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JP3831562B2 - ダンパー機構及びダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパー機構及びダンパーディスク組立体 Download PDF

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JP3831562B2
JP3831562B2 JP36007599A JP36007599A JP3831562B2 JP 3831562 B2 JP3831562 B2 JP 3831562B2 JP 36007599 A JP36007599 A JP 36007599A JP 36007599 A JP36007599 A JP 36007599A JP 3831562 B2 JP3831562 B2 JP 3831562B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパー機構、特に、動力伝達系における捩じり振動を減衰するためのダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌に用いられるクラッチディスク組立体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。一般に車輌の振動には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能である。
【0003】
アイドル時異音とは、信号待ち等でシフトをニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときにトランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえる音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイドリング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトランスミッションのインプットギアとカウンターギアとが歯打ち現象を起こしている。
【0004】
ティップイン・ティップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりしたときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振動となる。
【0005】
アイドリング時異音に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけソリッドにすることが必要である。
【0006】
以上の問題を解決するために、2種類のばねを用いることにより2段特性を実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振動を十分に減衰できる。
【0007】
さらに、捩じり特性2段目においてたとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小振動が入力されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、低ヒステリシストルクによって微小振動を効果的に吸収するダンパー機構も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な捩じり特性では、正側領域と負側領域とで特性が概ね同じである。具体的には、捩じり剛性やヒステリシストルクがほぼ同じである。しかし、負側の捩じり剛性が正側の捩じり剛性と同等である場合は、減速時の音・振動性能の点から好ましくなく、負側の捩じり剛性を下げる必要がある。そこで従来は、負側領域でのばねの作動数を正側領域でのそれより減らすことで、負側の捩じり剛性を正側の捩じり剛性より低くしている。
【0009】
この従来技術の第1の問題点は、ばねの作動数を減らすだけでは捩じり剛性を十分に低くできないことである。
【0010】
第2の問題点は、負側の捩じり剛性を低くすると、所定角度内で十分に大きな負側のストッパートルクを得ることが困難なことである。
【0011】
本発明の目的は、捩じり特性の負側領域での音振性能を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパー機構は、入力回転体と出力回転体と弾性連結部材をとを備えている。出力回転体は、入力回転体に対して回転可能に配置されている。弾性連結部材は、入力回転体と出力回転体とを回転方向に連結するための第1ばね及び第2ばねを有する。捩じり特性正側領域は第1ばね及び第2ばねが並列に圧縮される領域を含んでいる。捩じり特性負側領域は、第1ばねのみが圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばね及び第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでいる。
【0013】
この結果、このダンパー機構では、第1領域における低剛性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0014】
さらにこのダンパー機構は、第1中間回転体と第2中間回転体とをさらに備えている。第1中間回転体は、第1ばね及び第2ばねの回転方向両端を支持し、出力回転体の駆動側面に所定の隙間角度を空けて配置されている。第2中間回転体は、第1ばねの逆駆動側端を回転方向に支持し、出力回転体の駆動側面に対して第1中間回転体より近接して配置されている。
