体の構成
図1及び図2に本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体101の断面図を示し、図3にその平面図を示す。クラッチディスク組立体101は、車両(特にFF車)のクラッチ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とは、フライホイール(図示せず)に連結及び離反することによってトルクの伝達及び遮断を行う機能である。ダンパー機能とは、フライホイール側から入力されるトルク変動等をばね等によって吸収・減衰する機能である。
【0031】
図1及び図2においてO−Oがクラッチディスク組立体101の回転軸である。図1の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。さらに、図3の矢印R1側がクラッチディスク組立体101の駆動側(回転方向正側)であり、矢印R2側がその反対側(回転方向負側)である。なお、以下の説明で「回転(円周)方向」、「軸方向」及び「半径方向」とは、特に断らない限り、回転体としてのクラッチディスク組立体101の各方向をいうものとする。
【0032】
クラッチディスク組立体101は、主に、入力回転部材102と、出力回転部材103と、両回転部材102,103間に配置された弾性連結機構104とから構成されている。また、各部材によって、トルクを伝達するとともに捩じり振動を減衰するためのダンパー機構が構成されていることになる。
【0033】
(2)入力回転部材
入力回転部材102はフライホイール(図示せず)からトルクが入力される部材である。入力回転部材102は主にクラッチディスク111とクラッチプレート112とリティーニングプレート113とから構成されている。クラッチディスク111は、図示しないフライホイールに押し付けられて連結される部分である。クラッチディスク111は、クッショニングプレート115と、その軸方向両側にリベット118によって固定された一対の摩擦フェーシング116,117とからなる。
【0034】
クラッチプレート112とリティーニングプレート113は、ともに板金製の円板状かつ環状の部材であり、互いに対して軸方向に対して所定の間隔を開けて配置されている。クラッチプレート112はエンジン側に配置され、リティーニングプレート113はトランスミッション側に配置されている。リティーニングプレート113の外周縁には、円周方向に所定の間隔で複数の(4つの)箇所に、ストップピン122が配置されている。ストップピン122は軸方向に延びる円柱形状の部材である。ストップピン122は、プレート112,113の軸方向間に挟まれた胴部122aと、その両側から延びてプレート112,113の孔153内に配置された首部122bと、プレート112,113の軸方向外側面に当接する頭部122cとを有している。第1回転部材の頭部122cはかしめて形成されている。これにより、クラッチプレート112とリティーニングプレート113は一体回転するようになり、さらに軸方向の間隔が定められている。さらに、ストップピン122は、クッショニングプレート115の内周部をクラッチプレート112の外周部に固定している。なお、本発明に係るピン部材は、ストップピン122の構造や形状に限定されない。
【0035】
クラッチプレート112及びリティーニングプレート113にはそれぞれ中心孔が形成されている。この中心孔内には後述のボス107が配置される。
【0036】
クラッチプレート112及びリティーニングプレート113の各々には、円周方向に並んだ複数の窓部(141,142)が形成されている。各窓部(141,142)は同一形状であり、同一半径方向位置で円周方向に並んで複数(4つ)形成されている。各窓部(141,142)は概ね円周方向に長く延びている。
【0037】
ここで、図3及び図5において上下方向に対向して配置された一対の窓部を第1窓部141といい、図3及び図4において左右方向に対向して配置された一対の窓部を第2窓部142ということにする。各窓部141,142は、軸方向に貫通した孔と、その孔の縁に沿って形成された支持部とからなる。
【0038】
第1窓部141の支持部は、外周側支持部145と内周側支持部146と回転方向支持部147とから構成されている。平面視で、外周側支持部145は概ね円周方向に沿った形状に湾曲しており、内周側支持部146はほぼ直線状に延びている。また、回転方向支持部147は、概ね半径方向に直線状に延びており、窓部141,142の円周方向中心とクラッチディスク組立体101の中心Oとを通る直線に平行である。外周側支持部145及び内周側支持部146は他のプレート部分から軸方向に起こされた部分である。
【0039】
第2窓部142の支持部は、外周側支持部148と内周側支持部149と回転方向支持部150とから構成されている。平面視で、外周側支持部148は概ね円周方向に沿った形状に湾曲しており、内周側支持部149はほぼ直線状に延びている。図3に示すように、第1窓部141の回転方向中心同士を結ぶ直線をC1とし、それに垂直な直線をC2とすると、第2窓部142の回転方向中心同士を結ぶ直線C3は直線C2に対して回転方向R2側に所定角度だけずれている。すなわち、各第2窓部142は、回転方向R1側の第1窓部141により回転方向R2側の第1窓部141に近接している。第2窓部142は、第1窓部141に比べて、回転方向長さ及び半径方向幅も短くなっている。さらに、第2窓部142の内径は第1窓部141の内径と概ね同じであるが、第2窓部142の外径は第1窓部141の外径より小さい。
【0040】
ストップピン122のプレート112,113における位置について説明する。ストップピン122は、プレート112,113の外周部に設けられており、各窓部141,142の回転方向間に配置されている。さらに、詳細には、ストップピン122は、窓部141,142の間でより第2窓部142側にずれて配置されている。ストップピン122は、第1窓部141の外周縁より半径方向内側であるが、第2窓部142の外周縁より半径方向外側に位置している。より詳細には、ストップピン122は、その半径方向最内側部分ですら、第2窓部142の外周縁より半径方向外側に位置している。
【0041】
図4に示すように、クラッチプレート112及びリティーニングプレート113において、第1窓部141の回転方向R2側にあるストップピン122の回転方向R1両側には、ピン取付孔154,155が設けられている。つまり、この箇所にはストップピン122が実際に取り付けられている孔153を含めて、合計3つの孔153〜155が回転方向に並んで形成されていることになる。ピン取付孔155とピン取付孔154との間の回転方向角度はθ11であり、ピン取付孔155とピン取付孔153との間の回転方向角度はθ12である。また、クラッチプレート112及びリティーニングプレート113において、第1窓部141の回転方向R1側にあるストップピン122の回転方向R2側には、ピン取付孔157が設けられている。つまり、この箇所にはストップピン122が実際に取り付けられている孔156を含めて、合計2つの孔156,157が回転方向に並んで形成されていることになる。ピン取付孔156とピン取付孔157との間の回転方向角度はθ13である。
【0042】
この実施形態では、θ11〜θ13の大きさは同一であり、9度である。
【0043】
(3)出力回転部材
出力回転部材103は、入力回転部材102から弾性連結機構104を介してトルクが入力され、さらに図示しないトランスミッション入力シャフトにトルクを出力するための部材である。出力回転部材103は主にハブ106によって構成されている。ハブ106はボス107とフランジ108とからなる。
【0044】
ボス107はクラッチプレート112及びリティーニングプレート113の中心孔内に配置された筒状の部材である。ボス107はその中心孔に挿入されたトランスミッション入力シャフト(図示せず)に対してスプライン係合している。フランジ108は、ボス107の外周に一体に形成され、外周側に延びる円板形状部分である。フランジ108は、クラッチプレート112とリティーニングプレート113との軸方向間に配置されている。フランジ108は、最内周側の環状の内周部108aと、その外周側に設けられた外周部108bとからなる。
【0045】
フランジ108の外周部108bには、窓部141,142に対応して窓孔(143,144)が形成されている。すなわち、同一半径方向位置で円周方向に並んだ複数の(4つの)窓孔(143,144)が形成されている。ここで、図3及び図4において上下方向に対向して配置された一対の窓部を第1窓孔143といい、図3及び図5において左右方向に対向して配置された一対の窓部を第2窓孔144ということにする。各窓孔143は、軸方向に打ち抜かれた孔であり、円周方向に長く延びている。各窓孔143は外周側支持部163と内周側支持部164と回転方向支持部165とを有する。平面視で、外周側支持部163及び内周側支持部164は円周方向に沿った湾曲形状である。また、回転方向支持部165は概ね半径方向に直線状に延びており、より詳細には、回転方向支持部165は、窓孔143の回転方向中心とクラッチディスク組立体101の中心Oとを結ぶ直線に対して平行である。ただし、回転方向R1側の回転方向支持部165には、内周側に回転方向凹部165aが形成されている。回転方向凹部165aは、その外周側の部分に対して回転方向R1側にわずかに凹んでいる。内周側支持部164の回転方向中間には、半径方向凹部164aが形成されている。半径方向凹部164aはその回転方向の両側の部分に対して半径方向内側に凹んでいる。
【0046】
第1窓部141は、第1窓孔143に比べて回転方向に短くなっている。このため、第1窓部141の回転方向R1側の回転方向支持部147は第1窓孔143の回転方向R1側の回転方向支持部165との間に回転方向隙間139(θ15)を確保している。また、第1窓部141の回転方向R2側の回転方向支持部147は第1窓孔143の回転方向R2側の回転方向支持部165との間に第4回転方向隙間138(θ6)を確保している。
【0047】
第2窓孔144は、軸方向に打ち抜かれた孔であり、円周方向に長く延びている。各第2窓孔144は外周側支持部167と内周側支持部168と回転方向支持部169とを有する。平面視で、外周側支持部167及び内周側支持部168は円周方向に沿った湾曲形状である。また、回転方向支持部169は概ね半径方向に直線状に延びており、より詳細には、回転方向支持部169は、第2窓孔144の回転方向中心とクラッチディスク組立体101の中心Oとを結ぶ直線に対して平行である。第2窓部142は、第2窓孔144に比べて回転方向に短い。このため、図9に示すように、第2窓部142の回転方向R2側の回転方向支持部150は第2窓孔144の回転方向R2側の回転方向支持部169との間に回転方向隙間140(θ16)を確保している。第2窓部142の回転方向R1側の回転方向支持部150は第2窓孔144の回転方向R1側の回転方向支持部169との間に所定角度の第3回転方向隙間137(θ5)を確保している。
【0048】
フランジ108の外周縁には、ストップピン122が軸方向に通過している切り欠き108cが形成されている。切り欠き108cは、各窓孔(143,144)の回転方向間に位置しており、その中をストップピン122が回転方向に移動可能である。切り欠き108cは、第1窓孔143が形成された部分の半径方向突起183と、第2窓孔144の外周側の半径方向突起184とによって形成されている。つまり、各切り欠き108cは、フランジ108の外周縁108dと、各突起183,184の回転方向面183a,184aとによって形成されている。ストップピン122からみて、回転方向R1側の回転方向面184aとの間には第1回転方向隙間135(θ1)が確保され、回転方向R2側の回転方向面183aとの間には第2回転方向隙間136(θ2)が確保されている。以上より、ストップピン122と突起183,184及び切り欠き108cによってクラッチディスク組立体101の捩り角ストッパー186が形成されていることになる。
【0049】
なお、クラッチプレート112及びリティーニングプレート113のピン取付孔153〜157は、切り欠き108cの円周方向範囲内に配置されている。言い換えると、切り欠き108cは、複数のピン取付孔153〜157の円周方向外側端より円周方向に大きい両端を有している。この結果、いずれのピン取付孔にストップピン122を取り付けても捩り角ストッパー186が実現される。
【0050】