【0015】
出力回転体が入力回転体に対して駆動側に捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転体に対して逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領域では)、出力回転体は初めに第2中間回転体に当接し第2中間回転体を駆動側に移動させる。このとき、第2中間回転体と入力回転体との間で第1ばねが圧縮される。続いて出力回転体が第1中間回転体に当接し第1中間回転体を駆動側に移動させる。このとき、第1中間回転体と入力回転体との間で第2ばねが圧縮される。以上をまとめると、捩じり特性負側領域は、第1ばねのみが圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばね及び第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでいる。この結果、第1領域における低剛性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0016】
なお、出力回転体が入力回転体に対して逆駆動側に捩じれていくと(つまり入力回転体が出力回転体に対して駆動側に捩じれる捩じり特性正側領域では)、第1中間回転体と入力回転体との間で第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される。
【0017】
請求項2に記載のダンパーディスク組立体は、1対の入力側回転プレートと、ハブと、円板状ハブフランジと、弾性部材と、弾性連結部材と、サブプレートとを備えている。ハブは、1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能に配置されている。円板状ハブフランジは、1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置されハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能である。弾性部材はハブとハブフランジとを回転方向に弾性的に連結する。弾性連結部材は、ハブフランジと1対の入力側回転プレートとを回転方向に連結するための部材であり、第1ばねと第2ばねとを有する。サブプレートは、1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、第1ばねの逆駆動側端に当接し、ハブに所定角度範囲内で相対回転可能に係合する。ハブとその駆動側にあるサブプレートとの隙間は、ハブとその駆動側にあるハブフランジとの隙間より小さい。
【0018】
ハブが1対の入力側回転プレート対して駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレートがハブに対して逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領域では)、ハブは初めにサブプレートに当接しサブプレートを駆動側に移動させる。このとき、サブプレートと1対の入力側回転プレートとの間で第1ばねが圧縮される。続いてハブがハブフランジに当接しハブフランジを駆動側に移動させる。このとき、ハブフランジと1対の入力側回転プレートとの間で第2ばねが圧縮される。以上をまとめると、捩じり特性負側領域は、第1ばねのみが圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばね及び第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでいる。この結果、第1領域における低剛性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0019】
なお、ハブが1対の入力側プレートに対して逆駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレートがハブに対して駆動側に捩じれる捩じり特性正側領域では)、ハブフランジと1対の入力側回転プレートとの間で第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される。
【0020】
請求項3に記載のダンパーディスク組立体は、1対の入力側回転プレートと、ハブと、円板状ハブフランジと、弾性部材と、弾性連結部材と、サブプレートとを備えている。ハブは、1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能に配置されている。円板状ハブフランジは、1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置されハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能である。弾性部材は、ハブとハブフランジとを回転方向に弾性的に連結する。弾性連結部材は、ハブフランジと1対の入力側回転プレートとを回転方向に連結するための部材であり、第1ばねと第2ばねとを有する。サブプレートは、1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、第1ばねの逆駆動側端に当接し、ハブに所定角度範囲内で相対回転可能に係合する。ハブとその駆動側にあるサブプレートとの隙間は、ハブとその駆動側にあるハブフランジとの隙間より小さい。第1ばねの駆動側端は、ハブフランジによって回転方向に支持されており、1対の入力側回転プレートからは所定角度離れている。