突起184は、第2窓孔144に対応して形成されており、回転方向中心同士は一致している。なお、突起184は第2窓孔144に比べて回転方向長さが短くすることができ、その場合は回転方向面184aは回転方向支持部169より回転方向内側に位置する。つまり、切り欠き108cは第2窓孔144の外周側(の一部)まで延びており、ストップピン122は第2窓孔144の外周側にまで移動可能となる。これを言い換えると、捩り角ストッパー186(具体的にはストップピン122)が第2窓孔144と回転方向に干渉していない。その結果、捩り角ストッパー186の捩り可能角度が従来より大きくなる。
【0051】
(4)弾性連結機構
弾性連結機構104は、入力回転部材102から出力回転部材103にトルクを伝達するとともに、捩り振動を吸収・減衰するための機構である。弾性連結機構104は複数の弾性部材(130,131)から構成されている。この実施形態では4つの弾性部材(130,131)が用いられている。各弾性部材(130,131)は第1窓孔143,144及び窓部141,142内に配置されている。弾性部材(130,131)は、第1窓孔143及び第1窓部141内に配置された第1弾性部材130と、第2窓孔144及び第2窓部142内に配置された第2弾性部材131との2種類から構成されている。
【0052】
第1弾性部材130は、回転方向に延びるコイルスプリングであって、回転方向両端が第1窓部141の両回転方向支持部147に支持されている。したがって、第1弾性部材130の回転方向R1側端は第1窓孔143の回転方向支持部165との間に回転方向隙間139(θ15)を確保しており、第1弾性部材130の回転方向R2側端は第1窓孔143の回転方向支持部165との間に第4回転方向隙間138(θ6)を確保している。
【0053】
第2弾性部材131は、回転方向に延びるコイルスプリングであって、第1弾性部材130に比べて回転方向長さやコイル径が小さく、さらにばね定数が小さい(剛性が低い)。第2弾性部材131は回転方向両端が第2窓部142の両回転方向支持部150に支持されている。したがって、第2弾性部材131の回転方向R2側端は第2窓孔144の回転方向支持部150との間に回転方向隙間140(θ16)を確保しており、第2弾性部材131の回転方向R1側端は第2窓孔144の回転方向支持部169との間に第3回転方向隙間137(θ5)を確保している。
【0054】
(5)中間回転部材
中間回転部材110は、入力回転部材102と出力回転部材103との間で相対回転可能に配置された部材であり、出力回転部材103に対して回転方向に係合するとともに、入力回転部材102との間に第2摩擦発生部171(後述)を形成している。中間回転部材110は、ブッシュ151と、プレート152とから構成されている。
【0055】
ブッシュ151は、クラッチプレート112の内周部とフランジ108との間に配置された環状の部材であり、例えば樹脂からなる。ブッシュ151は、軸方向トランスミッション側に延び、第1窓孔143の半径方向凹部164a内を軸方向に延びる突出部151aを有している。図10に示すように、突出部151aの回転方向長さ(角度)は半径方向凹部164aの回転方向長さ(角度)より小さくなっており、そのため突出部151aは半径方向凹部164a内を回転方向に移動可能となっている。図10に示す中立状態では、突出部151aの回転方向R1側端と半径方向凹部164aの回転方向R1側の壁部との間には回転方向隙間182(θ15)が確保され、突出部151aの回転方向R2側端と半径方向凹部164aの回転方向R2側の壁部との間には回転方向隙間181(θ16)が確保されている。このように、フランジ108と中間回転部材110は所定角度範囲内で相対回転可能となっており、さらに突出部151aと凹部164aによって第1ダンパー機構159(後述)の捩り角ストッパーが実現されている。
【0056】
プレート152は、フランジ108とリティーニングプレート113との間に配置された部材であり、例えば板金製である。プレート152にはブッシュ151の突出部151aが係合しており、この結果両部材151,152は一体回転するようになっている。プレート152の外周縁には、半径方向外側に延びる突出部152aが形成されている。突出部152aの回転方向R2側の縁には、軸方向エンジン側に延びる折り曲げ爪152bが形成されている。折り曲げ爪152bは、第1窓孔143の回転方向凹部165aから回転方向R2側にθ15離れており、第1弾性部材130の回転方向R1側端面に当接又は近接している。したがって、折り曲げ爪152bはハブ106に対して回転方向R1側にθ15移動すると、凹部165a内に収納され、回転方向支持部165とともに第1弾性部材130の回転方向R1側端面を支持する。この状態で、爪152bは、第1窓孔143の回転方向R1側の回転方向支持部165と第2弾性部材131の回転方向R1側端との間に挟まれ、フランジ108に対して回転方向R2側に離れることはできるが、回転方向R1側には移動不能となる。
【0057】
突出部152aの回転方向R1側縁152cは、図9に示すように、第2弾性部材131の回転方向R2側端に近接して配置されており、回転方向隙間133(θ4)を確保している。
【0058】
以上に述べたように、ブッシュ151とプレート152は軸方向に当接するとともに回転方向にも係合しており、一体回転する1つの部材(中間回転部材110)を構成している。なお、ブッシュ151とプレート152との軸方向距離はフランジ108の軸方向厚みより大きいため、フランジ108の軸方向両側面は両側の部材151,152から離れて配置されている。
【0059】
このように、中間回転部材110がブッシュ151とプレート152という2つの部材からなり、ブッシュ151がプレート152と係合する突出部151aを有している。したがって、従来のサブピンを省略することができ、部品点数が少なくなることでコストを低くできる。
【0060】
(6)摩擦発生機構
クラッチディスク組立体101は、弾性連結機構104に対して並列に機能するように配置された摩擦発生機構179をさらに備えている。摩擦発生機構179は、低ヒステリシストルクを発生するための第1摩擦発生部170と、高ヒステリシストルクを発生するための第2摩擦発生部171とを有している。