【0021】
ハブが1対の入力側回転プレートに対して駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレートがハブに対して逆駆動側に捩じれる捩じり特性負側領域では)、ハブは初めにサブプレートに当接しサブプレートを駆動側に移動させる。このとき、サブプレートは第1ばねを押し、第1ばねはハブフランジを押し、ハブフランジは第2ばねを押す。つまり、第1ばねと第2ばねはハブフランジを間に介して、ハブと1対の入力側回転プレートとの間で直列に圧縮される。続いて第1ばねの駆動側端が1対の入力側回転プレートに当接しかつハブがハブフランジに当接すると、以後は第1ばねはサブプレートと1対の入力側回転プレートとの間で圧縮され、第2ばねはハブフランジと1対の入力側回転プレートとの間で圧縮される。以上をまとめると、捩じり特性負側領域は、第1ばねと第2ばねが直列に圧縮される第1領域と、第1領域より大きな捩じり角度において第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含んでいる。この結果、第1領域において第1ばね及び第2ばねが直列に圧縮されるためいずれか一方のみが圧縮される場合に比べてより低い剛性によって減速時の音振性能が向上し、第2領域における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0022】
なお、ハブが1対の入力側回転プレートに対して逆駆動側に捩じれていくと(つまり1対の入力側回転プレートがハブに対して駆動側に捩じれる捩じり特性正側領域では)、ハブフランジと1対の入力側回転プレートとの間で第1ばねと第2ばねが並列に圧縮される。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態のクラッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にその平面図を示す。クラッチディスク組立体1は、車輌のクラッチ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とはフライホイール(図示せず)に連結及び離反することによってトルクを伝達及び遮断する機能である。ダンパー機能とは、ばね等によりフライホイール側から入力されるトルク変動等を吸収・減衰する機能である。
【0024】
図1においてO−Oがクラッチディスク組立体1の回転軸すなわち回転中心線である。また、図1の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。さらに、図2のR1側がクラッチディスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、R2側からその反対側(負側)である。
【0025】
クラッチディスク組立体1は、主に、入力回転体2(クラッチプレート21, リティーニングプレート22, クラッチディスク23)と、出力回転体としてのハブ3と、入力回転体2とハブ3との間に形成されたダンパー機構4とから構成されている。ダンパー機構4は、入力回転体2とハブ3との間でトルクを伝達するともに両者間の捩じり振動を吸収・減衰するための機構である。ダンパー機構4は、後述するように、小コイルスプリング7, 大コイルスプリング8及び大摩擦機構13などを含んでいる。
【0026】
入力回転体2はフライホイール(図示せず)からのトルクが入力される部材である。入力回転体2は、主に、クラッチプレート21と、リティーニングプレート22と、クラッチディスク23とから構成されている。クラッチプレート21とリティーニングプレート22は共に板金製の円板状又は環状の部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。クラッチプレート21はエンジン側に配置され、リティーニングプレート22はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート21とリティーニングプレート22は後述する板状連結部31により互いに固定され、その結果軸方向の間隔が定めされると共に一体回転するようになっている。
【0027】
クラッチディスク23は、図示しないフライホイールに押し付けられる部分である。クラッチディスク23は、クッショニングプレート24と、第1及び第2摩擦フェーシング25とから主に構成されている。クッショニングプレート24は、環状部24aと、環状部24aの外周側に設けられ回転方向に並ぶ複数のクッショニング部24bと、環状部24aから半径方向内側に延びる複数の連結部24cとから構成されている。連結部24cは4カ所に形成され、各々がリベット27(後述)によりクラッチプレート21に固定されている。クッショニングプレート24の各クッショニング部24bの両面には、摩擦フェーシング25がリベット26により固定されている。
【0028】
クラッチプレート21及びリティーニングプレート22の外周部には、回転方向に等間隔で4つの角窓35がそれぞれ形成されている。各角窓35には、内周側と外周側にそれぞれ額縁35a,35bが形成されている。この額縁35a, 35bは後述の大コイルスプリング8の軸方向及び半径方向への移動を規制するためのものである。また、角窓35には、大コイルスプリング8の端部に当接又は近接する当接部36が円周方向両端に形成されている。
【0029】
クラッチプレート21及びリティーニングプレート22には、それぞれ中心孔37(内周縁)が形成されている。この中心孔37内には出力回転体としてのハブ3が配置されている。ハブ3は、軸方向に延びる筒状のボス52と、ボス52から半径方向に延びるフランジ54とから構成されている。ボス52の内周部には、トランスミッション側から延びる図示しないシャフトに係合するスプライン孔53が形成されている。フランジ54には回転方向に並んだ複数の外周歯55及び後述の小コイルスプリング7を収容するための切欠き56等が形成されている。切欠き56は半径方向に対向する2カ所に形成されている。
【0030】
ハブフランジ6は、ハブ3の外周側で、かつ、クラッチプレート21とリティーニングプレート22との間に配置された円板状の部材である。ハブフランジ6は、小コイルスプリング7を介してハブ3と回転方向に弾性的に連結され、さらには大コイルスプリング8を介して入力回転体2に弾性的に連結されている。
【0031】
図3に詳細に示すように、ハブフランジ6の内周縁には複数の内周歯59が形成されている。内周歯59は前述の外周歯55の間に配置され、回転方向に所定の隙間をあけて配置されている。外周歯55と内周歯59とは回転方向に互いに当接可能である。すなわち外周歯55と内周歯59とによりハブ3とハブフランジ6との捩じり角度を規制するための第1ストッパー9が形成されている。ここでストッパーとは、所定角度までは両部材の相対回転を許容するが、所定角度になると互いに当接しそれ以上の相対回転を禁止する構造をいう。外周歯55とその円周方向両側の内周歯59との間にはそれぞれ隙間角度θ1,θ3が確保されている。外周歯55から見てR2側の内周歯59との間の隙間角度であるθ1は8°であり、外周歯55から見てR1側の内周歯59との間の隙間角度であるθ3は9°である。
【0032】
さらに、ハブフランジ6の内周縁には、フランジ54の切欠き56に対応して切欠き67が形成されている。各切欠き56, 67内には、1つずつ小コイルスプリング7が配置されている。小コイルスプリング7は低剛性のコイルスプリングであり、2つの小コイルスプリング7は並列に作用する。小コイルスプリング7は円周方向両端においてスプリングシート7aを介して切欠き56, 67の円周方向両端に係合している。以上の構造によって、ハブ3とハブフランジ6とが相対回転する際には第1ストッパー9の作動角の範囲内で小コイルスプリング7が回転方向に圧縮される。
【0033】
ハブフランジ6には回転方向に等間隔で4つの窓孔41が形成されている。窓孔41は回転方向に長く延びる形状である。ハブフランジ6において各窓孔41の円周方向間には半径方向外側が開いた切欠き42が形成されている。切欠き42は半径方向内側から外側に向かって円周方向長さが長くなる扇形状である。
【0034】
各窓孔41が形成された部分の半径方向外側には、突起49が形成されている。すなわち突起49はハブフランジ6の外周縁からさらに半径方向外側に延びる突起形状である。
【0035】
大コイルスプリング8はクラッチディスク組立体1のダンパー機構4に用いられる弾性連結部材すなわちばねである。各大コイルスプリング8は同心に配置された1対のコイルスプリングから構成されている。各大コイルスプリング8は各小コイルスプリング7に比べて大型であり、ばね定数が大きい。この実施形態では4つの大コイルスプリング8は全て同一の寸法・ばね定数を有している。大コイルスプリング8は各窓孔41, 35内に収容されている。大コイルスプリング8は、回転方向に長く延びており、窓孔41全体にわたって配置されている。大コイルスプリング8の円周方向両端は、窓孔41の当接部44と当接部36とに当接又は近接している。
【0036】
リティーニングプレート22の外周縁には、回転方向に等間隔で4カ所に板状連結部31が形成されている。板状連結部31は、クラッチプレート21とリティーニングプレート22とを互いに連結するものであり、さらに後述するようにクラッチディスク組立体1のストッパーの一部を構成している。板状連結部31は、リティーニングプレート22から一体に形成された板状部材であり、回転方向に所定の幅を有している。板状連結部31は、各窓孔41の円周方向間すなわち切欠き42に対応して配置されている。板状連結部31は、リティーニングプレート22の外周縁から軸方向に延びるストッパー部32と、ストッパー部32の端部から半径方向内側に延びる固定部33とから構成されている。ストッパー部32はリティーニングプレート22の外周縁からクラッチプレート21側に延びている。固定部33は、ストッパー部32の端部から半径方向内側に折り曲げられている。以上に述べた板状連結部31はリティーニングプレート22と一体の部分であり、厚みはリティーニングプレート22とほぼ同じである。そのため、ストッパー部32は、主面が半径方向に向いており、半径方向にはリティーニングプレート22の板厚に相当する幅のみを有している。固定部33はクッショニングプレート24の連結部24cに平行にかつトランスミッション側から当接している。リベット27は、固定部33とクラッチプレート21とクッショニングプレート24とを一体に連結している。さらに、リティーニングプレート22において固定部33に対応する位置にはかしめ用孔34が形成されている。
【0037】
板状連結部31のストッパー部32と突起49とによって、第2ストッパー10が形成されている。
【0038】