【0061】
第1摩擦発生部170は、弾性連結機構104が作用している全領域すなわち捩じり特性の正側及び負側両方でヒステリシストルクを発生するための機構である。第1摩擦発生部170は、第1ブッシュ172と、第1コーンスプリング173とを有している。第1ブッシュ172と第1コーンスプリング173は、フランジ108の内周部108aとリティーニングプレート113の内周部との間に配置されている。第1ブッシュ172は、ワッシャ状の部材であり、フランジ108の内周部108aの軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接する摩擦面を有している。第1コーンスプリング173は、第1ブッシュ172とリティーニングプレート113の内周部との軸方向間に配置され、軸方向に圧縮されている。
【0062】
以上に述べた構造によって、第1摩擦発生部170では、第1コーンスプリング173の弾性力によって、クラッチプレート112及びリティーニングプレート113と一体回転する第1ブッシュ172が、フランジ108に対して軸方向から押し付けられ、回転方向に摺動可能となっている。
【0063】
第2摩擦発生部171は、第2ブッシュ176と、第2コーンスプリング177とから構成されている。
【0064】
第2ブッシュ176と第2コーンスプリング177は、プレート152の中心部とリティーニングプレート113の内周部との軸方向間、すなわち第1ブッシュ172及び第1コーンスプリング173の外周側に配置されている。第2ブッシュ176は、プレート152の中心部の軸方向トランスミッション側面に当接する摩擦面を有している。また、第2ブッシュ176は、環状本体部分から軸方向に延びリティーニングプレート113に形成された孔内に挿入された突起を有している。この係合によって第2ブッシュ176はリティーニングプレート113に対して軸方向には移動可能であるが相対回転は不能になっている。第2コーンスプリング177は第2ブッシュ176とリティーニングプレート113の内周部との軸方向間に配置され、両者の間で軸方向に圧縮されている。第2ブッシュ176の内周部には第1ブッシュ172から延びる突起が回転方向に係合する凹部が形成されており、この係合により第1ブッシュ172は第2ブッシュ176及びリティーニングプレート113と一体回転する。
【0065】
以上に述べた構造によって、第2摩擦発生部171では、第2コーンスプリング177の弾性力によって、リティーニングプレート113と一体回転する第2ブッシュ176及びクラッチプレート112が、中間回転部材110に対して軸方向から押し付けられ、回転方向に摺動可能となっている。第2摩擦発生部171で発生するヒステリシストルクは第1摩擦発生部170で発生するヒステリシストルクよりかなり大きく、10〜20倍の範囲にある。
【0066】
(7)第1ダンパー機構
第1ダンパー機構159について説明する。第1ダンパー機構159は、中間回転部材110とハブ106とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、捩り特性のゼロ角度付近で低剛性の特性を実現することでアイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰することを目的としている。つまり、前述の弾性連結機構104は車両の通常走行時における捩り振動を吸収・減衰するための第2ダンパー機構160であるといえる。
【0067】
第1ダンパー機構159は、主に、小コイルスプリング161と板ばね162とから構成されている。小コイルスプリング161は、中間回転部材110とハブ106との間でトルクを伝達するとともに両部材が相対回転するとその間で回転方向に圧縮され所望の剛性を発生させるための部材である。板ばね162は、中間回転部材110とハブ106とが相対回転すると摩擦抵抗を発生させるための部材である。
【0068】
小コイルスプリング161は、第2弾性部材131の半径方向内側に配置されている。さらに、小コイルスプリング161は、コイル径及び自由長が第2弾性部材131より大幅に短く、回転方向中心位置がほぼ一致している。したがって、小コイルスプリング161の回転方向両端は、第2弾性部材131の回転方向内側に位置している。小コイルスプリング161は、図6に示すように、フランジ108の内周部108aの窓孔108eに収容されている。すなわち、小コイルスプリング161の回転方向両端は、窓孔108eの円周方向両端に支持されている。さらに、ブッシュ151及びプレート152には、それぞればね支持部151e,152eが設けられている。ばね支持部151e,152eは各部材の軸方向内側面において軸方向外側に凹んだ凹部であり、小コイルスプリング161の軸方向外側と回転方向両側を支持している。すわなち、小コイルスプリング161の回転方向両端は、ばね支持部151e,152eの回転方向両端に支持されている。なお、窓孔108eは第2窓孔144から連続していてもよいし、不連続でもよい。
【0069】
板ばね162は、ブッシュ151の突出部151aの軸方向トランスミッション側(プレート152側)に形成された溝151f内に配置されている。溝151fは、図6に示すように、回転方向に弧状に延びており、両端が回転方向に開口している。板ばね162は、主面が半径方向両側に向いており、溝151fとほぼ同等の軸方向高さを有している。また、板ばね162は、溝151fに沿って回転方向に弧状に延びている。板ばね162は溝151f内で半径方向に圧縮されており、回転方向両端が溝151fの外周側壁に押しつけられ、回転方向中間部が溝151fの内周側壁に押しつけられている。つまり、板ばね162は半径方向に向けて摩擦発生用の荷重を発生している。さらに、板ばね162の回転方向長さ(角度)は溝151fの回転方向長さ(角度)より大きく、その結果板ばね162の両端又は片側端は溝151fつまり突出部151aから回転方向に飛び出している。板ばね162の回転方向角度は半径方向凹部164aの回転方向角度より小さく、回転方向隙間158を確保している。回転方向隙間158の捩り角度はθ17であり、この実施形態ではθ17の大きさは4度である。なお、図10においては回転方向隙間158は、板ばね162の回転方向R1側の回転方向端と凹部164aの回転方向R1側の回転方向壁との間にのみ示されているが、反対側のみ又は両側に現れることがある。つまり、板ばね162の少なくとも一方の回転方向端と凹部164aの回転方向壁との回転方向間に回転方向隙間158が確保されている。
【0070】
以上の説明を言い換えると、中間回転部材110は、回転方向に延び両端が開口した溝151fが形成された保持部としての突出部151aを有している。また、板ばね162は、溝151f内に保持され、溝151fより回転方向に長く延びている。さらに、ハブ106のフランジ108は、突出部151aの回転方向両側に配置され、板ばね162の回転方向両端にそれぞれ当接可能な一対の当接部としての凹部164aの回転方向壁を有している。
【0071】
(8)回転方向隙間
各回転方向隙間135〜137等の捩り角度の大きさの意味を関係について説明する。なお、以下に示す具体的な数値は単なる例示である。
【0072】
第1回転方向隙間135は、クラッチディスク組立体101の捩り特性の正側の全捩り角度を意味しており、その大きさをθ1で表す。この実施形態では、θ1の具体的な数値は23度であるが、その数値に限定されない。
【0073】
第2回転方向隙間136は、クラッチディスク組立体101の捩り特性の負側の全捩り角度を意味しており、その大きさをθ2で示す。この実施形態では、θ2の具体的な数値は13度であり、θ1より小さい。以上より、θ1とθ2の合計がクラッチディスク組立体101の全捩り角度を示す。
【0074】
第3回転方向隙間137は、捩り特性の正側において、第2弾性部材131の圧縮が開始されるまでの捩り角度を意味しており、その捩り角度をθ5で表している。この実施形態では、θ5の具体的な数値は7度である。第2弾性部材131が圧縮されている領域の捩り角度の大きさはθ2であり、θ5はθ1−θ2である。この結果、捩り特性の正側2段目は、第1弾性部材130のみが圧縮される第1領域(7〜12度)と、第1領域より捩り角度の大きな領域であり第1弾性部材130と第2弾性部材131が並列に圧縮される第2領域(12〜23度)とを含んでおり、捩り特性正側2段目の多段化が実現されている。
【0075】
第4回転方向隙間138は、捩り特性の負側において、第1弾性部材130の圧縮が開始されるまでの捩り角度である。第4回転方向隙間138の捩り角度をθ6で表しており、θ6の具体的な数値は9度である。第1弾性部材130が圧縮されている領域の捩り角度の大きさをθ3とすると、θ6はθ2−θ3である。この結果、捩り特性の負側2段目は、第2弾性部材131のみが圧縮される第3領域(2〜11度)と、第3領域より捩り角度の大きな領域であり第1弾性部材130と第2弾性部材131が並列に圧縮される第4領域(11〜13度)とを含んでおり、捩り特性負側2段目の多段化が実現されている。
【0076】
第1窓孔143の回転方向R1側の回転方向支持部165と第1弾性部材130の回転方向R1側端との間には回転方向隙間139が確保されている。また、フランジ108の半径方向凹部164aの回転方向R1側端とブッシュ151の突出部151aの回転方向R1側端との間には回転方向隙間182が確保されている。回転方向隙間139と回転方向隙間182の捩り角度はともにθ15であり、この実施形態ではθ15は7度である。第1窓孔143の回転方向R2側の回転方向支持部165と第1弾性部材130の回転方向R2側端との間には回転方向隙間140が確保されている。また、フランジ108の半径方向凹部164aの回転方向R2側端とブッシュ151の突出部151aの回転方向R2側端との間には回転方向隙間181が確保されている。回転方向隙間140と回転方向隙間181の捩り角度はともにθ16であり、この実施形態ではθ16は2度である。
【0077】
以上より、第1ダンパー機構159の作動角度範囲は、図11に示すように、捩り角度0度から正側にθ15までで、負側にθ16までの領域になる。そして、第1ダンパー機構159の作動角度範囲内では、主に、小コイルスプリング161によって剛性が得られ、さらに板ばね162がブッシュ151の溝151fに摺動することで小ヒステリシストルクが得られる。
【0078】
回転方向隙間133は、捩り特性の負側2段目において、第2弾性部材131のトルクが第2摩擦発生部171に作用するのを所定角度だけ防止するための回転方向隙間である。回転方向隙間133の捩り角度はθ4であり、この実施形態ではθ4は1度である。
【0079】
(9)捩じり特性
次に、図11及び図12に示す模式図と図13に示す捩じり特性線図を用いて、クラッチディスク組立体101の捩じり特性について説明する。なお、図13に表れた具体的な数値は本発明の一実施例として開示するものであり、本発明を限定するものではない。
【0080】
最初に、図11を用いて、中立状態から入力回転部材102を固定しておきそれに対してハブ106を回転方向R2側に捩じっていく捩じり特性正側領域の動作(このとき入力回転部材102が出力回転部材103に対して回転方向R1側に捩じれることになる)を説明する。
【0081】
捩り角度の最も小さな領域では第1ダンパー機構159のみが作動する。具体的には、小コイルスプリング161がブッシュ151及びプレート152とフランジ108との間で回転方向に圧縮される。このときに、板ばね162は半径方向凹部164aの回転方向壁に押されて突出部151aの溝151fの壁に摺動する。凹部164aの回転方向R1側端が突出部151aの回転方向R1側端に当接すると、それにより第1ダンパー機構159の動作は停止する。また、この捩り角度がθ17の時点で、第1窓孔143の回転方向R1側の回転方向支持部165は第1弾性部材130の回転方向R1側の端部に当接し、さらに凹部165aはプレート152の折り曲げ爪152bに当接する。以後は、折り曲げ爪152bは第1弾性部材130の回転方向R1側端によって凹部165aに押しつけられている。
【0082】