サブプレート11は、ハブ3の外周側において、クラッチプレート21とハブフランジ6との間、及びハブフランジ6とリティーニングプレート22との間に配置された1対のプレート部材である。サブプレート11は、円板状又は環状のプレート部材であり、入力回転体2とハブ3との間でダンパー機構4の一部を構成している。サブプレート11の内周縁には複数の内周歯66が形成されている。内周歯66はハブフランジ6の内周歯59と軸方向に重なるように配置されている。図3に詳細に示すように、内周歯66は内周歯59に比べて円周方向幅が広く、回転方向R1側端は一致しているが、R2側端は円周方向外側にはみでている。内周歯66は、ハブ3の外周歯55と回転方向に所定の隙間をあけて配置されている。すなわちこの隙間の範囲内でハブ3とサブプレート11とは相対回転可能となっている。外周歯55と内周歯66とにより、ハブ3とサブプレート11との相対回転角度を規制する第3ストッパー12が形成されている。より具体的には、外周歯55と内周歯66との間には隙間角度θ1,θ2の隙間が確保されている。外周歯55から見てR2側の内周歯66との間の隙間角度であるθ1は8°であり、外周歯55から見てR1側の内周歯66との間の隙間角度であるθ2は2°である。
【0039】
θ2はθ3より小さい。このことは、ハブ3の外周歯55のR1側面(駆動側側面)に対して、サブプレート11の内周歯66がハブフランジ6の内周歯59より近接して配置されていることを意味する。つまり、ハブ3がR1側に捩じれるときに、ハブ3はハブフランジ6より先にサブプレート11に当接して駆動する。
【0040】
1対のサブプレート11のうちリティーニングプレート22側に配置されたサブプレート11には、半径方向外側に延びる1対の突出部61が形成されている。各突出部61は半径方向に対向する位置にあり、第1ばね8AのR2側端に当接している。言いかえると、突出部61は窓孔41のR2側当接部44と一致する端面を有している。
【0041】
1対のサブプレート11同士は、複数のピン62によって、相対回転不能であり、かつ、互いに軸方向の位置決めがされている。各サブプレート11とハブフランジ6との間には、それぞれスペーサが配置されている。ハブフランジ6にはピン62が貫通する複数の孔69が形成されている。孔69は円周方向に長く延びており、ピン62は孔69のR2側端に近接又は当接している。つまり、サブプレート11はハブフランジ6に対してR2側にはほとんど相対回転不能であるが、R1側には所定角度まで相対回転可能である。
【0042】
次に、摩擦発生機構を構成する各部材について説明する。第2摩擦ワッシャー72は、トランスミッション側のサブプレート11の内周部とリティーニングプレート22の内周部との間に配置されている。第2摩擦ワッシャー72はトランスミッション側のサブプレート11のトランスミッション側の面に当接し、リティーニングプレート22に対して相対回転不能に係合している。第2摩擦ワッシャー72とリティーニングプレート22との間には第2コーンスプリング73が配置されている。第2コーンスプリング73は、第2摩擦ワッシャー72の本体とリティーニングプレート22との間で圧縮された状態で配置されている。第1摩擦ワッシャー79はフランジ54とリティーニングプレート22の内周部との間に配置されている。すなわち、第1摩擦ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72の内周側でかつボス52の外周側に配置されている。第1摩擦ワッシャー79は、フランジ54に当接しており、第2摩擦ワッシャー72に相対回転不能に係合している。これにより、第1摩擦ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72を介してリティーニングプレート22と一体回転可能である。第1摩擦ワッシャー79とリティーニングプレート22の内周部との間には第1コーンスプリング80が配置されている。第1コーンスプリング80は第1摩擦ワッシャー79とリティーニングプレート22の内周部との間で軸方向に圧縮された状態で配置されている。なお、第1コーンスプリング80の付勢力は第2コーンスプリング73の付勢力より小さくなるように設計されている。また、第1摩擦ワッシャー79及び第2摩擦ワッシャー72は樹脂製であるが、第1摩擦ワッシャー79は第2摩擦ワッシャー72に比べて摩擦係数が低い材料から構成されている。このため、第1摩擦ワッシャー79によって発生する摩擦(ヒステリシストルク)は第2摩擦ワッシャー72で発生する摩擦より大幅に小さくなっている。
【0043】
クラッチプレート21の内周部とフランジ54及びサブプレート11の内周部との間には第3摩擦ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86が配置されている。第3摩擦ワッシャー85及び第4摩擦ワッシャー86は樹脂製の環状部材である。第3摩擦ワッシャー85はクラッチプレート21の内周縁に相対回転不能に係合し、その内周面はボス52の外周面に摺動可能に当接している。すなわち、クラッチプレート21は第3摩擦ワッシャー85を介してハブ3に半径方向の位置決めをされている。第3摩擦ワッシャー85はフランジ54に対して軸方向エンジン側から当接している。第4摩擦ワッシャー86は第3摩擦ワッシャー85の外周側に配置されている。第4摩擦ワッシャー86は、軸方向エンジン側のサブプレート11に当接し、クラッチプレート21に相対回転不能に係合している。第3摩擦ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86は互いに相対回転不能に係合している。なお、第3摩擦ワッシャー85と第4摩擦ワッシャー86は別体の部材であり、第4摩擦ワッシャー86は第3摩擦ワッシャー85に対して摩擦係数が高い材料から構成されている。