さらに捩り角度が大きくなると、第2ダンパー機構160のみが作動する。捩じり角度の小さな領域では、2個の第1弾性部材130が圧縮される。捩じり角度の絶対値がθ5より大きくなると、第2窓孔144の回転方向R1側の回転方向支持部169が第2弾性部材131の回転方向R1側端に当接する。これ以降は、2個の第1弾性部材130が2個の第2弾性部材131に並列に圧縮され、高剛性の特性が得られる。また、第1摩擦発生部170及び第2摩擦発生部171が作動し、高ヒステリシストルクの特性が得られる。第2摩擦発生部171では、中間回転部材110は、折り曲げ爪152bが第1窓孔143のR1側の回転方向支持部165に押されることで、フランジ108と回転方向R2側に一体回転し、クラッチプレート112及び第2ブッシュ176に対して摺動する。
【0083】
この捩じり特性正側において微小捩じり振動がクラッチディスク組立体101に入力された場合に、中間回転部材110の折り曲げ爪152bは常に第1弾性部材130によって第1窓孔143の回転方向R1側の回転方向支持部165に押し付けられている。したがって、中間回転部材110はフランジ108に対して相対回転することができず、微少捩り振動入力時であっても弾性部材130,131の弾性力は常に中間回転部材110を介して第2摩擦発生部171に作用している。つまり、入力回転部材102と出力回転部材103とが相対回転するときは、捩じり特性正側では常に第2摩擦発生部171が作動し、高ヒステリシストルクを発生している。
【0084】
次に、図12を用いて、中立状態から入力回転部材102を固定しておきそれに対してハブ106を回転方向R1側に捩じっていく捩じり特性負側領域の動作(このとき入力回転部材102が出力回転部材103に対して回転方向R2側に捩じれることになる)を説明する。
【0085】
捩り角度の最も小さな領域では第1ダンパー機構159のみが作動する。具体的には、小コイルスプリング161がブッシュ151及びプレート152とフランジ108との間で回転方向に圧縮される。このときに、板ばね162は半径方向凹部164aの回転方向壁に押されて突出部151aの溝151fの壁に摺動する。凹部164aの回転方向R2側端が突出部151aの回転方向R2側端に当接すると、それにより第1ダンパー機構159の動作は停止する。また、この捩り角度がθ16の時点で、第2窓孔144の回転方向R2側の回転方向支持部169は第2弾性部材131の回転方向R2側の端部に当接する。
【0086】
さらに捩り角度が大きくなると、第2ダンパー機構160のみが作動する。捩じり角度の小さな領域では、2個の第2弾性部材131のみが圧縮され、正側に比べて低剛性の特性が得られる。また、第1摩擦発生部170及び第2摩擦発生部171が作動し、高ヒステリシストルクの特性が得られる。このとき第2摩擦発生部171では、中間回転部材110は、ブッシュ151の突出部151aが半径方向凹部164aの回転方向R2側端に押されることで、フランジ108と回転方向R1側に一体回転し、第2ブッシュ176に対して摺動する。このように中間回転部材110がハブ106と一体回転するため、第2弾性部材131の回転方向R2側端とプレート152の縁152cとの間には回転方向隙間133の捩り角度θ4が確保されている。
【0087】
捩じり角度の絶対値がθ6になると、第1窓孔143の回転方向R2側の回転方向支持部165が第1弾性部材130の回転方向R2側端に当接する。これ以降は、2個の第1弾性部材130が2個の第2弾性部材131に並列に圧縮される。この結果、高剛性・高ヒステリシストルクの捩じり特性が得られる。
【0088】
以上に述べたように、第2弾性部材131は、捩り特性正側において、捩り角度θ2の範囲のみ(正側全角度θ1より小さい範囲)で圧縮されるようになっており、正側で圧縮される角度が負側で圧縮される角度(負側全角度)と同じである。他の実施例としては、第2弾性部材131が正側で圧縮される角度が負側で圧縮される角度(負側全角度)より小さくてもよい。このように、第2弾性部材131が正側で圧縮される角度が負側で圧縮される角度(負側全角度)より大きくないことによって、第2弾性部材を低剛性でかつ低トルク容量のものにすることができる。この結果、第2弾性部材131の形状を前述のように第1弾性部材130より小さくすることができ、結果として第2弾性部材131をストップピン122の作動範囲より内側に配置することができる。
【0089】
次に、図13の捩じり特性線図を参照して、具体的にクラッチディスク組立体101に各種捩り振動が入力された時の捩り特性について説明する。
【0090】
車両の前後振動のように振幅の大きな捩り振動が発生すると、捩り特性は正負両側にわたって変動を繰り返す。この時、正負両側で発生する高ヒステリシストルクによって車両の前後振動は速やかに減衰される。
【0091】
次に、例えばエンジンブレーキをかけた減速時においてエンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチディスク組立体101に入力されたとする。このとき、捩り角度θ4内の微少捩り振動に対しては、第2弾性部材131の荷重はプレート152すなわち中間回転部材110に作用せず、その結果中間回転部材110は2摩擦発生部171においてプレート112,113に対して相対回転せず、クラッチプレート112及び第2ブッシュ176に摺動しない。
【0092】
つまり、捩じり角度θ4の範囲では、負側のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルク(第1摩擦発生部170によるヒステリシストルク)が得られる。この捩り角度θ4内のヒステリシストルクは全体にわたるヒステリシストルクの1/10程度であることが好ましい。このように、捩じり特性の負側において第2摩擦発生部171を所定角度範囲内では作動させない回転方向隙間を設けたため、エンジンブレーキをかけた減速時の振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0093】
捩じり特性の正側において第2摩擦発生部171を所定角度範囲内で作動させない回転方向隙間を設けなかったため、実用回転域に共振ピークが残ることが多いFF車などの場合、共振回転数付近で音・振動性能が悪化しない。
【0094】
このように、捩じり特性の正負両側のうち第1回転部材にのみ摩擦機構を所定角度範囲内で作動させない回転方向隙間を確保しているため、加速・減速の両方で音・振動性能が向上する。
【0095】
以上に述べたように、本発明に係るダンパー機構では、捩じり特性の正側と負側とで捩じり剛性を異ならせるのみでなく、微小捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発生させない構造を捩じり特性の第1回転部材のみに設けることで、全体として好適な捩じり特性を実現している。
【0096】
さらに、アイドリング時の微少捩り振動がクラッチディスク組立体101に入力されたとする。この場合は第1ダンパー機構159のみが作動し、低剛性・低ヒスの特性を発揮する。このため、捩り振動が吸収・減衰され、アイドリング時の異音が減衰される。特に、捩り特性1段目領域内であっても捩り角度がθ17以内の微少捩り振動に対しては、摩擦発生機構である板ばね162は作動せず、したがって図14に示すように、ヒステリシストルクはさらに小さくなる。この結果アイドリング時の微少捩り振動において、θ17の範囲では超低ヒス又は無ヒスの状態を得て、その両側では若干大きい中間のヒスを得ることができる。
【0097】
第1ダンパー機構159においては、板ばね162をブッシュ151の溝151fに配置することで摩擦抵抗発生機構を実現しているため、以下の利点がある。
【0098】
1.第1ダンパー機構159の摩擦発生機構が主に板ばね162によって構成されているため、第1ダンパー機構159の構成が簡単になり、部品点数も少なくなっている。
【0099】
2.板ばね162が中間回転部材110のブッシュ151によって保持されているため、収容スペースが大きくならない。特に、板ばね162はブッシュ151の溝151f内に収納されているため、省スペース効果が高くなっている。
【0100】
3.板ばね162単体によって荷重及び摩擦係数が決定されるため、第1ダンパー機構159の摩擦発生機構における摩擦の設定が容易である。また、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0101】
4.板ばね162は半径方向に向けて摩擦発生用の荷重を発生させているため、軸方向に向けて荷重を発生させている従来例に比べて、構造が簡単になる。
【0102】
5.板ばね162の回転方向長さを変更するだけで、1段目領域内の超低ヒス発生領域の大きさを変更できるため、1段目領域内の超低ヒス発生領域の大きさの変更が容易である。
【0103】
6.従来であれば小摩擦発生機構は、複雑な構造やスペースの制限によって設けることができない場合があった。その場合は、アイドル時において、例えば、パワーステアリングやライト点灯などでエンジンに負荷がかかり、そのため回転変動が増大した場合に、2段目スプリングをさせて異音を発生させてしまっていた。しかし、本発明に係る実施形態では、板ばね162が摺動ヒステリシストルクを発生させることで、異音の発生を防止できる。
【0104】
(9)他の実施形態
前記実施形態では板ばね162は金属、具体的には鋼からなる板状部材であったが、他の材料から構成されていても良い。
【0105】
図15及び図16に示す他の実施形態では、板ばね201は樹脂からなる第1部材202と金属製の第2部材203とを有している。第1部材202は弧状に延びており、弧状本体202aとその両端から半径方向内側に延びる支持部202bとから構成されている。第2部材203は、図15に示す自由状態では直線状に延びており、両端が支持部202bに当接して支持されている。この結果、第2部材203は第1部材202の内周側に保持されている。言い換えると、板ばね201の外周側面は第1部材202によって形成され、内周側面は第2部竿203によって形成されている。
【0106】
図16に示すように板ばね201を突出部151aの溝151fに装着すると、第2部材203は回転方向中心部が回転方向端部に比べて半径方向外側に移動するようにたわみ、第1部材202は回転方向端部が回転方向中心部に比べて半径方向内側に移動するようにたわむ。このように、第1部材202が溝151fの外周側壁面に押しつけられて、第2部材203が溝151fの内周側壁面に押しつけられている。
【0107】
板ばね201の基本的な作用効果は前記実施形態の板ばね162の作用効果と同様である。板ばね201は、2つの部材から構成されるため、材料の異なる部材を適宜組み合わせて適切な弾性力及び摩擦係数を得ることができる。特に、第1部材202は樹脂からなるため、材料を選択することで適切な摩擦係数を得やすい。
【0108】
図17及び図18に示す他の実施形態では、板ばね207は、樹脂製であり、第1層209と第2層210とからなる。第1層209は弧状に延びている。第2層210は第1層209を全体的に覆っており、第1層209に一体成形されている。板ばね207は図17に示す自由状態では弧状に延びている。
【0109】
図18に示すように板ばね207を突出部151aの溝151fに装着すると、板ばね207は回転方向端部が回転方向中心部に比べて半径方向内側に移動するようにたわむ。このようにして、板ばね207の回転方向中心部がが溝151fの内周側壁面に押しつけられて、板ばね207の回転方向端部が溝151fの外周側壁面に押しつけられる。
【0110】
板ばね207の基本的な作用効果は前記実施形態の板ばね162の作用効果と同様である。板ばね207は、2つの樹脂材料から構成されるため、材料の異なる樹脂材料を適宜組み合わせて適切な弾性力及び摩擦係数を得ることができる。特に、第1層209は弾性係数を基準に選択し、第2層210は摩擦係数を基準に選択して、最適な組み合わせを実現しやすい。
【0111】
本発明が適用されるクラッチディスク組立体の構造は前記実施形態に限定されない。例えば、ハブのボスとフランジが分離してダンパー機構によって連結された構造にも本発明を適用できる。
【0112】
本発明に係るダンパー機構は、クラッチディスク組立体以外にも採用可能である。例えば、2つのフライホイールを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構等である。
【0113】
【発明の効果】
本発明に係るダンパー機構では、ダンパーディスク組立体にアイドリング時の微少捩り振動が入力されると、第1回転部材と第2回転部材が相対回転し、その時に板状部材が第1回転部材に押されて第2回転部材に摺動し摩擦抵抗を発生する。この結果、微少捩り振動は速やかに減衰される。特に、板状部材によって、ダンパー機構の構成が簡単になり、部品点数も少なくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るクラッチディスク組立体の縦断面図であり、図21のI-I断面図。