【0044】
以上に述べた摩擦機構において、第2摩擦ワッシャー72及び第4摩擦ワッシャー86とサブプレート11との間に比較的高いヒステリシストルクを発生させる大摩擦機構13(摩擦機構)が形成されている。さらに、第1摩擦ワッシャー79及び第3摩擦ワッシャー85と、フランジ54との間に低ヒステリシストルクを発生する小摩擦機構15を形成している。小摩擦機構15は、概ね、捩じり特性の正負1段目領域(θC〜θA)において作動し、低ヒステリシストルクを発生するための機構である。大摩擦機構13は、概ね、捩じり特性の正負1段目領域(θC〜θA)において作動せず、正側2段目領域(θA〜θB)及び負側2段目領域(θC〜θE)において作動して高ヒステリシストルクを発生するための構造である。
【0045】
図4はクラッチディスク組立体1のダンパー機構4の機械回路図である。この機械回路図は、ダンパー機構4における各部材の回転方向の関係を模式的に描いたものである。したがって一体回転する部材は同一の部材として取り扱っている。
【0046】
図4から明らかなように、入力回転体2とハブ3との間にはダンパー機構4を構成するための複数の部材、例えばハブフランジ6やサブプレート11さらには第1及び第2ばね8A,8Bが配置されている。ハブフランジ6は入力回転体2とハブ3との回転方向間に配置されている。ハブフランジ6はハブ3に小コイルスプリング7を介して回転方向に弾性的に連結されているが、小コイルスプリング7は図示されていない。ハブフランジ6とハブ3との間には第1ストッパー9が形成されている。ハブフランジ6は入力回転体2に対して大コイルスプリング8を介して回転方向に弾性的に連結されている。また、ハブフランジ6と入力回転体2との間には第2ストッパー10が形成されている。
【0047】
以上に述べたように、入力回転体2とハブ3は、直列に配置された小コイルスプリング7と大コイルスプリング8とにより回転方向に弾性的に連結されている。ここでは、ハブフランジ6は2種類のばねの間に配置された中間部材として機能している。小コイルスプリング7全体の剛性は大コイルスプリング8全体の剛性よりはるかに小さく設定されている。サブプレート11は入力回転体2とハブ3との回転方向間に配置されている。サブプレート11は、ハブ3との間に第3ストッパー12を構成し、第1ばね8AのR2側端に当接又は近接している。
【0048】
このクラッチディスク組立体1の捩り特性を、図4〜図7の機械回路図及び図8の捩り特性線図によって説明する。なお、図8の捩じり特性線図ではヒステリシストルクの大きさについては表示していない。
【0049】
図2及び図3に示す中立状態から、ハブ3を他の部材に対して回転方向R2側に捩っていく。すると、ハブ3とハブフランジ6との間で第1小コイルスプリング7が圧縮される。θ1だけ捩れて捩り角度がθAになると、第1ストッパー9において外周歯55が内周歯59及び内周歯66に当接する。このときの状態を図4に示す。これ以降はハブフランジ6及びサブプレート11はハブ3と共に回転し、小コイルスプリング7の圧縮は停止される。捩り角度Aから捩り角度θBまでの間では、4つの大コイルスプリング8がハブフランジ6とプレート21,22との間で並列に圧縮される。言いかえると、1対の第1ばね8Aと1対の第2ばね8Bとが並列に圧縮される。捩り特性正側で捩り角度が最も大きくなり、第2ストッパー10によって相対回転が停止されたθBでのダンパー機構4の状態を図5に示す。
【0050】
図2及び図3に示す中立状態からハブ3を他の部材に対して回転方向R1側に捩っていく。すると、ハブ3とハブフランジ6との間で小コイルスプリング7が圧縮される。捩り角度0からθ2だけ捩れた捩り角度θCになると、第3ストッパー12において外周歯55がサブプレート11の内周歯66に当接する。これ以降は、サブプレート11はハブ3と一体に回転し、ハブフランジ6に対して相対回転する。ハブ3はハブフランジ6に対して相対回転して行き、小コイルスプリング7はハブ3とハブフランジ6との間で圧縮される。一方、サブプレート11はハブフランジ6に対して相対回転し、1対の第1ばね8Aがサブプレート11とハブフランジ6との間で圧縮される。具体的には、サブプレート11の突出部61とハブフランジ6の窓孔41のR1側の当接部44との間で1対の第1ばね8Aが圧縮される。このようにして、小コイルスプリング7と1対の第1ばね8Aが並列に圧縮されていく。以上の動作において1対の第2ばね8Bは圧縮されない。この結果、負側2段目領域(θC〜θE)の第1領域(θC〜θD )の剛性は、正側2段目領域(θA〜θB)剛性の概ね1/2になる。
【0051】
捩り角度θCからさらにθ4だけ捩れすなわち捩り角度0からθ3だけ捩れて捩り角度θDになると、第1ストッパー9において外周歯55が内周歯59に当接する。このときの状態を図6に示す。
【0052】
これ以降は、ハブフランジ6は、サブプレート11及びハブ3と一体回転し、入力回転体2に対して相対回転する。1対の第1ばね8Aは、サブプレーは11の突出部61と入力回転体2の角窓35における当接部36との間で圧縮される。また、1対の第2ばね8Bはハブフランジ6と1対のプレート21,22との間で圧縮される。より具体的には、1対の第2ばね8Bは、窓孔41のR2側当接部44と角窓35のR1側当接部36との間で圧縮される。このようにして、1対の第1ばね8Aと1対の第2ばね8Bとが並列に圧縮される。捩り特性負側で捩り角度が最も大きくなり、第2ストッパー10によって相対回転が停止された捩じり角度θBでのダンパー機構4の状態を図7に示す。
【0053】
〔捩じり特性と振動減衰・吸収効果との関係〕
捩じり特性の正負1段目領域(θC〜θA)における低剛性・低ヒステリシストルクの特性によって、中立時アイドリング振動に対して効果的である。また、正側2段目領域(θA〜θB)の高剛性・高ヒステリシストルクの特性によって通常走行時の異音を効果的に減衰できる。
【0054】
捩じり特性負側領域の第1領域(θC〜θD)では第1ばね8Aのみが圧縮されるため、低剛性の特性が得られる。したがって、この低剛性によって減速時の音振性能が向上する。さらに、捩じり特性負側領域の第2領域(θD〜θE)における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0055】
第2実施形態
図9に示すクラッチディスク組立体1の構造は概ね前記実施形態に示したものと同様である。そのため、ここでは異なる構造についてのみ説明する。図9に示すように、1対の第1ばね8AのR1端63とそれに対応する角窓35のR1側の当接部36との間には各々円周方向に隙間が形成されている。この隙間の円周方向角度はθ5である。このクラッチディスク組立体1のダンパー機構4の機械回路図を図10に示す。以下このクラッチディスク組立体1の捩り特性を、図10〜図13の機械回路図及び図14の捩り特性線図によって説明する。なお、図14の捩じり特性線図ではヒステリシストルクの大きさについては表示していない。
【0056】
図10から図11の状態に移行する捩り特性正側領域の動作・特性は前記実施形態と同様である。
【0057】
図2及び図3に示す中立状態からハブ3を回転方向R1側に捩っていく。すると、ハブ3とハブフランジ6との間で小コイルスプリング7が圧縮される。捩り角度θC′になると、第3ストッパー12において外周歯55がサブプレート11の内周歯66に当接する。これ以降はサブプレート11はハブ3と一体に回転し、ハブフランジ6に対して相対回転する。これにより、サブプレート11の突出部は1対の第1ばね8AをR1側に押し、1対の第1ばね8Aはハブフランジ6をR1側に押す。これが可能なのは1対の第1ばね8AのR1側端がプレート21,22の角窓35のR1側の当接部36から離れているためである(図9及び図10を参照)。すなわち、第1ばね8Aは、プレート21,22を押すことができず、ハブフランジ6のみをR1側に押していく。そして、ハブフランジ6は1対の第2ばね8BをR1側に押していく。このようにして、第1ばね8Aはサブプレート11とハブフランジ6との間で圧縮され、第2ばね8Bはハブフランジ6と1対のプレート21,22との間で圧縮される。言いかえると、1つの第1ばね8Aと1つの第2ばね8Bとは、ハブフランジ6を中間フロート体として、ハブ3と入力回転体2との間で直列に圧縮される。すなわち、直列に作用する第1及び第2ばね8A,8Bが2組機能している。この結果、負側2段目領域(θC’〜θE’)の第1領域(θC’〜θD' )の剛性は、正側2段目領域(θA’〜θB’)剛性の約1/4になる。このように、本実施形態においては、従来又は前記第1実施形態に比べて捩じり特性負側領域の剛性をさらに低くできる。
【0058】
捩り角度θC′からθ5だけ大きくなった捩り角度θD′になると、図12に示すように、1対の第1ばね8AのR1側端63が1対のプレート21,22の角窓35のR1側の当接部36に当接する。そのため、これ以降は1対の第1ばね8Aはサブプレート11と1対のプレート21,22との間で圧縮される。また、捩り角度θD′においてはそれまで圧縮されていた1対の第1ばね8Aのトルクがサブプレート11とプレート21,22とに作用するため、捩じりトルクが急激に大きくなる。このようにして、1対の第1ばね8Aはサブプレート11とプレート21,22との間で圧縮され、1対の第2ばね8Bはハブフランジ6とプレート21,22との間で圧縮される。捩り特性負側で捩り角度が最も大きくなり、第2ストッパー10によって相対回転が停止されたθBでのダンパー機構4の状態を図13に示す。
【0059】
〔捩じり特性と振動減衰・吸収効果との関係〕
捩じり特性の正負1段目領域(θC’〜θA’)における低剛性・低ヒステリシストルクの特性によって、中立時アイドリング振動に対して効果的である。また、正側2段目領域(θA’〜θB’)の高剛性・高ヒステリシストルクの特性によって通常走行時の異音を効果的に減衰できる。
【0060】
捩じり特性負側領域の第1領域(θC’〜θD’)では第1ばね8A及び第2ばね8Bが直列に圧縮されるため、いずれか一方のみが圧縮される場合に比べてより低剛性の特性が得られる。したがって、この低剛性によって減速時の音振性能が向上する。さらに、捩じり特性負側領域の第2領域(θD’〜θE’)における高剛性によって負側においても十分なストッパートルクを実現できる。
【0061】
〔変形例〕
本発明に係るダンパー機構は前記実施形態に限定されない。例えば、ハブフランジとスプラインハブが一体に形成されたダンパー機構にも本発明を採用できる。その場合は捩じり特性において1段目の低剛性領域が省略されることになる。また、捩じり特性正負両側の両端や負側領域の第1領域と第2領域との間に異なる剛性の領域を付加しても良い。
【0062】
本発明に係るダンパー機構は、クラッチディスク組立体以外にも採用可能である。例えば、本発明に係るダンパー機構は、2つのフライホイールを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構やトルクコンバータのロックアップダンパーに採用できる。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係るダンパー機構では、負側第1領域における低剛性によって減速時の音振性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】 クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】 図2の部分拡大図。