【図2】 本発明の一実施形態に係るクラッチディスク組立体の縦断面図であり、図3のII-O断面図。
【図3】 クラッチディスク組立体の平面図。
【図4】 図3の部分拡大図であり、クラッチディスク組立体の部分平面図。
【図5】 図3の部分拡大図であり、クラッチディスク組立体の部分平面図。
【図6】 図2の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断面図。
【図7】 図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断面図。
【図8】 図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断面図。
【図9】 第2弾性部材とフランジ及びプレートとの捩り角度関係を説明するための部分平面図。
【図10】 第1ダンパー機構の摩擦発生機構を説明するための部分平面図。
【図11】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の模式図。
【図12】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の模式図。
【図13】 クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【図14】 クラッチディスク組立体の捩り特性線図の1段目の部分を拡大した図。
【図15】 他の実施形態における板ばね(自由状態)の平面図。
【図16】 他の実施形態における板ばね(取付状態)の平面図。
【図17】 さらに他の実施形態における板ばね(自由状態)の平面図。
【図18】 さらに他の実施形態における板ばね(取付状態)の平面図。
【符号の説明】
101 クラッチディスク組立体(ダンパーディスク組立体)
104 弾性連結機構
106 ハブ(第1回転部材)
110 中間回転部材(第2回転部材)
112 クラッチプレート(円板状回転部材)
113 リティーニングプレート(円板状回転部材)
151 ブッシュ
151f 溝
159 第1ダンパー機構(ダンパー機構)
161 小コイルスプリング(弾性部材)
162 板ばね(板状部材)
Claims (6)
- 車両のトルク伝達を行うダンパーディスク組立体において、アイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構であって、
第1回転部材と、
前記第1回転部材に対して所定角度範囲内で相対回転可能に配置された第2回転部材と、
回転方向に延びて半径方向両側に主面が向いた板状であり、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが相対回転するときに、第1回転部材に回転方向に押されて第2回転部材に摺動して摩擦抵抗を発生する板状部材と、を備え、
前記第2回転部材は、回転方向に延び両端が開口した溝が形成された保持部を有し、
前記板状部材は、前記第2回転部材に対して回転方向に移動可能に前記溝内に保持され、前記溝より回転方向に長く延びており、
前記板状部材は、前記第1回転部材によって回転方向に駆動され得、
前記第1回転部材は、前記保持部の回転方向両側に配置され、前記板状部材の回転方向両端にそれぞれ当接可能な一対の当接部を有しており、
前記一対の当接部間の回転方向距離は前記板状部材の回転方向長さより長く、そのため前記板状部材の少なくとも一方の回転方向端と前記当接部との回転方向間に隙間が確保されている、
ダンパー機構。 - 前記板状部材は、前記第2回転部材に対して弾性変形した状態で保持されている、請求項1に記載のダンパー機構。
- 前記第1回転部材と前記第2回転部材が相対回転するときに、回転方向に圧縮される弾性部材をさらに備えている、請求項1または2に記載のダンパー機構。
- 車両のトルク伝達を行うダンパーディスク組立体であって、
ハブと、
前記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能に配置された円板状回転部材と、
前記ハブと前記円板状回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための弾性連結機構と、
前記弾性連結機構が作動する捩り角度範囲より捩り角度ゼロからの大きさが小さな捩り角度範囲内で作動する、アイドリング時の微少捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構とを備え、
前記ダンパー機構は、前記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な中間回転部材と、回転方向に延びて半径方向両側に主面が向いた板状であり、前記ハブと前記中間回転部材とが相対回転するときに、前記ハブに回転方向に押されて前記中間回転部材に摺動して摩擦抵抗を発生する板状部材とを有しており、
前記中間回転部材は、回転方向に延び両端が開口した溝が形成された保持部を有し、
前記板状部材は、前記中間回転部材に対して回転方向に移動可能に前記溝内に保持され、前記溝より回転方向に長く延びており、
前記板状部材は、前記ハブによって回転方向に駆動され得、
前記ハブは、前記保持部の回転方向両側に配置され、前記板状部材の回転方向両端にそれぞれ当接可能な一対の当接部を有しており、
前記一対の当接部間の回転方向距離は前記板状部材の回転方向長さより長く、そのため前記板状部材の少なくとも一方の回転方向端と前記当接部との回転方向間に隙間が確保されている、
ダンパーディスク組立体。 - 前記板状部材は、前記中間回転部材に対して弾性変形した状態で保持されている、請求項4に記載のダンパーディスク組立体。
- 前記中間回転部材と前記ハブが相対回転するときに、回転方向に圧縮される弾性部材をさらに備えている、請求項4または5に記載のダンパーディスク組立体。
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