【図4】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図5】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図6】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図7】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図8】 ダンパー機構の捩じり特性線図。
【図9】 第2実施形態におけるクラッチディスク組立体の平面図。
【図10】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図11】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図12】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図13】 クラッチディスク組立体のダンパー機構の機械回路図。
【図14】 第2実施形態におけるダンパー機構の捩り特性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体
2 入力回転体
3 出力回転体
4 ダンパー機構
6 ハブフランジ
7 小コイルスプリング
8 大コイルスプリング
8A 第1ばね
8B 第2ばね
11 サブプレート
21 クラッチプレート
22 リティーニングプレート

Claims (3)

  1. 入力回転体(2)と、
    前記入力回転体に対して回転可能に配置された出力回転体(3)と、
    前記入力回転体と前記出力回転体とを回転方向に連結するための第1ばね(8A)及び第2ばね(8B)を有する弾性連結部材(8)とを備え、
    捩じり特性正側領域は前記第1ばね及び前記第2ばねが並列に圧縮される領域を含み、
    捩じり特性負側領域は、前記第1ばねのみが圧縮される第1領域と、前記第1領域より大きな捩じり角度において前記第1ばね及び前記第2ばねが並列に圧縮される第2領域とを含み、
    第1中間回転体(6)と第2中間回転体(11)とをさらに備え、
    前記第1中間回転体は、前記第1ばね及び第2ばねの回転方向両端を支持し、前記出力回転体の駆動側面に所定の隙間角度(θ3)を空けて配置されており、
    前記第2中間回転体は、前記第1ばねの逆駆動側端を回転方向に支持し、前記出力回転体の駆動側面に対して前記第1中間回転体より近接して配置されている、
    ダンパー機構。
  2. 1対の入力側回転プレート(21,22)と、
    前記1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能に配置されたハブ(3)と、
    前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され前記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な円板状ハブフランジ(6)と、
    前記ハブと前記ハブフランジとを回転方向に弾性的に連結する弾性部材(7)と、
    前記ハブフランジと前記1対の入力側回転プレートとを回転方向に連結するための部材であり、第1ばね(8A)と第2ばね(8B)とを有する弾性連結部材(8)と、
    前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、前記第1ばねの逆駆動側端に当接し、前記ハブに所定角度範囲内で相対回転可能に係合するサブプレート(11)とを備え、
    前記ハブとその駆動側にある前記サブプレートとの隙間(θ2)は、前記ハブとその駆動側にある前記ハブフランジとの隙間(θ3)より小さい、
    ダンパーディスク組立体。
  3. 1対の入力側回転プレート(21,22)と、
    前記1対の入力側回転プレートの内周側に相対回転可能に配置されたハブ(3)と、
    前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され前記ハブに対して所定角度範囲内で相対回転可能な円板状ハブフランジ(6)と、
    前記ハブと前記ハブフランジとを回転方向に弾性的に連結する弾性部材(7)と、
    前記ハブフランジと前記1対の入力側回転プレートとを回転方向に連結するための部材であり、第1ばね(8A)と第2ばね(8B)とを有する弾性連結部材(8)と、
    前記1対の入力側回転プレートの軸方向間に配置され、前記第1ばねの逆駆動側端に当接し、前記ハブに所定角度範囲内で相対回転可能に係合するサブプレート(11)とを備え、
    前記ハブとその駆動側にある前記サブプレートとの隙間(θ2)は、前記ハブとその駆動側にある前記ハブフランジとの隙間(θ3)より小さく、
    前記第1ばねの駆動側端(63)は、前記ハブフランジによって回転方向に支持されており、前記1対の入力側回転プレートから所定角度(θ5)離れている、
    ダンパーディスク組立体。
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